(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887235
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】燃料デブリの破砕方法
(51)【国際特許分類】
G21F 9/30 20060101AFI20210603BHJP
B02C 1/00 20060101ALI20210603BHJP
B02C 23/00 20060101ALI20210603BHJP
B25D 17/02 20060101ALN20210603BHJP
E04G 23/08 20060101ALN20210603BHJP
【FI】
G21F9/30 531M
G21F9/30 531J
B02C1/00 Z
B02C23/00 C
!B25D17/02
!E04G23/08 E
!E04G23/08 C
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-195758(P2016-195758)
(22)【出願日】2016年10月3日
(65)【公開番号】特開2018-58000(P2018-58000A)
(43)【公開日】2018年4月12日
【審査請求日】2019年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000132161
【氏名又は名称】株式会社スギノマシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 孝一
(72)【発明者】
【氏名】菊地 克也
(72)【発明者】
【氏名】平野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】中田 正宏
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 豪
(72)【発明者】
【氏名】島 拓実
(72)【発明者】
【氏名】高倉 栄次
【審査官】
中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−111551(JP,U)
【文献】
実開昭63−190452(JP,U)
【文献】
特開昭50−045366(JP,A)
【文献】
実開昭61−106537(JP,U)
【文献】
米国特許第04280572(US,A)
【文献】
特開昭61−001764(JP,A)
【文献】
特開平06−170835(JP,A)
【文献】
特開昭59−148700(JP,A)
【文献】
実開昭49−149530(JP,U)
【文献】
特開昭59−080892(JP,A)
【文献】
特開昭49−049253(JP,A)
【文献】
特開2005−112638(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0288994(US,A1)
【文献】
実開昭55−065364(JP,U)
【文献】
実開平01−128833(JP,U)
【文献】
特開昭52−039860(JP,A)
【文献】
実開昭56−007680(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 1/00、19/06、23/00
B25D 17/02
E04G 23/08
G21F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子力プラントの燃料デブリを所定の容器に回収可能な形状および大きさに破砕する破砕方法であって、
前記燃料デブリに対し、チゼルおよびノズルからなる破砕装置を所望の位置に複数配置し、
前記複数の破砕装置の各々のチゼルの衝撃力を前記燃料デブリに加え、前記複数の破砕装置の各々のノズルからの噴流を前記燃料デブリに噴射し、
前記各々のチゼルとノズルを前記形状および大きさに合わせて連続的または断続的に移動させ、前記燃料デブリの前記破砕装置に挟まれた部分を一体として破砕することを特徴とする破砕方法。
【請求項2】
原子力プラントの燃料デブリを所定の容器に回収可能な形状および大きさに破砕する破砕方法であって、
前記燃料デブリに対し、チゼルおよびノズルからなる破砕装置を所望の位置に複数配置し、
前記複数の破砕装置の各々のノズルからの噴流を前記燃料デブリに噴射し、前記複数の破砕装置の各々のチゼルの衝撃力を前記燃料デブリに加え、
前記各々のチゼルとノズルを前記形状および大きさに合わせて連続的または断続的に移動させ、前記燃料デブリの前記破砕装置に挟まれた部分を一体として破砕することを特徴とする破砕方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の破砕方法であって、
前記各々のチゼルの衝撃力を前記燃料デブリに加えることと、前記各々のノズルからの噴流を前記燃料デブリに噴射することが同時に処理されることを特徴とする破砕方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の破砕方法であって、
前記チゼルは、前記噴流が通過する流路を当該チゼルの内部に設けた流路内包チゼルであることを特徴とする破砕方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の破砕方法であって、
前記破砕装置は、単独のチゼルおよび単独のノズルの組み合せからなることを特徴とする破砕方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の破砕方法であって、
