特許第6887384号(P6887384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887384
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】車両用ライト・アセンブリ及び照明方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/143 20180101AFI20210603BHJP
   F21S 41/153 20180101ALI20210603BHJP
   F21S 41/65 20180101ALI20210603BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20210603BHJP
   F21S 43/236 20180101ALI20210603BHJP
   F21S 43/242 20180101ALI20210603BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20210603BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20210603BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20210603BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20210603BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20210603BHJP
   F21Y 103/33 20160101ALN20210603BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20210603BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210603BHJP
【FI】
   F21S41/143
   F21S41/153
   F21S41/65
   F21S43/14
   F21S43/236
   F21S43/242
   F21S43/249
   F21V8/00 330
   F21V8/00 310
   F21W102:00
   F21W103:00
   F21W103:55
   F21Y103:33
   F21Y105:10
   F21Y115:10
【請求項の数】29
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-545570(P2017-545570)
(86)(22)【出願日】2016年2月22日
(65)【公表番号】特表2018-506830(P2018-506830A)
(43)【公表日】2018年3月8日
(86)【国際出願番号】GB2016050435
(87)【国際公開番号】WO2016135461
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】1503233.7
(32)【優先日】2015年2月26日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】502407266
【氏名又は名称】ベントレー モーターズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンヨプ
(72)【発明者】
【氏名】ラーリー,デイヴィッド
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−056623(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102008021902(DE,A1)
【文献】 特開2005−122946(JP,A)
【文献】 特開2009−087887(JP,A)
【文献】 特開2010−129311(JP,A)
【文献】 特開2008−010227(JP,A)
【文献】 特開2007−276396(JP,A)
【文献】 特表2006−509343(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/012066(WO,A1)
【文献】 特開2012−138330(JP,A)
【文献】 特開2014−139941(JP,A)
【文献】 特開2007−294260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/143
F21S 41/153
F21S 41/65
F21S 43/14
F21S 43/236
