(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する画像読取装置、及び、画像読取装置における制御方法の実施例を図面に基づいて説明する。なお、この実施例により本願の開示する画像読取装置、及び、画像読取装置における制御方法が限定されるものではない。また、実施例において同一の機能を有する構成、及び、同一の処理を行うステップには同一の符号を付す。
【0011】
以下では、キオスク端末を画像読取装置の一例に挙げて説明する。しかし、本願に開示の技術を適用可能な画像読取装置はキオスク端末に限定されない。また以下の説明では、画像読取装置の一例であるキオスク端末が読取対象とする媒体の一例としてパスポートを挙げる。しかし、本願に開示の技術を適用された画像読取装置が読取対象とする媒体はパスポートに限定されない。
【0012】
[実施例1]
<キオスク端末の外観>
図1は、実施例1のキオスク端末の外観の一例を示す図である。
図1において、キオスク端末1は、タッチパネル15と、画像読取モジュール2とを有する。画像読取モジュール2は、挿入口16を有する。
【0013】
<画像読取モジュールの構造>
図2は、実施例1の画像読取モジュールの構造の一例を示す図である。
図2の上部の図は側面透過図であり、
図2の下部の図は上面図である。
図2において、画像読取モジュール2は、上部カバー21と、筐体22と、原稿台ガラス23と、イメージセンサモジュール24と、パスポートガイド25とを有する。画像読取モジュール2において、上部カバー21と原稿台ガラス23との間には、パスポートPPを画像読取モジュール2内へ挿入するための挿入口16が形成される。画像読取モジュール2によるパスポート情報の読取の際には、パスポートPPは、パスポート所有者により、パスポートPPの見開き面を筐体22の上面及び原稿台ガラス23の上面に接触させた状態で(つまり、パスポートPPを裏向きにした状態で)、手動で、パスポートPPの一端(以下では「パスポート端」と呼ぶことがある)EGを先頭にして挿入口16へ挿入される。よって、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向は+Y方向となる。
【0014】
図3は、実施例1のパスポートの一例を示す図である。
図3において、パスポートPPの最終ページの見開き面は、MRZ(Machine Readable Zone)を有する。MRZには、例えば、パスポートPPの発行国のコードと、パスポート所有者の氏名やパスポート所有者を一意に特定可能なID番号等の身元情報とを含むパスポート情報が特定の書式で記載されている。画像読取モジュール2によるパスポート情報の読取の際には、パスポート所有者は、例えば、MRZを有するページ(以下では「MRZページ」と呼ぶことがある)を筐体22の上面及び原稿台ガラス23の上面に接触させた状態で、MRZページの長辺をパスポート端EGにして、MRZページの長辺を先頭にしてパスポートPPを挿入口16へ挿入する。
【0015】
<画像読取モジュールの構成>
図4は、実施例1の画像読取モジュールの構成例を示す図である。
図4において、画像読取モジュール2は、制御部11と、イメージセンサモジュール24と、駆動部14と、記憶部17とを有する。イメージセンサモジュール24は、光源12と、ラインセンサ13とを有する。ラインセンサ13は、一列に配列された複数の撮像素子を有し、例えば、CIS(Contact Image Sensor)により実現される。光源12は、例えば、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子と平行に一列に配列された複数のLED(Light Emitting Diode)により実現される。光源12は、制御部11の制御の下で、パスポートPPの画像の読取時にパスポートPPに光を照射する。
【0016】
<画像読取モジュールの動作>
図5〜
図8は、実施例1の画像読取モジュールの動作例の説明に供する図である。
【0017】
図5の上
部の図は
上面透過図であり、
図5の
下部左側の図は
正面透過図であり、
図5の下部
右側の図は
側面透過図である。
【0018】
図5に示すように、画像読取モジュール2において、原稿台ガラス23の上面の露出面の全領域が、ラインセンサ13の所定の読取可能範囲RRとなっている。また、読取可能範囲RRの一部に、許容範囲AR1が設定されている。許容範囲AR1は、X軸方向では、読取可能範囲RRの全範囲に渡って設定され、かつ、Y軸方向では、読取可能範囲RRの終端から−Y方向へ向かう一部の範囲に設定されている。例えば、Y軸方向では、読取可能範囲RRの全長の5分の1の長さが許容範囲AR1の全長として設定される。
【0019】
イメージセンサモジュール24は、読取可能範囲RRから外れた位置を待機位置(ホームポジション)HP1にして待機し、制御部11の制御の下で、駆動部14の駆動により筐体22内をX軸方向で移動可能である。また、ラインセンサ13はY軸方向に一列に配列された複数の撮像素子を有するため、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向(+Y方向)と、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子の配列方向(Y軸方向)とは互いに平行になる。また、イメージセンサモジュール24の主走査方向はY軸方向となり、イメージセンサモジュール24の副走査方向はX軸方向となる。
【0020】
