特許第6886966号(P6886966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6886966
(24)【登録日】2021年5月19日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】被充電機器及び充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20210603BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20210603BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210603BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20210603BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   H02J7/04 F
   H01M10/44 Q
   H01M10/48 P
   H02J7/02 H
   H02J7/10 H
【請求項の数】13
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-507539(P2018-507539)
(86)(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公表番号】特表2019-500829(P2019-500829A)
(43)【公表日】2019年1月10日
(86)【国際出願番号】CN2017073653
(87)【国際公開番号】WO2018068454
(87)【国際公開日】20180419
【審査請求日】2018年2月13日
【審判番号】不服2019-8861(P2019-8861/J1)
【審判請求日】2019年7月2日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/101944
(32)【優先日】2016年10月12日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】張 加亮
【合議体】
【審判長】 千葉 輝久
【審判官】 樫本 剛
【審判官】 渡辺 努
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−100236(JP,A)
【文献】 特開平9−121462(JP,A)
【文献】 特開2014−87200(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0139012(US,A1)
【文献】 特開2011−139622(JP,A)
【文献】 特開平10−256983(JP,A)
【文献】 実開平6−24357(JP,U)
【文献】 特開2016−73066(JP,A)
【文献】 特開2006−353010(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/098631(WO,A1)
【文献】 特開2012−249410(JP,A)
【文献】 特開2011−4509(JP,A)
【文献】 特開2016−134969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被充電機器であって、
充電インタフェースと、
前記充電インタフェースに接続され、前記充電インタフェースを介してアダプタの出力電圧及び出力電流を取得する第一の充電回路であって、前記アダプタの出力電圧は、このアダプタがタイムリーに取得した互いに直列接続される複数のセルの状態情報に基づいて調整したものであり、前記アダプタの出力電圧及び出力電流を、互いに直列接続される複数のセルの両端に加し、前記複数のセルを直接充電する第一の充電回路と、を含
昇圧回路を含み、前記昇圧回路の両端が前記充電インタフェース及び前記複数のセルにそれぞれ接続され、前記昇圧回路が前記充電インタフェースを介してアダプタの出力電圧を取得し、前記アダプタの出力電圧を第二の電圧に昇圧し、前記第二の電圧を前記複数のセルの両端に印加し、前記複数のセルを充電する第二の充電回路をさらに含み、
前記第二の充電回路が取得した前記アダプタの出力電圧は、前記複数のセルの総電圧よりも小さく、
前記第二の電圧は、前記複数のセルの総電圧よりも大きく、
前記アダプタは、第一の充電モード及び第二の充電モードを有し、
前記アダプタは、前記第二の充電モードで被充電機器を充電する速度が前記第一の充電モードで前記被充電機器を充電する速度よりも速く、
前記アダプタは、前記第一の充電モードで前記第二の充電回路を介して前記複数のセルを充電し、前記第二の充電モードで前記第一の充電回路を介して前記複数のセルを充電する、
ことを特徴とする被充電機器。
【請求項2】
入力側が前記複数のセルにおける任意の単セルの両端に接続され、前記単セルの電圧に基づいて前記被充電機器の素子に電力を供給する電力供給回路をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の被充電機器。
【請求項3】
前記複数のセルに接続され、前記複数のセルの各セル間の電圧をバランスするバランス回路をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の被充電機器。
【請求項4】
前記第一の充電回路が取得した前記アダプタの出力電流は、脈動電流、交流電流或いは一定の直流電流である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の被充電機器。
【請求項5】
前記充電インタフェースは、データ線を含み、
前記被充電機器は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御する制御手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項に記載の被充電機器。
【請求項6】
前記制御手段が、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御することは、
前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することを含む
ことを特徴とする請求項に記載の被充電機器。
【請求項7】
前記制御手段が、前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することは
前記制御手段は、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が前記第二の充電モードを開始するか否かを問い合わせるための第一のコマンドを受信すること、
前記制御手段は、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可するか否かの旨を示すための前記第一のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信すること、
前記制御手段は、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可する場合に、前記アダプタに前記第一の充電回路を介して前記複数のセルを充電させるように制御することを含む
ことを特徴とする請求項に記載の被充電機器。
【請求項8】
前記制御手段が、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御することは、
前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電圧を特定することを含む
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか一つに記載の被充電機器。
【請求項9】
前記制御手段が、前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電圧を特定することは、
前記制御手段が、前記アダプタが送信した、前記アダプタの出力電圧が前記複数のセルの現在総電圧とマッチングしているかを問い合わせるための第二のコマンドを受信すること、
前記制御手段が、前記アダプタの出力電圧が前記複数のセルの現在総電圧に比べてマッチングしているか、高すぎるか或いは低すぎるかの旨を示すための前記第二のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信することを含む
ことを特徴とする請求項に記載の被充電機器。
【請求項10】
前記制御手段が、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御することは、
前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む
ことを特徴とする請求項乃至のいずれか一つに記載の被充電機器。
【請求項11】
前記制御手段が、前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することは、
前記制御手段が、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を問い合わせるための第三のコマンドを受信すること、
前記制御手段が、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を示すための前記第三のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信し、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流に基づいて前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を前記アダプタに特定させることを含む
ことを特徴とする請求項10に記載の被充電機器。
【請求項12】
前記制御手段が、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御することは、
前記第二の充電モードで充電される過程において、前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタの出力電流を調整することを含む
ことを特徴とする請求項乃至11のいずれか一つに記載の被充電機器。
【請求項13】
充電インタフェースを含む被充電機器を充電するための充電方法であって、
前記充電インタフェースを介してアダプタの出力電圧及び出力電流を取得し、前記アダプタの出力電圧は、このアダプタがタイムリーに取得した互いに直列接続される複数のセルの状態情報基づいて調整したものであり、前記アダプタは、第一の充電モード及び第二の充電モードを有し、前記アダプタは、前記第二の充電モードで前記被充電機器を充電する速度が前記第一の充電モードで前記被充電機器を充電する速度よりも速く、
前記第二の充電モードで、前記アダプタの出力電圧及び出力電流を、前記被充電機器における互いに直列接続される複数のセルの両端に印加し、前記複数のセルを直接充電し、
前記第一の充電モードで、前記アダプタの出力電圧を第二の電圧に昇圧し、前記第二の電圧を前記複数のセルの両端に印加し、前記複数のセルを充電し、前記第二の電圧は、前記複数のセルの総電圧よりも大きい、
