特許第6887162号(P6887162)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887162
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】給紙方法および給紙装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/12 20060101AFI20210603BHJP
   B65H 3/08 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   B65H5/12 B
   B65H3/08 310A
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-144701(P2018-144701)
(22)【出願日】2018年8月1日
(65)【公開番号】特開2020-19623(P2020-19623A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2020年3月5日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年12月26日 https://www.wave−inc.co.jp/corporate/service/robot/ 株式会社ウエーブ、平成30年4月25日 https://www.youtube.com/watch?v=Y0pnjGcZS44 株式会社ウエーブ、平成30年7月22日 https://www.youtube.com/watch?v=YLF8BvLd3uM 株式会社ウエーブ、平成30年3月20日 株式会社ウエーブ滋賀事業所 FFGSグラフィックサプライ株式会社 株式会社ウエーブ、平成30年4月5日 印刷通信新聞(4月5日号) 印刷通信社、平成30年5月5日 月刊カートンボックス(5月5日号) 株式会社富士山マガジンサービス、平成30年3月22日 http://www.newprinet.co.jp/?p=14249 ニュープリンティング株式会社、平成30年4月16日 http://nichiin.co.jp/archives/29162/ 日本印刷新聞社
(73)【特許権者】
【識別番号】518153346
【氏名又は名称】株式会社ウエーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】白子 善久
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慎
(72)【発明者】
【氏名】柳田 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】本多 賢志郎
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−156242(JP,A)
【文献】 特開2016−049620(JP,A)
【文献】 実開平03−007139(JP,U)
【文献】 特開平7−315598(JP,A)
【文献】 特開平09−029918(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00− 3/68
B65H 5/08− 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台の所定位置に用紙を給紙する方法であって、
積層された最上層の用紙を、多関節ロボットのアーム先端に設けられた吸着装置により吸着して、載置台の上方に搬送する搬送工程と、
搬送された用紙を前記載置台に載置する載置工程とを備え、
前記吸着装置は、用紙の上面を真空吸着する吸着部と、用紙の上面を押圧する押圧部とを備えており、
前記吸着部は、用紙を吸着可能な吸着パッドを備え、
前記押圧部は、待機位置と押圧位置との間で移動可能な押さえ部材を備え、
前記待機位置にある前記押さえ部材の下面は、前記吸着パッドの下端と同じ高さか若干高い位置にあり、
前記搬送工程は、前記押さえ部材が前記待機位置にある状態で用紙を前記吸着部により吸着して搬送し、
前記載置工程は、搬送された用紙を、前記載置台に載置した後、前記押さえ部材を前記待機位置から前記押圧位置に移動させて前記押圧部により前記載置台に押し付けた後に前記吸着部の吸着を解除し、前記押圧部による用紙の押し付け状態を維持したまま前記吸着部を用紙から離隔させる給紙方法。
【請求項2】
前記搬送工程は、前記吸着部が前記押圧部よりも搬送方向前方に位置する状態を維持しながら用紙を搬送する請求項1に記載の給紙方法。
【請求項3】
前記吸着部は、吸着ラインに沿って配置された複数の吸着ノズルを備え、