制御部11は、挿入口16に挿入されたパスポートPPのパスポート端EGの読取可能範囲RRに対するY軸方向での位置(以下では「パスポート端位置」と呼ぶことがある)をラインセンサ13を用いて検出する走査モード(以下では「検出モード」と呼ぶことがある)では、イメージセンサモジュール24を待機位置HP1から停止位置SP1に移動させて停止位置SP1で停止させる。また、制御部11は、パスポートPPの画像をラインセンサ13を用いて読み取る走査モード(以下では「読取モード」と呼ぶことがある)では、ラインセンサ13が読取可能範囲RRの全範囲を走査するように、イメージセンサモジュール24をX軸方向で移動させる。また、
図5の下部の図(上面透過図)に示すように、イメージセンサモジュール24の挿入口16側の一部は上部カバー21に覆われることなく目視可能である。
【0021】
図6には、検出モードにおける画像読取モジュール2の動作例を示す。
図6において、パスポートPPは、挿入口16を入口とし、挿入口16から突き当たり部211へ向かって挿入される。突き当たり部211は、上部カバー21の側壁で形成される。また、時刻t0以前の時刻に、制御部11は、イメージセンサモジュール24を待機位置HP1(
図5)から停止位置SP1(
図5)へ移動させる。また、制御部11は、検出モードの時刻t0〜t3の各時刻において、イメージセンサモジュール24を停止位置SP1で停止させたまま、ラインセンサ13を用いて、一定の周期Tで、パスポート端位置と、パスポート端EGの+Y方向での移動速度(以下では「パスポート端速度」と呼ぶことがある)とを検出し、検出したパスポート端位置及びパスポート端速度を時刻t0〜t3の各時刻に対応付けて記憶部17に記憶させる。ラインセンサ13はY軸方向に一列に配列された複数の撮像素子を有するため、制御部11は、停止位置SP1で停止したラインセンサ13を用いて取得される画像の画素値に基づいてパスポート端位置を検出することが可能である。ラインセンサ13上でパスポートPPにより覆われている箇所の輝度値はパスポートPPにより覆われていない箇所の輝度値よりも大きくなるため、例えば、制御部11は、読取可能範囲RR内の停止位置SP1のY軸上で取得される画像の輝度値の変化量が閾値TH1以上となる位置をパスポート端位置として検出する。また、周期Tは一定であるため、制御部11は、時刻t0〜t3の各々の時刻におけるパスポート端位置と、時刻t0〜t3の各々の時刻とに基づいて、パスポート端速度を検出することが可能である。
【0022】
図6では、イメージセンサモジュール24が停止位置SP1で停止後、初めて時刻t0で、制御部11によりパスポート端EGが検出される。また、パスポート端EGは、時刻t1では未だ許容範囲AR1に達しておらず、時刻t2で許容範囲AR1に達する。そして、時刻t3で、パスポート端EGは、上部カバー21の側壁(つまり、突き当たり部211)に突き当たる。
【0023】
図7には、
図6の動作例の時刻t0〜t3の各々に対応するパスポート端位置EP0〜EP3を示し、
図8には、
図6の動作例の時刻t0〜t3の各々に対応するパスポート端速度ES0〜ES3を示す。
図7に示すように、時刻t0でのパスポート端位置EP0及び時刻t1でのパスポート端位置EP1は許容範囲AR1内にない。一方で、時刻t2でのパスポート端位置EP2及び時刻t3でのパスポート端位置EP3は許容範囲AR1内にある。また、
図8に示すように、時刻t0でのパスポート端速度ES0、時刻t1でのパスポート端速度ES1、及び、時刻t2でのパスポート端速度ES2は、許容速度AS1内にない。一方で、時刻t3でのパスポート端速度ES3は許容速度AS1内にある。そこで、制御部11は、パスポート端位置が許容範囲AR1内にないか、または、パスポート端速度が許容速度AS1内にない時刻t0,t1,t2では、パスポートPPの挿入が完了していないと判断し、ラインセンサ13の走査モードを、検出モードで維持したまま、読取モードへ移行させない。一方で、制御部11は、パスポート端位置が許容範囲AR1内にあり、かつ、パスポート端速度が許容速度AS1内にある時刻t3で、パスポートPPの挿入が完了したと判断し、ラインセンサ13の走査モードを、検出モードから読取モードへ移行させる。このように、制御部11は、パスポート端位置及びパスポート端速度に基づいて、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させるか否か判断する。
【0024】
ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させるか否かをパスポート端位置に基づいて判断することで、パスポート端EGが許容範囲AR1に達してパスポート情報が記載された見開き面のページの全範囲が読取可能範囲RRに確実に入ってからパスポートPPの画像の読取を開始することができるため、パスポート情報の一部しか読み取れないといった、パスポートPPの画像の読取の失敗を防止することができる。
【0025】
さらに、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させるか否かをパスポート端速度に基づいて判断することで、パスポートPPの停止が確認されてからパスポートPPの画像の読取を開始することができるため、読み取られた画像にぶれが生じることを防止することができる。
【0026】
<キオスク端末の処理>
図9〜
図11は、実施例1のキオスク端末の処理の一例の説明に供するフローチャートである。
【0027】
図9のステップST01において、制御部11は、パスポートPPの挿入口16への挿入をパスポート所有者へ促すための挿入指示をタッチパネル15に表示させる。
