【文献】
Pantech,PUCCH resource allocation in response to E-PDCCH,3GPP TSG-RAN WG1#69 R1-122456,2012年 5月12日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_69/Docs/R1-122456.zip>
【文献】
CATT,PUCCH resource for E-PDCCH,3GPP TSG-RAN WG1#68b R1-121104,2012年 3月20日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_68b/Docs/R1-121104.zip>
【文献】
NTT DOCOMO,Views on PUCCH Resource Allocation for ePDCCH,3GPP TSG-RAN WG1#70 R1-123554,2012年 8月 5日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123554.zip>
【文献】
Panasonic,EPDCCH-PUCCH resource allocation for TDD,3GPP TSG-RAN WG1#70b R1-124545,2012年10月 4日,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70b/Docs/R1-124545.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ACK/NACK指標(ARI:ACK/NACK Resource Indicator)を含んだ制御信号を、1つまたは複数のE−PDCCH setの中からいずれか1つのE−PDCCH setを介して送信する送信部と、
前記ARIは、前記ARIの値に応じてACK/NACKリソースにオフセットを与えるものであって、前記ARIが指示するオフセット値を、前記ARIを送信したE−PDCCH setにおける拡張制御チャネル要素(eCCE)の個数に基づき決定し、決定した前記オフセット値に基づきACK/NACK信号が受信されるACK/NACKリソースを決定する制御部と、
決定された前記ACK/NACKリソースを用いてACK/NACK信号を受信する受信部と、
を具備する基地局。
前記制御部は、前記ARIの値に応じて、前記ARIによるオフセットなしで定まる動的ACK/NACKのACK/NACKリソースに対応する2次拡散系列(ブロックワイズ拡散系列)を、前記2次拡散系列と直交する直交符号への置き換え可否を決定する、
請求項1記載の基地局。
ACK/NACK指標(ARI:ACK/NACK Resource Indicator)を含んだ制御信号を、1つまたは複数のE−PDCCH setの中からいずれか1つのE−PDCCH setを介して送信し、
前記ARIが指示するオフセット値を、前記ARIを送信したE−PDCCH setにおける拡張制御チャネル要素(eCCE)の個数に基づき決定し、決定した前記オフセット値に基づきACK/NACK信号を受信するACK/NACKリソースを決定し、
決定された前記ACK/NACKリソースを用いてACK/NACK信号を受信する、
リソース割当方法。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project Radio Access Network)にて策定されたLTE(Long Term Evolution) Rel.8(Release 8)およびその拡張版であるLTE Rel.10(LTE-Advanced)といった規格がある。これらの規格では、基地局は、無線通信端末(「UE(User Equipment)」とも呼ばれる。以下、「端末」と記す)がデータを送受信するための制御情報を、下り回線のPDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下り制御チャネル)にて送信する(非特許文献1〜3)。
図1は、下り回線のサブフレーム構成を示す。サブフレーム内には、制御信号を送信するPDCCHとデータ信号を送信するPDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理下りデータチャネル)とが時間多重される。端末は、初めに、PDCCHによって自身に送信された制御情報を復号し、下り回線でのデータ受信に必要な周波数割り当て、および、適応制御などに関する情報を得る。その後、端末は、制御情報に基づき、PDSCHに含まれる自身のデータを復号する。また、PDCCHに上り回線でのデータ送信を許可する制御情報が含まれている場合には、端末は、制御情報に基づき上り回線のPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上りデータチャネル)にてデータを送信する。
【0003】
下り回線のデータ送受信には、誤り訂正復号と自動再送要求とを組み合わせたHARQ(Hybrid automatic request)が導入されている。端末は受信データの誤り訂正復号を行った後、データに付加されたCRC(Cyclic redundancy checksum)に基づき、データが正しく復号できているか否かを判定する。データが正しく復号できていれば、端末は、基地局に対してACKをフィードバックする。一方、データが正しく復号できなければ、端末は、基地局に対してNACKをフィードバックし、誤りが検出されたデータの再送を促す。このようなACK/NACK(確認応答、以下「A/N」と記す)のフィードバックは、上り回線で送信される。A/Nは、送信時点でPUSCHにデータ割り当てがなければPUCCH(Physical Uplink Control Channel:物理上り制御チャネル)にて送信される。一方、A/N送信時点でPUSCHにデータ割り当てがある場合、A/Nは、PUCCHまたはPUSCHいずれかにて送信される。このときPUCCH又はPUSCHのどちらで送信するかについては、基地局が予め端末に対して指示している。
図2は、PUSCHとPUCCHとを含む上り回線サブフレーム構成を示す。
【0004】
A/NをPUCCHで送信する場合には、複数の場合分けが存在する。例えば、A/Nの送信が周期的に上り回線で送信されるCSI(Channel state information)のフィードバックと重複した場合、PUCCH format 2a/2bが用いられる。また、下り回線において、複数のキャリアを束ねて送信するキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)がONとなっていて、かつキャリア数が3以上の場合には、PUCCH format 3が用いられる。一方、キャリアアグリゲーションがOFF、またはONでもキャリア数が2以下であって、A/N以外と上りスケジューリングリクエスト以外に送信する制御情報が無ければ、PUCCH format 1a/1bが用いられる。下りデータの方が上りデータよりも頻繁に送信されること、CSIフィードバックの周期は下りデータの割り当てよりも頻繁でないことを考慮すれば、A/NはPUCCH format 1a/1bで送信されることが最も多い。以下では、PUCCH format 1a/1bに着目して述べる。
【0005】
図3は、PUCCH format 1a/1bのスロット構成を示す。複数の端末が送信するA/N信号は、系列長4のウォルシュ系列および系列長3のDFT(Discrete Fourier Transform)系列により拡散され、符号多重して基地局で受信される。
図3において(W
0、W
1、W
2、W
3)および(F
0、F
1、F
2)はそれぞれ前述のウォルシュ系列およびDFT系列を表す。端末では、ACK又はNACKを表す信号が、まず周波数軸上でZAC(Zero auto-correlation)系列(系列長12[サブキャリア])によって1SC−FDMAシンボルに対応する周波数成分へ1次拡散される。すなわち、系列長12のZAC系列に対して複素数で表されるA/N信号成分が乗算される。次いで、1次拡散後のA/N信号および参照信号としてのZAC系列が、ウォルシュ系列(系列長4:W
0〜W
3。ウォルシュ符号系列(Walsh Code Sequence)と呼ばれることもある)およびDFT系列(系列長3:F
0〜F
2)によって2次拡散される。すなわち、系列長12の信号(1次拡散後のA/N信号、又は、参照信号としてのZAC系列(Reference Signal Sequence))のそれぞれの成分に対して、直交符号系列(Orthogonal sequence:例えばウォルシュ系列又はDFT系列)の各成分が乗算される。さらに、2次拡散された信号が、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)によって時間軸上の系列長12[サブキャリア]の信号に変換される。そして、IFFT後の信号それぞれに対しCP(Cyclic Prefix)が付加されて、7つのSC−FDMAシンボルからなる1スロットの信号が形成される。
【0006】
異なる端末からのA/N信号同士は、異なる巡回シフト量(Cyclic Shift Index)に対応するZAC系列、又は、異なる系列番号(Orthogonal Cover Index : OC index)に対応する直交符号系列を用いて拡散されている。直交符号系列は、ウォルシュ系列とDFT系列との組である。また、直交符号系列はブロックワイズ拡散符号系列(Block-wise spreading code)と称されることもある。従って、基地局は、従来の逆拡散及び相関処理を用いることにより、これら符号多重および巡回シフト多重された複数のA/N信号を分離することができる。なお、周波数リソースブロック(RB)あたりに符号多重および巡回シフト多重できるA/N数は限りがあるため、端末の数が多くなると異なるRBに周波数多重される。以下、A/Nが送信される符号−RBリソースをA/Nリソースと呼ぶ。A/Nリソースの番号は、A/Nを送信するRB番号と、そのRBにおける符号番号および巡回シフト量により決定される。ZAC系列の巡回シフトによる多重も一種の符号多重とみなせることから、以降では、直交符号および巡回シフトを併せて符号と記す場合がある。
【0007】
なお、LTEでは、PUCCHにおける他セルからの干渉を低減するために、セルIDに基づき使用するZAC系列が決定される。異なるZAC系列間では互いの相関が小さいため、異なるセル間で異なるZAC系列を用いることにより、干渉を小さくすることができる。また同様に、セルIDに基づく系列ホッピングおよび巡回シフトホッピング(Cyclic Shift Hopping)も導入されている。これらのホッピングでは、セルIDに基づき定められる巡回シフトホッピングパターンを用いて、巡回シフト軸上および直交符号軸上で互いの相関関係を保ちつつ、SC−FDMAシンボル単位で循環的にシフトさせる。これにより、セル内ではA/N信号が互いに直交関係を保ちながらも、他セルから強い干渉を受けるA/N信号の組合せをランダム化でき、一部の端末のみが他セルからの強い干渉を受け続けることがないようにすることができる。
【0008】
以下の説明では、1次拡散にZAC系列を用い、2次拡散にブロックワイズ拡散コード系列を用いる場合について説明する。しかし、1次拡散には、ZAC系列以外の、互いに異なる循環シフト量により互いに分離可能な系列を用いてもよい。例えば、GCL(Generalized Chirp Like)系列、CAZAC(Constant Amplitude Zero Auto Correlation)系列、ZC(Zadoff-Chu)系列、M系列または直交ゴールド符号系列等のPN系列、または、コンピュータによってランダムに生成された自己相関特性が急峻な系列等を1次拡散に用いてもよい。また、2次拡散には、互いに直交する系列、または、互いにほぼ直交すると見なせる系列であればいかなる系列をブロックワイズ拡散コード系列として用いてもよい。例えば、ウォルシュ系列またはフーリエ系列等をブロックワイズ拡散コード系列として2次拡散に用いることができる。
