(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セルの延びる方向に直交する断面において、前記第一セル列の数N1に対する、前記第二セル列の数N2の比率N2/N1が、1/4〜4.0である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
前記セルの延びる方向に直交する断面において、前記第二セル列の両側にそれぞれ前記第一セル列が配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
前記セルの延びる方向に直交する断面において、前記第一セル列と前記第二セル列とが、各列に直交する方向に交互に配置されている、請求項8に記載のハニカムフィルタ。
前記セルの延びる方向に直交する断面に、前記セル列の構成が異なる2つ以上の領域を有し、少なくとも一部の領域に、前記ハニカム構造部が存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のハニカムフィルタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ハニカムフィルタにおいて、使用初期及び使用中の圧力損失の増大を抑制することは従来から大きな課題となっている。圧力損失の増大を引き起こす要因としては、例えば、隔壁によってPMが捕集されることによる、隔壁の通気抵抗の増大が挙げられる。また、圧力損失の増大を引き起こす要因としては、ハニカムフィルタに排ガスが流入する際、また、ハニカムフィルタから排ガスが流出する際に生じる圧力損失や、セル内を排ガスが通過する際の圧力損失も問題となる。これらの要因の中では、隔壁によってPMが捕集される際の通気抵抗の増大については、ハニカムフィルタの圧力損失の増大において、より大きな要因となっていると考えられる。
【0010】
隔壁によってPMが捕集される際の圧力損失の増大は、大きく2つの段階が考えられる。まず、1つ目の段階は、隔壁に形成された細孔内にPMが侵入することによって捕集され、PMにより隔壁の細孔の一部が閉塞することによって生じる圧力損失の上昇である。この1つ目の段階の圧力損失の上昇は、比較的に、ハニカムフィルタの使用初期の段階で生じることが考えられる。次に、2つ目の段階は、隔壁の表面にPMが堆積し、PMの堆積層によって生じる圧力損失の上昇である。この2つ目の段階の圧力損失の上昇は、1つ目の段階の圧力損失の上昇と比較して緩やかなものであり、また、1つ目の段階の圧力損失の上昇時期と比較して、比較的に、後期に生じるものと考えられる。
【0011】
排ガス中に含まれるPMには、不燃性の灰等の粒子状物質が含まれおり、ハニカムフィルタを継続的に使用していると、隔壁の表面に灰が堆積し、ハニカムフィルタの圧力損失が増大する。このため、ハニカムフィルタの圧力損失の増大を抑制する対策として、例えば、ハニカムフィルタの灰の堆積容量を増大させる方法が考えられる。
【0012】
例えば、流入セルの形状を八角形等にすることで、流入セルを区画する隔壁の表面積が増大し、灰の堆積容量を増大させることができる。しかしながら、流入セルの形状を変更する程度では、灰の発生量が多くなってしまうと、十分な灰の堆積容量を確保することは困難であった。
【0013】
また、例えば、直線上に1列に配置されたセルの全てを流入セルとし、流出セルの数よりも、流入セルの数を多くすることにより、灰の堆積容量を増大させることは可能である。しかしながら、このようなハニカムフィルタは、流出セルの数が大幅に減少してしまうため、流出端面側において大きな背圧が生じてしまうという問題があった。また、灰の発生量が多くなってしまうと、流入セルの数を更に増やさなければならず、これにより、ハニカムフィルタの背圧が更に増大するという問題もあった。
【0014】
また、特許文献3に記載されたようなハニカムフィルタは、流入セルの角部にスス等の粒子状物質が堆積し易く、また、実使用時において、流入セルの角部にクラック等が生じ、流出セルの角部から、スス等が漏れ出してしまうという問題があった。
【0015】
特許文献4に記載されたハニカムフィルタは、流出セルの角部に相当する部位のみを、円弧状に形成しているため、流入セル相互間にクラック等が生じやすいという問題があった。
【0016】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明は、スス等の粒子状物質の漏れだしを有効に抑制するとともに、圧力損失の上昇を抑制することが可能なハニカムフィルタを提供する。特に、使用開始時及び使用初期の状態における圧力損失の上昇を有効に抑制することが可能なハニカムフィルタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、以下に示すハニカムフィルタが提供される。
【0018】
[1] 流入端面から流出端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配設された多孔質の隔壁を有するハニカム構造部と、
前記セルにおける前記流入端面側又は前記流出端面側のいずれか一方の端部を封止するように配置された目封止部と、を備え、
前記ハニカム構造部は、当該ハニカム構造部の前記セルの延びる方向に直交する断面において、一の方向に沿って直線状に
複数の前記セルが配列し
たセル列を
複数有し、
前記セル列が、前記セルの延びる方向に直交する断面において、同一形状の四角形のセルが前記一の方向に沿って配列したセル列、四角形のセルと八角形のセルが前記一の方向に沿って交互に配列した繰り返し単位からなるセル列、又は、六角形のセルが前記一の方向に沿って配列したセル列のいずれかであり、
前記セルの延びる方向に直交する断面において、前記四角形のセル、前記八角形のセル、及び前記六角形のセルのそれぞれの輪郭形状が、互いに対向する2つの辺を有し、当該対向する2つの辺に直交する方向が、前記一の方向であり、
複数の前記セル列は、
一の前記セル列としての第一セル列と、
他の前記セル列としての第二セル列と
からなり、
前記第一セル列は、前記流出端面側の端部に前記目封止部が配設され、前記流入端面側が開口した流入セル
が前記一の方向に沿って配列したセル列であり、
前記第二セル列は、
前記一の方向に沿って直線状に配列した前記セル
として、前記流入端面側の端部に前記目封止部が配設され、前記流出端面側が開口した流出セルを含むセル列であり、
下記測定方法(1)により測定される前記第一セル列の幅P1(mm)、及び前記第二セル列の幅P2(mm)が、下記式(1)の関係を満たすとともに、
前記セルの延びる方向に直交する断面において、それぞれの前記セルは、多角形の角部が、曲率半径Rの曲線状に形成された形状を有し、
前記第一セル列の幅P1(mm)、前記第二セル列の幅P2(mm)、及び曲率半径R(μm)が、下記式(2)の関係を満たす、ハニカムフィルタ。
【0019】
式(1):2≦100−(P1/P2×100)≦50
式(2):0.4≦(R/1000)/((P1+P2)/2)×100≦20
[測定方法(1)]
(1−1)同一形状の四角形のセルが前記一の方向に沿って配列したセル列における測定方法。
同一形状の四角形のセルが前記一の方向に沿って配列したセル列の側縁に配設される前記隔壁の厚さの中間位置を、当該セル列の幅における各側縁とし、当該セル列における両側縁間の距離を測定し、測定した前記距離を、当該セル列の幅とする。
(1−2)四角形のセルと八角形のセルが前記一の方向に沿って交互に配列した繰り返し単位からなるセル列における測定方法。
