(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
先ず、本発明の実施形態を列記して説明する。
【0012】
本発明の実施形態に係る照明制御装置は、無線通信により複数の照明装置を制御する装置であって、送信部と、制御部と、表示部と、入力部と、記憶部とを有する。送信部は、点灯信号、消灯信号、及び調光信号の少なくとも何れか1つの信号を含んだ制御信号を送信する。ここで、制御対象である複数の照明装置は、それぞれの識別を可能にする第1識別情報を持っている。
【0013】
そして、制御部は、制御(i)〜(v)を実行する。制御(i)において、制御部は、少なくとも1つの照明装置と対応付けられることになる象徴画像を、表示部に表示させる。制御(ii)において、制御部は、第1識別情報を取得すると共に、取得した第1識別情報を表示部に表示させる。制御(iii)において、制御部は、表示部に表示された第1識別情報が、入力部からの操作により象徴画像と重なる位置にドラッグされたとき、ドラッグされた第1識別情報を、その第1識別情報が重ねられた象徴画像に関連付けて記憶部に記憶させ、これにより、その第1識別情報を持つ照明装置と象徴画像とが互いに対応付けられる。制御(iv)において、制御部は、象徴画像に関連付けて、その象徴画像に制御(iii)にて対応付けられた照明装置の制御に関する照明制御情報を、記憶部に記憶させる。制御(v)において、制御部は、象徴画像に関連付けられた第1識別情報及び照明制御情報に基づいて制御信号を生成すると共に、生成した制御信号を、送信部を通じて、象徴画像に対応付けられた照明装置に送信する。
【0014】
上記照明制御装置によれば、ユーザによる入力部からの簡単な操作により、照明制御情報に対して、少なくとも1つの第1識別情報が象徴画像を介して関連付けられる。従って、複数の照明装置を、照明制御情報との所望の関連態様で制御することが可能になる。ここで、所望の関連態様には、照明装置の各々に照明制御情報が関連付けられた態様、照明装置のグループに照明制御情報が関連付けられた態様、及びこれらを組み合わせた態様が含まれる。この様に、上記照明制御装置によれば、複数の照明装置を個別に制御すると共に、それらの制御を1つの照明制御装置で一括して管理することが可能になる。又、上記照明制御装置においては、象徴画像の変更(例えば、同じ照明制御を行いたいエリアの変更)等、照明制御に関する設定の変更が容易である。更には、複数の照明装置が無線通信により制御されるため、有線式のシステムで構築されていた回路(配線)が不要となる。
【0015】
好ましくは、複数の照明装置の配置が示された配灯画像上において、象徴画像は、その象徴画像と重なる位置に配された少なくとも1つの照明装置に対応していることを象徴する画像であり、制御(i)の前に、制御部は、配灯画像を表示部に表示させる制御(vi)を更に実行する。そして、制御(i)において、制御部は、表示部に、象徴画像を配灯画像に重ねて表示させる。
【0016】
好ましくは、制御(ii)において、制御部は、取得した第1識別情報に対応させて、その第1識別情報を持った照明装置を点灯させるための点灯信号を発生させる第1スイッチを、表示部に表示させる。
【0017】
この様な構成によれば、ユーザは、入力部からの第1スイッチの操作により、照明装置を点灯させて、操作した第1スイッチに対応する照明装置の実際の位置を確認することが可能になる。従って、ユーザは、操作した第1スイッチに対応させて表示されている第1識別情報を、確認した実際の位置に基づいて、関連付けんとする象徴画像にドラッグすることが出来る。この様なユーザのドラッグ操作が実行されたとき、制御部は制御(iii)を実行する。よって、第1識別情報が、象徴画像に対して正確に関連付けられる。
【0018】
上記照明制御装置において、象徴画像は、同じ照明制御が実行される照明装置のエリアを表すエリア画像であってもよい。この場合、制御(iii)において、制御部は、エリア画像で表されるエリア内の全ての照明装置の第1識別情報を、エリア画像に関連付けて記憶部に記憶させる。又、制御(v)において、制御部は、エリア画像で表されるエリア内の全ての照明装置に対して、送信部を通じて制御信号を送信する。
【0019】
この様な構成によれば、ユーザによる入力部からの簡単な操作により、所望のエリア内で全ての照明装置に対して同じ照明制御を行うための設定が遂行される。
【0020】
上記照明制御装置の好ましい具体的構成において、照明制御装置は、無線通信中の照明装置から送信される信号であって第1識別情報を含んだ情報信号を受信する、受信部を更に有する。そして、制御(ii)において、制御部は、受信部に情報信号を受信させることにより、情報信号に含まれる第1識別情報を取得し、取得した第1識別情報を表示部に表示させる。
【0021】
上記照明制御装置の好ましい他の具体的構成において、照明制御装置は、QRコード(登録商標)を読み込む読込み部を更に有し、照明装置の各々には、第1識別情報に対応するQRコード(登録商標)が設けられ、記憶部には、第1識別情報とQRコード(登録商標)との対応関係を表すテーブルが記憶されている。そして、制御(ii)において、制御部は、テーブルに基づいて、読込み部により読み込まれたQRコード(登録商標)に対応する第1識別情報を取得し、取得した第1識別情報を表示部に表示させる。
【0022】
この様な構成によれば、この構成を持った照明制御装置と複数の照明装置とを備えた照明システムが、例えば隣接する複数の店舗の各々に採用された場合でも、照明制御装置の各々の表示部には、この照明制御装置と共に同じ照明システムを構成している照明装置が持つ第1識別情報のみが表示されることになる。よって、ユーザであるシステム管理者が、自身が所有する照明システムとは別の照明システムから第1識別情報を取得し、その第1識別情報を象徴画像に誤って関連付けてしまうといった不具合が、上記具体的構成によれば防止される。