【0009】
ところでLTEでは、異なる端末に異なるA/Nリソースを割り当てる方法として、PDCCHの制御情報マッピング結果に基づく割り当てを採用している。すなわち、PDCCHの制御情報は複数の端末間で同一のリソースにマッピングされないことを利用し、PDCCHのリソースとPUCCH format 1a/1bのA/Nリソース(以下、単にA/Nリソースと記載する)とを1対1に対応付けている。以下、このことについて詳述する。
【0010】
PDCCHは1つ又は複数のL1/L2CCH(L1/L2 Control Channel)から構成される。各L1/L2CCHは、1つ又は複数CCE(Control Channel Element:制御チャネル要素)から構成される。すなわちCCEは、制御情報をPDCCHにマッピングするときの基本単位である。また、1つのL1/L2CCHが複数(2、4、8個)のCCEから構成される場合には、そのL1/L2CCHには偶数のインデックスを持つCCEを起点とする連続する複数のCCEが割り当てられる。基地局は、リソース割当対象端末に対する制御情報の通知に必要なCCE数に従って、そのリソース割当対象端末に対してL1/L2CCHを割り当てる。そして、基地局は、このL1/L2CCHのCCEに対応する物理リソースに制御情報をマッピングして送信する。また、ここで、各CCEはA/Nリソースと1対1に対応付けられている。従って、L1/L2CCHを受信した端末は、このL1/L2CCHを構成するCCEに対応するA/Nリソースを特定し、このリソース(つまり符号および周波数)を用いてA/N信号を基地局へ送信する。ただし、L1/L2CCHが連続する複数のCCEを占有する場合には、端末は、複数のCCEにそれぞれ対応する複数のPUCCH構成リソースのうち一番インデックスが小さいCCEに対応するA/Nリソース(すなわち、偶数番号のCCEインデックスを持つCCEに対応付けられたA/Nリソース)を利用して、A/N信号を基地局へ送信する。具体的には、次式(1)に基づきA/Nリソース番号n
PUCCHが定まる(例えば、非特許文献3参照)。
【数1】
【0011】
ここで、上記A/Nリソース番号n
PUCCHは、前述のA/Nリソース番号である。Nはセル内共通に与えられるA/Nリソースオフセット値を表し、n
CCEは当該端末に対するPDCCHがマッピングされたCCEのうち、一番インデックスが小さいCCEの番号を表す。式(1)より、n
CCEの取り得る範囲に応じて、一定範囲のA/Nリソースが使用され得ることがわかる。以下、このようにPDCCHの制御情報スケジューリングに依存してリソースが定まるA/Nリソースを、D−A/N(Dynamic A/N:動的ACK/NACK)と記載する。
【0012】
前述のように、A/Nリソースには符号リソースに加え周波数リソースが含まれている。上り回線ではPUCCH、PUSCHが同じ周波数帯域を共有しているから、D−A/Nを含むPUCCHの領域とPUSCHの帯域幅とはトレードオフとなる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0032】
[通信システムの概要]
図9は、本実施の形態に係る通信システムを示す。
図9に示す通信システムは、セル内の1つの基地局100と複数の端末200とから構成される。なお、
図9では、基地局100は、セル内に1つだけ設置されているが、光ファイバ等の大容量バックホールで接続されたピコ基地局又はRRH(Remote radio head)を同一セル内に分散配置するHetNet(Heterogeneous network)又はCoMP(Coordinated multipoint)等のシステム運用であってもよい。
【0033】
[基地局100構成]
図10は、基地局100の要部を示すブロック図である。
【0034】
基地局100は、
図10に示すように、複数の端末200へそれぞれ送信する複数の制御情報を生成する制御部110と、制御情報および送信データを無線送信用の信号に変換しアンテナ11を介して信号を無線送信する送信部120と、を備えている。
【0035】
制御部110は、下り回線のリソース割当情報等から各端末200の制御情報を生成する。また、制御部110は、各端末200に送信する制御情報をPDCCHまたはE−PDCCHにスケジューリングする。制御情報がE−PDCCHで送信される場合、制御情報は、あらかじめ端末200に対して設定された1つまたは複数のE−PDCCH setのうち、いずれか1つのE−PDCCH setにより送信される。また、E−PDCCH端末には、E−PDCCHに含まれるARIを用いて、A/Nリソース番号のオフセット値が通知される。したがって、制御部110は、ARIを含んだE−PDCCH端末の制御情報を生成して、送信部120へ出力する。
【0036】
ここで、ARIで指示するオフセットの値は、E−PDCCHの設定情報、すなわち端末に対して設定された1つまたは複数のE−PDCCH setにおけるそれぞれのA/Nリソースオフセット値、および、各E−PDCCH set中に含まれるeCCEの総数、などにより異なるものとする。
【0037】
送信部120は、送信データおよび制御情報が含まれる各チャネルの信号を無線送信する。すなわち、送信部120は、送信データをPDSCHで送信し、PDCCH端末の制御情報をPDCCHで送信し、E−PDCCH端末の制御情報をE−PDCCHで送信する。
【0038】
図11は、基地局100の詳細を示すブロック図である。
【0039】
詳細には、基地局100は、
図11に示すように、アンテナ11、制御情報生成部12、制御情報符号化部13、変調部14、17、データ符号化部15、再送制御部16、サブフレーム構成部18、IFFT部19、CP付加部20、および、無線送信部21等を備えている。また、基地局100は、無線受信部22、CP除去部23、逆拡散部24、相関処理部25、および、判定部26等を備えている。
【0040】
これらのうち、制御情報生成部12が主に制御部110(
図10)として機能し、制御情報符号化部13から無線送信部21ならびにデータ符号化部15から無線送信部21にかけた構成が主に送信部120(
図10)として機能する。
【0041】
基地局100は、下り回線にてPDCCH、E−PDCCH、PDSCHを送信する。また、基地局100は、上り回線にてA/N信号を運ぶPUCCHを受信する。なお、ここでは、説明が煩雑になることを避けるために、本実施の形態の特徴と密接に関連する下り回線のPDCCH、E−PDCCH、PDSCHの送信、および、その下り回線データに対するPUCCHの上り回線での受信に係わる構成部を主に示している。そして、上り回線データの受信に係わる構成部の図示および説明を省略する。
【0042】
基地局100が生成する下り回線の制御信号(リソース割当情報)とデータ信号(送信データ)は、それぞれ別個に符号化および変調され、サブフレーム構成部18へと入力される。
【0043】
まず、制御信号の生成について述べる。制御情報生成部12は、下り回線の割り当てを行う各端末200のリソース割り当て結果(リソース割当情報)と符号化率情報とから、各端末200への制御情報を生成する。端末200毎の制御情報には、どの端末200に宛てた制御情報であるかを示す端末ID情報が含まれる。例えば、制御情報の通知先の端末200のID番号でマスキングされたCRCビットが端末ID情報として制御情報に含まれる。ここで、PDCCHにマッピングされる制御情報とE−PDCCHにマッピングされる制御情報とで、異なる情報が含まれる。特にE−PDCCHにマッピングされる制御情報には、A/Nリソース番号の動的オフセット量を通知するためのARIが含まれる。生成した各端末200への制御情報は制御情報符号化部13へ入力される。
【0044】
制御情報符号化部13は、端末200ごとの制御情報を、符号化率情報に基づいて、それぞれ独立に符号化する。符号化は、PDCCHにマッピングされる制御情報とE−PDCCHにマッピングされる制御情報とで同じでも良いし異なっても良い。制御情報符号化部13の出力は、変調部14へ入力される。
【0045】
変調部14は、端末200ごとの制御情報をそれぞれ独立に変調する。変調は、PDCCHにマッピングされる制御情報とE−PDCCHにマッピングされる制御情報とで同じでも良いし異なっても良い。変調部14の出力は、サブフレーム構成部18へ入力される。
【0046】
次に、データ信号の生成について述べる。データ符号化部15は、各端末200に送信するデータビット系列(送信データ)に対して各端末200のIDに基づきマスキングされたCRCビットを付加し、それぞれ誤り訂正符号化する。データ符号化部15の出力は、再送制御部16へ入力される。
【0047】
再送制御部16は、端末200ごとの符号化送信データを保持しておき、初回送信時には送信データを変調部17へ出力する。一方、再送制御部16は、判定部26からNACK信号が入力された端末200、すなわち再送を行う端末200に対しては、その再送に対応する送信データを変調部17に出力する。
【0048】
変調部17は、入力された各端末200へのデータ符号化系列をそれぞれデータ変調する。変調系列は、サブフレーム構成部18へ入力される。
【0049】
サブフレーム構成部18は、リソース割当情報に基づいて、入力された制御情報系列とデータ系列をサブフレームの時間および周波数で分割されたリソースへとマッピングする。これにより、サブフレーム構成部18は、サブフレームを構成し、IFFT部19へと出力する。
【0050】
IFFT部19は、入力された送信サブフレームに対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を行い、時間波形を得る。得られた時間波形はCP付加部20へ入力される。
【0051】
CP付加部20は、サブフレーム内の各OFDMシンボルにCPを付加して無線送信部21へ出力する。
【0052】
無線送信部21は、入力したシンボルに対して搬送波周波数帯へ無線変調が行われ、アンテナ11を介して変調された下り回線信号を送信する。
【0053】
無線受信部22は、端末200のA/N信号を受信したアンテナ11からの入力を受け、無線復調が行われる。復調された下り回線信号はCP除去部23へと入力される。
【0054】
CP除去部23は、下り回線信号内の各SC−FDMA(Single Carrier-Frequency-Division Multiple Access)シンボルからCPを除去する。CP除去後のシンボルは逆拡散部24へ入力される。
【0055】
逆拡散部24は、符号多重された複数端末200のA/N信号から対象となる端末200のA/Nを取りだすため、対応する直交符号による逆拡散を行う。逆拡散後された信号は相関処理部25へと入力される。
【0056】
相関処理部25は、A/Nを取りだすためZAC系列による相関処理を行う。相関処理後の信号は、判定部26へと入力される。
【0057】
判定部26は、当該端末200のA/NがACK、NACKいずれであったか判定する。判定結果がACKであった場合、判定部26は再送制御部16に次のデータの送信を促す。一方、判定結果がNACKであった場合、判定部26は再送制御部16に再送を促す。
【0058】
[端末200の構成]
図12は、端末の要部を示すブロック図である。
【0059】
端末200は、アンテナ41を介して制御情報および下りデータを受信する受信部230と、制御情報に基づいてA/N信号を送信するリソースを決定する制御部220と、決定したリソースでA/N信号を送信する送信部210とを備えている。
【0060】
