(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧縮手段と接続された循環流路であり、前記圧縮手段によって圧縮された冷媒と冷却対象との熱交換が可能となるように前記冷媒を循環させるための循環流路内を流れる前記冷媒の制御を行う冷媒制御システムであって、
前記冷媒を貯めるための貯留手段と、
前記循環流路を構成する流出口側配管であって前記圧縮手段の流出口側に位置する流出口側配管に接続された第1配管であり、当該第1配管を介して前記流出口側配管内の前記冷媒を前記貯留手段に流入させるための第1配管と、
前記循環流路を構成する流入口側配管であって前記圧縮手段の流入口側に位置する流入口側配管に接続された第2配管であり、当該第2配管を介して前記貯留手段内の前記冷媒を前記流入口側配管に流入させるための第2配管と、
前記流入口側配管に接続された第3配管であり、前記流出口側配管の熱よりも低い当該第3配管の熱を前記貯留手段内の前記冷媒に伝達可能となるように形成された第3配管と、
前記第1配管に設けられた第1開閉弁であり、前記流出口側配管内の前記冷媒を前記貯留手段に流入させるか否かを切り替え可能な第1開閉弁と、
前記第2配管に設けられた第2開閉弁であり、前記貯留手段内の前記冷媒を前記流入口側配管に流入させるか否かを切り替え可能な第2開閉弁と、
前記第3配管に設けられた第3開閉弁であり、前記第3配管における前記貯留手段よりも上流側部分内の前記冷媒を前記第3配管における前記貯留手段側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第3開閉弁と、
前記冷却対象の設定温度に基づいて、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、及び前記第3開閉弁の開閉制御を行う開閉制御手段と、
を備える冷媒制御システム。
前記流出口側配管に接続された第4配管であり、前記第3配管の熱よりも高い当該第4配管の熱を前記貯留手段内の前記冷媒に伝達可能となるように形成された第4配管と、
前記第4配管に設けられた第4開閉弁であり、前記第4配管における前記貯留手段よりも上流側部分内の前記冷媒を前記第4配管における前記貯留手段側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第4開閉弁と、を備え、
前記開閉制御手段は、前記冷却対象の設定温度に基づいて、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁、及び前記第4開閉弁の開閉制御を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の冷媒制御システム。
前記第1配管及び前記第2配管の各々の一部分が他の部分よりも上方に位置するように、前記第1配管及び前記第2配管を形成することにより、前記貯留手段内の前記冷媒が前記第1配管又は前記第2配管を介して前記流出口側配管又は前記流入口側配管に逆流することを回避可能とした、
請求項1から5のいずれか一項に記載の冷媒制御システム。
前記第1冷却対象側配管における前記第1熱交換手段よりも上流側部分に設けられた第6開閉弁であり、前記第1冷却対象側配管内の前記冷媒が前記第1熱交換手段に流入する量を調整可能な第6開閉弁と、
前記第2冷却対象側配管における前記第2熱交換手段よりも下流側部分に設けられた第7開閉弁であり、前記第2熱交換手段によって熱交換された前記冷媒が前記流入口側配管に流入する量を調整可能な第7開閉弁と、を備え、
前記開閉制御手段は、所定方法で取得された前記冷却対象の温度に基づいて、前記第6開閉弁及び前記第7開閉弁の開度制御を行う、
請求項12に記載の冷却システム。
前記第1冷却対象側配管における前記第1熱交換手段よりも上流側部分内の前記冷媒と、前記第2冷却対象側配管における前記第2熱交換手段よりも下流側部分内の前記冷媒との熱交換を行うための冷媒熱交換手段を備える、
請求項12から14のいずれか一項に記載の冷却システム。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る冷媒制御システム、及び冷却システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0037】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、圧縮手段によって圧縮された冷媒と冷却対象との熱交換が可能となるように冷媒を循環させるための循環流路内を流れる冷媒の制御を行う冷媒制御システム、及び冷却システムに関するものである。ここで、「冷媒」とは、冷却対象を冷却するために用いられる媒体を意味し、例えば、ガス状の冷媒(一例として、二酸化炭素、フロン、空気等)、液状の冷媒(一例として、水等)等を含む概念であるが、実施の形態では、二酸化炭素として説明する。また、「冷却対象」とは、冷却される対象を意味し、例えば、装置自体(又は、システム自体)、装置(又は、システム)の冷却用冷媒(一例として、ガス状又は液状の冷却用冷媒)等を含む概念であるが、実施の形態では、半導体製造システムの冷却用冷媒(具体的には、液状の冷却用冷媒)として説明する。
【0038】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0039】
(構成)
まず、実施の形態に係る冷却システムの構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る冷却システムを示す概要図である。
図2は、
図1の後述の貯留部の領域の拡大図である。なお、以下の説明では、
図1のX方向を冷却システムの左右方向(+X方向を冷却システムの左方向、−X方向を冷却システムの右方向)、
図1のY方向を冷却システムの前後方向(+Y方向を冷却システムの前方向、−Y方向を冷却システムの後方向)、
図2のZ方向を上下方向(+Z方向を冷却システムの上方向、−Z方向を冷却システムの下方向)と称する。
【0040】
冷却システム1は、第1冷媒を用いて第2冷媒を冷却するためのシステムであり、
図1に示すように、第1冷却システム10、第2冷却システム100、第3冷却システム200、及び後述の
図3の制御装置300を備えている。ここで、「第1冷媒」とは、第2冷媒を冷却するために用いられるものであって、後述する循環部50によって循環されるものである。また、「第2冷媒」とは、第1冷媒によって冷却されるものであって、後述する第2冷却システム100の送出流路131によって送出されるものである。なお、上述した第1冷媒は、特許請求の範囲における「冷媒」に対応し、上述した第2冷媒は、特許請求の範囲における「冷却対象」に対応する。
【0041】
(構成−第1冷却システム)
第1冷却システム10は、第1冷媒を第2冷媒及び第3冷媒の各々と熱交換させるためのシステムであり、
図1に示すように、圧縮部20、貯留部30、第1熱交換部41〜第6熱交換部46、第1除去部47、第2除去部48、及び循環部50を備えている。ここで、「第3冷媒」とは、第1冷媒を冷却するために用いられるものであって、後述する第3冷却システム200の第1送出流路201又は第2送出流路202によって送出されるものであり、例えば、ガス状の冷媒、液状の冷媒等を含む概念であるが、実施の形態では、工業用水として説明する。
【0042】
(構成−第1冷却システム−圧縮部)
圧縮部20は、第1冷媒を圧縮するための圧縮手段である。この圧縮部20は、例えば公知のコンプレッサ(一例として、インバータドライブ回路を有するコンプレッサの如き周波数制御運転型の二段式コンプレッサ)等を用いて構成されており、具体的には、圧縮部本体21、第1流出口22、第1流入口23、第2流出口24、第2流入口25、及び第3流入口26を備えている。
【0043】
このうち、圧縮部本体21は、圧縮部20の基本構造体であり、中空状に構成されている。また、第1流出口22は、圧縮部本体21内の第1冷媒を後述する第1循環流路61に流出させるための開口である。また、第1流入口23は、後述する第1循環流路61内の第1冷媒を圧縮部本体21に流入させるための開口である。また、第2流出口24は、圧縮部本体21内の第1冷媒を後述する第2循環流路81に流出させるための開口である。また、第2流入口25は、後述する第2循環流路81内の第1冷媒を圧縮部本体21に流入させるための開口である。また、第3流入口26は、後述する補助配管62c内の第1冷媒(後述する第2除去部48にて分離された油)を圧縮部本体21に流入させるための開口である。
【0044】
また、圧縮部20の具体的な動作内容については任意であるが、実施の形態では、以下の通りとなる。すなわち、まず、後述する第1循環流路61から第1流入口23を介して圧縮部本体21に流入させた第1冷媒を圧縮し、当該圧縮した第1冷媒を第2流出口24を介して後述する第2循環流路81に流出させる(以下、「第1圧縮動作」と称する)。次に、後述する第2循環流路81から第2流入口25を介して圧縮部本体21に流入させた第1冷媒を圧縮し、当該圧縮した第1冷媒を第1流出口22を介して後述する第1循環流路61に流出させる(以下、「第2圧縮動作」と称する)。そして、これ以降、第1圧縮動作及び第2圧縮動作を含む動作サイクルを繰り返し行う。このような動作により、圧縮部20によって2回圧縮された第1冷媒を後述する第1循環流路61に流出させることができ、圧縮動作を1回のみ行う場合に比べて第1冷媒の圧縮を効率的に行うことが可能となる。
【0045】
(構成−第1冷却システム−貯留部)
貯留部30は、第1冷媒を貯めるための貯留手段である。この貯留部30は、例えば公知の冷媒用貯留器(一例として、第1冷媒を流入出させる流入出口(図示省略)を有する中空円柱状の膨張タンク)を用いて構成されており、
図1に示すように、圧縮部20よりも第2冷却システム100側に設置されている。
【0046】
また、貯留部30の具体的な大きさ(例えば、径及び高さ)については任意であるが、例えば、所望量の第1冷媒を貯めることができる限り小さくすることが望ましいことから、実験結果等に基づいて設定してもよい。
【0047】
(構成−第1冷却システム−第1熱交換部〜第6熱交換部)
第1熱交換部41は、後述する第1循環流路61内の第1冷媒と第2冷媒との熱交換を行うものであって、第2冷媒を冷却可能な第1熱交換手段である。この第1熱交換部41は、例えば公知の熱交換器(一例として、エバポレータ)等を用いて構成されており、
図1に示すように、第2冷却システム100の近傍位置(
図1では、後述する送出流路131の上流側の位置)に設置されている。
【0048】
第2熱交換部42は、後述する第1循環流路61内の第1冷媒と第2冷媒との熱交換を行うものであって、第1熱交換部41によって冷却された第2冷媒を加熱可能な第2熱交換手段である。この第2熱交換部42は、例えば公知の熱交換器(一例として、プレート熱交換器)等を用いて構成されており、
図1に示すように、第2冷却システム100の近傍位置(
図1では、後述する送出流路131の下流側の位置)に設置されている。このような第2熱交換部42により、第1熱交換部41によって冷却され過ぎた第2冷媒を加熱でき、後述する送出流路131の下流側部分の温度を所望温度に維持しやすくなる。なお、上述した「第1熱交換部41」及び「第2熱交換部42」は、特許請求の範囲における「熱交換手段」に対応する。
【0049】
第3熱交換部43は、後述する第1循環流路61内の第1冷媒と第3冷媒との熱交換を行うものであって、第1冷媒を冷却可能な第3熱交換手段である。この第3熱交換部43は、例えば公知の熱交換器等を用いて構成されており、
図1に示すように、第3冷却システム200の近傍位置に設置されている。
【0050】
第4熱交換部44は、後述する第2循環流路81内の第1冷媒と第3冷媒との熱交換を行うものであって、第1冷媒を冷却可能な第4熱交換手段である。この第4熱交換部44は、例えば公知の熱交換器等を用いて構成されており、
図1に示すように、第3冷却システム200の近傍位置(
図1では、第3熱交換部43とは異なる位置)に設置されている。
【0051】
第5熱交換部45は、後述する第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分内の第1冷媒と、後述する第6サブ配管71f内の第1冷媒との熱交換を行うものであって、後述する第1冷却対象側配管63a内の第1冷媒を冷却可能な第5熱交換手段である。この第5熱交換部45は、例えば公知の熱交換器等を用いて構成されており、
図1に示すように、第2熱交換部42と第3熱交換部43との相互間に設置されている。このような第5熱交換部45により、後述する第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分内の第1冷媒を冷却(過冷却)することができ、第5熱交換部45を設けない場合に比べて、第2冷媒の冷却を促進しながら、冷却システム1の冷却効率を向上させることができる。
【0052】
第6熱交換部46は、後述する第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分内の第1冷媒と、後述する第2冷却対象側配管63bにおける第2熱交換部42よりも下流側部分内の第1冷媒との熱交換を行うものであって、後述する第2冷却対象側配管63b内の第1冷媒を加熱可能な冷媒熱交換手段である。この第6熱交換部46は、例えば公知の熱交換器等を用いて構成されており、
図1に示すように、貯留部30と第1熱交換部41(又は第2熱交換部42)との間に設置されている。このような第6熱交換部46により、後述する第2冷却対象側配管63bのうち第2熱交換部42よりも下流側部分内の第1冷媒の温度を高めることができ、圧縮部20に乾燥した第1冷媒を流入させることが可能となる。
