(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定間隔毎に幅方向に切り取り線が設けられ、ロール状に巻回された形態のウェットシートが収容されると共に、前記ウェットシートが引き出される引出口を有するシートカートリッジを内部に収容可能であると共に、所定の高さの位置で下方に向かって開口形成され、前記ウェットシートが外部に送り出される際に通過するシート排出口を備えるケーシングと、
前記ケーシング内に設けられ、前記ウェットシートを前記引出口から前記シートカートリッジ外に引き出し、前記シート排出口から使用に供される所定の長さの前記ウェットシートを外部に送り出すと共に、前記シート排出口よりも前記ウェットシートの送り方向上流側に位置する部位を保持し、前記シート排出口から、前記使用に供される所定の長さの前記ウェットシートを垂れ下げた状態で提供するシート送り機構と
を有するウェットシート供給装置であって、
前記シート送り機構は、
前記シート排出口よりも前記ウェットシートの送り方向上流側に配置され、前記ウェットシートを挟んで対峙して設けられる駆動ローラ及び従動ローラと、
前記ウェットシートを前記シート排出口に向けて送り出す方向に前記駆動ローラを回転させるモーターを有すると共に、前記ウェットシートの送り量を制御する送り量制御部を有する駆動制御機構と
を有し、
前記送り量制御部が、
手かざしセンサーと、
前記シートカートリッジの引出口から、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点までの範囲に設けられ、前記ウェットシートの切り取り線を検出する切り取り線検出センサーと、
前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から、前記シート排出口までの範囲に設けられ、検出された前記切り取り線の前側の前記ウェットシートの有無を検出するシート検出センサーと、
前記手かざしセンサーの検出信号に基づき、待ち受け状態から前記モーターを駆動させる信号を出力し、前記切り取り線検出センサーにより前記切り取り線を検出した後、検出された前記切り取り線が、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から、前記シート検出センサーの検出位置までの範囲に到達する所定時間が経過すると前記モーターの駆動を停止させる信号を出力するモーター制御部と
を有し、
前記シート検出センサーは、前記シート排出口から、検出された切り取り線の前側の前記ウェットシートが垂れ下がっている状態では前記ウェットシートの存在を検出し、前記待ち受け状態では、垂れ下がっている前記ウェットシートが使用者に受け取られた後の前記ウェットシートの存在を検出しない状態になっている
ことを特徴とするウェットシート供給装置。
前記切り取り線検出センサーの取り付け位置が、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から離間して最大で、前記ウェットシートの送り抵抗最大時に、前記切り取り線を検出した後、前記モーターが駆動を停止する所定時間経過までに、検出した前記切り取り線が前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点よりも送り方向下流側に到達できる位置に設定され、
前記シート検出センサーの取り付け位置が、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から離間して最小で、前記ウェットシートの送り抵抗最小時に、前記モーターが駆動を停止する所定時間経過時点における、検出した前記切り取り線の到達位置に設定されている
請求項1記載のウェットシート供給装置。
前記シート検出センサーにより、前記ウェットシートの存在が検出されている間、前記シート排出口から垂れ下がっている前記ウェットシートに光を照射する光照射部を備えている請求項1〜3のいずれか1に記載のウェットシート供給装置。
前記カバー体の引出口から略水平に引き出す引き出し用中継ローラが複数本並列配置さされており、そのうち、前記引出口に最も近いものが、前記引出口に一部が臨むように配設されている請求項1〜4のいずれか1に記載のウェットシート供給装置。
前記シート排出口からの前記ウェットシートの突出長さが、所定以上の場合、前記モーターの駆動を停止させる信号を出力する突出長さ異常検知センサーをさらに備える請求項1〜5のいずれか1に記載のウェットシート供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示のシートディスペンサーは、上記のように、衛生的かつ容易にウェットシートを手にとることができるが、積層状態のウェットシートを所定枚数ずつ摘まみあげるため、嵩が減ったときの調整機構等が必要で、構造が複雑になりがちであった。また、取り出し口に配置された受け皿上までウェットシートが移送され、受け皿上のウェットシートを使用者が手にとるため、その際、受け皿に手が触れる可能性もあり、衛生上の観点から更なる改善の余地があった。
【0007】
一方、特許文献3は、特許文献2の問題点を解消したもので、ロール状に巻回されたウェットシートを用い、手かざしセンサーが手を検出すると、シート排出口から所定長のシートが下方に引き出され、シート排出口から垂れ下がった状態となる。その垂れ下がった部分を使用者が引っ張ることにより切り取り線(ミシン目)から使用する分のウェットシートが切れ、使用することができる。従って、シート排出口から引き出されたウェットシートに手等を触れるのは使用者のみであり、衛生的である。
【0008】
特許文献3において、ウェットシートの送り量の制御は、切り取り線(ミシン目)を検出するセンサー(切り取り線検出センサー)のみに基づいて行っている。すなわち、モーターの駆動によって駆動ローラが回転し、それに牽引されてウェットシートが排出されていくが、次の切り取り線を検出した時点でモーターの駆動を停止させている。特許文献3では、駆動ローラの下方のシート排出口付近に切り取り線検出センサーを設ける態様と、駆動ローラの上方に切り取り線検出センサーを設ける態様を開示している。
【0009】
しかしながら、前者の態様は、駆動ローラとそれに対峙する従動ローラとの間を通過した後の、送り方向への牽引力が作用しない位置に設けられているため、切り取り線(ミシン目)の開口があまり開かず検出できない頻度が比較的高い。しかも、牽引力が作用していないため、駆動ローラと従動ローラとの間を通過した以降のウェットシートは必ずしも安定して垂直に垂れ下がるとは限らず、多少のゆがみやねじれが発生したりする場合もあり、切り取り線の検出には必ずしも適しているとは言えない場合もある。
【0010】