端末200は、E−PDCCHの制御情報を受信するよう設定されている場合に、E−PDCCH端末となり、PDCCHの制御情報を受信するよう設定されている場合に、PDCCH端末となる。また、端末200は、両方を受信するよう設定される場合もある。すなわち、両方受信するよう設定された端末200は、E−PDCCHとPDCCHの両方から制御情報の受信を試み、E−PDCCHから自身の制御情報を抽出できたらE−PDCCH端末に、PDCCHから自身の制御情報を抽出できたらPDCCH端末となる。特に通知や指定がない場合には、端末200は、PDCCH端末となる。
【0061】
さらに端末200は、自身の制御情報が含まれる可能性のあるE−PDCCH setの情報をRRC等の上位レイヤより通知されている。E−PDCCH setは1つであってもよいし、複数であってもよい。端末200は、複数のE−PDCCH setを設定された場合、それぞれのE−PDCCH setに対してE−PDCCHのブラインド検出を試みる。また、端末200は、複数のE−PDCCH setを設定された場合、自身のE−PDCCHを検出したPRBにより、いずれのE−PDCCH setが用いられたかを認識する。
【0062】
受信部230は、PDSCHを介して受信データを受信し、E−PDCCHまたはPDCCHを介して制御情報を受信する。すなわち、受信部230は、E−PDCCH端末200の場合には、E−PDCCHを介してARIを含んだ制御情報を受信し、PDCCH端末200の場合には、PDCCHを介して制御情報を受信する。受信部230は、受信した制御情報を制御部220へ出力する。
【0063】
制御部220は、E−PDCCH端末200である場合、受信データのA/N信号の送信リソースを、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setの設定情報およびA/Nリソースオフセット値、端末200に設定されているものの使用されなかった1つまたは複数のE−PDCCH setの設定情報およびA/Nリソースオフセット値、E−PDCCHがマッピングされた最小のeCCEインデックス、およびARIの値、などに基づいて、フィードバックに用いるA/Nリソースを同定する。また、制御部220は、PDCCH端末200である場合、従前のPDCCH端末と同様に、A/N信号の送信リソースを決定する。制御部220は、決定内容を送信部210へ出力する。
【0064】
送信部210は、決定されたリソースを使用して、受信データのA/N信号を無線送信する。
【0065】
図13は、端末の詳細を示すブロック図である。
【0066】
端末200は、詳細には、
図13に示すように、アンテナ41、無線受信部42、CP除去部43、FFT部44、抽出部45、データ復調部46、データ復号部47、判定部48、制御情報復調部49、制御情報復号部50、制御情報判定部51、制御処理部52、A/N信号変調部53、1次拡散部54、IFFT部55、CP付加部56、2次拡散部57、多重部58、および、無線送信部59を備えている。また、端末200は、参照信号用のIFFT部60、CP付加部61および拡散部62を備えている。
【0067】
これらのうち、制御処理部52が主に制御部220(
図12)として機能する。また、A/N信号変調部53から無線送信部59にかけた構成が主に送信部210として機能し、無線受信部42から判定部48および無線受信部42から制御情報判定部51にかけた構成が主に受信部230(
図12)として機能する。
【0068】
端末200は、下り回線でPDCCHまたはE−PDCCHにマッピングされた制御情報、および、PDSCHにマッピングされた下り回線データを受信する。また、端末200は、上り回線でPUCCHを送信する。ここでは、説明が煩雑になることを避けるために、本実施の形態の特徴と密接に関連する下り回線(具体的には、PDCCH、E−PDCCH、PDSCH)の受信、および、下り回線の受信データに対する上り回線(具体的には、PUCCH)での送信に係わる構成部のみを示す。
【0069】
無線受信部42は、基地局100から送信された下り回線信号を受信したアンテナ41からの入力を受け、無線復調を行い、CP除去部43へ出力する。
【0070】
CP除去部43はサブフレーム内の各OFDMシンボル時間波形からCPを除去し、FFT部44へ出力する。
【0071】
FFT部44は、入力された時間波形に対し、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調を行うためにFFT(Fast Fourier Transform)を行い、周波数領域におけるサブフレームを得る。得られた受信サブフレームは抽出部45へ入力される。
【0072】
抽出部45は、PDCCH領域またはE−PDCCH領域から自端末向けの制御情報を抽出する。PDCCH、E−PDCCHのいずれに制御情報が含まれているかという情報は、基地局100から予め指示されているものとする(図示せず)。なお、端末200はPDCCHとE−PDCCHの両方を観測し、いずれにより制御情報が送信されたとしても、受信できるとしてもよい。抽出部45は、制御情報の符号化率情報を用いて、自身の制御情報がマッピングされている可能性のある制御情報領域から1つまたは複数の制御情報候補を抽出し、制御情報復調部49へ出力する。また、抽出部45は、制御情報判定部51から結果が得られたら、自端末宛の制御情報に含まれるリソース割り当て結果に基づき、受信サブフレームから自端末向けのデータ信号を抽出する。得られたデータ信号はデータ復調部46へ入力される。
【0073】
制御情報復調部49は、入力された1つまたは複数の制御情報に対して復調を行い、制御情報復号部50へ出力する。
【0074】
制御情報復号部50は、制御情報の符号化率情報を用いて、入力された1つまたは複数の復調系列に対してそれぞれ復号を行う。復号結果は制御情報判定部51へ入力される。
【0075】
制御情報判定部51は、1つまたは複数の復号結果から、端末ID情報を用いて自端末宛の制御情報を判定する。判定には、制御情報に含まれる自端末ID情報でマスキングされたCRCビットなどが用いられる。制御情報判定部51は、自端末宛の制御情報があった場合、その制御情報を抽出部45へ出力する。また、制御情報判定部51は、その制御情報を制御処理部52へ出力する。
【0076】
制御処理部52は、PDCCH端末200の場合とE−PDCCH端末200の場合とで、異なる動作を行う。
【0077】
PDCCH端末200の場合、制御処理部52は、制御情報がマッピングされたリソース(CCE)番号から、式(1)に基づきA/N信号のリソース番号を求める。制御処理部52は、求めたA/N信号リソース番号から、1次拡散、2次拡散および参照信号に用いる各拡散符号と、PUCCHを送信する周波数リソースブロック(PRB)とを決定する。これらの情報は、1次拡散部54、2次拡散部57および参照信号の拡散部62へ入力される。
【0078】
一方、E−PDCCH端末200の場合、制御処理部52は、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setの設定情報およびA/Nリソースオフセット値、端末200に設定されているものの使用されなかった1つまたは複数のE−PDCCH setの設定情報およびA/Nリソースオフセット値、E−PDCCHがマッピングされた最小のeCCEインデックス、およびARIの値、などに基づいて、フィードバックに用いるA/Nリソースを同定する。制御処理部52は、指示されたA/Nリソース番号に対応する1次拡散、2次拡散および参照信号に用いる各拡散符号と、PUCCHを送信する周波数リソースブロック(PRB)とを決定する。そして、制御処理部52は、各拡散符号をそれぞれ1次拡散部54、2次拡散部57および参照信号の拡散部62へ出力する。
【0079】
データ復調部46は、入力された自端末向けのデータ信号を復調する。復調結果はデータ復号部47へ入力される。
【0080】
データ復号部47は、入力された復調データに対して復号を行う。復号結果は判定部48へ入力される。
【0081】
判定部48は、端末200のIDでマスキングされたCRCを用いて、復号結果が正しいか否かを判定する。復号結果が正しい場合には、判定部48は、ACK信号をA/N信号変調部53へ出力し、また、受信データを取りだす。復号結果が正しくない場合には、判定部48は、NACK信号をA/N信号変調部53へ出力する。
【0082】
A/N信号変調部53は、入力信号がACKであるかNACKであるかによって値の異なる変調シンボルを生成する。生成された変調シンボルは、1次拡散部54へ入力される。
【0083】
1次拡散部54は、制御処理部52より入力されたZAC系列を用いてA/N信号を1次拡散し、1次拡散後のA/N信号をIFFT部55に出力する。ここで、循環シフトホッピングに用いる循環シフト量はSC−FDMA単位で異なるため、1次拡散部54は、SC−FDMAシンボル毎に異なる循環シフト量を用いてA/N信号を1次拡散する。
【0084】
IFFT部55は、1次拡散部54から入力されたSC−FDMAシンボルごとにIFFTを行い、得られる時間波形をCP付加部56へ出力する。
【0085】
CP付加部56は、入力されたSC−FDMA時間波形ごとにCPを付加し、この信号を2次拡散部57へ出力する。
【0086】
2次拡散部57は、CP付加後のSC−FDMA時間波形に対し、ブロックワイズ拡散コード系列を用いて2次拡散を行う。拡散符号は、制御処理部52によって指示された符号が用いられる。2次拡散された系列は多重部58へ入力される。
【0087】
多重部58は、参照信号の拡散部62と2次拡散部57とからそれぞれ入力された2つの系列を時間多重し、PUCCHサブフレームを構成する。時間多重された信号は無線送信部59へ入力される。
【0088】
無線送信部59は、入力された信号に対して搬送波周波数帯へ無線変調を行い、アンテナ41から上り回線信号を無線送信する。
【0089】
IFFT部60は、参照信号に対してIFFTを行い、得られる時間波形をCP付加部61へ出力する。
【0090】
CP付加部61は、入力された参照信号の時間波形にCPを付加し、この信号を拡散部62へ出力する。
【0091】
拡散部62は、CP付加後の時間波形に対し拡散を行う。拡散符号は、制御処理部52によって指示された符号が用いられる。拡散された系列は多重部58へ入力される。
【0092】
[動作]
本実施の形態の基地局100及び端末200の処理フローをステップ(1)〜(7)で説明する。
【0093】
ステップ(1):基地局100は、PDSCHの送受信よりも前に、E−PDCCHで制御情報を送信し得る端末200に対し、E−PDCCHの使用を通知しておく。なお、基地局100は、E−PDCCHで送信しない端末200には、特に通知を行わなくても良い。端末200も、特に通知が無い、または認識できない場合には、PDCCHで制御情報が送信されるものとして制御情報を受信する。また、基地局100は、E−PDCCHで制御情報を送信する可能性がある端末200には、PDSCHの送受信よりも前に、使用する可能性のある1つまたは複数のE−PDCCH setの設定情報を通知しておく。この設定情報には、各E−PDCCH setに含まれる周波数リソースブロック(PRB)の個数、周波数ポジション、各E−PDCCH setに対応するA/Nリソースオフセット値、各E−PDCCH setがLocalizedモードかDistributedモードか、などがある。ここでLocalizedモードとは、eCCEが1つのPRBにより送信されるモードであり、Distributedモードとは、eCCEがさらに複数の構成要素に分割され、異なる2つ以上のPRBに分散して送信されるモードをいう。
【0094】
ステップ(2):基地局100は、各サブフレームにおいてデータを割り当てる端末200を決定し、PDSCH内にスケジューリングする。スケジューリングには、各端末200へのトラフィック量に加え、端末200が送信するCSIフィードバックまたはサウンディング参照信号(SRS)なども利用される。
【0095】