【0053】
(構成−第1冷却システム−第1除去部)
第1除去部47は、後述する第1循環流路61内の第1冷媒に含まれる異物(例えば、塵、埃等)又は水分等を除去するための第1除去手段である。この第1除去部47は、例えば公知の冷媒用除去器(一例として、フィルタドライヤ)等を用いて構成されており、
図1に示すように、第3熱交換部43と第5熱交換部45との間に設けられている。
【0054】
(構成−第1冷却システム−第2除去部)
第2除去部48は、後述する第1循環流路61内の第1冷媒に含まれる異物(例えば、油等)を除去するための第2除去手段である。この第2除去部48は、例えば公知の油分離器等を用いて構成されており、
図1に示すように、圧縮部20と貯留部30との間に設けられている。
【0055】
(構成−第1冷却システム−循環部)
循環部50は、第1冷媒を循環させるための循環手段であり、
図1に示すように、第1循環部60及び第2循環部80を備えている。
【0056】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部)
第1循環部60は、第1冷媒を第2冷却システム100に向けて循環させるためのものであり、
図1に示すように、第1循環流路61、第1サブ配管71a〜第6サブ配管71f、第1開閉弁72a〜第8開閉弁72h、温度検出部73、第1圧力検出部74a〜第3圧力検出部74c、及び第1排出弁75a、第2排出弁75bを備えている。
【0057】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−第1循環流路)
第1循環流路61は、圧縮部20によって圧縮された第1冷媒と第2冷媒との熱交換が可能となるように第1冷媒を循環させるための循環流路である。この第1循環流路61は、例えば公知の密閉式循環流路を用いて構成されており、
図1に示すように、圧縮部20、第2除去部48、貯留部30、第1熱交換部41〜第6熱交換部46、及び第1除去部47を経由するように設置されている。また、
図1に示すように、この第1循環流路61は、圧縮部側配管62及び冷却対象側配管63を備えている。
【0058】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−第1循環流路−圧縮部側配管)
圧縮部側配管62は、第1循環流路61を構成する配管のうち圧縮部20側に位置する配管である。この圧縮部側配管62は、例えば公知の冷媒用配管等を用いて構成されており(なお、他の配管の構成についても同様とする)、
図1に示すように、流出口側配管62a、流入口側配管62b、及び補助配管62cを備えている。
【0059】
流出口側配管62aは、圧縮部20の第1流出口22側に位置する配管であり、圧縮部20の第1流出口22と冷却対象側配管63の上流側端部に接続されており、具体的には、
図1に示すように、流出口側配管62a全体が貯留部30の外部に位置するように接続されている。
【0060】
流入口側配管62bは、圧縮部20の第1流入口23側に位置する配管であり、
図1に示すように、圧縮部20の第1流入口23と冷却対象側配管63の下流側端部とに接続されている。
【0061】
補助配管62cは、圧縮部20の第3流入口26側に位置する配管であり、
図1に示すように、圧縮部20の第3流入口26と第2除去部48とに接続されている。また、補助配管62cには、補助配管62c内の油を圧縮部本体21に流入させるか否かを切り替えるための補助弁62d(例えば、電磁弁の如き公知の開閉弁)が設けられている。
【0062】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−第1循環流路−冷却対象側配管)
冷却対象側配管63は、第1循環流路61を構成する配管のうち第2冷却システム100側(冷却対象側)に位置する配管であり、
図1に示すように、第1冷却対象側配管63a及び第2冷却対象側配管63bを備えている。
【0063】
第1冷却対象側配管63aは、第1熱交換部41側に位置する配管であり、流出口側配管62aの下流側端部と流入口側配管62bの上流側端部とに接続されており、具体的には、
図1に示すように、第6熱交換部46、第3熱交換部43、第1除去部47、第5熱交換部45、第1熱交換部41、及び第6熱交換部46を順に経由するように接続されている。
【0064】
第2冷却対象側配管63bは、第2熱交換部42側に位置する配管であり、流出口側配管62aの下流側端部と流入口側配管62bの上流側端部とに接続されており、具体的には、
図1に示すように、第2熱交換部42及び第6熱交換部46を順に経由するように接続されている。なお、実施の形態では、
図1に示すように、第2冷却対象側配管63bの下流側部分(具体的には、第2冷却対象側配管63bの下流側端部から第6熱交換部46よりも上流側に至る部分)は、第1冷却対象側配管63aの下流側部分を兼ねるものとして第1冷却対象側配管63aの下流側部分と一体形成されている。
【0065】
また、第1循環流路61内の第1冷媒の流れについては、以下の通りとなる。
【0066】
すなわち、まず、圧縮部20にて圧縮された第1冷媒の一部は、流出口側配管62aを介して第1冷却対象側配管63aに流出される。次に、第1冷却対象側配管63aに流出された第1冷媒は、第3熱交換部43及び第5熱交換部45によって冷却された後に第1熱交換部41によって第2冷媒との熱交換が行われる(具体的には、第2冷媒を冷却する熱交換が行われる)。続いて、第2冷媒との熱交換が行われた第1冷媒は、第6熱交換部46によって加熱された後に第1冷却対象側配管63a及び流入口側配管62bを介して圧縮部20に流入される。また、圧縮部20にて圧縮された第1冷媒の他の一部は、流出口側配管62aを介して第2冷却対象側配管63bに流出される。次に、第2冷却対象側配管63bに流出された第1冷媒は、第2熱交換部42によって第2冷媒との熱交換が行われる(具体的には、第2冷媒を加熱する熱交換が行われる)。続いて、第2冷媒との熱交換が行われた第1冷媒は、第6熱交換部46によって加熱された後に第2冷却対象側配管63b及び流入口側配管62bを介して圧縮部20に流入される。
【0067】
このような第1循環流路61により、第1循環流路61内の第1冷媒と後述する送出流路131内の第2冷媒との熱交換が可能となるように当該第1冷媒を循環させることができる。
【0068】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−第1サブ配管〜第6サブ配管)
第1サブ配管71aは、当該第1サブ配管71aを介して流出口側配管62a内の第1冷媒を貯留部30に流入させるための第1配管である。この第1サブ配管71aは、流出口側配管62aに接続されており、具体的には、
図1に示すように、第1サブ配管71aの上流側端部が流出口側配管62aにおける貯留部30よりも上流側部分と接続されていると共に、第1サブ配管71aの下流側端部が貯留部30の内部に収容されている。このような第1サブ配管71aにより、流出口側配管62a内の第1冷媒を貯留部30に流入させることができ、第1循環流路61内の圧力が過大になることを防止できる。特に、第1サブ配管71aが流出口側配管62aと接続されているので、第1サブ配管71aが流入口側配管62bと接続されている場合に比べて第1循環流路61内の圧力が過大になることを効果的に防止できる。また、貯留部30に流入した第1冷媒の熱によって貯留部30内の温度を第1冷媒の臨界温度以上(例えば、31℃以上等)に維持しやすくなることから、貯留部30内で第1冷媒が凝縮することで第1循環流路61内の冷媒量が低下することを抑制できる。
【0069】
第2サブ配管71bは、当該第2サブ配管71bを介して貯留部30内の第1冷媒を流入口側配管62bに流入させるための第2配管である。この第2サブ配管71bは、流入口側配管62bに接続されており、具体的には、
図1に示すように、第2サブ配管71bの上流側端部が流入口側配管62bにおける圧縮部20よりも上流側部分と接続されていると共に、第2サブ配管71bの下流側端部が貯留部30の内部に収容されている。なお、実施の形態では、
図1に示すように、第2サブ配管71bの貯留部30側の部分は、第1サブ配管71aの貯留部30側の部分を兼ねるものとして第1サブ配管71aの貯留部30側の部分と一体形成されている。ただし、これに限らず、例えば、第1サブ配管71aの貯留部30側の部分とは別体に形成されてもよい。このような第2サブ配管71bにより、貯留部30内の第1冷媒(余剰の第1冷媒)を流入口側配管62bに流入させることができ、当該流入した第1冷媒の熱によって流入口側配管62b内の温度を高めることができることから、圧縮部20に飽和蒸気が流入することで圧縮部20の機能低下又は故障が生じることを抑制できる。
【0070】
第3サブ配管71cは、流出口側配管62aの熱よりも低い当該第3サブ配管71cの熱(具体的には、第3サブ配管71c内の第1冷媒によって冷やされた第3サブ配管71cの冷熱)を貯留部30内の第1冷媒に伝達するための第3配管であり、流入口側配管62b(具体的には、流入口側配管62bにおける圧縮部20側の部分)に接続されている。
【0071】
また、この第3サブ配管71cの形成方法については任意であるが、実施の形態では、第3サブ配管71cの熱を貯留部30内の第1冷媒に伝達可能となるように形成されており、具体的には、
図1に示すように、第3サブ配管71cの一部分が貯留部30に収容されるように、第3サブ配管71cの一部分を略U字状に折り曲げることにより形成している。ただし、これに限らず、例えば、貯留部30の外部において第3配管の一部分が貯留部30に巻き付けられるように、第3配管の一部分をコイル状に折り曲げることにより形成してもよい。
【0072】
第4サブ配管71dは、第3サブ配管71cの熱よりも高い当該第4サブ配管71dの熱(具体的には、第4サブ配管71d内の第1冷媒によって熱せられた第3サブ配管71cの温熱)を貯留部30内の第1冷媒に伝達するための第4配管であり、流出口側配管62a(具体的には、流出口側配管62aにおける第2除去部48よりも下流側部分)に接続されている。
【0073】
また、この第4サブ配管71dの形成方法については任意であるが、実施の形態では、第4サブ配管71dの熱を貯留部30内の第1冷媒に伝達可能となるように形成されており、具体的には、
図1に示すように、第4サブ配管71dの一部分が貯留部30に収容されるように、第4サブ配管71dの一部分を略U字状に折り曲げることにより形成している。ただし、これに限らず、例えば、貯留部30の外部において第4サブ配管71dの一部分が貯留部30に巻き付けられるように、第4サブ配管71dの一部分がコイル状に折り曲げることにより形成してもよい。
【0074】
第5サブ配管71eは、第1冷却対象側配管63a内の第1冷媒を流入口側配管62bに流入させるための第5配管であり、第1冷却対象側配管63aと流入口側配管62bに接続されており、具体的には、
図1に示すように、第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分と、流入口側配管62bの上流側端部とに接続されている。このような第5サブ配管71eにより、第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分内の第1冷媒を流入口側配管62bに流入させることができ、当該流入した第1冷媒の熱を用いて第1循環流路61内の第1冷媒の温度調整を行うことが可能となる。
【0075】
第6サブ配管71fは、第5熱交換部45側に位置する第6配管であり、第6熱交換部46を経由するように、第4サブ配管71d、第1冷却対象側配管63a、及び第3サブ配管71cと接続されている。具体的には、
図1に示すように、第6サブ配管71fの上流側端部が第4サブ配管71dにおける貯留部30よりも上流側部分と接続され、第6サブ配管71fの下流側端部が第3サブ配管71cの上流側端部と接続されている。このような第6サブ配管71fにより、第6サブ配管71f内の第1冷媒と第1冷却対象側配管63a内の第1冷媒との熱交換を行うことが可能となる。
【0076】
ここで、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、以下の通りに構成されている。
【0077】
すなわち、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの各々の一部分が他の部分よりも上方に位置するように、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bが形成されることにより、貯留部30内の第1冷媒が第1サブ配管71a又は第2サブ配管71bを介して流出口側配管62a又は流入口側配管62bに逆流することを回避可能としている。具体的には、
図2に示すように、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの各々における貯留部30に収納されている部分及びその近傍部分がその他の部分よりも上方に位置するように(より具体的には、当該貯留部30に収納されている部分の先端部が貯留部30の上端付近に位置し、且つ第3サブ配管71c及び第4サブ配管71dよりも上方に位置するように)、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bを折り曲げることにより形成されている。これにより、貯留部30を冷却した際に、貯留部30内の第1冷媒の密度が第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの第1冷媒の密度よりはるかに大きくなることで、重力によって貯留部30内の第1冷媒が第1サブ配管71a又は第2サブ配管71bを介して流出口側配管62a又は流入口側配管62bに逆流することを回避でき、第1循環流路61内の第1冷媒の量を正確に管理できる。
