【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様によれば、本開示は、超音波手術装置を制御するための方法を含む。本方法は、血管を封止するため、トランスデューサに電気エネルギーを供給するステップであって、電気エネルギーの周波数が超音波範囲となるステップ、トランスデューサに連結されているエンドエフェクタが血管を把持すると、電気エネルギーを制御してこのエンドエフェクタの所定の速度を実現するステップ、エンドエフェクタが所定の速度を達成すると、電気エネルギーのパラメータを検知するステップ、検知したパラメータに基づいて電気エネルギーの電力値を算出してこの電力値に基づいて血管のサイズ範囲を推定するステップ、及び電気エネルギーを制御し、血管の推定サイズ範囲に基づいて決定される目標速度を実現して、血管を封止すステップを含む。
【0006】
さまざまな実施形態では、血管のサイズ範囲は、電力値が、所定の電力閾値以上となるとき、5ミリメートル(mm)以上となる。
【0007】
さまざまな実施形態では、血管のサイズ範囲は、電力値が、所定の電力閾値未満となるとき、5mm未満となる。
【0008】
さまざまな実施形態では、血管の推定サイズ範囲に基づいて電気エネルギーを制御するステップは、血管の推定サイズ範囲に基づき、電気エネルギーの電力値を制御して血管を封止するステップを含む。
【0009】
さまざまな実施形態では、電力値は、電気エネルギーの電力値から、トランスデューサにおける電力損失及び超音波手術装置における導波管を減算することにより算出される。
【0010】
さまざまな実施形態では、電力値は、電気エネルギーを供給後、約100ミリ秒、算出される。
【0011】
さまざまな実施形態では、血管の推定サイズ範囲に基づいて電気エネルギーを制御し、血管を封止するステップは、電力値が、第1の範囲にあるか、又は第1の範囲よりも少なくとも一部高い第2の範囲にあるかどうかを判定するステップ、及び電力値が第1の範囲にあると判定されると第1の目標速度を設定し、電力値が第2の範囲にあると判定されると第2の目標速度を設定するステップを含む。血管の推定サイズ範囲に基づいて電気エネルギーを制御して血管を封止するステップは、電気エネルギーを制御して、エンドエフェクタの第1又は第2の目標速度を維持して、血管を封止するステップを含む。第1の目標速度は、所定の速度よりも大きい。第2の目標速度は、所定の速度よりも小さい。
【0012】
本開示の態様によれば、本開示は、トランスデューサ、トランスデューサに連結されており、かつ血管を把持して封止するよう構成されているエンドエフェクタ、トランスデューサに電気エネルギーを供給するよう構成されている電源、電気エネルギーのパラメータを検知するよう構成されているセンサ、エンドエフェクタが血管を把持したときに、トランスデューサに連結されているエンドエフェクタの所定の速度を実現するよう、検知されたパラメータに基づいて電気エネルギーの電力値を算出するよう、電力値に基づいて血管のサイズ範囲を推定するよう、及び電気エネルギーを制御して、血管の推定サイズ範囲に基づいて判定される、目標速度を実現し、血管を封止するよう構成されている制御装置を含む、超音波手術装置を含む。
【0013】
さまざまな実施形態では、血管のサイズ範囲は、電力値が、所定の電力閾値以上となるとき、5mm以上となる。
【0014】
さまざまな実施形態では、血管のサイズ範囲は、電力値が、所定の電力閾値未満となるとき、5mm未満となる。
【0015】
さまざまな実施形態では、制御装置は、血管の推定サイズ範囲に基づいて、電気エネルギーの電力値を制御して、血管を封止するよう更に構成されている。
【0016】
さまざまな実施形態では、電力値は、電気エネルギーの電力値から、トランスデューサにおける電力損失及び超音波手術装置における導波管を減算することにより算出される。
【0017】
さまざまな実施形態では、電力値は、電気エネルギーを供給後、約100ミリ秒、算出される。
【0018】
さまざまな実施形態では、制御装置は、電力値が、第1の範囲にあるか、又は第1の範囲よりも少なくとも一部高い第2の範囲にあるかどうかを判定し、電力値が第1の範囲にあると判定されると第1の目標速度を設定し、電力値が第2の範囲にあると判定されると第2の目標速度を設定するよう更に構成されている。制御装置は、電気エネルギーを制御して、エンドエフェクタの第1又は第2の目標速度を維持して、血管を封止するよう更に構成されている。第1の目標速度は、所定の速度よりも大きい。第2の目標速度は、所定の速度よりも小さい。
【0019】
本開示の例示的な実施形態の更なる詳細及び態様が、以下に添付の図面を参照してより詳細に説明される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
超音波手術装置を制御する方法であって、
血管を封止するため、トランスデューサに電気エネルギーを提供するステップであって、上記電気エネルギーの周波数が超音波範囲にある、ステップと、
上記トランスデューサに連結されているエンドエフェクタが上記血管を把持すると、上記電気エネルギーを制御して上記エンドエフェクタの所定の速度を実現するステップと、
上記エンドエフェクタが上記所定の速度を達成すると、上記電気エネルギーのパラメータを検知するステップと、
上記検知されたパラメータに基づいて、上記電気エネルギーの電力値を算出するステップと、
上記電力値に基づいて上記血管のサイズ範囲を推定するステップと、
上記電気エネルギーを制御し、上記血管の上記推定サイズ範囲に基づいて決定される目標速度を実現して、上記血管を封止すステップと
を含む、方法。
(項目2)
上記電力値が所定の電力閾値以上となるとき、上記血管の上記サイズ範囲が5mm以上となる、上記項目に記載の方法。
(項目3)
上記電力値が所定の電力閾値未満となるとき、上記血管の上記サイズ範囲が5mm未満となる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