ことを特徴とする充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、充電の技術分野に関し、特に、被充電機器及び充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、被充電機器(例えば、スマートフォン)は、ますます消費者に好まれているが、その消費電力量が大きいため、頻繁に充電する必要がある。
【0003】
充電速度を速くするための一つの可能な技術案は、大電流により被充電機器を充電することである。充電の電流が大きいほど、被充電機器の充電速度が速い。しかし、被充電機器は、放熱が深刻な課題となる。
【0004】
従って、充電速度を保証できることを前提として、如何にして被充電機器の放熱を低下させるかは、現在解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、充電速度を保証できることを前提として、被充電機器の放熱を低下できる被充電機器及び充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第一の側面は、充電インタフェースと、前記充電インタフェースに接続され、前記充電インタフェースを介してアダプタの出力電圧及び出力電流を取得し、前記アダプタの出力電圧及び出力電流を、前記被充電機器における互いに直列接続される複数のセルの両端に直接印加し、前記複数のセルを直接充電する第一の充電回路を含む被充電機器が提供される。
【0007】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記被充電機器は、入力側が前記複数のセルの両端に接続され、前記複数のセルの総電圧を第一の電圧V1に変換する降圧回路と、前記降圧回路の出力側に接続され、前記第一の電圧に基づき前記被充電機器に電力を供給する電力供給回路とをさらに含み、ただし、a≦V1≦b、aが前記被充電機器の最小動作電圧を示し、bが前記被充電機器の最大動作電圧を示す。
【0008】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記降圧回路は、チャージポンプであり、前記第一の電圧が前記複数のセルの総電圧の1/Nであり、ただし、Nがこの複数のセルに含まれるセルの数を示す。
【0009】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記被充電機器は、入力側が前記複数のセルの任意の単セルの両端に接続され、前記単セルの電圧に基づき、前記被充電機器の素子に電力を供給する電力供給回路をさらに含む。
【0010】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記被充電機器は、前記複数のセルに接続され、前記複数のセルの各セル間の電圧をバランスするバランス回路をさらに含む。
【0011】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記第一の充電回路が取得した前記アダプタの出力電流は、脈動電流、交流電流、或いは、一定の直流電流である。
【0012】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記第一の充電回路が前記充電インタフェースを介して取得した前記アダプタの出力電圧及び出力電流は、前記アダプタが定電流モードで出力した電圧及び電流である。
【0013】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記被充電機器は、昇圧回路を含み、前記昇圧回路は、両側がそれぞれ前記充電インタフェース及び前記複数のセルに接続され、前記充電インタフェースを介してアダプタの出力電圧を取得し、前記アダプタの出力電圧を第二の電圧に昇圧し、前記第二の電圧を前記複数のセルの両端に印加し、前記複数のセルを充電する第二の充電回路をさらに含み、ただし、前記第二の充電回路が取得した前記アダプタの出力電圧は、前記複数のセルの総電圧よりも小さく、前記第二の電圧は、前記複数のセルの総電圧よりも大きい。
【0014】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記第二の充電回路が取得した前記アダプタの出力電圧は、5Vである。
【0015】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記アダプタは、第一の充電モード及び第二の充電モードを有し、前記アダプタは、前記第二の充電モードで被充電機器を充電する速度が前記第一の充電モードで前記被充電機器を充電する速度よりも速く、前記第一の充電モードで前記第二の充電回路を介して前記複数のセルを充電し、前記第二の充電モードで前記第一の充電回路を介して前記複数のセルを充電する。
【0016】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記充電インタフェースは、データ線を含み、前記被充電機器は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御する制御手段をさらに含む。
【0017】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記制御手段は、前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することを含む。
【0018】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段は、前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することは、前記制御手段は、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が前記第二の充電モードを開始するかどうかを問い合わせるための第一のコマンドを受信すること、前記制御手段は、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可するかどうかの旨を示すための前記第一のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信すること、前記制御手段は、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可する場合に、前記アダプタに前記第一の充電回路を介して前記複数のセルを充電させるように制御することを含む。
【0019】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電圧を特定することを含む。
【0020】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段は、前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電圧を特定することは、前記制御手段は、前記アダプタが送信した、前記アダプタの出力電圧が前記被充電機器の複数のセルの現在総電圧とマッチングしているかどうかを問い合わせるための第二のコマンドを受信すること、前記制御手段は、前記アダプタの出力電圧が前記複数のセルの現在総電圧に比べてマッチングしているか、高すぎるか又は低すぎるかの旨を示すための前記第二のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信することを含む。
【0021】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む。
【0022】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することは、前記制御手段は、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を問い合わせるための第三のコマンドを受信すること、前記制御手段は、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を示すための前記第三のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信し、前記アダプタは、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流に基づき前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電する充電電流を特定することを含む。
【0023】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記第二の充電モードで充電されるステップにおいて、前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタの出力電流を調整することを含む。
【0024】
第一の側面に基づき、第一の側面の幾つかの実施形態において、前記制御手段が前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタの出力電流を調整することは、前記制御手段は、前記アダプタが送信した、前記複数のセルの現在総電圧を問い合わせるための第四のコマンドを受信し、前記制御手段は、前記複数のセルの現在総電圧を示すための前記第四のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信し、前記アダプタが前記複数のセルの現在総電圧に基づき、前記アダプタの出力電流を調整することを含む。
【0025】
第二の側面は、充電インタフェースを含む被充電機器を充電するための充電方法であって、前記充電インタフェースを介してアダプタの出力電圧及び出力電流を取得すること、前記アダプタの出力電圧及び出力電流を、前記被充電機器における互いに直列接続される複数のセルの両端に直接印加し、前記複数のセルを直接充電することを含む充電方法が提供される。
【0026】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記方法は、前記複数のセルにおける単セルの電圧に基づき、前記被充電機器の素子に電力を供給することをさらに含み、前記単セルは、前記複数のセルにおける任意の単セルである。
【0027】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記方法は、前記複数のセルの各セル間の電圧をバランスすることを含む。
【0028】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記方法は、前記アダプタの出力電圧を第二の電圧に昇圧すること、前記第二の電圧を前記複数のセルの両端に印加し、前記複数のセルを充電することを含み、前記第二の電圧は、前記複数のセルの総電圧よりも大きい。
【0029】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記アダプタは、第一の充電モード及び第二の充電モードを有し、前記第二の充電モードで被充電機器を充電する速度が前記第一の充電モードで前記被充電機器を充電する速度よりも速い。
【0030】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記充電インタフェースは、データ線を含み、前記方法は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御することをさらに含む。