四角形のセルと八角形のセルが前記一の方向に沿って交互に配列した繰り返し単位からなるセル列において、当該セル列の幅を測定する一のセル列を測定対象セル列とし、当該測定対象セル列を構成する前記セルのうち、当該測定対象セル列の延びる方向に直交する方向において最も内側に配置された前記セルを第一内側セルとする。次に、前記測定対象セル列に隣接する一のセル列において、当該隣接する一のセル列を構成する前記セルのうち、当該隣接する一のセル列の延びる方向に直交する方向において最も内側に配置された前記セルを第二内側セルとする。次に、前記測定対象セル列に前記一のセル列とは異なる側縁側にて隣接する他のセル列において、当該隣接する他のセル列を構成する前記セルのうち、当該隣接する他のセル列の延びる方向に直交する方向において最も内側に配置された前記セルを第三内側セルとする。前記第一内側セルと前記第二内側セルとの前記セル列の延びる方向に直交する方向における中間位置を前記測定対象セル列の第一側縁とし、前記第一内側セルと前記第三内側セルとの前記セル列の延びる方向に直交する方向における中間位置を前記測定対象セル列の第二側縁とし、前記測定対象セル列における前記第一側縁と前記第二側縁との両側縁間の距離を測定し、測定した前記距離を、当該測定対象セル列の幅とする。
(1−3)六角形のセルが前記一の方向に沿って配列したセル列における測定方法。
六角形のセルが前記一の方向に沿って配列したセル列を構成する複数の前記セルのそれぞれの輪郭形状において、当該セル列の延びる方向に直交する方向において最も内側に窪んだ部位と最も外側に張り出した部位との中間位置を、当該セル列の幅における各側縁とし、当該セル列における両側縁間の距離を測定し、測定した前記距離を、当該セル列の幅とする。
【0020】
[2] 前記第一セル列の幅P1と前記第二セル列の幅P2の平均値が、0.5〜2.7mmである、前記[1]に記載のハニカムフィルタ。
【0021】
[3] 前記第一セル列の幅P1が、0.3〜2.7mmである、前記[1]又は[2]に記載のハニカムフィルタ。
【0022】
[4] 前記第二セル列の幅P2が、0.7〜2.7mmである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0023】
[5] 前記セルの延びる方向に直交する断面において、前記第一セル列の数N1に対する、前記第二セル列の数N2の比率N2/N1が、1/4〜4.0である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0024】
[6] 前記第二セル列が、前記流入セルと前記流出セルとが混在したセル列である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0025】
[7] 前記第二セル列が、前記流出セル
が前記一の方向に沿って配列したセル列である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0026】
[8] 前記セルの延びる方向に直交する断面において、前記第二セル列の両側にそれぞれ前記第一セル列が配置されている、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0027】
[9] 前記セルの延びる方向に直交する断面において、前記第一セル列と前記第二セル列とが、各列に直交する方向に交互に配置されている、前記[8]に記載のハニカムフィルタ。
【0028】
[10] 前記セルの延びる方向に直交する断面に、前記セル列の構成が異なる2つ以上の領域を有し、少なくとも一部の領域に、前記ハニカム構造部が存在する、前記[1]〜[9]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0029】
[11] 複数個の前記ハニカム構造部を備え、
それぞれの前記ハニカム構造部が、柱状のハニカムセグメントによって構成され、複数個の前記ハニカムセグメントの互いの側面同士が接合層によって接合されている、前記[1]〜[9]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【発明の効果】
【0030】
本発明のハニカムフィルタは、一の方向に沿って直線状に2つ以上のセルが配列したセルとして、直線状に流入セルが配列した第一セル列を有している。このため、本発明のハニカムフィルタは、灰の堆積容量を大きく確保することができ、圧力損失の上昇を有効に抑制することができる。また、本発明のハニカムフィルタは、上記式(1)を満たすように構成されているため、流入端面側に対する流出端面側のセルの総開口面積の減少を抑制することができ、使用開始時及び使用初期の状態における圧力損失の上昇についても有効に抑制することができる。更に、本発明のハニカムフィルタは、それぞれのセルが、多角形の角部が、曲率半径Rの曲線状に形成された形状を有するように構成されている。そして、上記式(2)を満たすように構成されているため、ハニカムフィルタからのスス等の粒子状物質の漏れだしを有効に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し適宜変更、改良等が加えられ得ることが理解されるべきである。
【0033】
(1)ハニカムフィルタ(第一実施形態):
図1〜
図7に示すように、本発明のハニカムフィルタの第一実施形態は、多孔質の隔壁1を有するハニカム構造部4と、ハニカム構造部4に形成されたセル2のいずれか一方の端部に配設された目封止部5と、を備えたハニカムフィルタ100である。ここで、
図1は、本発明のハニカムフィルタの第一実施形態を模式的に示す流入端面側から見た斜視図である。
図2は、
図1に示すハニカムフィルタの流入端面を模式的に示す平面図である。
図3は、
図1に示すハニカムフィルタの流出端面を模式的に示す平面図である。
図4は、
図2に示すハニカムフィルタの流入端面の一部を拡大した拡大平面図である。
図5は、
図3に示すハニカムフィルタの流出端面の一部を拡大した拡大平面図である。
図6は、
図4のA−A’断面を模式的に示す、断面図である。
図7は、
図4のB−B’断面を模式的に示す、断面図である。
【0034】
ハニカム構造部4の隔壁1は、流入端面11から流出端面12まで延びる流体の流路となる複数のセル2を取り囲むように配設されたものである。即ち、複数のセル2は、多孔質の隔壁1によって区画形成されたものである。目封止部5は、ハニカム構造部4に形成されたセル2のいずれか一方の端部を封止するように配置されたものである。このため、複数のセル2のそれぞれは、流入端面11側又は流出端面12側の開口部に配設された目封止部5によって、いずれか一方の端部が封止されている。本実施形態のハニカムフィルタ100は、多孔質の隔壁1が、排ガス中のPMを捕集するための濾過材として機能する。ここで、複数のセル2のうち、流出端面12側の開口部に目封止部5が配設され、流入端面11側が開口したセル2を、流入セル2aとする。また、複数のセル2のうち、流入端面11側の開口部に目封止部5が配設され、流出端面12側が開口したセル2を、流出セル2bとする。
【0035】