【0078】
また、
図2に示すように、第1サブ配管71aには、流入防止部76が設けられている。この流入防止部は、第1サブ配管71aを介して貯留部30内に異物(例えば、油等)が流入することを防止するための流入防止手段であり、第1サブ配管71aの側部に形成された貫通孔として構成されており、第1サブ配管71aにおける貯留部30に収納されている部分(具体的には、当該部分の下端部分)に設けられている。これにより、第1サブ配管71aを介して貯留部30内に第1冷媒を流入する際に、流入防止部76を介して異物を第1サブ配管71aの外部に放出できる。よって、第1サブ配管71aを介して貯留部30内に異物が流入することを防止でき、貯留部30内の第1冷媒が異物によって汚染されることを回避できる。
【0079】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−第1開閉弁〜第8開閉弁)
図1に戻り、第1開閉弁72aは、流出口側配管62a内の第1冷媒が貯留部30に流入させるか否かを切り替え可能な弁である。この第1開閉弁72aは、例えば公知の開閉弁(一例として、電磁弁)等を用いて構成され(なお、他の開閉弁の構成についても同様とする)、第1サブ配管71aに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第1サブ配管71aの圧縮部20側の部分に接続されている。
【0080】
第2開閉弁72bは、貯留部30内の第1冷媒を流入口側配管62bに流入させるか否かを切り替え可能な弁であり、第2サブ配管71bに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第2サブ配管71bの圧縮部20側の部分に接続されている。
【0081】
第3開閉弁72cは、第3サブ配管71cにおける貯留部30よりも上流側部分内の第1冷媒を第3サブ配管71cにおける貯留部30側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な弁であり、第3サブ配管71cに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第3サブ配管71cにおける上流側端部と貯留部30との間の部分に接続されている。
【0082】
第4開閉弁72dは、第4サブ配管71dにおける貯留部30よりも上流側部分内の第1冷媒を第4サブ配管71dにおける貯留部30側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な弁であり、第4サブ配管71dに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第4サブ配管71dにおける上流側端部と貯留部30との間の部分に接続されている。
【0083】
第5開閉弁72eは、冷却対象側配管63内の第1冷媒が流入口側配管62bに流入する量を調整可能な弁であり、第5サブ配管71eに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第5サブ配管71eの上流側部分に接続されている。
【0084】
第6開閉弁72fは、第1冷却対象側配管63a内の第1冷媒が第1熱交換部41に流入する量を調整可能な弁であり、第1冷却対象側配管63aに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41と第5熱交換部45との間の部分に接続されている。
【0085】
第7開閉弁72gは、第2熱交換部42によって熱交換された第1冷媒が流入口側配管62bに流入する量を調整可能な弁であり、第2冷却対象側配管63bに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第2冷却対象側配管63bにおける第1熱交換部41よりも下流側部分に接続されている。
【0086】
第8開閉弁72hは、第6サブ配管71fにおける第5熱交換部45よりも上流側部分内の第1冷媒が第6サブ配管71fにおける第5熱交換部45よりも下流側部分に流入する量を調整可能な弁であり、第6サブ配管71fに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第6サブ配管71fの上流側部分に接続されている。
【0087】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−温度検出部)
温度検出部73は、流出口側配管62a内の温度を検出するための検出手段である。この温度検出部73は、例えば公知の温度検出センサ等を用いて構成され(なお、他の温度検出部の構成についても同様とする)、流出口側配管62aに設けられており、具体的には、
図1に示すように、流出口側配管62aにおける圧縮部20の近傍部分に接続されている。
【0088】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−第1圧力検出部〜第3圧力検出部)
第1圧力検出部74aは、流出口側配管62a内の圧力を検出するためのものである。この第1圧力検出部74aは、例えば公知の圧力センサ又は圧力スイッチ等を用いて構成され、流出口側配管62aに複数設けられており(
図1では、2つ設けられている)、具体的には、
図1に示すように、流出口側配管62aにおける圧縮部20の近傍部分に接続されている。
【0089】
第2圧力検出部74bは、流入口側配管62b内の圧力を検出するためのものである。この第2圧力検出部74bは、例えば公知の圧力センサ等を用いて構成され(なお、第3圧力検出部74c、後述する圧力検出部82、及び後述する送出圧力検出部136についても同様とする)、流入口側配管62bに設けられており、具体的には、
図1に示すように、流入口側配管62bにおける圧縮部20の近傍部分に接続されている。
【0090】
第3圧力検出部74cは、冷却対象側配管63内の圧力を検出するためのものであり、第1冷却対象側配管63aに設けられており、具体的には、
図1に示すように、第1冷却対象側配管63aにおける第5熱交換部45と第6開閉弁72fとの間の部分に接続されている。
【0091】
(構成−第1冷却システム−循環部−第1循環部−第1排出弁、第2排出弁)
第1排出弁75aは、流出口側配管62a内の第1冷媒を図示しない第1排出部に排出させるか否かを切り替え可能な弁であり、
図1に示すように、流出口側配管62aに設けられている。
【0092】
第2排出弁75bは、流入口側配管62b内の第1冷媒を図示しない第2排出部に排出させるか否かを切り替え可能な弁であり、
図1に示すように、流入口側配管62bに設けられている。
【0093】
(構成−第1冷却システム−循環部−第2循環部)
第2循環部80は、第1冷媒を第2冷却システム100に向けて循環させるためのものであり、
図1に示すように、第2循環流路81及び圧力検出部82を備えている。
【0094】
(構成−第1冷却システム−循環部−第2循環部−第2循環流路)
第2循環流路81は、圧縮部20によって圧縮された第1冷媒と第3冷媒との熱交換が可能となるように第1冷媒を循環させるための流路である。この第2循環流路81は、例えば配管からなる公知の密閉式循環流路を用いて構成されており、
図1に示すように、第4熱交換部44を経由するように設置されている。このような第2循環流路81により、第2循環流路81内の第1冷媒と後述する第1送出流路201内の第3冷媒との熱交換が可能となるように当該第1冷媒を循環させることができる。
【0095】
(構成−第1冷却システム−循環部−第2循環部−圧力検出部)
圧力検出部82は、第2循環流路81内の圧力を検出するためのものであり、第2循環流路81に設けられており、具体的には、
図1に示すように、第2循環流路81における下流側部分に接続されている。
【0096】
(構成−第2冷却システム)
第2冷却システム100は、第2冷媒を第1冷媒と熱交換させるためのシステムであり、
図1に示すように、エアベント部110、貯留部120、及び送出部130を備えている。
【0097】
(構成−第2冷却システム−エアベント部)
エアベント部110は、後述する送出流路131内に溜まった空気を排気するためのものであり、例えば公知のエアベント器(一例として、エアベントタンク)等を用いて構成されており、
図1に示すように、第2熱交換部42の近傍に設置されている。
【0098】
(構成−第2冷却システム−貯留部)
貯留部120は、第2冷媒を貯めるものであり、例えば公知の冷媒用貯留手段(一例として、補助タンク121付きのリザーバタンク(又は、補助タンク121なしのリザーバタンク))等を用いて構成されており、
図1に示すように、送出流路131の近傍に設置されている。
【0099】
(構成−第2冷却システム−送出部)
送出部130は、第2冷媒を第1冷却システム10に向けて送出させるための送出手段であり、
図1に示すように、送出流路131、第1サブ送出配管132a〜第5サブ送出配管132e、第1送出開閉弁133a〜第5送出開閉弁133e、ポンプ部134、第1送出温度検出部135a〜第3送出温度検出部135c、送出圧力検出部136、流量検出部137、及びレベル検出部138を備えている。
【0100】
(構成−第2冷却システム−送出部−送出流路)
送出流路131は、第2冷媒を第1冷却システム10に向けて送出させるための流路である。この送出流路131は、例えば配管からなる公知の流路を用いて構成されており(なお、他の送出流路の構成についても同様とする)、
図1に示すように、第2冷媒を外部から送出流路131に流入させる第1流入部(図示省略)と、第1熱交換部41と、第2熱交換部42と、エアベント部110と、第2冷媒を送出流路131から外部に流出させる第1流出部(図示省略)とを経由するように設置されている。具体的には、送出流路131の上流側端部が第1流入部に接続されていると共に、送出流路131の下流側端部が第1流出部に接続されている。このような送出流路131により、送出流路131内の第2冷媒と第1循環流路61内の第1冷媒との熱交換が可能となるように当該第2冷媒を送出させることができる。
【0101】
(構成−第2冷却システム−送出部−第1サブ送出配管〜第5サブ送出配管)
第1サブ送出配管132aは、当該第1サブ送出配管132aを介してエアベント部110内の第2冷媒を貯留部120に流入させるための配管であり、
図1に示すように、第1サブ送出配管132aの上流側端部がエアベント部110と接続されていると共に、第1サブ送出配管132aの下流側端部が貯留部120に接続されている。
【0102】
第2サブ送出配管132bは、当該第2サブ送出配管132bを介して貯留部120内の第2冷媒をエアベント部110に流入させるための配管であり、
図1に示すように、第2サブ送出配管132bの上流側端部が貯留部120と接続されていると共に、第2サブ送出配管132bの下流側端部がエアベント部110に接続されている。
【0103】
第3サブ送出配管132cは、当該第3サブ送出配管132cを介して送出流路131の上流側部分内の第2冷媒を送出流路131の下流側部分に流入させるための配管であり、
図1に示すように、第3サブ送出配管132cの上流側端部が送出流路131の上流側部分と接続されていると共に、第3サブ送出配管132cの下流側端部が送出流路131の下流側部分に接続されている。
【0104】
第4サブ送出配管132dは、当該第4サブ送出配管132dを介して送出流路131内の第2冷媒を図示しない第3排出部に排出させるための配管であり、
図1に示すように、第4サブ送出配管132dの上流側端部が送出流路131の第1熱交換部41側の部分と接続されていると共に、第4サブ送出配管132dの下流側端部が第3排出部に接続されている。
【0105】
第5サブ送出配管132eは、当該第5サブ送出配管132eを介してエアベント部110内の第2冷媒を図示しない第4排出部に排出させるための配管であり、
図1に示すように、第5サブ送出配管132eの上流側端部が送出流路131の下流側部分と接続されていると共に、第4サブ送出配管132dの下流側端部が第4排出部に接続されている。
【0106】
(構成−第2冷却システム−送出部−第1送出開閉弁〜第5送出開閉弁)
第1送出開閉弁133aは、第2冷媒を第1流入部から送出流路131に流入させるか否かを切り替え可能な弁である。この第1送出開閉弁133aは、例えば公知の開閉弁(一例として、ゲートバルブ)等を用いて構成され(なお、第2送出開閉弁133bの構成についても同様とする)、
図1に示すように、送出流路131の上流側端部に設けられている。
【0107】
第2送出開閉弁133bは、第2冷媒を送出流路131から第1流出部に流出させるか否かを切り替え可能な弁であり、
図1に示すように、送出流路131の下流側端部に設けられている。
【0108】
第3送出開閉弁133cは、第3サブ送出配管132c内の第2冷媒を送出流路131の下流側部分に流入させるか否かを切り替え可能な弁である。この第3送出開閉弁133cは、例えば公知の開閉弁(一例として、ボールバルブ)等を用いて構成され(なお、第4送出開閉弁133dの構成についても同様とする)、
図1に示すように、第3サブ送出配管132cに設けられている。
【0109】
第4送出開閉弁133dは、第4サブ送出配管132d内の第2冷媒を第3排出部に排出させるか否かを切り替え可能な弁であり、
図1に示すように、第4サブ送出配管132dに設けられている。
【0110】
