(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887025
(24)【登録日】2021年5月19日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】安定型ニコチンアミドリボシド組成物及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/706 20060101AFI20210603BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20210603BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20210603BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20210603BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20210603BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20210603BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20210603BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20210603BHJP
A23L 33/13 20160101ALI20210603BHJP
C12P 17/12 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
A61K31/706
A61K9/14
A61K47/36
A61K47/26
A61P43/00 111
A61Q19/00
A61K8/49
A61K8/73
A23L33/13
C12P17/12
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-563756(P2019-563756)
(86)(22)【出願日】2018年8月17日
(65)【公表番号】特表2020-526477(P2020-526477A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(86)【国際出願番号】CN2018101175
(87)【国際公開番号】WO2019210607
(87)【国際公開日】20191107
【審査請求日】2020年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】516184986
【氏名又は名称】邦泰生物工程(深▲セン▼)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519405008
【氏名又は名称】邦泰合盛生物科技(深▲セン▼)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519405019
【氏名又は名称】江西安沢麦生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】傅栄昭
(72)【発明者】
【氏名】李振偉
(72)【発明者】
【氏名】郭杏林
【審査官】
飯濱 翔太郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2018/027081(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/099842(WO,A1)
【文献】
国際公開第2018/027070(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0165398(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第106955290(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 47/00−47/69
A61K 9/00− 9/72
A61P 1/00−43/00
A23L 33/13
A61K 8/49
A61K 8/73
A61Q 19/00
C12P 17/12
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安定型ニコチンアミドリボシド組成物であって、
ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩、及びコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを含み、
前記組成物はアモルファス粉末であることを特徴とする安定型ニコチンアミドリボシド組成物。
【請求項2】
前記ニコチンアミドリボシド塩は、ニコチンアミドリボシドクロリドである、ことを特徴とする請求項1に記載の安定型ニコチンアミドリボシド組成物。
【請求項3】
前記組成物において、重量部基準で、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩:コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドA=1:1−2である、ことを特徴とする請求項1に記載の安定型ニコチンアミドリボシド組成物。
【請求項4】
前記組成物における前記ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩の含有量が10重量%以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の安定型ニコチンアミドリボシド組成物。
【請求項5】
安定型ニコチンアミドリボシド組成物の調製方法であって、
アモルファス粉末状のニコチンアミドリボシド及び/又はその塩、及びアモルファス粉末状のコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAをそれぞれ秤取し、均一に混合することを含む、ことを特徴とする安定型ニコチンアミドリボシド組成物の調製方法。
【請求項6】
安定型ニコチンアミドリボシド組成物の調製方法であって、
ニコチンアミドリボシドの水溶液に塩酸を加えてpH値を3−4に調整し、次に、コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを加えて十分に溶解し、均一に混合して凍結乾燥させることを含む、ことを特徴とする安定型ニコチンアミドリボシド組成物の調製方法。
