(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ブレードと、前記ブレードの一端に設けられたガードと、前記ブレードが固定されたヘッドと、を有し、前記ガードと前記ヘッドとの間で前記ブレードの刃先が露出されているブレード部と、
前記ブレード部における前記ブレードの刃先と前記ガードとを突出させた状態で前記ヘッドを着脱可能に保持するグリップ部と、
を備え、
前記ブレード部の端部は、軸形状を有する挿入突部を有し、
前記グリップ部の端部は、前記挿入突部が挿入される孔部を有し、
前記挿入突部は、前記ヘッドの端部から軸方向に沿って延びる開放された端部を有する一対の部分を有し、
前記一対の部分の前記開放された端部の間には空間が形成され、
前記一対の部分は、互いから離れた位置と、互いに近づく位置との間で弾性変形可能であり、
前記一対の部分の前記開放された端部の外側面には、第1凹凸構造が設けられ、
前記孔部の内壁には、前記第1凹凸構造と嵌合可能な第2凹凸構造が設けられ、
前記第1凹凸構造と前記第2凹凸構造との嵌合状態を保持する保持位置と、嵌合状態の保持を解除する解除位置との間で、前記軸方向に沿って移動可能なレバーをさらに有し、
前記保持位置において、前記レバーの先端が前記一対の部分の前記空間に挿入され、前記一対の部分が互いから離れた位置に規制され、
前記解除位置において、前記レバーの先端が前記一対の部分の前記空間から離れ、前記一対の部分が互いに近づく位置に変形可能な状態となる、セーフティカッターナイフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1態様のセーフティカッターナイフは、ブレードと、ブレードの一端に設けられたガードと、ブレードが固定されたヘッドと、を有し、ガードとヘッドとの間でブレードの刃先が露出されているブレード部と、ブレード部におけるブレードの刃先とガードとを突出させた状態でヘッドを着脱可能に保持するグリップ部と、を備える。
【0011】
このような構成により、ブレードを有するブレード部を交換することで、増加した切断抵抗を軽減させ、セーフティカッターナイフをより長い期間、継続して使用することができる。
【0012】
本開示の第2態様のセーフティカッターナイフにおいて、ブレード部のヘッドに第1凹凸構造が設けられ、グリップ部に、第1凹凸構造と嵌合可能な第2凹凸構造が設けられ、第1凹凸構造と第2凹凸構造との嵌合状態を解除可能に保持する保持機構を備えてもよい。
【0013】
このような構成により、保持機構が第1凹凸構造と第2凹凸構造との嵌合状態を保持して、ブレード部がグリップ部に装置される。また、保持機構によって、第1凹凸構造と第2凹凸構造との嵌合状態の保持を解除して、ブレード部がグリップ部から離脱することができる。
【0014】
本開示の第3態様のセーフティカッターナイフにおいて、保持機構は、第1凹凸構造と第2凹凸構造との嵌合状態を保持する保持位置と、嵌合状態を解除する解除位置との間で、移動可能なレバーを備え、レバーの一部が、操作可能にグリップ部から露出して設けられてもよい。
【0015】
このような構成により、レバーの露出部分を操作して、保持位置または解除位置を選択しレバーを移動させることで、第1凹凸構造と第2凹凸構造との嵌合状態を保持または解除することができる。
【0016】
本開示の第4態様のセーフティカッターナイフにおいて、保持機構は、レバーを解除位置から保持位置に向けて付勢するバネを備えてもよい。
【0017】
このような構成により、使用者がレバーに触れていない状態では、レバーが保持位置に保たれ、ブレード部とグリップ部との装着状態が維持される。一方、使用者が意思をもってレバーを操作することで、保持位置から解除位置に移動し、ブレード部をグリップ部から離脱させることができる。
【0018】
本開示の第5態様のセーフティカッターナイフにおいて、グリップ部に両面において、レバーの一部が操作可能に露出してもよい。
【0019】
このような構成により、使用者の利き手を問わず、また、グリップ部の表裏面を問わず、一方のレバーを操作することで、使用者はブレード部をグリップ部から容易に離脱させることができる。
【0020】
本開示の第6態様のセーフティカッターナイフにおいて、ヘッドの端部に第1凹凸構造を有する挿入突部が設けられ、グリップ部の端部にヘッドの挿入突部が挿入される第2凹凸構造を有する孔部が設けられ、ヘッドの端部において挿入突部の両側に第3凹凸構造が設けられ、グリップ部の端部において孔部の両側に、第3凹凸構造と嵌合する第4凹凸構造が設けられてもよい。