【0031】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することを含む。
【0032】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することは、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が前記第二の充電モードを開始するかどうかを問い合わせるための第一のコマンドを受信すること、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可するかどうかの旨を示すための前記第一のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信すること、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可する場合に、前記アダプタに前記第一の充電回路を介して前記複数のセルを充電させるように制御することを含む。
【0033】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電圧を特定することを含む。
【0034】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電圧を特定することは、前記アダプタが送信した、前記アダプタの出力電圧が前記被充電機器の複数のセルの現在総電圧とマッチングしているかどうかを問い合わせるための第二のコマンドを受信すること、前記アダプタの出力電圧が前記複数のセルの現在総電圧に比べてマッチングしているか、高すぎるか又は低すぎるかの旨を示すための前記第二のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信することを含む。
【0035】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む。
【0036】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することは、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を問い合わせるための第三のコマンドを受信すること、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を示すための前記第三のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信し、前記アダプタは、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流に基づいて、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む。
【0037】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御するステップは、前記第二の充電モードで充電されるステップにおいて、前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタの出力電流を調整することを含む。
【0038】
第二の側面に基づき、第二の側面の幾つかの実施形態において、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタの出力電流を調整することは、前記アダプタが送信した、前記複数のセルの現在総電圧を問い合わせるための第四のコマンドを受信すること、前記複数のセルの現在総電圧を示すための前記第四のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信し、前記アダプタは、前記複数のセルの現在総電圧に基づいて、前記アダプタの出力電流を調整することを含む。
【発明の効果】
【0039】
本願は、第一の充電回路により複数のセルを直接充電する。この直接充電に基づく技術案は、被充電機器内部のセル構成を改良して、互いに直列接続される複数のセルを導入した。単セルに基づく技術案に比べると、同じ充電速度であれば、複数のセルの所望の充電電流が単セルの所望の充電電流の1/N(Nは、被充電機器において互いに直列接続されるセルの数)となり、言い換えれば、単セルに基づく技術案に比べると、同じ充電速度を保証できることを前提として、本願は充電電流を大幅に小さくさせ、被充電機器の充電過程における放熱量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の実施例による被充電機器の構成の模式図。
図2】本発明のもう一実施例による被充電機器の構成の模式図。
図3a】本発明のもう一実施例による被充電機器の構成の模式図。
図3b】本発明のもう一実施例による被充電機器の構成の模式図。
図4】本発明の実施例による脈動電流の波形の模式図。
図5】本発明のもう一実施例による被充電機器の構成の模式図。
図6】本発明のもう一実施例による被充電機器の構成の模式図。
図7】本発明のもう一実施例による被充電機器の構成の模式図。
図8】本発明の実施例による急速過程のプロセス図。
図9】本発明の実施例による充電方法の模式的フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0041】
関連技術である被充電機器を充電するためのアダプタについて開示する。このアダプタは、定電圧モードで動作する。定電圧モードでは、このアダプタの出力電圧が基本的に一定に維持され、例えば、5V、9V、12V或いは20Vなどの電圧が維持される。
【0042】
このアダプタにより出力された電圧は、電池の両端へそのまま印加するのには適しておらず、被充電機器内の変換回路によって変換しておくことで、被充電機器内の電池の所望の充電電圧及び/又は充電電流を得る必要がある。
【0043】
変換回路は、電池の所望の充電電圧及び/或いは充電電流の要求を満たすように、アダプタが出力した電圧を変換するためのものである。
【0044】
一例として、この変換回路は、電池の充電中に、電池の充電電圧及び/又は充電電流を管理するための充電管理モジュール、例えば端末内の充電集積回路(integratedcircuit、IC)であってもよい。この変換回路は、電池の充電電圧及び/又は充電電流に対する管理を実現するために、電圧フィードバックモジュールの機能、及び/又は、電流フィードバックモジュールの機能を持つ。
【0045】
例示すると、電池の充電過程は、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階のいずれか1つ又は複数の段階を含んでもよい。トリクル充電段階において、変換回路は、電流フィードバック回路を利用して、トリクル充電段階で電池に入力される電流が電池の所望の充電電流の大きさ(例えば第一充電電流)を満たすようにしてもよい。定電流充電段階において、変換回路は、電流フィードバック回路を利用して、定電流充電段階で電池に入力される電流が電池の所望の充電電流の大きさ(例えば第二充電電流、該第二充電電流は、第一充電電流よりも大きくてもよい)を満たすようにしてもよい。定電圧充電段階において、変換回路は、電圧フィードバック回路を利用して、定電圧充電段階で電池の両端に印加される電圧が電池の所望の充電電圧の大きさを満たすようにしてもよい。
【0046】
一示例としては、変換回路は、アダプタの出力電圧が電池の所望の充電電圧よりも大きい場合、アダプタの出力電圧に対して降圧変換処理を行うことで、降圧変換された充電電圧に電池の所望の充電電圧の要求を満たさせるためのものである。他の一つ示例としては、変換回路は、アダプタの出力電圧が電池の所望の充電電圧よりも小さい場合、アダプタの出力電圧に対して昇圧変換処理を行うことで、昇圧変換された充電電圧に電池の所望の充電電圧の要求を満たさせるためのものである。
【0047】
他の一示例としては、アダプタが定電圧を5V出力することを例示すると、変換回路(例えば、Buckの降圧回路)は、電池に単セル(リチウム電池のセルを例示すると、単セルは、充電終止電圧が4.2Vである)を含むときに、アダプタの出力電圧に対して降圧変換処理を行うことで、降圧された充電電圧に電池の所望の充電電圧の要求を満たさせるためのものである。
【0048】
他の一示例としては、アダプタが5Vの定電圧を出力することを例示すると、変換回路(例えばBoost昇圧回路)は、アダプタにより二つ以上の単セルが直列接続される電池(リチウム電池のセルを例示すると、単セルは、充電終止電圧が4.2Vである)を充電するときに、アダプタの出力電圧に対して昇圧変換処理を行うことで、昇圧された充電電圧に電池の所望の充電電圧の要求を満たさせるためのものである。
【0049】
変換回路が回路変換効率の低下により制限を受けることで、変換されなかった分の電気エネルギーが熱量の形で散逸するようになり、この分の熱量は、被充電機器の内部に溜まってしまう。その一方、被充電機器は、その設計空間及び放熱空間が、いずれも小さく(例えば、利用者が用いるモバイル端末の物理サイズがますます薄型軽量化していくと同時に、モバイル端末の性能を向上させるために、モバイル端末内に大量の電子部品を密集させて配置している)、これは、変換回路の設計難易度が増加するだけではなく、被充電機器内に溜まった熱量がタイムリーに放出し難くなり、更には、被充電機器の異常に繋がる。
【0050】
例えば、変換回路に溜まった熱量は、変換回路付近の電子部品に熱干渉して、電子部品の動作異常を引き起こしてしまう可能性があり、及び/又は、変換回路に溜まった熱量は、変換回路及びその付近の電子素子の寿命を短縮させる可能性があり、及び/又は、変換回路に溜まった熱量は、電池に熱干渉して、更には、電池の充放電異常を引き起こしてしまう可能性があり、及び/又は、変換回路に溜まった熱量は、被充電機器の温度を上昇させて、使用者の充電時での使用体験に影響してしまう可能性があり、及び/又は、変換回路に溜まった熱量は、変換回路自体を短絡させて、関連アダプタにより出力された電圧を電池の両端にそのまま印加して充電異常を引き起こしてしまう可能性があり、電池が長時間に亘って過電圧充電にある場合に、引いては、電池の爆発を引き起こしてしまう恐れがあり、一定の安全リスクがある。
【0051】
本発明に係る実施例は、出力電圧が調整可能なアダプタを提供する。このアダプタは、電池の状態情報を取得することができる。電池の状態情報は、電池の現在の電力量情報及び/或いは電圧情報を含むことができる。このアダプタは、取得された電池の状態情報に基づいてアダプタ自体による出力電圧を調整し、電池の所望の充電電圧及び/或いは充電電流の要求を満たさせる。さらに、電池充電過程における定電流充電段階では、アダプタにより調整して出力された電圧を電池の両端に直接印加し、電池を充電することができる(以下、「直接充電」と称する。)。さらに、電池の充電過程における定電流充電の段階では、アダプタにより調節された電圧を、電池の両端に直接印加し、電池を充電することができる。
【0052】
このアダプタは、電池の充電電圧及び/或いは充電電流の管理を実現するために、電圧フィードバックモジュールの機能及び電流フィードバックモジュールの機能を有することができる。
【0053】
このアダプタは、取得された電池の状態情報に基づいてアダプタ自体による出力電圧を調整することは、このアダプタがタイムリーに電池の状態情報を取得し、タイムリーに取得された電池の状態情報毎に基づいてアダプタ自体による出力電圧を調整し、電池の所望の充電電圧及び/或いは充電電流を満たさせることを意味してもよい。
