(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887392
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】ロボット外科手術アセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20210603BHJP
【FI】
A61B34/30
【請求項の数】23
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-565917(P2017-565917)
(86)(22)【出願日】2016年6月22日
(65)【公表番号】特表2018-519057(P2018-519057A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】US2016038656
(87)【国際公開番号】WO2016209891
(87)【国際公開日】20161229
【審査請求日】2019年5月9日
(31)【優先権主張番号】62/183,486
(32)【優先日】2015年6月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アレン, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シオー, チ ミン
(72)【発明者】
【氏名】ゼムロク, マイケル
【審査官】
宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102013209122(DE,A1)
【文献】
特開2013−034859(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0045598(US,A1)
【文献】
特表2002−537884(JP,A)
【文献】
特開平09−287695(JP,A)
【文献】
特開平10−275006(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0049205(US,A1)
【文献】
国際公開第1999/001261(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30 − 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット外科手術システムであって、前記ロボット外科手術システムは、
外科手術ロボットアームと、
前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成された電気機械器具であって、前記電気機械器具は、シャフトを含み、前記シャフトは、近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有し、前記電気機械器具は、縦軸を画定する、電気機械器具と、
機器駆動装置であって、前記機器駆動装置は、前記エンドエフェクタを作動させるように構成された少なくとも1つのモータを含む、機器駆動装置と、
前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された支持構造体と
を備え、
前記機器駆動装置は、
(a)近位端と遠位端とを有する筒状部材であって、前記機器駆動装置の前記筒状部材の前記遠位端は、カム機能または環状の傾斜機能を有する、筒状部材と、
(b)縦軸を画定する連結シャフトであって、前記連結シャフトは、少なくとも前記機器駆動装置が、前記外科手術ロボットアームまたは前記電気機械器具のうちの少なくとも1つに対して、前記連結シャフトの前記縦軸を中心として回転可能であるように、前記機器駆動装置と前記外科手術ロボットアームとの間に連結されるように構成されている、連結シャフトと
を含み、
前記支持構造体は、通路を画定し、
前記支持構造体は、
(a)前記支持構造体の前記通路の内部に前記機器駆動装置の前記連結シャフトを保持するように、前記連結シャフトと選択的に係合可能なボタンと、
(b)前記通路の内部に配置された付勢部材と、
(c)近位端と遠位端とを有する筒状部材であって、前記支持構造体の前記筒状部材の前記近位端は、カム機能または環状の傾斜機能を有する、筒状部材と
を含み、
前記電気機械器具が前記支持構造体と組み立てられているときに、前記支持構造体の前記筒状部材は、前記電気機械器具の前記縦軸に平行に延在し、
前記付勢部材は、前記連結シャフトの前記遠位端に近位に配向された力を付与することによって前記機器駆動装置を近位位置に向かって付勢するように、前記支持構造体の前記筒状部材の前記通路の内部に配置されており、
前記機器駆動装置の前記筒状部材の前記遠位端の前記カム機能または前記環状の傾斜機能、および、前記支持構造体の前記筒状部材の前記近位端の前記カム機能または前記環状の傾斜機能のそれぞれは、互いに作動係合している、ロボット外科手術システム。
【請求項2】
前記機器駆動装置は、前記機器駆動装置の胴体部が前記電気機械器具の筐体部と整列している第1の状態と、前記機器駆動装置の前記胴体部が前記電気機械器具の前記筐体部と整列していない第2の状態との間で、前記電気機械器具に対して回転可能である、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項3】
前記第1の状態において、前記機器駆動装置の前記胴体部は、前記電気機械器具が近位方向に移動することを防止し、前記第2の状態において、前記電気機械器具は、前記近位方向に移動可能である、請求項2に記載のロボット外科手術システム。
【請求項4】
前記支持構造体は、前記電気機械器具を受容するように構成された前記支持構造体を通した経路と、前記連結シャフトを取り外し可能に受容するように構成された前記支持構造体を通した前記通路とを画定する、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項5】
前記機器駆動装置は、前記機器駆動装置に移動可能に取り付けられたラッチをさらに含み、前記ラッチは、前記電気機械器具に着脱可能に連結されるように構成されている、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項6】
前記電気機械器具は、前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含む、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項7】
前記連結シャフトは、電気配線を受容するように構成された前記連結シャフトを通した縦方向通路を画定する、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項8】
前記電気機械器具は、筐体部をさらに含み、前記筐体部は、近位端と、前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された遠位端とを有し、前記電気機械器具の前記シャフトは、前記筐体部によって支持され、前記機器駆動装置は、前記連結シャフトの前記縦軸からオフセットした中央縦軸を画定する胴体部をさらに含み、前記胴体部は、前記少なくとも1つのモータを有し、前記少なくとも1つのモータは、前記胴体部の内部に配置されており、かつ、前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に動作可能に連結されるように構成されている、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項9】
前記外科手術ロボットアームまたは前記機器駆動装置または前記電気機械器具または前記連結シャフトのうちの少なくとも2つの間に延在するデイジーチェーンのセンサをさらに備える、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項10】
外科手術アセンブリであって、前記外科手術アセンブリは、
外科手術ロボットアームに連結されるように構成された支持構造体であって、前記支持構造体を通る経路および通路を画定する支持構造体と、
前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成された電気機械器具と、
機器駆動装置と
を備え、
前記電気機械器具は、