一方、後者の態様では、駆動ローラにより送り方向下流に牽引されて張力がかかる位置で検出されるため開口の検出ミスは前者の態様よりは小さい。しかし、シート排出口から排出されているウェットシートを引っ張ることにより切れる位置は、駆動ローラと従動ローラとの接点を通過した後の切り取り線からである。従って、切り取り線検出センサーを駆動ローラよりも上流に取り付けた場合、手前の切り取り線を検出した後、次の切り取り線を検出してモーターが停止した時点で、手前の切り取り線が駆動ローラと従動ローラとの接点を通過した後の位置になっていなければならない。
【0011】
しかも特許文献3に開示の後者の態様では、駆動ローラと従動ローラとの接点より下流側にシート検出センサーを設け、ウェットシートを検出できない場合には途切れや送りミスが発生したとして、エラー表示されることが記載されている。これは、このようなエラーが生じた場合に速やかに対応できるため好ましいが、正常動作時においては、常にウェットシートがシート検出センサーの取り付け位置より下流側に存在しなければならない。
【0012】
そのため、切り取り線検出センサーにおいて次の切り取り線を検出することにより停止した時点で、その手前の切り取り線の位置が、駆動ローラと従動ローラとの接点よりも下流側であることと、シート検出センサーによってウェットシートの存在が確認できることという2つの条件を満足しようとすると、2つの切り取り線に挟まれた1枚のウェットシートは、使用者が手をかざす前の待ち受け状態において、その全範囲が、駆動ローラと従動ローラとの接点よりも下流側に位置していることが必須となる。その結果、シート排出口から突出している分の長さも長くなり、待ち受け状態での乾燥が発生しやすい。例えば、1枚のウェットシートの長さ(隣接する切り取り線間の間隔)が150mmとして、駆動ローラと従動ローラとの接点からシート排出口までが50mmとした場合、待ち受け状態において、シート排出口から少なくとも100mm突出していることになり、その分、外気や冷暖房機の風等に直接晒され乾燥が早期に進みやすい。これを回避するために、例えば、ケーシングを、ロール状に巻回されたウェットシートを保持しているシートカートリッジの引出口からシート排出口までの距離をより長くし、シート排出口からウェットシートが突出しないような大きさにすることが考えられるが、それではケーシングが大型化する。切り取り線間の間隔が広がれば広がるほどその傾向は顕著となり、逆に言うと、ある一定の大きさのケーシングでの使用に適したロール状のウェットシートは、隣接する切り取り線間の間隔が所定の範囲のものに限られてしまう。
【0013】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、待ち受け状態におけるウェットシートの乾燥を従来より抑制でき、しかも、ロール状に巻回されたウェットシートにおける切り取り線間の間隔としてより多種類のものに、ケーシングを大型化させることなく対応できるウェットシート供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明者のウェットシート供給装置は、
所定間隔毎に幅方向に切り取り線が設けられ、ロール状に巻回された形態のウェットシートが収容されると共に、前記ウェットシートが引き出される引出口を有するシートカートリッジを内部に収容可能であると共に、所定の高さの位置で下方に向かって開口形成され、前記ウェットシートが外部に送り出される際に通過するシート排出口を備えるケーシングと、
前記ケーシング内に設けられ、前記ウェットシートを前記引出口から前記シートカートリッジ外に引き出し、前記シート排出口から使用に供される所定の長さの前記ウェットシートを外部に送り出すと共に、前記シート排出口よりも前記ウェットシートの送り方向上流側に位置する部位を保持し、前記シート排出口から、前記使用に供される所定の長さの前記ウェットシートを垂れ下げた状態で提供するシート送り機構と
を有するウェットシート供給装置であって、
前記シート送り機構は、
前記シート排出口よりも前記ウェットシートの送り方向上流側に配置され、前記ウェットシートを挟んで対峙して設けられる駆動ローラ及び従動ローラと、
前記ウェットシートを前記シート排出口に向けて送り出す方向に前記駆動ローラを回転させるモーターを有すると共に、前記ウェットシートの送り量を制御する送り量制御部を有する駆動制御機構と
を有し、
前記送り量制御部が、
手かざしセンサーと、
前記シートカートリッジの引出口から、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点までの範囲に設けられ、前記ウェットシートの切り取り線を検出する切り取り線検出センサーと、
前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から、前記シート排出口までの範囲に設けられ、検出された前記切り取り線の前側の前記ウェットシートの有無を検出するシート検出センサーと、
前記手かざしセンサーの検出信号に基づき、待ち受け状態から前記モーターを駆動させる信号を出力し、前記切り取り線検出センサーにより前記切り取り線を検出した後、検出された前記切り取り線が、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から、前記シート検出センサーの検出位置までの範囲に到達する所定時間が経過すると前記モーターの駆動を停止させる信号を出力するモーター制御部と
を有し、
前記シート検出センサーは、前記シート排出口から、検出された切り取り線の前側の前記ウェットシートが垂れ下がっている状態では前記ウェットシートの存在を検出し、前記待ち受け状態では、垂れ下がっている前記ウェットシートが使用者に受け取られた後の前記ウェットシートの存在を検出しない状態になっている
ことを特徴とする。
【0015】
前記切り取り線検出センサーの取り付け位置が、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から離間して最大で、前記ウェットシートの送り抵抗最大時に、前記切り取り線を検出した後、前記モーターが駆動を停止する所定時間経過までに、検出した前記切り取り線が前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点よりも送り方向下流側に到達できる位置に設定され、
前記シート検出センサーの取り付け位置が、前記駆動ローラと前記従動ローラとの接点から離間して最小で、前記ウェットシートの送り抵抗最小時に、前記モーターが駆動を停止する所定時間経過時点における、検出した前記切り取り線の到達位置に設定されていることが好ましい。
【0016】
また、前記シート排出口に、前記待ち受けモードにおいて前記シート排出口を閉鎖するシャッターが設けられている構成とすることが好ましい。