ステップ(3):基地局100は、スケジューリング結果を含む制御情報を各端末200宛に生成し、それらをPDCCHまたはE−PDCCHにスケジューリングする。基地局100は、複数のE−PDCCH setが設定された端末200に対しては、E−PDCCHを送信するE−PDCCH setを決定し、そのE−PDCCH setの中で制御情報のスケジューリングを行う。
【0096】
また、基地局100は、制御情報をスケジューリングしたすべての端末200間で、A/Nリソースの衝突が起こらないか確認する。A/Nリソースの衝突が起こる場合には、基地局100は、E−PDCCH制御情報に含まれるARIで動的オフセットを与えることで、A/Nリソースの衝突を回避できるか調べる。基地局100は、衝突が回避できる場合、その動的オフセットを端末200に指示する。基地局100は、ARIを用いてもA/Nリソースの衝突を回避できない場合、衝突が起こる複数の端末200のうち1つを残し、残りの端末200に対するスケジューリングを諦める(割り当てブロック)。
【0097】
なお、ARIによりオフセットさせる値は、対象端末200に設定された1つまたは複数のE−PDCCH setと、それに対応する各Dynamic A/N領域の設定、および、実際にE−PDCCH制御情報が送信されるE−PDCCH setの設定により異なる。以下、条件ごとにARIによりオフセットさせる値について詳述する。
【0098】
ステップ(3A):基地局100は、E−PDCCH制御情報を送信する対象端末200に対し、E−PDCCH setを1つしか設定していない場合、ARIにより小さなオフセット値を通知する。このオフセット値はあらかじめ規定されたものであり、例えばARIが1ビットのとき、ARI=0ならば0、ARI=1ならば+1、などである。
【0099】
ステップ(3B):基地局100は、E−PDCCH制御情報を送信する対象端末200に対し、E−PDCCH setを複数設定しているものの、送信するE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、当該端末200に設定されている他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複していない場合、E−PDCCH setを1つしか設定していない場合と同様、ARIにより小さなオフセット値を通知する。このオフセット値は、例えばARIが1ビットのとき、ARI=0ならば0、ARI=1ならば+1、などである。
【0100】
ステップ(3C):基地局100は、E−PDCCH制御情報を送信する対象端末200に対し、E−PDCCH setを複数設定していて、送信するE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、当該端末200に設定されている他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複している場合、ARIにより大きなオフセット値を通知する。このオフセット値は、例えばARIが1ビットのとき、ARI=0ならば0、ARI=1ならば+16、などである。
【0101】
以上のように、ステップ(3)では、端末200のE−PDCCH制御情報が送信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、同一端末200に設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複しているか否かでARIの値を変える。そして重複していない場合、ARIのオフセット値を小さな値とし、重複している場合、ARIのオフセット値を大きな値とする。
【0102】
ステップ(4):基地局100は、全端末200の制御情報スケジューリングが終了したら、PDCCHおよびE−PDCCHの制御情報とPDSCHの下りデータとを下り回線で無線送信する。
【0103】
ステップ(5):端末200は、受信信号から自端末宛の制御情報を得て、データ信号の抽出および復号を行う。また、端末200は、制御情報をもとに受信データ信号に対応するA/N信号を送信する符号および周波数のリソースを特定する。特にE−PDCCH端末200は、以下のようにしてA/Nリソースを特定する。
【0104】
ステップ(6):まず、E−PDCCH端末200は、自端末に設定された1つまたは複数のE−PDCCH setに対応する1つまたは複数のDynamic A/N領域が、互いに重複するか否かを調べる。そして、E−PDCCH端末200は、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が他のE−PDCCH setのDynamic A/N領域と重複しているか否かに応じて、ARIによる動的オフセットの値を読み替える。
【0105】
ステップ(6A):E−PDCCH setが1つしか設定されていないE−PDCCH端末200は、ARIによる動的オフセットの値が小さいものとしてA/Nリソースを決定する。小さいオフセットとは、例えばARIが1ビットのときARI=0では0、ARI=1では+1などであり、あらかじめ定められた値である。
【0106】
ステップ(6B):E−PDCCH setが複数設定されているものの、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複していないE−PDCCH端末200は、E−PDCCH setが1つしか設定されていないE−PDCCH端末200と同様、ARIによる動的オフセットの値が小さいものとしてA/Nリソースを決定する。小さいオフセットとは、例えばARIが1ビットのときARI=0では0、ARI=1では+1などであり、あらかじめ定められた値である。
【0107】
ステップ(6C):E−PDCCH setが複数設定されていて、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複しているE−PDCCH端末200は、ARIによる動的オフセットの値が大きいものとしてA/Nリソースを決定する。大きいオフセットとは、例えばARIが1ビットのときARI=0では0、ARI=1では+16などであり、あらかじめ定められた値である。
【0108】
ステップ(7):端末200は、データ信号の判定結果に応じてACKまたはNACKを特定し、上記のように特定したA/Nリソース(符号および周波数のリソース)を用いてA/N信号を送信する。
【0109】
[効果]
以上のように、本実施の形態の基地局100および端末200によれば、制御情報が送信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が他のDynamic A/N領域と重複するか否かで、ARIのオフセット値を変える。これにより、端末数またはトラフィックに応じて適切なARIオフセット値を設定できる。
【0110】
例えば端末数が多い場合、複数のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域それぞれに含まれるA/N信号の数が多くなる。したがって、Dynamic A/N領域を重複させる運用を行うと頻繁にA/Nリソースの衝突が生じてしまうことから、上位レイヤによるA/Nリソースオフセットを用いて異なるDynamic A/N領域が重複しないよう設定する運用が考えられる。
【0111】
このようにDynamic A/N領域が他と重複しない場合に、ARIのオフセットを大きな値としてしまうと、PUSCHに使用できる上りリソースがより減少してしまうことになる。本実施の形態では、Dynamic A/N領域の重複がないときにはARIによるオフセットは小さい値とするため、オフセットを加算したときでも、PUCCHオーバーヘッドの増大、すなわちPUSCHに使用できる上りリソースの減少を最小限に抑えることができる。2つのE−PDCCH set (1)、(2)が設定され、Dynamic A/N領域が重複しないよう運用されている場合の本実施の形態におけるARIの動的オフセットを用いる一例を
図14Aに示す。
【0112】
また、例えば端末数が少ない場合、複数のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域それぞれに含まれるA/N信号の数が少なくなる。したがって、Dynamic A/N領域を重複させない運用を行うとA/Nリソースの利用効率が落ちることから、上位レイヤによるA/Nリソースオフセットを用いて異なるDynamic A/N領域が重複するよう設定する運用が考えられる。
【0113】
このようにDynamic A/N領域が他と重複する場合に、ARIで小さなオフセットしか与えられないとすると、Dynamic A/N領域の中でA/Nリソースを選択しなければならず、A/Nリソースの衝突を回避できない可能性がある。本実施の形態では、Dynamic A/N領域の重複があるときにはARIによるオフセットは大きい値とするため、ARIを用いてA/Nリソースの衝突を回避できる確率を高めることができる。2つのE−PDCCH set (1)、(2)が設定され、Dynamic A/N領域が重複するよう運用されている場合の本実施の形態におけるARIの動的オフセットを用いる一例を
図14Bに示す。
【0114】
また、本実施の形態によれば、E−PDCCH setの運用状況およびパラメータに応じて適切なARIのオフセットを切り替えるため、例えばRRCなど上位レイヤの通知によりARIオフセットの値を変更する方法と比べて、追加のシグナリングを必要としない。これにより下りリンクでのオーバーヘッドを増加させずに適切なオフセットをARIで選択することができる。
【0115】
なお、3つ以上のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が同時に重複している場合には、本実施の形態と同じルールによりARIの動的オフセットの値を決定すればよい。
【0116】
一方、3つ以上のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が同時に重複している場合に、E−PDCCH制御情報が送信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、特定のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複している場合にのみ、ARIの動的オフセット値を大きな値に設定してもよい。言い換えれば、特定のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複しないかぎり、E−PDCCH制御情報が送信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が重複していないものとしてARIの動的オフセット値を設定してもよい。
【0117】
このようにすることで、特定のDynamic A/N領域が重複しない限りARIの動的オフセット値は小さく設定できるので、不要なPUCCHオーバーヘッドの増加を抑えることができる。
【0118】
(バリエーション1)
E−PDCCH setが複数設定されていて、E−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複している場合、ARIによる動的オフセットの値を、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域のA/Nリソース総数の関数、例えばDynamic A/N領域に含まれるA/Nリソースの総数と同一、またはDynamic A/N領域に含まれるA/Nリソース総数に定数を加えたものになるように定める。ここで、A/Nリソースの総数は、当該E−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに含まれるPRBの数とPRBあたりのeCCEの個数とにより一意に定まる値である。
【0119】