【0023】
本発明の実施形態に係る照明システムは、複数の照明装置と、これらの照明装置を無線通信により制御する上記照明制御装置とを備える。
【0024】
上記照明システムの好ましい具体的構成において、照明システムは、複数の通信中継器を更に備え、これらの通信中継器は、照明装置及び照明制御装置との間で無線通信を行うと共に、互いに有線接続されている。そして、照明制御装置は、少なくとも1つの通信中継器を介して照明装置との通信を行う。この様な構成において、通信中継器は、それぞれの識別を可能にする第2識別情報を持ち、且つ、照明制御装置の制御部は、制御(ii)の前に制御(vii)を更に実行することが好ましい。具体的には、制御(vii)において、制御部は、照明制御装置との無線通信が可能な範囲に存在する通信中継器の第2識別情報を取得すると共に、取得した第2識別情報を表示部に表示させる。そして、制御(ii)では、制御部は、表示部に表示された第2識別情報のうち、入力部からの操作により選択された第2識別情報に対応する通信中継器を通じて、この通信中継器との直接的な無線通信が可能な照明装置が持つ第1識別情報を取得すると共に、取得した第1識別情報を表示部に表示させる。
【0025】
この様な構成によれば、選択された通信中継器との直接的な無線通信が可能な範囲に存在する照明装置の第1識別情報のみが、表示部に表示される。よって、ドラッグ操作による第1識別情報と象徴画像との関連付けが容易になる。
【0026】
より好ましい具体的構成において、通信中継器の各々は、外部に光を放つ発光部を有する。そして、制御(vii)において、制御部は、取得した第2識別情報に対応させて、その第2識別情報を持った通信中継器の発光部を点灯させるための点灯信号を発生させる第2スイッチを、表示部に表示させる。
【0027】
この様な構成によれば、ユーザは、入力部からの第2スイッチの操作により、通信中継器の発光部を点灯させて通信中継器の実際の位置を確認することが出来る。従って、ユーザは、通信中継器の選定と、第1識別情報と象徴画像との関連付けとを、選定する通信中継器を変更しながら繰り返し実行することにより、設置されている全ての照明装置についての第1識別情報と象徴画像との関連付けを、容易に行うことが出来る。
【0028】
上記照明システムの好ましい他の具体的構成において、照明システムは、複数の照明装置が配置されている空間に設けられた照度センサと、照度センサと一体的又は別個に設けられた人感センサとを更に備える。そして、制御(v)において、制御部は、象徴画像に関連付けられた第1識別情報及び照明制御情報に加えて、照度センサ及び人感センサから出力される検出信号にも基づいて、制御信号を生成する。
【0029】
次に、本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0030】
[1]LED照明システムの構成
図1は、本発明の一実施形態に係るLED照明システムの構成を概念的に示したブロック図である。
図1に示す様に、LED照明システムは、複数のLED照明装置2と、これらのLED照明装置2を無線通信により制御する照明制御装置1と、有線式のネットワーク3と、センサ4とを備えている。
【0031】
ネットワーク3は、ハブ(HUB)を通じて互いに有線接続された複数のゲートウェイGWを有している。ゲートウェイGWの各々は、無線通信により、LED照明装置2及び照明制御装置1との間で情報を伝達し合う。そして、照明制御装置1は、ネットワーク3内の少なくとも1つのゲートウェイGWを介して、LED照明装置2との通信を行う。ゲートウェイGWは、通信プロトコルの変換を行う通信中継器と、照明制御装置1から出力される制御信号に応じてLED照明装置2の照明制御を行う制御器とを有している。
【0032】
本実施形態のLED照明システムによれば、照明制御装置1と複数のLED照明装置2との無線通信が、ネットワーク3(ゲートウェイGW)で中継される。従って、オフィス等の広い空間に複数のLED照明装置2が設置されている場合でも、照明制御装置1とLED照明装置2との間での無線通信を確実に行うことが可能となる。
【0033】
更に、本実施形態のLED照明システムにおいては、複数のゲートウェイGWが有線接続されている。従って、複数の部屋や複数の階に亘って複数のLED照明装置2が設置されている場合でも、各部屋又は各階にゲートウェイGWが設置されることにより、全てのLED照明装置2の照明制御を、1つの照明制御装置1で一括して管理することが可能になる。
【0034】
センサ4は、照度センサと人感センサとが一体的に形成されたものであり、複数のLED照明装置2が配置されている空間に設けられている。センサ4は、無線通信により、ゲートウェイGWとの間で情報を伝達し合う。そして、照明制御装置1は、ネットワーク3を通じて、センサ4から出力された検出信号を取得する。尚、LED照明装置2が配置されている空間には、照明センサと人感センサとが別個に設けられていてもよい。
【0035】
図2は、照明制御装置1の構成を概念的に示したブロック図である。
図2に示す様に、照明制御装置1は、第1送信部11と、第1受信部12と、第1制御部13と、表示部14と、入力部15と、記憶部16とを有している。本実施形態において、表示部14及び入力部15は、これらが一体的に形成されたタッチパネル18である。
【0036】
第1送信部11は、第1制御部13によって生成された信号を、ネットワーク3を通じてLED照明装置2やセンサ4へ送信する。第1制御部13が生成する信号には、点灯信号、消灯信号、及び調光信号の少なくとも何れか1つの信号を持った制御信号が含まれる。第1受信部12は、LED照明装置2やセンサ4から出力された信号を、ネットワーク3を通じて受信する。尚、第1制御部13が実行する制御の詳細については、後述する。
【0037】
図3は、LED照明装置2の各々が持つ構成を概念的に示したブロック図である。