【請求項7】
前記ニコチンアミドリボシドの水溶液は、酵素触媒法によりニコチンアミドリボシドを調製して得た酵素反応液から不純物を除去した溶液である、ことを特徴とする請求項6に記載の安定型ニコチンアミドリボシド組成物の調製方法。
【請求項8】
ニコチンアミドリボシドの安定性の向上方法であって、
ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩にコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを加えることと、
ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩とコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを、均一に混合したアモルファス粉末状態で共存させる、ことと、
を特徴とするニコチンアミドリボシドの安定性の向上方法。
【請求項9】
医薬品、サプリメント又はスキンケア製品であって、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の安定型ニコチンアミドリボシド組成物を含む、ことを特徴とする医薬品、サプリメント又はスキンケア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオ医薬品の技術分野に関し、特に安定型ニコチンアミドリボシド組成物及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチンアミドリボシド(nicotinamide riboside、略語NR)は、ニコチンアミドヌクレオシド、ニコチンアミドリボヌクレオシド、ナイアシンリボース/グリコシド、ニコチンアミドヌクレオシド、β−D−ニコチンアミドヌクレオシドとも呼ばれ、CAS番号が1341−23−7であり、その構造式が以下の式に示される。
【0003】
ニコチンアミドリボシドは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の前駆体であり、且つビタミンB3の由来である。研究から明らかなように、ニコチンアミドリボシドを補充することにより細胞内NADの濃度を向上させ、それによりNAD欠乏に起因するさまざまな不健康な状態を予防及び改善する作用を果たす。
【0004】
しかしながら、ニコチンアミドリボシドには、水環状で自発的に不安定性になりニコチンアミドとリボース産物に分解する高エネルギーグリコシド結合が含まれる。このような自発的な分解は、具体的な環境の条件に応じて数時間又は数日間かけて起こり、この結果、食べ物には天然ニコチンアミドリボシドの保持が困難であり、このため、食べ物からニコチンアミドリボシドを補充するのがほぼ不可能である。
【0005】
現在、ニコチンアミドリボシドの人工合成には、大きな発展を遂げ、低コストで比較的高純度のニコチンアミドリボシド製品を調製できるが、ニコチンアミドリボシドは、極めて水分を吸収しやすいため、環境温度及び湿度ではその単量体が数秒間又は数分間で粘性固体となり、数時間内で崩壊して油となる。ニコチンアミドリボシドを乾燥固体として保持するために、絶対に乾燥された環境で保存したり、又は−20℃程度で冷凍保存する必要があり、それによって、ニコチンアミドリボシドの商業的応用及び普及が深刻に制限される。このため、安定型ニコチンアミドリボシド製品の開発は、緊迫に解決すべき難問といなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記背景技術に記載のニコチンアミドリボシドの単量体が水分を吸収して分解しやすいため、保存及び普及が困難であるという技術的課題を解決し、性質が安定的であり保存、輸送及び使用が容易であるニコチンアミドリボシド組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成させるために、発明者は、大量の実験を行った結果、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩、及びコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを含むことを特徴とする安定型ニコチンアミドリボシド組成物を開発することに至った。
【0008】
具体的には、本発明の安定型ニコチンアミドリボシド組成物は、ニコチンアミドリボシドとコンニャクグルコマンナンから構成される形態、ニコチンアミドリボシドとレバウディオサイドAから構成される形態、ニコチンアミドリボシド、コンニャクグルコマンナン及びほかの薬学的に許容される成分から構成される形態、ニコチンアミドリボシド、レバウディオサイドA及びほかの它薬学的に許容される成分から構成される形態、ニコチンアミドリボシド塩とコンニャクグルコマンナンから構成される形態、ニコチンアミドリボシド塩とレバウディオサイドAから構成される形態、ニコチンアミドリボシド塩、コンニャクグルコマンナン及びほかの薬学的に許容される成分から構成される形態、ニコチンアミドリボシド塩、レバウディオサイドA及びほかの薬学的に許容される成分から構成される形態、ニコチンアミドリボシド、ニコチンアミドリボシド塩及びコンニャクグルコマンナンから構成される形態、ニコチンアミドリボシド、ニコチンアミドリボシド塩及びレバウディオサイドAから構成される形態、ニコチンアミドリボシド、ニコチンアミドリボシド塩、コンニャクグルコマンナン及びほかの薬学的に許容される成分から構成される形態、ニコチンアミドリボシド、ニコチンアミドリボシド塩、レバウディオサイドA及びほかの薬学的に許容される成分から構成される形態のうちのいずれかの形態として存在してもよい。前述のさまざまな形態の組成物では、ニコチンアミドリボシド、ニコチンアミドリボシド塩、コンニャクグルコマンナン及びレバウディオサイドAは、純度100%の単量体又は適量の不純物を含有する純度100%ではない単量体である。
【0009】
上記ニコチンアミドリボシド塩は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ギ酸塩、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、カルバミン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、メチル臭化物、メチル硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩及びトリフルオロ酢酸塩から選ばれる1種又は複数種の塩の形態である。