なお、バリエーション1では、E−PDCCH setが1つのみしか設定されていない場合、あるいはE−PDCCH setは複数設定されているが、E−PDCCH制御情報が送受信されるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複していない場合には、本実施の形態と同様にARIによる動的オフセットは小さい値、例えばARIが1ビットの場合、ARI=0ならば0、ARI=1ならば+1などとする。
【0120】
このようにすることで、E−PDCCH setの設定に応じてARIによる動的オフセットの値を適切に設定することができる。E−PDCCH setに含まれるPRBの個数は上位レイヤにより設定することができ、なおかつE−PDCCH setによって異なる設定にできる場合、対応するDynamic A/N領域の大きさも、E−PDCCH setごとに異なる可能性がある。上記実施の形態のように、重複した場合のARIによる動的オフセットの値が固定の場合、さまざまなDynamic A/N領域の大きさに対応できない。例えばDynamic A/N領域の大きさがARIによる動的オフセットの値よりも十分大きい場合、オフセットを加えたときに別の端末200のA/Nリソースと衝突する可能性がある。反対に、Dynamic A/N領域の大きさがARIによる動的オフセットの値よりも十分小さい場合、オフセットを加えることでオーバーヘッドの増大が大きい。したがってDynamic A/N領域の大きさによりARIの動的オフセット値を変えることで、A/Nリソース衝突確率を下げつつPUSCHのリソース減少量を抑えることができる。
図15に、2つの異なるPRB数が設定されたE−PDCCH set (1)、(2)が運用されており、両者のDynamic A/N領域が重複していて、バリエーション1の方法でARIによりA/Nリソースの衝突を回避する場合の例を示す。
【0121】
(バリエーション2)
E−PDCCH setが複数設定されていて、E−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複している場合、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と、設定された他のDynamic A/N領域とが重複しているリソースの量に応じてARIの動的オフセット値を変える。
【0122】
このようにすることで、Dynamic A/N領域が部分的に重複している場合に、適切な動的オフセットを設定することができる。例えば、2つのE−PDCCH set (1)、(2)が運用されており、両者のDynamic A/N領域が部分的に重複している場合にARIで大きなオフセットを行うと、PUCCHのオーバーヘッドが大きくなってしまう。したがって、重複する部分の大きさに応じてオフセットの値を変えることで、過剰なオーバーヘッド増大を引き起こすことなく、衝突回避を実現できる。
【0123】
具体的なオフセットの値としては、重複するA/Nリソースの数と同数またはそれに定数を加えたものとする方法がある。
図16Aに、2つのE−PDCCH set (1)、(2)が設定され、それらに対応するDynamic A/N領域が部分的に重なっているときの例を示す。この例では、E−PDCCH set (2)に対応するDynamic A/N領域の全てのA/NリソースがARIによりオフセットした状態が、PUCCHオーバーヘッドが最大となった状態になる。バリエーション2の方法では、
図16Bのように、PUCCHのオーバーヘッドが最大となった状態は、2つのE−PDCCH set (1)、(2)に対応するDynamic A/N領域を重複させず、隣接する上りリソースに配置した時と同じになる。これは、ARIのオフセット値がDynamic A/N領域の総A/Nリソース数に等しいとしているバリエーション1よりも小さいオーバーヘッドである。
【0124】
以上のように、バリエーション2では、複数のDynamic A/N領域が部分的に重複する運用において、ARIによるオフセットをオーバーヘッドの増加を抑える適切な値とすることができる。
【0125】
なお、バリエーション2において、Dynamic A/N領域間の位置関係に応じて、ARIによるオフセット値を異なるものとしても良い。すなわち、Dynamic A/N領域の末尾のA/Nリソースが、重複するDynamic A/N領域の末尾のA/Nリソースよりもインデックスが小さいDynamic A/N領域(
図16Aでは、E−PDCCH set (1)に対応するDynamic A/N)では、ARIの値を小さな値、すなわちARIが1ビットの場合には、ARI=0で0、ARI=1で+1、などとしても良い。
【0126】
このようにすることで、部分的に重複する複数のDynamic A/N領域のうち、末尾のA/Nリソースインデックスが小さいDynamic A/N領域に対応するE−PDCCH setを主にマルチユーザMIMO用として用いる、といった運用が可能となる。すなわち、E−PDCCH setごとにARIのオフセット値を異なる値に出来るため、E−PDCCH setごとに異なる運用を行うことができる。
【0127】
(バリエーション3)
E−PDCCH setが複数設定されていて、E−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複している場合、受信したE−PDCCH制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域に設定されたA/Nリソースオフセットと、それに重複する他のDynamic A/N領域用に設定されたA/Nリソースオフセットとの差分に応じて、ARIの動的オフセット値を変える。
【0128】
バリエーション2では、Dynamic A/N領域が部分的に重複している場合に、適切な動的オフセットを設定することができるものの、互いに重複するDynamic A/Nリソースの量を計算しなければならず、端末200に演算負荷がかかる。一方、バリエーション3のようにA/Nリソースオフセットの差分のみからARIの動的オフセット値を求めることで、重複リソース量を求める演算が不要になるので、より簡易な構成の端末200で同等の効果を得ることができる。特に重複するDynamic A/N領域の大きさが同じ場合には、バリエーション3の効果はバリエーション2と同じになる。
【0129】
(バリエーション4)
E−PDCCH setが複数設定されたとき、特定の下りPRBが、複数のE−PDCCH setに同時に属する場合がある。
図17に例を示す。
図17では、2つのE−PDCCH set (1)、(2)が設定されていて、いずれにも属するPRBでE−PDCCH制御情報が送受信されている。このような場合、端末200は、受信したE−PDCCH制御情報がいずれのE−PDCCH setに属するか判別できない。これでは、A/Nリソースオフセットがいずれであるかわからないため、端末200は、A/N信号を送信するA/Nリソースを決定することができない。さらに、端末200は、ARIによる動的オフセットの値を判別することができない。
【0130】
そこで、バリエーション4では、端末200は、複数のE−PDCCH setに同時に属するPRBからE−PDCCH制御情報を受信し、いずれのE−PDCCH setに属するか判別できない場合、それら複数のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域のA/Nリソースを求め、最もPUSCHリソース領域から遠いDynamic A/N領域に含まれるリソースとしてA/Nリソースを決定する。また、ARIの動的オフセットの値は、当該Dynamic A/N領域が他のDynamic A/N領域と重複するかどうかで決定する。
【0131】
このようにすることで、いずれのE−PDCCH setに属するか判別できないPRBで送信されたE−PDCCH制御情報に対応するA/N信号を、オーバーヘッド増加の影響が小さいA/Nリソースで送信し、PUSCHリソースの減少を抑えることができる。
【0132】
[変形例1]
E−PDCCH setが複数設定されているとき、それぞれのE−PDCCH setのPRB数が異なる場合、それぞれに対応するDynamic A/N領域の大きさが異なる。このような場合に、制御情報が属するE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複しているとき、重複相手となるDynamic A/N領域の大きさに応じて、ARIの動的オフセット値を変える。特に、E−PDCCH制御情報が含まれるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域にとって、重複相手のDynamic A/N領域が大きいほど、ARIの動的オフセットの値を小さくする。
【0133】
E−PDCCHに収容される端末数がsetによらず大きく変わらない運用の場合、Dynamic A/N領域が大きいほど、収容されるA/Nリソースの密度は小さくなる。換言すれば、Dynamic A/N領域が重複している場合に、A/Nリソースの衝突が起こる確率が小さくなる。したがって、重複相手のDynamic A/N領域が相対的に大きいときにARIの動的オフセットの値を小さくしても、A/Nリソースの衝突確率は増加しない。したがって、ARIの動的オフセットの値を小さくし、PUCCHリソースのオーバーヘッド増加を回避することができる。
【0134】
なお、E−PDCCH制御情報が含まれるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域にとって、重複相手のDynamic A/N領域が大きいほど、ARIの動的オフセットの値を大きくしてもよい。
【0135】
Dynamic A/N領域が大きいほど、収容可能なA/Nリソースの数が多くなる。したがって、E−PDCCH setに含まれるPRBの数が増えるほど、Dynamic A/N領域が重複している場合に、A/Nリソースの衝突が起こる確率が小さくならない。したがって、重複相手のDynamic A/N領域が相対的に大きいときにARIの動的オフセットの値を大きくすることで、A/Nリソースの衝突を確実に回避できる。
【0136】
[変形例2]
通信システムでは、PDCCHとE−PDCCHの両方が同時運用される可能性がある。
【0137】
このような場合には、PDCCHに対応するDynamic A/Nと、E−PDCCHに対応するDynamic A/Nとが混在することになる。前述のように、PDCCHに対応するDynamic A/NのA/Nリソースは式(1)により決定される。
【0138】
また、PDCCH、E−PDCCHの各A/Nリソースオフセットおよび各Dynamic A/N領域に含まれるA/Nリソース総量によっては、PDCCHのDynamic A/N領域と、E−PDCCHのDynamic A/N領域とが重複することも考えられる。
【0139】
そこで、E−PDCCH端末200は、下りサブフレームに含まれる、PDCCHのサイズを指示する制御情報PCFICHを受信してPDCCHに対応するDynamic A/N領域を割り出し、E−PDCCH制御情報が含まれるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域とPDCCHに対応するDynamic A/N領域とが重複するかどうか調べ、その結果に応じてARIのオフセット値を異なるものにすることもできる。
【0140】
E−PDCCH制御情報が含まれるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域とPDCCHに対応するDynamic A/N領域とが重複する場合、ARIのオフセット値を大きな値に設定することで、A/Nリソースの衝突を確実に回避できる。一方、E−PDCCH制御情報が含まれるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域とPDCCHに対応するDynamic A/N領域とが重複しない場合、ARIのオフセット値を小さな値に設定することで、PUCCHのオーバーヘッド増大を抑えることができる。すなわち、E−PDCCH制御情報が含まれるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域とPDCCHに対応するDynamic A/N領域との間で、上記実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0141】