【0054】
このアダプタは、タイムリーに取得された電池の状態情報に基づいてアダプタ自体による出力電圧を調整することは、充電過程に電池電圧が次第に上昇するに伴い、アダプタが充電過程における異なる時刻に電池の現在の状態情報を取得し、電池の現在の状態情報に基づいてアダプタ自体による出力電圧をタイムリーに調整し、電池の所望の充電電圧及び/或いは充電電流の要求を満たさせることを意味してもよい。
【0055】
例示すると、電池の充電過程は、トリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階の一つ或いは複数を含むことができる。トリクル充電段階では、アダプタがトリクル充電段階で第一の充電電流を出力し電池を充電して電池に所要される充電電流の要求(第一の充電電流が一定の直流電流である)を満たさせる。定電流充電段階では、アダプタが電流フィードバック回路により定電流充電段階でアダプタにより出力されかつ電池を流す電流を、電池に所要される充電電流の要求(例えば、第二の充電電流が脈動波形の電流であってもよい。この第二の充電電流は、第一の充電電流よりも大きい。定電流充電段階での脈動波形の電流ピークは、トリクル充電段階での一定の直流電流の大きさよりも大きい。定電流充電段階での定電流とは、脈動波形の電流ピーク或いは平均値が基本的に変化せずに維持するものを意味する)を満たさせる。定電圧充電段階では、アダプタが電圧フィードバック回路により被充電機器に出力された電圧(即ち、一定直流電圧)を一定に維持することができる。
【0056】
例示すると、本発明の実施例に係るアダプタは、被充電機器内における電池の定電流充電の段階を制御するためのものである。他の実施例では、被充電機器内における電池のトリクル充電段階及び定電圧充電段階の制御機能は、本発明の実施例に係るアダプタ、及び、被充電機器内における別体の充電チップにより協同でなされる。
【0057】
定電流充電段階に比べると、電池がトリクル充電段階及び定電圧充電段階で受け取られた充電電力は、比較的小さいため、被充電機器内部に充電チップの変換効率によるロス及び熱量の累積は許容可能である。説明すべきことは、本発明の実施例に係る定電流充電段階或いは定電流段階は、アダプタによる出力電流を制御する充電モードを意味しているが、第二のアダプタによる出力電流を一定に維持する要求ではない。例えば、アダプタが出力した脈動波形の電流ピーク或いは平均値が基本的に変化せずに維持され、或いは、ある時間帯に基本的に変化せずに維持されることを意味する。例えば、実際に、アダプタは、定電流モードで通常に多段定電流充電の方式に従って充電する。
【0058】
多段階定電流充電(Multi−stage constant current charging)は、N個の定電流段階(Nは2以上の整数)を有してもよく、多段階定電流充電は、所定の充電電流で1番目の段階充電を開始し、前記多段階定電流充電のN個の定電流段階は、1番目の段階から(N−1)番目の段階まで順次に実行され、定電流段階におけるある定電流段階からその次の定電流段階に移行すると、脈動波形の電流ピーク値又は平均値が小さくなってもよく、電池の電圧が充電終止電圧のしきい値に達すると、定電流段階における現在の定電流段階は、その次の定電流段階に移行する。隣接する2つの定電流段階の間の電流変換過程は、漸進的な変化であってもよく、又は、段階状の跳躍的な変化であってもよい。
【0059】
さらに、定電流モードとは、アダプタの出力電流が脈動電流である場合に、脈動電流のピーク或いは平均値を制御するものであって、アダプタの出力電流のピークに定電流モードに対応する電流を超えさせないように制御するモードを意味する。なお、定電流モードとは、アダプタの出力電流が交流電流である場合に、交流電流のピークを制御するモードを意味する。
【0060】
さらに、説明すべきことは、本発明の実施例に使用される被充電機器は、被充電機器「通信端末」(或いは単に“端末”と称し)であってもよく、有線線路を介して接続され(例えば、公衆交換電話網(public switched telephonenetwork,PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line,DSL)、デジタルケーブルを介して接続され、直接にケーブルを介して接続され、及び/或いは、他のデータ接続/ネットワークを介して接続され)及び/或いは(例えば、セルラーネットワーク、無線LAN(wireless local area network,WLAN)における例えば携帯機器向けの地上デジタルテレビ放送(digitalvideobroadcastinghandheld、DVB−H)ネットワークに対するデジタル放送ネットワーク、衛星ネットワーク、周波数変調(amplitude modulation−frequency modulation,AM−FM)放送送信器、及び/或いは、他の通信端末)無線インタフェースを介して、通信信号を受送信するように設置された装置を含むが、それらに限定されていない。無線インタフェースを介して通信するように設置された通信端末は、「無線通信端末」、「無線端末」及び/或いは「携帯端末」とも称する。携帯端末は、例示すると、衛星或いはセルラー携帯を含むが、それらに限定されていない。セルラー無線携帯と、データ処理、ファクス及びデータ通信能力とを組み合わせるパーソナル通信システム(personal communication system,PCS)端末であってもよいし、無線携帯、無線呼び出し、インターネットやイントラネットアクセス、Webブラウザ、ノートブック、カレンダー及び/或いは全地球測位システム(global positioning system,GPS)受信器の個人情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)を含んでもよいし、ラップトップ型及び/或いは携帯型の受信器や無線携帯の受送信器を含む他の電子装置であってよい。また、本発明の実施例に使用される被充電機器或いは端末は、アダプタに充電され、エネルギーを保存し、他の電子装置にエネルギーを提供する携帯電源(power bank)を含むことができる。
【0061】
なお、本発明の実施例では、アダプタが出力した脈動波形の電圧を、被充電機器の電池に直接印加し、電池を充電するとき、充電電流が脈動波(例えば、饅頭のような山型の波(饅頭状波))の方式によって表される。理解するべきことは、充電電流により間欠的に電池を充電可能であり、この充電電流の周期は、入力交流電流に基づいて、例えば交流電力網の周波数に基づいて、変化可能であり、例えば、充電電流の周期に対応する周波数は、電力網周波数の整数倍或いは逆数倍である。しかも、充電電流により間欠的に電池を充電すると、この充電電流に対応する電流の波形は、電力網と同期した1つ又は複数のパルスで構成されてもよい。
【0062】
例示すると、本発明の実施例では、電池が充電される過程(例えばトリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階の少なくとも一つ)では、アダプタが出力した脈動電流(向きが変化しないが、値が時間と共に変化する)、交流電流(向き及び値は、何れも時間と共に変化する)或いは直流電流(即ち、一定の直流電流であり、値及び向きは、何れも時間と共に変化しない)を受け取ることができる。
【0063】
従来技術では、被充電機器に、通常には単セルしか含まないため、比較的大きい充電電流によりこの単セルを充電するとき、被充電機器の放熱現象が比較的厳しい。被充電機器の充電速度を保証し、被充電機器の充電過程での放熱現象を緩和させるために、本発明に係る実施例は、被充電機器のセル構成を改良し、互いに直列接続される複数のセルを導入し、この複数のセルを直接充電する。以下に、図1に基づいて本発明の実施例を詳しく説明する。
【0064】
図1は、本発明の実施例による被充電機器の構成の模式図である。図1の被充電機器10は、充電インタフェース11及び第一の充電回路12を含む。第一の充電回路12は、充電インタフェース11に接続される。第一の充電回路12は、充電インタフェース11を介してアダプタの出力電圧及び出力電流を取得し、アダプタの出力電圧及び出力電流を、被充電機器における互いに直列接続される複数のセル13の両端に直接印加し、複数のセル13を直接充電する。
【0065】
本発明の実施例は、変換回路による放熱課題を解決すると共に電気エネルギーのロスを減少させるために、第一の充電回路12を介して直接充電で複数のセル13を充電する。
【0066】
直接充電する技術案は、被充電機器の放熱量をある程度減少できるが、アダプタの出力電流が大きすぎる場合に、アダプタの出力電流が5A−10Aの間に達すると、被充電機器の放熱現象が比較的厳しく、危険の恐れがある。充電速度を保証すると共に被充電機器の放熱現象を緩和するために、本発明の実施例は、被充電機器内部のセル構成をさらに改良し、互いに直列接続される複数のセルを導入し、単セルによる技術案に比べると、同じ充電速度であれば、複数のセルに所要される充電電流は、ほぼ単セルに所要される充電電流の1/N(Nは、被充電機器における互いに直列接続されるセルの数)となる。言い換えれば、本発明の実施例は、同じ充電速度を保証することを前提として、充電電流を大幅に小さくして、被充電機器の充電過程での放熱量をさらに減少することができる。
【0067】
例えば、3000mAhの単セルは、3Cの充電倍率に達するためには、9Aの充電電流が必要となる。同じ充電速度に達すると共に被充電機器の充電過程の放熱量を減少するために、3000mAhの単セルに代わり、二つの1500mAHのセルを直列接続させることができる。そうすれば、4.5Aの充電電流により3Cの充電倍率に達することができ、9Aの充電電流に比べると、4.5Aの充電電流による放熱量は明らかに減少される。
【0068】
説明すべきことは、第一の充電回路12が直接充電で複数のセル13を充電することから、第一の充電回路12に取得されたアダプタの出力電圧を、複数のセル13の総電圧よりも大きくする必要がある。一般的に、単セルの動作電圧が3.0V−4.35Vの間であり、二つのセルが直列接続されることを例示すると、アダプタの出力電圧を10V以上に設定することができる。
【0069】
また、説明すべきことは、本発明の実施例において、充電インタフェース11は、種類が詳しく限定されておらず、例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal SerialBus、USB)インタフェースであってもよい。前記USBインタフェースは、標準のUSBインタフェースであってもよいし、microUSBインタフェースであってもよいし、Type−Cインタフェースであってもよい。第一の充電回路12は、USBインタフェースにおける電源線により複数のセル13を充電し、ただし、USBインタフェースにおける電源線がUSBインタフェースにおけるVBus線及び/或いは接地線であってもよい。
【0070】
本発明の実施例における複数のセル13は、規格やパラメータが同じ、或いは、近接するものであってもよい。規格が同じ或いは近接するセルは、便宜に集中して管理を行うとともに、複数のセル13全体の性能及び使用寿命を向上させることができる。
【0071】
理解すべきことは、互いに直列接続される複数のセル13がアダプタの出力電圧を分圧することができる。
【0072】