【0028】
次いで、ステップST03では、挿入検出処理が行われる。挿入検出処理の詳細は後述する。
【0029】
挿入検出処理の終了後、ステップST05では、制御部11は、読取ボタンをタッチパネル15に表示させる。
【0030】
次いで、ステップST07では、制御部11は、制御部11が有するタイマTM1を起動させる。タイマTM1は、所定の経過時間を満了時間として設定されている。
【0031】
次いで、ステップST09では、制御部11は、ステップST05でタッチパネル15に表示された読取ボタンがタッチされたか否か、及び、タイマTM1が満了したか否かを判断する。読取ボタンがタッチされるまで、または、タイマTM1が満了するまでは(ステップST09:No)、ステップST09の処理が繰り返し行われる。
【0032】
読取ボタンがタッチされるか、または、タイマTM1が満了すると(ステップST09:Yes)、ステップST11において、制御部11は、ラインセンサ13を用いてパスポートPPの画像を読み取る。制御部11は、Y軸方向をラインセンサ13の主走査方向とし、X軸方向をラインセンサ13の副走査方向として、イメージセンサモジュール24を待機位置HP1から−X方向へ移動させながらパスポートPPの画像を読み取る。パスポートPPの画像の読取完了後、制御部11は、イメージセンサモジュール24を待機位置HP1へ復帰させる。
【0033】
パスポートPPの画像の読取後、ステップST13では、制御部11は、パスポートPPの読取完了通知をタッチパネル15に表示させる。読取完了通知の内容は、例えば、「パスポートの読取が完了しました。パスポートを取り出して下さい。」というものである。
【0034】
次いで、ステップST15では、排出検出処理が行われる。排出検出処理の詳細は後述する。
【0035】
図9において、ステップST01,ST03の処理は、検出モードにおいて行われる処理であり、ステップST05〜ST15の処理は、読取モードにおいて行われる処理である。
【0036】
<挿入検出処理>
図10にステップST03で行われる挿入検出処理の詳細を示す。
【0037】
挿入検出処理では、まずステップST101において、制御部11は、イメージセンサモジュール24を待機位置HP1から停止位置SP1へ移動させ、停止位置SP1で停止させたままにする。
【0038】
次いで、ステップST103では、制御部11は、光源12を点灯させる。上記のように、イメージセンサモジュール24の挿入口16側の一部は上部カバー21に覆われることなく目視可能であるため(
図5の下部の図(上面透過図))、停止位置SP1で停止中のイメージセンサモジュール24が有する光源12がパスポートPPの挿入前に点灯することにより、検出モードにおいて、光源12の点灯は、パスポート所有者に挿入口16へのパスポートPPの挿入を促すインジケータとして機能する。このように、光源12の点灯がインジケータとして機能することにより、正しい位置へのパスポートPPの挿入をパスポート所有者に対して促すことができる。
【0039】
なお、制御部11は、検出モードにおける光源12の明るさを、読取モードにおける光源12の明るさよりも低下させても良い。こうすることで、検出モードにおいてイメージセンサモジュール24の一部を目視することにより光源12の一部を目視することになるパスポート所有者が感じる眩しさを軽減することができる。
【0040】
また、制御部11は、検出モードにおける光源12を点灯させる代わりに、点滅させても良い。検出モードにおいて光源12が点滅することにより、インジケータとしての機能を高めることができる。
【0041】
次いで、ステップST105では、制御部11は、制御部11が有するタイマTM2を起動させる。タイマTM2は、所定の経過時間を満了時間として設定されている。
【0042】
次いで、ステップST107では、制御部11は、イメージセンサモジュール24を停止位置SP1で停止後にパスポート端EGが初めて検出されたか否かを判断する。パスポート端EGが初めて検出された場合(つまり、パスポートPPの挿入が開始された場合)は(ステップST107:Yes)、処理はステップST113へ進み、パスポート端EGが検出されない間は(ステップST107:No)、処理はステップST109へ進む。
【0043】
ステップST109では、制御部11は、タイマTM2が満了したか否かを判断する。タイマTM2が満了している場合は(ステップST109:Yes)、処理はステップST111へ進み、タイマTM2が満了していない場合は(ステップST109:No)、処理はステップST107へ戻る。
【0044】
ステップST111では、制御部11は、ガイダンスG1をタッチパネル15に表示させる。ガイダンスG1の内容は、例えば、「インジケータが点灯している箇所の挿入口にパスポートを挿入して下さい。」というものである。ステップST111の処理後、処理はステップST107へ戻る。
【0045】
ステップST113では、制御部11は、ガイダンスG1がタッチパネル15に表示されているか否かを判断する。ガイダンスG1がタッチパネル15に表示されている場合は(ステップST113:Yes)、処理はステップST115へ進み、ガイダンスG1がタッチパネル15に表示されていない場合は(ステップST113:No)、ステップST115の処理が行われることなく処理はステップST117へ進む。
【0046】
ステップST115では、制御部11は、タッチパネル15に表示されているガイダンスG1を消去する。ステップST115の処理後、処理はステップST117へ進む。
【0047】