第5送出開閉弁133eは、第5サブ送出配管132e内の第2冷媒を第4排出部に排出させるか否かを切り替え可能な弁であり、
図1に示すように、第5サブ送出配管132eに設けられている。
【0111】
(構成−第2冷却システム−送出部−ポンプ部)
ポンプ部134は、送出流路131内の第2冷媒を第1流入部から第1流出部に向けて送出するためのものであり、例えば公知のポンプ等を用いて構成されており、
図1に示すように、送出流路131の下流側部分に設けられている。
【0112】
(構成−第2冷却システム−送出部−第1送出温度検出部〜第3送出温度検出部)
第1送出温度検出部135aは、送出流路131内の温度を検出するためのものであり、
図1に示すように、送出流路131の上流側部分に設けられている。
【0113】
第2送出温度検出部135bは、送出流路131内の温度を検出するためのものであり、
図1に示すように、送出流路131の第1熱交換部41側の部分に設けられている。
【0114】
第3送出温度検出部135cは、送出流路131内の温度を検出するためのものであり、
図1に示すように、送出流路131の下流側部分に設けられている。
【0115】
(構成−第2冷却システム−送出部−送出圧力検出部)
送出圧力検出部136は、送出流路131内の圧力を検出するためのものであり、
図1に示すように、送出流路131の下流側部分に設けられている。
【0116】
(構成−第2冷却システム−送出部−流量検出部)
流量検出部137は、送出流路131内の第2冷媒の流量を検出するためのものであり、例えば公知の流量検出センサ等を用いて構成され、
図1に示すように、送出流路131の下流側部分に設けられている。
【0117】
(構成−第2冷却システム−送出部−レベル検出部)
レベル検出部138は、貯留部120の液面の高さを検出するためのものであり、例えば公知のレベル検出センサ等を用いて構成され、
図1に示すように、第1サブ送出配管132aに設けられている。
【0118】
(構成−第3冷却システム)
第3冷却システム200は、第3冷媒を第1冷媒と熱交換させるためのシステムであり、
図1に示すように、第1送出流路201、第2送出流路202、第6送出開閉弁203〜第8送出開閉弁205、送出温度検出部206、及び除去部207を備えている。
【0119】
(構成−第3冷却システム−送出流路)
第1送出流路201は、第3冷媒を第1冷却システム10に向けて送出させるための流路であり、
図1に示すように、第3冷媒を外部から第1送出流路201に流入させる第2流入部(図示省略)と、第3熱交換部43と、第1送出流路201から外部に流出させる第2流出部(図示省略)とを経由するように設置されている。具体的には、第1送出流路201の上流側端部が第2流入部に接続されていると共に、第1送出流路201の下流側端部が第2流出部に接続されている。このような第1送出流路201により、第1送出流路201内の第3冷媒と第1循環流路61内の第1冷媒との熱交換が可能となるように当該第3冷媒を送出させることができる。
【0120】
第2送出流路202は、第3冷媒を第1冷却システム10に向けて送出させるための流路であり、
図1に示すように、第4熱交換部44を経由するように設置されている。具体的には、第2送出流路202の上流側端部が第1送出流路201の上流側部分に接続されていると共に、第2送出流路202の下流側端部が第1送出流路201の下流側部分に接続されている。このような第2送出流路202により、第2送出流路202内の第3冷媒と第2循環流路81内の第1冷媒との熱交換が可能となるように当該第3冷媒を送出させることができる。
【0121】
(構成−第3冷却システム−第6送出開閉弁〜第8送出開閉弁)
第6送出開閉弁203は、第1送出流路201内の第3冷媒を第2流出部に流出させるか否かを切り替え可能な弁である。この第6送出開閉弁203は、例えば公知の開閉弁(一例として、水制御バルブ)等を用いて構成され、
図1に示すように、第1送出流路201の下流側部分に設けられている。
【0122】
第7送出開閉弁204は、第2送出流路202内の第3冷媒を第2流出部に流出させるか否かを切り替え可能な弁である。この第7送出開閉弁204は、例えば公知の開閉弁(一例として、電磁弁)等を用いて構成され、
図1に示すように、第2送出流路202の下流側部分に設けられている。
【0123】
第8送出開閉弁205は、第1送出流路201内の第3冷媒を調整するための弁である。この第8送出開閉弁205は、例えば公知の開閉弁(一例として、定流量制御バルブ)等を用いて構成され、
図1に示すように、第2送出流路202の上流側部分に設けられている。
【0124】
(構成−第3冷却システム−送出温度検出部)
送出温度検出部206は、第1送出流路201内の温度を検出するためのものであり、
図1に示すように、第1送出流路201の上流側部分に設けられている。
【0125】
(構成−第3冷却システム−除去部)
除去部207は、第1送出流路201内の第3冷媒に含まれる異物を除去するための除去手段である。この除去部207は、例えば公知のろ過装置等を用いて構成されており、
図1に示すように、第1送出流路201の上流側部分に設けられている。
【0126】
(構成−制御装置)
図3は、制御装置300の電気的構成を示したブロック図である。制御装置300は、冷却システム1の各部を制御する装置であり、第1冷却システム10の近傍に設けられ、
図3に示すように、操作部310、通信部320、出力部330、電源部340、制御部350、及び記憶部360を備えている。なお、実施の形態では、制御装置300は、第1冷却システム10、第2冷却システム100、及び第3冷却システム200の各々の電気的各部(例えば、各種の開閉弁、各種の検出部等)と図示しない配線を介して電気的に接続されているものとして説明する。
【0127】
(構成−制御装置−操作部)
操作部310は、各種の情報に関する操作入力を受け付けるための操作手段である。この操作部310は、例えば、タッチパネル、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいはハードスイッチ等、公知の操作手段を用いて構成されている。
【0128】
(構成−制御装置−通信部)
通信部320は、第1冷却システム10、第2冷却システム100、及び第3冷却システム200の各々の電気的各部、又は管理サーバ等の外部装置との間で通信するための通信手段であり、例えば、公知の通信手段等を用いて構成されている。
【0129】
(構成−制御装置−出力部)
出力部330は、制御部350の制御に基づいて各種の情報を出力する出力手段であり、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等の公知の表示手段やスピーカー等の公知の音声出力手段等を用いて構成されている。
【0130】
(構成−制御装置−電源部)
電源部340は、商用電源(図示省略)から供給された電力又は当該電源部340に蓄電された電力を、制御装置300の各部に供給する電力供給手段である。
【0131】
(構成−制御装置−制御部)
制御部350は、制御装置300の各部を制御する制御手段である。この制御部350は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0132】
また、この制御部350は、
図3に示すように、機能概念的に、開閉制御部351及び圧縮制御部352を備えている。
【0133】
開閉制御部351は、所定方法で設定された第2冷媒の設定温度に基づいて、第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、及び第3開閉弁72cの開閉制御を行う開閉制御手段である。
【0134】
圧縮制御部352は、温度検出部73の検出結果と、所定方法で取得された第2冷媒の温度とに基づいて、圧縮部20の制御を行う圧縮制御手段である。なお、この制御部350によって実行される処理の詳細については後述する。
【0135】
(構成−制御装置−記憶部)
記憶部360は、制御装置300の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はFlash Rom、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0136】
以上のような冷却システム1により、第1冷媒を用いて第2冷媒の冷却を効果的に行うことが可能となる。また、第3サブ配管71cの熱(冷熱)を用いて貯留部30内の第1冷媒を冷却できる。よって、貯留部30において第1冷媒を高密度(具体的には、高圧高密度)に貯留でき、貯留部30の貯留量を高めながら貯留部30のコンパクト化を図ることが可能となる。さらに、第4サブ配管71dの熱(温熱)を用いて貯留部30内の第1冷媒を加熱できる。よって、貯留部30において第1冷媒を低密度(具体的には、低圧低密度)に貯留でき、貯留部30において状況に応じた第1冷媒の貯留を行うことが可能となる。なお、上述した「貯留部30」、「第1サブ配管71a」、「第2サブ配管71b」、「第3サブ配管71c」、「第4サブ配管71d」、「第1開閉弁72a」、「第2開閉弁72b」、「第3開閉弁72c」、「第4開閉弁72d」、及び「開閉制御部351」は、特許請求の範囲における「冷媒制御システム」に対応する。
【0137】
(制御処理)
次に、このように構成された冷却システム1によって実行される制御処理について説明する。
図4は、実施の形態に係る制御処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
図5は、第1開閉弁72a〜第4開閉弁72dの開閉に伴う第1冷媒の流れを示す図であり、(a)は第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放し、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを閉鎖した状態を示す図、(b)は第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖し、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを開放した状態を示す図である。
【0138】
制御処理は、冷却システム1を制御するための処理である。この制御処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態では、冷却システム1の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。
【0139】
また、この制御処理の前提については、実施の形態では、以下の通りとなる。すなわち、圧縮部20内には、所望量の第1冷媒が収容されているものとする。また、冷却システム1の各種の開閉弁の開閉状態については、第1開閉弁72a、第3開閉弁72c、第3送出開閉弁133c、第4送出開閉弁133d、第5送出開閉弁133eは閉鎖状態であるものの、これら以外の開閉弁は開放状態であるものとする。これにより、第1冷媒は第1循環流路61及び第2循環流路81を循環できるものとし、第2冷媒は送出流路131を流れているものとし、第3冷媒は第1送出流路201及び第2送出流路202を流れているものとする。
【0140】
制御処理が起動されると、
図4に示すように、SA1において制御装置300の制御部350は、第1冷媒の設定温度(例えば、+70℃〜+90℃程度等。以下、「第1設定温度」と称する。)を設定する。この第1設定温度の設定方法については任意であるが、実施の形態では、操作部310を介して入力された設定温度を示す情報を、設定すべき第1設定温度として設定する。ただし、これに限らず、例えば、あらかじめ記憶部360に記憶された設定温度を示す情報、又は通信部320を介して外部装置から受信した設定温度を示す情報を、設定すべき第1設定温度として設定してもよい(なお、後述するSA2の第2設定温度の設定方法についても同様とする)。
【0141】
SA2において制御装置300の制御部350は、第2冷媒の設定温度(例えば、−20℃〜+80℃程度等。以下、「第2設定温度」と称する)を設定する。
【0142】
SA3において制御装置300の圧縮制御部352は、圧縮部20の制御を行う(具体的には、上述した圧縮部20の動作サイクルを繰り返す制御を行う)。なお、実施の形態では、SA3の処理は、制御処理が終了するまで継続して行われるものとする。
【0143】
ここで、圧縮部20の制御の処理内容については任意であるが、実施の形態では、SA3処理時の温度検出部73の検出結果と、SA3処理時の第1送出温度検出部135a〜第3送出温度検出部135cからの少なくともいずれか1つの検出結果とに基づいて、圧縮部20(具体的には、圧縮部20の運転周波数)の制御を行う。
【0144】
例えば、第1送出温度検出部135a(あるいは、第2送出温度検出部135b又は第3送出温度検出部135c)から取得した第2冷媒の温度がSA2にて設定された第2設定温度を上回る場合には、温度検出部73から取得した第1冷媒の温度が下がるように圧縮部20の運転周波数を大きくすることで、圧縮部20から流出される第1冷媒の流量を増加させる。
【0145】
また、第1送出温度検出部135a(あるいは、第2送出温度検出部135b又は第3送出温度検出部135c)から取得した第2冷媒の温度がSA2にて設定された第2設定温度を下回る場合には、温度検出部73から取得した第1冷媒の温度が上がるように圧縮部20の運転周波数を小さくすることで、圧縮部20から流出される第1冷媒の流量を減少させる。
【0146】
このような処理により、第1冷媒の温度及び第2冷媒の温度に基づいて圧縮部20の制御を行うことができ、圧縮部20の制御を効率的に行うことが可能となる。
