(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示が詳細に記載される。しかしながら、以下の記載は本開示の説明を目的とするものであり、決して本開示の範囲の制限を目的とするものではない。
【0013】
以下、本開示の式1の有機電界発光化合物が詳細に記載される。
【0014】
本開示の式1の化合物は、次の式2〜6のうちのいずれか1つによって表され得る。
【0016】
式2〜6中、
Ar
1、Ar
2、R
1、R
2、a及びbは、上記の式1に定義される通りである。
【0017】
式1中、Ar
1及びAr
2は各々独立して、置換もしくは非置換の(C6−C30)アリール、置換もしくは非置換の(C3−C30)シクロアルキル、または置換もしくは非置換の(3〜30員)ヘテロアリ(heteroary)を表し得、好ましくは、各々独立して、置換もしくは非置換の(C6−C18)アリールを表し得、より好ましくは、各々独立して、非置換(C6−C18)アリールを表し得る。具体的には、Ar
1及びAr
2は各々独立して、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のナフチル、置換もしくは非置換のビフェニル、置換もしくは非置換のターフェニル、置換もしくは非置換のフェニルナフチル、または置換もしくは非置換のナフチルフェニルを表し得る。
【0018】
式1中、R
1及びR
2は各々独立して、水素、ジュウテリウム、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキル、置換もしくは非置換の(C2−C30)アルケニル、置換もしくは非置換の(C2−C30)アルキニル、置換もしくは非置換の(C3−C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換の(C6−C60)アリール、置換もしくは非置換の(3〜30員)ヘテロアリール、置換もしくは非置換のトリ(C1−C30)アルキルシリル、置換もしくは非置換のトリ(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換のジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキルジ(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換のモノ−もしくはジ−(C1−C30)アルキルアミノ、または置換もしくは非置換のモノ−もしくはジ−(C6−C30)アリールアミノを表し得、好ましくは、各々独立して、水素、または置換もしくは非置換の(C6−C18)アリールを表し得、より好ましくは、各々独立して、水素、または非置換(C6−C18)アリールを表し得る。具体的には、R
1及びR
2は各々独立して、水素、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のビフェニル、置換もしくは非置換のナフチル、置換もしくは非置換のターフェニル、置換もしくは非置換のフェニルナフチル、または置換もしくは非置換のナフチルフェニルを表し得る。
【0019】
式1中、aは、1〜4の整数を表し、bは、1〜6の整数を表し、好ましくは、a及びbは各々独立して、1を表し得る。
【0020】
さらに、式1中、ヘテロアリールは、B、N、O、S、Si及びPから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、好ましくは、ヘテロアリールは、N、O及びSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し得る。
【0021】
本明細書において、「(C1−C30)アルキル」は、直鎖または分岐鎖アルキル1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10個の炭素原子を指し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル等を含む。本明細書において、「(C3−C30)シクロアルキル」は、3〜30、好ましくは(preferabley)3〜20、より好ましくは3〜7個の環骨格炭素原子を有する単環式もしくは多環式炭化水素を指す。シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を含む。本明細書において、「(3〜7員)ヘテロシクロアルキル」は、B、N、O、S、Si、及びP、好ましくはO、S、及びNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、3〜7、好ましくは5〜7個の環骨格原子を有するシクロアルキルを指し、テトラヒドロフラン、ピロリジン、チオラン、テトラヒドロピラン等を含む。本明細書において、「(C6−C30)アリール(エン)」は、6〜30、好ましくは(preferabley)6〜20、より好ましくは6〜15個の環骨格炭素原子を有する芳香族炭化水素から誘導された単環式環タイプまたは縮合環タイプのラジカルを指す。アリールは、スピロ構造を有してもよい。アリールは、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、ナフチル、ビナフチル、フェニルナフチル、ナフチルフェニル、フルオレニル、フェニルフルオレニル、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、フェナントレニル、フェニルフェナントレニル、アントラセニル、インデニル、トリフェニレニル、ピレニル、テトラセニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニル、スピロビフルオレニル等を含む。