【0021】
このような構成により、セーフティカッターナイフの使用時において、グリップ部に対するブレード部のガタツキを抑制できる。
【0022】
本開示の第7態様のセーフティカッターナイフにおいて、グリップ部は、グリップ部の一部を覆い、表面の摩擦抵抗を増加させる滑り止めを備えてもよい。
【0023】
このような構成により、セーフティカッターナイフを握った使用者の手が滑ることを抑制する。
【0024】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係るセーフティカッターナイフについて説明する。なお、以下の説明において、実施の形態1に係るセーフティカッターナイフの一例として開梱作業用のセーフティカッターナイフについて説明するが、セーフティカッターナイフを開梱作業用のものに限定しない。
【0025】
[全体構成]
図1は、本開示に係る実施の形態1のセーフティカッターナイフ1の一例を示す上面図である。
図1に示すように、セーフティカッターナイフ1は、ブレード部2と、グリップ部3と、を備え、ブレード部2はグリップ部3に着脱可能に装着される。
【0026】
<ブレード部>
図2aは、実施の形態1のブレード部2の上面図であり、
図2bは
図2aのA−A線上の断面図である。
【0027】
実施の形態1では、ブレード部2は、左右および表裏対称な構造を有する。このような構造を有することで、ブレード部2の向きに注意せず、グリップ部3にブレード部2を装着することができる。
図2aに示すように、ブレード部2は、ブレード4と、ガード5と、ヘッド6と、を有する。ブレード4の長手方向の両端にはガード5がそれぞれ固定されており、中央部分にはヘッド6が固定されている。
【0028】
ブレード4の幅方向の一方のエッジが厚紙等を切断するための刃先4aとなっており、それぞれのガード5とヘッド6との間にて刃先4aが露出している。
【0029】
ガード5は、刃先4aから突出しており、ヘッド6との間で露出した刃先4aに使用者が触れて怪我することを防止し、セーフティカッターナイフ1の安全性を向上させる。なお、ヘッド6とガード5との間で露出する刃先4aの長さは、例えば6.5mmである。
【0030】
ヘッド6は、ブレード4を固定し、ブレード4の突出方向と直交して延在する。ヘッド6の一方の端部はブレード4の刃先4aよりも突出して、グリップ部3へ装着される挿入突部7となり、他方の端部はブレード4の刃先4aとは逆側のエッジよりも突出し、セーフティカッターナイフ1の先端を構成する。挿入突部7がグリップ部3内に装着された状態においては、ヘッド6の他の部分がグリップ部3から突出するとともに、ブレード4とガード5とがグリップ部3の両側から突出する。挿入突部7は、概ね軸形状を有する突出部分であって、その先端には、2つの第1凹凸構造11が設けられている。2つの第1凹凸構造11は、互いの間に空間を挟んで配置されるとともに、空間に対して外向きにそれぞれの凸形状が向かうように配置されている。第1凹凸構造11の間の空間を狭くする方向に曲がるように、挿入突部7は可撓性を有する。
【0031】
ヘッド6において、挿入突部7の根元部分の両側に、左右方向に隣接して2つの第3凹凸構造21が設けられている。第3凹凸構造21は、後述するグリップ部3の第4凹凸構造22と嵌合し、例えば、第4凹凸構造22の形状に合わせたV型ノッチを有する。
【0032】
グリップ部3にヘッド6が装着された状態にて、ヘッド6の先端はグリップ部3から突出している。ブレード部2の交換時に、使用者はヘッド6の先端を掴み、ブレード部2をグリップ部3から離脱させる。ヘッド6の先端の表面は滑り止め効果を有してもよく、例えば、表面の摩擦抵抗を増加させるための溝パターンがヘッド6の先端に形成されていてもよい。
【0033】
セーフティカッターナイフ1製造時において、ガード5とヘッド6とが溶融している状態でブレード4を設置するため、ガード5とヘッド6とはブレード4の材料よりも融点が小さい材料で形成される。ブレード4は、例えば、鋼鉄等の金属で形成される。一方で、ガード5とヘッド6とは、ガラスファイバ強化ABS等の樹脂で形成されてもよい。また、ガード5とヘッド6とは、アルミニウム、亜鉛等で形成されてもよい。また、好ましくは、ブレード4の全体の厚みは0.2mm以上1.0mm以下である。より好ましくは、ブレード4の厚みは0.2mm以上0.8mm以下である。最も好ましくは、ブレード4の厚みは0.7mmである。この場合、ブレード4の切断抵抗を抑制することができる。実施の形態1では、ブレード4の刃先4aは直線状となっている。