【0010】
好ましくは、上記ニコチンアミドリボシド塩は、ニコチンアミドリボシドクロリドであり、その分子式がC
11H
15N
2O
5・Clであり、構造式が下記式に示される。
【0011】
コンニャクグルコマンナンは、コンニャクマンナンとも呼ばれ、英語の略語がKGMであり、コンニャクの球茎に含まれる中性非イオン性線状多糖であり、グルコースとマンノースがβ−1,4グリコシド結合を介して結合されたものであり、天然の高分子可溶性食物繊維であり、すべての食物繊維のうちの高品質のものであり、カロリーを含まず且つ親水性、ゲル化性、粘着性、抗菌性、成膜性、可食性、及び満腹感などの特徴を有する。
【0012】
レバウディオサイドA(Rebaudioside A、略語RA)は、ジテルペン配糖体類化合物であり、キク科植物であるステビア(Stevia rebaudiana)の乾燥葉における主な活性成分であり、その甘味度がショ糖の甘味度の300−400倍であり、ステビオシドのうち甘味特性が一番良好な化合物である一方、カロリーがショ糖の1/300だけであり、このため、ショ糖を代替する甘味剤として好適であり、FDAにより唯一に承認された「一般に安全と認められる」(GRAS)物質である。
【0013】
本発明では、本発明の組成物の安定性を向上させるとともに製品の性状を良好にするので、レバウディオサイドAに比べて、コンニャクグルコマンナンの方が好ましく、具体的には、コンニャクグルコマンナンを使用すると、流動性に極めて優れたアモルファス白色粉末状のニコチンアミドリボシド組成物が得られ、レバウディオサイドAを使用する場合は、淡黄色から白色、粒子状から粉末状のニコチンアミドリボシド組成物が得られる。
【0014】
好ましくは、前記組成物において、重量部基準で、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩:コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドA=1:1−2であり、コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドの添加量が少なすぎると、組成物の製品の性状及び安定性へ悪影響を与えて、安定的な白色粉末が得られない。より好ましくは、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩:コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドA=1:1.5−2である。
【0015】
好ましくは、前記組成物は、アモルファス粉末であり、組成物における各成分が均一に混合されている。
【0016】
好ましくは、前記組成物における前記ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩の含有量が10重量%以上である。
【0017】
本発明は、安定型ニコチンアミドリボシド組成物の調製方法をさらに提供し、この調製方法は、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩、及びコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAをそれぞれ秤取し、均一に混合することを含む。前述ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩、及びコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAは、市販の固体粉末であってもよく、自作の固体粉末であってもよい。本方法では、レバウディオサイドAに比べて、コンニャクグルコマンナンの方が好ましい。
【0018】
好ましくは、上記調製方法では、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩及びコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAの配合比については、重量部基準でニコチンアミドリボシド及び/又はその塩:コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドA=1:1−2であり、コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドの添加量が少なすぎると、組成物の製品の性状及び安定性に悪影響を与えて、安定的な白色粉末が得られなくなり、より好ましくは、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩:コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドA=1:1.5−2である。
【0019】
本発明は、安定型ニコチンアミドリボシド組成物の別の調製方法をさらに提供し、この調製方法は、ニコチンアミドリボシドの水溶液に塩酸を加えてpH値を3−4に調整し、次に、コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを加えて、十分に溶解して均一に混合し、凍結乾燥させることを含む。
【0020】
上記ニコチンアミドリボシドの水溶液は、市販又は自作のニコチンアミドリボシド固体粉末を水に溶解した溶液であってもよく、酵素触媒法によりニコチンアミドリボシドを調製して得た酵素反応液から不純物を除去した溶液であってもよい。酵素触媒法によりニコチンアミドリボシドを調製するとは、生物酵素の触媒作用下で、特定の基質(ニコチンアミドリボシドの前駆体)をニコチンアミドリボシドに転化するプロセスであり、たとえば、酸性ホスファターゼでニコチンアミドモノヌクレオチドを触媒してニコチンアミドリボシドに転化するなどが挙げられる。酵素反応液から不純物を除去した溶液とは、溶液には産物ニコチンアミドリボシドが主に含まれており、基質、酵素、無機イオンなどのほかの不純物を含まず又は微量で含有することを意味する。
【0021】
上記コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAは、市販の固体粉末であってもよく、自作の固体粉末であってもよい。本方法では、レバウディオサイドAに比べて、コンニャクグルコマンナンの方が好ましい。