本明細書において、「(3〜30員)ヘテロアリール(エン)」は、B、N、O、S、Si、及びPからなる群から選択される少なくとも1個、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含む3〜30個の環骨格原子を有するアリール基を指し、単環式環であっても、少なくとも1つのベンゼン環と縮合された縮合環であってもよく、部分飽和であってもよく、単結合(複数可)を介して少なくとも1つのヘテロアリールまたはアリール基をヘテロアリール基に連結することによって形成されるものであってもよく、スピロ構造を有してもよく、単環式環タイプのヘテロアリール、例えば、フリル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル等、及び縮合環タイプのヘテロアリール、例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナントリジニル、ベンゾジオキソリル、ジヒドロアクリジニル等を含む。さらに、「ハロゲン」は、F、Cl、Br、及びIを含む。
【0022】
さらに、本明細書において、「置換もしくは非置換の」という表現における「置換」とは、ある特定の官能基内の水素原子が、別の原子または基、すなわち置換基で置換されることを意味する。Ar
1及びAr
2における置換(C6−C30)アリール、置換(C3−C30)シクロアルキル及び置換(3〜30員)ヘテロアリールの置換基、ならびにR
1及びR
2における置換(C1−C30)アルキル、置換(C2−C30)アルケニル、置換(C2−C30)アルキニル、置換(C3−C30)シクロアルキル、置換(C6−C60)アリール、置換(3〜30員)ヘテロアリール、置換トリ(C1−C30)アルキルシリル、置換トリ(C6−C30)アリールシリル、置換ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、置換(C1−C30)アルキルジ(C6−C30)アリールシリル、置換モノ−もしくはジ−(C1−C30)アルキルアミノ、及び置換モノ−もしくはジ−(C6−C30)アリールアミノの置換基は各々独立して、ジュウテリウム、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、ニトロ、ヒドロキシ、(C1−C30)アルキル、ハロ(C1−C30)アルキル、(C2−C30)アルケニル、(C2−C30)アルキニル、(C1−C30)アルコキシ、(C1−C30)アルキルチオ、(C3−C30)シクロアルキル、(C3−C30)シクロアルケニル、(3〜7員)ヘテロシクロアルキル、(C6−C30)アリールオキシ、(C6−C30)アリールチオ、(C6−C30)アリールで置換されたもしくは置換されていない(5〜30員)ヘテロアリール、(5〜30員)ヘテロアリールで置換されたもしくは置換されていない(C6−C30)アリール、トリ(C1−C30)アルキルシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、(C1−C30)アルキルジ(C6−C30)アリールシリル、アミノ、モノ−もしくはジ−(C1−C30)アルキルアミノ、モノ−もしくはジ−(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールアミノ、(C1−C30)アルキルカルボニル、(C1−C30)アルコキシカルボニル、(C6−C30)アリールカルボニル、ジ(C6−C30)アリールボロニル、ジ(C1−C30)アルキルボロニル、(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールボロニル、(C6−C30)アリール(C1−C30)アルキル、及び(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールからなる群から選択される少なくとも1つであり、好ましくは、各々独立して、(C1−C6)アルキル、(C6−C18)アリール、(5〜20員)ヘテロアリール及びトリ(C6−C12)アリールシリルからなる群から選択される少なくとも1つであり得る。
【0023】
本開示の式1の化合物には、次のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
一実施形態によれば、本開示は、式1の化合物を含む有機電界発光材料、及びこの材料を含む有機電界発光デバイスを提供する。
【0029】
この材料は、本開示の有機電界発光化合物のみからなり得る。そうでなければ、材料は、本開示の化合物に加えて、有機電界発光材料に含まれている従来の化合物(複数可)をさらに含む、混合物または組成物であってもよい。
【0030】
本開示の有機電界発光デバイスは、第1の電極、第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に配設された少なくとも1つの有機層を備えてもよい。有機層は、少なくとも1つの式1の有機電界発光化合物を含み得る。
【0031】
第1及び第2の電極のうち一方はアノードであってもよく、他方はカソードであってもよい。有機層は、発光層を含み得、正孔注入層、正孔輸送層、正孔補助層、補助発光層、電子輸送層、電子緩衝層、電子注入層、中間層、正孔阻止層、及び電子阻止層から選択される少なくとも1つの層をさらに含み得、ここで正孔補助層または補助発光層は、正孔輸送層と発光層との間に介設され、正孔移動度を調節する。正孔補助層または補助発光層は、有機電界発光デバイスの改善された効率及び寿命を提供する効果を有する。
【0032】
本開示の一実施形態によれば、本開示の式1の化合物は、ホスト材料として発光層に含まれてもよい。好ましくは、発光層は、少なくとも1つのドーパントをさらに含み得、必要とされる場合、本開示の式1の有機電界発光化合物以外の化合物が、第2のホスト材料として追加的に含まれてもよい。第1のホスト材料及び第2のホスト材料の間の重量比は、1:99〜99:1の範囲にある。ドーパント化合物のドーピング量は、ホスト化合物及びドーパント化合物の総量に基づいて20重量%未満であることが好ましい。