近位端と、前記支持構造体の前記経路の内部に受容されるように構成された遠位端とを有する筐体部と、
前記筐体部によって支持された近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有するシャフトと
を含み、
前記機器駆動装置は、
中央縦軸を画定する胴体部であって、前記胴体部は、前記胴体部の内部に配置された少なくとも1つのモータを有し、前記胴体部は、前記電気機械器具の前記エンドエフェクタの動作を駆動するように、前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に動作可能に連結されるように構成されている、胴体部を含み、
前記機器駆動装置は、
(a)近位端と遠位端とを有する筒状部材であって、前記機器駆動装置の前記筒状部材の前記遠位端は、カム機能または環状の傾斜機能を有する、筒状部材と、
(b)前記胴体部から遠位に延在し、かつ、前記胴体部の前記中央縦軸からオフセットした縦軸を画定する連結シャフトであって、前記機器駆動装置の前記連結シャフトは、前記支持構造体の前記通路の内部に回転可能に受容されるように構成されており、その結果、少なくとも前記機器駆動装置の前記胴体部は、前記電気機械器具に対して、前記連結シャフトの前記縦軸の周りに回転可能である、連結シャフトと
を含み、
前記支持構造体は、
(a)前記支持構造体の前記通路の内部に前記機器駆動装置の前記連結シャフトを保持するように、前記連結シャフトと選択的に係合可能なボタンと、
(b)前記通路の内部に配置された付勢部材と、
(c)近位端と遠位端とを有する筒状部材であって、前記支持構造体の前記筒状部材の前記近位端は、カム機能または環状の傾斜機能を有する、筒状部材と
を含み、
前記電気機械器具が前記支持構造体と組み立てられているときに、前記支持構造体の前記筒状部材は、前記電気機械器具の縦軸に平行に延在し、
前記付勢部材は、前記連結シャフトの前記遠位端に近位に配向された力を付与することによって前記機器駆動装置を近位位置に向かって付勢するように、前記支持構造体の前記筒状部材の前記通路の内部に配置されており、
前記機器駆動装置の前記筒状部材の前記遠位端の前記カム機能または前記環状の傾斜機能、および、前記支持構造体の前記筒状部材の前記近位端の前記カム機能または前記環状の傾斜機能のそれぞれは、互いに作動係合している、外科手術アセンブリ。
【請求項11】
前記機器駆動装置は、前記機器駆動装置の前記胴体部が前記電気機械器具の前記筐体部と整列している第1の状態と、前記機器駆動装置の前記胴体部が前記電気機械器具の前記筐体部と整列していない第2の状態との間で、前記電気機械器具に対して回転可能である、請求項10に記載の外科手術アセンブリ。
【請求項12】
前記第1の状態において、前記機器駆動装置の前記胴体部は、前記電気機械器具が近位方向に移動することを防止し、前記第2の状態において、前記電気機械器具は、前記近位方向に移動可能である、請求項11に記載の外科手術アセンブリ。
【請求項13】
前記機器駆動装置は、前記機器駆動装置の前記胴体部に移動可能に取り付けられたラッチをさらに含み、前記ラッチは、前記電気機械器具の前記筐体部に着脱可能に連結されるように構成されている、請求項10に記載の外科手術アセンブリ。
【請求項14】
前記電気機械器具は、前記電気機械器具の前記筐体部に移動可能に取り付けられたラッチをさらに含み、前記ラッチは、前記支持構造体に着脱可能に連結されるように構成されている、請求項10に記載の外科手術アセンブリ。
【請求項15】
前記支持構造体または前記機器駆動装置または前記電気機械器具のうちの少なくとも2つの間に延在するデイジーチェーンのセンサをさらに備える、請求項10に記載の外科手術アセンブリ。
【請求項16】
外科手術ロボットシステムを組み立てる方法であって、前記方法は、
外科手術ロボットアームを設けることと、
前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成された電気機械器具を設けることであって、前記電気機械器具は、
近位端と、前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された遠位端とを有する筐体部と、
前記筐体部によって支持された近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有するシャフトと
を含む、ことと、
機器駆動装置を設けることであって、前記機器駆動装置は、
中央縦軸を画定する胴体部であって、前記胴体部は、前記胴体部の内部に配置された少なくとも1つのモータを有し、前記胴体部は、前記電気機械器具の前記エンドエフェクタの動作を駆動するように、前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に動作可能に連結されるように構成されている、胴体部と、
前記胴体部から遠位に延在し、かつ、前記胴体部の前記中央縦軸からオフセットした縦軸を画定する連結シャフトであって、前記機器駆動装置の前記連結シャフトは、前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成されている、連結シャフトと、
近位端と遠位端とを有する筒状部材であって、前記機器駆動装置の前記筒状部材の前記遠位端は、カム機能または環状の傾斜機能を有する、筒状部材と
を含む、ことと、
前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された支持構造体を設けることであって、前記支持構造体は、通路を画定し、
前記支持構造体は、
(a)前記支持構造体の前記通路の内部に前記機器駆動装置の前記連結シャフトを保持するように、前記連結シャフトと選択的に係合可能なボタンと、
(b)前記通路の内部に配置された付勢部材と、
(c)近位端と遠位端とを有する筒状部材であって、前記支持構造体の前記筒状部材の前記近位端は、カム機能または環状の傾斜機能を有する、筒状部材と
を含む、ことと、
前記機器駆動装置の前記胴体部を、前記外科手術ロボットアームおよび前記電気機械器具に対して、前記連結シャフトの前記縦軸を中心として回転させることと
を含み、
前記電気機械器具が前記支持構造体と組み立てられているときに、前記支持構造体の前記筒状部材は、前記電気機械器具の縦軸に平行に延在し、
前記付勢部材は、前記連結シャフトの前記遠位端に近位に配向された力を付与することによって前記機器駆動装置を近位位置に向かって付勢するように、前記支持構造体の前記筒状部材の前記通路の内部に配置されており、
前記機器駆動装置の前記筒状部材の前記遠位端の前記カム機能または前記環状の傾斜機能、および、前記支持構造体の前記筒状部材の前記近位端の前記カム機能または前記環状の傾斜機能のそれぞれは、互いに作動係合している、方法。
【請求項17】
前記電気機械器具の前記筐体部の前記遠位端を前記外科手術ロボットアームに動作可能に連結することと、
前記機器駆動装置の前記胴体部を前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に当接して位置付けることと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記機器駆動装置の前記胴体部を前記電気機械器具の前記筐体部と整列させずに位置付けることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記機器駆動装置の前記胴体部が、前記電気機械器具の前記筐体部と整列せずに位置付けられた後、前記電気機械器具を前記外科手術ロボットアームおよび前記機器駆動装置に対して近位方向に移動させることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記電気機械器具は、前記筐体部に移動可能に取り付けられたラッチをさらに含み、前記ラッチは、前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成されており、
前記方法は、前記電気機械器具を前記近位方向に移動させる前に、前記外科手術ロボットアームから前記ラッチを取り外すことをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記支持構造体は、前記外科手術ロボットアームの継手の上部を包囲するように構成された環状部材を備え、