【0034】
<グリップ部>
グリップ部3は、使用者が握る部分を備える。使用者がグリップ部3を握り、セーフティカッターナイフ1を手前に引くことで、切断対象物を切断できる。
【0035】
図1に示すように、グリップ部3は、ブレード部2におけるブレード4の刃先4aとガード5とを突出させた状態でヘッド6を着脱可能に保持する。
【0036】
図3は、
図1のセーフティカッターナイフ1からブレード部2が離脱した状態の図であり、ブレード部2はグリップ部3から離れた状態となっている。
【0037】
図3に示すように、グリップ部3は、使用者が握る部分であり、長手方向に延在し、その一端にブレード部2が装着される。グリップ部3の一端には、挿入突部7を含むヘッド6の一部が挿入される孔部8が設けられている。グリップ部3の厚みはその幅より小さく、グリップ部3は、長手方向に対して左右(幅方向)および表裏(厚み方向)対象な形状を有する。また、グリップ部3は、使用者が握り易いように形成され、例えば、中央部分にくびれを有する。
【0038】
グリップ部3は、金型成形によって製造され、ブレード部2のブレード4の材料よりも融点が小さい材料で形成される。グリップ部3は、ガラスファイバ強化ABS等の樹脂で形成されてもよい。また、グリップ部3は、アルミニウム、亜鉛等で形成されてもよい。
【0039】
図3に示すように、グリップ部3の表裏面には、その一部を覆う滑り止め9が設けられている。滑り止め9は、グリップ部3の表面の摩擦抵抗を増加させ、グリップ部3に対して使用者の指先が滑りにくくする。滑り止め9は、例えば、ゴム等の摩擦抵抗を増加させる材料で形成されてもよい。実施の形態1では、使用者が握る際に使用者の手の平と親指の位置が当たるように、滑り止め9はX型の形状を有する。滑り止め9がグリップ部3の両面に形成され、かつ、X型の形状を有するため、使用者の利き手を問わず、滑り止め9による滑り止め効果が向上する。
【0040】
図3に示すように、グリップ部3の他端には、テープスリッタ10が設けられている。テープスリッタ10が丸みを帯びた薄板形状に形成されていることにより、安全性が向上されている。
【0041】
図4は実施の形態1のグリップ部3と後述の保持機構13との一部の断面図である。
図4に示すように、グリップ部3の孔部8の内壁には、凹形状を有する2つの第2凹凸構造12が互いに対向して設けられている。グリップ部3にブレード部2が装着されると、後述の
図5aにて示すように、第1凹凸構造11と第2凹凸構造とは嵌合する。
【0042】
<保持機構>
実施の形態1では、セーフティカッターナイフ1は、保持機構13をさらに有する。
図4に示すように、保持機構13は、レバー14と、バネ15とを備え、ブレード部2がグリップ部3に装着されている状態を解除可能に保持する。
【0043】
図4に示すように、レバー14は、グリップ部3内に配置され、グリップ部3の長手方向に沿って進退移動が可能となっている。後述の
図5aおよび
図5bに示すように、レバー14は、後述の保持位置P1と解除位置P2との間で移動できる。レバー14は、グリップ部3の表裏面上で露出している露出部分14bを有し、使用者が露出部分14bを操作し移動させることで、レバー14は保持位置P1と解除位置P2との間で移動する。露出部分14bがグリップ部3の両面に形成されているため、セーフティカッターナイフ1の使用者の利き手を問わず、使用者はいずれかの露出部分14b移動させることで、レバー14を容易に操作することができる。保持機構13は、レバー14の周りに配置され、レバー14を解除位置P2から保持位置P1に向けて付勢するバネ15をさらに備える。使用者が解除位置にある露出部分14bから手を離すと、バネ15に付勢されているため、レバー14は、保持位置P1に戻る。
【0044】
図5aは、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態が保持されたときの断面図を示し、
図5bは、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態の保持が解除されたときの断面図を示す。
