(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887386
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】同期およびギアシフトを制御するための方法
(51)【国際特許分類】
F16H 61/04 20060101AFI20210603BHJP
F16H 59/46 20060101ALI20210603BHJP
F16H 59/16 20060101ALI20210603BHJP
F16H 59/40 20060101ALI20210603BHJP
F16H 59/42 20060101ALI20210603BHJP
F16H 63/50 20060101ALI20210603BHJP
F16H 59/48 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
F16H61/04
F16H59/46
F16H59/16
F16H59/40
F16H59/42
F16H63/50
F16H59/48
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-552821(P2017-552821)
(86)(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公表番号】特表2018-513323(P2018-513323A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】FR2016050726
(87)【国際公開番号】WO2016162615
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2019年3月7日
(31)【優先権主張番号】1553150
(32)【優先日】2015年4月10日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マルーム, アブデルマーレク
【審査官】
日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0051799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 59/00−61/12,61/16−61/24,
61/66−61/70,63/40−63/50
F16D 25/00−39/00,48/00−48/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の駆動源により駆動されるプライマリシャフトであって、平行シャフトを有し、同期機構を有していないギアボックスのセカンダリシャフトに回転可能に接続されるプライマリシャフト上での回転するピニオン(6)の同期を、前記駆動源に、前記プライマリシャフトへの前記ピニオンの結合の前に、プライマリ速度(ω
1)と、
セカンダリ速度(ω2)に前記プライマリシャフト及び前記セカンダリシャフトの間の減速比(K)を乗算
することにより得られる速度(Kω2)と、の間の速度差(σ)を最小化するように計算されるトル
ク(T
1calc)に依存するトルクコマンド(T
1ref)を送ることにより制御する方法であって、前記計算されるトルク(T
1calc)は、前記セカンダリシャフトの加速度
により補正され、前記速度差(σ)を最小化するように前記駆動源により供給されるエネルギーを斟酌した中間信号(T
1*)を構築し、
前記速度差(σ)は、較正パラメータ(ε
t)と前記加速度
の積と比較され、前記計算されるトル
ク(T
1calc)は、前記積
が、絶対値において、前記速度差(σ)より大きいならば調整されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記加速度
は、前記速度(Kω
2)の測定値と、前記速度
(Kω2)の積
分化モデル(Kω
m)の演算値との間の差(e=Kω
2−Kω
m)を基に計算されることを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記速度差(σ)が、絶対値において、同期段階の終わりでの目標とされる前記プライマリ速度(ω1)に関する所望される精度(ε)より大きいならば、前記計算されるトルク(T1calc)の大きさは、前記駆動源の最大(T1max)および最小(T1min)トルクの、較正係数(α)に対する比に等しい値へと制限されることを特徴とする、請求項1または2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記速度差(σ)が、絶対値において、同期段階の終わりでの目標とされる前記プライマリ速度(ω1)に関する所望される精度(ε)以下ならば、前記計算されるトルク(T1calc)は、平滑化されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項5】
前記速度差(σ)が、絶対値において、所望される精度(ε)より低いならば、前記駆動源により付与されるトルク(T1appli)の値は、非ゼロの較正されるゲイン(Ki)を伴う前記速度差(σ)を積分することにより得られた積分値を用いて中間トルク(T1*)を補正することにより確立されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項6】