ステップST117では、制御部11は、制御部11が有するタイマTM3を起動させる。タイマTM3は、所定の経過時間を満了時間として設定されている。
【0048】
次いで、ステップST119では、制御部11は、パスポート端位置及びパスポート端速度を検出し、検出したパスポート端位置及びパスポート端速度を記憶部17に記憶させる。
【0049】
次いで、ステップST121では、制御部11は、ステップST119で検出したパスポート端位置が許容範囲AR1内にあるか否かを判断する。パスポート端位置が許容範囲AR1内にある場合は(ステップST121:Yes)、処理はステップST127へ進み、パスポート端位置が許容範囲AR1内にない場合は(ステップST121:No)、処理はステップST123へ進む。
【0050】
ステップST123では、制御部11は、タイマTM3が満了したか否かを判断する。タイマTM3が満了している場合は(ステップST123:Yes)、処理はステップST125へ進み、タイマTM3が満了していない場合は(ステップST123:No)、処理はステップST119へ戻る。
【0051】
ステップST125では、制御部11は、ガイダンスG2をタッチパネル15に表示させる。ガイダンスG2の内容は、例えば、「パスポートを奥まで挿入して下さい。」というものである。ステップST125の処理後、処理はステップST119へ戻る。
【0052】
ステップST127では、制御部11は、ガイダンスG2がタッチパネル15に表示されているか否かを判断する。ガイダンスG2がタッチパネル15に表示されている場合は(ステップST127:Yes)、処理はステップST129へ進み、ガイダンスG2がタッチパネル15に表示されていない場合は(ステップST127:No)、ステップST129の処理が行われることなく処理はステップST131へ進む。
【0053】
ステップST129では、制御部11は、タッチパネル15に表示されているガイダンスG2を消去する。ステップST129の処理後、処理はステップST131へ進む。
【0054】
ステップST131では、制御部11は、ステップST119で検出したパスポート端速度が許容速度AS1内にあるか否かを判断する。パスポート端速度が許容速度AS1内に収まるまで(ステップST131:No)、ステップST131の処理が繰り返し行われる。パスポート端速度が許容速度AS1内に収まると(ステップST131:Yes)、処理はステップST133へ進む。
【0055】
ステップST133では、制御部11は、パスポートPPの挿入完了通知をタッチパネル15に表示させる。挿入完了通知の内容は、例えば、「パスポートの挿入が完了しました。パスポートの読取を開始します。」というものである。
【0056】
そして、ステップST135では、制御部11は、イメージセンサモジュール24を停止位置SP1から待機位置HP1へ移動させて待機位置HP1へ復帰させる。ステップST135の処理後、処理はステップST05(
図9)へ進む。
【0057】
このように、制御部11は、所定の経過時間を満了時間として設定されているタイマTM3がパスポートPPの挿入開始後に満了したときに(ステップST123:Yes)、ガイダンスG2をタッチパネル15に表示させる。また、パスポート端位置が許容範囲AR1内にない間は(ステップST121:No)、処理はステップST05(
図9)へ進むことはないため、ラインセンサ13の走査モードが検出モードから読取モードへ移行することはない。つまり、制御部11は、パスポートPPの挿入開始後に、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させると判断しないまま所定時間が経過したときは、ガイダンスG2をタッチパネル15に表示させることにより警告を発する。ガイダンスG2を表示させて警告を発することにより、パスポート情報が記載された見開き面のページの全範囲が読取可能範囲RRに確実に入るまで、パスポートPPをさらに奥まで挿入することをパスポート所有者に対して促すことができる。
【0058】
また、ステップST131においてパスポート端速度が許容速度AS1内に収まって(ステップST131:Yes)、処理がステップST133、ST135、ST05(
図9)と進むときは、制御部11が、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させると判断したときである。また、ステップST09,ST11(
図9)では、読取ボタンがタッチされなくても、所定の経過時間を満了時間として設定されているタイマTM1が満了した時点でパスポートPPの画像の読取が開始される。また、読取ボタンへのタッチは操作受付の一種である。つまり、制御部11は、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させると判断したときに、操作受付無しに、ラインセンサ13によるパスポートPPの画像の読取を開始する。こうすることで、パスポートPPの画像の読取にあたり、キオスク端末1に対するパスポート所有者の操作負担を軽減することができる。
【0059】
<排出検出処理>
図11にステップST15で行われる排出検出処理の詳細を示す。
【0060】
排出検出処理では、まずステップST201において、制御部11は、イメージセンサモジュール24を待機位置HP1から停止位置SP1へ移動させ、停止位置SP1で停止させたままにする。
【0061】
次いで、ステップST203では、制御部11は、制御部11が有するタイマTM4を起動させる。タイマTM4は、所定の経過時間を満了時間として設定されている。
【0062】