前記シート検出センサーにより、前記ウェットシートの存在が検出されている間、前記シート排出口から垂れ下がっている前記ウェットシートに光を照射する光照射部を備えていることが好ましい。
【0017】
前記カバー体の引出口から略水平に引き出す引き出し用中継ローラが複数本並列配置さされており、そのうち、前記引出口に最も近いものが、前記引出口に一部が臨むように配設されていることが好ましい。
【0018】
前記シート排出口からの前記ウェットシートの突出長さが、所定以上の場合、前記モーターの駆動を停止させる信号を出力する突出長さ異常検知センサーをさらに備える構成とすることが好ましい。
【0019】
前記ウェットシートの利用状況及び動作の異常を含む機器情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記機器情報を読み出して、管理用コンピュータに送信する機能を有する通信部と
を備えた情報処理部をさらに有する構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のウェットシート供給装置は、手かざしセンサーの検出信号をモーター制御部が受信すると、モーターを待ち受け状態から駆動させて駆動ローラを回転させる。その後、切り取り線検出センサーにより切り取り線が検出されると、検出された切り取り線が駆動ローラと従動ローラとの接点よりも送り方向下流側に至る予め設定した所定時間が経過するまでモーターを駆動し続けて停止させている。そのため、検出された切り取り線は、駆動ローラと従動ローラとの接点よりも常に送り方向下流側に位置している。このとき、その検出された切り取り線の前側には、1枚分のウェットシートが存在しており、シート検出センサーによりその存在が検出され、シート排出口から所定長さ突出している。使用者がシート排出口から突出している部位を引っ張ると、上記の検出された切り取り線から当該ウェットシートが切れ、使用者はそれを手に取って使用することができる。当該ウェットシートが使用者に提供されると、シート検出センサーは、ウェットシートの存在を検出しない状態となり、モーター制御部が手かざしセンサーから次の検出信号を受け取るまでは、モーターが停止した待ち受け状態となる。従って、待ち受け状態において、ウェットシートは、シート検出センサーにより検出されない位置、すなわち、次のウェットシートの最先端は、駆動ローラと従動ローラとの接点よりも送り方向下流側であって、シート検出センサーよりも上流側に位置していることになる。そのため、待ち受け状態において、シート排出口からウェットシートが突出していることがなく、ウェットシートの乾燥が抑制される。
【0021】
また、モーター制御部は、切り取り線検出センサーによる切り取り線の検出後、駆動ローラと従動ローラとの接点よりも送り方向下流側に至る予め設定した所定時間が経過するまでモーターを駆動して停止させるように制御している。従って、ウェットシート1枚分の長さ(隣接する切り取り線間の間隔)に拘わらず、駆動ローラと従動ローラとの接点から送り方向下流側に至っている切り取り線までの長さはほぼ一定になり、待ち受け状態におけるシート排出口からの突出もない。そのため、本発明のウェットシート供給装置は、ロール状のウェットシートとして、ケーシングを大型化させることなく、ウェットシート1枚分の長さ(隣接する切り取り線間の間隔)が種々のものに対応できる。
【0022】
また、本発明は、切り取り線検出センサーの取り付け位置を、駆動ローラと従動ローラとの接点から離間して最大で、ウェットシートの送り抵抗最大時において、検出された切り取り線が駆動ローラと従動ローラとの接点よりも送り方向下流側に至っている位置に合わせて設定された構成であることが好ましい。
【0023】
ロール状に巻回されたウェットシートの場合、水分を保持しているため、ウェットシートをセットした使用開始直後と残量が少なくなった時点とでは重量差が大きく、駆動ローラがウェットシートを送り方向に送る際の送り抵抗が使用開始直後と残量が少なくなった時点とでは大きく異なる。そのため、ロール状に巻回されたウェットシートは、モーターの回転時間が一定の場合、残量が少なくなるほど、送り速度が顕著に速くなるという特性がある。上記のように、本発明は、切り取り線を検出した後、この検出された切り取り線が駆動ローラと従動ローラとの接点よりも送り方向下流に至るまで送られるように時間設定している。しかし、送り抵抗が大きい場合、この設定した時間内に、検出された切り取り線が駆動ローラと従動ローラとの接点よりも送り方向下流側に到達しない可能性がある。この点、駆動ローラと従動ローラとの接点からの最大離間距離を、送り抵抗最大時に送ることができる距離以下とすることで、そのような事態の発生を防ぐことができる。
【0024】
一方、シート検出センサーの取り付け位置は、駆動ローラと従動ローラとの接点から離間して最小で、ウェットシートの送り抵抗最小時において、モーターが駆動を停止する所定時間経過時に検出された切り取り線が到達している位置に設定されている構成であることが好ましい。 駆動ローラと従動ローラとの接点からの最小離間距離がこの距離未満の場合、送り抵抗が小さくなってウェットシートの送り速度が速くなった際に、切り取り線の位置がシート検出センサーの取り付け位置よりも下流側となってしまう場合が生じる。すなわち、シート検出センサーが検出しているウェットシートは、検出された切り取り線の直後のウェットシートになってしまっており、検出された切り取り線の直前のウェットシートを切り取ったとしても、シート検出センサーは、直後のウェットシートの存在を検出し続けることになる。そのため、ウェットシートが切り取られていないと判断し続け、ウェットシートの受け取りを待っている状態を継続し、装置を待ち受け状態に移行できない。しかしながら、本発明によれば、シート検出センサーの取り付け位置を、送り抵抗の最小時、すなわち、ウェットシートの送り速度が最速の場合に到達する距離以上としているため、シート排出口から突出しているウェットシートが切り取り線から切り取られた場合には、確実に、ウェットシートの不存在を検出できる。従って、誤作動の抑制に貢献できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて更に詳しく説明する。
図1〜
図7に示したように、本実施形態のシート供給装置1は、ケーシング10、シート送り機構20を有して構成される。
【0027】
ケーシング10は、本体ケース110と、蓋体120とを有して構成される。本体ケース110は、
図1及び