前記駆動源の前記トルクコマンド(T1ref)は、前記付与されるトルク(T1appli)を、前記駆動源の最大トルク(T1max)および最小トルク(T1min)の値の間で制限することにより得られることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項7】
ギアシフティングの方法であって、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を第1の段階として含み、前記ピニオンを前記ピニオンのシャフトに結合することを第2の段階としてさらに含む、ギアシフティングの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱牽引エンジンおよび/または電気牽引機械などの、少なくとも1つのエネルギー源を有する車両のギアボックスでのギアシフトの制御に関係する。
【0002】
本発明は、プライマリシャフトであって、車両の牽引機械により駆動される、ならびに、平行シャフトを有し、同期機構を有していないギアボックスのセカンダリシャフトに回転可能に接続されるプライマリシャフト上での、回転するピニオンの同期を制御することを、牽引機械に、プライマリシャフトへのピニオンの結合の前に、プライマリ速度と、これらの2つのシャフトの間の減速比を乗算されるセカンダリ速度と、の間の差を最小化するように計算されるトルク信号に依存するトルクコマンドを送ることにより行うための方法を提案する。
【0003】
本発明はさらには、シャフトおよびピニオンの速度を同期させることの第1の段階と、結合の第2の段階とを含む、ギアシフトのための方法を提案する。
【0004】
この発明は、比の変更が、特に電気およびハイブリッドパワーユニットで、同期リングを伴わない結合手段を動かすことにより為される、任意の平行シャフトトランスミッションに適用可能である。
【背景技術】
【0005】
スライディングギアをピニオンにロックすることによる結合のシステムが、機械的な同期手段を有さない場合、回転する要素は、ギアボックスのプライマリ速度を制御することにより同期させられ得る。この形式の制御は、トルク動揺を回避するために、牽引機械によるプライマリ速度の精密な制御を要する。
【0006】
公報DE 10 2006 019 239は、ピニオンの、そのピニオンのシャフトとの同期を制御するための方法を開示している。円滑な結合をもたらすために、電気牽引機械のトルクは、速度の間の差が所定のしきい値より下に低減されるまで、一定の高い値に保たれ、そのことの後で、それは、シャフトとピニオンとの間の速度差に比例するようになる。
【0007】
しかしながら、この方法の精度は、牽引機械の慣性、および、トルク制御設定点に対するその牽引機械の応答時間により、とりわけ、この牽引機械が熱エンジンであるときは、影響を及ぼされる。結果的に、結合は、ドライバに対して完全に意識されないというわけではない。実際、速度差は、ホイールでのドライバのトルク要求を満たし続けるために、30回毎分の範囲に、非常に迅速に達しなければならないことになる。主な困難は、ブレーキが、急峻な斜面で付与されるときに生起し、その際、この方法は、結合の間のトルク動揺を回避し得ないものであり、かくして、数ある問題の中でも、必然的に含まれる機械部品上の望ましくない摩耗を引き起こす。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、最も短い時間での2つのギアボックスシャフトの同期をもたらし、一方で、結合段階の間に生起し得るトルク動揺の主な源を除去することを意図される。
【0009】
この目的で、本発明は、計算されるトルクが、セカンダリシャフトの加速度により補正され、速度差を最小化するように牽引機械により供給されるエネルギーを斟酌した中間トルク信号を構築するよう提案する。
【0010】
この配置構成は、トランスミッションに導入されるエネルギーを制御することを、そのエネルギーが過剰でないように、同期に対して要されるエネルギーとの比較により行うことを可能にする。
【0011】
提案される方法は、比を緩やかに変更することを、すべての環境で、とりわけ、ブレーキが、急峻な下り坂の斜面で付与されるときに行うことを可能にする。その方法は、結合段階の間に生起し得るトルク動揺の主な源を除去する。この方策では、結合システムの機械部品の過剰な摩耗が回避される。
【0012】
本発明の他の特性および利点は、添付される図面への参照を伴う、本発明の非制限的な実施形態の以下の説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Aから1Cは、ギアシフトスライディングギア2、および、そのスライディングギア2のスリーブ3、そのスライディングギア2の動作しているフォーク4、および、ギアピニオン6を概略的に示す。線図の下側部分は、さらには、スライディングギアおよびピニオンの、歯2aおよび6aを示す。スライディングギア2およびピニオン6は、車両のエネルギー源(牽引機械)に接続されるプライマリギアボックスシャフト(示されない)上で同軸である。ピニオン6は、車両のホイールに接続されるセカンダリギアボックスシャフトに回転可能に接続される。
【0015】