現在、被充電機器(或いは被充電機器の素子、或いは、被充電機器のチップ)に単セルにより電力を供給することは、一般である。本発明の実施例には、互いに直列接続される複数のセルが導入されることから、複数のセルの総電圧が比較的高くなり、そのまま被充電機器(或いは被充電機器の素子、或いは被充電機器のチップ)に電力を供給することは適さない。この課題を解決するために、被充電機器(或いは被充電機器の素子、或いは被充電機器のチップ)の動作電圧を調整して複数のセルに電力を供給できるようにする実施形態が採用可能である。しかしながら、この実施形態は、被充電機器に対する変更が比較的大きく、コストが比較的高い。以下に図2図3a及び図3bに基づいて、本発明の実施例による実施形態において、複数のセルによる技術案に、如何にして電力供給の課題を解決するかを詳しく説明する。
【0073】
選択的に、幾つかの実施例では、図2に示すように、被充電機器10は、降圧回路21及び電力供給回路22をさらに含む。降圧回路21は、入力側が複数のセル13の両端に接続される。降圧回路21は、複数のセル13の総電圧を第一の電圧V1に変換し、ただし、a≦V1≦b 。aは、被充電機器10(或いは被充電機器10の素子、或いは被充電機器10のチップ)の最小動作電圧を示す。bは、被充電機器10(或いは被充電機器10の素子、或いは被充電機器10のチップ)の最大動作電圧を示す。電力供給回路22は、降圧回路21の出力側に接続される。電力供給回路22は、第一の電圧に基づいて被充電機器10に電力を供給する。
【0074】
本発明の実施例は、図1に示される実施例に基づいて、降圧回路21を導入する。被充電機器は、動作の状態になると、複数のセル13の総電圧を、降圧回路21により降圧し、第一の電圧を取得する。第一の電圧が被充電機器10の最小動作電圧及び最大動作電圧との間に所属されることから、被充電機器に電力を供給することができ、複数のセル技術案に如何にして電力を供給するかという課題を解決することができる。
【0075】
説明すべきことは、複数のセル13の総電圧は、複数のセル13の電力量の変化に伴い変化するものである。従って、上記の複数のセル13の総電圧とは、複数のセル13の現在の総電圧を意味してもよい。例えば、単セルの動作電圧が3.0V−4.35Vの間に属され得る。複数のセルに二つのセルが含まれ、且つ、二つのセルの現在電圧が共に3.5Vである場合に、上記複数のセル13は、総電圧が7Vとなる。
【0076】
単セルの動作電圧の取値範囲が3.0V−4.35Vであることを例示すると、a=3.0V、b=4.35Vである。被充電機器の素子の電力供給電圧を正常に保証するために、降圧回路21は、複数のセル13の総電圧を3.0V−4.35Vという区間の任意の値まで低下させてもよい。降圧回路21の実施形態は、複数種類あり、例えばBuck回路、チャージポンプ等の回路方式により降圧を実現することができる。
【0077】
説明すべきことは、回路を簡単に実現するように、降圧回路21がチャージポンプであってもよい。チャージポンプにより、複数のセル13の総電圧を直接に現在総電圧の1/Nまで低下させることができ、ただし、Nがこの複数のセル13に含まれるセルの数を示す。従来のBuck回路は、トランジスタ及びインダクタなどの素子を含む。インダクタの電力ロスが比較的大きいため、Buck回路による降圧により、電力ロスが比較的大きくなるおそれがある。Buck回路に比べると、チャージポンプは、主にトランジスタ及び容量により降圧する。また、容量は、基本的に、特別のエネルギーを消費しない。従って、チャージポンプにより、降圧過程による電力のロスを小さくすることができる。具体的に、チャージポンプ内部のトランジスタは、所定の形態により容量の充放電を制御し、入力電圧を、あるパラメータで低下(本発明の実施例に採用されたパラメータは、1/Nである)させ、所要される電圧を取得する。
【0078】
選択的に、他の幾つかの実施例では、図3aに示すように、被充電機器10は、電力供給回路32をさらに含む。電力供給回路32は、入力側が複数のセル13における任意の単セルの両端に接続される。電力供給回路32は、単セル13の電圧に基づいて被充電機器10の素子に電力を供給する。
【0079】
理解すべきことは、降圧回路により降圧処理された電圧は、リップルが発生する恐れがあり、被充電機器への給電の品質に影響を与えてしまう。本発明の実施例に、複数のセル13におけるある単セルの両端から、電力供給電圧を直接に導出し、被充電機器の素子に電力を供給するため、セルの出力した電圧が比較的安定する。従って、本発明の実施例は、複数のセルによる技術案により、如何にして電力を供給するかという課題を解决することができると共に、被充電機器への給電の品質を維持することができる。
【0080】
さらに、図3aの実施例に基づいて、図3bに示すように、被充電機器10は、バランス回路33をさらに含む。バランス回路33が複数のセル13に接続される。バランス回路33は、複数のセル13における各セルの間の電圧をバランスするためのものである。
【0081】
図3aに示すように、電力供給の形態を利用した後に、被充電機器の素子に電力を供給するセル(以下にマスタセルと称し、残りのセルは、スレーブセルと称する。)が継続に電力量を消費していることにより、マスタセルとスレーブセルとの間の電圧がアンバランスとなる(或いは、電圧が一致していない)。複数のセル13間の電圧のアンバランスは、複数のセル13全体の性能を低下させ、複数のセル13の使用寿命に影響を与えてしまう。なお、複数のセル13を集中して管理することは、複数のセル13の間の電圧のアンバランスにより難しくなる。従って、本発明の実施例は、バランス回路33を導入し、複数のセル13における各セル間の電圧をバランスさせるため、複数のセル13全体の性能を向上させ、複数のセル13を便宜に集中して管理することができる。
【0082】
バランス回路33は、その実施形態が多い。例えば、セル両端に負荷を接続し、スレーブセルの電力量を、マスタセルの電力量と一致するように消費して維持し、マスタセルとスレーブセルに電圧を一致するように維持してもよい。或いは、マスタセルとスレーブセルに電圧が一致するまで、スレーブセルにより、マスタセルを充電してもよい。
【0083】
アダプタは、出力電力が大きくなるにつれ、被充電機器のセルを充電する時に、リチウム析出現象が発生しやすく、セルの使用寿命が低下する。
【0084】
幾つかの実施例では、セルの確実性及び安全性を向上させるために、アダプタに脈動電流(或いは、一方向に脈動している出力電流、或いは、脈動波形の電流、或いは、饅頭状波電流と称し)を出力させるように制御する。第一の充電回路12は、直接充電する形態により複数のセル13を充電し、アダプタが出力した脈動電流を複数のセル13の両端に直接印加する。図4に示すように、脈動電流は、電流の大きさが周期性に変化する。脈動電流は、一定の直流電流に比べると、セルのリチウム析出現象を減少させ、セルの使用寿命を向上させることができる。なお、脈動電流は、一定の直流電流に比べると、充電インタフェースの電気接点のアーク発生の確率及び強さを低下させ、充電インタフェースの寿命を向上させることができる。
【0085】
アダプタの出力電流を脈動電流に設置する形態は、複数ある。例えば、アダプタにおける1次フィルタ回路及び2次フィルタ回路を省略すれば、取得されたアダプタの出力電流が脈動電流となる。
【0086】
選択的に、幾つかの実施例では、第一の充電回路12が取得したアダプタの出力電流は、交流電流(例えば、アダプタの1次フィルタ回路、2次整流回路及び2次フィルタ回路を省略すれば、取得されたアダプタの出力電流が交流電流となる)であってもよく。交流電流は、同様に、リチウムセルのリチウム析出現象を減少させ、セルの使用寿命を向上させることができる。
【0087】
選択的に、幾つかの実施例では、第一の充電回路12が充電インタフェース11により取得されたアダプタの出力電圧及び出力電流は、アダプタが定電流モード(定電流充電モード或いは定電流充電段階)で出力された電圧及び電流であってもよい。
【0088】
選択的に、幾つかの実施例では、図5に示すように、複数のセル13は、共に、電池51に組み合わせられる。さらに、この電池51は、過電圧・過電流からの保護を実現し、電力量バランス管理や電力量管理などの機能を実現することができる電池保護板52を含む。
【0089】
選択的に、幾つかの実施例では、複数のセル13は、複数の電池に組み合わせられる。
【0090】
選択的に、幾つかの実施例では、図6に示すように、被充電機器10は、第二の充電回路61をさらに含む。第二の充電回路61は、昇圧回路62をさらに含む。昇圧回路62の両端は、それぞれ充電インタフェース11及び複数のセル13に接続される。昇圧回路62は、充電インタフェース11によりアダプタの出力電圧を取得し、アダプタの出力電圧を第二の電圧に昇圧し、第二の電圧を複数のセル13の両端に印加し、複数のセル13を充電する。第二の充電回路61が取得したアダプタの出力電圧は、複数のセル13の総電圧よりも小さく、第二の電圧は、複数のセル13の総電圧よりも大きい。
【0091】
上記から見れば、第一の充電回路12が複数のセル13を直接充電する充電形態では、アダプタの出力電圧を複数のセル13の総電圧よりも高くすることが必要となる。例えば、二つのセルが直列接続される技術案について、一つのセルの現在電圧が4Vであれば、第一の充電回路12によりこの二つのセルを充電する時に、アダプタの出力電圧を少なくとも8Vよりも大きくすることが必要となる。しかしながら、普通のアダプタ(上記のアダプタ)の出力電圧が一般的に5Vであり、第一の充電回路12により複数のセル13を充電することができない。本発明の実施例は、普通のアダプタと互換できるように、第二の充電回路61を導入し、この第二の充電回路61に昇圧回路62を含み、昇圧回路62によりアダプタの出力電圧を第二の電圧に昇圧し、この第二の電圧を複数のセル13の総電圧よりも大きくすることにより、普通のアダプタにより互いに直列接続される複数のセル13を充電する課題を解決することができる。
【0092】
本発明の実施例は、第二の充電回路61が取得したアダプタの出力電圧の電圧値について具体的に限定されておらず、アダプタの出力電圧が複数のセル13の総電圧よりも低い場合に、言い換えれば、第二の充電回路61により昇圧された場合に、この複数のセル13を充電することができる。
【0093】
本発明の実施例は、昇圧回路について具体的形態が限定されていない。例えば、Boost昇圧回路を利用し、或いは、チャージポンプを利用し、昇圧を行うことができる。選択的に、幾つかの実施例では、第二の充電回路61は、従来の充電回路の設計形態を用いてもよく、即ち、充電インタフェースとセルとの間に変換回路(例えば、充電IC)を設置してもよい。この変換回路は、アダプタの充電過程を定電圧や定電流について制御し、実際の必要に応じてアダプタの出力電圧を調整し、例えば昇降圧を行う。本発明の実施例は、この変換回路の昇圧機能を利用し、アダプタの出力電圧を複数のセル13の総電圧よりも大きい第二の電圧に昇圧する。理解すべきことは、第一の充電回路12及び第二の充電回路61との間の切り替えは、スイッチや制御手段により実現され得る。例えば、被充電機器の内部に設置される制御手段は、実際の必要に応じて(例えばアダプタの種類)第一の充電回路12と第二の充電回路61との間で円滑に切り替ることができる。
【0094】