図2に示したように、外観上、正面及び背面から見て、若干高さ方向に長い略長方形であり、平面及び底面から見た場合には、若干前後方向に長い略長方形である。その一方、側面から見た場合には、正面側から背面側に向かって円弧状に切り欠かれた形状をなしている。具体的には、平面視でやや前後方向に長い略長方形の底面部111、底面部111の背面側で該底面部111に対して略垂直に立ち上がる略長方形の背面部112、正面側に位置し、高さ方向略中央部が背面方向に湾曲するように略く字状に形成された湾曲正面部113、背面部112及び湾曲正面部113の各側部を被覆する側面部114,114によって取り囲まれ、上面に開口部115を有する中空に形成されている。
【0028】
これにより、湾曲正面部113は、高さ方向略中央部を基準として、それよりも上方の部位は、正面方向に徐々に突出する上部突出面113aとなり、下方の部位には底面部111に向かうに従って正面方向に徐々に突出し、底面部111を覆う下部突出面113bを有する形状となっている。従って、湾曲正面部113の正面側には、正面方向に突出している該湾曲正面部113の上部突出面113aと底面部111との間に、背面側に向かって略円弧状に凹んだ正面側空間部117が形成される。また、湾曲正面部113の上部突出面113aには、下方に向かって、すなわち正面側空間部117に対峙するように幅方向にスリット状に開口形成されたシート排出口113cが形成されている(
図2参照)。なお、底面部111とそれを被覆する下部突出面113bが、ケーシング10をテーブル、洗面台などに置く際の基台部10aとなる。
【0029】
図3〜
図7に示したように、本体ケース110内には、開口部115を介してシートカートリッジ130が収容される。シートカートリッジ130は、全体として略直方体をなすカバー体131を有し、このカバー体131内にロール状に巻回された形態のシート(本実施形態では、ウェットシートS)が収容されている(
図7参照)。
【0030】
カバー体131は、本体ケース110の正面側に略水平方向に延びるスリット状の引出口131aが開口され(
図4及び
図5参照)、この引出口131aにウェットシートSの先端縁が臨み、引き出し可能となっている。カバー体131は、該引出口131aを除いた部位が密閉されている。
【0031】
シートカートリッジ130の前後方向の長さは、
図3に示したように、本体ケース110の背面部112の位置を基準として蓋体120の先端位置(正面側に位置する正面板部122aの位置)に至るまでの長さよりも短い長さで形成され、本体ケース110内において背面部112寄りに設けたシート配置部116上に配置される(
図7参照)。
【0032】
蓋体120は、少なくとも、シートカートリッジ130の引出口131aから引き出されてシート排出口113cに至るまでの範囲に存在するウェットシートSの上方を被覆可能な大きさを有している。これにより、本体ケース110内でシートカートリッジ130から露出しているウェットシートSを被覆でき、当該部位のウェットシートSの乾燥を抑制する。本実施形態では、平面視で正面側が略円弧状になっている略長方形の天板部121と、本体ケース110の開口部115の周縁に接合可能に該天板部121の周囲から本体ケース110の開口部115方向に延びる周壁部122とを有して形成されている。蓋体120は、周壁部122のうち、正面側に位置する正面板部122aの下部付近が、本体ケース110の上部突出面113aの前端付近に軸支されて取り付けられる。従って、蓋体120は、
図3に示したように、正面板部122aの下部付近を中心として、周壁部122のうちの背面板部122b側ほど、本体ケース110の開口部115の周縁から離間するように開閉可能となっている。
【0033】
シート送り機構20は、駆動ローラ210、従動ローラ220及び駆動制御機構230を有して構成され、ケーシング10内に設けられる。駆動ローラ210と従動ローラ220は、シート排出口113cよりもウェットシートSのシートの送り方向上流側(シートカートリッジ130の引出口131a寄り)に、本実施形態ではシートカートリッジ130の引出口131aから本体ケース110のシート排出口113cに至るまでの間に配設される(
図3〜
図7参照)。また、本実施形態では、駆動ローラ210が、本体ケース110におけるシート排出口113cの上方位置において側面部114,114間に回転可能に軸支される。また、駆動ローラ210を回転させる駆動制御機構230も本実施形態では本体ケース110内に設けられる。駆動制御機構230は、モーター231と送り量制御部234とを有する。また、モーター231の出力軸に連結されたモーター側プーリ232と、駆動ローラ210に設けたローラ側プーリ211との間に掛け渡される伝達ベルト233を備えており、これらを介してモーター231の回転力を駆動ローラ210に伝達する。
【0034】
従動ローラ220は、蓋体120の周壁部122の正面板部122a寄りにおいて幅方向に沿って回転可能に掛け渡されている。また、
図7に示したように、従動ローラ220は、蓋体120を閉じた際に、駆動ローラ210と対峙する位置に設けられ、弾性部材により、駆動ローラ210に近接する方向に付勢されている。具体的には、
図3に示したように、従動ローラ220は、回転軸部221の各端部221aが、蓋体120の内側の周壁部122付近に、幅方向に離間してそれぞれ設けられた弾性部材としての板ばね222に回転可能に支持されている。板ばね222は、蓋体120を閉じた状態で駆動ローラ210に近接する方向に弾性力が作用するように設定されている。なお、従動ローラ220を駆動ローラ210に近接させる方向に付勢する弾性部材はこれに限定されるものではなく、板ばね222に代えて、コイルスプリング等の他のばね、あるいは、ゴム等を採用することもできる。
なお、ウェットシートSは、駆動ローラ210及び従動ロータ220間に挟まれて下方に送られ、シート排出口113cから排出されていき、使用者が垂下されているウェットシートSを下方に引っ張ることで提供され、当該ウェットシートSに接するのは当該使用者のみであり衛生的である。この点に鑑み、本実施形態のシート排出口113aの開口幅(ウェットシート供給装置1を正面からみて幅方向の長さ)がウェットシートSの幅よりも広く、それに直交する方向の奥行き方向の長さがウェットシートSの厚さを上回る寸法であることが好ましい。これにより、シート排出口113cから垂れ下がっているウェットシートSがシート排出口113cの周縁部に接することがなく衛生的に好ましい。同様の理由から、ウェットシートSを挟持する駆動ローラ210及び従動ローラ220の位置からシート排出口113cに至るまでのウェットシートSの送り経路の範囲も、ウェットシートSに、その回りの部品等が接触しないように当該部品等の配設位置が設定されていることが好ましい。なお、ウェットシートSは、駆動ローラ210及び従動ローラ220に挟持され、垂れ下げられた姿勢で保持され、その状態で使用者に提供される。よって、ウェットシートSは、垂れ下がった状態では