弓状くぼみまたは側方通路は、前記電気機械器具の前記筐体部内に画定されており、前記支持構造体の前記筒状部材は、前記くぼみまたは側方通路内に摺動可能に受容するように構成されており、
前記機器駆動装置の前記筒状部材は、前記電気機械器具の前記弓状くぼみ内に受容されるように構成されており、
前記連結シャフトは、前記機器駆動装置の前記筒状部材を通って延在または突出する、請求項1に記載のロボット外科手術システム。
【請求項22】
前記支持構造体は、前記外科手術ロボットアームの継手の上部を包囲するように構成された環状部材を備え、
弓状くぼみまたは側方通路は、前記電気機械器具の前記筐体部内に画定されており、前記支持構造体の前記筒状部材は、前記くぼみまたは側方通路内に摺動可能に受容するように構成されており、
前記機器駆動装置の前記筒状部材は、前記電気機械器具の前記弓状くぼみ内に受容されるように構成されており、
前記連結シャフトは、前記機器駆動装置の前記筒状部材を通って延在または突出する、請求項10に記載の外科手術アセンブリ。
【請求項23】
前記支持構造体は、前記外科手術ロボットアームの継手の上部を包囲するように構成された環状部材を備え、
弓状くぼみまたは側方通路は、前記電気機械器具の前記筐体部内に画定されており、前記支持構造体の前記筒状部材は、前記くぼみまたは側方通路内に摺動可能に受容するように構成されており、
前記機器駆動装置の前記筒状部材は、前記電気機械器具の前記弓状くぼみ内に受容されるように構成されており、
前記連結シャフトは、前記機器駆動装置の前記筒状部材を通って延在または突出する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2015年6月23日に出願された、米国仮特許出願第62/183,486号の利益及びこれに対する優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
ロボット外科手術システムは、最小侵襲性医療手技において使用されている。いくつかのロボット外科手術システムは、外科手術ロボットアームと、ロボットアームに装着された少なくとも1つのエンドエフェクタ(例えば、鉗子または把持ツール)を有する外科手術器具とを支持するコンソールを含む。ロボットアームは、その動作及び移動に対する機械力を外科手術器具に提供する。
【0003】
ロボット外科手術システムは、これらの器具が外科手術手順中に容易に交換されることを可能にすることによって、多くの異なるタイプの外科手術器具を支持してきた。典型的には、この器具の交換は、外科手術器具を、外科手術中に外科手術器具を作動させるモータを包含する機器駆動装置から取り外すことによって行われてきた。このことは、多くの場合、取り外しステップ中に、ヒトが一方の手で外科手術器具を持ち、他方の手で機器駆動装置を持つことを意味する。場合によっては、機器駆動装置は、ヒトの手から落下したことに起因して、またはヒトが機器駆動装置を別の対象物上にセットし、その後地面に落下したことに起因して、偶発的に地面に落ちる。
【0004】
外科手術器具を機器駆動装置と交換すると同時に、器具の交換プロセス中の機器駆動装置の取り扱いの誤りを防止することに対する要望がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロボット外科手術システムは、外科手術ロボットアームと、電気機械器具と、機器駆動装置と、連結シャフトとを含む。電気機械器具は、外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成される。電気機械器具は、近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有するシャフトを含む。機器駆動装置は、エンドエフェクタを作動させるように構成されたモータを含む。連結シャフトは、縦軸を画定し、機器駆動装置と外科手術ロボットアームとの間に連結されるように構成され、その結果、機器駆動装置が、外科手術ロボットアームまたは電気機械器具に対して、連結シャフトの縦軸を中心として回転可能であるようにされる。
【0006】
いくつかの実施形態では、機器駆動装置は、第1の状態と第2の状態との間で、電気機械器具に対して回転可能であり得る。第1の状態では、機器駆動装置の胴体部は、電気機械器具の筐体部と整列している。第1の状態では、機器駆動装置の胴体部は、電気機械器具が近位方向に移動することを防止し得る。第2の状態では、機器駆動装置の胴体部は、電気機械器具の筐体部と整列していない。第2の状態では、電気機械器具は、近位方向に移動可能であり得る。
【0007】
本システムは、外科手術ロボットアームに連結されるように構成された支持構造体をさらに備え得ることが考えられる。支持構造体は、それを通して経路及び通路を画定し得る。経路は、電気機械器具を受容するように構成され、通路は、連結シャフトを取り外し可能に受容するように構成される。支持構造体は、支持構造体の通路内部に連結シャフトを保持するように、連結シャフトと選択的に係合可能なボタンを含み得る。
【0008】
機器駆動装置は、電気機械器具の筐体部に着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含み得ることが想定される。
【0009】
いくつかの態様では、電気機械器具は、外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、連結シャフトは、それを通して電気配線を受容するように構成された縦方向通路を画定し得る。
【0011】
電気機械器具は、近位端と、外科手術ロボットアームに連結されるように構成された遠位端とを有する筐体部をさらに含み得ることが考えられる。電気機械器具のシャフトは、筐体部によって支持され得る。機器駆動装置は、連結シャフトの縦軸からオフセットした中央縦軸を画定する胴体部をさらに含み得る。胴体部は、その内部に配置され、電気機械器具の筐体部の近位端に動作可能に連結されるように構成され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、ロボット外科手術システムは、外科手術ロボットアーム、機器駆動装置、電気機械器具、または連結シャフトのうちの少なくとも2つの間に延在するデイジーチェーンのセンサをさらに備え得る。
【0013】
本開示の別の態様では、外科手術アセンブリは、支持構造体と、電気機械器具と、機器駆動装置とを含む。支持構造体は、外科手術ロボットアームに連結されるように構成される。支持構造体は、それを通した経路及び通路を画定する。電気機械器具は、筐体部及びシャフトを含む。筐体部は、近位端と、支持構造体の経路内部に受容されるように構成された遠位端とを有する。シャフトは、筐体部によって支持された近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有する。機器駆動装置は、胴体部及び連結シャフトを含む。胴体部は、中央縦軸を画定し、内部に配置された少なくとも1つのモータを有する。胴体部は、電気機械器具のエンドエフェクタの動作を駆動するように、電気機械器具の筐体部の近位端に動作可能に連結されるように構成される。機器駆動装置の連結シャフトは、胴体部から遠位に延在し、胴体部の中央縦軸からオフセットした縦軸を画定する。機器駆動装置の連結シャフトは、機器駆動装置の連結シャフトが、支持構造体の通路内部に回転可能に受容されるように構成され、その結果、少なくとも機器駆動装置の胴体部が、電気機械器具に対して、連結シャフトの縦軸を中心として回転可能であるようにされる。
【0014】