ハニカム構造部4は、当該ハニカム構造部4のセル2の延びる方向に直交する断面において、一の方向に沿って直線状に2つ以上のセル2が配列した複数のセル列を有する。そして、複数のセル列は、以下に説明するような、第一セル列15と、第二セル列16とを含んでいる。第一セル列15は、流出端面12側の端部に目封止部5が配設され、流入端面11側が開口した流入セル2aによって構成されたセル列である。また、第二セル列16は、一の方向に沿って直線状に配列したセル2が、流入端面11側の端部に目封止部5が配設され、流出端面12側が開口した流出セル2bを含むセル列である。なお、第二セル列16は、流出セル2bのみによって構成されたセル列であってもよいし、流出セル2bと流入セル2aとが混在したセル列であってもよい。一方で、上述したように、第一セル列15は、流入セル2aのみによって構成されたセル列である。
【0036】
本実施形態のハニカムフィルタ100は、第一セル列15の幅P1、及び第二セル列16の幅P2が、下記式(1)の関係を満たしている。下記式(1)において、P1は、第一セル列15の幅P1(単位:mm)を示し、P
2は、第二セル列16の幅P2(単位:mm)を示す。
図4及び
図5に示すようなハニカム構造部4において、各セル列の幅を測定する際の側縁は、それぞれのセル列の側縁に配設された隔壁1の厚さの中間位置とする。このようにして、それぞれのセル列の両側の側縁を求め、2つの側縁間の距離を測定する。測定された2つの側縁間の距離を、それぞれのセル列の幅とする。
【0037】
式(1):2≦100−(P1/P2×100)≦50
【0038】
また、本実施形態のハニカムフィルタ100は、セル2の延びる方向に直交する断面において、それぞれのセル2は、多角形の角部6が、曲率半径R(μm)の曲線状に形成された形状を有している。
図4及び
図5において、符号6は、セル2の延びる方向に直交する断面におけるセル2の形状において、曲線状に形成された角部6を示す。そして、第一セル列15の幅P1(mm)、第二セル列16の幅P2(mm)、及び曲率半径R(μm)が、下記式(2)の関係を満たしている。下記式(2)において、Rは、セル2の角部6における曲線状の部位の曲率半径R(単位:μm)を示す。
【0039】
式(2):0.4≦(R/1000)/((P1+P2)/2)×100≦20
【0040】
このように構成することによって、ハニカムフィルタ100の圧力損失の上昇を抑制することができる。即ち、本実施形態のハニカムフィルタ100は、直線状に流入セル2aが配列した第一セル列15を有しているため、灰の堆積容量を大きく確保することができる。更に、ハニカムフィルタ100は、上記式(1)を満たすように構成されているため、第一セル列15の幅P1が、第二セル列16の幅P2よりも小さくなるように構成されている。このため、第一セル列15を有していたとしても、ハニカムフィルタ100の流入端面に対する流出端面12側の開口率が著しく低下することがない。したがって、本実施形態のハニカムフィルタ100によれば、灰の堆積容量を大きく確保しつつ、圧力損失の上昇を有効に抑制することができる。特に、本実施形態のハニカムフィルタ100は、使用開始時及び使用初期の状態における圧力損失の上昇を有効に抑制することができる。更に、ハニカムフィルタ100は、それぞれのセル2が、多角形の角部6が、曲率半径Rの曲線状に形成された形状を有するように構成されている。そして、上記式(2)を満たすように構成されているため、ハニカムフィルタ100からのスス等の粒子状物質の漏れだしを有効に抑制することができる。
【0041】
式(1)において、「100−(P1/P2×100)」の値が、2未満であると、流入セル2aに対する流出セル2bの比率が小さくなる。このため、隔壁1にススが堆積していない状態から少量のススが堆積した際に、ハニカムフィルタ100の圧力損失の上昇が大きくなることがある。式(1)において、「100−(P1/P2×100)」の値が、50を超えると、十分な灰の堆積容量を確保出来ないため、灰が堆積した場合の圧力損失が悪化する。式(1)において、「100−(P1/P2×100)」の値は、5以上であることが特に好ましい。また、45以下であることが特に好ましい。
【0042】
式(2)において、「(R/1000)/((P1+P2)/2)×100」の値が、0.4未満であると、ハニカムフィルタ100からスス等が漏れ出し易くなる。式(2)において、「
(R
/1000)/((P1+P2)/2)×100」の値が、20を超えると、圧力損失が悪化する。式(2)において、「(R/1000)/((P1+P2)/2)×100」の値は、1以上であることが特に好ましい。また、15以下であることが特に好ましい。
【0043】
それぞれのセル2における、曲線状に形成された角部6の曲率半径Rについては、以下のように測定することができる。まず、ハニカムフィルタ100の流入端面11及び流出端面12を画像測定機によって撮像する。そして、撮像した流入端面11及び流出端面12の画像を画像解析することによって、角部6の曲率半径Rを求めることができる。画像解析の方法としては、例えば、ニコン社製の「VM−2520(商品名)」を用いることができる。セル2の角部6の曲率半径Rは、上記画像解析により、セル2の角部6に対するカーブフィッティングにて、当該角部6の内接円の半径(又は直径)を求めることによって得ることができる。
【0044】
本実施形態のハニカムフィルタ100において、セル列を規定する方向、即ち、上述した一の方向については、2つ以上のセル2が直線状に配列した方向であれば、ハニカム構造部4のセル2の延びる方向に直交する断面において、任意の方向とすることができる。ただし、第一セル列15の幅P1と、第二セル列16の幅P2とを比較する際には、それぞれのセル列は、同一方向に延びる平行なセル列とする。
【0045】
第一セル列15は、ハニカム構造部4のセル2の延びる方向に直交する断面において、少なくとも1列以上存在していればよい。また、第二セル列16についても、ハニカム構造部4のセル2の延びる方向に直交する断面において、少なくとも1列以上存在していればよい。ただし、複数のセル2のそれぞれは、流入端面11側又は流出端面12側のいずれか一方の端部が目封止部5によって目封止されているため、第一セル列15の条件を満たさないセル列は、全て第二セル列16に該当することとなる。
【0046】
第一セル列15の幅P1と、第二セル列16の幅P2の平均値が、0.5〜2.7mmであることが好ましく、0.7〜2.0mmであることが更に好ましい。上記平均値が、0.5mm未満であると、スス堆積によるセル2の詰まりが発生する点で好ましくない。また、上記平均値が、2.7mmを超えると、実質的なセル数が減少することで、1個のセル2あたりのスス堆積量が増加し、圧力損失の上昇を引き起こす点で好ましくない。
【0047】
第一セル列15の幅P1が、0.3〜2.7mmであることが好ましく、0.5〜2.0mmであることが更に好ましい。第一セル列15の幅P1が、0.3mm未満であると、スス堆積によるセル2の詰まりが発生する点で好ましくない。また、第一セル列15の幅P1が、2.7mmを超えると、実質的なセル数が減少することで、1個のセル2あたりのスス堆積量が増加し、圧力損失の上昇を引き起こす点で好ましくない。
【0048】
第二セル列16の幅P2が、0.7〜2.7mmであることが好ましく、1.0〜2.0mmであることが更に好ましい。第二セル列16の幅P2が、0.7mm未満であると、スス堆積によるセル2の詰まりが発生する点で好ましくない。また、第二セル列16の幅P2が、2.7mmを超えると、実質的なセル数が減少することで、1個のセル2あたりのスス堆積量が増加し、圧力損失の上昇を引き起こす点で好ましくない。
【0049】