[変形例3]
上記実施の形態では動的オフセットの例として0および正の値(+1、+16など)を挙げたが、動的オフセットの値は負の値(−1、−16など)であっても良い。
【0142】
番号が大きなA/Nリソースを用いるほど、オーバーヘッドが大きくなり、PUSCHのリソースを減少させる。したがってARIでA/Nリソース番号に正のオフセットを与えるほど、PUCCHのオーバーヘッドが大きくなってしまう。そこで動的オフセットに負の値を用いることで、PUSCHのリソースを減少させる程度を減らすことができる。
【0143】
[変形例4]
上記実施の形態では、E−PDCCH制御情報が送信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複しない場合には、A/Nリソース番号にARIにより0または小さな値のオフセットを加算するとした。しかし、この場合に、動的オフセットを加算する代わりに、オフセット無しとして定まるA/Nリソースで決定される周波数リソースブロック(PRB)、1次拡散系列、2次拡散系列(ブロックワイズ拡散系列)のうち、2次拡散系列(ブロックワイズ拡散系列)の符号を変える、としても良い。すなわち、例えばARIが1ビットの場合、ARI=0ならばオフセット無しで定まるA/Nリソースをそのまま用い、ARI=1ならばオフセット無しで定まるA/Nリソースの2次拡散系列を、それと直交する拡散系列で置き換える。
【0144】
A/Nリソースのオフセットが小さい場合、複数端末のA/Nリソースは、同一PRBにおいて一次拡散系列で多重される可能性が高い。しかし、1次拡散系列では巡回シフトによる多重が用いられるため、多重端末間で遅延スプレッド差が小さい場合には問題ないが、遅延スプレッド差が大きい場合にはA/N信号間で干渉が残留する。
【0145】
一方、2次拡散符号はブロックワイズ拡散系列であるため、遅延スプレッド差が大きい端末間も、逆拡散時に干渉の影響を抑えて分離することができる。
【0146】
したがって、変形例4の方法を用いることにより、Dynamic A/N領域が重複していない場合に、遅延スプレッド差が大きい端末200をマルチユーザMIMOする運用において、より干渉の少ない2次拡散系列による多重を行い、より高品質にA/N信号を多重することができる。
【0147】
また、2次拡散系列を置き換えるだけならばPRBが変わる事はないので、PUCCHオーバーヘッドの増加も生じない。したがって、PUSCHのリソースを大きく取ることができ、上りスループットの劣化を防ぐことができる。
【0148】
[変形例5]
上記実施の形態では、複数のE−PDCCH setが設定された場合に、その各Dynamic A/N領域の重複関係に応じてARIの動的オフセットの値を変えるとした。しかし、他のDynamic A/N領域の重複関係に関わらず、E−PDCCH制御情報が送受信されるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域のA/Nリソースオフセットの絶対値に応じてARIオフセットの値を変えても良い。
【0149】
A/Nリソースオフセットの値が大きいほど、PUSCHのリソースを減少させる確率が高くなる。反対に、A/Nリソースオフセットの値が小さいほど、PDCCHのDynamic A/N領域または他のE−PDCCH setのDynamic A/N領域と重複する可能性が高くなるため、A/Nリソースの衝突確率が高くなる。したがって、A/Nリソースオフセットの値が大きいほど、ARIの動的オフセットの値を小さくすることで、A/Nリソースの衝突を回避したときのPUSCHリソース減少量を小さく抑えられる。また、A/Nリソースオフセットの値が小さいほど、ARIの動的オフセットの値を大きくすることで、A/Nリソース衝突回避確率を上げることができる。
【0150】
ここまで、ARIが1ビットの場合の例を示してきたが、ARIは2ビット以上であっても良い。例えばARIが2ビットの場合、4値のうち1値を0(オフセット無し)に対応させ、別の1値を前述の動的オフセット加算に対応させることで、ここまで述べた実施の形態、そのバリエーションあるいは変形例を実現することができる。残りの2値は固定のオフセットを指示する値であっても良いし、ここまで述べた実施の形態、そのバリエーションあるいは変形例で示した動的オフセットの値の関数で得られるオフセット値を指示する値であっても良い。
【0151】
このようにARIのビット数を増やすことで、前述の効果を得つつ、別の動的オフセット候補を持つことができるので、さらにA/Nリソース衝突確率を下げることができる。
【0152】
また、さらに、E−PDCCH制御情報が送受信されるE−PDCCH setがDistributedモードかLocalizedモードかに応じて、ARIの動的オフセットの値を変えても良い。換言すれば、E−PDCCH制御情報が送受信されるE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定された他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複するか否か、そしてE−PDCCH制御情報が送受信されるE−PDCCH setがDistributedモードかLocalizedモードか、という4つの条件に応じて、ARIによる動的オフセットの値を変えても良い。ここで、Distributedモードとは、E−PDCCH制御情報を構成する各拡張制御チャネル要素(eCCE)がさらに小さな要素ブロックに分割され、E−PDCCH setを構成する1つまたは複数のPRBに拡散されて送信されるモードである。Localizedモードとは、各eCCEがE−PDCCH setを構成する単一PRBの中に閉じて配置される(すなわち拡散されない)モードである。Distributedモードは、チャネル状態または受信品質によらず様々な端末200が受信できるE−PDCCHとして用いられる可能性が高く、Localizedモードは、特定の周波数帯域においてチャネル状態または受信品質が良い端末200に用いられる可能性が高い。
【0153】
例えば、E−PDCCH制御情報がDistributedモードのE−PDCCH setに属するとき、ARIの動的オフセットの値をより大きくし、LocalizedモードのE−PDCCH setに属するとき、ARIの動的オフセットの値をより小さくする。
【0154】
このようにすることで、E−PDCCH setの送信モードに応じて適切なARI動的オフセットを設定することが可能となる。すなわち、Distributedモードはより状態の悪い端末200が受信できることを想定しており、遅延スプレッドの大きな端末を収容できなければならない。したがって動的オフセットをより大きな値に設定することで、A/Nリソース間の距離を離し、より大きな遅延スプレッドでも互いに干渉しないように配置できる。一方、Localizedモードはチャネル状態または受信品質の良い端末200のみが受信することを想定しており、遅延スプレッドの大きな端末は存在しない可能性が高い。したがって動的オフセットをより小さな値に設定することで、A/Nリソース間の距離を詰め、より多くの端末のA/N信号を効率よく収容できるように配置できる。
【0155】
また、さらに、上記ではE−PDCCH制御情報が送受信されるE−PDCCH setが互いに独立であるとして述べたが、E−PDCCH setは包含関係にある可能性もある。すなわち、2つのE−PDCCH set(1)、(2)が設定された場合、E−PDCCH set (1)に含まれるPRBは、すべてE−PDCCH set (2)に含まれる(E−PDCCH set (1)は、E−PDCCH set (2)のサブセットである)可能性もある。
【0156】
このような場合にはいずれのPRBもE−PDCCH set (2)に属することになるが、ARIの動的オフセット値は、2つのE−PDCCH set両方に属するPRBでE−PDCCH制御情報が送信されたらE−PDCCH set (1)に対応する動的オフセット値とし、E−PDCCH set (2)のみに属するPRBでE−PDCCHが送信されたらE−PDCCH set (2)に対応する動的オフセット値とすれば良い。これにより、使用するPRBに応じて異なるARIオフセット値を取ることができるため、A/Nリソース制御の自由度を高めることができる。
【0157】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0158】
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0159】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0160】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0161】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0162】
<発明の一態様の概要>
続いて、本開示に係る一態様の概要を記載する。
【0163】
本開示の第1態様は、ACK/NACK指標(ARI:ACK/NACK Resource Indicator)を含んだ制御信号を、1つまたは複数のE−PDCCH setの中からいずれか1つのE−PDCCH setを介して受信する受信部と、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複しているか否かに応じて決定し、前記ARIの値に応じてACK/NACKリソースにオフセットを与える制御部と、決定された前記ACK/NACKリソースを用いてACK/NACK信号を送信する送信部と、を具備する無線通信端末である。
【0164】
第1態様によれば、E−PDCCH制御情報が送受信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定されてはいるものの他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複する場合、重複しない場合のそれぞれで、ARIによる動的オフセット値を切り替えることができる。そしてこの切り替えにより、複数のDynamic A/N領域同士が重複する場合にはARIで指示するオフセット値を小さくしてさらなるPUCCHオーバーヘッド増大を抑え、重複しない場合にはARIで指示するオフセット値を大きくしてA/Nリソースの衝突を回避することができる。よって、Dynamic A/N領域の運用状況に応じて、A/Nリソースの衝突回避およびPUCCHオーバーヘッド抑圧に寄与できる。また、これらを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0165】
本開示の第2態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と同じまたはそれに定数を加えたものとして決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第1態様の無線通信端末である。
【0166】
第2態様によれば、E−PDCCH setに含まれるPRBの個数に応じて異なり得るDynamic A/N領域の大きさに応じて、PUCCHリソースのオーバーヘッドを過剰に増加させず、A/Nリソースの衝突確率低減を実現するための適切なARIオフセット値とすることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0167】