F21S 43/242
F21S 43/249
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングを有するライト・アセンブリであって、
前記ハウジングは、後方部及び前方部を有しており、使用時には、前記ハウジングの前記前方部から光が放射されるようになっており、
前記ライト・アセンブリは、前記後方部から前記前方部に向かって延び、且つ、前記ハウジングによって少なくとも部分的に囲まれた、透明または半透明の光ガイドをさらに有しており、
前記光ガイドの後方部には、少なくとも1つの光源が配置されており、
前記光ガイドは、その後方部で照明され、且つ、その長さの少なくとも一部に沿って光を放射するように構成されており、
前記光ガイドは、内面、外面、前方端、後方端、及び、前記前方端及び前記後方端の間を延びる通路を有する管状であり、
前記光ガイドは、前記内面及び前記外面に、その長さの少なくとも一部に沿って光を放射するための複数のフォーメーションが形成されており、
前記光ガイドの前記内面には、前記光ガイドの少なくとも一部に沿って第1のタイプのフォーメーションが形成されており、
前記光ガイドの前記外面には、前記光ガイドの少なくとも一部に沿って第2のタイプのフォーメーションが形成されており、
前記光ガイドは、その長さに沿って、前記後方部の前記光源から受けた光の少なくとも50%を放射するように形成されているライト・アセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングが反射性である請求項1に記載のライト・アセンブリ。
【請求項3】
前記光ガイドの前記後方部を照明するように構成された光源を備えた請求項1または2に記載のライト・アセンブリ。
【請求項4】
管状の前記光ガイドの前記後方端にリング状に配置された複数の光源からなるアレイを有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項5】
前記複数のフォーメーションは、複数のノッチ、複数のくぼみ、複数の隆起部、複数の溝、及び/または、複数のファセットである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項6】
前記光ガイドの前記複数のフォーメーションは、前記光ガイドに形成された複数の溝、または、艶消しの複数の線である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項7】
前記複数のフォーメーションは、前記光ガイドの前記内面に十字模様を形成している請求項1乃至6のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項8】
記第1のタイプの前記複数のフォーメーション及び前記第2のタイプの前記複数のフォーメーションの一方は、複数の溝であり、
前記第1のタイプの前記複数のフォーメーション及び前記第2のタイプの前記複数のフォーメーションの他方は、複数のファセットである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項9】
前記複数のファセットは、複数のピラミッド形フォーメーションによって形成されている請求項8に記載のライト・アセンブリ。
【請求項10】
前記光ガイドの厚みは、前記後方部からその前方部に向かうにしたがって減少するように構成されている請求項1乃至9のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項11】
前記後方部から前記前方部に向かうにしたがってフレア状に広がるように構成されている請求項1乃至10のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項12】
前記ハウジングの前記後方部には、メイン・ビーム・バルブ、ディップ・ビーム・バルブまたはマトリックス・モジュールのような主光源を収容する開口部が形成されている請求項1乃至11のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項13】
主光源、及び、前記光ガイドの前記後方部を照明する光源を備え、
前記光ガイドの前記後方部を照明する光源は、補助光源である請求項12に記載のライト・アセンブリ。
【請求項14】
透明/半透明の前記光ガイドは、着色されている請求項1乃至13のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項15】
透明/半透明の前記光ガイドは、プラスチック材料から形成されている請求項1乃至14のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項16】