第一セル列15及び第二セル列16のそれぞれのセル列において、直線上に配列するセル2の個数については特に制限はない。ただし、それぞれのセル列は、5個以上のセル2が直線上に配列したものであることが好ましく、10個以上のセル2が直線上に配列したものであることが更に好ましい。なお、直線上に配列するセル2の個数の上限は、ハニカム構造部4の一の周縁から他の周縁までの直線上に存在する全てのセル2の個数となる。
【0050】
セル2の延びる方向に直交する断面において、第一セル列15の数N1、及び第二セル列16の数N2については、少なくとも1列以上であればよい。本実施形態のハニカムフィルタ100においては、第一セル列15の数N1に対する、第二セル列16の数N2の比率N2/N1が、1/4〜4.0であることが好ましく、1/3〜3.0であることが更に好ましい。このように構成することによって、灰の堆積容量を大きく確保しつつ、圧力損失の上昇を有効に抑制することができる。なお、上記比率N2/N1が、1/4未満であると、流入セル2aの個数に対する、流出セル2bの個数の比率が小さくなる。このため、隔壁1にススが堆積していない状態から少量のススが堆積した際に、ハニカムフィルタ100の圧力損失の上昇が大きくなることがある。また、上記比率N2/N1が、4.0を超えると、流入セル2aの減少により、灰の堆積容量が減少することがある。
【0051】
セル2の延びる方向に直交する断面において、第一セル列15と第二セル列16とは、隔壁1を挟んで隣接して配置されている。例えば、
図1〜
図7に示すハニカムフィルタ100のように、セル2の延びる方向に直交する断面において、第二セル列16の両側にそれぞれ第一セル列15が配置されていてもよい。ハニカムフィルタ100においては、セル2の延びる方向に直交する断面において、第一セル列15と第二セル列16とが、各列に直交する方向に交互に配置されている。このように構成されたハニカムフィルタ100は、灰の堆積容量を、ハニカムフィルタ100内のどの場所においても均等に確保することができる点で好ましい。
【0052】
ハニカムフィルタ100の全体形状については、特に制限はない。例えば、
図1に示すハニカムフィルタ100の全体形状は、流入端面11及び流出端面12が円形の円柱状である。その他、図示は省略するが、ハニカムフィルタの全体形状としては、流入端面及び流出端面が、楕円形やレーストラック(Racetrack)形や長円形等の略円形の柱状であってもよい。また、ハニカムフィルタの全体形状としては、流入端面及び流出端面が、四角形や六角形等の多角形の角柱状であってもよい。
【0053】
隔壁1の厚さが、50〜600μmであることが好ましく、100〜500μmであることが更に好ましく、150〜450μmであることが特に好ましい。隔壁1の厚さが、50μm未満であると、ハニカムフィルタ100のアイソスタティック強度(Isostatic strength)が低下してしまうことがある。隔壁1の厚さが、600μmを超えると、圧力損失が増大し、エンジンの出力低下や燃費の悪化を引き起こすことがある。隔壁1の厚さは、ハニカムフィルタ100の軸方向に直交する断面を光学顕微鏡により観察する方法で測定した値である。
【0054】
隔壁1の気孔率は、例えば、20〜90%であることが好ましく、25〜80%であることが更に好ましく、30〜75%であることが特に好ましい。隔壁1の気孔率が20%未満であると、ハニカムフィルタ100の圧力損失が増大し、エンジンの出力低下や燃費の悪化を引き起こすことがある。隔壁1の気孔率が30%以上であると、上記の問題がより起こり難くなる。一方で、隔壁1の気孔率が90%を超えると、ハニカムフィルタ100のアイソスタティック強度(Isostatic strength)が低下してしまうことがある。隔壁1の気孔率が75%以下であると、上記の問題がより起こり難くなる。なお、隔壁1の気孔率は、水銀ポロシメータ(Mercury porosimeter)によって計測された値とする。水銀ポロシメータとしては、例えば、Micromeritics社製のAutopore 9500(商品名)を挙げることができる。
【0055】
セル2の形状については、多角形の角部6が、曲率半径Rの曲線状に形成された形状であれば、元の多角形状については特に制限はない。後述するように、セル2の形状としては、四角形、六角形、八角形等を挙げることができる。
【0056】
隔壁1を構成する材料に特に制限はないが、強度、耐熱性、耐久性等の観点から、主成分は、酸化物又は非酸化物の各種セラミックスや金属等であることが好ましい。具体的には、例えば、セラミックスとしては、コージェライト、ムライト(Mullite)、アルミナ、スピネル(Spinel)、炭化珪素、窒化珪素、及びチタン酸アルミニウム等が考えられる。金属としては、Fe−Cr−Al系金属、及び金属珪素等が考えられる。これらの材料の中から選ばれた1種又は2種以上を主成分とすることが好ましい。高強度、高耐熱性等の観点から、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミニウム、コージェライト、炭化珪素、及び窒化珪素から構成された群より選ばれた1種又は2種以上を主成分とすることが特に好ましい。また、高熱伝導率や高耐熱性等の観点からは、炭化珪素、又は珪素−炭化珪素複合材料が特に適している。ここで、「主成分」とは、隔壁1の50質量%以上を構成する成分のことを意味する。上記成分は、隔壁1を構成する材料中に70質量%以上含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることが更に好ましい。
【0057】
目封止部5の材質は、隔壁の材質として好ましいとされた材質であることが好ましい。目封止部5の材質と隔壁1の材質とは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
【0058】
本実施形態のハニカムフィルタ100は、ハニカム構造部4の隔壁1の表面及び隔壁1の細孔のうちの少なくとも一方に、排ガス浄化用の触媒が担持されていてもよい。このように構成することによって、排ガス中のCOやNOxやHCなどを触媒反応によって無害な物質にすることができる。また、隔壁1に捕集したススの酸化を促進させることができる。
【0059】
本実施形態のハニカムフィルタ100に触媒を担持する場合には、触媒は、SCR触媒、NOx吸蔵触媒、及び酸化触媒から構成される群より選ばれる1種以上を含むことが好ましい。SCR触媒は、被浄化成分を選択還元する触媒である。特に、SCR触媒が、排ガス中のNOxを選択還元するNOx選択還元用SCR触媒であることが好ましい。また、SCR触媒としては、金属置換されたゼオライトを挙げることができる。ゼオライトを金属置換する金属としては、鉄(Fe)、銅(Cu)を挙げることができる。ゼオライトとしては、ベータゼオライトを好適例として挙げることができる。また、SCR触媒が、バナジウム、及びチタニアから構成される群より選択される少なくとも1種を主たる成分として含有する触媒であってもよい。NOx吸蔵触媒としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属等を挙げることができる。アルカリ金属としては、カリウム、ナトリウム、リチウム等を挙げることができる。アルカリ土類金属としては、カルシウムなどを挙げることができる。酸化触媒としては、貴金属を含有するものを挙げることができる。酸化触媒として、具体的には、白金、パラジウム及びロジウムから構成される群より選択される少なくとも一種を含有するものが好ましい。
【0060】