【0147】
SA4において制御装置300の開閉制御部351は、SA2にて設定された第2設定温度に基づいて、第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御を行う。
【0148】
ここで、第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御の処理内容については任意であるが、実施の形態では、以下の通りに制御する。
【0149】
すなわち、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度(例えば、記憶部360にあらかじめ記憶された第1冷媒の臨界温度)を上回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを閉鎖させる。これに伴って、
図5(a)に示すように、流出口側配管62a内の第1冷媒が貯留部30に流入されると共に、第3サブ配管71cの熱(冷熱)が貯留部30内の第1冷媒に伝達される。
【0150】
また、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を下回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを開放させる。これに伴って、
図5(b)に示すように、貯留部30内の第1冷媒が流入口側配管62bに流入されると共に、第4サブ配管71dの熱(温熱)が貯留部30内の第1冷媒に伝達される。
【0151】
このように、第2設定温度に基づいた第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御により、貯留部30内において第1冷媒の冷却及び加熱を効果的に行うことができ、冷却システム1(具体的には、冷媒制御システム)の使用性を高めることが可能となる。特に、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を上回る場合には、流出口側配管62aからの第1冷媒を貯留部30に流入させると共に、第3サブ配管71cの熱によって貯留部30内の第1冷媒を冷却でき、第1循環流路61内の圧力が過大になることや第2設定温度が高い場合での過剰な冷却能力の上昇を抑制しながら、貯留部30内の第1冷媒の高密度化を図ることができる。また、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を下回る場合には、貯留部30内の第1冷媒を流入口側配管62bに流入させると共に、第4サブ配管71dの熱によって貯留部30内の第1冷媒を加熱でき、第1循環流路61の冷媒量を増やしながら、貯留部30内の第1冷媒の低密度化を図ることができる。また、第1冷媒が二酸化炭素であるので、フロンガスに比べて膨張しやすくても、第1循環流路61の圧力が過大になることを回避できる。また、第2冷媒が、半導体製造システムの冷却用冷媒であるので、第2冷媒の温度レンジが比較的広くても、第1循環流路61の圧力が過大になることを回避できると共に、貯留部30内で第1冷媒が凝縮することで第1循環流路61内の第1冷媒の流量が低下することを抑制できる。
【0152】
図4に戻り、SA5において制御装置300の開閉制御部351は、第8開閉弁72hの開閉制御を行う。なお、実施の形態では、SA5の処理は、制御処理が終了するまで継続して行われるものとする。
【0153】
ここで、第8開閉弁72hの開閉制御の処理内容については任意であるが、実施の形態では、第2設定温度に基づいて制御する。
【0154】
例えば、第2設定温度が記憶部360にあらかじめ記憶された閾値を下回る場合には第8開閉弁72hを所定の開度まで開放させる。これに伴って、第6サブ配管71fにおける第5熱交換部45よりも上流側部分内の第1冷媒が第6サブ配管71fにおける第5熱交換部45よりも下流側部分に流入されるので、第5熱交換部45による第1冷媒の熱交換が行われる。
【0155】
また、第2設定温度が閾値を上回る場合には第8開閉弁72hを閉鎖させる。これに伴って、第6サブ配管71fにおける第5熱交換部45よりも上流側部分内の第1冷媒が第6サブ配管71fにおける第5熱交換部45よりも下流側部分に流入されないので、第5熱交換部45による第1冷媒の熱交換は行われない。
【0156】
このような処理により、第2設定温度に基づいて第8開閉弁72hの開度調整を行うことができ、第1冷却対象側配管63a内の第1冷媒の温度の調整を効率的に行うことが可能となる。
【0157】
SA5の処理後、制御装置300の開閉制御部351は、第1温度調整処理(SA6)を起動させる。
【0158】
(制御処理−第1温度調整処理)
次に、
図4の第1温度調整処理(SA6)について説明する。
図6は、第1温度調整処理のフローチャートである。第1温度調整処理は、冷却対象側配管63内の第1冷媒の温度を調整するための処理である。
【0159】
第1温度調整処理が起動されると、
図6に示すように、SB1において制御装置300の開閉制御部351は、第1送出温度検出部135a、第2送出温度検出部135b、又は第3送出温度検出部135cのいずれかから第2冷媒の温度を取得する。
【0160】
SB2において制御装置300の開閉制御部351は、SB1にて取得した第2冷媒の温度が第2設定温度であるか否かを判定する。そして、制御装置300の開閉制御部351は、上記第2冷媒の温度が第2設定温度であると判定されなかった場合(SB2、No)にはSB3に移行し、上記第2冷媒の温度が第2設定温度であると判定された場合(SB2、Yes)には、第1温度調整処理を終了して、
図4の制御処理に戻る。
【0161】
SB3において制御装置300の開閉制御部351は、SB1にて取得した第2冷媒の温度に基づいて、第6開閉弁72f及び第7開閉弁72gの開度制御を行う。その後、制御装置300の開閉制御部351は、SB1に移行し、SB2にて第2冷媒の温度が第2設定温度であると判定されるまで、SB1からSB3の処理を繰り返す。
【0162】
また、この第6開閉弁72f及び第7開閉弁72gの開度制御の処理内容については任意であるが、例えば、以下の通りに制御してもよい。
【0163】
すなわち、SB1にて取得した第2冷媒の温度がSA2にて設定された第2設定温度を上回る場合には、第6開閉弁72fの開度を第1基準開度よりも広げると共に、第7開閉弁72gの開度を第1基準開度よりも狭める。これに伴って、第1冷却対象側配管63a内における第1冷媒の第1熱交換部41への流入量が増加し、且つ第2熱交換部42によって熱交換された第1冷媒の流入口側配管62bへの流入量が減少することにより第2熱交換部42の加熱量が減少するため、第1冷媒による第2冷媒の冷却が促進される。
【0164】
また、SB1にて取得した第2冷媒の温度がSA2にて設定された第2設定温度を下回る場合には、第6開閉弁72fの開度を第1基準開度よりも狭めると共に、第7開閉弁72gの開度を第1基準開度よりも広げる。これに伴って、第1冷却対象側配管63a内における第1冷媒の第1熱交換部41への流入量が減少し、且つ第2熱交換部42によって熱交換された第1冷媒の流入口側配管62bへの流入量が増加することにより第2熱交換部42の加熱量が増加するため、第1冷媒による第2冷媒の冷却が抑制される。なお、「第1基準開度」とは、例えば、第2冷媒の温度が第2設定温度と同じになる場合の開閉弁の開度を意味する。
【0165】
このような処理により、第2冷媒の温度に基づいて第6開閉弁72f及び第7開閉弁72gの開度調整を行うことができ、冷却対象側配管63内の第1冷媒の温度を効率的に調整することができる。
【0166】
また、このような第1温度調整処理により、第2冷媒の温度が第2設定温度になるように冷却対象側配管63内の第1冷媒の温度を調整でき、第2冷媒の冷却を効率的に行うことができる。
【0167】
図4に戻り、SA6の処理後、制御装置300の開閉制御部351は、第2温度調整処理(SA7)を起動させる。
【0168】
(制御処理−第2温度調整処理)
次に、
図4の第2温度調整処理(SA7)について説明する。
図7は、第2温度調整処理のフローチャートである。第2温度調整処理は、流出口側配管62a内の第1冷媒の温度を調整するための処理である。
【0169】
第2温度調整処理が起動されると、
図7に示すように、SC1において制御装置300の開閉制御部351は、温度検出部73から第1冷媒の温度を取得する。
【0170】
SC2において制御装置300の開閉制御部351は、SC1にて取得した第1冷媒の温度が第1設定温度を下回るか否かを判定する。そして、制御装置300の開閉制御部351は、上記第1冷媒の温度が第1設定温度を下回ると判定されなかった場合(SC2、No)にはSC3に移行し、上記第1冷媒の温度が第1設定温度を下回ると判定された場合(SC2、Yes)には、第2温度調整処理を終了して、
図4の制御処理に戻る。
【0171】
SC3において制御装置300の開閉制御部351は、SC1にて取得した第1冷媒の温度に基づいて、第5開閉弁72eの開度制御を行う。その後、制御装置300の開閉制御部351は、SC1に移行し、SC2にて第1冷媒の温度が第1設定温度を下回ると判定されるまで、SC1からSC3の処理を繰り返す。
【0172】
また、この第5開閉弁72eの開度制御の処理内容については任意であるが、例えば、以下の通りに制御してもよい。
【0173】
すなわち、SC1にて取得した第1冷媒の温度がSA1にて設定された第1設定温度を上回る場合には、第5開閉弁72eの開度を第2基準開度よりも広げる。これに伴って、冷却対象側配管63内における第1冷媒の流入口側配管62bへの流入量が増加するので、流出口側配管62a内の第1冷媒の温度を下げることができる。
【0174】
また、SC1にて取得した第1冷媒の温度がSA1にて設定された第1設定温度と一致する場合には、第5開閉弁72eの開度を第2基準開度に維持する。これに伴って、冷却対象側配管63内における第1冷媒の流入口側配管62bへの流入量が維持されるので、流出口側配管62a内の第1冷媒の温度が上がることを抑制できる。なお、「第2基準開度」とは、例えば、第1冷媒の温度が第1設定温度と同じになる場合の開閉弁の開度を意味する。
【0175】
このような処理により、第1冷媒の温度に基づいて第5開閉弁72eの開度調整を行うことができ、流出口側配管62a内の第1冷媒の温度を効率的に調整することができる。
【0176】
以上のような第2温度調整処理により、第1冷媒の温度が第1設定温度になるように流出口側配管62a内の第1冷媒の温度を調整できる。よって、流出口側配管62a内の第1冷媒が第1サブ配管71aを介して貯留部30に流入した場合に、当該流入した第1冷媒の熱によって貯留部30内の温度を第1冷媒の臨界温度以上に維持しやすくなる。
【0177】
図4に戻り、SA8において制御装置300の制御部350は、制御処理を終了するタイミング(以下、「終了タイミング」と称する)が到来したか否かを判定する。この終了タイミングが到来したか否かの判定方法については任意であるが、例えば、操作部310を介して所定操作が受け付けられたか否かに基づいて判定し、上記所定操作が受け付けられた場合には終了タイミングが到来したと判定し、上記所定操作が受け付けられていない場合には終了タイミングが到来していないと判定する。そして、制御装置300の制御部350は、終了タイミングが到来したと判定された場合(SA8、Yes)には制御処理を終了する。一方、終了タイミングが到来していないと判定された場合(SA8、No)にはSA6に移行し、SA8において終了タイミングが到来したと判定されるまで、SA6からSA8に移行する。
【0178】
以上のような制御処理により、冷却システム1の使用性を維持しながら、第1冷媒を用いて第2冷媒の冷却を効果的に行うことが可能となる。
【0179】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、第1循環流路61を構成する流出口側配管62aであって圧縮部20の流出口側に位置する流出口側配管62aに接続された第1サブ配管71aであり、当該第1サブ配管71aを介して流出口側配管62a内の冷媒を貯留部30に流入させるための第1サブ配管71aと、第1循環流路61を構成する流入口側配管62bであって圧縮部20の流入口側に位置する流入口側配管62bに接続された第2サブ配管71bであり、当該第2サブ配管71bを介して貯留部30内の冷媒を流入口側配管62bに流入させるための第2サブ配管71bと、流入口側配管62bに接続された第3サブ配管71cであり、流出口側配管62aの熱よりも低い当該第3サブ配管71cの熱を貯留部30内の冷媒に伝達可能となるように形成された第3サブ配管71cと、第1サブ配管71aに設けられた第1開閉弁72aであり、流出口側配管62a内の冷媒を貯留部30に流入させるか否かを切り替え可能な第1開閉弁72aと、第2サブ配管71bに設けられた第2開閉弁72bであり、貯留部30内の冷媒を流入口側配管62bに流入させるか否かを切り替え可能な第2開閉弁72bと、第3サブ配管71cに設けられた第3開閉弁72cであり、第3サブ配管71cにおける貯留部30よりも上流側部分内の冷媒を第3サブ配管71cにおける貯留部30側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第3開閉弁72cと、を備えるので、第3サブ配管71cの熱(冷熱)を用いて貯留部30内の冷媒を冷却できることから、貯留部30において冷媒を高密度に貯留でき、貯留部30の貯留量を高めながら貯留部30のコンパクト化を図ることが可能となる。また、冷却対象の設定温度に基づいて、第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、及び第3開閉弁72cの開閉制御を行う開閉制御部351と、を備えるので、冷却対象の設定温度に基づいた第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、及び第3開閉弁72cの開閉制御を行うことができることから、貯留部30内において冷媒の冷却を効果的に行うことができ、冷媒制御システム及び冷却システム1の使用性を高めることが可能となる。