前記光ガイドは、2段階射出成形プロセスによって射出成形されている、または、前記複数のフォーメーションは、前記光ガイドに対して機械加工されている請求項1乃至15のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項17】
ッドライト・アセンブリまたはテールライト・アセンブリ等の外部車両用ライト・アセンブリである請求項1乃至16のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項18】
前記光ガイドは、駐車ランプである請求項1乃至17のいずれか1項に記載のライト・アセンブリ。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれか1項に記載のライト・アセンブリを備えた自動車。
【請求項20】
ライト・アセンブリの作動方法であって、
前記ライト・アセンブリは、ハウジングと、光ガイドと、少なくとも1つの光源とを備えており、
前記ハウジングは、後方部及び前方部を有しており、使用時には、前記ハウジングの前記前方部から光が放射されるようになっており、
前記光ガイドは、透明または半透明であり、前記後方部から前記前方部に向かって延び、且つ、前記ハウジングによって少なくとも部分的に囲まれており、
前記光ガイドは、その後方部で照明され、且つ、その長さの少なくとも一部に沿って光を放射するように構成されており、
前記光ガイドは、内面、外面、前方端、後方端、及び、前記前方端及び前記後方端の間を延びる通路を有する管状であり、
前記光ガイドは、表面に、その長さの少なくとも一部に沿って光を放射するためのフォーメーションが形成されており、
前記光ガイドの前記後方部には、前記少なくとも1つの光源が配置されており、
当該方法では、光が前記光ガイドの長さに沿ってゆっくり進むように見えるように、前記光源から供給される光の強度を徐々に強めることを特徴とするライト・アセンブリの作動方法。
【請求項21】
前記ライト・アセンブリは、請求項1乃至18のいずれか1項に記載のライト・アセンブリである請求項20に記載のライト・アセンブリの作動方法。
【請求項22】
前記光ガイドを照明する前記光ガイドの前記後方部に配置された前記光源は、複数の光源からなるアレイであり、
前記光の強度を強めるために、点灯させる前記複数の光源の数を増加させる請求項20または21に記載のライト・アセンブリの作動方法。
【請求項23】
3秒から10秒の間に、徐々に前記光の強度を強める請求項20乃至22のいずれか1項に記載のライト・アセンブリの作動方法。
【請求項24】
徐々に前記光の強度を弱めることをさらに含む請求項20乃至23のいずれか1項に記載のライト・アセンブリの作動方法。
【請求項25】
前記光源から供給される前記光の強度を徐々に強め、
次に別の光源を点灯させ、
次に前記光源から供給される前記光の強度を徐々に弱める請求項24に記載のライト・アセンブリの作動方法。
【請求項26】
請求項1乃至18のいずれか1項に記載の光ガイドの形成方法であって、
2段階射出成形プロセスを含み、
前記光ガイドの本体部は、第1の射出成形ステップで形成され、
前記本体部の少なくとも一方の表面上の複数のフォーメーションは、第2の射出成形ステップで形成される光ガイドの形成方法。
【請求項27】
第1のタイプの複数のフォーメーションが、一方の表面に形成され、
第2のタイプの複数のフォーメーションが、他方の表面に形成される請求項26に記載の光ガイドの形成方法。
【請求項28】
一方の表面の複数の溝は、前記第1の射出成形ステップで形成され、
対向面のファセットは、前記第2の射出成形ステップで形成される請求項27に記載の光ガイドの形成方法。
【請求項29】
請求項1乃至18のいずれか1項に記載の車両用ライト・アセンブリの形成方法であって、
一方の表面に第1のタイプの複数のフォーメーションを有するように、且つ、他方の表面に第2のタイプの複数のフォーメーションを有するように光ガイドを機械加工する車両用ライト・アセンブリの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のライト・アセンブリに関するものであり、それに限定されないが、特に、自動車用外部ライト・アセンブリ、特に、ヘッドライト・アセンブリまたはテールライト・アセンブリに関するものである。また、本発明は、このようなライト・アセンブリの作動方法及びこのようなライト・アセンブリの形成方法に関するものでもある。
【背景技術】
【0002】