図3に示す様に、LED照明装置2は、第2送信部21と、第2受信部22と、第2制御部23と、LED24とを有している。又、LED照明装置2は、他のLED照明装置2との識別を可能にする第1識別情報I
LEDを有している。
【0038】
第2送信部21は、第2制御部23によって生成された信号を、ネットワーク3を通じて照明制御装置1へ送信する。第2制御部23が生成する信号には、第1識別情報I
LEDを持った情報信号が含まれる。本実施形態において、第2送信部21及び第2受信部22は、これらが一体的に形成されたワイヤレスモジュールであり、第1識別情報I
LEDは、そのワイヤレスモジュールを、他のLED照明装置2に設けられたワイヤレスモジュールと識別するためのものである。第2送信部21からの信号の送信は、例えば、照明制御装置1からの指令に応じて実行される。
【0039】
第2受信部22は、照明制御装置1から出力された制御信号、又はこの制御信号に応じてゲートウェイGWの制御器から出力される制御信号を、ネットワーク3を通じて受信する。第2制御部23は、第2受信部22にて受信される制御信号に基づいて、LED24の照明制御(点灯、消灯、調光等)を行う。
【0040】
[2]LED照明システムの制御
図4は、照明制御装置1の第1制御部13が実行する制御及びユーザが行う操作を示したフローチャートである。先ず、ステップS20において、ユーザが、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称す。)を用いて事前準備を行う。
図5〜12は、この事前準備に関連する画面が表示されたPCモニタ6の平面図である。
【0041】
ステップS20では、ユーザは先ず、複数のLED照明装置2の配置が示された配灯画像PをPCのハードディスクに読み込み、読み込んだ配灯画像PをPCモニタ6に表示する(
図5参照)。
図5では、LED照明装置2の配置が複数の丸印によって示されている。尚、配灯画像Pには、内装や設備等に関する画像が含まれていてもよい。又、配灯画像Pは、透視図法により作成された画像であってもよい。更に、ユーザは、配灯画像Pを生成するために必要な、複数のLED照明装置2の配置に関する配置情報を、PCのハードディスクに読み込んでもよい。この場合、ユーザは、PCに、ハードディスクから配置情報を読み出させると共に、その配置情報に基づいて配灯画像Pを生成させる。
【0042】
配灯画像Pが表示された画面において、ユーザは、PCモニタ6に表示された配灯画像P上に、マウス等の操作により象徴画像を作成又は配置する(ステップS20)。ここで、象徴画像は、少なくとも1つの第1識別情報I
LEDが関連付けられることにより、その第1識別情報I
LEDを持つLED照明装置2と対応付けられることになる画像である。本実施形態において、象徴画像は、PCモニタ6や照明制御装置1において配灯画像Pに重ねて表示されることにより、配灯画像P上において象徴画像と重なる位置に配された少なくとも1つのLED照明装置2に対応していることを、ユーザに認識させることが出来る。即ち、配灯画像P上において、象徴画像は、その象徴画像と重なる位置に配された少なくとも1つのLED照明装置2に対応していることを象徴する画像である。尚、象徴画像は、少なくとも1つの第1識別情報I
LEDが関連付けられる箱の様なものとして、配灯画像Pを表示させずに作成されてもよい。
【0043】
象徴画像には、配灯画像P上において、同じ照明制御が実行されるLED照明装置2のエリアを表し、そのエリア内の複数のLED照明装置2と対応付けられることになる画像(
図7参照)が含まれる。以下では、この画像を「エリア画像」と称す。更に、象徴画像には、1つのLED照明装置2とだけ対応付けられることになる画像(
図12参照)が含まれる。以下では、特に断らない限り、この画像に対して「象徴画像」という用語を用いる。
【0044】
図5に示す様に、配灯画像Pが表示された画面には、配灯画像Pに加えて、ボタンB1〜B7及びEG1〜EG10が表示される。ボタンB1は、ユーザが象徴画像の配置操作を行うための配置操作画面(
図9参照)をPCモニタ6に表示させるボタンである。ボタンB2は、ユーザがエリア画像の作成操作を行うための作成操作画面(
図5参照)をPCモニタ6に表示させるボタンである。ボタンB6は、PCモニタ6に表示されている画面に移る前の画面を再びPCモニタ6に表示させるボタンである。ボタンB7は、象徴画像の配置操作やエリア画像の作成操作を完了させるためのボタンである。
【0045】
作成操作画面(
図5参照)において、ボタンB3〜B5は、ユーザがエリア画像を作成する際に選択されるボタンである。ここで、ボタンB3は、長方形のエリア画像を作成する際に選択される(
図6参照)。具体的には、ユーザは、マウス等の操作により、ボタンB3を選択した後、PCモニタ6に表示された画面において互いに異なる2つの位置を指定する。これにより、その2つの位置を結んだ直線を対角線とする長方形のエリア画像が作成される。ボタンB4は、長方形に限定されない様々な形状を持ったエリア画像について、そのエリア画像の外縁のうち直線部分を作成する際に選択される。具体的には、ユーザは、マウス等の操作により、ボタンB4を選択した後、PCモニタ6に表示された画面において複数の位置を指定する。これにより、その複数の位置が指定順に結ばれた線画像が作成される。ボタンB5は、エリア画像の外縁のうち円弧状の曲線部分を作成する際に選択される。具体的には、ユーザは、マウス等の操作により、ボタンB5を選択した後、PCモニタ6に表示された画面において1つの位置を指定する。次に、別の位置を指定した後、その位置を、先に指定した位置を中心としてスライドさせる。これにより、先に指定された位置を中心とする円弧状の曲線画像が作成される。
【0046】
ユーザは、作成操作画面において上述した作成操作を行うことにより、配灯画像P上にエリア画像を作成することが出来る。