前記押圧部は、前記吸着ラインと平行な押圧ラインに沿って配置された複数のピンシリンダを備える請求項1または2に記載の給紙方法。
【請求項4】
載置台の所定位置に用紙を給紙する装置であって、
多関節ロボットと、
前記多関節ロボットのアーム先端に設けられた吸着装置とを備え、
前記吸着装置は、用紙の上面を真空吸着する吸着部と、用紙の上面を押圧する押圧部とを備えており、
前記吸着部は、用紙を吸着可能な吸着パッドを備え、
前記押圧部は、待機位置と押圧位置との間で移動可能な押さえ部材を備え、
前記待機位置にある前記押さえ部材の下面は、前記吸着パッドの下端と同じ高さか若干高い位置にあり、
前記押さえ部材が前記待機位置にある状態で前記吸着部により吸着した用紙を、前記多関節ロボットにより前記載置台の上方に搬送して前記載置台に載置した後、前記押さえ部材を前記待機位置から前記押圧位置に移動させて前記押圧部により前記載置台に押し付けた後に前記吸着部の吸着を解除し、前記押圧部による用紙の押し付け状態を維持したまま前記吸着部を用紙から離隔させる給紙装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙方法および給紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷業界では、印刷物の価値を高めるために、レーザ加工機などにより用紙を加工する機会が増加している。例えば、特許文献1には、図6に示すように、ベルト搬送部51で搬送されてきた用紙がステージ52に搬入されてきたときに、所定数のローラ53が搬送方向に回転することで、用紙をステージ52上の所定位置まで移動させて吸引機構54により吸着固定し、レーザ照射手段55で所定のレーザ加工を行わせた後、ベルト搬送部56により排出するレーザ加工システム50が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−154480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のレーザ加工システム50は、印刷された用紙を断裁して積み上げた後、ベルト搬送部51に載置する際に、一枚ずつ正確に移動させることが困難であり、これを手作業で行う場合には、作業者の負担が大きくなるという問題があった。
【0005】
また、ステージ52上における用紙の位置決めが、ローラ53による用紙の搬送後に、ステージ52の下方に配置した吸引機構54により用紙全体を吸着して行われるため、正確な位置決めが困難になるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、用紙の給紙を容易且つ正確に行うことができる給紙方法および給紙装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、載置台の所定位置に用紙を給紙する方法であって、積層された最上層の用紙を、多関節ロボットのアーム先端に設けられた吸着装置により吸着して、載置台の上方に搬送する搬送工程と、搬送された用紙を前記載置台に載置する載置工程とを備え、前記吸着装置は、用紙の上面を真空吸着する吸着部と、用紙の上面を押圧する押圧部とを備えており、前記吸着部は、用紙を吸着可能な吸着パッドを備え、前記押圧部は、待機位置と押圧位置との間で移動可能な押さえ部材を備え、前記待機位置にある前記押さえ部材の下面は、前記吸着パッドの下端と同じ高さか若干高い位置にあり、前記搬送工程は、前記押さえ部材が前記待機位置にある状態で用紙を前記吸着部により吸着して搬送し、前記載置工程は、搬送された用紙を、前記載置台に載置した後、前記押さえ部材を前記待機位置から前記押圧位置に移動させて前記押圧部により前記載置台に押し付けた後に前記吸着部の吸着を解除し、前記押圧部による用紙の押し付け状態を維持したまま前記吸着部を用紙から離隔させる給紙方法により達成される。
【0008】
この給紙方法において、前記搬送工程は、前記吸着部が前記押圧部よりも搬送方向前方に位置する状態を維持しながら用紙を搬送することが好ましい。
【0009】
前記吸着部は、吸着ラインに沿って配置された複数の吸着ノズルを備えることが好ましく、前記押圧部は、前記吸着ラインと平行な押圧ラインに沿って配置された複数のピンシリンダを備えることが好ましい。
【0010】