【0045】
図5aは、レバー14が保持位置P1にあり、ブレード部2がグリップ部3に装着された状態のセーフティカッターナイフ1を示す。保持位置P1とは、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態を保持するレバー14の位置であり、レバー14の先端14aが挿入突部7の空間内に挿入され、挿入突部7と当接する。先端14aと挿入突部7との当接によって、第1凹凸構造11が第2凹凸構造12から離脱できないように固定される。また、レバー14はバネ15によって保持位置P1に付勢されるため、レバー14を保持位置P1に保持し、セーフティカッターナイフ1の使用者が意図せず、ブレード部2がグリップ部3から離脱することを防止できる。
【0046】
図5bは、レバー14が解除位置P2にある状態のセーフティカッターナイフ1を示す。解除位置P2は、先端14aが挿入突部7の空間から離れたレバー14の位置である。解除位置P2において、挿入突部7の空間を狭めることができる状態になり、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態の保持が解除される。使用者がブレード部2を引き抜く方向に力を加えることで、空間を狭める方向に第1凹凸構造11の部分が互いに近づき、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合が外れ、ブレード部2がグリップ部3から離脱する。解除位置P2において、ブレード部2を引き抜く方向に力を加えると、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合が外れるような傾斜面が第1凹凸構造11と第2凹凸構造12とに設けられている。この構成によって、使用者は、レバー14を操作することで、ブレード部2をグリップ部3から離脱させ交換できる。
【0047】
図6は、グリップ部3の内部が一部露出するように、
図1のセーフティカッターナイフ1からグリップ部3の一部を取り外した状態の図である。
図6に示すように、グリップ部3の内部において孔部8の両側には、第4凹凸構造22が備えられている。ブレード部2がグリップ部3に装着されると、ヘッド6に設けられた第3凹凸構造21はグリップ部3の孔部8内に挿入され、第4凹凸構造22と面接触し嵌合する。第3凹凸構造21と第4凹凸構造22との嵌合は、切断に使用するブレード4の片側に作用した力によるブレード部2の移動を抑制することができる。また、ブレード4の片側に作用した力によって、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合を支点としたモーメントが生じる。第3凹凸構造21と第4凹凸構造22との嵌合は、モーメントによるブレード部2の回転を抑制することができる。ブレード部2の移動および回転を抑制することで、ブレード部2のグリップ部3に対するガタツキを抑制することができる。実施の形態1では、第4凹凸構造22はV型形状を有し、第3凹凸構造21のV型ノッチと嵌合する。第4凹凸構造22がV型形状を有することで、接触する面積を大きくし、ガタツキを抑制する効果がさらに向上される。また、第4凹凸構造22がブレード4の突出方向に対して異なる角度を有する面を有することで、ブレード4のいずれかの側に力が作用した場合においても、ブレード部2のガタツキをさらに抑制することができる。
【0048】
[効果]
実施の形態1に係るセーフティカッターナイフ1によれば、以下の効果を奏することができる。
【0049】
セーフティカッターナイフ1は、ブレード部2とグリップ部3とを有する。ブレード部2は、ブレード4と、ブレード4の両端に設けられたガード5と、ブレードが固定されたヘッド6と、を有する。ガード5とヘッド6との間で、ブレード4の刃先4aが露出されている。グリップ部3は、ブレード部2におけるブレード4の刃先4aとガード5とを突出させた状態でヘッド6を着脱可能に保持する。
【0050】
このような構成により、ブレード4を有するブレード部2を交換できる。繰り返し切断において刃先4aが摩耗し、切断抵抗が増加した場合でも、ブレード部2を交換することで、増加した切断抵抗を回復させることができる。よって、セーフティカッターナイフ1を破棄せず、より長い期間、継続して使用することができるとともに、資源損失を抑制することができる。また、複数のブレード部2が異なる複数の仕様を有する場合、異なる対象物を切断する際に、その対象物によってブレード部2を交換するこができる。これにより、切断抵抗を軽減させることができ、使用者の手の疲労を抑制し、より容易に当該対象物の切断を行うことができる。よって、セーフティカッターナイフ1を用いた開梱作業等の作業効率を向上させることもできる。