自動車用ライト・アセンブリ(Automotive light assemblies)は、典型的には、ハロゲン・バルブ若しくはキセノン・バルブ(halogen or xenon bulb)等、または、LEDマトリックスが後方に配置される(sits behind)マトリックス・モジュールである交換可能な主光源用の開口部を備えている。一般的な円錐形の反射ハウジング(または"リフレクタ(reflector)")は、外部に向かって光を向けるため、主光源(main light source)の周囲に配置され、また、透明(または半透明)のフロント・レンズが反射ハウジング(reflective housing)の前方に配置されて、アセンブリがふさがれている。
【0003】
同フロント・レンズの後に追加の複数の光源を配置してもよく、メイン・ビーム−バルブ(main beam-bulb)、ディップ・ビーム−バルブ(dipped beam-bulb)、及び、インジケータ・バルブ(indicator bulb)等の異なる光源からの光をガイドするため、様々な形状の反射ハウジングを備えていてもよい。LED技術の出現により、複数のLEDのマトリックスによって様々な形状を形成することができる。例えば、昼間走行用ライト(daylight running lights)/駐車ライト(park lights)は、車両の部品の形状と合った、または、形状を強調した、より好ましい形状とすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に、高級自動車市場では、自動車用ライト/ライト・アセンブリが、新規な形態をとり、追加の機能を発揮することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、ハウジングを有するライト・アセンブリであって、ハウジングは、後方部(rear)及び前方部(front)を有しており、使用時には、ハウジングの前方部から光が放射されるようになっており、ライト・アセンブリは、後方部から前方部に向かって延び、且つ、ハウジングによって少なくとも部分的に囲まれた、透明または半透明の光ガイド(light guide)をさらに有しており、光ガイドは、後方部で照明され、且つ、その長さの少なくとも一部に沿って光を放射する(emit)ように構成されているライト・アセンブリを提供する。
【0006】
光がその長さに沿って放射される光ガイドを提供することで、所望のパターンの光のフォーメーションを可能にすることができる。特に、光ガイドの長さに沿って光を放射することで、複数のLEDの多くのパターンに欠けている、深さ(depth)と3次元性(three dimensionality)を有する外観を与えることができる。
【0007】
ハウジングは、反射性であってもよい。反射ハウジングは、高光沢仕上げ(high-gloss finish)でも、鏡面仕上げ(mirrored)でもよい。
【0008】
ライト・アセンブリは、光ガイドの後方部を照明するように構成された光源を備えていてもよい。
【0009】
光ガイドは、内面、外面、前方端、後方端、及び、前方端及び後方端の間を延びる通路を有する管状(tubular)であってもよい。
【0010】
管状形状は、特にカット・ガラス(cut glass)やクリスタルを喚起し、特に、珍しい、魅力的な光のパターンを示すことができる。
【0011】
光源は、管状の光ガイドの後方端にリング状に配置された複数の光源からなるアレイを有していてもよい。光源は、複数のLEDであってもよい。
【0012】
光ガイドには、その表面上/内に、その長さの少なくとも一部に沿って光を放射するための複数のフォーメーション(formations)が形成されていてもよい。
【0013】
光ガイドの表面上/内の複数のフォーメーションは、光ガイドの表面に形成された複数の溝、または、光ガイドの表面の艶消しの複数の線(lines frosted on a surface of the light guide)であってもよい。複数の溝は、V字型であってもよい。複数の溝または複数の線は、使用時に使用者の方に向いた面、すなわち、ハウジングと隣接して配置されている管状光ガイドの径方向内面に形成されていてもよい。
【0014】
複数のフォーメーションは、光ガイドの表面に十字模様を形成していてもよい(criss-cross the surface of the light guide)。
【0015】
光ガイドは、一方の表面(例えば、管状光ガイドの内面)に、第1のタイプの複数のフォーメーションが形成されていて、他方の表面(例えば管状光ガイドの外面)に、第2のタイプの複数のフォーメーションが形成されていてもよい。
【0016】
放射される光のパターンが、カット・ガラスを通る光のパターンを再現するように、一方の表面の第1のタイプの複数のフォーメーションは、複数の溝(grooves)であって、他方の表面の第2のタイプの複数のフォーメーションは、複数のファセット(facets)であってもよい。
【0017】
複数のファセットは、光ガイドの表面から延びる複数のピラミッド形フォーメーション(pyramidal formations)によって形成されていてもよい。