次いで、ステップST205では、制御部11は、停止位置SP1で停止したラインセンサ13を用いて取得した画像の各画素の輝度値を取得し、全画素の輝度値が閾値TH2未満であるか否かを判断する。全画素の輝度値が閾値TH2未満である場合は(ステップST205:Yes)、制御部11は画像読取モジュール2からのパスポートPPの排出が完了したと判断し、処理はステップST211へ進む。一方で、何れかの画素の輝度値が閾値TH2以上である場合は(ステップST205:No)、制御部11は画像読取モジュール2からのパスポートPPの排出が完了していない判断し、処理はステップST207へ進む。
【0063】
ステップST207では、制御部11は、タイマTM4が満了したか否かを判断する。タイマTM4が満了している場合は(ステップST207:Yes)、処理はステップST209へ進み、タイマTM4が満了していない場合は(ステップST207:No)、処理はステップST205へ戻る。
【0064】
ステップST209では、制御部11は、ワーニングメッセージWMをタッチパネル15に表示させる。ワーニングメッセージWMの内容は、例えば、「パスポートを取り出して下さい。」というものである。ステップST209の処理後、処理はステップST205へ戻る。
【0065】
ステップST211では、制御部11は、パスポートPPの排出完了通知をタッチパネル15に表示させる。排出完了通知の内容は、例えば、「パスポートの取り出しが確認されました。」というものである。
【0066】
そして、ステップST213では、制御部11は、イメージセンサモジュール24を停止位置SP1から待機位置HP1へ移動させて待機位置HP1へ復帰させる。
【0067】
ここで、ステップST15の排出検出処理が行われるのは、パスポートPPの画像の読取完了後である。よって、制御部11は、所定の経過時間を満了時間として設定されているタイマTM4がパスポートPPの画像の読取完了後に満了したときに(ステップST207:Yes)、ワーニングメッセージWMをタッチパネル15に表示させる。また、全画素のうち何れかの画素の輝度値が閾値TH2以上である場合は(ステップST205:No)、制御部11は、パスポート所有者による画像読取モジュール2からのパスポートPPの排出が完了していないと判断する。つまり、制御部11は、パスポートPPの画像の読取完了後に、所定時間内にパスポートPPの排出が完了しないときは、ワーニングメッセージWMをタッチパネル15に表示させることにより警告を発する。ワーニングメッセージWMを表示させて警告を発することにより、パスポートPPの画像の読取完了後にパスポートPPが画像読取モジュール2内に留まったままになることを防止できるため、パスポート所有者によるパスポートPPの取り忘れを防止することができる。
【0069】
[実施例2]
実施例1では、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向と、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子の配列方向とは互いに平行であった。これに対し、実施例2では、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向と、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子の配列方向とが互いに直交する点が実施例1と異なる。
【0070】
<画像読取モジュールの構造>
図12は、実施例2の画像読取モジュールの構造の一例を示す図である。
図12の上部の図は側面透過図であり、
図12の下部の図は上面図である。
図12において、画像読取モジュール2は、上部カバー21と、筐体22と、原稿台ガラス23と、イメージセンサモジュール24と、パスポートガイド25とを有する。画像読取モジュール2において、上部カバー21と原稿台ガラス23との間には、パスポートPPを画像読取モジュール2内へ挿入するための挿入口16が形成される。画像読取モジュール2によるパスポート情報の読取の際には、パスポートPPは、パスポート所有者により、パスポートPPの見開き面を筐体22の上面及び原稿台ガラス23の上面に接触させた状態で(つまり、パスポートPPを裏向きにした状態で)、手動で、パスポート端EGを先頭にして挿入口16へ挿入される。よって、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向は+Y方向となる。
【0071】
<画像読取モジュールの動作>
図13〜
図15は、実施例2の画像読取モジュールの動作例の説明に供する図である。
【0072】
図13の上
部の図は
上面透過図であり、
図13の
下部左側の図は
正面透過図であり、
図13の下部
右側の図は
側面透過図である。以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0073】
イメージセンサモジュール24は、読取可能範囲RRから外れた位置を待機位置(ホームポジション)HP2にして待機し、制御部11の制御の下で、駆動部14の駆動により筐体22内をY軸方向で移動可能である。また、ラインセンサ13はX軸方向に一列に配列された複数の撮像素子を有するため、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向(+Y方向)と、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子の配列方向(X軸方向)とは互いに直交する。また、イメージセンサモジュール24の主走査方向はX軸方向となり、イメージセンサモジュール24の副走査方向はY軸方向となる。
