特許第6887163号(P6887163)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887163
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】畝立装置
(51)【国際特許分類】
   A01B 13/02 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   A01B13/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-244304(P2018-244304)
(22)【出願日】2018年12月27日
(65)【公開番号】特開2020-103114(P2020-103114A)
(43)【公開日】2020年7月9日
【審査請求日】2020年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】501091925
【氏名又は名称】株式会社小川農具製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 雅規
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 英樹
(72)【発明者】
【氏名】小川 達矢
【審査官】 星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭47−007314(JP,U)
【文献】 特開2001−269001(JP,A)
【文献】 実開昭55−052903(JP,U)
【文献】 実開昭56−068401(JP,U)
【文献】 特開2017−000068(JP,A)
【文献】 特開2008−035762(JP,A)
【文献】 実開昭48−079707(JP,U)
【文献】 米国特許第05984017(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 3/00−25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘装置に連結して畝立を行う畝立装置であって、
前記畝立装置は、前記耕耘装置に取り付ける水平方向の取付バーと、前記取付バーの任意の箇所に着脱自在に取り付け可能な一または複数の取付金具と、前記取付金具に着脱自在に取り付ける一または複数の畝立具とからなり、
前記取付金具は、両端を開放端とする前記取付バーの前記開放端から挿通可能な筒状連結部と、該筒状連結部から前方に突出する突出部の下側であって前記筒状連結部の近くに設けた多角形状の挿入孔を有する筒状のソケットとからなり、
前記畝立具は、2つの爪板に囲まれる内部であって前端上部を先端とする長手方向を有し、前記耕耘装置の後方から前記挿入孔に着脱自在に嵌り込む多角形状の挿入部を設けたことを特徴とする畝立装置。
【請求項2】
取付金具は筒状連結部を取付バーに挿通状態を任意の位置で固定可能な固定具を有するものであって、
前記固定具は、固着具挿入面と押圧固定面と接続部とを有し、固着具の挿入により前記筒状連結部に挿入した前記取付バーの一面を前記押圧固定面が押圧して固定することを特徴とする請求項1記載の畝立装置。
【請求項3】
畝立具の挿入部は、ソケットの挿入孔に挿入する挿入本体と、該挿入本体と同じ長手方向を有する基端部とを有し、
前記基端部は表面から凹んだ凹部を形成し、前記凹部は前記挿入孔に挿入された状態で貫通孔を通じて挿入される押圧具を受けて前記ソケットと前記挿入部との挿入状態を固定することを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の畝立装置。
【請求項4】
挿入孔及び挿入本体は六角形状を有し、前記挿入孔の内側に所定範囲を有する被押付平面と、前記挿入本体に所定範囲を有する押付平面とを有することを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載の畝立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘装置に連結する畝立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、耕耘装置に連結する畝立装置は存在した。特許文献1にかかる先行技術は、畝立器をスライドヒッチ耕耘装置に取り付けるに際して、畝立器に連結された取付軸をパイプ状受座に差込みセットピンにより適正取付位置にセットする構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−167501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような畝立装置はセットピンのみで受座に対して取付軸を回り止めするため、左右方向にズレやガタツキを生じることがあった。また、取付軸及び受座それぞれのピン穴を互いに連通して、始めてセットピンを差込み可能となり、位置合わせなどで畝立器の着脱に手間がかかった。また、畝立器の取付が上下方向の軸によるものなので、畝立器の自重や作業状態により畝立器が抜け落ちてしまうおそれがあった。