【0018】
複数のフォーメーションは、複数のノッチ(notches)、複数のくぼみ(dimples)、複数の隆起部(bumps)等であってもよい。
【0019】
光ガイドの厚みは、後方部から前方部に向かうにしたがって減少するように構成されていてもよい。
【0020】
光ガイドは、後方部から前方部に向かうにしたがってフレア状に広がるように(flare)構成されていてもよい。
【0021】
ハウジングの後方部には、メイン・ビーム・バルブ、ディップ・ビーム・バルブまたはマトリックス・モジュールのような主光源を収容する開口部が形成されていてもよい。また、ライト・アセンブリは、そのような主光源を備えていてもよい。光ガイドの後方部を照明する光源は、補助光源(auxiliary light source)であってもよい。
【0022】
透明/半透明の光ガイドは、着色されていてもよい(tinted)。典型的には、クリスタルのような外観を呈するようにするために、青または緑に着色されていてもよい。
【0023】
透明/半透明の光ガイドは、プラスチック材料から形成されていてもよい。光ガイドは、射出成形(injection moulded)によって形成されていてもよい。典型的には、2段階射出成形プロセス(two-stage injection moulding process)によって形成されていてもよい。代わりに、複数のフォーメーションは、光ガイドに対して機械加工(machined)されていてもよい。
【0024】
光ガイドは、その長さに沿って、後方部の光源から受けた光の少なくとも50%を放射するように形成されていてもよい。光ガイドは、その長さに沿って、後方部の光源から受けた光の全てを放射するように形成されていてもよい。
【0025】
光ガイドの前方部からではなく、主に長さに沿った光の放射は、後方部からの光の相当量が光ガイドを通って、前方部から放射される場合よりも、カット・ガラスまたはクリスタルの外観をより明瞭にする。
【0026】
光ガイドは、PMMA(ポリ(メタクリル酸メチル))から形成されていてもよい。
【0027】
光ガイドは、ハウジングによって完全に囲まれていてもよい。光ガイドは、ハウジングと隣接して配置されていてもよい。典型的には、光ガイドは、ハウジングの長さに沿って隣接して配置されていてもよい。
【0028】
ライト・アセンブリは、車両用ライト・アセンブリであってもよく、特に、ヘッドライト・アセンブリまたはテールライト・アセンブリ等の外部車両用ライト・アセンブリであってもよい。光ガイドは、駐車ランプであってもよい。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、上述の(好ましい態様のいずれかを含む)ライト・アセンブリを備えた自動車を提供する。典型的には、上述のヘッドライト及び/または駐車ライトを備えた自動車を提供する。
【0030】
本発明の第3の態様によれば、ライト・アセンブリの作動方法であって、ライト・アセンブリは、ハウジングと、光ガイドと、光源とを備えており、ハウジングは、後方部及び前方部を有しており、使用時には、ハウジングの前方部から光が放射されるようになっており、光ガイドは、透明または半透明であり、後方部から前方部に向かって延び、且つ、ハウジングによって少なくとも部分的に囲まれており、光ガイドは、その後方部で照明され、且つ、その長さの少なくとも一部に沿って光を放射するように構成されており、光ガイドの後方部には、光源が配置されており、当該方法では、光が光ガイドの長さに沿ってゆっくり進むように見えるように、光源から供給される光の強度を徐々に強めることを特徴とするライト・アセンブリの作動方法を提供する。
【0031】
ライト・アセンブリは、好ましい特徴のいずれかまたはすべてを含む、本発明の第1または第2の態様によるライト・アセンブリであってもよい。
【0032】
光ガイドを照明する光ガイドの後方部に配置された光源は、複数の光源からなるアレイ(例えば、複数のLED)であってもよい。そして、光の強度を強めるため、点灯させる複数の光源の数を増加させてもよい。代わりに、例えば、パルスの持続時間を変化させることによって、1つのまたは各光源からの光の強度を徐々に強めるようにしてもよい。
【0033】
3秒から10秒の間に、徐々に光の強度を強めるようにしてもよい。徐々に(例えば、3秒から10秒の間に)光の強度を弱めることをさらに含んでもよい。
【0034】
本方法は、光源から供給される光の強度を徐々に強め、次に別の光源(例えば、昼間走行用ライト)を点灯させ、次に光源から供給される光の強度を徐々に弱めることを含んでもよい。
【0035】
本方法は、ウェルカム・シーケンス(welcome sequence)であってもよく、光ガイドは、駐車ライトとして機能してもよい。