電気機械器具は、電気機械器具の筐体部に移動可能に取り付けられたラッチをさらに含み得ることが考えられる。ラッチは、支持構造体に着脱可能に連結されるように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、外科手術アセンブリは、支持構造体、機器駆動装置、または電気機械器具のうちの少なくとも2つの間に延在するデイジーチェーンのセンサをさらに備え得る。本開示のさらに別の態様では、外科手術ロボットシステムを動作させる方法は、外科手術ロボットアームと、電気機械器具と、機器駆動装置とを設けることを含む。電気機械器具は、筐体部及びシャフトを含む。筐体部は、近位端と、外科手術ロボットアームに連結されるように構成された遠位端とを有する。シャフトは、筐体部によって支持された近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有する。機器駆動装置は、胴体部及び連結シャフトを含む。胴体部は、中央縦軸を画定し、内部に配置された少なくとも1つのモータを有する。胴体部は、電気機械器具のエンドエフェクタの動作を駆動するように、電気機械器具の筐体部の近位端に動作可能に連結されるように構成される。機器駆動装置の連結シャフトは、胴体部から遠位に延在し、胴体部の中央縦軸からオフセットした縦軸を画定する。機器駆動装置の連結シャフトは、外科手術ロボットアームに連結されるように構成される。本方法は、機器駆動装置の胴体部を、外科手術ロボットアーム及び電気機械器具に対して、連結シャフトの縦軸を中心として回転させることをさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、電気機械器具の筐体部の遠位端を、外科手術ロボットアームに動作可能に連結することと、機器駆動装置の胴体部を、電気機械器具の筐体部の近位端に当接して位置付けることとをさらに含み得る。
【0017】
機器駆動装置の胴体部を、電気機械器具の筐体部と整列せずに位置付けることをさらに含みうることが考えられる。機器駆動装置の胴体部が、電気機械器具の筐体部と整列せずに位置付けられた後、電気機械器具は、外科手術ロボットアーム及び機器駆動装置に対して近位方向に移動させられ得る。
【0018】
電気機械器具は、筐体部に移動可能に取り付けられ、外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含み得る。本方法は、電気機械器具を近位方向に移動させる前に、外科手術ロボットアームからラッチを取り外すことをさらに含み得る。
【0019】
本開示のさらに別の態様では、ロボット外科手術システムの代替の実施形態が提供される。ロボット外科手術システムは、外科手術ロボットアームと、電気機械器具と、機器駆動装置とを含む。電気機械器具は、外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成され、近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有するシャフトを含む。機器駆動装置は、エンドエフェクタを作動させるように構成されたモータを含む。機器駆動装置は、外科手術ロボットアームにヒンジ式に連結され、その結果、機器駆動装置は、第1の状態と第2の状態との間で外科手術ロボットアームに対して枢転可能である。第1の状態では、機器駆動装置は、電気機械器具と整列している。第2の状態では、機器駆動装置は、電気機械器具と整列していない。
【0020】
いくつかの実施形態では、機器駆動装置は、胴体部及び連結シャフトをさらに含み得る。連結シャフトは、胴体部に連結される近位端と、外科手術ロボットアームにヒンジ式に連結される遠位端とを有し得る。
【0021】
第1の状態では、機器駆動装置の胴体部は、電気機械器具が近位方向に移動することを防止し、第2の状態では、電気機械器具は、近位方向に移動可能であることが考えられる。
【0022】
本開示の別の態様では、外科手術ロボットアームに連結されるように構成された滅菌インターフェースが提供される。滅菌インターフェースは、支持構造体と、支持構造体に連結される滅菌ドレープとを含む。支持構造体は、外科手術ロボットアームに連結されるように構成され、それを通して外科手術器具を受容するように構成された経路を画定する。滅菌ドレープは、その内部に支持構造体の少なくとも一部を収容する。
【0023】
いくつかの実施形態では、支持構造体は、本体と、近位取り付け部材と、遠位取り付け部材とを含み得る。本体は、近位端及び遠位端を有し、近位端と遠位端との間で経路を画定し得る。近位取り付け部材は、本体の近位端に連結される縁と、縁から延在するシャフトとを有し得る。シャフトは、本体の経路内部に配置され得る。遠位取り付け部材は、本体の遠位端に連結され得る。
【0024】
滅菌ドレープは、近位取り付け部材と本体の近位端との間で捕捉された近位部と、遠位取り付け部材と本体の遠位端との間で捕捉された遠位部とを有し得ることが考えられる。
【0025】
滅菌ドレープは、誘電材料から形成され得ることが想定される。
【0026】
本開示の例となる実施形態のさらなる詳細及び態様が、添付の図を参照して下により詳細に記載されている。
【0027】
本明細書で使用される場合、平行及び垂直という用語は、実際の平行及び実際の垂直から最大約+または−10度まで略平行及び略垂直である相対的な構成を含むと理解される。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術ロボットアームと、
前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成され、近位端と、エンドエフェクタを有する遠位端とを有するシャフトを含む、電気機械器具と、
前記エンドエフェクタを作動させるように構成された少なくとも1つのモータを含む、機器駆動装置と、
連結シャフトであって、縦軸を画定し、少なくとも前記機器駆動装置が、前記外科手術ロボットアームまたは前記電気機械器具のうちの少なくとも1つに対して、前記連結シャフトの前記縦軸を中心として回転可能であるように、前記機器駆動装置と前記外科手術ロボットアームとの間に連結されるように構成された、連結シャフトと、
を備える、ロボット外科手術システム。
(項目2)
前記機器駆動装置が、前記機器駆動装置の胴体部が前記電気機械器具の筐体部と整列している第1の状態と、前記機器駆動装置の前記胴体部が前記電気機械器具の前記筐体部と整列していない第2の状態との間で、前記電気機械器具に対して回転可能である、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目3)
前記第1の状態において、前記機器駆動装置の前記胴体部が、前記電気機械器具が近位方向に移動することを防止し、前記第2の状態において、前記電気機械器具が、前記近位方向に移動可能である、項目2に記載のロボット外科手術システム。
(項目4)
前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された支持構造体をさらに備え、前記支持構造体が、
前記電気機械器具を受容するように構成されたそれを通した経路と、
前記連結シャフトを取り外し可能に受容するように構成されたそれを通した通路と、を画定する、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目5)
前記支持構造体が、前記支持構造体の前記通路内部に、前記機器駆動装置の前記連結シャフトを保持するように、前記連結シャフトと選択的に係合可能なボタンを含む、項目4に記載のロボット外科手術システム。
(項目6)
前記機器駆動装置が、前記機器駆動装置に移動可能に取り付けられ、前記電気機械器具に着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含む、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目7)
前記電気機械器具が、前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含む、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目8)
前記連結シャフトが、電気配線を受容するように構成されたそれを通した縦方向通路を画定する、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目9)
前記電気機械器具が、近位端と、前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された遠位端とを有する筐体部をさらに含み、前記電気機械器具の前記シャフトが、前記筐体部によって支持され、前記機器駆動装置が、前記連結シャフトの前記縦軸からオフセットした中央縦軸を画定する胴体部をさらに含み、前記胴体部が、その内部に配置され、前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に動作可能に連結されるように構成された、前記少なくとも1つのモータを有する、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目10)