(2)ハニカムフィルタ(第二実施形態〜第十実施形態):
次に
、ハニカムフィルタの第二実施形態〜第十実施形態について、
図8〜
図25を参照しつつ説明する。ここで、
図8〜
図25は
、ハニカムフィルタの第二実施形態〜第十実施形態を模式的に示す、流入端面又は流出端面の一部を拡大した拡大平面図である。
【0061】
図8〜
図13に示される第二実施形態〜第四実施形態のハニカムフィルタ200,300,400は、セル2の形状が四角形であり、第一実施形態のハニカムフィルタ100(
図4等参照)と同様に、上述した式(1)及び式(2)を満たすように構成されている。特に、第二実施形態〜第四実施形態のハニカムフィルタ200,300,400は、第一セル列15の幅P1が、第二セル列16の幅P2よりも小さくなるように構成されている。第二実施形態〜第四実施形態のハニカムフィルタ200,300,400は、第一セル列15及び第二セル列16の配列が、第一実施形態のハニカムフィルタ100(
図4等参照)と異なっている。そして、第一セル列15及び第二セル列16の配列が異なること以外は、第一実施形態のハニカムフィルタ100(
図4等参照)と同様に構成されていることが好ましい。
【0062】
図8及び
図9に示すように、第二実施形態のハニカムフィルタ200は、第二セル列16における目封止部5の配設位置が、第一実施形態のハニカムフィルタにおける第二セル列とは異なっている。即ち、第二実施形態のハニカムフィルタ200は、第一セル列15及び第二セル列16の延びる方向に直交する方向においても、流入セル2aと流出セル2bとが交互に配置されているセル列が存在する。一方、
図4及び
図5に示すような第一実施形態のハニカムフィルタ100においては、第一セル列15を挟んで配置される2つの第二セル列16において、目封止部5の配設位置が、半ピッチ(pitch)ずれた状態となっている。第二実施形態のハニカムフィルタ200は、
図8及び
図9の紙面の縦方向にも第一セル列15と同様に直線上に目封止部を配置しないセル2の列が存在している。このため、ハニカムフィルタ200では、必要に応じて紙面の縦横の両方の軸で、第一セル列15を配置することが可能である。一方で、
図8及び
図9の紙面の縦方向におけるセル列を、例えば、第一セル列15と同様な幅P1とする必要がない場合は、セル2の配列については、
図4及び
図5に示すようなハニカムフィルタ100であってもよいし、
図8及び
図9に示すようなハニカムフィルタ200であってもよい。
【0063】
図10及び
図11に示すように、第三実施形態のハニカムフィルタ300は、直線状に流入セル2aが配列することによって構成された第一セル列15が、第一セル列15に直交する方向に2列連続して配置されている。このように、第一セル列15及び第二セル列16は、各列に直交する方向に交互に配置されていなくともよい。このように構成されたハニカムフィルタ300は、一直線上に全て目封止部が配設されたセル列を有するため、ハニカムフィルタ300のキャニング時の強度を確保し易くなる。ここで、キャニング(Canning)とは、ハニカムフィルタを、金属ケース等の筐体内に収容することを意味する。
【0064】
図12及び
図13に示すように、第四実施形態のハニカムフィルタ400は、
図12の紙面の左右方向に延びる第一セル列15及び第二セル列16と、
図12の紙面の上下方向に延びる第一セル列15及び第二セル列16と、を有するハニカムフィルタ400である。紙面の左右方向に延びる第一セル列15及び第二セル列16は、第一セル列15の幅P1が、第二セル列16の幅P2よりも小さくなるように構成されている。また、紙面の上下方向に延びる第一セル列15及び第二セル列16は、第一セル列15の幅P1’が、第二セル列16の幅P2’よりも小さくなるように構成されている。そして、第四実施形態のハニカムフィルタ400は、紙面の縦横のそれぞれのセル列において、上述した式(1)及び式(2)を満たすように構成されている。このように構成されたハニカムフィルタ400は、縦方向と横方向の配置を同一とすることができ、ハニカムフィルタ400を配設する際の方向性について、許容の範囲が広がる点で好ましい。
【0065】
図14〜
図21に示される第五実施形態〜第八実施形態のハニカムフィルタ500,600,700,800は、隔壁21によって区画形成されるセル22の形状が、略四角形と略八角形になっている。略四角形とは、四角形の角部が曲線状に形成された形状のことであり、略八角形とは、八角形の角部が曲線状に形成された形状のことである。以下、四角形の角部が曲線状に形成された略四角形のことを、単に「四角形」ということがある。また、八角形の角部が曲線状に形成された略八角形のことを、単に「八角形」ということがある。第五実施形態〜第八実施形態のハニカムフィルタ500,600,700,800は、上述した式(1)を満たし、且つ、セル22の角部における曲線状の部位の曲率半径Rとした場合に、上述した式(2)を満たすように構成されている。
【0066】
第五実施形態〜第八実施形態のハニカムフィルタ500,600,700,800においては、ハニカム構造部24のセル22の延びる方向に直交する断面において、四角形のセル22と八角形のセル22とが互い違いに形成されている。第五実施形態〜第八実施形態のハニカムフィルタ500,600,700,800においても、第一セル列35の幅P1が、第二セル列36の幅P2よりも小さくなるように構成されている。第五実施形態〜第八実施形態のハニカムフィルタ500,600,700,800は、セル22の形状、並びに第一セル列35及び第二セル列36の配列が異なること以外は、第一実施形態のハニカムフィルタ100(
図4等参照)と同様に構成されていることが好ましい。
【0067】
ここで、
図14〜
図21に示される第五実施形態〜第八実施形態のハニカムフィルタ500,600,700,800における、第一セル列35の幅P1、及び第二セル列36の幅P2の測定方法について、
図14及び
図15を参照しつつ説明する。まず、
図14及び
図15に示すハニカムフィルタ500において、流出端面32側の端部に目封止部25が配設され、流入端面31側が開口した流入セル22aによって構成されたセル列を、第一セル列35とする。また、一の方向に沿ってセル22が配列したセル列において、流出セル22bを含むセル列を、第二セル列36とする。各セル列の幅を測定する際には、まず、符号35で示される第一セル列35を「測定対象セル列」とした場合、当該測定対象セル列を構成するセル22のうち、セル列の最も内側に配置されたセル22xを見つける。次に、この測定対象セル列に隣接するセル列について、当該隣接するセル列を構成するセル22のうち、セル列の最も内側に配置されたセル22yを見つける。そして、セル22xとセル22yとの、セル列の延びる方向に直交する方向における中間位置を、「測定対象セル列」の片側の側縁とする。上述した方法により、「測定対象セル列」の両側の側縁を求め、2つの側縁間の距離を測定する。測定された2つの側縁間の距離を「測定対象セル列」の幅とする。
【0068】
図14〜
図21に示される第五実施形態〜第八実施形態のハニカムフィルタ500,600,700,800は、排ガス中のススの量が多く、ススの堆積量が多くなる場合に有効なハニカムフィルタである。即ち、ススの堆積が無い時の圧力損失よりも、ススの堆積した状態での圧力損失の上昇を抑制する必要がある場合に好適な実施形態である。
【0069】
なお、
図20及び
図21に示される第八実施形態のハニカムフィルタ800は、後述するセグメント構造のハニカムフィルタとなっている。このため、