図7には、配灯画像P上に4つのエリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)が作成され、配灯画像Pに示された全てのLED照明装置2に、4つのエリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)の何れかが対応している場合が示されている。尚、配灯画像Pに示されたLED照明装置2のうち、照明制御装置1により制御せんとする幾つかのLED照明装置2にのみ、エリア画像を対応させてもよい。或いは、照明制御装置1により制御せんとする幾つかのLED照明装置2に、エリア画像を対応させ、残りのLED照明装置2には、後述する配置操作により象徴画像を対応させてもよい。
【0047】
エリア画像の作成操作は、上述した操作に限られるものではない。例えば、PCモニタ6に様々な形状を持った図形が表示され、ユーザが、マウス等の操作により、PCモニタ6に表示されている複数の図形から幾つかの図形を選択すると共に、選択した図形を組み合わせて1つのエリア画像を作成してもよい。又、エリア画像の作成操作は、PCに限らず、照明制御装置1にて行われてもよい。
【0048】
図5に示された画面において、ユーザによるマウス等の操作によりボタンB1が選択された場合、象徴画像の配置操作を行うための画面が表示される(
図9参照)。このとき、PCモニタ6には、ボタンB3〜B5に代えてボタンB11〜B14が表示される。これにより、
図9に示す様に、PCモニタ6には、配灯画像Pと、ボタンB1、B2、B11〜B14、B6、及びB7とが表示される。
【0049】
配置操作画面(
図9参照)において、ボタンB11〜B13は、ユーザが象徴画像を配置する際に選択されるボタンである。又、ボタンB14は、配置された象徴画像をユーザが消去する際に選択されるボタンである。
【0050】
ボタンB11は、象徴画像を1つだけ配置する際に選択される。具体的には、ユーザは、マウス等の操作により、ボタンB11を選択した後、PCモニタ6に表示された画面において1つの位置を指定する。位置の指定が完了すると、PCモニタ6には、象徴画像の種類を選択するための選択画面が表示される(
図10参照)。そして、ユーザは、マウス等の操作により、選択画面において象徴画像の種類を選択する。これにより、指定された位置に、選択された種類の象徴画像が配置される。
【0051】
ボタンB12は、同じ種類の複数の象徴画像を一列に配置する際に選択される。具体的には、ユーザは、マウス等の操作により、ボタンB12を選択した後、PCモニタ6に表示された画面において2つの位置を指定する。2つの位置の指定が完了すると、PCモニタ6には、象徴画像の種類を選択するための選択画面が表示される(
図10参照)。そして、ユーザは、マウス等の操作により、選択画面において象徴画像の種類を選択する。象徴画像の種類の選択が完了すると、PCモニタ6には、象徴画像の配置数を入力するための入力画面が表示される(
図11参照)。そして、ユーザは、マウスやキーボード等の操作により、入力画面において数値を入力する。これにより、指定された2つの位置を結んだ直線上に、入力された数の象徴画像が等間隔で配置される。
【0052】
ボタンB13は、同じ種類の複数の象徴画像をマトリックス状に配置する際に選択される。具体的には、ユーザによるマウス等の操作によりボタンB13が選択されると、PCモニタ6には、ボタンB11〜B14に代えてボタンB3〜B5が表示される(
図10参照)。そして、ユーザは、マウス等の操作により、ボタンB3を選択した後、
図10に示す様に、PCモニタ6に表示された画面において互いに異なる2つの位置を指定する。これにより、その2つの位置を結んだ直線を対角線とする長方形の領域Rが指定される。2つの位置の指定が完了すると、PCモニタ6には、象徴画像の種類を選択するための選択画面が表示される(
図10参照)。そして、ユーザは、マウス等の操作により、選択画面において象徴画像の種類を選択する。象徴画像の種類の選択が完了すると、PCモニタ6には、象徴画像の配置数(行数及び列数)を入力するための入力画面が表示される(
図11参照)。そして、ユーザは、マウスやキーボード等の操作により、入力画面において数値を入力する。これにより、指定された長方形の領域上に、入力された数の象徴画像がマトリックス状に配置される(
図12参照)。
【0053】
ユーザは、配置操作画面において上述した配置操作を行うことにより、配灯画像P上に象徴画像を配置することが出来る。
図12には、配灯画像P上に同じ種類の9つの象徴画像P
SMBLを配置した場合が示されている。この様な配置操作を繰り返し実行することにより、配灯画像Pに示された全てのLED照明装置2に、象徴画像を対応させることが出来る。尚、配灯画像Pに示されたLED照明装置2のうち、照明制御装置1により制御せんとする幾つかのLED照明装置2にのみ、象徴画像を対応させてもよい。或いは、照明制御装置1により制御せんとする幾つかのLED照明装置2に、象徴画像を対応させ、残りのLED照明装置2には、上述した作成操作によりエリア画像を対応させてもよい。更には、象徴画像は、エリア画像によって表されるエリア内に配置されてもよい。又、象徴画像の配置操作は、PCに限らず、照明制御装置1にて行われてもよい。
【0054】
ステップS20において、ユーザによりエリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)が作成された場合、作成されたエリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)はPCのハードディスクに記憶される。このとき、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)は、各々がボタンEG1〜EG10の何れかと1対1対応で関連付けられてハードディスクに記憶されることにより、リスト化されてもよい。エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)とボタンEG1〜EG10との関連付けは、例えば、これらがPCモニタ6に表示されている画面において、マウス等を用いたユーザによるドラッグ操作により行われる(