選択的に、幾つかの実施例では、アダプタは、第一の充電モード及び第二の充電モードを有し、第二の充電モードで被充電機器を充電する速度が第一の充電モードで被充電機器を充電する速度よりも速い。言い換えれば、第一の充電モードで動作するアダプタに比べると、第二の充電モードで動作するアダプタが同じ容量の電池を100%充電する時間はより短い。さらに、幾つかの実施例では、アダプタは、第一の充電モードで第二の充電回路61を介して複数のセル13を充電し、第二の充電モードで第一の充電回路12を介して複数のセル13を充電する。
【0095】
第一の充電モードは、普通充電モードであり、第二の充電モードは、急速充電モードである。この普通充電モードとは、アダプタが比較的小さい電流値(通常は2.5A未満)を出力し、或いは、比較的小さい電力(通常は15W未満)により被充電機器における電池を充電することを指し、普通充電モードでは、比較的大きい容量電池(例えば、3000ミリアンペアである容量の電池)を100%充電しようとすると、通常では数時間を必要とする。一方、急速充電モードでは、アダプタが比較的大きい電流(通常は2.5A以上、例えば4.5A、5Aやさらに高いもの)を出力し、或いは、比較的大きい電力(通常は15W以上)により被充電機器における電池を充電し、普通充電モードに比べると、アダプタは、急速充電モードで同じ容量の電池を100%充電するのに必要な充電時間が明らかに短くなり、充電速度がより速くなる。
【0096】
さらに、図7に示すように、充電インタフェース11は、データ線を含み、被充電機器10は、データ線によりアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタの出力を制御する制御手段71をさらに含む。充電インタフェースをUSBインタフェースとして例示すると、データ線は、USBインタフェースにおけるD+線及び/或いはD−線であってもよい。
【0097】
本発明の実施例は、アダプタと制御手段71との通信内容、及び、第二の充電モードでのアダプタの出力に対する制御手段71の制御形態が具体的に限定されていない。例えば、制御手段71は、アダプタと通信し、被充電機器における複数のセル13の現在総電圧或いは現在総電力量を特定し、複数のセル13の現在総電圧或いは現在総電力量に基づいてアダプタの出力電圧或いは出力電流を調整する。以下に、具体的な実施例に基づいて、制御手段71とアダプタとの間の通信内容、及び、第二の充電モードでのアダプタの出力に対する制御手段71の制御形態を詳しく説明する。
【0098】
本発明の実施例の前記説明は、アダプタと被充電機器(或いは、被充電機器の制御手段71)のマスタ・スレーブが限定されていない。言い換えれば、アダプタと被充電機器は、いずれかの一方がマスタ機器として双方向通信で会話し、相応に他方がスレーブ機器としてマスタ機器による通信に第一の応答や第一のレスポンスを行う。一つの可能な形態としては、通信プロセスにおいて、アダプタ側及び被充電機器のグランドに対するレベルの高さにより、マスタ機器とスレーブ機器の身分を特定することができる。
【0099】
本発明の実施例は、アダプタと被充電機器との間の双方向通信の具体的な実現形態が限定されていない。言い換えれば、アダプタと被充電機器とは、いずれか一方がマスタ機器として通信会話し、相応に他方がスレーブ機器としてマスタ機器による通信会話に第一の応答や第一のレスポンスを行う。マスタ機器は、前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスに第二の応答を行ったら、マスタ機器とスレーブ機器との間に、充電モードの一回の協議過程が完了したと考えることができる。一つの可能な実施形態としては、特定された充電過程を安全かつ確実に実行するのを確保するように、マスタ機器とスレーブ機器との間に充電モードの複数の協議過程が完了したら、マスタ機器とスレーブ機器との間の充電操作を行ってもよい。
【0100】
通信会話に対する前記スレーブ機器の第一の応答、或いは、第一のレスポンスに基づいて第二の応答をマスタ機器が行う方式は、マスタ機器は、通信会話に対する前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスを受信し、受信された前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスに基づいて相応しい第二の応答を行うことができるということである。例示すると、予め設定される時間内に通信会話に対する前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスをマスタ機器が受信する場合に、前記スレーブ機器の第一の応答或いは第一のレスポンスに相応しい第二の応答をマスタ機器が行うことは、具体的に、マスタ機器とスレーブ機器とに充電モードの一回の協議過程が完了したと考えられ、マスタ機器とスレーブ機器との間の協議結果に従って、第一の充電モード或いは第二の充電モードで充電操作を実行し、即ち、アダプタが協議結果に従って第一の充電モード或いは第二の充電モードで動作し被充電機器を充電する。
【0101】
通信会話に対する前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスに基づいて第二の応答をマスタ機器がさらに行う形態は、さらに、マスタ機器は、予め設定される時間内に、通信会話に対する前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスを受信しなかったとしても、前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスに相応しい第二の応答を行うということであってもよい。例示すると、マスタ機器は、予め設定される時間内に、通信会話に対する前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスを受信しなかったとしても、前記スレーブ機器による第一の応答或いは第一のレスポンスに相応しい第二の応答を行うことは、具体的に、マスタ機器とスレーブ機器とに充電モードの一回の協議過程が完了したら、マスタ機器とスレーブ機器との間に第一の充電モードで充電操作を実行し、即ち、アダプタが第一の充電モードで動作し、被充電機器を充電するということである。
【0102】
選択的に、幾つか実施例では、被充電機器は、マスタ機器として通信会話し、アダプタは、スレーブ機器として、マスタ機器による通信会話に第一の応答或いは第一のレスポンスを行った後に、被充電機器により第二のアダプタによる第一の応答或いは第一のレスポンスに相応しい第二の応答を行う必要がなくなり、即ち、アダプタと被充電機器との間に充電モードの一回の協議過程が完了したと考えられ、アダプタが協議結果に従って第一の充電モード或いは第二の充電モードを特定し被充電機器を充電することができる。
【0103】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71は、データ線を介してアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタの出力を制御する過程は、制御手段71がアダプタと双方向通信し、アダプタと被充電機器との間の充電モードを特定することを含む。
【0104】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71がアダプタと双方向通信し、アダプタと被充電機器との間の充電モードを特定することは、制御手段71は、アダプタが送信した、被充電機器が第二の充電モードを開始するかどうかを問い合わせるための第一のコマンドを受信すること、制御手段71は、被充電機器が第二の充電モードの開始を許可するかどうかの旨を示すための第一のコマンドの応答コマンドをアダプタに送信すること、被充電機器が第二の充電モードの開始を許可する場合に、制御手段71は、アダプタに第一の充電回路12を介して複数のセルを充電させるように制御することを含む。
【0105】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71がデータ線を介してアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタの出力を制御する過程は、制御手段71がアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電圧を特定することを含む。
【0106】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71がアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電圧を特定することは、制御手段71は、アダプタが送信した、アダプタの出力電圧が被充電機器における複数のセル13の現在総電圧とマッチングしているかどうかを問い合わせるための第二のコマンドを受信すること、制御手段71は、アダプタの出力電圧が複数のセル13の現在総電圧に比べてマッチングしているか、高すぎるか又は低すぎるかの旨を示すための第二のコマンドの応答コマンドをアダプタに送信することを含む。選択的に、第二のコマンドは、アダプタの現在出力電圧を、第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電圧として適切であるかどうかを問い合わせるためのものである。第二のコマンドの応答コマンドは、現在アダプタの出力電圧が適切であるか、高すぎるか又は低すぎるかの旨を示すためのものである。アダプタの現在出力電圧が複数のセルの現在総電圧とマッチングしているか、或いはアダプタの現在出力電圧が在第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電圧として適切することは、アダプタの現在出力電圧が僅かに複数のセルの現在総電圧よりも高く、かつ、アダプタの出力電圧と複数のセルの現在総電圧との間の電圧差が予め設定される範囲(通常は、数百ミリボルトのオーダー)に属されることを意味してもよい。
【0107】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71がデータ線を介してアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタの出力を制御する過程は、制御手段71がアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む。
【0108】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71がアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電流を特定することは、制御手段71は、アダプタが送信した、被充電機器が現在許容する最大充電電流を問い合わせるための第三のコマンドを受信すること、制御手段71は、被充電機器が現在許容する最大充電電流を示すための第三のコマンドの応答コマンドをアダプタに送信し、アダプタは、被充電機器が現在許容する最大充電電流に基づいて第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む。理解するべきことは、制御手段71は、被充電機器が現在許容する最大充電電流に基づいて第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電流を特定する形態は、複数ある。例えば、アダプタは、被充電機器が現在許容する最大充電電流を、第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電流として特定してもよく、被充電機器が現在許容する最大充電電流及び自体の電流出力の能力を総合的に考慮する上で、第二の充電モードでのアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電流を特定してもよい。