前記外科手術ロボットアーム、前記機器駆動装置、前記電気機械器具、または前記連結シャフトのうちの少なくとも2つの間に延在するデイジーチェーンのセンサをさらに備える、項目1に記載のロボット外科手術システム。
(項目11)
外科手術ロボットアームに連結されるように構成され、それを通した経路及び通路を画定する、支持構造体と、
電気機械器具であって、
近位端、及び前記支持構造体の前記経路内部に受容されるように構成された遠位端を有する筐体部、ならびに
前記筐体部によって支持された近位端、及びエンドエフェクタを有する遠位端を有するシャフトを含む、電気機械器具と、
機器駆動装置であって、
中央縦軸を画定し、内部に配置された少なくとも1つのモータを有する胴体部であって、前記電気機械器具の前記エンドエフェクタの動作を駆動するように、前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に動作可能に連結されるように構成された、胴体部、ならびに
前記胴体部から遠位に延在し、前記胴体部の前記中央縦軸からオフセットした縦軸を画定する連結シャフトであって、前記機器駆動装置の前記連結シャフトが、前記支持構造体の前記通路内部に回転可能に受容されるように構成され、その結果、少なくとも前記機器駆動装置の前記胴体部が、前記電気機械器具に対して、前記連結シャフトの前記縦軸周りに回転可能である、連結シャフトを含む、機器駆動装置と、を備える、外科手術アセンブリ。
(項目12)
前記機器駆動装置が、前記機器駆動装置の前記胴体部が前記電気機械器具の前記筐体部と整列している第1の状態と、前記機器駆動装置の前記胴体部が前記電気機械器具の前記筐体部と整列していない第2の状態との間で、前記電気機械器具に対して回転可能である、項目11に記載の外科手術アセンブリ。
(項目13)
前記第1の状態において、前記機器駆動装置の前記胴体部が、前記電気機械器具が近位方向に移動することを防止し、前記第2の状態において、前記電気機械器具が、前記近位方向に移動可能である、項目12に記載の外科手術アセンブリ。
(項目14)
前記支持構造体が、前記支持構造体の前記通路内部に、前記機器駆動装置の前記連結シャフトを保持するように、前記機器駆動装置の前記連結シャフトと選択的に係合可能なボタンを含む、項目11に記載の外科手術アセンブリ。
(項目15)
前記機器駆動装置が、前記機器駆動装置の前記胴体部に移動可能に取り付けられ、前記電気機械器具の前記筐体部に着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含む、項目11に記載の外科手術アセンブリ。
(項目16)
前記電気機械器具が、前記電気機械器具の前記筐体部に移動可能に取り付けられ、前記支持構造体に着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含む、項目11に記載の外科手術アセンブリ。
(項目17)
前記支持構造体、前記機器駆動装置、または前記電気機械器具のうちの少なくとも2つの間に延在するデイジーチェーンのセンサをさらに備える、項目11に記載の外科手術アセンブリ。
(項目18)
外科手術ロボットシステムを動作させる方法であって、
外科手術ロボットアームを設けることと、
電気機械器具であって、
近位端、及び前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された遠位端を有する筐体部、ならびに
前記筐体部によって支持された近位端、及びエンドエフェクタを有する遠位端を有するシャフトを含む、電気機械器具を設けることと、
機器駆動装置であって、
中央縦軸を画定し、内部に配置された少なくとも1つのモータを有する胴体部であって、前記電気機械器具の前記エンドエフェクタの動作を駆動するように、前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に動作可能に連結されるように構成された、胴体部、及び
前記胴体部から遠位に延在し、前記胴体部の前記中央縦軸からオフセットした縦軸を画定する連結シャフトであって、前記機器駆動装置の前記連結シャフトが、前記外科手術ロボットアームに連結されるように構成された、連結シャフトを含む、機器駆動装置を設けることと、
前記機器駆動装置の前記胴体部を、前記外科手術ロボットアーム及び前記電気機械器具に対して、前記連結シャフトの前記縦軸を中心として回転させることと、を含む、方法。
(項目19)
前記電気機械器具の前記筐体部の前記遠位端を、前記外科手術ロボットアームに動作可能に連結することと、
前記機器駆動装置の前記胴体部を、前記電気機械器具の前記筐体部の前記近位端に当接して位置付けることと、
をさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記機器駆動装置の前記胴体部を、前記電気機械器具の前記筐体部と整列させずに位置付けることをさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記機器駆動装置の前記胴体部が、前記電気機械器具の前記筐体部と整列せずに位置付けられた後、前記電気機械器具を前記外科手術ロボットアーム及び前記機器駆動装置に対して近位方向に移動させることをさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記電気機械器具が、前記筐体部に移動可能に取り付けられ、前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成されたラッチをさらに含み、
前記方法が、前記電気機械器具を前記近位方向に移動させる前に、前記外科手術ロボットアームから前記ラッチを取り外すことをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
外科手術ロボットアームと、
前記外科手術ロボットアームに着脱可能に連結されるように構成され、近位端、及びエンドエフェクタを有する遠位端を有するシャフトを含む、電気機械器具と、
前記エンドエフェクタを作動させるように構成された少なくとも1つのモータを含む、機器駆動装置であって、前記機器駆動装置が、前記外科手術ロボットアームにヒンジ式に連結され、その結果、前記機器駆動装置が、前記機器駆動装置が前記電気機械器具と整列している第1の状態と、前記機器駆動装置が前記電気機械器具と整列していない第2の状態との間で、前記外科手術ロボットアームに対して枢転可能である、機器駆動装置と、を備える、ロボット外科手術システム。
(項目24)
前記機器駆動装置が、
胴体部と、
前記胴体部に連結された近位端、及び前記外科手術ロボットアームにヒンジ式に連結された遠位端を有する連結シャフトと、をさらに含む、項目23に記載のロボット外科手術システム。
(項目25)
前記第1の状態において、前記機器駆動装置の前記胴体部が、前記電気機械器具が近位方向に移動することを防止し、前記第2の状態において、前記電気機械器具が、前記近位方向に移動可能である、項目24に記載のロボット外科手術システム。
(項目26)
外科手術ロボットアームに連結されるように構成された滅菌インターフェースであって、
外科手術ロボットアームに連結されるように構成され、外科手術器具を受容するように構成されたそれを通した経路を画定する、支持構造体と、
内部に前記支持構造体の少なくとも一部を収容するように前記支持構造体に連結された、滅菌ドレープと、を備える、滅菌インターフェース。
(項目27)
前記支持構造体が、
近位端及び遠位端を有し、前記近位端と前記遠位端との間で前記経路を画定する、本体と、
前記本体の前記近位端に連結される縁、及び前記縁から延在するシャフトを有する近位取り付け部材であって、前記シャフトが、前記本体の前記経路内部に配置される、近位取り付け部材と、
前記本体の前記遠位端に連結される、遠位取り付け部材と、を含む、項目26に記載の滅菌インターフェース。
(項目28)
前記滅菌ドレープが、前記近位取り付け部材と前記本体の前記近位端との間に捕捉された近位部と、前記遠位取り付け部材と前記本体の前記遠位端との間に捕捉された遠位部とを有する、項目27に記載の滅菌インターフェース。
(項目29)
前記滅菌ドレープが、誘電材料から形成される、項目26に記載の滅菌インターフェース。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の実施形態が、添付の図を参照して本明細書に記載されている。
【0029】
【
図1】本開示による外科手術アセンブリを含むロボット外科手術システムの概略図である。
【