【0051】
ブレード部2にガード5を備えることで、使用者の手が、ブレード4の端部および刃先4aに接触することを防止する。また、ガード5は、段ボール箱等の容器を開梱する際に、ブレード4の端部が、容器に内蔵された品物に傷をつけることも防止する。よって、セーフティカッターナイフ1の安全性を向上させることができる。
【0052】
ブレード部2のヘッド6に第1凹凸構造11が設けられ、グリップ部3に、第1凹凸構造11と嵌合可能な第2凹凸構造12が設けられる。第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態を解除可能に保持する保持機構13を備える。
【0053】
このような構成により、保持機構13が第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態を保持して、ブレード部2がグリップ部3に装置される。また、保持機構13によって、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態の保持を解除して、ブレード部2がグリップ部3から離脱することができる。
【0054】
保持機構13は、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態を保持する保持位置P1と、嵌合状態を解除する解除位置P2との間で、移動可能なレバー14を備え、レバー14の一部が、操作可能にグリップ部3から露出して設けられている。
【0055】
このような構成により、工具を使用せずレバー14の露出部分14bを操作して、レバー14を保持位置P1に移動させることで、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態を保持できる。一方で、レバー14を解除位置P2に移動させることで、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12との嵌合状態の保持を解除できる。よって、使用者はブレード部2をグリップ部3から容易に離脱させることができる。ブレード部2の交換が容易であるため、その交換時間が短縮され、セーフティカッターナイフ1を用いた作業の効率が向上する。
【0056】
保持機構13は、レバー14を解除位置P2から保持位置P1に向けて付勢するバネ15を備える。
【0057】
このような構成により、使用者がレバー14に触れていない状態では、レバー14の保持位置P1に保たれ、ブレード部2とグリップ部3との装着状態が維持される。使用者が意図せずにブレード部2がグリップ部3から離脱することを防止できる。また、レバー14を保持位置P1から解除位置P2に移動させた後、使用者がレバー14から指を離すだけで、レバー14は保持位置P1に戻る。一方、使用者が意思をもってレバー14を操作することで、保持位置P1から解除位置P2に移動し、ブレード部2をグリップ部3から取り外すことができる。
【0058】
グリップ部3に両面において、レバー14の一部が操作可能に露出している。
【0059】
このような構成により、グリップ部3の表裏面を問わず、使用者の利き手を問わず、また、使用者が持ち替えることなく、レバー14を操作することが可能になり、ブレード部2の交換に要する時間をさらに短縮することができる。
【0060】
ヘッド6の端部に第1凹凸構造11を有する挿入突部7が設けられる。グリップ部3の端部に挿入突部7が挿入される第2凹凸構造12を有する孔部8が設けられる。ヘッド6の端部において挿入突部7の両側に第3凹凸構造21が設けられる。グリップ部3の端部において孔部8の両側に、第3凹凸構造21と嵌合する第4凹凸構造22が設けられている。
【0061】
このような構成により、セーフティカッターナイフ1の使用時において、ブレード部2のグリップ部3に対するガタツキをさらに抑制することができる。また、第4凹凸構造22がブレード4の突出方向に対して異なる角度を有する面を有することで、ブレード4のいずれかの側に力が作用した場合においても、ブレード部2のガタツキを抑制することができる。