【0036】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様の光ガイドの形成方法であって、2段階射出成形プロセスを含み、光ガイドの本体部は、第1の射出成形ステップで形成され、本体部の少なくとも一方の表面上の複数のフォーメーションは、第2の射出成形ステップで形成される光ガイドの形成方法を提供する。
【0037】
第1のタイプの複数のフォーメーションが、一方の表面に形成され、第2のタイプの複数のフォーメーションが、他方の表面に形成されてもよい。典型的には、一方の表面の複数の溝は、第1の射出成形ステップで形成され、対向面のファセットは、第2の射出成形ステップで形成されてもよい。
【0038】
本発明の第1の態様のライト・アセンブリは、好ましい特徴のいずれかまたはすべてを含んでもよい。
【0039】
この2段階射出成形によって、光ガイドの本体の沈下(sinking)または変形(deformation)を防止することができる。なぜなら、その工程において、大きなフォーメーションが形成されていないからである。このことにより、厚い、ガラス状の形状が維持され、第2のフォーメーション形成ステップで複数の鋭い縁部(sharp edges)が形成される。
【0040】
代わりに、本発明の第5の態様では、車両用ライト・アセンブリの形成方法であって、一方の表面に第1のタイプの複数のフォーメーションを有するように、且つ、他方の表面に第2のタイプの複数のフォーメーションを有するように光ガイドを機械加工する車両用ライト・アセンブリの形成方法を提供する。
【0041】
ライト・アセンブリは、本発明の第1の態様または第2の態様によるライト・アセンブリの好ましい特徴のいずれかまたはすべてを含んでもよい。
【0042】
本発明をはっきりと理解するために、本発明の実施の態様を、例として、添付の図を参照して示す:
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明によるライト・アセンブリを通る部分断面等角図である。
図2図1のライト・アセンブリの部分断面等角図であるが、光ガイドの表面を示していないので、裏面の形状が見える図である。
図3】概略的に図示された光源と共に示した、図1のライト・アセンブリの簡略断面図である。
図4a-b】図1乃至図3の光ガイドを製造するためのツールを概略的に示す図である。
図5】ライト・アセンブリの他の部品がない場合の、本発明の第2の実施形態の光ガイドの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1乃至図3を参照すると、自動車1には、ライト・アセンブリ2が備えられている。ライト・アセンブリ2は、ボディ・パネル3内の開口部内に設けられている。本実施の形態では、ライト・アセンブリ2は、車両の前方に配置されたヘッドライト・アセンブリである。
【0045】
ライト・アセンブリ2は、透明なフロント・レンズ4を備えている。フロント・レンズ4は、ポリカーボネート等、どのような素材からなっていてもよい。フロント・レンズ4は、自動車1のボディに取り付けられている。この特定の実施の形態では、装飾的(例:クロム(chrome))リング5がレンズ4の前方を取り囲んでいる。
【0046】
レンズ4の後方には、周辺に、昼間走行用ランプ6が配置されている。昼間走行用ランプ6は、管状の導光リング8の後ろにアレイ状に配置された光源7を含んでいる。導光リング(light guiding ring)8は、注意を引くため、光源7が配置された後方から前方へ光をガイドするように構成されている。この導光リング8は、その長さに沿った損失なしに、リングを通る光の通過を確実にするように設計されている。そして、このような損失を避けるために、その内周面および外周面に反射コーティングを施すことができる。
【0047】
昼間走行用ランプ6の径方向内側には、略円錐台形状の管状反射ハウジング(generally frustoconical tubular reflective housing)9が配置されている。反射ハウジングは、光を反射するように、黒色の高光沢プラスチック(例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)プラスチックまたはPC(ポリカーボネート)でできている。反射ハウジングは、鏡のように反射する(mirrored)必要はないが、異なる色の反射要素(reflective elements)を含むことができる。ライト・アセンブリにしばしば採用される複雑な形状のために、略円錐台形であるが、反射ハウジング9の頂部は外側に向かってフレア状に広がっており、底部は頂部と比較すると真っ直ぐであり、底部は頂部よりも長い。略円錐台形状の管状反射ハウジング9の前方は、部分円筒形領域で終わっている。開口部は、管状の反射ハウジング9の後部に設けられている。