図1Aは、ちょうど中心での、システムの初期状態を示す。スライディングギア2は、プライマリシャフトの速度である、速度ω
1で回転する。ピニオン6は、ギアボックスのセカンダリシャフトにより決定される、ω
1とは異なる、速度ω
2で回転する。
図1Bでは、スライディングギア2は、そのスライディングギア2の歯2aが、ピニオン6の歯に逢着するまで動いている。それらのスライディングギア2およびピニオン6の回転速度が等しくされるとき、すなわち、同期段階の終わりでは、スライディングギアの歯は、ギアと係合するように、ピニオンの歯の間に入り込み、これが、ピニオンおよびスライディングギアを結合することの段階である。
【0016】
図2で例示される方法の以下の説明では、以下の表記が使用される。
ω
1:エネルギー源に接続される、プライマリシャフトおよびスライディングギア2の速度
T
1:エネルギー源のトルク
T
d1:エネルギー源の抵抗トルク(未知の外部入力)
J
1:スライディングギア2のシャフトに関係付けられる慣性
ω
2:到達されることになる目標として働くピニオン6の速度
T
d2:ピニオン6の抵抗トルク(未知の外部入力)
J
2:ピニオン6に関係付けられる慣性
K:セカンダリシャフトとプライマリシャフトとの間の減速比
【0017】
ギアボックスの2つのシャフトは、初期状態では、全体的に非結合であるということを想定し、力学の基本原理を適用すると、以下の動的モデルが得られる:
− セカンダリシャフト(ピニオン6)に対して、
、セカンダリの抵抗トルク、ならびに、
− プライマリシャフト(スライディングギア2)に対して、
、エンジントルク、および、プライマリの抵抗トルクの総和。
【0018】
図2によれば、プライマリシャフトおよびセカンダリシャフトの同期(ギア減速比Kに対する斟酌を伴う)は、車両の牽引機械により駆動されるプライマリシャフト上で回転する、ピニオン6を同期させるための、基準コマンド信号T
1refを生成することにより制御される。このプライマリシャフトは、同期機構を有さない平行シャフトギアボックスのセカンダリシャフトに回転可能に接続される。基準トルクT
1refは、プライマリ速度ω
1と、これらの2つのシャフトの間の減速比Kを乗算されるセカンダリ速度ω
2との間の差σを最小化するように計算されるトルク信号T
1calcに依存する。以下の方策で構築されるトルクコマンドT
1refは、それゆえに、牽引機械に、ピニオンがプライマリシャフトに結合される前に送られる。測定される基準信号ω
2mes(セカンダリ速度)は、減速比Kを乗算されることが、積K.ω
2mesを基準信号ω
1mes(プライマリ速度)と比較するために行われる。差σ=K.ω
2mes−ω
1mesの符号および大きさは、熱または電気牽引機械などのエネルギー源の入力に付与可能な、計算されるトルク値T
1calcを計算することを可能にする。トルクT
1calcは、プライマリ速度ω
1と、これらの2つのシャフトの間の減速比Kを乗算されるセカンダリ速度ω
2との間の差σを最小化するように計算される。
【0019】
速度差σは、プライマリ速度目標に関して成し遂げることが望ましい精度を表す、較正されるパラメータεと比較される。精度εは、目標と、同期段階の終わりに得られるプライマリ速度値との間の、許容される速度差である。σ>εまたはσ<−ε(絶対値において、同期段階の終わりでの、目標とされるプライマリ速度ω
1に関する、所望される精度εより大きい差σ)であるならば、計算されるトルクT
1calcは、大きさにおいて、1以上の較正される係数αにより、牽引機械の最大T
1maxおよび最小T
1minトルクの、制限の較正される係数α>1に対する比に等しい値へと制限される。値T
1min/αまたはT
1max/αは、同期に対して使用され得る牽引トルクを決定する。反対の事例では、差σが、絶対値において、精度εより大きくない際に、計算されるトルクT
1calcは、有利には、以下のタイプの算式を、その計算されるトルクT
1calcに適用することにより平滑化される。
【0020】
このステップの後、計算されるトルクT
1calcは、セカンダリシャフトの加速度
(測定される速度ω
2の微分である)により補正され、速度差σを最小化するように牽引機械により供給されるエネルギーを斟酌した中間トルク信号T
1*を構築するために行われ得る。
【0021】
図2で指示されるように、加速度
は、速度(Kω
2)の測定値と、その速度の積分されるモデルKω
mの測定値との間の差e=Kω
2−Kω
mを基に計算される。この計算のために、較正可能ゲイン(calibratable gain)L
pにより重み付けされる速度差e、および、第2の較正可能ゲインL
iにより重み付けされる、差eの積分が、一体に加算される。
【0022】
加速度
を与えられると、速度での差σが、絶対値において、
および、較正されることになるパラメータε
tの積と比較されることが、計算されるトルク目標T
1calcを、必要であるならば調整するために行われ得る。かくして、計算される値T
1calcから、中間信号T
1*への移行が行われ、そのことは、速度差σ、および、較正されるパラメータε
tと加速度
の積を比較することにより、ならびに、計算されるトルク信号T
1calcを加速度
により調整することを、積