前記チゼルの断面形状は、円形状または略円形状であることを特徴とする破砕方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の破砕方法であって、
前記チゼルは、刃物型形状であることを特徴とする破砕方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の破砕方法であって、
前記破砕装置は、前記燃料デブリの少なくとも破砕箇所を覆うカバーと、破砕された破砕片を吸引するバキュームを備えており、
前記燃料デブリの破砕時に、前記カバーにより前記破砕片の周囲への飛散を抑制しつつ、前記バキュームにより前記破砕片を回収することを特徴とする破砕方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物などの破砕対象物の破砕方法に関し、特に、破砕片の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路工事や御影石の加工・破砕、原子力プラントの燃料デブリの破砕など、様々な産業分野において、破砕対象となる固形物の効率的な破砕技術が要求されており、用途に合わせて様々な破砕装置や破砕方法の技術開発が進められている。
【0003】
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には、「打撃式地中掘進機において、対象物を破砕するチゼルの先端にノズルを設け、水ポンプから通路を通って高圧水を送り、高圧水を噴射すること」が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、「本体内部に本体の軸方向に延出する圧搾空気流路を有し、前記圧搾空気流路に供給される圧搾空気によりビット本体9が作動する形式のダウンザホールハンマーにおいて、本体内部に本体の軸方向に延出する流体噴出管8をさらに有しており、さらに該流体噴出管からの流体と圧搾空気流路からの圧搾空気の双方のための噴出路がその開放部を前記ビット本体の下面に開放した状態で形成されていること」が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、「砂杭造成用中空管の下端内周又は外周に複数の掘削用ビットを下方へ突出するように取付け、該中空管の下端外周には下方へ向けて高圧ジェット水を噴射するノズルを複数個配設し、中空管頭部のバイブロハンマーの振動を利用して上記ビットにより硬質地盤を砕くと共に、上記ノズルからの高圧ジェット水によって硬質地盤を崩し緩めて該中空管の貫入を容易とすること」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平1−6493号公報
【特許文献2】特開平8−184279号公報
【特許文献3】特開2000−120364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り、多くの産業分野で固形物の破砕技術が用いられており、いずれの分野においても、破砕した後の破砕片の形状や大きさ(寸法)の制御、破砕時の破砕片の回収や飛散防止など、破砕片を如何に制御するかが重要な課題となっている。
【0008】
上記の特許文献1から特許文献3はいずれも高圧水とチゼルを組み合わせた施行方法に関するものであり、破砕対象物の形状制御や破砕片の回収方法、飛散防止など破砕片の制御については記載されていない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、破砕対象物を破砕した後の破砕片の形状制御と寸法制御が可能な破砕方法および破砕装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の別の目的は、破砕対象物を破砕する際の破砕片の効率的な回収と効果的な飛散防止が可能な破砕方法および破砕装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、
原子力プラントの燃料デブリを
所定の容器に回収可能な形状および大きさに破砕する破砕方法であって、
前記燃料デブリに対し、チゼルおよびノズルからなる破砕装置を所望の位置に複数配置し、前記複数の破砕装置の各々のチゼルの衝撃力を
前記燃料デブリに加え、前記複数の破砕装置の各々のノズルからの噴流を
前記燃料デブリに噴射し、前記各々のチゼルとノズルを
前記形状および大きさに合わせて連続的または断続的に移動させ、
前記燃料デブリの前記破砕装置に挟まれた部分を一体として破砕することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、
原子力プラントの燃料デブリを
所定の容器に回収可能な形状および大きさに破砕する破砕方法であって、
前記燃料デブリに対し、チゼルおよびノズルからなる破砕装置を所望の位置に複数配置し、前記複数の破砕装置の各々のノズルからの噴流を
前記燃料デブリに噴射し、前記複数の破砕装置の各々のチゼルの衝撃力を
前記燃料デブリに加え、前記各々のチゼルとノズルを
前記形状および大きさに合わせて連続的または断続的に移動させ、
前記燃料デブリの前記破砕装置に挟まれた部分を一体として破砕することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、破砕対象物を破砕した後の破砕片の形状制御と寸法制御が可能な破砕方法および破砕装置を実現できる。