【0109】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71は、データ線を介してアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタの出力を特定する過程は、第二の充電モードで充電される過程において、制御手段71がアダプタと双方向通信し、アダプタの出力電流を調整することを含む。
【0110】
具体的に、制御手段71がアダプタと双方向通信し、アダプタの出力電流を調整することは、制御手段71は、アダプタが送信した、複数のセルの現在総電圧を問い合わせるための第四のコマンドを受信すること、制御手段71は、複数のセルの現在総電圧を示すための第四のコマンドの応答コマンドをアダプタに送信し、アダプタは、複数のセルの現在総電圧に基づいてアダプタの出力電流を調整することを含む。
【0111】
選択的に、幾つかの実施例では、制御手段71は、データ線を介してアダプタと双方向通信し、第二の充電モードでのアダプタの出力を制御する過程は、制御手段71がアダプタと双方向通信し、充電インタフェースの接触が良好かどうかを特定することを含む。
【0112】
具体的に、制御手段71がアダプタと双方向通信し、充電インタフェースの接触が良好かどうかを特定することは、制御手段71は、アダプタが送信した、被充電機器の電池の現在電圧を問い合わせるための第四のコマンドを受信すること、制御手段71は、被充電機器の電池の現在電圧を示すための第四のコマンドの応答コマンドをアダプタに送信し、アダプタは、アダプタの出力電圧及び被充電機器の電池の現在電圧に基づいて、充電インタフェースの接触が良好かどうかを特定することを含む。例えば、アダプタは、アダプタの出力電圧と被充電機器の現在電圧との間の電圧差が予め設定される電圧しきい値よりも大きいことを特定したら、電圧差を第二のアダプタが出力した現在電流値で除算したインピーダンスが予め設定されたインピーダンスしきい値よりも大きいことが分かり、充電インタフェースの接触が不良であると特定できる。
【0113】
選択的に、幾つかの実施例では、充電インタフェースの接触が不良であるかどうかも、被充電機器により特定され得る。例えば、制御手段71は、アダプタの出力電圧を問い合わせるための第六のコマンドをアダプタに送信すること、制御手段71は、アダプタが送信した、アダプタの出力電圧を示すための第六のコマンドの応答コマンドを受信すること、制御手段71は、電池の現在電圧及びアダプタの出力電圧に基づいて、充電インタフェースの接触が不良であるかどうかを特定することを含む。制御手段71が充電インタフェースの接触が不良であると特定した後に、制御手段71は、充電インタフェースの接触が不良である旨を示すための第五コマンドをアダプタに送信する。アダプタは、第五のコマンドを受信した後に、第二の充電モードを終わらせることができる。
【0114】
以下に、図8に基づいて、アダプタと被充電機器(具体的に、被充電機器における制御手段により実行され得る)との間の通信プロセスをよく詳しく説明する。注意するべきことは、図8の例示が当業者に本発明に係る実施例に対する理解を助けるものに過ぎず、本発明に係る実施例を、例示される具体的な数値や具体的な形態に限定するものではない。示された図8の例示に基づいて同等の補正や変化を行うことも当業者にとって明らかであり、これらの補正や変化も本発明に係る実施例の範囲に属される。
【0115】
図8に示すように、アダプタと被充電機器との間の通信プロセス(或いは急速過程の通信プロセスと称し)は、以下の五つの段階を含む。
【0116】
段階1
被充電機器が電源供給装置に接続された後に、被充電機器がデータ線D+、D−により電源供給装置の種類を検出し、電源供給装置がアダプタであると検出した時に、被充電機器に受け取られる電流は、予め設定される電流しきい値I2(例えば1Aである)よりも大きくすることが可能である。アダプタは、予め設定された時間(例えば、継続するT1時間)にアダプタによる出力電流がI2以上であると検出したら、電源供給装置の種類に対する被充電機器の識別が完了したと判断できる。次に、アダプタが被充電機器との間の協議過程を開始し、被充電機器にコマンド1(上述第一のコマンドに対応する)を送信し、被充電機器は、アダプタに第二の充電モードで被充電機器を充電させることを許可するかどうかを問い合わせる。
【0117】
アダプタは、被充電機器が送信したコマンド1の応答コマンドを受信し、かつ、このコマンド1の応答コマンドは、アダプタにより第二の充電モードで被充電機器を充電することが被充電機器が不許可となることを示す場合に、アダプタは、アダプタによる出力電流を再度検出する。アダプタによる出力電流が予め設定される継続時間(例えば、継続するT1時間)に依然としてI2以上である場合に、アダプタが被充電機器にコマンド1を再度送信し、アダプタにより第二の充電モードで被充電機器を充電することを被充電機器が許可するか否かを問い合わせる。アダプタは、被充電機器がアダプタにより第二の充電モードで被充電機器を充電することを許可し、或いは、アダプタによる出力電流がI2以上である条件を満たさなくなるまで、段階1の前記過程を繰り返す。
【0118】
被充電機器は、アダプタにより第二の充電モードで被充電機器を充電することを許可した後に、通信プロセスが第二の段階に移行する。
【0119】
段階2
アダプタの出力電圧は、複数のレベルを含んでもよい。アダプタは、被充電機器にコマンド2(前記第二のコマンドに対応する)を送信し、アダプタの出力電圧(現在の出力電圧)が被充電機器の電池の現在電圧(複数のセルの現在総電圧)とマッチングしているか否かを問い合わせる。
【0120】
被充電機器は、アダプタの出力電圧が被充電機器の電池の現在電圧に比べてマッチングしているか、高すぎるか又は低すぎるかの旨を示すための送信コマンド2の応答コマンドをアダプタに送信する。コマンド2の応答コマンドは、アダプタの出力電圧が高すぎるか又は低すぎるかを示したら、アダプタは、アダプタの出力電圧を他のレベルに調整し、コマンド2を被充電機器に再度送信し、アダプタの出力電圧と被充電機器の電池の現在電圧とがマッチングしているかを再度問い合わせる。アダプタの出力電圧が被充電機器の電池の現在電圧とマッチングしていることを被充電機器が特定するまで、段階2の前記過程を繰り返し、第三の段階に移行する。
【0121】
段階3
アダプタは、コマンド3(前記第三のコマンドに対応する)を被充電機器に送信し、被充電機器が現在許容する最大充電電流を問い合わせる。被充電機器は、コマンド3の応答コマンドをアダプタに送信し、被充電機器が現在許容する最大充電電流を示し、第四の段階に移行する。
【0122】
段階4
アダプタは、被充電機器が現在許容する最大充電電流に基づいて、第二の充電モードでアダプタが出力した、被充電機器を充電するための充電電流を特定し、段階5である定電流充電段階に移行する。
【0123】
段階5
アダプタは、定電流充電段階に移行した後に、ある時間毎にコマンド4(前記第四のコマンドに対応する)を被充電機器に送信し、被充電機器の電池の現在電圧を問い合わせる。被充電機器は、コマンド4の応答コマンドをアダプタに送信し、被充電機器の電池の現在電圧をフィードバックする。アダプタは、被充電機器の電池の現在電圧に基づいて、充電インタフェースの接触が良好か否かを判断し、また、アダプタによる出力電流を低くする必要があるか否かを判断する。アダプタは、充電インタフェースの接触が不良であると判断した場合に、コマンド5(前記第五のコマンドに相当する)を被充電機器に送信し、アダプタに第二の充電モードを終わらせ、リセットして段階1に再度移行する。
【0124】
選択的に、幾つかの実施例では、段階1において、被充電機器がコマンド1の応答コマンドを送信するときに、コマンド1の応答コマンドにこの被充電機器の経路インピーダンスのデータ(或いは情報)を追加することができる。被充電機器の経路インピーダンスデータは、段階5において充電インタフェースの接触が良好かを判断するためのものである。
【0125】
選択的に、幾つかの実施例では、段階2において、被充電機器がアダプタにより第二の充電モードで被充電機器を充電することを許可してから、アダプタがアダプタの出力電圧を適切な充電電圧に調整するまでの必要な時間は、ある範囲に制御され得る。この時間が予め設定された範囲を超えると、アダプタ或いは被充電機器は、通信プロセスに異常が発生したと判断でき、リセットして段階1に再度移行する。
【0126】
選択的に、幾つかの実施例では、段階2において、アダプタの出力電圧が被充電機器電池の現在電圧(複数のセルの現在総電圧)よりもΔV(ΔV 200〜500mVに設定され得る)高い場合に、被充電機器は、アダプタの出力電圧と被充電機器の電池の電圧(複数のセルの総電圧)がマッチングしている旨を示すコマンド2の応答コマンドをアダプタに送信する。
【0127】
選択的に、幾つかの実施例では、段階4において、アダプタの出力電流を調整する速度をある範囲に制御するほうが良い。そうすれば、調整の速度が速すぎることにより充電過程に異常が発生してしまうことを避けることができる。
【0128】
選択的に、幾つかの実施例では、段階5において、アダプタの出力電流の変化度合いを5%以内に制御する。
【0129】
選択的に、幾つかの実施例では、段階5において、アダプタがタイムリーに充電回路の経路インピーダンスを検出する。具体的に、アダプタは、アダプタの出力電圧、出力電流及び被充電機器がフィードバックした電池の現在電圧(複数のセルの現在総電圧)に基づいて、充電回路の経路インピーダンスを検出する。「充電回路の経路インピーダンス」>「被充電機器の経路インピーダンス+充電ケーブルのインピーダンス」となる場合に、充電インタフェースの接触が不良となったと判断でき、第二の充電モードでの被充電機器に対するアダプタの充電を終わらせる。
【0130】
選択的に、幾つかの実施例では、アダプタが第二の充電モードで被充電機器を充電することを開始した後に、通信の間隔が短く過ぎることにより通信プロセスに異常が発生することを避けるように、アダプタと被充電機器との間の通信時間の間隔をある範囲に制御するほうが良い。
【0131】
選択的に、幾つかの実施例では、充電過程の停止(或いは、アダプタが第二の充電モードで被充電機器の充電過程の停止)は、回復可能停止及び回復不可能停止との二つの種類に分けられている。
【0132】
例えば、被充電機器の電池(複数のセル)が100%充電されること、或いは、充電インタフェースの接触が不良であると検出した時に、充電過程が停止し、充電通信プロセスがリセットされ、充電過程が段階1に再度移行する。そして、被充電機器は、アダプタが第二の充電モードで被充電機器を充電することを許可しないと、通信プロセスが段階2に移行しない。この場合に、この充電過程の停止は、回復不可能停止と見なされてもよい。
【0133】
なお、例えば、アダプタと被充電機器との間に通信の異常が発生した時に、充電過程が停止し、充電通信プロセスがリセットされ、充電過程が段階1に再度移行する。段階1の要求を満たした後に、被充電機器がアダプタを介して第二の充電モードで被充電機器を充電して充電過程を回復することを許可する。この場合に、この充電過程の停止は、回復可能停止と見なされてもよい。