本開示の第3態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースと他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とで重複しているリソースの数により決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第1態様の無線通信端末である。
【0168】
第3態様によれば、E−PDCCH制御情報がDynamic A/N領域が部分的に重複する場合に、PUCCHリソースのオーバーヘッドを過剰に増加させず、A/Nリソースの衝突確率低減を実現するための適切なARIオフセット値とすることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0169】
本開示の第4態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応して上位レイヤから通知されるACK/NACKリソースオフセットの値と他のE−PDCCH setに対応して上位レイヤから通知されるACK/NACKリソースオフセットの値との差分に基づき決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第1態様の無線通信端末である。
【0170】
第4態様によれば、E−PDCCH制御情報がDynamic A/N領域が部分的に重複する場合のARIによる適切な動的オフセット値を、少ない演算処理にて導くことができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0171】
本開示の第5態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複しており、なおかつ重複する前記リソース領域の大きさが違う場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、重複している前記リソース領域の大きさに合わせて決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第1態様の無線通信端末である。
【0172】
第5態様によれば、複数のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域の大きさが異なる場合であっても、確実に衝突を回避できるオフセットを設定できる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0173】
本開示の第6態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とPDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記PDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得る領域の大きさに合わせて決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第1態様の無線通信端末である。
【0174】
第6態様によれば、E−PDCCHに対応するDynamic A/N領域とPDCCHに対応するDynamic A/N領域とを重複して運用する場合でも、ARIにより適切なオフセットを与えて衝突を回避することができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0175】
本開示の第7態様は、前記ARIが指示するオフセット値を負の値とする、第1態様の無線通信端末である。
【0176】
第7態様によれば、ARIにより指示したオフセットがPUSCHのリソースを減少させないため、オーバーヘッドを増加させずにA/Nリソースの衝突を回避することができる。
【0177】
本開示の第8態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setまたはPDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複していない場合に、前記ARIの値に応じて、前記ARIによるオフセットなしで定まる動的ACK/NACKのACK/NACKリソースに対応する2次拡散系列(ブロックワイズ拡散系列)を、前記2次拡散系列と直交する直交符号への置き換え可否を決定する、第1態様の無線通信端末である。
【0178】
第8態様によれば、E−PDCCH制御情報が送受信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が他のDynamic A/N領域と重複していない場合に、ARIで2次拡散系列の直交符号を変えることができる。これにより、遅延スプレッド差が大きく、ARIにより小さな動的オフセットを加えるだけでは多重が困難だった端末を、同一PRBの異なる符号に多重することができる。したがって、より柔軟なマルチユーザMIMOの端末200の組み合わせを実現することができ、スケジューリングの自由度を上げられる。
【0179】
本開示の第9態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域の開始位置を指示するA/Nリソースオフセットパラメータの絶対値に応じて前記ARIの動的オフセット値を定め、前記ARIの値に応じて、前記動的オフセット値の加算有無を決定する、第1態様の無線通信端末である。
【0180】
第9態様によれば、A/Nリソースオフセットの絶対値が小さく、他のDynamic A/N領域と重複が起こりやすい場合には、ARIによる動的オフセットの値を大きくしてA/Nリソース衝突の確率を下げることができる。一方、A/Nリソースオフセットの絶対値が大きく、ARIによる動的オフセットがPUSCHのリソースを減少させやすい場合には、ARIによる動的オフセットの値を小さくして、PUSCHリソースの減少量を抑えることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0181】
本開示の第10態様は、前記ARIのビット数が2ビットまたはそれ以上である、第1態様の無線通信端末である。
【0182】
第10態様によれば、ARIで複数のA/Nリソースから使用するものを動的に選ぶことができるので、PUCCHオーバーヘッドの削減とA/Nリソース衝突の低減を同時に実現できる。
【0183】
本開示の第11態様は、前記ACK/NACK指標(ARI:ACK/NACK Resource Indicator)が指示するオフセット値を、制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複しているか否かに応じて決定し、前記ARIの値に応じてACK/NACKリソースにオフセットを与える制御部と、前記ARIを含んだ前記制御信号を、1つまたは複数のE−PDCCH setの中からいずれか1つのE−PDCCH setを介して送信する送信部と、を具備する基地局装置である。
【0184】
第11態様によれば、E−PDCCH制御情報が送受信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定されてはいるものの他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複する場合、重複しない場合それぞれで、ARIによる動的オフセット値を切り替えることができる。そしてこの切り替えにより、複数のDynamic A/N領域同士が重複する場合にはARIで指示するオフセット値を小さくしてさらなるPUCCHオーバーヘッド増大を抑え、重複しない場合にはARIで指示するオフセット値を大きくしてA/Nリソースの衝突を回避することができる。よって、Dynamic A/N領域の運用状況に応じて、A/Nリソースの衝突回避およびPUCCHオーバーヘッド抑圧に寄与できる。また、これらを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0185】
本開示の第12態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIで指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と同じまたはそれに定数を加えたものとして決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第11態様記載の基地局装置である。
【0186】
第12態様によれば、E−PDCCH setに含まれるPRBの個数に応じて異なり得るDynamic A/N領域の大きさに応じて、PUCCHリソースのオーバーヘッドを過剰に増加させず、A/Nリソースの衝突確率低減を実現するための適切なARIオフセット値とすることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0187】
本開示の第13態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースと他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とで重複しているリソースの数により決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第11態様記載の基地局装置である。
【0188】
第13態様によれば、E−PDCCH制御情報がDynamic A/N領域が部分的に重複する場合に、PUCCHリソースのオーバーヘッドを過剰に増加させず、A/Nリソースの衝突確率低減を実現するための適切なARIオフセット値とすることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0189】
本開示の第14態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応して上位レイヤから通知されるACK/NACKリソースオフセットの値と他のE−PDCCH setに対応して上位レイヤから通知されるACK/NACKリソースオフセットの値との差分に基づき決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第11態様の基地局装置である。
【0190】
第14態様によれば、E−PDCCH制御情報がDynamic A/N領域が部分的に重複する場合のARIによる適切な動的オフセット値を、少ない演算処理にて導くことができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0191】
本開示の第15態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複しており、なおかつ重複する前記リソース領域の大きさが違う場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、重複している前記リソース領域の大きさに合わせて決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第11態様の基地局装置である。
【0192】
第15態様によれば、複数のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域の大きさが異なる場合であっても、確実に衝突を回避できるオフセットを設定できる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0193】
本開示の第16態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とPDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域がと重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記PDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得る領域の大きさに合わせて決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する制御部を具備する、第11態様の基地局装置である。