図2】外科手術ロボットアームから取り外された電気機械器具及び機器駆動装置を図示する、
図1のロボット外科手術アセンブリの外科手術ロボットアームの斜視図である。
【
図3A】外科手術ロボットアームに連結される外科手術アセンブリの支持構造体及び電気機械器具と、外科手術ロボットアームから分離された外科手術アセンブリの機器駆動装置とを備える、
図1の外科手術アセンブリの斜視図である。
【
図3B】組み立て状態での、外科手術ロボットアームに連結された、
図1の外科手術アセンブリの斜視図である。
【
図4A】機器駆動装置及び電気機械器具が、互いに整列し位置合わせされ、外科手術ロボットアームに連結された、組み立て状態での外科手術アセンブリの正面図である。
【
図4B】電気機械器具が外科手術ロボットアームから取り外され、機器駆動装置が、電気機械器具と整列せず位置合わせされないように回転されると同時に、外科手術ロボットアームに取り付けられたままにされている、非組み立て状態での外科手術アセンブリの正面図である。
【
図5A】機器駆動装置及び電気機械器具が、互いに整列し位置合わせされ、外科手術ロボットアームに連結された、組み立てられた状態での外科手術アセンブリの別の実施形態の正面図である。
【
図5B】電気機械器具が外科手術ロボットアームから取り外され、機器駆動装置が、電気機械器具と整列せず位置合わせされない位置に枢転されるかまたは関節動作すると同時に、外科手術ロボットアームに取り付けられたままにされている、非組み立て状態での
図5Aの外科手術アセンブリの正面図である。
【
図6A】滅菌ドレープの取り付けのための外科手術ロボットアーム取り付け部材のインターフェースの、一部が分離された斜視図である。
【
図6B】
図6Aのインターフェース及び取り付け部材の、一部が分離された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の外科手術ロボットシステム及びその外科手術アセンブリの実施形態は、支持構造体と、電気機械器具と、機器駆動装置と、その方法とを含み、図を参照して詳細に記載されており、いくつかの図の各々において、同様の符号は同一または対応する要素を指定している。本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、ユーザからより遠い、ロボット外科手術システム、外科手術アセンブリ、またはその部品のその一部分を指し、「近位」という用語は、ユーザからより近い、ロボット外科手術システム、外科手術アセンブリ、またはその部品のその一部分を指す。
【0031】
下に詳細に記載されたように、外科手術ロボットアームに取り付けられるように構成された外科手術アセンブリが提供される。外科手術アセンブリは、外科手術ロボットアームに連結されるように構成された電気機械器具と、電気機械器具の動作を駆動するための機器駆動装置とを含む。機器駆動装置は、電気機械器具と整列しないように回転されるように構成され、その結果、電気機械器具は、外科手術ロボットアームから機器駆動装置を取り外す必要なく、外科手術ロボットアームから取り除かれることができる。
【0032】
図1及び2を最初に参照すると、例えば、ロボット外科手術システム1等の外科手術システムは、一般に、これに取り外し可能に取り付けられた電気外科手術器具10及び機器駆動装置100を有する複数の外科手術ロボットアーム2、3と、制御装置4と、制御装置4に連結された操作コンソール5とを含む。
【0033】
操作コンソール5は、当業者に原則として知られているような、3次元画像を特に表示するように設定された表示装置6と、例えば外科医等のヒト(図示せず)が第1の動作モードでロボットアーム2、3を遠隔操作することができる手動入力装置7、8とを含む。ロボットアーム2、3の各々は、継手を通して接続された複数の部材から構成され得る。ロボットアーム2、3は、制御装置4に接続された電動駆動装置(図示せず)によって駆動され得る。制御装置4(例えば、コンピュータ)は、ロボットアーム2、3、取り付けられた機器駆動装置100、及び電気外科手術器具10(電気機械エンドエフェクタ12を含む)が手動入力装置7、8の手段によって画定された移動に従って所望の移動を実行するように、特にコンピュータプログラムの手段によって駆動装置を作動させるように設定されている。制御装置4はまた、それがロボットアーム2、3及び/または駆動装置の移動を制御するように設定され得る。
【0034】
ロボット外科手術システム1は、例えば電気外科手術器具10等の外科手術器具の手段によって最小侵襲性方法で治療するために、手術台「ST」に横たわる患者「P」に対して使用されるように構成される。ロボット外科手術システム1はまた、2つを超えるロボットアーム2、3と、制御装置4に接続され、操作コンソール5の手段によって遠隔操作可能である同様の追加のロボットアームとを含み得る。例えば電気外科手術器具10(電気機械エンドエフェクタ12を含む)等の外科手術器具がまた、追加のロボットアームに取り付けられ得る。
【0035】
制御装置4は、複数のモータ、例えばモータ(モータ1・・・n)を制御し得、各々のモータは、ロボットアーム2、3の移動を複数の方向に駆動させるように構成される。さらに、制御装置4は、電気機械器具10のエンドエフェクタ12の様々な動作を駆動する、機器駆動装置100内部に配置された複数のモータMを制御し得る。実施形態において、機器駆動装置100の各モータMは、電気機械器具10の電気機械エンドエフェクタ12の動作及び/または移動を達成するために、駆動ロッドまたはレバーアーム(図示せず)を作動させるように構成されることができる。
【0036】
ロボット外科手術システムの構成及び操作についての詳細な議論については、その全体的な内容が参照により本明細書に組み込まれる、「Medical Workstation」という発明の名称で、2011年11月3日に出願された、米国特許出願公開第2012/0116416号を参照し得る。
【0037】
図2、3A及び3Bを参照すると、ロボット外科手術システム1は、外科手術アセンブリ30を含み、これは、一般に、外科手術ロボットアーム2に連結されるように構成された支持構造体50と、支持構造体50に連結されるように構成された電気機械器具10と、電気機械器具10に連結されるように構成された機器駆動装置100とを含む。機器駆動装置100を電気機械器具10とともに組み立てる際(
図3B)、機器駆動装置100は、例えば、ナイフ刃(図示せず)の移動及び/またはエンドエフェクタ12の顎部材14a、14bの閉鎖及び開口等の、電気機械器具10のエンドエフェクタ12の部品の移動を最終的に駆動させるために、電気機械器具10の作動機構(図示せず)にそのモータ「M」から電力及び作動力を伝達するように機能する。
【0038】
外科手術アセンブリ30の支持構造体50は、下により詳細に記載されるように、電気機械器具10を外科手術ロボットアーム2に連結するための、外科手術ロボットアーム2の継手「J」に接続するように構成される。いくつかの実施形態では、支持構造体50は、外科手術ロボットアーム2と一体成形され得る。支持構造体50は、外科手術ロボットアーム2の継手「J」の上部を包囲する環状部材52と、環状部材52の外縁から垂直に延在し、それとともに組み立てられたときに、電気機械器具10の縦軸「X」に並行に延在する筒状部材またはステム54とを有する。支持構造体50の環状部材52は、それを通して電気機械器具10の通過のために構成された経路56を画定する。支持構造体50の筒状部材54は、電気機械器具10の筐体部16内に形成された弓状くぼみまたは側方通路64内に摺動可能に受容するように構成される。筒状部材54は、下により詳細に記載されているように、それを通して縦方向に延在し、機器駆動装置10の連結シャフト120を回転可能に受容するように構成された通路または穴58をさらに画定する。
【0039】
支持構造体50は、支持構造体50の環状部材52に移動可能に取り付けられたボタン60をさらに含む。ボタン60は、ボタン60の内部(図示せず)が、支持構造体50の通路58の内部に、またはそれを横切って部分的に配置される、第1の、すなわち非押圧状態と、ボタン60の内部が、支持構造体50の通路58の内部に、またはそれを横切って部分的に延在しない、第2の、すなわち押圧状態との間で、支持構造体50の環状部材52に対して選択的に移動可能である。ボタン60は、機器駆動装置100の連結シャフト120を支持構造体50に選択的に係合させてロックさせるように構成され、その結果、下により詳細に記載されているように、機器駆動装置100が、支持構造体50に連結されたときに、連結シャフト120の縦軸「Y」に沿って移動することを防止するようにされる。