【0134】
なお、例えば、被充電機器は、電池(複数のセル)に異常が生じたことを検出した時に、充電過程が停止し、リセットされ、段階1に再度移行する。次に、被充電機器は、アダプタが第二の充電モードで被充電機器を充電することを許可しない。電池(複数のセル)が正常に回復され、段階1の要求を満たすときに、被充電機器がアダプタにより第二の充電モードで被充電機器を充電することを許可する。この場合では、この急速過程の停止は、回復可能停止と見なされてもよい。
【0135】
以上は、図8に示した通信プロセス或いは操作は、例示に過ぎない。例えば、段階1では、被充電機器がアダプタに接続された後に、被充電機器とアダプタとの間のハンドシェイクの通信が被充電機器により開始してもよく、即ち、被充電機器がコマンド1を送信し、アダプタが第二の充電モードを開始するかどうかを問い合わせる。被充電機器は、アダプタの応答コマンドを受信し、アダプタがアダプタを介して第二の充電モードで被充電機器を充電するのを許可する旨を示す時に、アダプタは、第二の充電モードで被充電機器の電池(複数のセル)を充電する。
【0136】
また、段階5の後に、定電圧充電段階をさらに含む。具体的に、段階5では、被充電機器がアダプタに電池の現在電圧(複数のセルの現在総電圧)をフィードバックし、電池の現在電圧(複数のセルの現在総電圧)が定電圧充電電圧しきい値に達すると、充電段階が定電流充電段階から定電圧充電段階へ移行する。定電圧充電段階では、充電電流が次第に減少し、電流があるしきい値まで低下すると、被充電機器の電池(複数のセル)が100%充電されていることを表し、充電過程の全体を停止させる。
【0137】
以上に、図1図8に基づいて、本発明の装置に係る実施例を詳しく説明したが、以下に図9に基づいて、本発明に係る実施例の方法の実施例を詳しく説明する。理解すべきことは、方法に係る記載が装置に係る記載と互いに対応し、表現を簡潔にするように、重複されている記載が適切に省略される。
【0138】
図9は、本発明の実施例による充電方法の模式的フローチャートである。図9の方法は、充電インタフェースを含む被充電機器を充電するためのものである。
【0139】
図9の方法は、以下のステップを含む。
910、前記充電インタフェースを介してアダプタの出力電圧及び出力電流を取得する。
920、前記アダプタの出力電圧及び出力電流を前記被充電機器における互いに直列接続される複数のセルの両端に直接印加し、前記複数のセルを直接充電する。
【0140】
選択的に、幾つかの実施例では、図9の方法は、前記複数のセルにおける単セルの電圧に基づき、前記被充電機器の素子に電力を供給することをさらに含み、前記単セルが前記複数のセルにおける任意の単セルである。
【0141】
選択的に、幾つかの実施例では、図9の方法は、前記複数のセルの各セル間の電圧をバランスすることをさらに含む。
【0142】
選択的に、幾つかの実施例では、図9の方法は、前記アダプタの出力電圧を第二の電圧に昇圧し、前記第二の電圧を前記複数のセルの両端に印加し、前記複数のセルを充電することをさらに含み、前記第二の電圧が前記複数のセルの総電圧よりも大きい。
【0143】
選択的に、幾つかの実施例では、前記アダプタは、第一の充電モード及び第二の充電モードを有し、前記第二の充電モードで被充電機器を充電する速度が前記第一の充電モードで前記被充電機器を充電する速度よりも速い。
【0144】
選択的に、幾つかの実施例では、前記充電インタフェースは、データ線を含み、図9の方法は、前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御することをさらに含む。
【0145】
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記データ線を介して前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御する過程は、前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することを含む。
【0146】
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタと前記被充電機器との間の充電モードを特定することは、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が前記第二の充電モードを開始するかどうかを問い合わせるための第一のコマンドを受信すること、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可するかどうかを示すための前記第一のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信すること、前記被充電機器が前記第二の充電モードの開始を許可する場合に、前記アダプタは、前記第一の充電回路を介して前記複数のセルを充電させるように制御することを含む。
【0147】
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記データ線が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御する過程は、前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電圧を特定することを含む。
【0148】
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電する充電電圧を特定することは、前記アダプタが送信した、前記アダプタの出力電圧が前記被充電機器の複数のセルの現在総電圧とマッチングしているかどうかを問い合わせるための第二のコマンドを受信すること、前記アダプタの出力電圧が前記複数のセルの現在総電圧に比べてマッチングしているか、高すぎるか又は低すぎるかの旨を示すための前記第二のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信することを含む。
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記データ線が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御する過程は、前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む。
【0149】
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することは、前記アダプタが送信した、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を問い合わせるための第三のコマンドを受信すること、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流を示すための前記第三のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信し、前記アダプタは、前記被充電機器が現在許容する最大充電電流に基づいて前記第二の充電モードでの前記アダプタが出力した、前記被充電機器を充電するための充電電流を特定することを含む。
【0150】
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記データ線が前記アダプタと双方向通信し、前記第二の充電モードでの前記アダプタの出力を制御する過程は、前記第二の充電モードで充電される過程において、前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタの出力電流を調整することを含む。
【0151】
選択的に、幾つかの実施例では、前記の前記アダプタと双方向通信し、前記アダプタの出力電流を調整することは、前記アダプタが送信した、前記複数のセルの現在総電圧を問い合わせるための第四のコマンドを受信すること、前記複数のセルの現在総電圧を示すための前記第四のコマンドの応答コマンドを前記アダプタに送信し、前記アダプタは、前記複数のセルの現在総電圧に基づいて、前記アダプタの出力電流を調整することを含む。
【0152】
本願に開示される実施例に基づいて記載される各例示の手段やアルゴリズムの処理過程が、電子ハードウェア或いはコンピュータープログラムと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現され得ることは、当業者とって明らかである。これらの機能は、ハードウェアにより実行されるか或いはソフトウェアにより実行されるかについて、技術案の特定の応用される場合や設計の制限条件などによって決められる。当業者は、特定応用ごとに、異なる方法により記載される機能を実現できるが、これらの実現は、本発明の範囲を超えるものと見なすべきではない。
【0153】
当業者とっては、説明を便宜且つ簡潔にするように、前記記載のシステム、装置、及び手段の具体的な動作の過程について、前記方法の実施例の対応する過程を参照することが理解可能であり、ここでは省略する。
【0154】
本願の提供する幾つかの実施例では、開示されるシステム、装置及び方法が他の方式により実現され得ると理解するべきである。例えば、上記に説明された装置の実施例は、例示するためのものに過ぎない。例えば、前記手段の分けは、ロジックの機能に基づくものに過ぎず、実際に実現するときに別の分離方式を有してもよい。例えば、複数の手段或いは部品を組み合わせ、また、別のシステムに集積し、或いは、複数の特徴を省略し、或いは実行しなくてもよい。さらに、提示されたり検討されたりする互いの結合や直接結合や通信接続は、インタフェース、装置或いは手段の間接の結合や通信接続であってもよいし、電気、機械や他の方式であってもよい。
【0155】
前記分離部品として説明された手段は、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよい。即ち、一つの箇所に設置してもよいし、複数のネットワーク手段に設置してもよい。実際の要求に応じて手段の一部や全部を選択して本実施例の技術案の目的を実現することができる。
【0156】
また、本発明に係る各実施例の各機能手段は、一つの処理手段に集積してもよいし、各手段として単独に物理に存在してもよいし、二つ以上手段として一つの手段に集積してもよい。
【0157】
前記機能は、ソフトウェアの機能手段として実現され、かつ、独立の製品として販売されたり使用されたりする場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよい。この理解によれば、本発明の技術案について、本質的な部分、或いは、従来技術に貢献できた部分或いは該技術案の一部は、ソフトウェアの製品として表現され得る。このコンピュータープログラムの製品は、記憶媒体に記憶されており、一つのコンピュータ(パソコン、サーバー、或いはネットワーク機器などであってもよい)に本発明の各実施例に係る前記方法の全部或いは一部の過程を実行するための複数のコマンドが含まれている。前記した記憶媒体は、フラッシュメモリー、ポータブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク或いは光ディスクなどの各種のプログラムコードを記憶可能な媒体を含むことができる。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9