【0194】
第16態様によれば、E−PDCCHに対応するDynamic A/N領域とPDCCHに対応するDynamic A/N領域を重複して運用する場合でも、ARIにより適切なオフセットを与えて衝突を回避することができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0195】
本開示の第17態様は、前記ARIが指示するオフセット値を負の値とする、第11態様の基地局装置である。
【0196】
第17態様によれば、ARIにより指示したオフセットがPUSCHのリソースを減少させないため、オーバーヘッドを増加させずにA/Nリソースの衝突を回避することができる。
【0197】
本開示の第18態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setまたはPDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複していない場合に、前記ARIの値に応じて、前記ARIによるオフセットなしで定まる動的ACK/NACKのACK/NACKリソースに対応する2次拡散系列(ブロックワイズ拡散系列)を、前記2次拡散系列と直交する直交符号への置き換え可否を決定する制御部を具備する、第11態様の基地局装置である。
【0198】
第18態様によれば、E−PDCCH制御情報が送受信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が他のDynamic A/N領域と重複していない場合に、ARIで2次拡散系列の直交符号を変えることができる。これにより、遅延スプレッド差が大きく、ARIにより小さな動的オフセットを加えるだけでは多重が困難だった端末を、同一PRBの異なる符号に多重することができる。したがって、より柔軟なマルチユーザMIMOの端末200の組み合わせを実現することができ、スケジューリングの自由度を上げられる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0199】
本開示の第19態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域の開始位置を指示するA/Nリソースオフセットパラメータの絶対値に応じて前記ARIの動的オフセット値を定め、前記ARIの値に応じて、前記動的オフセット値の加算有無を決定する制御部を具備する、第11態様の基地局装置である。
【0200】
第19態様によれば、A/Nリソースオフセットの絶対値が小さく、他のDynamic A/N領域と重複が起こりやすい場合には、ARIによる動的オフセットの値を大きくしてA/Nリソース衝突の確率を下げることができる。一方、A/Nリソースオフセットの絶対値が大きく、ARIによる動的オフセットがPUSCHのリソースを減少させやすい場合には、ARIによる動的オフセットの値を小さくして、PUSCHリソースの減少量を抑えることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0201】
本開示の第20態様は、前記ACK/NACK指標(ARI:ACK/NACK Resource Indicator)が指示するオフセット値を、制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複しているか否かに応じて決定し、前記ARIの値に応じてACK/NACKリソースにオフセットを与える、リソース割当方法である。
【0202】
第20態様によれば、E−PDCCH制御情報が送受信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が、設定されてはいるものの他のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域と重複する場合、重複しない場合それぞれで、ARIによる動的オフセット値を切り替えることができる。そしてこの切り替えにより、複数のDynamic A/N領域同士が重複する場合にはARIで指示するオフセット値を小さくしてさらなるPUCCHオーバーヘッド増大を抑え、重複しない場合にはARIで指示するオフセット値を大きくしてA/Nリソースの衝突を回避することができる。よって、Dynamic A/N領域の運用状況に応じて、A/Nリソースの衝突回避およびPUCCHオーバーヘッド抑圧に寄与できる。また、これらを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0203】
本開示の第21態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIで指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と同じまたはそれに定数を加えたものとして決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する、第20態様記載のリソース割当方法である。
【0204】
第21態様によれば、E−PDCCH setに含まれるPRBの個数に応じて異なり得るDynamic A/N領域の大きさに応じて、PUCCHリソースのオーバーヘッドを過剰に増加させず、A/Nリソースの衝突確率低減を実現するための適切なARIオフセット値とすることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0205】
本開示の第22態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースと他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とで重複しているリソースの数により決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する、第20態様記載のリソース割当方法である。
【0206】
第22態様によれば、E−PDCCH制御情報がDynamic A/N領域が部分的に重複する場合に、PUCCHリソースのオーバーヘッドを過剰に増加させず、A/Nリソースの衝突確率低減を実現するための適切なARIオフセット値とすることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0207】
本開示の第23態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応して上位レイヤから通知されるACK/NACKリソースオフセットの値と他のE−PDCCH setに対応して上位レイヤから通知されるACK/NACKリソースオフセットの値との差分に基づき決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する、第20態様記載のリソース割当方法である。
【0208】
第23態様によれば、E−PDCCH制御情報がDynamic A/N領域が部分的に重複する場合のARIによる適切な動的オフセット値を、少ない演算処理にて導くことができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0209】
本開示の第24態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複しており、なおかつ重複する前記リソース領域の大きさが違う場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、重複している前記リソース領域の大きさに合わせて決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する、第20態様記載のリソース割当方法である。
【0210】
第24態様によれば、複数のE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域の大きさが異なる場合であっても、確実に衝突を回避できるオフセットを設定できる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0211】
本開示の第25態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とPDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複している場合に、前記ARIが指示するオフセット値を、前記PDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得る領域の大きさに合わせて決定し、それによりACK/NACK信号を送信するACK/NACKリソースを決定する、第20態様記載のリソース割当方法である。
【0212】
第25態様によれば、E−PDCCHに対応するDynamic A/N領域とPDCCHに対応するDynamic A/N領域を重複して運用する場合でも、ARIにより適切なオフセットを与えて衝突を回避することができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0213】
本開示の第26態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域と他のE−PDCCH setまたはPDCCHに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域とが重複していない場合に、前記ARIの値に応じて、前記ARIによるオフセットなしで定まる動的ACK/NACKのACK/NACKリソースに対応する2次拡散系列(ブロックワイズ拡散系列)を、前記2次拡散系列と直交する直交符号への置き換え可否を決定する、第20態様記載のリソース割当方法である。
【0214】
第26態様によれば、E−PDCCH制御情報が送受信されたE−PDCCH setに対応するDynamic A/N領域が他のDynamic A/N領域と重複していない場合に、ARIで2次拡散系列の直交符号を変えることができる。これにより、遅延スプレッド差が大きく、ARIにより小さな動的オフセットを加えるだけでは多重が困難だった端末を、同一PRBの異なる符号に多重することができる。したがって、より柔軟なマルチユーザMIMOの端末200の組み合わせを実現することができ、スケジューリングの自由度を上げられる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0215】
本開示の第27態様は、前記制御信号を受信したE−PDCCH setに対応する動的ACK/NACKリソースが取り得るリソース領域の開始位置を指示するA/Nリソースオフセットパラメータの絶対値に応じて前記ARIの動的オフセット値を定め、前記ARIの値に応じて、前記動的オフセット値の加算有無を決定する、第20態様記載のリソース割当方法である。
【0216】
第27態様によれば、A/Nリソースオフセットの絶対値が小さく、他のDynamic A/N領域と重複が起こりやすい場合には、ARIによる動的オフセットの値を大きくしてA/Nリソース衝突の確率を下げることができる。一方、A/Nリソースオフセットの絶対値が大きく、ARIによる動的オフセットがPUSCHのリソースを減少させやすい場合には、ARIによる動的オフセットの値を小さくして、PUSCHリソースの減少量を抑えることができる。また、これを追加のシグナリングなしで実現できる。
【0217】
2012年9月27日出願の特願2012−214981の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。