【0074】
制御部11は、検出モードでは、イメージセンサモジュール24を待機位置HP2から停止位置SP2に移動させた後、パスポート端EGの+Y方向への移動に伴って、ラインセンサ13をパスポート端EGに追従させてイメージセンサモジュール24を移動させる。また、制御部11は、読取モードでは、ラインセンサ13が読取可能範囲RRの全範囲を走査するように、イメージセンサモジュール24をY軸方向で移動させる。
【0075】
図14には、検出モードにおける画像読取モジュール2の動作例を示す。
図14において、パスポートPPは、挿入口16を入口とし、挿入口16から突き当たり部211へ向かって挿入される。また、時刻t0以前の時刻に、制御部11は、イメージセンサモジュール24を待機位置HP2(
図13)から停止位置SP2(
図13)へ移動させる。
【0076】
また、制御部11は、検出モードの時刻t0〜t3の間において、イメージセンサモジュール24をパスポート端EGの移動に伴って移動させることにより、ラインセンサ13をパスポート端EGに追従させる。そして、制御部11は、検出モードの時刻t0〜t3の各時刻において、一定の周期Tで、各時刻におけるラインセンサ13のY軸方向での位置をパスポート端位置として検出するとともに、パスポート端速度を検出し、検出したパスポート端位置及びパスポート端速度を時刻t0〜t3の各時刻に対応付けて記憶部17に記憶させる。
【0077】
図14では、イメージセンサモジュール24が停止位置SP2で停止後、初めて時刻t1で、制御部11によりパスポート端EGが検出される。時刻t1でのパスポート端EGの初めての検出は、ラインセンサ13により読み取られる画像の輝度値の変化に基づいて行われる。時刻t1において、パスポートPPが+Y方向へ進みつつパスポート端EGがラインセンサ13上を通過する際には画像の輝度値が上昇するため、制御部11は、画像の輝度値の所定量以上の上昇を検出したことをもって時刻t1でパスポート端EGを検出したものとする。時刻t1では、パスポート端EGは未だ許容範囲AR1に達していない。
【0078】
時刻t1でパスポート端EGがラインセンサ13上を通過するため、時刻t1〜t2の間は、+Y方向において、パスポート端EGはラインセンサ13よりも進んだ位置にある。そこで、制御部11は、時刻t0でイメージセンサモジュール24を停止位置SP2に移動させた後に時刻t1でパスポート端EGが初めて検出されると、イメージセンサモジュール24の+Y方向への等加速度での移動を開始させる。
【0079】
時刻t1〜t2の間でのイメージセンサモジュール24の+Y方向への等加速度での移動により、時刻t2で、ラインセンサ13はパスポート端EGに追いついてパスポート端EGを通過する。この通過の際に画像の輝度値が低下するため、制御部11は、画像の輝度値の所定量以上の低下を検出したことをもって時刻t2でパスポート端EGを検出したものとする。また、制御部11は、イメージセンサモジュール24の+Y方向への等加速度での移動に伴って画像の輝度値の所定量以上の低下を検出した時点で、所定時間だけイメージセンサモジュール24を一旦停止させ、このイメージセンサモジュール24の停止位置(つまり、ラインセンサ13の停止位置)をパスポート端位置として検出して記憶部17に記憶させる。時刻t2でのイメージセンサモジュール24の停止中に、再び、+Y方向において、パスポート端EGはラインセンサ13よりも先へ進む。制御部11は、イメージセンサモジュール24の+Y方向への等加速度での移動を伴う時刻t1〜t2における以上のような動作を繰り返すことにより、ラインセンサ13をパスポート端EGに追従させる。時刻t2で、パスポート端EGは許容範囲AR1に達する。
【0080】
そして、時刻t3で、パスポート端EGは、上部カバー21の側壁(つまり、突き当たり部211)に突き当たる。時刻t3では、パスポート端EGが時刻t2の時点より+Y方向へさらに移動しているため、制御部11は、ラインセンサ13をパスポート端EGに追従させてイメージセンサモジュール24を+Y方向へ移動させる。
【0081】
図15には、
図14の動作例の時刻t0〜t3の各々に対応するパスポート端速度ES0〜ES3を示す。なお、時刻t0〜t3の各々に対応するパスポート端位置EP0〜EP3については、実施例1(
図7)と同様になるため、図示を省略する。
【0082】
実施例1と同様に、
図7に示すように、時刻t0でのパスポート端位置EP0及び時刻t1でのパスポート端位置EP1は許容範囲AR1内にない。一方で、時刻t2でのパスポート端位置EP2及び時刻t3でのパスポート端位置EP3は許容範囲AR1内にある。また、
図15に示すように、時刻t0でのパスポート端速度ES0、及び、時刻t1でのパスポート端速度ES1は、許容速度AS1内にある。時刻t0及び時刻t1ではイメージセンサモジュール24が停止位置SP2で停止しているため、制御部11は、時刻t0,t1ではパスポート端位置を検出することが困難である。このため、時刻t0でのパスポート端速度ES0、及び、時刻t1でのパスポート端速度ES1は「ゼロ」として検出される。そして、時刻t2でのパスポート端速度ES2は許容速度AS1内にない一方で、時刻t3でのパスポート端速度ES3は許容速度AS1内にある。そこで、制御部11は、パスポート端位置が許容範囲AR1内にないか、または、パスポート端速度が許容速度AS1内にない時刻t0,t1,t2では、パスポートPPの挿入が完了していないと判断し、ラインセンサ13の走査モードを、検出モードで維持したまま、読取モードへ移行させない。一方で、制御部11は、パスポート端位置が許容範囲AR1内にあり、かつ、パスポート端速度が許容速度AS1内にある時刻t3で、パスポートPPの挿入が完了したと判断し、ラインセンサ13の走査モードを、検出モードから読取モードへ移行させる。このように、制御部11は、実施例1と同様に、パスポート端位置及びパスポート端速度に基づいて、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させるか否か判断する。