【0033】
第2のホスト材料は、既知のリン光ホスト材料のうちのいずれかに由来し得る。好ましくは、第2のホスト材料は、下記の式7のリン光ホストからなる群から選択され得る。
【0035】
式中、
A
1及びA
2は各々独立して、置換もしくは非置換の(C6−C30)アリールを表し、
L
1は、単結合、または置換もしくは非置換の(C6−C30)アリーレンを表し、
X
1〜X
16は各々独立して、水素、ジュウテリウム、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換(C1−C30)アルキル、置換もしくは非置換(C2−C30)アルケニル、置換もしくは非置換(C2−C30)アルキニル、置換もしくは非置換(C3−C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換(C6−C60)アリール、置換もしくは非置換(3〜30員)ヘテロアリール、置換もしくは非置換トリ(C1−C30)アルキルシリル、置換もしくは非置換トリ(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換(C1−C30)アルキルジ(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換モノ−もしくはジ−(C1−C30)アルキルアミノ、または置換もしくは非置換モノ−もしくはジ−(C6−C30)アリールアミノを表すか、あるいは隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換(C3−C30)、単環式もしくは多環式、脂環式もしくは芳香族環を形成してもよく、その炭素原子(複数可)は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子と置き換えられ得る。
【0036】
本開示の式7の化合物は、次の式8〜11のうちのいずれか1つによって表され得る。
【0038】
式中、A
1、A
2、L
1及びX
1〜X
16は、上記の式7に定義される通りである。
【0039】
式7中、A
1及びA
2は各々独立して、置換もしくは非置換の(C6−C30)アリールを表し得、好ましくは、各々独立して、置換もしくは非置換の(C6−C18)アリールを表し得、より好ましくは、各々独立して、(C1−C6)アルキル、(C6−C18)アリール、(5〜20員)ヘテロアリールまたはトリ(C6−C12)アリールシリルで置換されたもしくは置換されていない(C6−C18)アリールを表し得る。具体的には、A
1及びA
2は各々独立して、置換もしくは非置換のフェニル、置換もしくは非置換のビフェニル、置換もしくは非置換のターフェニル、置換もしくは非置換のナフチル、置換もしくは非置換のフルオレニル、置換もしくは非置換のベンゾフルオレニル、置換もしくは非置換のフェナントレニル、置換もしくは非置換のアントラセニル、置換もしくは非置換のインデニル、置換もしくは非置換のトリフェニレニル、置換もしくは非置換のピレニル、置換もしくは非置換のテトラセニル、置換もしくは非置換のペリレニル、置換もしくは非置換のクリセニル、置換もしくは非置換のフェニルナフチル、置換もしくは非置換のナフチルフェニル、及び置換もしくは非置換のフルオランテニルからなる群から選択され得る。
【0040】
式7中、L
1は、単結合、または置換もしくは非置換の(C6−C30)アリーレン、好ましくは、単結合、または置換もしくは非置換の(C6−C18)アリーレン、より好ましくは、単結合または非置換(C6−C18)アリーレンを表し得る。具体的には、L
1は、単結合、置換もしくは非置換のフェニレン、置換もしくは非置換のナフチレン、または置換もしくは非置換のビフェニレンを表し得る。
【0041】
より具体的には、L
1は、単結合を表し得るか、または次の式12〜24のうちのいずれか1つによって表され得る。
【0043】
式中、
Xi〜Xpは各々独立して、水素、ジュウテリウム、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキル、置換もしくは非置換の(C2−C30)アルケニル、置換もしくは非置換の(C2−C30)アルキニル、置換もしくは非置換の(C3−C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換の(C6−C60)アリール、置換もしくは非置換の(3〜30員)ヘテロアリール、置換もしくは非置換のトリ(C1−C30)アルキルシリル、置換もしくは非置換のトリ(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換のジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキルジ(C6−C30)アリールシリル、または置換もしくは非置換のモノ−もしくはジ−(C6−C30)アリールアミノを表すか、あるいは隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の(C3−C30)、単環式もしくは多環式、脂環式もしくは芳香族環を形成してもよく、その炭素原子(複数可)は、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子と置き換えられ得、
【0046】
好ましくは、Xi〜Xpは各々独立して、水素、ハロゲン、シアノ、(C1−C10)アルキル、(C3−C20)シクロアルキル、(C6−C12)アリール、(C1−C6)アルキルジ(C6−C12)アリールシリル、またはトリ(C6−C12)アリールシリルを表し得、より好ましくは、各々独立して、水素、シアノ、(C1−C6)アルキル、またはトリ(C6−C12)アリールシリルを表し得る。
【0047】
式7中、X
1〜X