【0005】
しかも、先行技術における畝立装置は専ら単一の畝立器を用いるものであって、畝のピッチを考慮して複数の畝立器を取り付けることは想定しておらず、任意の位置に畝立器を取り付けることはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、安定して畝立具を連結可能でありながら、畝立具を容易に着脱することができ、さらに任意の位置で畝立器を装着できる畝立装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の畝立装置は、耕耘装置に連結して畝立を行う畝立装置であって、前記畝立装置は、前記耕耘装置に取り付ける水平方向の取付バーと、前記取付バーの任意の箇所に着脱自在に取り付け可能な一または複数の取付金具と、前記取付金具に着脱自在に取り付ける一または複数の畝立具とからなり、前記取付金具は、両端を開放端とする前記取付バーの前記開放端から挿通可能な筒状連結部と、該筒状連結部から前方に突出する突出部の下側であって前記筒状連結部の近くに設けた多角形状の挿入孔を有する筒状のソケットとからなり、前記畝立具は、2つの爪板に囲まれる内部であって前端上部を先端とする長手方向を有し、前記耕耘装置の後方から前記挿入孔に着脱自在に嵌り込む多角形状の挿入部を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、取付金具は筒状連結部を取付バーに挿通状態を任意の位置で固定可能な固定具を有するものであって、前記固定具は、固着具挿入面と押圧固定面と接続部とを有し、固着具の挿入により前記筒状連結部に挿入した前記取付バーの一面を前記押圧固定面が押圧して固定することが好ましい。
【0009】
また、畝立具の挿入部は、ソケットの挿入孔に挿入する挿入本体と、該挿入本体と同じ長手方向を有する基端部とを有し、前記基端部は表面から凹んだ凹部を形成し、前記凹部は前記挿入孔に挿入された状態で貫通孔を通じて挿入される押圧具を受けて前記ソケットと前記挿入部との挿入状態を固定することが好ましい。
【0010】
また、挿入孔及び挿入本体は六角形状を有し、前記挿入孔の内側に所定範囲を有する被押付平面と、前記挿入本体に所定範囲を有する押付平面とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明により、取付バーの任意の位置に取付金具を装着し、任意の位置に畝立具を取り付けることが可能になる。畝のピッチに合わせて、1〜5列程度の畝立具を装着して、作業を行うことが可能になる。また、ソケットの挿入孔と挿入部が多角形状を有することにより、畝立具の作業による揺れなどにより、畝立具がずれたりすることを防止し、円満な畝立を行うことが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明により、取付金具を任意の位置で取付バーに取り付け、固定具により任意の位置で固定することができる。これにより、畝立具を任意の位置に取り付けることが可能になる。また、押圧固定面により取付バーを押圧して固定することで、ピン止めやボルト止めによって取付バーのボルト孔がなく、しかも、ボルト孔による破損を防止しつつ、任意の位置で固定することが可能になる。
【0013】
請求項3記載の発明により、取付金具の押圧具により挿入孔と挿入部との挿入状態を強固に固定することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明により、畝立具を取り付けた状態で通常時にはその自重により挿入部の上面に形成された押付面が、挿入孔の内側上面に形成された被押付面に押し付けられて係合することで、畝立具の取付状態を固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の畝立装置の全体正面図であって、トラクタ等の耕耘装置を除いた状態を示す。
図2】取付金具の分解斜視図である。
図3】取付金具と畝立具の取付状態を示す斜視図である。
図4】畝立具の挿入部を示す一部拡大斜視図である。
図5】ソケットと挿入部との挿入状態を示す一部縦断面図であって、挿入前の状態を示す。
図6】ソケットと挿入部の挿入状態を示す一部縦断面図であって、挿入後の状態を示す。
図7】畝立具の平面図である。
図8】畝立具の側面図であって、一方の爪板と整形羽根を取り除いた状態を示す。