【0048】
反射ハウジング9内には、ハウジングに隣接し、且つ、ハウジングによって囲まれた、管状光ガイド10が配置されている。管状光ガイド10は、PMMAで形成されており、管状光ガイド10の形状も略円錐台形状である。管状光ガイド10は、反射ハウジング9の形状にしたがって、後方の開口部から前方のレンズ4に向かって延びている。
【0049】
長さに沿って損失を最小限にして光を後方から前方に導くことを目的とする昼間走行用ランプ6の光ガイド・リングとは対照的に、管状光ガイド10は意図的にその長さに沿って光を放射するように形成されている。
【0050】
この目的のために、管状光ガイド10の後方部には、対応する光源12から光を受ける環状後部面(annular rear surface)11を備えている。光源12は、環状後部面11に光を向けるように配置されたアレイの複数のLEDから形成されている。他方、管状光ガイド10の前面は、縁部13に向かって先細る(tapers)ようになっている。
【0051】
環状後部面11上には、光源12から受けた光を拡散する複数のファセットが設けられている。
【0052】
管状光ガイド10の長さに沿って、管状光ガイド10の径方向内面14及び径方向外面15には、光を反射し、管状光ガイド10の長さに沿って光を放射する複数のフォーメーションが形成されている。特に、径方向内面14には、光ガイドを後方近くから前方に向かって斜めに横切って延びる一連の十字交差溝(criss-crossing grooves)16が設けられている。
【0053】
一方、図2に最もよく示されている径方向外側の表面には、複数のファセット17が設けられている。複数のファセット17は、適切に複数の溝16の裏(behind)に並び、カット・ガラス/クリスタルのような外観を与える複数のピラミッド形フォーメーションを形成する鋭い角を有している。
【0054】
管状光ガイド10は、図4a及び図4bを参照して概略的に示される2ショット射出成形プロセスによって、青色着色ポリカーボネートから形成されている。図4bに示されているように、第1の金型18は、光ガイド本体の形状のチャンバ19内に溶融プラスチック(molten plastic)を収容する。金型は光ガイドに複数の溝16を形成する複数の突起20を有するが、チャンバの反対側(外側)の面はピラミッド部分の形状を含まない。その代わり、第1の射出成形ステップで形成される本体は、比較的均一な形状を有している。これによって、フォーメーションの反対側の面を冷却する際に生じる可能性のある沈下または変形を防止することができる。
【0055】
第1のステップで本体が形成されると、図4bに示す第2の金型21が光ガイド本体を受ける。第2の金型21の内面は、光ガイド本体の内面と正確に一致するが、金型の反対面は、ピラミッド形フォーメーションに対応する凹部22を有する余分な空間を含む。このようにして、溶融プラスチックを追加の空間に注入し、凹部が充填され、ピラミッド形フォーメーションを形成する。これらの部品の深さは様々であるが、溶融プラスチックがすでに成形された本体に付着するため、沈み込みがなく、ファセット上に鋭い角を形成することができ、最終モールド(final mould)が形成される際に接合線(join line)は現れない。このことによって、特に後ろから照明された場合、カット・ガラス/クリスタルのように見えるようになる。
【0056】
管状光ガイド10の径方向内側には、ヘッドライト用のメイン・ヘッドライト・ガイド23が設けられており、その後方部には、複数のLEDのマトリックス24が配置されている。複数のLEDのマトリックス23は、マトリクス内の異なる複数のLEDを点灯させて、ヘッドライト・ガイド23の前方から出る光の量および方向を変えることができるように配置されている。しかしながら、リング6と同様、ヘッドライト・ガイド23は、ガイド23の後方から入る光が前方を通って出て、長さに沿って失われないように意図的に形成されている。これは、全内部反射(total internal reflection)を達成するために、メイン・ヘッドライト・ガイド23の光学特性を調整することによって達成することができる。
【0057】
使用時には、本発明のライト・アセンブリは、ライトのスイッチをオンにする等の手動操作による、または、受光センサ等からの自動のセンサ応答(automatic, sensory response)による車両3内の車載コンピュータ(図示せず)からの信号に対する応答として、複数のLEDのマトリックス24を点灯させることによって、ヘッドライトとして作動する。同様に、昼間走行用ランプ6は、車載コンピュータから受信した信号に対する応答として点灯する。信号は、手動によってもよく、または、使用者からドアロック解除信号(door-unlock signal)を受信する、若しくは、イグニション(ignition)内で鍵を回すことの自動応答によってもよい。照明されるマトリックス24内のLEDの数、すなわち、ヘッドライト・ガイド23を出る光の強度は、入力に応じて変化させることができる。したがって、このヘッドライトは、メイン−ビーム機能及びディップ・ビーム機能の両方を有することができる。