【0040】
引き続き
図3A及び3Bを参照すると、外科手術アセンブリ30の電気機械器具10は、一般には、筐体部16と、筐体部16から遠位に延在するシャフト18とを含む。筐体部16は、筒状の構成を有し、近位端20a及び遠位端20bを含む。縦軸「X」は、近位端及び遠位端20a、20bの間に画定される。筐体部16の近位端20aは、機器駆動装置100の各モータ「M」から延在する、対応して成形された出力駆動連結具114を非回転可能に受容するように構成された複数の入力駆動連結具22を有する。筐体部16は、それぞれの入力駆動連結具22から遠位に延在する被駆動部材(図示せず)を含む。このように、機器駆動装置100の出力駆動連結具114の回転は、それぞれのモータMの作動を介して、それぞれの入力駆動連結具22を回転させ、電気機械器具10のそれぞれの被駆動部材(図示せず)の回転を達成する。
【0041】
電気機械器具10の筐体部16の遠位端20bは、支持構造体50の経路56に受容され、支持構造体50の内面(図示せず)に連結されるかまたは固定されるように構成される。いくつかの実施形態では、筐体部16の遠位端20bは、支持構造体50を連結具として用いる代わりに、外科手術ロボットアーム2の継手「J」に直接連結され得る。電気機械器具10は、筐体部16の遠位端20bに枢転可能に連結される第1の端26と、第2の端(図示せず)とを有するラッチ24をさらに含む。ラッチ24の第2の端は、支持構造体50の内側表面(図示せず)に着脱可能に連結され、電気機械器具10を支持構造体50と選択的にロックするように構成され得る。いくつかの実施形態では、ラッチ24の第2の端は、外科手術ロボットアーム2の継手「J」に着脱可能に連結され、電気機械器具10を支持構造体50ではなく外科手術ロボットアーム2と選択的にロックするように構成され得る。いくつかの実施形態では、筐体部16は、例えば、クリップ、ラッチ、摩擦嵌め嵌合、ボタン、様々な締付具、及び/またはバヨネット型接続等の様々な締付係合を介して、支持構造体50及び/または外科手術ロボットアーム2に取り付けられ得る。
さらに、器具10は、ラッチ24または何らかの締付部材を有していなくてもよいことが考えられる。
【0042】
電気機械器具10のシャフト18は、筐体部16によって支持された近位端30aと、エンドエフェクタ12を有する遠位端30bとを有する。電気機械器具10の被駆動部材(図示せず)は、電気機械器具10の筐体部16から、電気機械器具10のシャフト18を通して延在して、エンドエフェクタ12の様々な部品に動作可能に連結し、その結果、各被駆動部材(図示せず)の回転及び/または軸方向移動のエンドエフェクタ12の様々な機能の作動を達成するようにされる。
【0043】
エンドエフェクタ12は、一般に、一対の対向する顎部材14a、14bを含む。エンドエフェクタ12は、開口構成から被駆動部材(図示せず)の作動によって移動され得、組織(図示せず)は、顎部材14a、14bと閉鎖構成との間で受容され、組織は、締め付けられ、かつ治療される。一実施形態では、対向する顎部材14a、14bは、それぞれ、対向する顎部材14a、14bに配置された一対の導電性の組織係合封止板(図示せず)に電気経路を提供するように、機器駆動装置100から電気機械器具10のシャフト18を通って延在するそれぞれの好適な電気配線(図示せず)を介して、ケーブル及び発生器(図示せず)に電気的に連結され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタ12は、例えば、使い捨て装填ユニット、容器密封装置、直線ステープル装置、円形ステープル装置、カッタ、捕捉器具、生検装置、縫合装置、クリップアプライヤ、タックアプライヤ、電気外科手術装置、RFエネルギ装置、焼灼装置、高調波装置、振動装置、超音波装置、締結具アプリケータ等の種々のタイプのエンドエフェクタの形式であってもよい。いくつかの実施形態では、一対の対向する顎部材であるエンドエフェクタではなく、エンドエフェクタは、エンドスコープ、撮像モダリティ及び/または検出モダリティであってもよい。
【0045】
引き続き
図3A及び3Bを参照すると、外科手術アセンブリ30の機器駆動装置100は、胴体部110と、胴体部110から遠位に延在する連結シャフト120とを含む。上に述べたように、機器駆動装置100は、胴体部110内部に配置された複数のモータ「M」を有する。モータ「M」は、機器駆動装置100が電気機械器具10と連結されると、電気機械器具10のエンドエフェクタ12の動作を駆動させるように機能する。胴体部110は、近位端112a及び遠位端112bを有し、それらの間に中央縦軸「X」を画定する。
【0046】
胴体部110の遠位端112bは、電気機械器具10の筐体部16の近位端20aに動作可能に連結されるように構成される。胴体部110の遠位端112bは、機器駆動装置100のそれぞれのモータ「M」に動作可能に接続された数の出力駆動連結具114を有する。出力駆動連結具114は、機器駆動装置100のモータ「M」の独立した作動時に、電気機械器具10の筐体部16の入力駆動連結具22が回転するように、電気機械器具10の筐体部16の入力駆動連結具22に駆動連結されるように構成される。
【0047】
機器駆動装置100の胴体部110は、その遠位端112b遠位に延在する部材116を有し得る。部材116は、筒状の形状にされてもよく、電気機械器具10の筐体部16に形成された弓状くぼみ64内に受容されるように構成された任意の他の好適な形状であってもよい。機器駆動装置100を電気機械器具10とともに組み立てたときまたは連結したとき、機器駆動装置100の筒状部材116の遠位端は、
図3Bに示されるように、支持構造体50の筒状部材54の近位端と当接する。
【0048】
機器駆動装置100の連結シャフト120は、機器駆動装置100の胴体部110の遠位端112bから遠位に延在し、機器駆動装置100の筒状部材116を通り、それを越えて遠位に延在するかまたは突出する。機器駆動装置100の連結シャフト120は、近位端122a及び遠位端122bを有し、それらの間に縦軸「Y」を画定する。機器駆動装置100の連結シャフト120は、それを通して縦方向に延在する通路124を画定し得る。通路124は、機器駆動装置100の胴体部110から延在し、外科手術ロボットアーム2の電子部品に接続される電気配線または光ケーブル付線(図示せず)の通過のために構成され得る。
【0049】
連結シャフト120の近位端122aは、機器駆動装置100の胴体部110の遠位端112bから延在し得、その結果、機器駆動装置100の連結シャフト120の縦軸「Y」が、機器駆動装置100の胴体部110の中央縦軸「X」から半径方向にオフセットし、それと並行であるようにされる。連結シャフト120の遠位端122bは、支持構造体50の筒状部材54の通路58内での取り外し可能な受容のために構成される。機器駆動装置100の連結シャフト120及び支持構造体50の通路58は、通路58がその内部に機器駆動装置100の連結シャフト120を受容したとき、機器駆動装置100の連結シャフト120が、その縦軸「Y」を中心として回転可能に維持されるように寸法決めされている。
【0050】
このように、機器駆動装置100は、第1の状態または位置と第2の状態または位置との間で、電気機械器具10に対して、機器駆動装置100の連結シャフト120の縦軸「Y」を中心として回転可能である。第1の状態では、機器駆動装置100の胴体部110は、
図3B及び4Aに示されるように、電気機械器具10の筐体部16と整列し位置合わせされ、電気機械器具10が近位方向に移動することを防止する。第2の状態では、
図4Bに示されるように、機器駆動装置100の胴体部110は、電気機械器具10の筐体部16と整列せず位置合わせされず、その結果、電気機械器具10が、支持構造体50及び外科手術ロボットアーム2から近位方向に移動可能になり、それによって、電気機械器具10は、外科手術ロボットアーム2から取り外されることができる。電気機械器具10は、機器駆動装置100が電気機械器具10の筐体部16と整列している場合であっても、近位方向に移動可能であり得ることが考えられる。
【0051】