【0062】
グリップ部3は、グリップ部3の一部を覆い、表面の摩擦抵抗を増加させる滑り止め9を備える。
【0063】
このような構成により、グリップ部3の表面の摩擦抵抗は、滑り止め9によって増加し、使用者の指先が滑りにくくなる。
【0064】
なお、実施の形態1では、グリップ部3が対称な構造を有する例について説明したが、これに限定しない。グリップ部3は非対称な構造を有してもよい。例えば、使用者の利き手に特化した2種類の形状を有してもよい。
【0065】
なお、実施の形態1では、グリップ部3内に挿入突部7が挿入される例について説明したが、これに限定しない。ブレード部2が開口を有し、ブレード部2内にグリップ部3の一部が装着されてもよい。
【0066】
なお、実施の形態1では、滑り止め9がゴムで形成される例について説明したが、これに限定しない。滑り止め9は、他の材料で形成され、摩擦抵抗を増加させる表面形状を有してもよい。例えば、滑り止め9は、表面積を増加させ、摩擦抵抗を増加させるため、表面に凹凸を有する。このような構成によって、セーフティカッターナイフ1を握った使用者の手の滑りをさらに防止する。
【0067】
なお、実施の形態1では、ブレード4が金属で形成されている例について説明したが、これに限定しない。ブレード4はセラミックで形成されてもよい。
【0068】
なお、実施の形態1では、刃先4aが直線状である場合について説明したが、これに限定しない。刃先4aは曲線状またはのこ刃状であってもよい。
【0069】
なお、実施の形態1のセーフティカッターナイフ1は、第1凹凸構造11と第2凹凸構造12とを備える例について説明したが、これに限定しない。セーフティカッターナイフ1はネジを備えてもよい。例えば、ブレード部2をグリップ部3に装着した後に、ブレード部2とグリップ部3とを互いに固定するネジを備える。このような構成によっても、ブレード部2はグリップ部3に強固に保持され、使用者が意図せず、ブレード部2がグリップ部3から離脱することを防止できる。
【0070】
なお、実施の形態1では、レバー14がグリップ部3の2つの面において露出するセーフティカッターナイフ1の例について説明したがこれに限定しない。レバー14は1つの露出部分14bを有してもよい。このような構成によって、セーフティカッターナイフ1の構造をさらに簡単にし、セーフティカッターナイフ1の製造費を抑えることができる。
【0071】
(実施の形態2)
本開示の実施の形態2に係るセーフティカッターナイフについて説明する。なお、実施の形態2では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0072】
図7は、本開示に係る実施の形態2のブレード部52の一例の模式図である。
【0073】
実施の形態2では、ブレードがグリップ部の片側にのみ突出する点で、実施の形態1と異なる。セーフティカッターナイフ1Aは、特に説明しない限り、実施の形態1のセーフティカッターナイフ1と同じである。
【0074】
実施の形態2では、セーフティカッターナイフ1Aはブレード部52を備える。
図7に示すように、ブレード部52は、刃先4aを有するブレード4と、ブレード4の一端に設けられた1つのガード5と、ヘッド56とを備える。ヘッド56の片側にはブレード4突出するように固定され、ヘッド56の反対側には抑え部55が設けられている。使用者は、抑え部55に親指を置き、ブレード部52に力を負荷することができる。
【0075】
このような構成によると、使用者は、セーフティカッターナイフ1Aを用いて、より大きな力で対象物を切断することができる。例えば、使用者は、セーフティカッターナイフ1Aを用いて、複数枚の重ねた厚紙等、より大きな厚みを有する対象物またはより切断抵抗が高い対象物を、容易に切断することができる。
【0076】
なお、実施の形態2では、ブレード部52の抑え部55に親指を置く例について説明したが、使用者は抑え部55に他の指を置いてもよい。
【0077】
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【解決手段】セーフティカッターナイフは、ブレード4と、ブレードの一端に設けられたガード5と、ブレードが固定されたヘッド6と、を有し、ガードとヘッドとの間でブレードの刃先が露出されているブレード部2と、ブレード部におけるブレードの刃先とガードとを突出させた状態でヘッドを着脱可能に保持するグリップ部3と、を備える。