図9】畝立具を取り付けた状態の全体側面図である。
図10図1のA−A線断面図である。
図11図1の状態から畝立具を4つ取り付けた状態を示す正面図である。
図12図1の状態から畝立具を5つ取り付けた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について説明する。本発明の畝立装置は、トラクタ等の耕耘装置の後方に連結した畝立具により畝起こしなどの耕耘作業を行うものである。
【0017】
本実施形態にかかる畝立装置1は、図1に示すように、耕耘装置の後方に取り付けられるスライドヒッチ6の後方若しくは下方に取り付けられるものである。畝立装置1は、スライドヒッチ6に着脱自在に取り付ける本体フレーム2と、本体フレーム2に取り付けられる取付バー3と、この取付バー3に着脱自在に取り付ける1または複数の畝立具5、5と、畝立具5、5を昇降させる昇降機構4とからなる。
【0018】
本実施形態の畝立装置1は、取付バー3に3つの畝立具5、5を左右方向に等間隔に配置している。この畝立具5、5は、取付バー3の任意の位置に取り付ける取付金具11、11に取り付けるもので、3つの畝立具5、5を取り付ける場合には、その取付位置に取付金具11、11を取り付けて行う。畝立具5を3つ以外の1つや5つ等、任意の数を取り付ける場合には、その数の取付金具11を取り付けることとなる。
【0019】
取付バー3は、本体フレーム2に取り付けられ、水平方向であって耕耘装置の左右方向に所定長さを有する断面略正方形状の棒体である。取付バー3の長手方向中央において本体フレーム2と取り付けられており、左右の両端は何ら耕耘装置やスライドヒッチ等の部材に接続されていない開放端となる。この取付バー3の両端から畝立具5、5を取り付けるための取付金具11、11を挿入して取り付けることが可能になる。
【0020】
本実施形態における取付金具11は、図2、3に示すように、取付バー3に挿通する筒状の筒状連結部12と、筒状連結部12から前方に突出する突出部13と、突出部13の下側に接するように設けたソケット14と、ソケット14を側方から突出部13に固定する側壁15とからなる。
【0021】
筒状連結部12は左右方向の側方を開放した比較的短い筒形態である。筒状連結部12の内周面は取付バー3の外周径より広く、筒状連結部12の内周面に取付バー3の左右のいずれかの端から挿入して任意の位置に取り付けることができる。取付金具11の筒状連結部12は、取付バー3に挿入した状態で任意の位置で固定するための固定具16を取り付けて固定する。
【0022】
固定具16は、取付金具11とは別体の金具であり、略コの字状に形成されている。固定具16は、ボルト等の固着具16dを挿入するための固着具挿入面16aと、固着具挿入面16aと並行に伸びる押圧固定面16cと、この固着具挿入面16aと押圧固定面16cとを連結する接続部16bを有する。固定具16は、取付バー3の開放端から筒状連結部12を挿入した状態で、押圧固定面16cを取付バー3と筒状連結部12との隙間に挿入する。そして、固着具挿入面16aに開口され、ねじ切りされた丸穴にボルト等の固着具16dを螺入することで、押圧固定面16cを、筒内に挿通した取付バー3の外周面に当接、押圧させ、筒状連結部12が取付バー3に固定される。これにより、取付金具11、11が取付バー3の任意の位置に取り付け、その状態で固定することができる。
【0023】
ピン止めや取付バー3に直接ネジ固定する場合には、ピン孔やネジ孔を取付バー3に開口しなければならず、任意の箇所に取り付けることはできない。しかも、これら取付バー3に開口した場合、開口部分に畝立作業による負荷がかかり、取付バーやピン等が破損したりする可能性もある。本実施形態の押圧固定面16cを有する固定具16を用いることにより、面と面との押圧固定により任意の位置で取り付けることができるのみならず、取付バー3やピンの破損を防止し、安定して固定することができる。
【0024】
また、筒状連結部12の上面には開口された覗き孔19が形成されている。この覗き孔19は、筒状のソケット14の長手方向中心線の延長線上に形成されている。そのため、使用者は必要な畝ピッチを取付バー3にペン等で目印を記載し、その目印に合っているかどうか、覗き孔19から視認が可能になる。
【0025】
取付金具11の突出部13は、筒状連結部12の前側の面からさらに前方に突出する水平板である。この突出部13の下方に断面を六角形とする筒状のソケット14が配置される。ソケット14は上面が水平面となり、突出部13と並行に並ぶように形成されている。ソケット14は、所定の長さを有するが、後述する挿入部24よりも若干長手方向に短く形成されている。
【0026】