16は各々独立して、水素、ジュウテリウム、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキル、置換もしくは非置換の(C2−C30)アルケニル、置換もしくは非置換の(C2−C30)アルキニル、置換もしくは非置換の(C3−C30)シクロアルキル、置換もしくは非置換の(C6−C60)アリール、置換もしくは非置換の(3〜30員)ヘテロアリール、置換もしくは非置換のトリ(C1−C30)アルキルシリル、置換もしくは非置換のトリ(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換のジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキルジ(C6−C30)アリールシリル、置換もしくは非置換のモノ−もしくはジ−(C1−C30)アルキルアミノ、または置換もしくは非置換のモノ−もしくはジ−(C6−C30)アリールアミノを表し得るか、あるいは隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の(C3−C30)、単環式もしくは多環式、脂環式もしくは芳香族環を形成してもよく、その炭素原子(複数可)は、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子と置き換えられ得、好ましくは(perferably)、各々独立して、水素、または置換もしくは非置換の(5〜20員)ヘテロアリールを表し得るか、あるいは隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の(C6−C12)、単環式もしくは多環式、脂環式もしくは芳香族環を形成してもよく、より好ましくは(perferably)、各々独立して、水素、または非置換(5〜20員)ヘテロアリールを表し得るか、あるいは隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の(C6−C12)、単環式もしくは多環式芳香族環を形成してもよい。
【0048】
本開示の式7の有機電界発光化合物には、次のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
本開示の有機電界発光デバイスに含まれるドーパントは、少なくとも1つのリン光ドーパントであってもよい。本開示の有機電界発光デバイスのためのリン光ドーパント材料は限定されないが、好ましくは、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)または白金(Pt)の金属化錯体化合物から選択され得、より好ましくは、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銅(Cu)または白金(Pt)のオルト金属化錯体化合物、さらにより好ましくは、オルト金属化イリジウム錯体化合物から選択され得る。
【0052】
次の式101〜103から選択される化合物が、好ましくは、本開示の有機電界発光デバイスに含まれるドーパントとして使用され得る。
【0054】
式中、Lは、次の構造から選択される。
【0056】
R
100は、水素、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキル、または置換もしくは非置換の(C3−C30)シクロアルキルを表し、
R
101〜R
109及びR
111〜R
123は各々独立して、水素、ジュウテリウム、ハロゲン、ハロゲンで置換されたもしくは置換されていない(C1−C30)アルキ(alky)、シアノ、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルコキシ、置換もしくは非置換の(C6−C30)アリール、または置換もしくは非置換の(C3−C30)シクロアルキルを表し、R
106〜R
109は各々独立して、隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の縮合環、例えば、アルキルで置換されたもしくは置換されていないフルオレン、アルキルで置換されたもしくは置換されていないジベンゾチオフェン、またはアルキルで置換されたもしくは置換されていないジベンゾフランを形成してもよく、R
120〜R
123は各々独立して、隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の縮合環、例えば、ハロゲン、アルキルまたはアリールで置換されたもしくは置換されていないキノリンを形成してもよく、
R
124〜R
127は各々独立して、水素、ジュウテリウム、ハロゲン、置換もしくは非置換の(C1−C30)アルキル、または置換もしくは非置換の(C6−C30)アリールを表し、R
124〜R
127は各々独立して、隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の縮合環、例えば、アルキルで置換されたもしくは置換されていないフルオレン、アルキルで置換されたもしくは置換されていないジベンゾチオフェン、またはアルキルで置換されたもしくは置換されていないジベンゾフランを形成してもよく、
R
201〜R
211は各々独立して、水素、ジュウテリウム、ハロゲン、ハロゲンで置換されたもしくは置換されていない(C1−C30)アルキル、置換もしくは非置換の(C3−C30)シクロアルキル、または置換もしくは非置換の(C6−C30)アリールを表し、R
208〜R
211は各々独立して、隣接する置換基(複数可)と連結して、置換もしくは非置換の縮合環、例えば、アルキルで置換されたもしくは置換されていないフルオレン、アルキルで置換されたもしくは置換されていないジベンゾチオフェン、またはアルキルで置換されたもしくは置換されていないジベンゾフランを形成してもよく、
r及びsは、それぞれ独立して、1〜3の整数を表し、rまたはsが2以上の整数であるとき、R
100の各々は、同じであっても異なっていてもよく、
eは、1〜3の整数を表す。