【0015】
また、本発明によれば、破砕対象物を破砕する際の破砕片の効率的な回収と効果的な飛散防止が可能な破砕方法および破砕装置を実現できる。
【0016】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る破砕方法を概念的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る破砕方法を概念的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る破砕方法を概念的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部と破砕対象を示す概要図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部と破砕対象を示す概要図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部と破砕対象を示す概要図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部と破砕対象を示す概要図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部と破砕対象を示す概要図である。
【
図9A】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部と破砕対象を示す概要図である。
【
図9B】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部と破砕対象を示す概要図である。
【
図9C】本発明の一実施形態に係る破砕装置の一部を示す概要図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る破砕方法を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係る破砕方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施する上で好適な実施例について図面を用いて説明する。なお、各図面において、同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。また、下記はあくまでも実施例に過ぎず、発明の内容は下記態様に限定されるものでないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0019】
図1および
図2を参照して、実施例1の破砕方法および破砕装置について説明する。
図1はノズルとチゼルを別々に2か所配置し、固形物などの破砕対象物を破砕する装置構成を示す概要図である。
図2はノズルとチゼルを別々に2か所配置して破砕し、破砕片の形状および大きさ(寸法)を制御している概要図である。
図1,
図2に示すように、本実施例ではノズル2とチゼル(Chisel)3を備えた破砕装置1を複数設置し、破砕片7の形状および大きさを制御しながら破砕を行うことが特徴である。
【0020】
具体的には破砕対象4に対し、破砕したい大きさ(寸法)の両端2か所に破砕装置1を
図1のように設置し、破砕装置1を用いて両端2か所に破砕を行う。また、破砕片の形状を制御する場合は、各々のノズル2とチゼル(Chisel)3を所望の形状に合わせて連続的に移動(線移動)または断続的に移動(点移動)させ、破砕片の形状を制御する。そして、この破砕装置1に挟まれた部分を一体として破砕することで、
図2に示すように任意の形状と大きさ(寸法)に破砕片4を加工することが出来る。
【0021】
この際、ウォータジェットWJは、破砕対象4に連続的に噴射してもよく、また断続的に噴射してもよい。破砕対象4の剛性(硬さ)や厚み、所望する破砕片7の形状や大きさ(寸法)に応じて連続的または断続的噴射する。
【0022】
また、破砕対象4に噴射するウォータジェットWJの水量や水圧、噴射角度、噴射時間についても、破砕対象4の剛性(硬さ)や厚み、所望する破砕片7の形状や大きさ(寸法)に合せて設定する。
【0023】
このように任意の形状、大きさ(寸法)に破砕片を制御することで破砕片を回収容器に入る形状と寸法で破砕が可能なため、破砕片を容器に入れて回収することが容易となる。また、破砕片を一定の形状と大きさ(寸法)に破砕することが可能になり、破砕した後の破砕片の加工や処理が容易になる。
【実施例2】
【0024】
図3を参照して、実施例2の破砕方法および破砕装置について説明する。
図3はノズル、チゼル、バキュームおよび飛散防止カバー(回収カバー)5を配置し、回収カバー内で破砕片を吸引している様子を示す概要図である。
【0025】
本実施例の破砕装置は、ダスト飛散(破砕片7の飛散)を抑えつつ破砕片7を回収する目的で
図3に示すような飛散防止カバー(アラミド繊維等や伸縮機構付の金属製等)内に破砕装置(ノズル2およびチゼル3)およびバキューム6を設置し、破砕片を吸引しながら破砕する。
図3ではアラミド繊維のカバーを一例として記載している。その他の例として、破砕対象との接触部に、例えばスポンジを取り付けた容器を被せてカバーとしても良い。なお、ウォータジェットWJを噴射した水量以上にバキューム6で吸引し、飛散防止カバー5内部の水によってカバーが外れることを防ぐようにしてもよい。
【0026】