図8参照)。
【0055】
又、ステップS20において、ユーザにより象徴画像P
SMBLが配置された場合、配置された象徴画像P
SMBLはPCのハードディスクに記憶される。
【0056】
事前準備が完了すると、ステップS21において、ユーザは、PCのハードディスクに記憶されている、配灯画像P、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)、及び象徴画像P
SMBLを、例えばネットワーク3を介して、照明制御装置1に転送する。
【0057】
これにより、ステップS11において、照明制御装置1の第1制御部13は、第1受信部12を通じて、配灯画像P、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)、及び象徴画像P
SMBLを読み込むと共に、これらの画像を記憶部16に記憶させる。
【0058】
次に、ステップS12において、第1制御部13は、記憶部16から配灯画像Pを読み出すと共に、読み出した配灯画像Pをタッチパネル18に表示させる。又、第1制御部13は、記憶部16からエリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)及び象徴画像P
SMBLの少なくとも何れか一方を読み出すと共に、読み出した画像を配灯画像Pに重ねてタッチパネル18に表示させる。
図13は、エリア画像及び象徴画像のうち、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)のみがタッチパネル18に表示されている照明制御装置1の平面図である。又、
図14は、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)及び象徴画像P
SMBLの何れもがタッチパネル18に表示されている照明制御装置1の平面図である。尚、ステップS12では、第1制御部13は、タッチパネル18に、配灯画像Pは表示させずに、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)及び象徴画像P
SMBLの少なくとも何れか一方のみを表示させてもよい。又、象徴画像が、少なくとも1つの第1識別情報I
LEDが関連付けられる箱の様なものである場合、その象徴画像のみがタッチパネル18に表示されてもよい。
【0059】
次に、ステップS13において、第1制御部13は、第1識別情報I
LEDを含んだ情報信号を第1受信部12に受信させることにより、ネットワーク3を通じて、複数のLED照明装置2から第1識別情報I
LEDを取得する。そして、第1制御部13は、取得した第1識別情報I
LEDをタッチパネル18に表示させる(
図13及び
図14参照)。このとき、第1制御部13は、取得した第1識別情報I
LEDの各々について、その第1識別情報I
LEDを持ったLED照明装置2を点灯させるための点灯信号を発生させる第1スイッチS1を生成する。そして、第1制御部13は、生成した第1スイッチS1を、第1識別情報I
LEDに対応させてタッチパネル18に表示させる。本実施形態では、第1スイッチS1は、第1識別情報I
LEDに重ねて表示されている。尚、第1スイッチS1は、点灯信号及び消灯信号を選択的に発生させるものであってもよい。又、第1スイッチS1は、記憶部16に記憶されていてもよく、第1制御部13は、取得した第1識別情報I
LEDの各々に対応する第1スイッチS1を記憶部16から読み出すと共に、読み出した第1スイッチS1をタッチパネル18に表示させてもよい。
【0060】
次に、ユーザは、LED照明装置2と、タッチパネル18に表示されたエリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)又は象徴画像P
SMBLとを互いに関連付ける(ステップS22)。具体的には、第1識別情報I
LED及び第1スイッチS1が表示された画面において、ユーザは、タッチパネル18上で第1スイッチS1を操作することにより、LED照明装置2を点灯させる。この様にして、ユーザは、操作した第1スイッチS1に対応するLED照明装置2の実際の位置を確認する。その後、ユーザは、操作した第1スイッチS1に重なって表示されている第1識別情報I
LEDを、確認した実際の位置に基づいて、配灯画像P上の対応する位置に表示されているエリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)又は象徴画像P
SMBLと重なる位置にドラッグする。
【0061】
上述したユーザのドラッグ操作が実行されたとき、ステップS14において、第1制御部13は、ドラッグされた第1識別情報I
LEDを、その第1識別情報I
LEDが重ねられたエリア画像又は象徴画像に関連付けて記憶部16に記憶させる。
図13に示す様に、第1識別情報I
LEDがエリア画像P
AREA(1)に関連付けられる場合、ユーザのドラッグ操作とステップS14での第1制御部13の制御とにより、エリア画像P
AREA(1)で表されるエリア内の全てのLED照明装置2の第1識別情報I
LEDが、エリア画像P
AREA(1)に関連付けて記憶部16に記憶される。
【0062】
尚、
図14に示す様に、エリア画像P
AREA(1)によって表されるエリア内に象徴画像P
SMBLが配置されている場合において、第1識別情報I
LEDが、象徴画像P
SMBLと重なる位置にドラッグされたとき、第1制御部13は、ドラッグされた第1識別情報I