【0057】
具体的には、リン光ドーパントには、次のものが含まれる。
【0061】
本開示の別の態様によれば、有機電界発光デバイスを調製するための材料及びこの材料を含む有機電界発光デバイスが提供される。この材料は、式1の化合物を含む。材料は、特に、有機電界発光デバイスの発光層を調製するため、好ましくは発光層有機電界発光デバイスのホストのためのものであり得る。本開示の式1の化合物が材料に含まれる場合、材料は、式7の化合物をさらに含み得る。材料は、組成物または混合物であり得る。材料は、有機電界発光材料のために含まれている従来の材料をさらに含み得る。
【0062】
本開示の別の態様によれば、式1の化合物及び式7の化合物を含む組み合わせが提供される。式1の化合物及び式7の化合物を含む組み合わせにおいて、それらの間の重量比が1:99〜99:1、好ましくは(preferabley)30:70〜70:30の範囲にあることが、駆動電圧、寿命、及び発光効率の点で有利である。組み合わせは、少なくとも1つのドーパントをさらに含み得る。ドーパントは、好ましくはリン光ドーパントであり得、具体的には、式101〜103の化合物から選択され得る。
【0063】
別の実施形態によれば、本開示は、第1の電極、第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に配設された1つ以上の発光層を備える、有機電界発光デバイスを提供し、1つ以上の発光層のうちの少なくとも1つは、1つ以上のドーパント化合物及び2つ以上のホスト化合物を含み、ホスト化合物の第1のホスト化合物は、式1によって表され、第2のホスト化合物は、式7によって表される。具体的には、ドーパントは、式101〜103の化合物から選択され得る。
【0064】
本開示の有機電界発光デバイスは、有機層において、アリールアミン系化合物及びスチリルアリールアミン系化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含み得る。
【0065】
本開示の有機電界発光デバイスにおいて、有機層は、式1の化合物に加えて、周期表の第1族の金属、第2族の金属、第4周期の遷移金属、第5周期の遷移金属、ランタニド、及びd遷移元素の有機金属からなる群から選択される少なくとも1つの金属、またはその金属を含む少なくとも1つの錯体化合物をさらに含み得る。有機層は、発光層及び電荷発生層をさらに含み得る。
【0066】
本開示の有機電界発光デバイスにおいて、好ましくは、少なくとも1つの層(以下、「表面層」)は、一方または両方の電極(複数可)の内側表面(複数可)上に配置されてもよく、カルコゲニド層、金属ハロゲン化物層及び金属酸化物層から選択される。具体的には、シリコンまたはアルミニウムのカルコゲニド(酸化物を含む)層が、好ましくは、電界発光媒体層のアノード表面上に配置され、金属ハロゲン化物層または金属酸化物層が、好ましくは、電界発光媒体層のカソード表面上に配置される。かかる表面層は、有機電界発光デバイスに動作安定性を提供する。好ましくは、カルコゲニドは、SiO
X(1≦X≦2)、AlO
X(1≦X≦1.5)、SiON、SiAlON等を含み、金属ハロゲン化物は、LiF、MgF
2、CaF
2、希土類金属フッ化物等を含み、金属酸化物は、Cs
2O、Li
2O、MgO、SrO、BaO、CaO等を含む。
【0067】
本開示の有機電界発光デバイスにおいて、電子輸送化合物と還元性ドーパントとの混合領域、または正孔輸送化合物と酸化性ドーパントとの混合領域が、一対の電極の少なくとも1つの表面上に配置され得る。この場合、電子輸送化合物は、アニオンに還元され、ゆえに、電子を注入して混合領域から電界発光媒体へと輸送することがより容易になる。さらに、正孔輸送化合物は、カチオンに酸化され、ゆえに、正孔を注入して混合領域から電界発光媒体へと輸送することがより容易になる。好ましくは、酸化性ドーパントには、種々のルイス酸及び受容体化合物が含まれ、還元性ドーパントには、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属、及びそれらの混合物が含まれる。還元性ドーパント層は、2つ以上の発光層を有し、白色光を発する、電界発光デバイスを調製するために、電荷発生層として用いられ得る。
【0068】
本開示の有機電界発光デバイスにおいて、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、またはそれらの組み合わせが、アノードと発光層との間に配設され得、正孔補助層または補助発光層は、正孔輸送層と発光層との間に配設され得る。正孔注入層は、正孔をアノードから正孔輸送層または電子阻止層へ注入するためのエネルギー障壁(または正孔を注入するための電圧)を低下させるために、2つ以上の層から構成され得る。層の各々は、2つ以上の化合物を含み得る。正孔輸送層または電子阻止層は、2つ以上の層から構成され得る。
【0069】
電子緩衝層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、またはそれらの組み合わせが、発光層とカソードとの間に配設され得る。電子緩衝層は、電子注入を制御し、発光層と電子注入層との間の干渉特性を改善するために、2つ以上の層から構成され得る。層の各々は、2つ以上の化合物を含み得る。正孔阻止層または電子輸送層は、2つ以上の層から構成され得、層の各々は、2つ以上の化合物を含み得る。
【0070】
本開示の有機電界発光デバイスの各層を形成するために、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ及びイオンめっき法などの乾式フィルム形成法、またはインクジェットプリンティング法、ノズルプリンティング法、スロットコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、及びフローコーティング法などの湿式フィルム形成法のうちのいずれかが使用され得る。共蒸着または混合蒸着が、第1のホスト材料のフィルム及び第2のホスト材料のフィルムを形成するために使用される。