【0180】
また、開閉制御部351が、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放させると共に、第2開閉弁72bを閉鎖させ、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を下回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖させると共に、第2開閉弁72bを開放させるので、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回るか否かに応じて第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、及び第3開閉弁72cの開閉制御を行うことができ、貯留部30内において冷媒の冷却を一層効果的に行うことができる。
【0181】
また、流出口側配管62aに接続された第4サブ配管71dであり、第3サブ配管71cの熱よりも高い当該第4サブ配管71dの熱を貯留部30内の冷媒に伝達可能となるように形成された第4サブ配管71dと、第4サブ配管71dに設けられた第4開閉弁72dであり、第4サブ配管71dにおける貯留部30よりも上流側部分内の冷媒を第4サブ配管71dにおける貯留部30側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第4開閉弁72dと、を備えるので、第4サブ配管71dの熱(温熱)を用いて貯留部30内の冷媒を加熱でき、第1循環流路61の冷媒量を増やしながら、貯留部30内の冷媒の低密度化を図ることができる。また、開閉制御部351が、冷却対象の設定温度に基づいて、第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御を行うので、冷却対象の設定温度に基づいた第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御を行うことができることから、貯留部30内において冷媒の冷却及び加熱を効果的に行うことができ、貯留部30において状況に応じた冷媒の貯留を行うことが可能となる。
【0182】
また、開閉制御部351が、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを閉鎖させ、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を下回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを開放させるので、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回るか否かに応じて第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御を行うことができ、貯留部30内において冷媒の冷却及び加熱を一層効果的に行うことができる。
【0183】
また、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの各々の一部分が他の部分よりも上方に位置するように、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bを形成することにより、貯留部30内の冷媒が第1サブ配管71a又は第2サブ配管71bを介して流出口側配管62a又は流入口側配管62bに逆流することを回避可能としたので、貯留部30を冷却した際に、貯留部30内の冷媒の密度が第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの冷媒の密度よりはるかに大きくなることで、重力によって貯留部30内の冷媒が第1サブ配管71a又は第2サブ配管71bを介して流出口側配管62a又は流入口側配管62bに逆流することを回避でき、第1循環流路61内の冷媒の量を正確に管理できる。
【0184】
また、第1サブ配管71aを介して貯留部30内に異物が流入することを防止するための流入防止部76を備えたので、第1サブ配管71aを介して貯留部30内に異物が流入することを防止でき、貯留部30内の冷媒が異物によって汚染されることを回避できる。
【0185】
また、冷媒が、二酸化炭素であるので、フロンガスに比べて膨張しやすくても、第1循環流路61の圧力が過大になることを回避できる。
【0186】
また、冷却対象が、半導体製造システムの冷却用冷媒であるので、冷却対象の温度レンジが比較的広くても、第1循環流路61の圧力が過大になることを回避できると共に、貯留部30内で冷媒が凝縮することで第1循環流路61内の冷媒の流量が低下することを抑制できる。
【0187】
また、冷却対象側配管63が、第1熱交換部41側に位置する第1冷却対象側配管63aと、第2熱交換部42側に位置する第2冷却対象側配管63bと、を備え、流出口側配管62a内の温度又は流入口側配管62b内の温度を検出するための検出手段と、第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分と、流入口側配管62bとに接続された第5サブ配管71eと、第5サブ配管71eに設けられた第5開閉弁72eであり、冷却対象側配管63内の冷媒が流入口側配管62bに流入する量を調整可能な第5開閉弁72eと、を備え、開閉制御部351が、検出手段の検出結果に基づいて、第5開閉弁72eの開度制御を行うので、冷媒の温度に基づいて第5開閉弁72eの開度調整を行うことができ、流出口側配管62a内の冷媒の温度を効率的に調整することができる。
【0188】
また、第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分に設けられた第6開閉弁72fであり、第1冷却対象側配管63a内の冷媒が第1熱交換部41に流入する量を調整可能な第6開閉弁72fと、第2冷却対象側配管63bにおける第2熱交換部42よりも下流側部分に設けられた第7開閉弁72gであり、第2熱交換部42によって熱交換された冷媒が流入口側配管62bに流入する量を調整可能な第7開閉弁72gと、を備え、開閉制御部351が、所定方法で取得された冷却対象の温度に基づいて、第6開閉弁72f及び第7開閉弁72gの開度制御を行うので、冷却対象の温度に基づいて第6開閉弁72f及び第7開閉弁72gの開度調整を行うことができ、冷却対象側配管63内の冷媒の温度を効率的に調整することができる。
【0189】
また、検出手段の検出結果と、所定方法で取得された冷却対象の温度とに基づいて、圧縮部20の制御を行う圧縮制御部352を備えるので、冷媒の温度及び冷却対象の温度に基づいて圧縮部20の制御を行うことができ、圧縮部20の制御を効率的に行うことが可能となる。
【0190】
また、第1冷却対象側配管63aにおける第1熱交換部41よりも上流側部分内の冷媒と、第2冷却対象側配管63bにおける第2熱交換部42よりも下流側部分内の冷媒との熱交換を行うための第6熱交換部46を備えるので、第2冷却対象側配管63bのうち第2熱交換部42よりも下流側部分内の冷媒の温度を高めることができ、圧縮部20に乾燥した冷媒を流入させることが可能となる。
【0191】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0192】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0193】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。また、上記実施の形態で説明した各情報については、そのデータ構造を任意に変更してもよい。例えば、制御装置300を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部350を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部360を設けてもよい。
【0194】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0195】
(第3冷媒について)
上記実施の形態では、第3冷媒が、工業用水であると説明したが、これに限らない。例えば、第3冷媒は、空気であってもよい。この場合には、第3冷却システム200は、第3熱交換部43に第3冷媒を送出する第1送出部(一例として、公知の送風器)と、第4熱交換部44に第3冷媒を送出する第2送出部(一例として、公知の送風器)とを備えてもよい。
【0196】
(第1冷却システムについて)
上記実施の形態では、第1冷却システム10が、第5熱交換部45、第6熱交換部46、第1除去部47、及び第2除去部48を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第5熱交換部45、第6熱交換部46、第1除去部47、又は第2除去部48の少なくともいずれか1つを省略してもよい。なお、第5熱交換部45を省略する場合には、第8開閉弁72hを省略できる。
【0197】
また、上記実施の形態では、第1冷却システム10が、第5開閉弁72e、第6開閉弁72f、第7開閉弁72g、及び第8開閉弁72hを備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第5開閉弁72e、第6開閉弁72f、第7開閉弁72g、又は第8開閉弁72hの少なくともいずれか1つを省略してもよい。なお、第5開閉弁72eが省略される場合には、制御処理のSA7の処理を省略できる。また、第6開閉弁72f及び第7開閉弁72gが省略される場合には、制御処理のSA6の処理を省略できる。また、第8開閉弁72hが省略される場合には、制御処理のSA5の処理を省略できる。
【0198】
また、上記実施の形態では、第1冷却システム10が、圧縮部20、貯留部30、第1熱交換部41〜第6熱交換部46、第1除去部47、第2除去部48、及び循環部50を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、これらの構成要素に加えて、温度調整部を備えてもよい。ここで、温度調整部は、貯留部30内の第1冷媒の温度を調整するための温度調整手段であり、例えば公知の温度調整器(一例として、加熱機能又は冷却機能の少なくともいずれか一方を含む温度調整器)等を用いて構成されており、貯留部30に設置される。また、この温度調整部の設置方法については任意であるが、例えば、貯留部30内に設置したり、又は貯留部30の外部において貯留部30に巻きつくように設置してもよい。このような温度調整部により、貯留部30内の第1冷媒の温度を調整でき、例えば、温度調整部の熱(冷熱)を用いて貯留部30内の冷媒を冷却でき、貯留部30において冷媒を高密度に貯留しやすくなる。
【0199】
また、上記実施の形態では、第1冷却システム10が、第4サブ配管71d及び第4開閉弁72dを備えていると説明したが、これに限らない。
図8は、冷却システム1の変形例を示す図である。例えば、
図8に示すように、第4サブ配管71d及び第4開閉弁72dを省略してもよい。この場合には、制御処理のSA4において、SA2にて設定された第2設定温度に基づいて、第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、及び第3開閉弁72cの開閉制御を行う。具体的には、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を上回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放させると共に、第2開閉弁72bを閉鎖させ、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を下回る場合には、第1開閉弁72aを閉鎖させると共に、第2開閉弁72bを開放させてもよい。これにより、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を上回るか否かに応じて第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、及び第3開閉弁72cの開閉制御を行うことができ、貯留部30内において第1冷媒の冷却を効果的に行うことができる。
【0200】
(循環部について)
上記実施の形態では、循環部50の流出口側配管62aと第6サブ配管71fとが、それぞれ別体に形成されていると説明したが、これに限らない。
図9は、冷却システム1の変形例を示す図である。例えば、配管数を低減する観点から、
図9に示すように、流出口側配管62aと第6サブ配管71fとが、一体に形成されてもよい。
【0201】
また、上記実施の形態では、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの各々における貯留部30に収納されている部分の先端部が貯留部30の上端付近に位置し、且つ第3サブ配管71c及び第4サブ配管71dよりも上方に位置するように、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bを折り曲げることにより形成されていると説明したが、これに限らない。