上記血管の上記推定サイズ範囲に基づいて上記電気エネルギーを制御するステップが、上記血管の上記推定サイズ範囲に基づいて、上記電気エネルギーの電力値を制御して、上記血管を封止するステップを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記電力値が、上記電気エネルギーの上記電力値から、上記トランスデューサにおける電力損失及び上記超音波手術装置における導波管を減算することにより算出される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記電力値が、上記電気エネルギーを供給後、約100ミリ秒、算出される、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記血管の上記推定サイズ範囲に基づいて、上記電気エネルギーを制御して、上記血管を封止するステップが、
上記電力値が、第1の範囲にあるか、又は上記第1の範囲よりも少なくとも一部高い第2の範囲にあるかどうかを判定するステップと、
上記電力値が上記第1の範囲にあると判定されると第1の目標速度を設定し、上記電力値が上記第2の範囲にあると判定されると第2の目標速度を設定するステップと
を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
上記血管の上記推定サイズ範囲に基づいて、上記電気エネルギーを制御して、上記血管を封止するステップが、
上記電気エネルギーを制御して、上記エンドエフェクタの上記第1又は第2の目標速度を維持し、上記血管を封止するステップを更に含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
上記第1の目標速度が、上記所定の速度よりも大きい、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
上記第2の目標速度が、上記所定の速度よりも小さい、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
超音波手術装置であって、
トランスデューサと、
上記トランスデューサに連結されており、かつ血管を把持して封止するよう構成されている、エンドエフェクタと、
上記トランスデューサに電気エネルギーを供給するよう構成されている電源と、
上記電気エネルギーのパラメータを検知するよう構成されているセンサと、
制御装置であって、
上記トランスデューサに連結されている上記エンドエフェクタが上記血管を把持すると、上記電気エネルギーを制御して上記エンドエフェクタの所定の速度を達成するように、
上記検知されたパラメータに基づいて、上記電気エネルギーの電力値を算出するように、
上記電力値に基づいて上記血管のサイズ範囲を推定するように、及び
上記電気エネルギーを制御して、上記血管の上記推定サイズ範囲に基づいて判定される、目標速度を実現して、上記血管を封止するように、構成されている、上記制御装置と、
を備える、超音波手術装置。
(項目12)
上記電力値が所定の電力閾値以上となるとき、上記血管の上記サイズ範囲が5mm以上であると推定される、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目13)
上記電力値が所定の電力閾値未満となるとき、上記血管の上記サイズ範囲が5mm未満と推定される、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目14)
上記制御装置が、上記血管の上記推定サイズ範囲に基づいて、上記電気エネルギーの電力値を制御して、上記血管を封止するよう更に構成されている、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目15)
上記電力値が、上記電気エネルギーの上記電力値から、上記トランスデューサにおける電力損失及び上記超音波手術装置における導波管を減算することにより算出される、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目16)
上記電力値が、上記電気エネルギーを供給後、約100ミリ秒、算出される、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目17)
上記制御装置が、
上記電力値が、第1の範囲にあるか、又は上記第1の範囲よりも少なくとも一部高い第2の範囲にあるかどうかを判定するように、及び
上記電力値が上記第1の範囲にあると判定されると第1の目標速度を設定し、上記電力値が上記第2の範囲にあると判定されると第2の目標速度を設定するように、
更に構成されている、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目18)
上記制御装置が、上記電気エネルギーを制御して、上記エンドエフェクタの上記第1又は第2の目標速度を維持して、上記血管を封止するよう更に構成されている、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目19)
上記第1の目標速度が、上記所定の速度よりも大きい、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(項目20)
上記第2の目標速度が、上記所定の速度よりも小さい、上記項目のいずれかに記載の超音波手術装置。
(摘要)
本方法は、血管を封止するため、トランスデューサに電気エネルギーを供給するステップであって、電気エネルギーの周波数が超音波範囲となるステップ、トランスデューサに連結されているエンドエフェクタが血管を把持すると、電気エネルギーを制御してこのエンドエフェクタの所定の速度を実現するステップ、エンドエフェクタが所定の速度を達成すると、電気エネルギーのパラメータを検知するステップ、検知したパラメータに基づいて電気エネルギーの電力値を算出してこの電力値に基づいて血管のサイズ範囲を推定するステップ、及び電気エネルギーを制御し、血管の推定サイズ範囲に基づいて決定される目標速度を実現して、血管を封止すステップを含む。
【0020】
本開示は、この後の詳細説明と併せて考えると、添付の図面を参照することにより理解することができる。