【0022】
好ましくは、上記別の調製方法では、ニコチンアミドリボシドの水溶液の濃度は、ニコチンアミドリボシド換算で、40−90g/L、好ましくは50−60g/Lであり、コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAの添加量は、90g/Lニコチンアミドリボシドの水溶液であり、コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドの添加量が少なすぎると、組成物の製品の性状及び安定性に悪影響を与えて、安定的な白色粉末が得られない。
【0023】
好ましくは、上記別の調製方法では、凍結乾燥における昇華温度を25℃以下に制御しながら、前記組成物中の含水率が2%以下となるまで乾燥させる。
【0024】
本発明は、ニコチンアミドリボシドの安定性の向上方法をさらに提供し、この向上方法は、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩にコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを加えて、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩とコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを、均一に混合した状態で共存させる。
【0025】
好ましくは、コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAの添加量は、ニコチンアミドリボシド及び/又はその塩の重量の1−2倍であり、好ましくは、1.5倍である。本方法では、レバウディオサイドAに比べて、コンニャクグルコマンナンの方が好ましい。
【0026】
本発明は、上記安定型ニコチンアミドリボシド組成物を含むことを特徴とする医薬品、サプリメント又はスキンケア製品をさらに提供する。
【発明の効果】
【0027】
有益な効果
従来技術に比べて、本発明によるニコチンアミドリボシド組成物は、性質が安定的であり、保存及び輸送が容易であり、加速試験を通じて測定したところ、該組成物は、6ヵ月の試験期間に亘って重要な観察指標のいずれにも大きな変化がなく、且つ調製プロセスがシンプルであり、コストが低く、産業的な量産に向いている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、特定の実施例にて本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は、本発明を解釈するものであり、以下の実施例に制限されるものではなく、実施例において条件が明記されない場合、一般的な条件又はメーカ推薦の条件で行われる。特に断らない限り、本発明の実施例に使用される原料及びほかの化学試薬は、すべて市販品である。
【0029】
実施例1
原料:ニコチンアミドリボシドのアモルファス粉末50g、コンニャクグルコマンナンのアモルファス粉末100g、レバウディオサイドAのアモルファス粉末100g
調製:原料として上記ニコチンアミドリボシドとコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを均一に混合し、本発明の安定型ニコチンアミドリボシド組成物を得た。
【0030】
実施例2
原料:ニコチンアミドリボシドクロリドのアモルファス粉末60g、コンニャクグルコマンナンのアモルファス粉末60g、レバウディオサイドAのアモルファス粉末60g
調製:原料として上記ニコチンアミドリボシドクロリドとコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを均一に混合し、本発明の安定型ニコチンアミドリボシド組成物を得た。
【0031】
実施例3
原料:ニコチンアミドリボシドのアモルファス粉末50g、コンニャクグルコマンナンのアモルファス粉末90g、レバウディオサイドAのアモルファス粉末90g
調製:上記ニコチンアミドリボシドを水1Lに溶解して、塩酸を加えてpH値を3−4に調整し、次に、上記コンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを加え、撹拌して十分に溶解させて均一に混合し、最後に、凍結乾燥装置において乾燥における昇華温度を25℃以下に制御しながら乾燥させ、本発明の安定型ニコチンアミドリボシド組成物を得た。
【0032】
実施例4
原料:酵素触媒法(ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を基質、酸性ホスファターゼ(EC 3.1.3.2)を触媒とした)によりニコチンアミドリボシドを調製して得た酵素反応液、適量のコンニャクグルコマンナンのアモルファス粉末、適量のレバウディオサイドAのアモルファス粉末
調製:上記酵素反応液を精製することで、不純物をニコチンアミドリボシドの純度が90%以上となるまで除去し、次に、ニコチンアミドリボシドの濃度が60g/Lとなるまで濃縮させ、さらに塩酸を加えてpH値を3−4に調整し、次に、最終濃度が90g/Lとなるまでコンニャクグルコマンナン又はレバウディオサイドAを加え、撹拌して十分に溶解させて均一に混合し、最後に、凍結乾燥装置において乾燥における昇華温度を25℃以下に制御しながら乾燥させ、本発明の安定型ニコチンアミドリボシド組成物を得た。
【0033】
実施例5
安定性の加速試験
2015版『中国薬局方』に記載の医薬品安定性試験の指導原則における規定にしたがって、試験対象(ニコチンアミドリボシド及び本発明の実施例1〜実施例4で調製されたニコチンアミドリボシド組成物)について安定性加速試験を行い、試験方法は、以下のとおりである。試験対象ごとに3つサンプリングし、温度25℃±2℃、相対湿度60%±10%の環境に放置し、試験期間において0ヵ月目、1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目及び6ヵ月目の末期にそれぞれ1回サンプリングし、HPLCによってニコチンアミドリボシドの純度を検出し、3つの平均値を算出した。試験結果を表1に示し、表中、第1列に記載の1、2、3及び4は、それぞれ実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4を表し、NRは、ニコチンアミドリボシドを表し、KGMは、コンニャクグルコマンナンを表し、RAは、レバウディオサイドAを表す。