図10は、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの変形例を示す図である。例えば、
図10に示すように、上記第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの折り曲げに加えて、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bの各々における貯留部30に収納されていない部分が第3サブ配管71c及び第4サブ配管71dよりも上方に位置するように、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bを折り曲げることにより形成されてもよい。
【0202】
また、上記実施の形態では、循環部50の第1サブ配管71aに、流入防止部76が設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、流入防止部76を省略してもよい。
【0203】
(貯留部について)
上記実施の形態では、貯留部30の設置数が1つであると説明したが、これに限らない。
図11から
図13は、冷却システム1の変形例を示す図である。例えば、
図11に示すように、貯留部30の設置数が2以上であってもよい。この場合において、第1サブ配管71a及び第2サブ配管71bをそれぞれ分岐し、当該分岐したものを各貯留部30に設置することにより、各貯留部30での第1冷媒の流入出可能としてもよい。また、各貯留部30に第3サブ配管71c及び第4サブ配管71dをそれぞれ設けることにより、第3サブ配管71cの熱(冷熱)を用いて各貯留部30内の第1冷媒を冷却可能とすると共に、第4サブ配管71dの熱(温熱)を用いて貯留部30内の第1冷媒を加熱可能としてもよい。
【0204】
なお、
図11では、流出口側配管62aと第6サブ配管71fとが、別体に形成されているが、これに限らず、例えば、
図12に示すように、流出口側配管62aと第6サブ配管71fとが、一体に形成されてもよい。また、
図11では、第4サブ配管71d及び第4開閉弁72dが設けられているが、これに限らず、例えば、
図13に示すように、第4サブ配管71d及び第4開閉弁72dを省略してもよい。また、
図11では、1つの第1開閉弁72aを用いて、流出口側配管62a内の第1冷媒を複数の貯留部30に流入させるか否かを切り替えるが、これに限らず、例えば、各貯留部30に対応する第1開閉弁72aをそれぞれ設けて、当該第1開閉弁72aによって流出口側配管62a内の第1冷媒を各貯留部30に流入させるか否かを個別に切り替えるようにしてもよい(なお、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dについても同様する)。
【0205】
(圧縮部について)
上記実施の形態では、圧縮部20が、周波数制御運転型のコンプレッサであると説明したが、これに限らず、例えば、定速運転型のコンプレッサであってもよい。
【0206】
また、上記実施の形態では、圧縮部20が、二段式コンプレッサであると説明したが、これに限らない。例えば、圧縮部20が、一段式コンプレッサであってもよい。この場合には、冷却システム1は、第4熱交換部44、第2循環部80、第2送出流路202、及び第2送出開閉弁204を省略できる。
【0207】
(第2冷却システムについて)
上記実施の形態では、第2冷却システム100が、エアベント部110、貯留部120、第1サブ送出配管132a〜第4サブ送出配管132d、第1送出開閉弁133a〜第4送出開閉弁133d、ポンプ部134、第1送出温度検出部135a、第2送出温度検出部135b、送出圧力検出部136、及び流量検出部137を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、エアベント部110、貯留部120、第1サブ送出配管132a〜第4サブ送出配管132d、第1送出開閉弁133a〜第4送出開閉弁133d、ポンプ部134、第1送出温度検出部135a、第2送出温度検出部135b、送出圧力検出部136、又は流量検出部137の少なくともいずれか1つを省略してもよい。
【0208】
(第3冷却システムについて)
上記実施の形態では、第3冷却システム200が、第6送出開閉弁203〜第8送出開閉弁205、及び送出温度検出部206を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第6送出開閉弁203〜第8送出開閉弁205、又は送出温度検出部206の少なくともいずれか1つを省略してもよい。
【0209】
(制御処理について)
上記実施の形態では、SA3において、温度検出部73の検出結果と、第1送出温度検出部135a〜第3送出温度検出部135cからの少なくともいずれか1つの検出結果とに基づいて、圧縮部20の運転周波数を制御すると説明したが、これに限らず、例えば、圧縮部20の運転周波数を一定の周波数で制御してもよい。
【0210】
また、上記実施の形態では、SA4の処理において、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を上回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを閉鎖させ、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を下回る場合には、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを開放させると説明したが、これに限らず、例えば以下の通りに制御してもよい。
【0211】
すなわち、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を上回る場合には、貯留部30内の圧力状態が所定の高圧力状態に達するまでは、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを閉鎖させ、その後所定の高圧力状態に達すると、第3開閉弁72cを開放させ、且つ第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを閉鎖させた状態で、第1開閉弁72aを閉鎖させてもよい。また、第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を下回る場合には、貯留部30内の圧力状態が所定の低圧力状態に達するまでは、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを開放させ、その後所定の低圧力状態に達すると、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖させ、且つ第4開閉弁72dを開放させた状態で、第2開閉弁72bを閉鎖させてもよい。
【0212】
あるいは、所定方法で取得された圧縮部20の運転圧力値(一例として、第1圧力検出部74aから取得した圧力値等)が閾値を上回る場合、又は第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を上回る場合の少なくともいずれかの場合に、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを開放させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを閉鎖させ、圧縮部20の運転圧力値が閾値を下回る場合、又は第2設定温度が第1冷媒の臨界温度を下回る場合の少なくともいずれかの場合に、第1開閉弁72a及び第3開閉弁72cを閉鎖させると共に、第2開閉弁72b及び第4開閉弁72dを開放させてもよい。このように、圧縮部20の運転圧力値又は第2設定温度の少なくともいずれか一方に基づいた第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御を行うことができ、第2設定温度のみに基づいた第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、第3開閉弁72c、及び第4開閉弁72dの開閉制御を行う場合に比べて、第1循環流路61内の圧力が過大になることを抑制しながら、貯留部30に流入した第1冷媒の熱によって貯留部30内の温度を第1冷媒の臨界温度以上(又は過熱蒸気温度)に維持しやすくなる(なお、第4サブ配管71d及び第4開閉弁72dを省略した冷却システム1についても、略同様に処理してもよい)。
【0213】
(付記)
付記1の冷媒制御システムは、圧縮手段と接続された循環流路であり、前記圧縮手段によって圧縮された冷媒と冷却対象との熱交換が可能となるように前記冷媒を循環させるための循環流路内を流れる前記冷媒の制御を行う冷媒制御システムであって、前記冷媒を貯めるための貯留手段と、前記循環流路を構成する流出口側配管であって前記圧縮手段の流出口側に位置する流出口側配管に接続された第1配管であり、当該第1配管を介して前記流出口側配管内の前記冷媒を前記貯留手段に流入させるための第1配管と、前記循環流路を構成する流入口側配管であって前記圧縮手段の流入口側に位置する流入口側配管に接続された第2配管であり、当該第2配管を介して前記貯留手段内の前記冷媒を前記流入口側配管に流入させるための第2配管と、前記流入口側配管に接続された第3配管であり、前記流出口側配管の熱よりも低い当該第3配管の熱を前記貯留手段内の前記冷媒に伝達可能となるように形成された第3配管と、前記第1配管に設けられた第1開閉弁であり、前記流出口側配管内の前記冷媒を前記貯留手段に流入させるか否かを切り替え可能な第1開閉弁と、前記第2配管に設けられた第2開閉弁であり、前記貯留手段内の前記冷媒を前記流入口側配管に流入させるか否かを切り替え可能な第2開閉弁と、前記第3配管に設けられた第3開閉弁であり、前記第3配管における前記貯留手段よりも上流側部分内の前記冷媒を前記第3配管における前記貯留手段側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第3開閉弁と、前記冷却対象の設定温度に基づいて、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、及び前記第3開閉弁の開閉制御を行う開閉制御手段と、を備える。
【0214】
付記2の冷媒制御システムは、付記1に記載の冷媒制御システムにおいて、前記開閉制御手段は、前記冷却対象の設定温度が前記冷媒の臨界温度を上回る場合には、前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁を開放させると共に、前記第2開閉弁を閉鎖させ、前記冷却対象の設定温度が前記冷媒の臨界温度を下回る場合には、前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁を閉鎖させると共に、前記第2開閉弁を開放させる。
【0215】
付記3の冷媒制御システムは、付記2に記載の冷媒制御システムにおいて、前記開閉制御手段は、所定方法で取得された前記圧縮手段の運転圧力値が閾値を上回る場合、又は前記冷却対象の設定温度が前記冷媒の臨界温度を上回る場合の少なくともいずれかの場合に、前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁を開放させると共に、前記第2開閉弁を閉鎖させ、前記圧縮手段の運転圧力値が閾値を下回る場合には、又は前記冷却対象の設定温度が前記冷媒の臨界温度を下回る場合の少なくともいずれかの場合に、前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁を閉鎖させると共に、前記第2開閉弁を開放させる。
【0216】
付記4の冷媒制御システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の冷媒制御システムにおいて、前記流出口側配管に接続された第4配管であり、前記第3配管の熱よりも高い当該第4配管の熱を前記貯留手段内の前記冷媒に伝達可能となるように形成された第4配管と、前記第4配管に設けられた第4開閉弁であり、前記第4配管における前記貯留手段よりも上流側部分内の前記冷媒を前記第4配管における前記貯留手段側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第4開閉弁と、を備え、前記開閉制御手段は、前記冷却対象の設定温度に基づいて、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁、及び前記第4開閉弁の開閉制御を行う。
【0217】
付記5の冷媒制御システムは、付記4に記載の冷媒制御システムにおいて、前記開閉制御手段は、前記冷却対象の設定温度が前記冷媒の臨界温度を上回る場合には、前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁を開放させると共に、前記第2開閉弁及び前記第4開閉弁を閉鎖させ、前記冷却対象の設定温度が前記冷媒の臨界温度を下回る場合には、前記第1開閉弁及び前記第3開閉弁を閉鎖させると共に、前記第2開閉弁及び前記第4開閉弁を開放させる。
【0218】
付記6の冷媒制御システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の冷媒制御システムにおいて、前記第1配管及び前記第2配管の各々の一部分が他の部分よりも上方に位置するように、前記第1配管及び前記第2配管を形成することにより、前記貯留手段内の前記冷媒が前記第1配管又は前記第2配管を介して前記流出口側配管又は前記流入口側配管に逆流することを回避可能とした。
【0219】