図7の側面方向から見て略垂直な姿勢となるため、その妨げにならない位置に、シート排出口113cの開口位置や送り経路の位置が設定される。
【0035】
送り量制御部234は、手かざしセンサー235と、切り取り線検出センサー236と、シート検出センサー237と、モーター制御部238とを有している。手かざしセンサー235は、ケーシング10の適宜部位に使用者の身体のいずれかの部位(通常は、手であるが、手に限定されるものではない)の接近を非接触で検出する(
図6参照)。手かざしセンサー235により手等の存在が検知されると、モーター制御部238から信号が出力され、モーター231が回転する。手かざしセンサー235は、光(赤外線を含む)、超音波を利用したものなどセンサーの種類も限定されるものではない。また、手かざしセンサー235の取り付け位置も限定されるものではないが、本実施形態では、
図6及び
図7に示したように、湾曲正面部113のうち上部突出面113aに開口する配置孔113d内に反射型赤外線センサーからなる手かざしセンサー235を設け、シート排出口113cの下方に位置する正面側空間部117に手等が差し入れられたことを検出可能となっている。但し、例えば、蓋体120の天板部121や周壁部122、あるいは、本体ケース110の側面部114,114などに設け、シート排出口113cの下方に位置する正面側空間部117ではなく、蓋体120の天板部121等に設けられた手かざしセンサー235の外方に手等がかざされるとそれを検出する構成とすることもできる。
【0036】
駆動ローラ210と従動ローラ220との接点A(
図7及び
図8参照)を挟み、送り方向上流側に切り取り線検出センサー236が配設され、送り方向下流側にシート検出センサー237が配置される。なお、接点Aは、ウェットシートSを挟んで接し合う点であるが、駆動ローラ210及び従動ローラ220の各表面の少なくともいずれかが柔軟なゴム等の素材からなる場合、両者がウェットシートSを挟んで接する範囲が1点ではなくなる場合がある。その場合には、両者が接している範囲中、駆動ローラ210の中心点C1と従動ローラ220の中心点C2とを結んだ仮想線が横切る位置を本実施形態における接点Aとする(
図7及び
図8参照)。
【0037】
切り取り線検出センサー236は、具体的には、シートカートリッジ130の引出口131aから、駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aとの間に設けられる。切り取り線検出センサー236は、例えば、光センサー(赤外線センサーを含む)から構成され、発光部236a及び受光部236bを、駆動ローラ210及び従動ローラ220間を通過するウェットシートSを挟んで対峙して配設される。切り取り線検出センサー236は、切り取り線S1(ミシン目)の開口S11(
図8参照)を光が通過するか否かにより切り取り線を検出する。
【0038】
シート検出センサー237は、具体的には、駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aから、シート排出口113cまでの間に設けられる。シート検出センサー237も、例えば、光センサー(赤外線センサーを含む)から構成され、発光部237a及び受光部237bを、駆動ローラ210及び従動ローラ220間を通過するウェットシートSを挟んで対峙して配設される。シート検出センサー237は、ウェットシートSによって光が遮られるか否かによりウェットシートSの有無を検出する。
【0039】
モーター制御部238は、各種電子回路が搭載された基板を有してなり、ケーシング10内の適宜位置に配設される。モーター制御部238は、手かざしセンサー235、切り取り線検出センサー236及びシート検出センサー237等による検出信号を受信し、それに基づき、モーター231に制御信号を出力する。
【0040】
本実施形態では、
図11に示したように、シートカートリッジ130等のセット後、メイン電源がONされると、ウェットシート供給装置1は待ち受け状態(
図11のステップA)となる。その後、手かざしセンサー235によって手を検出し(
図11のステップB)、モーター制御部238がその検出信号を受信すると、モーター231に駆動信号を出力する。それにより、モーター231が駆動し、駆動ローラ210が回転する(
図11のステップC)。なお、この説明では、1回の使用に供されるウェットシートS(
図8の符号Sa,Sb)は、隣接する切り取り線S1,S1間に位置する1枚分とする。
【0041】
ウェットシートSが送られている間に、切り取り線検出センサー236が次に通過する切り取り線S1(ミシン目の開口S11)を検出する(
図11のステップD)。モーター制御部238はこの切り取り線S1の検出信号を受信すると、予め設定した所定時間経過後にモーター231の駆動を停止させる信号を出力する(ステップE)。それにより、駆動ローラ210の回転が止まる。本実施形態では、モーター制御部238が、切り取り線S1の検出信号を受信した後、モーター231を停止させるまでの所定時間は、切り取り線検出センサー236による切り取り線S1の検出タイミングから、当該所定時間が経過した時点で、検出された切り取り線S1が駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aよりも送り方向下流側であって、シート検出センサー237の取り付け位置(検出位置)よりも上流側の範囲に到達するように設定される。従って、駆動ローラ210及び従動ローラ220間に挟持される部位(挟持される部位の中心が両者の接点A)は、必ず、切り取り線S1よりも送り方向上流側となる。
【0042】
図8は、先行するウェットシートSaが使用に供されるため、その先端縁Sa1側がシート排出口113cから下方に突出している状態を示している。
図8に示したように、2枚のウェットシートSa,Sb間の切り取り線S1は、駆動ローラ210及び従動ローラ220の接点Aよりも送り方向下流側となっている。このとき、シート検出センサー237は、先行するウェットシートSaの存在を検出しており、使用者によって当該ウェットシートSaが下方に引っ張られて取り出されることを待っている状態である(
図11のステップF)。この状態において、先行するウェットシートSaが使用によって取られるとする。すると、シート検出センサー237が先行するウェットシートSaの存在を検出していない状態となる。これにより、再び、待ち受け状態(
図11のステップA)となる。
【0043】