【0058】
光ガイド10を照明するために照射される光源12内のLEDの数も、変化させることができ、ゆえに、強度も変化させることができる。本発明の方法では、これは、光ガイド10の長さに沿った光の動的な動きの光学的効果(optical effect)を得るために行われる。したがって、遠隔制御(remote control)からのロック解除信号または警報信号を受信したことに基づく車載コンピュータからの信号に応じて、ウェルカム・シーケンスを実行することができる。ウェルカム・シーケンスは、最初は光源内の比較的少数のLEDを照射させ光強度を低くする。これは、光源12から放射される光の大部分が、光源12が配置されている後方近くの光ガイド10の内面内の溝を通って出ることを意味している。徐々に、例えば、3秒〜10秒の間に、照明するLEDの数及び光強度を増加させると、運転者を歓迎して、光がゆっくり動的に前方に向かって、また、外に向かって動くように見える。全てのLEDが照明した状態になると、昼間走行用ランプ6を照明し、管状光ガイド10の後方に向かって内側にフェード・バックする(fading back)効果を生じさせるため、光源12からの光の強度を0にまで減少してもよい。
【0059】
カット・ガラス/クリスタルの外観と組み合わされることで、この効果は著しく三次元的であり、引っ込められる前に握手のために手を伸ばす、または、運転者を歓迎するあいさつ(bow)を呼び起こす。
【0060】
代替モードでは、自動車がオフになるまで、複数のLEDは点灯したままであってもよく、自動車がスイッチ・オフになった時点で、昼間走行用ランプ6をスイッチ・オフにしてもよい。続いて、運転者または乗客が自動車を離れるのに十分な時間(例えば、10秒から3分)において、光源12によって照明される光を徐々に(例えば、3〜10秒にわたって)減少させ、自動車から降りる(withdrawal)効果を生じさせるようにしてもよい。
【0061】
光源12から出力され、管状光ガイド10を通る光は、駐車ライトとしても作用する。したがって、自動車がスイッチ・オフになっているが、駐車ライトが選択された状態の場合には、光を徐々に減少させるのではなく、光源12によって光が放射され続け、ヘッドランプ内でクリスタル効果が示される。
【0062】
図5に示した本発明のライト・アセンブリ用の光ガイド110の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と似ており、同様の反射ハウジング(図示せず)内に収納される。管状光ガイド110も、略円錐台形状であり、反射ハウジングの形状に従って、後方の開口部から前方のレンズ4に向かって延びている。しかしながら、光ガイド110の後部101のより実質的な部分は、管状でほぼ一定の直径を有しており、一方で、光ガイド110の全長の約半分だけがフレア部(flared portion)102を構成している。また、管状光ガイド110の前方部は、鋭い縁部113に向かって先細るようになっている。
【0063】
管状光ガイド110は、その長さに沿って光を放射するように意図的に形成されている。したがって、管状光ガイド110の後方部には、対応する光源(図示せず)からの光を受ける環状後部面111も設けられている。環状後部面111上には、光源から受け取った光を拡散させるための複数のファセット103が設けられている。
【0064】
管状光ガイド110の長さに沿って、管状光ガイド110の径方向内面114及び径方向外面115には、光を反射し、管状光ガイド110の長さに沿って光を放射する複数のフォーメーションが形成されている。特に、径方向内面114には、V字型の断面を有し、フレア部102が管状部101と交差する領域から、前方の鋭い斜面となった縁部(sharp bevelled edge)113まで、光ガイドを横切って斜めに延びる一連の十字交差溝116が設けられている。
【0065】
径方向外面には、また、鋭い角を有する複数のファセット117が設けられている。複数のファセット117は、適切に複数の溝16の裏に並び、カット・ガラス/クリスタルのような外観を与える複数のピラミッド形フォーメーションを形成する鋭い角を有している。
【0066】
上記実施の態様は、例示としてのみ説明されている。添付の請求の範囲に定めたように、本発明の範囲を逸脱することなく、多くの変形例が可能である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5