本実施形態の突出部13は、筒状連結部12の近くにボルト18等の固着具を挿通可能な貫通孔17を有している。貫通孔17はソケット14に挿入された挿入部24の上部から押圧して挿入状態を維持、固定することができる。また、突出部13の両側とソケット14の両側となる幅方向は略同一となり、その両側に立設するように側壁15、15が配置される。側壁15、15の下縁はソケット14の下面と略同一平面上としている。この突出部13及び側壁15、15により、ソケット14の固定を強固にしている。
【0027】
上記側壁15、15はソケット14の両側面を補強するものであり、片方の側面だけに形成されるものでもよい。また、挿入部24のソケット14への挿入状態の位置決めは、挿入部24に形成される鍔24bとソケット14の開口面との係合によって行う。その他の実施形態として、側壁15、15は貫通孔17よりもソケット14側の位置で垂直部分15a、15aを有し、この垂直部分15a、15aと鍔24bとの係合により位置決めをするものであってもよい。
【0028】
次に、取付金具11に挿入する挿入部24を有する畝立具5について説明する。畝立具5は、図3、4に示すように、鋤形状の爪板21、21と、爪板21、21の下端を覆う底板22と、爪板21、21の後方に延設する左右一対の整形羽根23、23と、爪板21、21の間の上部に設けた挿入部24と、挿入部24を支持する支持体25(図8参照)とからなる。底板22は前端に角を有する矩形の平板を3枚重ねて形成している。
【0029】
爪板21、21は、鋤先を形成する平面視V字形状において、底板22よりも内側に位置して底板22に立設して固定している。爪板21、21は前端に鋭角を有して後方ほど左右外方に位置するとともに、後上方に向けて左右外方に傾斜している。また、爪板21、21の前端上部に上方及び前後方向に開口する開口部26を有している。
【0030】
2つの爪板21、21に囲まれる内部であって、開口部26の近くに挿入部24が配置される。挿入部24を支持する支持体25は、図7、8に示すように、底板22から垂直に立設した支持柱25bに、平板25aが支持され、この平板25aに挿入部24が載置されて支持される。
【0031】
平板25aの上に載置され、取付金具11のソケット14に挿入する挿入部24について説明する。この説明において、図4に示すように、挿入部24の開口部26側を先端とし、他方端を基端として説明する。挿入部24は、六角形状の棒体からなる挿入本体24aと挿入本体24aの長手方向を向いて両側方向に広がる鍔24bを有し、その鍔24bから挿入本体24aの長手方向にそって基端側に延長する基端部24cが形成され、この基端部24cの上表面には突出部13の貫通孔17からねじ込まれたボルト(押圧具)18に合致するための凹部24dが形成されている。
【0032】
また、本実施形態と異なる実施形態として、図示しないが、凹部24dは基端部24cの上面ではなく、側面に形成されるものであってもよい。この場合、凹部24dを押圧するようにねじ込まれるボルト18は、ソケット14に貫通孔が形成されていてもよく、ねじ込むために当該貫通孔にナットを溶着するものであってもよい。
【0033】
挿入部24の挿入本体24aの先端は、開口部26が形成されていなければ爪板21、21が合わさる位置よりも若干基端側に位置するようにしている。このようにすることで、ソケット14や側壁15、15との干渉を回避し良好な畝の形成をするようにしている。
【0034】
図3に示すように、畝立具5は、挿入部24の挿入本体24aを取付金具11のソケット14の挿入孔14aに挿入することで、取り付けることができる。挿入孔14aと挿入本体24aとは横断面形状が若干の隙間を有して同じ形状であり、挿入本体24aがソケット14への挿入状態で回転することなく、ガタツキを防止して挿入状態を固定することができる。
【0035】
また、図4、5、6に示すように、挿入本体24aは上面に所定の広さを有する上面24eをもつ六角形状で、ソケット14の挿入孔14aの内側上面14bが水平面となる六角形状の穴を有する。本実施形態における所定の広さは、上面24eの長手方向長さが取付バー3の幅方向長さより長く、上面24eの幅方向長さは数ミリの径のボルト(押圧具)を受ける凹部24dが形成可能な程度の幅を有する略長方形型となる広さを有する。
【0036】
ソケット14の挿入孔14aに挿入本体24aを挿入した状態では、挿入本体24aの周囲には微細な隙間を有するが、畝立具5の重みより挿入本体24aの先端側から基端側にかけて傾斜するような力が作用し、通常時の挿入本体24aの上面24e(押付平面)と挿入孔14aの内側上面14b(被押付平面)に係合して、挿入状態を固定することができる。これに加え、取付金具11の貫通孔17から挿入されたボルトを締め付けることで、挿入部24の基端部24cを押し付け、使用状態であってもさらに強固に固定することができる。
【0037】