ここで、シート送り機構20によって送られるウェットシートSは、シートカートリッジ130内でロール状に巻回された形態になっている。そのため、ウェットシートSのロール径は、使用開始時点から漸次減っていき、重量が軽くなっていく。この際、ウェットシートSの特性として、除菌剤、殺菌剤、洗浄剤等、用途によって異なるが各種の水分を含んでいるため、使用開始直後と使用終了直前とでは、水分を含んでいないシートと比較して重量差が著しく大きい。そのため、駆動ローラー210の回転によって送られるウェットシートSの送り抵抗は、使用開始直後と使用終了直前とで大きく異なり、本実施形態のように、モーター制御部238において、切り取り線検出センサー236により切り取り線S1を検出した後、所定時間経過した時点でモーター231の駆動を停止させるという時間制御を行う場合、その送り速度は、使用開始直後の送り抵抗最大時が最も遅く、使用終了時点の直前の送り抵抗最小時が最も速く、かつ、両者の差が大きい。
【0044】
本実施形態では、上記のように、モーター制御部238は、切り取り線S1の検出信号を受信した後、モーター231を停止させるまでの所定時間の範囲で、検出された切り取り線S1が駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aとシート検出センサー237の取り付け位置(検出位置)との間に位置させるように制御する必要がある。しかるに、上記のような水分を含んだロール状のウェットシートSの特性から、送り抵抗の大きいときは、切り取り線検出センサー236が切り取り線S1を検出した後、設定した所定時間内に、駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aよりも下流側に至らない可能性がある。その場合には、シート排出口113cから突出している部位を下方に引っ張っても、検出した切り取り線S1からウェットシートSを切り取ることができない。一方、送り抵抗が小さくなると、ウェットシートSの送り速度が速くなり、切り取り線検出センサー236が切り取り線S1を検出した後、設定した所定時間経過後にシート検出センサー237の取り付け位置(検出位置)よりも送り方向下流側に至ってしまう可能性もある。その場合には、シート排出口113cから突出している最先に位置するウェットシートSの部位を引っ張っても、シート検出センサー237よりも下方に位置する切り取り線S1から切り取られることになり、シート検出センサー237は、ウェットシートSの存在を依然として検出し続けることになる。シート検出センサー237が、ウェットシートSの存在を検出しなくなると、モーター制御部238は、ウェットシートSが取られたことを検出し、ウェットシート供給装置1を待機状態とする(
図11のステップA)が、ウェットシートSの存在を検出し続ける場合には、ウェットシートSが取られることを待っている状態を継続し続けることになり(
図11のステップF)、待機状態(
図11のステップA)に移行することができない。その結果、手かざしセンサー235が次の使用者の手を検出してもモーター231は駆動せず、動作エラーとなる。
【0045】
そこで、切り取り線検出センサー236の取り付け位置(検出位置)は、駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aからの離間距離X(
図8参照)が、最大で、予め設定したモーター231の駆動を停止するまでの所定時間内で、ウェットシートSの送り抵抗最大時、すなわち、使用開始直後(ロール状のウェットシートSから1枚目のものを引き出して、駆動ローラ210及び従動ローラ220間から先端縁がそれよりも下流側に臨むようにセットした状態)において、切り取り線検出センサー236が、1枚目と2枚目の間の切り取り線S1を検出した後、この検出された切り取り線S1が駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aよりも送り方向下流側(接点Aの位置を通り越した時点で下流側となる)に到達できる距離となるように設定される。すなわち、離間距離Xを、送り抵抗最大時を基準として、予め設定したモーター231が停止するまでの所定時間内で接点Aを通過できる距離以下とすれば、使用によりその後は送り抵抗が小さくなるだけであるため、接点Aの手前で検出された切り取り線S1の位置が止まることはない。
【0046】
一方、シート検出センサー237の取り付け位置(検出位置)は、駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aからの離間距離Y(
図8参照)が、最小で、予め設定した所定時間経過後にモーター231の駆動を停止した時点で、ウェットシートSの送り抵抗最小時、すなわち、使用終了直前(ロール状のウェットシートSの最後から2枚目と1枚目の間の切り取り線S1が切り取り線検出センサー236により検出される時点)において、検出された切り取り線S1が到達する位置に設定される。送り抵抗の最小時は、モーター231の駆動停止までの時間が一定でるため、送り抵抗最大時よりも移動距離が長くなる。よって、その際の切り取り線S1の到達位置は、駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aよりも下流側でとなる一方、送り抵抗最小時よりも抵抗が大きい段階と比較して接点Aから離れた位置となる。そのため、離間距離Yをその到達位置以上の距離とすることで、送り抵抗が漸次小さくなっていっても、切り取り線検出センサー236により検出された切り取り線S1がシート検出センサー237の取り付け位置よりも送り方向下流側まで至ってしまうことはない。
【0047】
切り取り線検出センサー236及びシート検出センサー237の取り付け位置を上記の条件で設定することにより、使用開始直後と使用終了直前とで送り抵抗が大きく異なるという特性を有するロール状のウェットシートSを確実に送ることができる。すなわち、ウェットシートSの残量に拘わらず、ウェットシートSの切り取り線S1の位置を、駆動ローラ210と従動ローラ220との接点Aからシート検出センサー237の取り付け位置(検出位置)までの間にとどめ、シート排出口113cから突出しているウェットシートSを使用者が切り取った場合にはより確実に、シート検出センサー237がウェットシートSが存在しなくなったことを検出でき、誤作動が抑制される。
【0048】
本実施形態では、上記のように、待ち受け状態(
図11のステップA)においては、切り取り線S1が、駆動ローラ210及び従動ローラ220間の接点Aからシート排出口113cまでの間に位置している。すなわち、次の使用者が手に取るウェットシートSの先端縁は、シート排出口113cから外部に突出していない。従って、外気や冷暖房設備の風が次の使用者が手に取るウェットシートSに直接当たることがなく、乾燥抑制効果が高い。その一方、シート排出口113cを介して、駆動ロータ210及び従動ローラ220の接点Aよりも下流側の範囲が、接点Aよりも上流側と比較して乾燥しやすい傾向にある。そこで、それらの乾燥も抑制するため、待ち受け状態において、シート排出口113cを閉塞するシャッターを設ける構成とすることもできる(