LEDを、象徴画像P
SMBLにのみ関連付けて記憶部16に記憶させてもよいし、エリア画像P
AREA(1)及び象徴画像P
SMBLの何れとも関連付けて記憶部16に記憶させてもよい。
【0063】
この様なLED照明装置2の位置確認に基づくユーザのドラッグ操作(ステップS22)と、第1制御部13の制御(ステップS14)とによれば、第1識別情報I
LEDが、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)又は象徴画像P
SMBLに対して正確に関連付けられる。
【0064】
次に、ステップS15において、第1制御部13は、エリア画像に関連付けて、そのエリア画像に対応する複数のLED照明装置2の制御に関する照明制御情報を、記憶部16に記憶させる。又、第1制御部13は、象徴画像に関連付けて、その象徴画像に対応する1つのLED照明装置2の制御に関する照明制御情報を、記憶部16に記憶させる。尚、照明制御情報は、ユーザによるタッチパネル18の操作により入力される(ステップS23)。又、照明制御情報には、照度やタイムスケジュール等の情報が含まれる。
【0065】
ステップS11〜S15の第1制御部13の制御、及びステップS21〜S23のユーザの操作によれば、タッチパネル18の簡単な操作により、所望のエリア内で全てのLED照明装置2に対して同じ照明制御を行うための設定、並びにLED照明装置2に対して個別に照明制御を行うための設定が遂行される。
【0066】
設定の完了後、ステップS16において、第1制御部13は、エリア画像に関連付けられた第1識別情報I
LED及び照明制御情報に基づいて、制御信号を生成する。そして、第1制御部13は、生成した制御信号を、第1送信部11を通じて、エリア画像で表されるエリア内の全てのLED照明装置2に送信する。これにより、所望のエリア内で、全てのLED照明装置2に対して同じ照明制御が実行される。
【0067】
又、第1制御部13は、象徴画像に関連付けられた第1識別情報I
LED及び照明制御情報に基づいて、制御信号を生成する。そして、第1制御部13は、生成した制御信号を、第1送信部11を通じて、象徴画像に対応するLED照明装置2に送信する。これにより、LED照明装置2に対して個別に照明制御が実行される。
【0068】
尚、ステップS16では、第1制御部13は、第1識別情報I
LED及び照明制御情報に加えて、センサ4から出力される検出信号にも基づいて、制御信号を生成してもよい。
【0069】
本実施形態の照明制御装置1によれば、ユーザによるタッチパネル18の簡単な操作により、照明制御情報に対して、少なくとも1つの第1識別情報I
LEDが、エリア画像P
AREA(1)〜P
AREA(4)又は象徴画像P
SMBLを介して関連付けられる。従って、複数のLED照明装置2を、照明制御情報との所望の関連態様で制御することが可能になる。ここで、所望の関連態様には、LED照明装置2の各々に照明制御情報が関連付けられた態様、LED照明装置2のグループに照明制御情報が関連付けられた態様、及びこれらを組み合わせた態様が含まれる。この様に、本実施形態の照明制御装置1によれば、複数のLED照明装置2を個別に制御すると共に、それらの制御を1つの照明制御装置1で一括して管理することが可能になる。又、本実施形態の照明制御装置1においては、エリア画像や象徴画像の変更等、照明制御に関する設定の変更が容易である。更には、複数のLED照明装置2が無線通信により制御されるため、有線式のシステムで構築されていた回路(配線)が不要となる。
【0070】
尚、照明制御装置1によるLED照明装置2の一括管理が可能であることを利用して、例えば、LED照明装置2のそれぞれの使用時間を、照明制御装置1に一括して管理させてもよい。一例として、LED照明装置2にそれぞれ設けられたタイマを、照明制御装置1に一括して管理させる。尚、タイマは、通常、ワイヤレスモジュールに設けられている。
【0071】
蛍光灯などの照明装置の場合、点灯不能になることで、ユーザは、その照明装置の寿命を認識することが出来る。しかし、LED照明装置2は、半永久的な使用が可能であり、機能が徐々に低下するものである。このため、ユーザにとっては、その寿命(照度不足の状態)を認識することが困難である。
【0072】
そこで、照明制御装置1によるLED照明装置2の一括管理が可能であることを利用して、LED照明装置2が寿命(照度不足の状態)に達した場合、その寿命を、例えば照明制御装置1のタッチパネル18に表示させてもよい。これにより、ユーザは、LED照明装置2の寿命を認識することが出来る。
【0073】
[3]LED照明システムに関する変形例
LED照明システムに関する2つの変形例(第1変形例及び第2変形例)について説明する。
【0074】
[3−1]第1変形例
LED照明システムの第1変形例では、上記実施形態の構成に加えて、LED照明装置2の各々に、第1識別情報I
LEDに対応するQRコード(登録商標)が設けられ、記憶部16には、第1識別情報I
LEDとQRコード(登録商標)との対応関係を表すテーブルが記憶されている。又、
図15に示す様に、照明制御装置1は、QRコード(登録商標)を読み込むQRコード(登録商標)リーダである読込み部17を更に有している。
【0075】
この様なLED照明システムでは、上述したステップS13において、第1制御部13は、テーブルに基づいて、読込み部17により読み込まれたQRコード(登録商標)に対応する第1識別情報I
LEDを取得する。そして、第1制御部13は、取得した第1識別情報I
LEDをタッチパネル18に表示させる。読込み部17によるQRコード(登録商標)の読込みは、例えば、LED照明装置2を設置する段階で、その設置前にユーザにより実行される。
【0076】