が、絶対値において、速度差(σ)より大きいならば行うことにより行うものである。この調整は、設定点に達するようにシステムに供されるエネルギーを斟酌するものであり、
であるならば、T
1*=βT
1calcであり、さもなければ、T
1*=T
1calcである(ただし、0≦β≦1)。
【0023】
本発明の別の提供によれば、この差が、絶対値において、所望される精度εより小さいならば、較正されるゲインK
iを乗算される速度差σを積分するように動作が活動化されることが行われる。ゲインK
iは、非ゼロ値K
i#を有する。反対の事例では、K
iはゼロであり、積分される補正項もまたゼロである。
図2で示されるように、中間トルク信号T
1*は、この積分項により補正されることが、付与されるトルク信号T
1appliを与えるために行われる。
【0024】
牽引機械に対するトルクコマンド信号T
1refは次いで、付与されるトルクT
1appliを、最終的な「リミッタ」で、牽引機械の最大トルクT
1maxおよび最小トルクT
1minの値の間で制限することにより得られる。この制限は、付与されるトルクに関して、必要であるならば、積分される項による中間信号T
1*の補正の後、実行される。付与されるトルクT
1appliは、かくして、その付与されるトルクT
1appliが、牽引機械の最小トルクT
1minと最大トルクT
1maxとの間にあるかどうかを決定するために監視される。この、付与されるトルクT
1appliが、最小トルクT
1minと最大トルクT
1maxとの間にあるということが実情でないならば、その付与されるトルクT
1appliは、これらの値の1つに飽和させられる。
【0025】
この計算を基に、提案される制御方法は、かくして、2つの主な段階AおよびB、ならびに、様々なステップに細分化され得る。
【0026】
第1の段階(A)は、シャフト(ピニオン)の速度ω
1を、シャフト(ピニオン)の速度ω
2と同期させることを、ギア減速比に対する斟酌を伴って行い、かくして、基準信号T
1refを生成することに本質がある。この基準信号を生成するために要される様々なステップは、以下のものである。
a)
図2のブロックAでの、計算されるトルク信号T
1calcを構築するステップであって、測定される基準信号ω
2mes(シャフト(ピニオン)2の速度)に減速比Kを乗算することであって、その乗算したものが、基準信号ω
1mes(シャフト(ピニオン)1の速度)と比較され得るように行う、乗算することにより行う、構築するステップ;誤差s=Kω
2−ω
1の符号および大きさによって、エネルギー源(例えば、電気機械)の入力に付与するためのトルクを計算する。
b)ブロックBでの、加速度信号
を構築するステップ;この測定値の有用性は、その測定値のロバスト性にあり、なぜならば、信号の微分は、その信号のダイナミックレンジの何らのナレッジにもよらずに、および、測定値ノイズを補整するフィルタによって生成されるからである。
c)ブロックCでの、中間トルク信号T
1*を構築することを、システムが、速度差σを低減するための必要なエネルギーを有するかどうかを決定することにより行うステップ:この、システムが、速度差σを低減するための必要なエネルギーを有するということが実情であるならば、エネルギーは、何らかの過剰を防止するために、低減される(または、打ち切られる)。
d)付与されるトルク信号T
1appliを生成するステップであって、積分される項を、ブロックDから結果として生じる中間トルク信号T
1*に加算することを、速度誤差が−εとεとの間にあるならば行うことにより行う、生成するステップ。
e)付与されるトルク信号T
1appliを、この信号が値T
1minとT
1maxとの間にあるか否かをチェックするために監視するステップ;この、この信号が値T
1minとT
1maxとの間にあるということが実情でないならば、信号T
1appliが飽和させられ、一方で、積分器が、同じ時間にロックされることが、モータ端子に付与されることになる基準信号T
1refを生成するために行われる。
【0027】
回転する要素が同期させられるとき、提案されるギアシフト方法の第2の段階(または、結合段階)が遂行され得るものであり、その段階の中で、スライディングギアは、そのスライディングギアの「オープン」位置から、そのスライディングギアの「クローズされる」位置に動かされる。
【0028】
結論として、本発明は、速度差が、非常に迅速に、約30回毎分の値に達するように低減されることを可能なものにする。方法は、2つのシャフトを結合することの、次の段階を、ユーザにとって満足がゆくものにする、すなわち、トルク調節にもかかわらず、最も少ない起こり得るトルク動揺を伴うものにする。とりわけ、その方法は、上記で述べられたブレーキングの不都合な事例に対応する軌跡などのランプタイプ軌跡を監視することを可能にする。最後に、目標速度に向けての収束は、決して、システムの固有パラメータ(アクチュエータおよび/もしくは牽引機械の、慣性および応答時間、または、何らかの遅延など)に依存せず、そのことが、この方法をロバストにする。その方法は、同期に対して使用される、任意のタイプのエネルギー源に対して有効であり、そのことは、そのエネルギー源が、電気機械であるか、それとも熱エンジンであるか、そのエネルギー源が、減速度モードで作動しているか否か、および、そのエネルギー源が、トルクをホイールに伝達しているか否かとは無関係である。