【0071】
湿式フィルム形成法を使用する場合、各層を形成する材料を、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの任意の好適な溶媒に溶解または拡散することにより、薄膜が形成され得る。溶媒は、各層を形成する材料が溶解または拡散され得、フィルム形成能力に問題がない、任意の溶媒であり得る。
【0072】
共蒸着は、2つ以上の材料の各々をそれぞれの坩堝セルに導入し、電流を蒸発対象の材料の各々のセルに印加することによって、2つ以上の材料が混合物として蒸着されるプロセスを指す。本明細書において、混合蒸着は、蒸着前に2つ以上の材料を1つの坩堝セル中で混合し、電流を蒸発対象の混合物のセルに印加することによって、2つ以上の材料が混合物として蒸着されるプロセスを指す。
【0073】
本開示の有機電界発光デバイスを使用した表示システムまたは照明システムが生産され得る。
【0074】
以下、本開示の有機電界発光化合物、この化合物の調製方法及び物理特性、ならびにこの化合物を含む有機電界発光デバイスの発光特性が、次の実施例を参照しながら詳細に説明される。
【0077】
1)化合物1−1の調製
化合物7H−ベンゾ[c]カルバゾール(30g、138.1mmol)、5−ブロモ−2−ヨードピリジン(58.8g、207.1mmol)、CuI(12.5g、65.4mmol)、K
3PO
4(73g、345.2mmol)、エチレンジアミン(8.3g、138.1mmol)及びトルエン(600mL)をフラスコに導入した後、混合物を120℃で4時間、還流状態で撹拌した。反応が完了した後、混合物を酢酸エチル及び精製水で抽出し、得られた有機層を減圧下で濃縮した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン(MC):ヘキサン(Hex))に供して、化合物1−1を得た(16g、収率:31%)。
【0078】
2)化合物1−2の調製
化合物1−1(16g、42.86mmol)、ピナコラトジボロン(13.1g、51.44mmol)、PdCl
2(PPh
3)
2(3g、4.3mmol)、酢酸カリウム(KOAc)(10.5g、107mmol)及び1,4−ジオキサン(200mL)をフラスコに導入した後、混合物を120℃で2時間、還流状態で撹拌した。反応が完了した後、混合物を酢酸エチル及び精製水で抽出し、得られた有機層を減圧下で乾燥させた。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MC:Hex)に供して、化合物1−2を得た(11g、収率:61%)。
【0079】
3)化合物H1−2の調製
化合物1−2(11g、26.17mmol)、2−クロロ−4−(ナフタレン−2−イル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(8.3g、26.17mmol)、Na
2CO
3(6.9g、65.42mmol)、Pd(PPh
3)
4(1.5g、1.3mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(100mL)及び精製水(30mL)をフラスコに導入した後、混合物を120℃で4時間、還流状態で撹拌した。反応が完了した後、混合物を酢酸エチル及び精製水で抽出し、得られた有機層を減圧下で濃縮した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MC:Hex)に供して、化合物H1−2を得た(6.54g、収率:43.1%)。
【0082】
1)化合物H1−60の調製
2−フェニル−9H−カルバゾール(1.0g、3.4mmol)、2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(6−クロロピリジン−3−イル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(1.6g、3.7mmol)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)(39 mg、0.17mmol)、SPhos(0.14g、0.34mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(NaOtBu)(0.816g、8.5mmol)及びo−キシレン(17mL)をフラスコに滴加し、次いで175℃で4時間、還流状態で撹拌した。反応が完了した後、混合物をMCで抽出し、次いでMgSO
4で乾燥させた。カラムクロマトグラフィーで分離させた後、MeOHを結果として生じた物質に添加して固体を得、得られた固体を減圧下で濾過して、化合物H1−60を得た(1.0g、収率:43%)。
【0083】
1H NMR(600MHz,CDCl
3,δ)10.133−10.129(d,1H)、9.291−9.288(dd,1H)、8.891−8.874(dd,3H)、8.837−8.823(d,2H)、8.707−8.693(d,1H)、8.285−8.283(d,1H)、8.162−8.147(d,1H)、8.052−8.039(d,1H)、7.949−7.926(dd,2H)、7.846−7.832(d,2H)、7.756−7.721(m,6H)、7.663−7.622(m,3H)、7.545−7.472(m,5H)、7.437−7.415(t,1H)、7.381−7.369(t,1H)
【0087】
1)化合物H1−68の調製