LED照明システムの第1変形例によれば、このLED照明システムが、例えば隣接する複数の店舗の各々に採用された場合でも、照明制御装置1の各々のタッチパネル18には、この照明制御装置1と共に同じLED照明システムを構成しているLED照明装置2が持つ第1識別情報I
LEDのみが表示されることになる。よって、ユーザであるシステム管理者が、自身が所有するLED照明システムとは別のLED照明システムから第1識別情報I
LEDを取得し、その第1識別情報I
LEDをエリア画像や象徴画像に誤って関連付けてしまうといった不具合が、LED照明システムの第1変形例によれば防止される。
【0077】
[3−2]第2変形例
LED照明システムの第2変形例では、上記実施形態の構成に加えて、ゲートウェイGWが、それぞれの識別を可能にする第2識別情報I
GWを持っている。又、
図16に示す様に、ゲートウェイGWの各々には、外部に光を放つ発光部5が設けられている。発光部5として、例えばLEDが用いられる。
【0078】
図17は、LED照明システムの第2変形例について、照明制御装置1の第1制御部13が実行する制御及びユーザが行う操作を示したフローチャートである。又、
図18は、タッチパネル18に第2識別情報I
GWが表示された照明制御装置1の平面図である。
図17に示す様に、第1制御部13は、
図4に示される制御に加えて、ステップS13の制御の前にステップS17の制御を実行する。ステップS17では、第1制御部13は、照明制御装置1との無線通信が可能な範囲に存在するゲートウェイGWの第2識別情報I
GWを取得する。そして、第1制御部13は、取得した第2識別情報I
GWをタッチパネル18に表示させる(
図18参照)。一例として、第2識別情報I
GWは、対応するゲートウェイGWと照明制御装置1との間の距離が小さい順に、タッチパネル18に表示される。
【0079】
このとき、第1制御部13は、取得した第2識別情報I
GWの各々について、その第2識別情報I
GWを持ったゲートウェイGWの発光部5を点灯させるための点灯信号を発生させる第2スイッチS2を生成する。そして、第1制御部13は、生成した第2スイッチS2を、第2識別情報I
GWに対応させてタッチパネル18に表示させる。本実施形態では、第2スイッチS2は、第2識別情報I
GWに重ねて表示されている。尚、第2スイッチS2は、点灯信号及び消灯信号を選択的に発生させるものであってもよい。又、第2スイッチS2は、記憶部16に記憶されていてもよく、第1制御部13は、取得した第2識別情報I
GWの各々に対応する第2スイッチS2を記憶部16から読み出すと共に、読み出した第2スイッチS2をタッチパネル18に表示させてもよい。
【0080】
次に、ユーザは、ゲートウェイGWを選定する(ステップS24)。具体的には、第2識別情報I
GW及び第2スイッチS2が表示された画面において、ユーザは、タッチパネル18上で第2スイッチS2を操作することにより、ゲートウェイGWの発光部5を点灯させる。この様にして、ユーザは、操作した第2スイッチS2に対応するゲートウェイGWの実際の位置を確認する。そして、ユーザは、照明制御装置1との無線通信が可能な範囲に存在するゲートウェイGWの中から、ゲートウェイGWを1つ選定する。
【0081】
ゲートウェイGWが選定されると、ステップS13において、第1制御部13は、選定されたゲートウェイGWを通じて、このゲートウェイGWとの直接的な無線通信が可能なLED照明装置2が持つ第1識別情報I
LEDを取得する。そして、第1制御部13は、取得した第1識別情報I
LEDをタッチパネル18に表示させる。以降、上記実施形態と同様の制御が実行される。
【0082】
LED照明システムの第2変形例によれば、選択されたゲートウェイGWとの直接的な無線通信が可能な範囲に存在するLED照明装置2の第1識別情報I
LEDのみが、タッチパネル18に表示される。よって、ドラッグ操作による第1識別情報I
LEDとエリア画像又は象徴画像との関連付けが容易になる。
【0083】
又、ユーザは、第2スイッチS2の操作により、ゲートウェイGWを点灯させてゲートウェイGWの実際の位置を確認することが出来る。従って、ユーザは、ゲートウェイGWの選定(ステップS24)と、第1識別情報I
LEDとエリア画像又は象徴画像との関連付け(ステップS22)とを、選定するゲートウェイGWを変更しながら繰り返し実行することにより、設置されている全てのLED照明装置2についての第1識別情報I
LEDとエリア画像又は象徴画像との関連付けを、容易に行うことが出来る。
【0084】
[4]LED照明システムに対するデマンド制御
次に、デマンド制御について説明する。ここで、デマンド制御とは、オフィスや店舗等で使用される総電力量を監視し、その総電力量が所定の閾値を超えない様に、負荷(照明装置や空調機など)で消費される電力量(以下、「電力消費量」と称す。)を制御することである。そして、本実施形態では、デマンド制御を実現するためのデマンド制御システムが構築されている。このデマンド制御システムでは、使用される総電力量が監視され、その総電力量が所定の閾値を超えない様に、LED照明システムや空調システムなどに含まれる負荷の電力消費量が制御される。以下では、主にLED照明システムに対してデマンド制御を実行する場合について説明する。
【0085】
[4−1]デマンド制御システム
図19は、LED照明システムを含むデマンド制御システムの構成を概念的に示したブロック図である。
図19に示す様に、デマンド制御システムは、電力線70に接続された電力計測器71と、デマンド制御装置72と、接点コンバータ73とを含んでいる。
図19では図示されていないが、電力線70には、LED照明システムに含まれるLED照明装置2やセンサ4などが接続されている。尚、電力線70には、空調システムに含まれる空調機など、他の負荷が接続されていてもよい。
【0086】