図20及び
図21において図示されるセル22の構造は、セグメント構造のハニカムフィルタを構成する一つのハニカムセグメントの端面の一部を示したものである。
【0070】
図22〜
図25に示される第九実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタ900,1000は、隔壁41によって区画形成されるセル42の形状が、略六角形になっている。略六角形とは、六角形の角部が曲線状に形成された形状のことである。以下、六角形の角部が曲線状に形成された略六角形のことを、単に「六角形」ということがある。第九実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタ900,1000は、上述した式(1)を満たし、且つ、セル42の角部における曲線状の部位の曲率半径Rとした場合に、上述した式(2)を満たすように構成されている。なお、
図22〜
図25は、第九実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタ900,1000において、六角形のセル42の配列を説明ための模式図であるため、六角形のセル42の角部における曲線状の部位は、省略して作図している。
【0071】
第九実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタ900,1000においては、ハニカム構造部44のセル42の延びる方向に直交する断面において、第一セル列55の幅P1が、第二セル列56の幅P2よりも小さくなるように構成されている。
図22〜
図25においては、隔壁41によって区画形成されたセル42の形状のみを模式的に示している。即ち、
図22〜
図25においては、隔壁41を直線によって示し、当該隔壁41の厚みを捨象した状態で作図している。
【0072】
図22〜
図25に示される第九実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタ900,1000は、キャニング時において、各紙面の縦方向、横方向のみでなく、円周方向の強度の均一性を図ることができる。
【0073】
図22〜
図25に示される第九実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタ900,1000における、第一セル列55の幅P1、及び第二セル列56の幅P2の測定方法について、
図22及び
図23を参照しつつ説明する。まず、
図22及び
図23に示すハニカムフィルタ900において、流出端面52側の端部に目封止部45が配設され、流入端面51側が開口した流入セル42aによって構成されたセル列を、第一セル列55とする。また、一の方向に沿ってセル42が配列したセル列において、流出セル42bを含むセル列を、第二セル列56とする。各セル列の幅を測定する際の側縁は、それぞれのセル列の側縁において、内側に窪んだ部位と、外側に張り出した部位との中間位置とする。このようにして、それぞれのセル列の両側の側縁を求め、2つの側縁間の距離を測定する。測定された2つの側縁間の距離を、セル列の幅とする。
【0074】
(3)ハニカムフィルタ(他の実施形態):
次に、本発明のハニカムフィルタの他の実施形態について、
図26〜
図29を参照しつつ説明する。ここで、
図26は、本発明のハニカムフィルタの他の実施形態を模式的に示す、流入端面の平面図である。
図27は、本発明のハニカムフィルタの更に他の実施形態を模式的に示す、流入端面の平面図である。
図28は、本発明のハニカムフィルタの更に他の実施形態を模式的に示す、流入端面の平面図である。
図29は、本発明のハニカムフィルタの更に他の実施形態を模式的に示す流入端面側から見た斜視図である。
【0075】
図26に示すハニカムフィルタ2000は、ハニカムフィルタ2000の流入端面11の四隅の4箇所の範囲が、本発明の特徴を満たすハニカム構造部4となっている。即ち、
図26において、符号4で示される太線で囲われた範囲のハニカム構造部4が、上記式(1)及び式(2)を満たすように構成されている。
図26に示すハニカムフィルタ2000は、例えば、排ガスがハニカムフィルタ2000の破線で囲まれた中央部分に集中して流れる場合等に有効である。なお、
図26に示すハニカムフィルタ2000においては、符号4で示される太線で囲われた範囲以外においては、上記式(1)を満たさないものであってもよい。
【0076】
図27に示すハニカムフィルタ2100は、ハニカムフィルタ2100の流入端面11において、紙面の右下の1/4の扇型の範囲が、本発明の特徴を満たすハニカム構造部4となっている。即ち、
図27において、符号4によって示される太線によって囲われた扇型の範囲のハニカム構造部4が、上記式(1)及び式(2)を満たすように構成されている。このように、ハニカムフィルタは、ハニカムフィルタを使用する際のレイアウト(layout)や、排ガスの偏流などにより、灰等の粒子状物質の堆積状況に偏りを生じることがある。このため、
図27に示すハニカムフィルタ2100のように、ハニカムフィルタ2100の端面全域において、上記式(1)を満たしていなくともよい。例えば、ハニカムフィルタ2100は、ハニカムフィルタを使用する際のレイアウト(layout)や、排ガスの偏流などに応じて、灰の堆積容量を大きく確保しつつ、圧力損失の上昇を有効に抑制することができる。例えば、排ガスがハニカムフィルタ2100の破線で囲まれた部分に集中して流れる場合等に有効である。
【0077】
図28に示すハニカムフィルタ2200は、ハニカムフィルタ2200の流入端面11の太線で示した中央部分が、本発明の特徴を満たすハニカム構造部4となっている。
図28に示すハニカムフィルタ2200は、例えば、外周部分近傍において、排ガスの流れが少ない場合等に有効である。
【0078】
図29に示すハニカムフィルタ3000は、ハニカム構造部4と、ハニカム構造部4に形成されたセル2のいずれか一方の端部に配設された目封止部5と、を備えたハニカムフィルタ3000である。特に、ハニカムフィルタ3000においては、それぞれのハニカム構造部4が、柱状のハニカムセグメント64によって構成され、複数個のハニカムセグメント64の互いの側面同士が接合層65によって接合されている。即ち、本実施形態のハニカムフィルタ3000においては、セグメント構造のハニカムフィルタを構成する個々のハニカムセグメント64のそれぞれが、ハニカムフィルタ3000におけるハニカム構造部4となっている。ここで、「セグメント構造のハニカムフィルタ」とは、個々に作製された複数個のハニカムセグメント64が接合されることによって構成されたハニカムフィルタのことである。なお、
図1〜
図7に示すような、ハニカム構造部4の隔壁1が全て一体的に形成されているようなハニカムフィルタ100を、「一体型のハニカムフィルタ」ということがある。本発明のハニカムフィルタにおいては、「セグメント構造のハニカムフィルタ」であってもよいし、「一体型のハニカムフィルタ」であってもよい。
【0079】