2−フェニル−9H−カルバゾール(4.0g、13.6mmol)、2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(2−クロロピリジン−4−イル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(6.3g、15mmol)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)(153mg、0.68mmol)、SPhos(0.558g、1.36mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(NaOtBu)(3.3g、34mmol)及びo−キシレン(70mL)をフラスコに滴加し、次いで180℃で4時間、還流状態で撹拌した。反応が完了した後、混合物をMCで抽出し、次いでMgSO
4で乾燥させた。カラムクロマトグラフィーで分離させた後、MeOHを結果として生じた物質に添加して固体を得、得られた固体を減圧下で濾過して、化合物H1−68を得た(2.2g、収率:23.9%)。
【0088】
1H NMR(600MHz,CDCl
3,δ)9.061−9.054(m,2H)、8.926−8.912(d,1H)、8.833−8.819(d,2H)、8.789−8.777(d,2H)、8.750−8.736(d,1H)、8.662−8.652(d,1H)、8.265−8.263(d,1H)、8.157−8.142(d,1H)、7.950−7.936(d,1H)、7.789−7.767(m,6H)、7.701−7.689(d,2H)、7.652−7.628(t,1H)、7.579−7.540(m,3H)、7.515−7.490(t,2H)、7.434−7.390(m,3H)、7.327−7.303(t,2H)
【0092】
1)化合物1の調製
(2−クロロピリジン−4−イル)ボロン酸(10.0g、63.5mmol)、2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−クロロ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(32.8g、95.3mmol)、Pd(PPh
3)
4(3.7g、3.2mmol)、及びK
2CO
3(17.6g、127mmol)を、フラスコのトルエン(320mL)、EtOH(80mL)、及びH
2O(80mL)に溶解させた後、混合物を130℃で5時間、還流状態に置いた。反応が完了した後、混合物を酢酸エチルで抽出し、次いで得られた有機層を、残った水分を除去するためにMgSO
4で乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに供して、化合物1を得た(13.2g、収率:50%)。
【0093】
2)化合物H1−69の調製
化合物1{2−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−4−(2−クロロピリジン−4−イル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン}(5.2g、12.4mmol)、化合物2{5,9−ジフェニル−7H−ベンゾ[c]カルバゾール}(4.2g、11.3mmol)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)(0.13g、0.56mmol)、SPhos(0.46g、1.13mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(NaOtBu)(2.7g、28.3mmol)、及びo−キシレン(87mL)をフラスコに導入した後、該化合物を溶解させ及び混合物を150℃で12時間、還流状態に置いた。反応が完了した後、混合物を酢酸エチルで抽出し、次いで得られた有機層を、残った水分を除去するためにMgSO
4で乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに供して、化合物H1−69を得た(5.2g、収率:61%)。
【0094】
1HNMR(600MHz,CDCl
3,δ)9.07(s,1H)、9.015−9.004(d,2H)、8.826−8.808(m,2H)、8.785−8.771(d,3H)、8.613−8.599(m,1H)、8.310(s,1H)、8.118(s,1H)、8.076−8.062(d,1H)、7.806−7.768(m,6H)、7.710−7.698(d,2H)、7.663−7.625(m,3H)、7.588−7.563(t,2H)、7.530−7.492(m,3H)、7.474−7.406(m,6H)、7.351−7.326(m,1H)
【0098】
1)化合物A−1の調製
(6−クロロピリジン−3−イル)ボロン酸(5g、32mmol)、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(12.76g、48mmol)、Pd(PPh
3)
4(1.8g、2mmol)、及びK
2CO
3(13g、64mmol)を、フラスコ中のトルエン(100mL)、エタノール(31mL)、及び水(31mL)に溶解させた後、混合物を120℃で5時間、還流状態に置いた。結果として生じた固体を濾過し、得られた固体をメタノールで洗浄して、化合物A−1を得た(9.8g、収率:89%)。
【0099】
2)化合物H1−47の調製
化合物A−1(9g、24mmol)、化合物B(8.8g、26mmol)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)
2)(0.273g、1mmol)、SPhos(1g、2mmol)、及びナトリウムtert−ブトキシド(NaOtBu)(5.83g、61mmol)を、フラスコ中のキシレン(240mL)に溶解させた後、混合物を150℃で2時間、還流状態に置いた。反応が完了した後、混合物を酢酸エチルで抽出し、次いで得られた有機層を、残った水分を除去するためにMgSO
4で乾燥させ、カラムクロマトグラフィーに供して、化合物H1−47を得た(10g、収率:60%)。
【0100】
1H NMR(600MHz、CDCl