【0083】
<キオスク端末の処理>
図16は、実施例2のキオスク端末の処理の一例の説明に供するフローチャートである。以下では、実施例2の挿入検出処理について説明する。
【0084】
<挿入検出処理>
図16にステップST03(
図9)で行われる挿入検出処理の詳細を示す。以下では、実施例1の挿入検出処理(
図10)と異なる点について説明する。
【0085】
ステップST113において、ガイダンスG1がタッチパネル15に表示されている場合は(ステップST113:Yes)、処理はステップST115へ進み、ガイダンスG1がタッチパネル15に表示されていない場合は(ステップST113:No)、ステップST115の処理が行われることなく処理はステップST301へ進む。
【0086】
ステップST301では、制御部11は、イメージセンサモジュール24を等加速度で+Y方向へ移動させる。
【0087】
次いで、ステップST303では、制御部11は、ステップST301でのイメージセンサモジュール24の移動の最中にラインセンサ13によりパスポート端EGが検出されたか否かを判断する。パスポート端EGが検出されるまで(ステップST303:No)、ステップST301の処理が行われる。パスポート端EGが検出されると(ステップST303:Yes)、処理はステップST305へ進む。
【0088】
ステップST305では、パスポート端EGが検出された時点でイメージセンサモジュール24を一旦停止させて、ラインセンサ13のY軸方向での位置をパスポート端位置として検出するとともに、パスポート端速度を検出する。
【0089】
次いで、ステップST307では、制御部11は、ステップST305で検出したパスポート端位置及びパスポート端速度を記憶部17に記憶させる。
【0090】
次いで、ステップST121では、制御部11は、ステップST305で検出したパスポート端位置が許容範囲AR1内にあるか否かを判断する。パスポート端位置が許容範囲AR1内にある場合は(ステップST121:Yes)、処理はステップST127へ進み、パスポート端位置が許容範囲AR1内にない場合は(ステップST121:No)、処理はステップST125へ進む。
【0091】
また、ステップST131では、制御部11は、ステップST305で検出したパスポート端速度が許容速度AS1内にあるか否かを判断する。パスポート端速度が許容速度AS1内にある場合は(ステップST131:Yes)、処理はステップST133へ進み、パスポート端速度が許容速度AS1内にない場合は(ステップST131:No)、処理はステップST125へ進む。
【0092】
ステップST125では、制御部11は、ガイダンスG2をタッチパネル15に表示させる。ステップST125の処理後、処理はステップST301へ戻る。
【0093】
以上のように、実施例2では、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向(+Y方向)と、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子の配列方向(X軸方向)とが互いに直交するため、制御部11は、検出モードでは、ラインセン13をパスポート端EGに追従させてパスポート端位置を検出する。こうすることで、パスポートPPの挿入方向と、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子の配列方向とが互いに直交する場合でも、パスポート端位置を検出することが可能になる。
【0094】
一方で、実施例1では、画像読取モジュール2に対するパスポートPPの挿入方向(+Y方向)と、ラインセンサ13が有する複数の撮像素子の配列方向(Y軸方向)とは互いに平行であるため、イメージセンサモジュール24を停止位置SP1に停止させたままで、パスポート端位置の検出が可能である。よって、実施例1では、実施例2に比べて、より簡易な処理でパスポート端位置を検出することができる。
【0096】
[実施例3]
MRZには、パスポート所有者の身元を明らかにするためのパスポート情報が記載されている。よって、MRZページの全範囲を読み取らなくても、MRZページ内のMRZだけを読み取ることで、パスポート所有者の身元は明らかになる。そこで、実施例3では、読取可能範囲RRの一部に設定される許容範囲の広さが、実施例1,2よりも大きい。
【0097】
図17は、実施例3の画像読取モジュールの動作例の説明に供する図である。
図17に示すように、実施例1,2の許容範囲AR1(
図5,
図13)に比べて、実施例3の許容範囲AR2は大きい。例えば、許容範囲AR2のY軸方向の長さは、読取可能範囲RRのY軸方向の長さから、MRZのY軸方向の長さ(つまり、MRZの短辺の長さ)を差し引いた長さに設定される。これにより、パスポートPPの挿入に伴ってパスポート端EGが許容範囲AR2に達したときは、MRZの全範囲が読取可能範囲RRに含まれることになって、MRZの全範囲が読取可能になる。よって、制御部11が、パスポート端EGが許容範囲AR2に達したと判断することは、制御部11が、パスポートPPにおけるMRZの全範囲が読取可能範囲RRに入ったと判断することに相当する。そして、制御部11は、パスポート端EGが許容範囲AR2に達したと判断したときは、実施例1,2でパスポート端EGが許容範囲AR1に達したと判断したときと同様に、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させる。