ハニカムフィルタ3000においては、少なくとも1つのハニカムセグメント64が、これまでに説明した第一実施形態のハニカムフィルタのハニカム構造部と同様に構成されていることが好ましい。即ち、少なくとも1つのハニカムセグメント64は、一の方向に沿って直線状に2つ以上のセル2が配列した複数のセル列を有する。そして、この複数のセル列が、流入セル2aによって構成された第一セル列と、流出セル2bを含む第二セル列とを含む。そして、少なくとも1つのハニカムセグメント64は、上記式(1)及び式(2)を満たすように構成されている。このようなハニカムフィルタ3000であっても、これまでに説明した第一実施形態のハニカムフィルタと同様の作用効果を得ることができる。複数個のハニカムセグメント64は、それぞれ同じセル構造を有するものであってもよいし、それぞれ異なるセル構造を有するものであってもよい。
【0080】
ハニカムフィルタ3000における外周壁3は、外周コート材によって形成された外周コート層であることが好ましい。外周コート材は、複数個のハニカムセグメント64を接合した接合体の外周に塗工して、外周コート層を形成するためのコート材である。また、複数個のハニカムセグメント64を接合した接合体は、当該接合体に対して、その外周部分を研削加工し、上述した外周コート層を配設したものであることが好ましい。
【0081】
図29に示すハニカムフィルタ3000においては、セル2の形状が四角形となっている。ただし、各ハニカムセグメント64における各セル2の形状について四角形に限定されることはなく、これまでに説明した第一実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタにおけるセルの形状を採用することができる。
【0082】
(4)ハニカムフィルタの製造方法:
次に、本発明のハニカムフィルタを製造する方法について説明する。本発明のハニカムフィルタの製造方法としては、ハニカム成形体を作製する工程、セルの開口部に目封止部を形成する工程、ハニカム成形体を乾燥及び焼成する工程、を備えたものを挙げることができる。
【0083】
(4−1)成形工程:
成形工程は、成形原料を混練して得られる坏土をハニカム形状に押出成形してハニカム成形体を得る工程である。ハニカム成形体は、第一端面から第二端面まで延びるセルを区画形成する隔壁、及びこの隔壁の最外周を囲繞するように形成された外周壁を有するものである。隔壁によって構成されたハニカム構造の部分が、ハニカム構造部となる。成形工程においては、まず、成形原料を混練して坏土とする。次に、得られた坏土を押出成形して、隔壁と外周壁とが一体的に成形されたハニカム成形体を得る。
【0084】
成形原料は、セラミック原料に分散媒及び添加剤を加えたものであることが好ましい。添加剤としては、有機バインダ、造孔材、界面活性剤等を挙げることができる。分散媒としては、水等を挙げることができる。成形原料としては、従来公知のハニカムフィルタの製造方法において使用される成形原料と同様のものを用いることができる。
【0085】
成形原料を混練して坏土を形成する方法としては、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。押出成形は、ハニカム成形体の断面形状に対応したスリットが形成された押出成形用の口金を用いて行うことができる。例えば、押出成形用の口金としては、これまでに説明した第一実施形態〜第十実施形態のハニカムフィルタにおけるセルの形状に対応したスリットが形成された口金を用いることが好ましい。
【0086】
(4−2)目封止工程:
目封止工程は、セルの開口部を目封止することで目封止部を形成する工程である。例えば、目封止工程においては、ハニカム成形体の製造に用いた材料と同様の材料で、セルの開口部を目封止することで目封止部を形成する。目封止部を形成する方法については、従来公知のハニカムフィルタの製造方法に準じて行うことができる。
【0087】
(4−3)焼成工程:
焼成工程は、目封止部を形成したハニカム成形体を焼成して、ハニカムフィルタを得る工程である。目封止部を形成したハニカム成形体を焼成する前に、得られたハニカム成形体を、例えば、マイクロ波及び熱風で乾燥してもよい。また、例えば、目封止部を形成する前のハニカム成形体に対して、先に、焼成工程を行って、焼成工程によって得られたハニカム焼成体に対して、上述した目封止工程を行ってもよい。
【0088】
ハニカム成形体を焼成する際の焼成温度は、ハニカム成形体の材質によって適宜決定することができる。例えば、ハニカム成形体の材質がコージェライトの場合、焼成温度は、1380〜1450℃が好ましく、1400〜1440℃が更に好ましい。また、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として4〜6時間程度とすることが好ましい。
【実施例】
【0089】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0090】
(実施例1)
コージェライト化原料100質量部に、造孔材を0.5質量部、分散媒を33質量部、有機バインダを5.6質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。コージェライト化原料としては、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用した。分散媒としては水を使用し、造孔材としては平均粒子径10〜50μmの吸水性ポリマーを使用し、有機バインダとしてはメチルセルロース(Methylcellulose)を使用し、分散剤としてはデキストリン(Dextrin)を使用した。
【0091】
次に、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、セル形状が略四角形で、全体形状が円柱状のハニカム成形体を得た。
【0092】
次に、ハニカム成形体を、熱風乾燥機にて乾燥させた。乾燥条件としては、95〜145℃とした。
【0093】
次に、乾燥したハニカム成形体に、目封止部を形成した。具体的には、まず、ハニカム成形体の流入端面に、流入セルが覆われるようにマスクを施した。その後、マスクの施されたハニカム成形体の端部を、目封止スラリーに浸漬し、マスクが施されていない流出セルの開口部に目封止スラリーを充填した。その後、ハニカム成形体の流出端面についても、上記と同様の方法で、流入セルの開口部に目封止スラリーを充填した。その後、目封止部を形成したハニカム成形体を、更に、熱風乾燥機で乾燥した。
【0094】
次に、乾燥させたハニカム成形体を焼成した。焼成条件としては、1350〜1440℃で、10時間、焼成して、実施例1のハニカムフィルタを作製した。
【0095】
実施例1のハニカムフィルタは、隔壁の厚さが300μmであった。セルの形状は、四角形の角部が、曲率半径が20μmの曲線状に形成された形状であった。表1の「セル構造」の欄に、隔壁の厚さ、セル形状を示す。なお、表1の「セル形状」の欄については、多角形の角部が曲線状に形成された形状について、単に、その多角形の形状を示すこととする。なお、曲率半径については、以下の方法で測定を行った。まず、ニコン社製の「VM−2520(商品名)」を用い、ハニカムフィルタの流入端面及び流出端面を画像測定機によって撮像した。次に、撮像した流入端面及び流出端面の画像を画像解析することによって、セルの角部の曲率半径を求めた。実施例1においては、流入端面の20箇所と流出端面20箇所の曲率半径を測定し、その平均値を、セルの角部の曲率半径とした。実施例1において、セルの角部の曲率半径は、20μmであった。
【0096】
実施例1のハニカムフィルタは、軸方向に直交する断面の形状が円形であり、ハニカム構造部が、
図4に示すような第一セル列15及び第二セル列16を有するものであった。ハニカムフィルタの流入端面の直径は、266.7mmであり、流入端面から流出端面のまでの長さ(全長)は、304.8mmであった。実施例1のハニカムフィルタの形状を、表1の「断面形状」、「直径」、「全長」の欄に示す。