図8参照)。正常動作時において、待ち受け状態でシート排出口113cからウェットシートSが突出している従来の構成では、このようなシャッターを設けることはできないが、本実施形態のように待ち受け状態でシート排出口113cからウェットシートSが突出していない場合には、このようなシャッターを設けることが可能であり、乾燥抑制効果をさらに高めることができる。
【0049】
また、シート排出口113cからウェットシートSが突出し、ウェットシートSを使用者が受け取ることを待っている状態において(
図10(a),(b)参照)、ウェットシートSがシート排出口113cから垂れ下がっていることを知らせるため、シート検出センサー237の信号を受け、
図10(b)に示したように、ケーシング10の湾曲正面部113にLED等の光照射部119を設け、垂れ下がっている状態のウェットシートSに光を照射する構成とすることが好ましい。光照射部119からの光としては、例えば、3つの光照射部119を上から下に順次光らせるなどして、それがウェットシートSに投影されることで、使用者に注意を喚起し、取り忘れを抑制できる。
【0050】
また、駆動ローラ210及び従動ローラ220は、シート排出口113cの上方に配設されており、かつ、シートカートリッジ130の引出口131aの高さよりも下方に設けている。そのため、引出口131aから引き出されたウェットシートSを駆動ローラ210及び従動ローラ220で直接引っ張ると、シート排出口113cから排出される前に、ウェットシートSが切り取り線S1から破断する可能性がある。そこで、本実施形態では、引出口131aから引き出されたシートSを、駆動ローラ210及び従動ローラ220よりも、引出口131aに近い位置で受け止める破断防止用補助ローラ240,240を設けている。本実施形態では2本並列に配設している(
図4、
図5及び
図7参照)。これにより、引出口131aから略水平に引き出した後、下方に移送されるようになるため、引出口131aから引き出し直後に張力がかかり過ぎることを抑制できる。特に、引出口131aに近い破断防止用補助ローラ240は、
図4、
図5及び
図7に示したように、側面視で、引出口131aに一部が臨むように配設されることが好ましい。これにより、引出口131aから引き出された直後の急な方向転換により切り取り線S1が破断してしまうことをより抑制できる。
【0051】
なお、破断防止用補助ローラ240は、
図9(a)に示したように、ウェットシートSが巻き掛けられる周面241に凹部241aを複数形成し、ウェットシートSとの接触面積ができるだけ小さくなる形状とすることが好ましい。破断防止用補助ローラ240の周面241とウェットシートSとの接触面積が小さい方がシートSが貼り付きにくく、切り取り線S1からの送り途中での破断の防止効果がより高くなる。
【0052】
また、ウェットシートSが送り出される際、シートカートリッジ130内では、ロール状に巻回された部分が回転する。この回転の際の抵抗が大きいと、駆動ローラ210による引張力でいずれかの切り取り線S1が破断する可能性が高くなる。そこで、シートカートリッジ130内には、ロール状に巻回されたシートの回転をスムーズにする回転補助手段が設けられていることが好ましい。本実施形態では、
図9(b)に示したように、ロール状に巻回されたウェットシートSの回転方向に沿って、前面133a、底面133b及び背面133cに突出形成した1以上のリブ134から構成される。回転抵抗をより小さくするため、このリブ134は、多数並列して設けることが好ましい。
【0053】
本実施形態によれば、まず、蓋体120を開け、本体ケース110内のシート配置部116上に、シートカートリッジ130を置く
図3〜
図5参照)。次に、引出口131aからウェットシートSを引き出し、先端縁を駆動ローラ210の外周面上に巻き掛ける。このとき、従動ローラ220との接点Aとなる部位を通り越すように巻き掛ける。次に、蓋体120を閉じ、従動ローラ220を駆動ローラ210にウェットシートSを挟んで対峙させる(
図7参照)。従動ローラ220は、板ばね222により付勢されているため、ウェットシートSを挟んで駆動ローラ210に押し付けられる。
【0054】
このように設定された状態の外観は、
図1及び
図2に示したとおりであり、正面側空間部117にはウェットシートSが存在しない状態である。この状態でメイン電源をONすると本実施形態のウェットシート供給装置1は待機状態となる(
図11のステップA)。次に、使用者が正面側空間部117に手等を差し入れると、手かざしセンサー235が当該手等を検出する(
図11のステップB)。その検出信号によりモーター制御部238はモーター231を駆動させる(
図11のステップC)。それにより駆動ローラ210が回転し、それに伴って従動ローラ220が回転し、ウェットシートSが移送される。
【0055】
ウェットシートSが移送されていくと、1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSaに相当)と2枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSbに相当)との間の切り取り線S1を切り取り線検出センサー236が検出する(
図11のステップD)。モーター制御部238は、この切り取り線S1を検出した後、予め設定した所定時間経過後モーター231の駆動を停止させる信号を出力し、駆動ローラ210の回転を停止させる。この段階では、検出された切り取り線S1は、駆動ローラ210及び従動ローラ220の接点Aを通り過ぎた送り方向下流側となっており、シート検出センサー237は、切り取り線S1の前側に位置する1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSaに相当)の存在を検出しており、1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSaに相当)の先端縁Sa1がシート排出口113cから正面側空間部117に突出し(
図10(a),(b)参照)、使用者により受け取られることを待っている状態となる(
図11のステップF)。このとき、本実施形態では、送り抵抗最大時である1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSaに相当)と2枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSbに相当)との間の切り取り線S1が確実に駆動ローラ210及び従動ローラ220の接点Aを通り過ぎた送り方向下流側となるように、切り取り線検出センサー236と、駆動ローラ210及び従動ローラ220との位置関係が設定されていることは上記のとおりである。