3、δ)10.079−10.075(sd、J=2.4Hz、1H)、9.254−9.236(dd、J=8.4Hz、1H)、8.973−8.959(d、J=8.4Hz、1H)、8.807−8.793(m、4H)、8.738−8.724(d、J=8.4Hz、1H)、8.284(s、1H)、8.094(s、1H)、8.045−8.032(d、J=7.8Hz、1H)、7.950−7.936(d、J=8.4Hz、1H)、7.778−7.753(m、4H)、7.644−7.597(m、8H)、7.529−7.465(m、6H)、7.453−7.372(m,1H)
【0102】
[デバイス実施例1−1]ホストとしての本開示の化合物の蒸着によって生産したOLED
OLEDを、本開示の有機電界発光化合物を使用して次のように生産した。OLED用のガラス基板(Geomatec)上の透明電極酸化インジウムスズ(ITO)の薄膜(10Ω/sq)を、順次にアセトン、エタノール、及び蒸留水を用いた超音波洗浄に供し、次いでイソプロパノール中に保管した。次いで、真空蒸着装置の基板ホルダ上にITO基板を載置した。HIL−1を該真空蒸着装置のセル内に導入し、次いで該装置のチャンバ内の圧力を10
−6トルに制御した。その後、このセルに電流を印加して上記の導入された材料を蒸発させ、それにより、80nmの厚さを有する第1の正孔注入層をITO基板上に形成した。次いで、HIL−2を該真空蒸着装置の別のセル内に導入し、このセルに電流を印加することにより蒸発させ、それにより、5nmの厚さを有する第2の正孔注入層を第1の正孔注入層上に形成した。次いで、HTL−1を該真空蒸着装置の1つのセル内に導入し、このセルに電流を印加することにより蒸発させ、それにより、10nmの厚さを有する第1の正孔輸送層を第2の正孔注入層上に形成した。次いで、HTL−2を該真空蒸着装置の別のセル内に導入し、このセルに電流を印加することにより蒸発させ、それにより、60nmの厚さを有する第2の正孔輸送層を第1の正孔輸送層上に形成した。正孔注入層及び正孔輸送層を形成した後、発光層をその上に次のように蒸着させた。化合物H1−2をホスト材料として、真空蒸着装置のセル内に導入し、化合物D−71をドーパントとして、別のセル内に導入した。2つの化合物を次いで、ドーパントがホスト及びドーパントの総量に基づき3重量%のドーピング量で蒸着されるように、異なる率で蒸発させて、40nmの厚さを有する発光層を第2の正孔輸送層上に形成した。化合物ETL−1及びLiqを次いで、真空蒸着装置の別の2つのセル内にそれぞれ導入し、1:1の同じ率で蒸発させ、それにより、30nmの厚さを有する電子輸送層を発光層上に形成した。化合物Liqを、2nmの厚さを有する電子注入層として電子輸送層上に蒸着させた後、80nmの厚さを有するAlカソードを次いで、別の真空蒸着装置によって電子注入層上に蒸着させて、OLEDを生産した。
【0104】
[デバイス実施例1−2及び1−4]ホストとしての本開示の化合物の蒸着によって生産したOLED
化合物D−134を発光層のドーパントとして使用し、下記の表1に示されるデバイス実施例1−2及び1−4のホストをそれぞれ発光層のホストとして使用したことを除いて、OLEDをデバイス実施例1−1にあるのと同じ様態で生産した。
【0106】
[デバイス実施例1−3及び1−5]ホストとしての本開示の化合物の蒸着によって生産したOLED
下記の表1に示されるデバイス実施例1−3及び1−5のホストをそれぞれ発光層のホストとして使用したことを除いて、OLEDをデバイス実施例1−1にあるのと同じ様態で生産した。
【0108】
[デバイス比較例1−1及び1−2]比較化合物をホストとして使用したOLED
下記の表1に示されるデバイス比較例1−1及び1−2のホストをそれぞれ発光層のホストとして使用したことを除いて、OLEDをデバイス実施例1−1にあるのと同じ様態で生産した。
【0109】
[デバイス比較例1−3及び1−4]比較化合物をホストとして使用したOLED
下記の表1に示されるデバイス実施例1−3及び1−4のホストを発光層のホストとして使用したことを除いて、OLEDをデバイス実施例1−2にあるのと同じ様態で生産した。
【0110】
生産した有機電界発光デバイスの特性が、下記の表1に示される。
【0113】
上記の表1において、T95寿命は、100%で設定した500ニトの輝度での最初の光電流が95%に低減されるまでにかかる時間を指す。
【0114】
表1は、本開示の有機電界発光化合物を発光層のホストとして使用した有機電界発光デバイスが、従来の有機電界発光化合物を使用した有機電界発光デバイスの寿命よりも顕著に改善された寿命を有することを示す。
【0115】
[デバイス実施例1−6〜1−9]ホストとして本開示の化合物を含む複数のホスト材料を使用したOLED
下記の表2に示される第1及び第2のホストをそれぞれ真空蒸着装置の2つのセルの各々に導入し、化合物D−71をドーパントとして、別のセル内に導入し、次いで、ドーパントがホスト及びドーパントの総量に基づき3重量%のドーピング量で蒸着されるように、2つのホストを1:1の重量比で蒸発させて、40nmの厚さを有する発光層を第2の正孔輸送層上に形成したことを除いて、OLEDをデバイス実施例1−1にあるのと同じ様態で生産した。
【0116】
生産した有機電界発光デバイスの1000ニトでの特性が、下記の表2に示される。表2において、T97寿命は、100%で設定した500ニトの輝度での最初の光電流が97%に低減されるまでにかかる時間を指す。
【0119】
[デバイス比較例1−5及び1−6]ホストとして複数のホスト材料を使用したが、本開示の化合物を含まないOLED
下記の表3に示されるホストを発光層のホストとして使用したことを除いて、OLEDをデバイス実施例1−6〜1−9にあるのと同じ様態で生産した。
【0121】
表2及び3は、本開示の有機電界発光化合物を含む複数のホスト材料を使用した有機電界発光デバイスが良好な寿命を有することを示す。