このように飛散防止カバー(回収カバー)により破砕時の周囲に破砕片が飛び散ったりダストが飛散したりするのを防止し、さらにバキューム機構を設けることで、破砕片を効率的に回収することができる。
【実施例3】
【0027】
図4から
図7を参照して、実施例3の破砕方法および破砕装置について説明する。
図4はウォータジェット流路8をチゼル3の内部に内包する流路内包チゼルと破砕対象を示す概要図である。
図5は流路内包チゼルの上下振動により破砕対象にひび割れが生じさせる様子を示す概要図である。
図6は流路内包チゼルの上下振動で生じさせたひび割れに高圧水を噴射している様子を示す概要図である。また、
図7は流路内包チゼルにより破砕対象を吹き飛ばしている様子を示す概要図である。
【0028】
本実施例の破砕方法では、先ず
図4に示すように、破砕対象4の破砕したい位置に流路内包チゼル(ウォータジェット流路8およびチゼル3)を配置する。次に、
図5に示すように、チゼル3により破砕対象4にひび割れを生じさせる。そして、
図6に示すように、チゼル3と破砕対象4が密着して生じた閉空間に対してウォータジェットWJを噴射し、
図7に示すように、破砕対象4を破砕する。
【0029】
本実施例の破砕方法によれば、流路内包チゼルにより、チゼル単独やウォータジェット単独では破砕できない破砕対象を効率よく破砕することができる。
【0030】
図8は
図4から
図7に示した流路内包チゼルの変形例である。上記で説明した破砕対象の破砕方法において、
図8に示すノズルとチゼルを別々に設置した破砕装置を用いることも可能である。つまり、単独のチゼルおよび単独のノズルの組み合せで破砕装置を構成してもよい。この場合、先ず破砕対象4の破砕したい位置にチゼル3を配置する。次に、チゼル3により破砕対象4にひび割れを生じさせる。そして、破砕対象4に生じたひび割れに対してウォータジェットWJを噴射し、破砕対象4を破砕する。この場合も、チゼル単独やウォータジェット単独では破砕できない破砕対象を効率よく破砕することができる。
【0031】
なお、上記では、チゼル3による衝撃力で破砕対象4にひびを入れて、そこにウォータジェットWJの噴流で破砕対象4を破砕するメカニズムを想定して説明したが、ウォータジェットWJの噴流で破砕対象4にひびを入れた箇所にチゼル3の衝撃力で破砕対象4を破砕するメカニズムでも同様にチゼル単独やウォータジェット単独では破砕できない破砕対象を効率よく破砕することができる。
【0032】
また、チゼル3の衝撃力を破砕対象4に加えることと、ウォータジェットWJの噴流を破砕対象4に噴射することが同時に処理されても同様に本発明の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0033】
図9Aから
図9Cを参照して、実施例4の破砕方法および破砕装置について説明する。
図9Aは刃物型のチゼルを複数配置して破砕対象を破砕する例を示す斜視図である。また、
図9Bは
図9AのA−A’矢視図であり、
図9Cはチゼル3が流路内包チゼルであることを示す断面図である。
【0034】
実施例1から実施例3の各実施例では、チゼルの断面形状が円形状または略円形状のものを想定して図示しているが、
図9Aおよび
図9Bに示すように、チゼルの形状を刃物型としてもよい。チゼル3の形状を刃物型にすることで、破砕する方向を正確に制御可能となる。この場合、
図9A,
図9Bのようにウォータジェットノズルをチゼル内に内包する流路内包チゼルとしてもよく、刃物型のチゼル3とノズル2を個別に設置してもよい。
【実施例5】
【0035】
図10および
図11を参照して、実施例3で説明した破砕方法をステップで説明する。
図10はチゼルで破砕対象にひびを入れた後にウォータジェットで破砕する方法を示し、
図11はウォータジェットで破砕対象にひびを入れた後にチゼルで破砕する方法を示している。
【0036】
本発明による破砕方法は、
図10に示すように、先ず、チゼルの衝撃力で破砕対象にひびを入れる。(ステップS1)
次に、破砕対象のひびに対してノズルによりウォータジェットを連続的または断続的に噴射する。(ステップS2)
ステップS2を一定時間継続または断続的に繰り返すことにより、破砕対象が破砕される。(ステップS3)
また、
図11の方法では、先ず、ノズルによるウォータジェットを連続的または断続的に噴射して破砕対象にひびを入れる。(ステップS1’)
次に、破砕対象のひびに対してチゼルにより衝撃力を加える。(ステップS2’)
ステップS2’を一定時間継続または断続的に繰り返すことにより、破砕対象が破砕される。(ステップS3’)
以上説明した各実施例によれば、破砕片を回収容器に入る形状および大きさ(寸法)に破砕可能なため、破砕後の破砕片の回収や加工、処理が容易になる。また、破砕時に周囲への破砕片やダストの飛散を抑制しつつ、破砕片を回収できるため、ダスト飛散による汚染拡大を防止することができる。
【0037】
なお、以上の各実施例において説明した破砕方法および破砕装置は、道路工事や御影石の加工・破砕、原子力プラントの燃料デブリの破砕等の他、トンネルの掘削工事やセラミックの加工など、破砕片の制御が必要な一般産業の分野においても有効であるのは言うまでもない。
【0038】
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…破砕装置、2…ノズル、3…チゼル、4…破砕対象、5…飛散防止カバー、6…バキューム、7…破砕片、8…流路、WJ…ウォータジェット。