【0056】
シート排出口113cから正面側空間部117に突出している範囲の1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSa)には、光照射部119から光が照射されて投影され、使用者に1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSa)を受け取る準備ができたことが報知される(
図10(b)参照)。
【0057】
そして、使用者が、シート排出口113cから正面側空間部117に突出している、切り取り線S1の前側に位置する1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSaに相当)を下方に引っ張ると、切り取り線S1よりも上流側に位置する2枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSbに相当)が駆動ローラ210及び従動ローラ220間に挟持されているため、当該切り取り線S1から切り離され、使用者に提供される。使用者は、ウェットシートSa以外のいずれの部位にも触れることなく、所定長さのウェットシートSaを手にとり、自らの手等を拭くことができる。すると、シート検出センサー237は、切り取り線S1の前側に位置する1枚目のウェットシートS(
図8のウェットシートSaに相当)の存在を検出できなくなり、駆動制御機構230はモーター231が停止したまま待ち受け状態となる(
図11のステップA)。待ち受け状態では、次に提供される2枚目のウェットシートSは、
図8のウェットシートSbの位置で待機したままであり、シート排出口113cから突出していない。そのため、シート排出口113cから突出して、外気や冷暖房設備の風に直接晒される部位がなく、乾燥しにくい。なお、この待機状態において、シャッターによりシート排出口113cを閉じる構成とすることでより乾燥しにくくなることは上記のとおりである。
【0058】
次の使用者が手かざしセンサー235に手をかざすと、モーター231が回転し、駆動ローラ210及び従動ローラ220が回転し、2枚目のウェットシートSと3枚目のウェットシートSとの間の切り取り線S1を切り取り線検出センサー236が検知し、当該切り取り線S1が駆動ローラ210及び従動ローラ220間の接点Aを通り過ぎるまで送られ、当該切り取り線S1の前側に位置する2枚目のウェットシートSが使用者に提供されるよう、上記の動作が繰り返される。なお、シャッターが用いられているときは、駆動制御機構230は、待機状態からモーター231が駆動する直前に、シャッターを移動させてシート排出口113cを開放させる。
【0059】
このようにしてウェットシートSが消費されていき、ウェットシートSの残量が少なくなってくると、送り抵抗は徐々に小さくなる。それにより切り取り線検出センサー236で切り取り線S1を検出してからモーター231が停止するまでの予め設定された時間で移送される距離が長くなるが、シート検出センサー237が上記のように送り抵抗最小時に合わせて取り付けられているため、検出された切り取り線S1がシート検出センサー237を通り過ぎる前に停止する。そのため、上記のように、シート検出センサー237がウェットシートSの存在を検出したまま待機状態に移行しなくなるといった誤作動は生じにくくなっている。
【0060】
なお、本実施形態のウェットシート供給装置1は、上記のように、使用時のみに、検出された切り取り線S1に先行する前側のウェットシートS(
図8のウェットシートSa)のみがシート排出口113cから突出する一方で、下方に位置する基台部10aには接触せず、宙づり状態で使用者に提供されるようになっている(
図10(a),(b)参照)。基台部10aに接触しないという点で衛生的に優れているが、切り取り線S1の検出ミス等により、先端のウェットシートSが基台部10aに接するまで移送される誤作動が生じる可能性もある。そこで、そのような誤作動が生じた場合にモーター231の駆動を停止させるため、シート排出口からのウェットシートS(
図8のウェットシートSa)の突出長さが、所定以上になった場合、モーター231の駆動を停止させる信号をモーター制御部238から出力させる突出長さ異常検知センサー(図示せず)を設けることもできる。突出長さ異常検知センサーは、例えば湾曲正面部113に設けることができる。
【0061】
また、
図12(a),(b)に示したように、ケーシング10に情報処理部30を設けた構成とすることもできる。情報処理部30は、ウェットシートSの利用状況及び動作の異常を含む機器情報を記憶する記憶部31と、記憶部31から機器情報を読み出して、管理用コンピュータ40に通信網を介して送信する機能を有する通信部32とを有する小型のコンピューターあるいはそれらの機能を有するチップを搭載した制御基板等から構成され、ケーシング10に内蔵させたり、外付けしたりして設けられる。例えば、シート検出センサー237によりウェットシートSの存在の検出数をカウントし、その検出数を記憶部31に記憶させ、通信部32がそれを定期的に読み出して管理コンピュータ40に送ることができる。機器情報としては、このウェットシートSの取られた枚数のほか、ウェットシートSが取られた日時、紙切れ、異常、バッテリー残量などに関する情報がある。なお、紙切れや異常情報などは、発生直後に送信するように設定されていることが好ましい。また通信網も限定されるものではなく、例えば、Wi−Fiを介してインターネットを利用することができるが、無線に限らず、有線であってもよい。また、情報処理部30は、通信部32を介して管理コンピュータ40からの指令を受信し、異常状態を解消する動作モードが起動したり、非常時において強制停止したりする構成とすることもできる。
【0062】
さらに、シート供給装置1の形状は、上記に示したものに限定されるものではなく、例えば、
図13に示したように、本体ケース110の側面部114,114の中途を内方に絞って湾曲させ、さらに、基台部10aの前部を略円弧状にするなどして、デザイン性をより高めた構成とすることもできる。
【解決手段】手かざしセンサー235の検出信号をモーター制御部238が受信すると、モーター231を待ち受け状態から駆動させて駆動ローラ210を回転させる。切り取り線検出センサー236により切り取り線が検出されると、検出された切り取り線が駆動ローラ210と従動ローラ220との接点よりも送り方向下流側に至る予め設定した所定時間が経過するまでモーター231を駆動し続けて停止させている。検出された切り取り線は、駆動ローラと従動ローラとの接点よりも常に送り方向下流側に位置している。検出された切り取り線の前側には、1枚分のウェットシートが存在しており、シート検出センサー237によりその存在が検出され、シート排出口から所定長さ突出している。