【0097】
実施例1のハニカムフィルタの、第一セル列の幅P1(mm)、及び第二セル列の幅P2(mm)を、表2に示す。また、表2の「P1,P2比(%)」の欄に、「100−(P1/P2×100)」の値を示す。表2の「P1,P2平均(mm)」の欄に、「(P1+P2)/2」の値を示す。表2の「曲率半径(μm)」の欄に、セルの角部の曲率半径Rの値を示す。表2の「X(%)」の欄に、「(R/1000)/((P1+P2)/2)×100」の値を示す。表2における「X(%)」は、本願明細書における式(2)にて示される値である。また、表2の「セル構造」の欄に、各実施例及び比較例のハニカムフィルタにおける、セルの構造を示す。例えば、「セル構造」の欄に、
図4と示される場合には、製造されたハニカムフィルタが、
図4に示されるセル構造を有するものであることを示す。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
(実施例2〜
7,10〜21,24,25
、参考例8,9,22,23)
セル構造、断面形状、外周の形状等を表1及び表2に示すように変更し、実施例2〜
7,10〜21,24,25
及び参考例8,9,22,23のハニカムフィルタを作製した。ここで、
図30は、
参考例22及び23のハニカムフィルタを模式的に示す、流入端面の一部を拡大した拡大平面図である。
図31は、
参考例22及び23のハニカムフィルタを模式的に示す、流出端面の一部を拡大した拡大平面図である。
図30及び
図31に示すハニカムフィルタ1100において、
図4に示すハニカムフィルタと同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0101】
実施例16及び17においては、ハニカムフィルタを作製する材料として、炭化珪素(SiC)を用いた。実施例16及び17のハニカムフィルタは、セグメント構造のハニカムフィルタである。
【0102】
実施例
及び参考例1〜25のハニカムフィルタについて、以下の示す方法で、「圧力損失」、「スス漏れ」、及び「総合判定」についての評価を行った。結果を表3に示す。
【0103】
[圧力損失]
まず、特開2007−155708号公報に記載されたPM発生装置を用いて、PM含有ガスを発生させた。なお、PM発生装置の燃料として軽油を使用した。このPM発生装置から発生させたPM含有ガスを、ハニカムフィルタの流入端面側から導入し、ハニカムフィルタの隔壁の表面にススを堆積させた。そして、PM含有ガス流量10Nm
3/min、200℃の状態において、1g/Lの量のススを堆積時の、流入端面と流出端面との圧力差を求めた。このようにして求められた圧力差を、「ハニカムフィルタの圧力損失値」とした。そして、測定された圧力損失値について、以下に示す評価基準の圧力損失値と比較した場合に、5%以上10%未満の圧力損失の低減が見られるものを評価「B」とし、10%以上の圧力損失の低減が見られるものを評価「A」とした。また、圧力損失の低減が5%未満、又は圧力損失が増大したものを評価「C」とした。圧力損失の評価においては、評価「A」又は評価「B」の場合を合格とする。
【0104】
圧力損失の評価において、各評価基準は、以下の通りである。
実施例1〜3及び比較例1〜3は、比較例1を評価基準とする。
実施例4,5及び比較例4,5は、比較例4を評価基準とする。
実施例6,7及び比較例6,7は、比較例6を評価基準とする。
参考例8,9及び比較例8,9は、比較例8を評価基準とする。
実施例10,11及び比較例10,11は、比較例10を評価基準とする。
実施例12,13及び比較例12,13は、比較例12を評価基準とする。
実施例14,15及び比較例14,15は、比較例14を評価基準とする。
実施例16,17及び比較例16,17は、比較例16を評価基準とする。
実施例18,19及び比較例18,19は、比較例18を評価基準とする。
実施例20,21及び比較例20,21は、比較例20を評価基準とする。
参考例22,23及び比較例22,23は、比較例22を評価基準とする。
実施例24,25及び比較例24,25は、比較例24を評価基準とする。
【0105】
[スス漏れ]
まず、各実施例
及び参考例のハニカムフィルタについて、以下の方法で、加熱振動試験を実施した。まず、ハニカムフィルタの外周面に、非熱膨張性のセラミックマットを巻き付けた。次に、セラミックマットが巻きつけたハニカムフィルタを、2分割されたステンレス製(SUS430)の缶体に収納した後、溶接して、缶体内にハニカムフィルタを収納した。ハニカムフィルタを収納した缶体を、以下、「試験用の缶体」という。次に、試験用の缶体を、加熱振動試験装置に取り付け、加熱振動試験装置から、プロパンの燃焼ガスを試験用の缶体内に供給した。燃焼ガスは、ハニカムフィルタの流入端面におけるガス温度が、最大で900℃で、ガス流量が2.5Nm
3/分となるようにした。また、熱サイクルを与えるべく、20分間隔で加熱と冷却を繰り返した。次に、上記燃焼ガスを試験用の缶体内に連続して供給した状態で、ハニカムフィルタのセルの延びる方向に直交する方向の振動を、缶体に与えた。缶体に与えた振動の条件は、150Hz、40Gの振動を10時間与えることとした。その後、試験用の缶体を、ハニカムフィルタの中心軸を中心にして90°回転させた。以上の操作を、合計4回繰り返して行った。即ち、試験時間は、10時間×4回で合計40時間である。
【0106】
スス漏れの評価においては、上述した加熱振動試験を実施した後、圧力損失の評価で使用したPM発生装置を用いて、ハニカムフィルタに4g/Lの量のススを堆積させ、ハニカムフィルタからのススの漏れを確認した。ハニカムフィルタからススの漏れが確認されない場合を評価「A」とした。ハニカムフィルタから、1箇所のススの漏れが確認された場合を評価「C」とした。ハニカムフィルタから、2箇所以上のススの漏れが確認された場合を評価「D」とした。スス漏れの評価においては、評価「A」の場合を合格とする。
【0107】
[総合判定]
圧力損失の評価、及びスス漏れの評価において、共に合格基準を満たす場合を合格とし、表3において「OK」と示す。圧力損失の評価、及びスス漏れの評価において、少なくとも一方が合格基準を満たしていない場合を不合格とし、表3において「NG」と示す。
【0108】
【表3】
【0109】
(比較例1〜25)
セル構造、断面形状、外周の形状等を表4及び表5に示すように変更し、比較例1〜25のハニカムフィルタを製造した。比較例1〜25のハニカムフィルタについても、「圧力損失」、「スス漏れ」、及び「総合判定」についての評価を行った。結果を表6に示す。
【0110】
【表4】
【0111】
【表5】
【0112】
【表6】
【0113】
(結果)
実施例
及び参考例1〜25のハニカムフィルタは、圧力損失の評価、及びスス漏れの評価において、共に合格基準を満たし、総合判定において「OK」の結果を得ることができた。一方、比較例1〜25のハニカムフィルタは、圧力損失の評価、及びスス漏れの評価において、少なくとも一方が合格基準を満たしておらず、総合判定において「NG」の結果となった。具体的には、比較例1〜25のハニカムフィルタにおいて、表5の「P1,P2比(%)」の値が、2.0%未満である場合には、圧力損失の評価が不合格となった。また、比較例1〜25のハニカムフィルタにおいて、表5の「X(%)」の値が、0.4%未満の場合には、スス漏れの評価が不合格となった。