また、本発明の前記目的は、載置台の所定位置に用紙を給紙する装置であって、多関節ロボットと、前記多関節ロボットのアーム先端に設けられた吸着装置とを備え、前記吸着装置は、用紙の上面を真空吸着する吸着部と、用紙の上面を押圧する押圧部とを備えており、前記吸着部は、用紙を吸着可能な吸着パッドを備え、前記押圧部は、待機位置と押圧位置との間で移動可能な押さえ部材を備え、前記待機位置にある前記押さえ部材の下面は、前記吸着パッドの下端と同じ高さか若干高い位置にあり、前記押さえ部材が前記待機位置にある状態で前記吸着部により吸着した用紙を、前記多関節ロボットにより前記載置台の上方に搬送して前記載置台に載置した後、前記押さえ部材を前記待機位置から前記押圧位置に移動させて前記押圧部により前記載置台に押し付けた後に前記吸着部の吸着を解除し、前記押圧部による用紙の押し付け状態を維持したまま前記吸着部を用紙から離隔させる給紙装置により達成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、用紙の給紙を容易且つ正確に行うことができる給紙方法および給紙装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る給紙装置の全体構成を示す概略正面図である。
図2図1に示す給紙装置の要部正面図である。
図3図1に示す給紙装置の要部底面図である。
図4図1に示す給紙装置の要部断面図である。
図5図1に示す給紙装置の作動を説明するための図である。
図6】従来のレーザ加工システムを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、 本発明の一実施形態に係る給紙装置の全体構成を示す正面図である。図1に示すように、給紙装置1は、多関節ロボット10および吸着装置20を備えている。
【0014】
多関節ロボット10は、複数のアーム11が関節を介して回動自在に連結された多軸(例えば4軸から7軸)構造を有しており、アーム11の先端の回転機構部11aに吸着装置20が取り付けられて、吸着装置20が回動可能に支持されている。多関節ロボット10および吸着装置20の作動は不図示のコントローラにより制御され、搬入位置P1に積層された最上層の用紙Sを吸着装置20により吸着し、多関節ロボット10の作動により載置台30の上方に搬送して、載置台30の所定位置P2に載置する。
【0015】
搬入位置P1には昇降装置を設けてもよく、昇降装置の昇降板に積層した用紙の高さをセンサにより読み取り、最上層の用紙の高さが常時一定になるように昇降板の高さ制御を行うことで、搬入位置P1での用紙の吸着を容易且つ確実に行うことができる。載置台30は、例えば、レーザ等による加工を行う加工装置のステージであり、用紙Sを所定位置P2に載置した後に吸着装置20を載置台30の直上から退避させて、用紙Sに対して所望の加工を行う。所定位置P2は、本実施形態では加工装置による加工位置としているが、必ずしもこの用途に限定されるものではなく、使用目的に応じて予め設定された位置であればよい。所定位置P2での作業が終了した用紙Sは、再び吸着装置20により吸着して多関節ロボット10の作動により搬出位置P3まで搬送し、ストッカに積層する。
【0016】
図2および図3は、それぞれ吸着装置20の正面図および底面図である。吸着装置20は、底面視コ字状に形成された支持板21に、中空のケーシング22が支持されている。ケーシング22は、上面側に筒状部22aが形成されており、筒状部22aの上部に設けられた取付部22bが、多関節ロボット10の回転機構部11aに装着される。筒状部22aは、配管により真空ポンプ等の吸引装置23に接続される。
【0017】
ケーシング22の下面には吸着部24が設けられている。吸着部24は、下端に吸着パッド241aを有する吸着ノズル241を複数(本実施形態では3つ)備えている。各吸着ノズル241は、ケーシング22内と連通しており、吸引装置23の作動により吸着パッド241aに用紙を吸着させることができる。
【0018】
支持板21には、複数(本実施形態では2つ)のピンシリンダ251を備える押圧部25が設けられている。ピンシリンダ251は、分岐ジョイント26およびバルブ27aを備える配管により、工場エア等の圧縮エア供給源27に接続されており、バルブ27aの開閉によりピンシリンダ251への圧縮空気の供給を制御することができる。
【0019】
図3に示すように、3つの吸着ノズル241は、仮想の吸着ラインL1に沿って、等間隔に配置されている。また、2つのピンシリンダ251は、仮想の押圧ラインL2に沿って配置されている。吸着ラインL1および押圧ラインL2は、互いに平行となるように形成されている。押圧部25を挟んで吸着部24と反対側には、密栓28により封止されたネジ孔が形成されており、搬送される用紙が例えば大型で高重量の場合には、密栓28を外して追加の吸着ノズルを取り付けることにより、用紙を押圧部25の両側で吸着保持することも可能である。吸着ノズル241の配置は本実施形態のものに限定されず、吸着ノズル241の数や位置を適宜変更してもよい。
【0020】