付記7の冷媒制御システムは、付記1から6のいずれか一項に記載の冷媒制御システムにおいて、前記第1配管を介して前記貯留手段内に異物が流入することを防止するための流入防止手段を備えた。
【0220】
付記8の冷媒制御システムは、付記1から7のいずれか一項に記載の冷媒制御システムにおいて、前記貯留手段内の前記冷媒の温度を調整するための温度調整手段を備える。
【0221】
付記9の冷媒制御システムは、付記1から8のいずれか一項に記載の冷媒制御システムにおいて、前記冷媒は、二酸化炭素である。
【0222】
付記10の冷媒制御システムは、付記1から9のいずれか一項に記載の冷媒制御システムにおいて、前記冷却対象は、半導体製造システムの冷却用冷媒である。
【0223】
付記11の冷却システムは、前記冷媒を用いて前記冷却対象を冷却するための冷却システムであって、前記冷媒を圧縮するための圧縮手段と、前記圧縮手段と接続され、且つ前記冷却対象側に位置する冷却対象側配管を有する循環流路であり、前記圧縮手段によって圧縮された前記冷媒と前記冷却対象との熱交換が可能となるように前記冷媒を循環させるための循環流路と、付記1から付記10のいずれか一項に記載の冷媒制御システムと、前記冷却対象側配管に設けられた熱交換手段であり、前記冷却対象側配管内の前記冷媒と前記冷却対象との熱交換を行うための熱交換手段と、を備える。
【0224】
付記12の冷却システムは、付記11に記載の冷却システムにおいて、前記熱交換手段は、前記冷却対象を冷却可能な第1熱交換手段と、前記第1熱交換手段によって冷却された前記冷却対象を加熱可能な第2熱交換手段と、を備え、前記冷却対象側配管は、前記第1熱交換手段側に位置する第1冷却対象側配管と、前記第2熱交換手段側に位置する第2冷却対象側配管と、を備え、前記流出口側配管内の温度又は前記流入口側配管内の温度を検出するための検出手段と、前記第1冷却対象側配管における前記第1熱交換手段よりも上流側部分と、前記流入口側配管とに接続された第5配管と、前記第5配管に設けられた第5開閉弁であり、前記冷却対象側配管内の前記冷媒が前記流入口側配管に流入する量を調整可能な第5開閉弁と、を備え、前記開閉制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記第5開閉弁の開度制御を行う。
【0225】
付記13の冷却システムは、付記12に記載の冷却システムにおいて、前記第1冷却対象側配管における前記第1熱交換手段よりも上流側部分に設けられた第6開閉弁であり、前記第1冷却対象側配管内の前記冷媒が前記第1熱交換手段に流入する量を調整可能な第6開閉弁と、前記第2冷却対象側配管における前記第2熱交換手段よりも下流側部分に設けられた第7開閉弁であり、前記第2熱交換手段によって熱交換された前記冷媒が前記流入口側配管に流入する量を調整可能な第7開閉弁と、を備え、前記開閉制御手段は、所定方法で取得された前記冷却対象の温度に基づいて、前記第6開閉弁及び前記第7開閉弁の開度制御を行う。
【0226】
付記14の冷却システムは、付記12又は13に記載の冷却システムにおいて、前記検出手段の検出結果と、所定方法で取得された前記冷却対象の温度とに基づいて、前記圧縮手段の制御を行う圧縮制御手段を備える。
【0227】
付記15の冷却システムは、付記12から14のいずれか一項に記載の冷却システムにおいて、前記第1冷却対象側配管における前記第1熱交換手段よりも上流側部分内の前記冷媒と、前記第2冷却対象側配管における前記第2熱交換手段よりも下流側部分内の前記冷媒との熱交換を行うための冷媒熱交換手段を備える。
【0228】
(付記の効果)
付記1に記載の冷媒制御システム、及び付記11に記載の冷却システムによれば、循環流路を構成する流出口側配管であって圧縮手段の流出口側に位置する流出口側配管に接続された第1配管であり、当該第1配管を介して流出口側配管内の冷媒を貯留手段に流入させるための第1配管と、循環流路を構成する流入口側配管であって圧縮手段の流入口側に位置する流入口側配管に接続された第2配管であり、当該第2配管を介して貯留手段内の冷媒を流入口側配管に流入させるための第2配管と、流入口側配管に接続された第3配管であり、流出口側配管の熱よりも低い当該第3配管の熱を貯留手段内の冷媒に伝達可能となるように形成された第3配管と、第1配管に設けられた第1開閉弁であり、流出口側配管内の冷媒を貯留手段に流入させるか否かを切り替え可能な第1開閉弁と、第2配管に設けられた第2開閉弁であり、貯留手段内の冷媒を流入口側配管に流入させるか否かを切り替え可能な第2開閉弁と、第3配管に設けられた第3開閉弁であり、第3配管における貯留手段よりも上流側部分内の冷媒を第3配管における貯留手段側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第3開閉弁と、を備えるので、第3配管の熱(冷熱)を用いて貯留手段内の冷媒を冷却できることから、貯留手段において冷媒を高密度に貯留でき、貯留手段の貯留量を高めながら貯留手段のコンパクト化を図ることが可能となる。また、冷却対象の設定温度に基づいて、第1開閉弁、第2開閉弁、及び第3開閉弁の開閉制御を行う開閉制御手段と、を備えるので、冷却対象の設定温度に基づいた第1開閉弁、第2開閉弁、及び第3開閉弁の開閉制御を行うことができることから、貯留手段内において冷媒の冷却を効果的に行うことができ、冷媒制御システム及び冷却システムの使用性を高めることが可能となる。
【0229】
付記2に記載の冷媒制御システムによれば、開閉制御手段が、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回る場合には、第1開閉弁及び第3開閉弁を開放させると共に、第2開閉弁を閉鎖させ、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を下回る場合には、第1開閉弁及び第3開閉弁を閉鎖させると共に、第2開閉弁を開放させるので、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回るか否かに応じて第1開閉弁、第2開閉弁、及び第3開閉弁の開閉制御を行うことができ、貯留手段内において冷媒の冷却を一層効果的に行うことができる。
【0230】
付記3に記載の冷媒制御システムによれば、開閉制御手段が、所定方法で取得された圧縮手段の運転圧力値が閾値を上回る場合、又は冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回る場合の少なくともいずれかの場合に、第1開閉弁及び第3開閉弁を開放させると共に、第2開閉弁を閉鎖させ、圧縮手段の運転圧力値が閾値を下回る場合には、又は冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を下回る場合の少なくともいずれかの場合に、第1開閉弁及び第3開閉弁を閉鎖させると共に、第2開閉弁を開放させるので、圧縮手段の運転圧力値又は冷却対象の設定温度の少なくともいずれか一方に基づいた第1開閉弁、第2開閉弁、及び第3開閉弁の開閉制御を行うことができ、冷却対象の設定温度のみに基づいた第1開閉弁、第2開閉弁、及び第3開閉弁の開閉制御を行う場合に比べて、循環流路内の圧力が過大になることを抑制しながら、貯留手段に流入した冷媒の熱によって貯留手段内の温度を冷媒の臨界温度以上(又は過熱蒸気温度)に維持しやすくなる。
【0231】
付記4に記載の冷媒制御システムによれば、流出口側配管に接続された第4配管であり、第3配管の熱よりも高い当該第4配管の熱を貯留手段内の冷媒に伝達可能となるように形成された第4配管と、第4配管に設けられた第4開閉弁であり、第4配管における貯留手段よりも上流側部分内の冷媒を第4配管における貯留手段側の部分に流入させるか否かを切り替え可能な第4開閉弁と、を備えるので、第4配管の熱(温熱)を用いて貯留手段内の冷媒を加熱でき、循環流路の冷媒量を増やしながら、貯留手段内の冷媒の低密度化を図ることができる。また、開閉制御手段が、冷却対象の設定温度に基づいて、第1開閉弁、第2開閉弁、第3開閉弁、及び第4開閉弁の開閉制御を行うので、冷却対象の設定温度に基づいた第1開閉弁、第2開閉弁、第3開閉弁、及び第4開閉弁の開閉制御を行うことができることから、貯留手段内において冷媒の冷却及び加熱を効果的に行うことができ、貯留手段において状況に応じた冷媒の貯留を行うことが可能となる。
【0232】
付記5に記載の冷媒制御システムによれば、開閉制御手段が、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回る場合には、第1開閉弁及び第3開閉弁を開放させると共に、第2開閉弁及び第4開閉弁を閉鎖させ、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を下回る場合には、第1開閉弁及び第3開閉弁を閉鎖させると共に、第2開閉弁及び第4開閉弁を開放させるので、冷却対象の設定温度が冷媒の臨界温度を上回るか否かに応じて第1開閉弁、第2開閉弁、第3開閉弁、及び第4開閉弁の開閉制御を行うことができ、貯留手段内において冷媒の冷却及び加熱を一層効果的に行うことができる。
【0233】
付記6に記載の冷媒制御システムによれば、第1配管及び第2配管の各々の一部分が他の部分よりも上方に位置するように、第1配管及び第2配管を形成することにより、貯留手段内の冷媒が第1配管又は第2配管を介して流出口側配管又は流入口側配管に逆流することを回避可能としたので、貯留手段を冷却した際に、貯留手段内の冷媒の密度が第1配管及び第2配管の冷媒の密度よりはるかに大きくなることで、重力によって貯留手段内の冷媒が第1配管又は第2配管を介して流出口側配管又は流入口側配管に逆流することを回避でき、循環流路内の冷媒の量を正確に管理できる。
【0234】
付記7に記載の冷媒制御システムによれば、第1配管を介して貯留手段内に異物が流入することを防止するための流入防止手段を備えたので、第1配管を介して貯留手段内に異物が流入することを防止でき、貯留手段内の冷媒が異物によって汚染されることを回避できる。
【0235】
付記8に記載の冷媒制御システムによれば、貯留手段内の冷媒の温度を調整するための温度調整手段を備えるので、貯留手段内の冷媒の温度を調整できることから、例えば、温度調整手段の熱(冷熱)を用いて貯留手段内の冷媒を冷却でき、貯留手段において冷媒を高密度に貯留しやすくなる。
【0236】
付記9に記載の冷媒制御システムによれば、冷媒が、二酸化炭素であるので、フロンガスに比べて膨張しやすくても、循環流路の圧力が過大になることを回避できる。
【0237】
付記10に記載の冷媒制御システムによれば、冷却対象が、半導体製造システムの冷却用冷媒であるので、冷却対象の温度レンジが比較的広くても、循環流路の圧力が過大になることを回避できると共に、貯留手段内で冷媒が凝縮することで循環流路内の冷媒の流量が低下することを抑制できる。
【0238】
付記12に記載の冷却システムによれば、冷却対象側配管が、第1熱交換手段側に位置する第1冷却対象側配管と、第2熱交換手段側に位置する第2冷却対象側配管と、を備え、流出口側配管内の温度又は流入口側配管内の温度を検出するための検出手段と、第1冷却対象側配管における第1熱交換手段よりも上流側部分と、流入口側配管とに接続された第5配管と、第5配管に設けられた第5開閉弁であり、冷却対象側配管内の冷媒が流入口側配管に流入する量を調整可能な第5開閉弁と、を備え、開閉制御手段が、検出手段の検出結果に基づいて、第5開閉弁の開度制御を行うので、冷媒の温度に基づいて第5開閉弁の開度調整を行うことができ、流出口側配管内の冷媒の温度を効率的に調整することができる。
【0239】
付記13に記載の冷却システムによれば、第1冷却対象側配管における第1熱交換手段よりも上流側部分に設けられた第6開閉弁であり、第1冷却対象側配管内の前記冷媒が第1熱交換手段に流入する量を調整可能な第6開閉弁と、第2冷却対象側配管における第2熱交換手段よりも下流側部分に設けられた第7開閉弁であり、第2熱交換手段によって熱交換された冷媒が流入口側配管に流入する量を調整可能な第7開閉弁と、を備え、開閉制御手段が、所定方法で取得された冷却対象の温度に基づいて、第6開閉弁及び第7開閉弁の開度制御を行うので、冷却対象の温度に基づいて第6開閉弁及び第7開閉弁の開度調整を行うことができ、冷却対象側配管内の冷媒の温度を効率的に調整することができる。
【0240】
付記14に記載の冷却システムによれば、検出手段の検出結果と、所定方法で取得された冷却対象の温度とに基づいて、圧縮手段の制御を行う圧縮制御手段を備えるので、冷媒の温度及び冷却対象の温度に基づいて圧縮手段の制御を行うことができ、圧縮手段の制御を効率的に行うことが可能となる。
【0241】
付記15に記載の冷却システムによれば、第1冷却対象側配管における第1熱交換手段よりも上流側部分内の冷媒と、第2冷却対象側配管における第2熱交換手段よりも下流側部分内の冷媒との熱交換を行うための冷媒熱交換手段を備えるので、第2冷却対象側配管のうち第2熱交換手段よりも下流側部分内の冷媒の温度を高めることができ、圧縮手段に乾燥した冷媒を流入させることが可能となる。
冷媒制御システムは、第1冷媒を貯めるための貯留部30と、第1循環流路61の流出口側配管62aに接続された第1サブ配管71aと、第1循環流路61の流入口側配管62bに接続された第2サブ配管71bと、流入口側配管62bに接続された第3サブ配管71cであり、流出口側配管62aの熱よりも低い第3サブ配管71cの熱を貯留部30内の第1冷媒に伝達可能となるように形成された第3サブ配管71cと、第1サブ配管71aに設けられた第1開閉弁72aと、第2サブ配管71bに設けられた第2開閉弁72bと、第3配管に設けられた第3開閉弁72cと、第2冷媒の設定温度に基づいて、第1開閉弁72a、第2開閉弁72b、及び第3開閉弁72cの開閉制御を行う開閉制御部と、を備える。