【0098】
このように、実施例3では、パスポートPPのMRZの大きさに基づいて許容範囲AR2を設定する。こうすることで、パスポートPPの画像の読取を実施例1,2よりも早く開始することができるため、実施例1,2よりもパスポート情報を早く取得することができる。
【0100】
[実施例4]
図18及び
図19は、実施例4の画像読取モジュールの構造の一例を示す図である。
図18及び
図19は側面透過図である。
【0101】
図18及び
図19において、画像読取モジュール2は、フラップ26と、板バネ27とを有する。フラップ26は、軸28により支持されており、軸28を回転軸として回転可能である。板バネ27は、フラップ26の先端部分を−Z方向に原稿台ガラス23に向かって押しつける。
【0102】
図19に示すように、パスポート端EGが上部カバー21の側壁(つまり、突き当たり部211)に突き当たったときに、フラップ26の先端部分は、板バネ27の力によって、パスポートPPの見開き面のMRZを裏側から押さえ付けることになる。このため、MRZと原稿台ガラス23との密着度が高まる。よって、MRZの読取精度を高めることができる。フラップ26の先端部分がパスポートPPを押さえ付ける位置は、許容範囲AR1に対応する位置に設定されることが好ましい。
【0104】
なお、実施例1〜4では、制御部11は、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させるか否かの判断を、パスポート端位置とパスポート端速度とに基づいて行った。しかし、制御部11は、パスポート端速度を用いずに、パスポート端位置に基づいて、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させるか否かを判断しても良い。パスポート端速度を用いないことにより、読み取られた画像にぶれが生じる可能性がある一方で、ラインセンサ13の走査モードを検出モードから読取モードへ移行させるか否かの判断にかかる処理の量を削減することができるため判断時間を短縮することができる。
【0105】
以上のように、実施例1〜4では、キオスク端末1は、挿入口16と、ラインセンサ13と、制御部11とを有する。ラインセンサ13は、読取可能範囲RRを有する。制御部11は、検出モードでパスポート端位置を検出し、検出したパスポート端位置に基づいて、ラインセンサ13の走査モードを、検出モードから読取モードへ移行させるか否かを判断する。
【0106】
こうすることで、ラインセンサ13を用いて検出したパスポート端位置に基づいてパスポートPPの画像の読取を開始することができるため、安価な構成でキオスク端末1の操作性を向上させることができる。
【0107】
[実施例5]
記憶部17は、ハードウェアとして、例えば、メモリにより実現される。メモリの一例として、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等が挙げられる。
【0108】
制御部11は、ハードウェアとして、例えばプロセッサにより実現される。プロセッサの一例として、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。また、制御部11は、プロセッサと周辺回路とを含むLSI(Large Scale Integrated circuit)によって実現されても良い。さらに、制御部11は、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を用いて実現されても良い。
【0109】
キオスク端末1での上記説明における各処理の全部または一部は、各処理に対応するプログラムをキオスク端末1が有するプロセッサに実行させることによって実現しても良い。例えば、上記説明における各処理に対応するプログラムがメモリに記憶され、プログラムがプロセッサによってメモリから読み出されて実行されても良い。また、プログラムは、任意のネットワークを介してキオスク端末1に接続されたプログラムサーバに記憶され、そのプログラムサーバからキオスク端末1にダウンロードされて実行されたり、キオスク端末1が読み取り可能な記録媒体に記憶され、その記録媒体から読み出されて実行されても良い。キオスク端末1が読み取り可能な記録媒体には、例えば、メモリカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、及び、Blu−ray(登録商標)ディスク等の可搬の記憶媒体が含まれる。また、プログラムは、任意の言語や任意の記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。また、プログラムは必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールや複数のライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものも含む。
【0110】
キオスク端末1の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、キオスク端末1の全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。