図4は、ピンシリンダ251の概略構成を示す断面図である。図4(a)に示すように、ピンシリンダ251は、シリンダ本体252の内部にピストン253を備えている。ピストン253は、外周にパッキン253aが設けられており、シリンダ本体252の内面と摺動可能に配置されている。ピストン253には、下方に延びてピンシリンダ251から突出するロッド254が固定されており、ロッド254の下端には、合成樹脂やゴム等からなる押さえ部材254aが設けられている。シリンダ本体252内におけるピストン253の下方にはコイルばね255が配置されており、コイルばね255の付勢力によってピストン253がシリンダ本体252の上部に配置されている。
【0021】
シリンダ本体252の上部に形成された開口252aを介して、圧縮エア供給源27(図2参照)からシリンダ本体252の内部に圧縮空気が導入されると、図4(b)に示すように、ピストン253がコイルばね255の付勢力に抗して下方に移動する。この後、バルブ27a(図2参照)を遮断すると、コイルばね255の付勢力によってピストン253が元の位置に戻る。こうして、押さえ部材254aを、図4(a)に示す待機位置と、図4(b)に示す押圧位置との間で移動させることができる。吸着部24による用紙の吸着を確実に行うため、図2に示すように、待機位置にある押さえ部材254aの下面は、吸着パッド241aの下端と同じ高さか若干高い位置にあることが好ましい。ピンシリンダ251は、本実施形態のように圧縮空気を用いて駆動する以外に、通電等により駆動する構成であってもよい。
【0022】
次に、上記の構成を備える給紙装置1の作動を説明する。まず、図1に示すように、搬入位置P1に積層された最上層の用紙Sに対して、多関節ロボット10のアーム11の作動により吸着装置20を対向させる。この後、吸着部24(図2参照)により用紙Sを吸着し、多関節ロボット10の作動により用紙Sを載置台30の所定位置P2の上方まで搬送する搬送工程を行う。用紙Sの吸着は、吸着ラインL1(図3参照)が用紙の縁に沿うように行われることが好ましい。搬送工程は、吸着装置20の吸着部24が押圧部25よりも搬送方向前方に位置する状態が維持されるように、多関節ロボット10のアーム11の作動および回転機構部11aの回転を制御することが好ましく、これによって搬送工程および後述する載置工程をスムーズに行うことができる。
【0023】
ついで、搬送された用紙Sを載置台30に載置する載置工程を行う。図5(a)に示すように、吸着部24に吸着された用紙Sを、多関節ロボット10の作動により矢示のように載置台30に載置した後、圧縮空気の供給により押圧部25を作動させて、図5(b)に示すように、ピンシリンダ251の押さえ部材254aを突出させ、用紙Sを載置台30の上面に押し付ける。
【0024】
次に、吸着部24の吸着を解除して、図5(c)に示すように、多関節ロボット10の作動により吸着装置20を矢示のように上昇させる。このとき、押圧部25への圧縮空気の供給を維持すると、吸着部24は用紙Sから離れる一方で、吸着装置20の上昇に伴い押さえ部材254aが更に突出し、載置台30の上面に用紙Sが押さえつけられた状態が維持される。押さえ部材254aによる用紙Sの押圧は、吸着部24が用紙Sから完全に離れるまで継続することが好ましい。この後、多関節ロボット10の作動により吸着装置20を載置台30の直上から退避させる。
【0025】
このように、本実施形態の給紙装置1は、用紙Sを所定位置P2に搬送して載置する際に、押圧部25により用紙Sを載置台30に押し付けた後に吸着部24の吸着を解除し、押圧部25による用紙Sの押し付け状態を維持したまま吸着部24を用紙Sから離隔させるので、吸着部24の吸着を解除した時や、吸着部24が用紙Sから離れる際に、用紙Sが載置台30上で不意に移動するおそれがなく、用紙Sを所定位置P2に正確に位置決めすることができる。したがって、所定位置P2における用紙Sの加工を精度良く行うことができる。
【0026】
所定位置P2で加工が行われた用紙Sは、再び吸着装置20に吸着されて、搬出位置P3まで搬送される。この後は、吸着装置20を搬入位置P1まで再び移動させて次の用紙Sを吸着することで、所定位置P2における加工を順次行うことができる。
【0027】
本実施形態の給紙装置1は、例えば、既存の手動加工機を利用して印刷用紙への加工を行う場合に、特に給紙工程を低コストで容易に自動化することができるので、加工作業の完全オートメーション化を図ることが可能であり、省力化・省人化に寄与することができる。更に、移動や設置が容易であり、種々の装置と組み合わせて使用することができるので、ニーズが異なる種々の加工現場で活用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 給紙装置
10 多関節ロボット
20 吸着装置
24 吸着部
241 吸着ノズル
25 押圧部
251 ピンシリンダ
S 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6