本実施形態において、ソケット14(挿入孔14a)と挿入部24(挿入本体24a)はいずれも六角形状の孔、棒としているが、これに限定するものではない。自重による係合を踏まえて、挿入部24の上側に平面を有し、ソケット14の内側上面及び内側下面に平面を有するものが好ましいが四角形状や八角形状であってもよい。また、挿入部24の上側の平面による係合を踏まえて、逆三角形状やその他の形状であってもよい。
【0038】
また、その他の実施形態として、ソケット14(挿入孔14a)と挿入部24(挿入本体24a)はいずれも六角形状の孔、棒としているが、挿入本体24aが六角形の頂点を最上部とした形態であってもよい。この場合、挿入孔14aの内側上面14b、14bが切妻屋根状の斜面となる。
【0039】
本発明は取付バー3の適宜の位置に取付金具11、11を取り付けることで、適宜の位置に畝立具5、5を取り付けることが可能になる。本実施形態で取付金具11は、取付バー3の左右方向の中央に、本体フレーム2との間に設置されているが、この本体フレーム2の両側に取付金具11、11を1つずつ取り付けることで、3つの畝立具5、5を有することができる。また、図12に示すように、畝立具5、5を5つ取り付ける狭いピッチの畝を形成する場合には、さらに取付金具11、11を取付バー3の両側から1つずつ取り付けることで可能になる。また、図11に示すように、畝立具5、5を4つ取り付ける場合には、取り外しが比較的難しい本体フレーム2間にある取付金具11を無視し、左右から2つずつの取付金具11、11を適宜間隔で取り付けることで達成でき、畝立具5、5を2つ取り付ける場合も同様に左右から1つずつの取付金具11、11を取り付けることで達成することができる。
【0040】
また、本実施形態はトラクタの後方から畝立具5、5の挿入部24、24を差し込んで取り付けるものであるが、取付金具11、11のソケット14、14の形態や挿入部24、24の挿入方向の向きはこれに限定されない。例えば、取付バー3の長手方向に向けたソケット14、14と挿入部24、24を有するものや、取付バー3に取付金具11、11を取り付けたうえで、取付バー3とトラクタの間から畝立5、5の挿入部24、24を差し込む形態であってもよい。更にソケット14、14と挿入部24、24の向きは水平方向に限定するものではない。完全な垂直方向であれば挿入本体24aの上面24eと挿入孔14aの内側上面14bとの係合による固定が達成し得ないが、上下方向に傾斜する程度のものまで排除するものではない。
【0041】
次に、取付バー3が取り付けられる本体フレーム2、及び、本体フレーム2の上下動について説明する。図9、10に示すように、本体フレーム2は、上下反転したL字形状の上アーム31と、前後に長尺な搖動アーム32と、取付金具11を着脱自在に取り付ける左右に長尺な取付バー3とからなる。上アーム31は前後に長尺な上辺部31aの前端にスライドヒッチ6に着脱自在で固定・保持する保持部33を有し、上辺部31aの後部から下方に縦辺部31bが突出している。縦辺部31bは下部を前方に湾曲して、その下方先端に搖動軸32aを介して搖動アーム32を搖動自在で支持している。
【0042】
搖動アーム32は前後長の中間を上アーム31に支持される。搖動アーム32はその前端に取付バー3を接続している。取付バー3は搖動アーム32により上下に搖動する。畝立装置1は取付バー3を搖動して、取り付けた畝立具5、5の傾きを調整することができる。
【0043】
昇降機構4は、図10に示すように、上下に移動するネジ軸42と、ネジ軸42と噛み合うナット筒43と、ネジ軸42の高さを変更・操作するハンドル44とからなり、本体フレーム2に設けている。ネジ軸42はその上部を上アーム31の上辺部31a後端に貫通して固定して、上端にハンドル44を取り付けている。ネジ軸42はその下部をナット筒43内に挿入して、ハンドル44の操作によりナット筒43に対して上下に移動自在で固定している。ナット筒43はその下端を搖動アーム32の後端に固定している。ネジ軸42、ナット筒43はピンにて支持され、その長さによる動に応じ、畝立具5、5の先端を動可能にしている。これにより、畝立具5、5の先端である鋤と地面との角度を調整することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…畝立装置、3…取付バー、5…畝立具、11…取付金具、12…筒状連結部、13…突出部、14…ソケット、14a…挿入孔、14b…内側上面(被押付平面)、15…側壁、15a…垂直部分、16…固定具、16a…固定具挿入面、16b…接続部、16c…押圧固定面、16d…固着具、17…貫通孔、18…押圧具(ボルト)、24…挿入部、24a…挿入本体、24b…鍔、24c…基端部、24d…凹部、24e…上面(押付平面)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12