電力計測器71は、使用される総電力量を計測する。電力計測器71は、デマンド制御装置72に接続されており、デマンド制御装置72は、電力計測器71による計測結果(総電力量)に基づいて、デマンド制御を実行するか否かを判断する。具体的には、デマンド制御装置72は、計測された総電力量が、予め設定されている所定の閾値を超えたか否かを判定する。総電力量が所定の閾値を超えていると判定された場合、デマンド制御装置72は、デマンド制御を実行するためのデマンド制御信号を出力する。本実施形態において、デマンド制御信号は、リレー接点等の実接点を用いて出力される接点信号、又はトランジスタ等を用いて出力される無接点信号である。一方、総電力量が所定の閾値を超えていないと判定された場合、デマンド制御装置72は、デマンド制御信号を出力せずに待機する。
【0087】
デマンド制御装置72は、接点コンバータ73を介して、LED照明システムを構成するネットワーク3に接続されている。
図19には、特に、ハブ(HUB)にデマンド制御装置72が接続された形態が示されている。デマンド制御装置72から出力されたデマンド制御信号は、接点コンバータ73に入力される。接点コンバータ73は、入力されたデマンド制御信号を、デジタル信号に変換する。このデジタル信号は、ハブ(HUB)を介してネットワーク3内のゲートウェイGWに送信される。或いは、デジタル信号は、ネットワーク3を通じてLED照明装置2に送信される。
【0088】
ゲートウェイGWの各々が持つ制御器、又はLED照明装置2の各々が持つ第2制御部23には、これらがデジタル信号を受信したときにLED照明装置2のLED24に対して実行する照明制御に関する情報が予め設定されている。具体的には、このときの照明制御に関する情報として、LED照明装置2での電力消費量を低下させることを目的としたものが採用される。照明制御の一例として、LED照明装置2の全ての照度を、一様に、予め設定された所定の照度まで低下させる制御が挙げられる。照明制御の他の例として、LED照明装置2の照度を、領域ごとに、予め設定された所定の照度まで低下させる制御が挙げられる。
【0089】
上記デマンド制御システムによれば、LED照明システムに対してデマンド制御を実行することにより、電力の過剰な消費を抑制することが出来る。ここで、重要な点は、本実施形態のLED照明システムが、複数のLED照明装置2を個別に制御すると共にそれらの制御を一括して管理することが出来るものであり、この様なLED照明システムに対してデマンド制御が実行されるという点である。即ち、デマンド制御時に実行されるLED照明装置2の制御(照明制御)を、照明制御装置1やPCなどでの一括管理下で個別に設定することが出来るが故に、デマンド制御時にLED照明システムへ送信するデマンド制御信号には照明制御に関する情報を含ませる必要がなく、従ってデマンド制御信号として、接点信号又は無接点信号を用いることが可能となっている。よって、デマンド制御システムの構築が容易である。
【0090】
[4−2]デマンド制御システムに関する変形例
図20は、デマンド制御システムの第1変形例について、そのデマンド制御システムの構成を概念的に示したブロック図である。
図20に示す様に、ネットワーク3を構成する複数のゲートウェイGWのうちの何れか1つが、接点コンバータ73と一体に構成されていてもよい。これにより、デマンド制御システムの構築が簡略化される。
【0091】
図21は、デマンド制御システムの第2変形例について、そのデマンド制御システムの構成を概念的に示したブロック図である。
図21に示す様に、デマンド制御システムにおいて、PWM(Pulse Width Modulation)コンバータ74が、接点コンバータ73に代えて設けられていてもよい。この場合、デマンド制御は、以下の様に実行される。
【0092】
デマンド制御装置72は、電力計測器71の計測結果(総電力量)に基づいてデマンド制御を実行すると判定したとき、デマンド制御を実行するためのデマンド制御信号として、PWM信号を出力する。デマンド制御装置72から出力されたデマンド制御信号は、PWMコンバータ74に入力される。PWMコンバータ74は、入力されたデマンド制御信号を、デジタル信号に変換する。このデジタル信号は、ハブ(HUB)を介してネットワーク3内のゲートウェイGWに送信される。或いは、デジタル信号は、ネットワーク3を通じてLED照明装置2に送信される。そして、LED照明装置2の第2制御部23は、PWMコンバータ74から出力されるデジタル信号(制御信号)、又はこのデジタル信号に応じてゲートウェイGWの制御器から出力される制御信号に基づいて、LED24の照明制御(点灯、消灯、調光等)を行う。この場合、デマンド制御時の照明制御に関する情報は、デマンド制御装置72側で設定されることになる。尚、デマンド制御システムには、接点コンバータ73及びPWMコンバータ74の何れか一方が設けられた構成に限らず、それらの両方が設けられた構成が採用されてもよい。
【0093】
図22は、デマンド制御システムの第3変形例について、そのデマンド制御システムの構成を概念的に示したブロック図である。
図22に示す様に、ネットワーク3を構成する複数のゲートウェイGWのうちの何れか1つが、PWMコンバータ74と一体に構成されていてもよい。これにより、デマンド制御システムの構築が簡略化される。
【0094】
尚、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記LED照明システムの各部構成は、LED照明装置に限定されてない様々な照明装置を備えた照明システムに適用することが出来る。
【0095】
現時点での本発明の好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、本発明に属する技術分野における当業者により、上記の開示から間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形及び改変を包含する、と解釈されるべきものである。