機器駆動装置100の連結シャフト120の遠位端122bは、支持構造体50のボタン60の一部の取り外し可能な受容のために構成された、その内部に形成された環状の切欠き126を有する。このように、支持構造体50のボタン60を押すと、ボタン60は、機器駆動装置100の連結シャフト120の切欠き126を係合し、機器駆動装置100の連結シャフト120を支持構造体50の筒状部材54の通路58内に保持し、連結シャフト120がその縦軸「Y」に沿って近位または遠位方向のいずれかに移動することを防止する。いくつかの実施形態では、連結シャフト120は、それに沿って複数の環状の切欠きまたはノッチ126を含み得る。各切欠きは、支持構造体50のボタン60と選択的に係合可能であってもよい。このように、機器駆動装置120は、支持構造体50及び外科手術ロボットアーム2に対して、縦軸「Y」に沿って複数の縦方向位置間で移動し、選択された縦方向位置で停止し得る。
【0052】
一実施形態では、外科手術アセンブリ30は、ボタン60が離されると、機器駆動装置100を外科手術器具10と整列せず位置合わせしないように自動的にカムするように構成され得る。例えば、支持構造体50は、支持構造体50の筒状部材54の通路58内部に配置され、連結シャフト120の遠位端122bに近位に配向された力を付与することによって、機器駆動装置100を近位位置に向かって付勢する付勢部材(図示せず)を含み得る。さらに、機器駆動装置100の筒状部材116の遠位端と、支持構造体50の筒状部材54の近位端とは、互いに作動係合しているカム機能または環状の傾斜機能(明示しない)を各々有し得る。このように、ボタン60が連結シャフト120から係合解除されると、支持構造体50の付勢部材は、機器駆動装置100の連結シャフト120を、支持構造体50に対して近位に移動させる。機器駆動装置100の連結シャフト120が近位に移動するに従って、機器駆動装置100及び支持構造体50のカム機能は、互いに協働して、機器駆動装置100を軸「Y」の周りで回転させ、機器駆動装置120を外科手術器具10と整列せず位置合わせしないように位置付ける。
【0053】
いくつかの実施形態では、連結シャフト120の遠位端122bは、支持構造体50または外科手術ロボットアーム2に固定して連結され得、連結シャフト120の近位端122aは、機器駆動装置100の胴体部110の遠位端112bに着脱可能に連結されるように構成され得る。
【0054】
機器駆動装置100は、機器駆動装置100の胴体部110の反対側に配置された一対のラッチ128をさらに含む。各ラッチ128は、胴体部110の遠位端112bに枢転可能に連結された第1の端130aと、第2の端130bとを有する。ラッチ128の第2の端130bは、電気機械器具10の筐体部16の近位端20aに形成され、機器駆動装置100を電気機械器具10とロックさせるノッチ27に着脱可能に連結されるように構成される。いくつかの実施形態では、機器駆動装置100の胴体部110は、例えば、ねじ係合、クリップ、摩擦嵌め嵌合、ボタン、様々な締付具、及び/またはバヨネット型接続等の様々な締付係合を介して、電気機械器具10に取り付けられ得る。
【0055】
図3A、3B、4A、及び4Bを参照すると、使用時に、支持構造体50の環状部材52は、外科手術ロボットアーム2の継手「J」に連結される。電気機械器具10は、電気機械器具10のラッチ24が、支持構造体50の内側表面(図示せず)に接続して、電気機械器具10を支持構造体50に接続させるまで、支持構造体50の経路56を通して、
図3Aの矢印「A」によって示される遠位方向に案内される。
【0056】
次に、本開示の一態様では、機器駆動装置100の胴体部110は、電気機械器具10の筐体部16と整列され、機器駆動装置100の連結シャフト120は、支持構造体50の筒状部材54の通路58と位置合わせされる。そして、機器駆動装置100は、
図3B及び4Aに示されるように、機器駆動装置100の筒状部材116が支持構造体50の筒状部材54に当接し、機器駆動装置100の胴体部110の遠位端112bが電気機械器具10の筐体部16の近位端20aに当接するまで、機器駆動装置100の連結シャフト120を支持構造体50の筒状部材54の通路58内に案内することによって、電気機械器具10に連結される。
【0057】
機器駆動装置100が電気機械器具10に連結されると、機器駆動装置100の出力駆動連結具114は、電気機械器具10の入力駆動連結具22に駆動連結される。機器駆動装置100のラッチ128の遠位端130bは、電気機械器具10の筐体部16に接続されて、機器駆動装置100を電気機械器具10と着脱可能にロックし得る。
【0058】
図3A及び4Bを参照すると、機器駆動装置100を完全に切り離すことなく、支持構造体50及び外科手術ロボットアーム2から電気機械器具10を選択的に取り除くために、機器駆動装置100は、まず電気機械器具10に対して、連結シャフト120の縦軸「Y」の周りで、
図3A及び4Bの矢印「B」によって示される方向に回転し、
図3A及び4Bに示されるように、機器駆動装置100の胴体部110を電気機械器具10の筐体部16と整列しないかまたは位置合わせされないように位置付ける。機器駆動装置100の胴体部110が電気機械器具10の筐体部16と整列していないように配置されるかまたは回転すると、電気機械器具10のラッチ24は、支持構造体50から外され得、電気機械器具10は、外科手術ロボットアーム2及び支持構造体50から離れた近位方向に移動し得る。理解されるように、機器駆動装置100が機能し損ねた場合、機器駆動装置100は、器具10と整列せず位置合わせされないように移動され得、その結果、電気機械器具10の入力駆動連結具22が、手動でアクセスされ得るようにされる。
【0059】
外科手術ロボットアーム2から電気機械器具10を取り除くとき、電気機械器具10は、滅菌されて再利用されるか、または別の電気機械器具と置き換えられ得る。機器駆動装置100が、電気機械器具10の経路と整列または位置合わせされる状態に、及び整列または位置合わせされない状態に回転する能力は、外科手術ロボットアーム2から機器駆動装置100をさらに取り外す必要なく、外科手術ロボットアーム2から電気機械器具10を取り外すことを可能にする。このように、機器駆動装置100は、外科手術手順中常に外科手術ロボットアーム2に接続されたままにされ得る。
【0060】
また、本明細書に記載された外科手術アセンブリによって提供されるさらなる利点は、外科手術器具を取り外すために機器駆動装置を取り除くことを必要としないことによって、機器駆動装置が落下するかまたは破損することを防止し得、手術後の機器駆動装置の容易な取り除きを可能にし得、外科手術器具の片手での交換を可能にし得、機器駆動装置、電気機械外科手術器具、及び外科手術ロボットアームの間の構造的な安定性及び整列を改善し得、外科手術器具の交換中に機器駆動装置を収容するために必要とされる空間量を最小限にし得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、機器駆動装置の連結シャフト及び/または電気機械器具10は、機械的機能、比色標識、光学標識、電気的標識、抵抗器、リードスイッチ、メモリ装置、接触子,または他の識別技術等の、ユニットまたは器具を識別するための手段を含み得る。上記の機能は、マイクロスイッチ、センサ、デジタル回路またはアナログ回路のうちの少なくとも1つを作動させるかまたはそれと通信して、機器駆動装置の状態を確認し、機器駆動装置または外科手術器具のモデル及び/またはシリアル番号を識別するか、各々の使用数を判定するか、較正設定を判定するか、外科手術器具の正しい装填を検出するか、または機器駆動装置の連結シャフトの装填位置または角度/変位を判定するように構成され得る。
【0062】
一実施形態では、
図4Aに示されるように、外科手術アセンブリ30は、機器駆動装置100、器具10、支持構造体50、及び外科手術ロボットアーム2の間に延在するデイジーチェーンのセンサ113を含む。センサ113は、上で言及された外科手術アセンブリ30の部品のうちの少なくとも2つの任意の組み合わせの間に延在し得ることが考えられる。センサ130は、機器駆動装置100、器具10、支持構造体50、及び外科手術ロボットアーム2の各々が、組み立てられたときに互いに正しく接続されたときに検出するように構成される。
【0063】
図5A及び5Bを参照すると、ロボット外科手術システムの別の実施形態が提供され、全般に参照番号200によって指定されている。ロボット外科手術システム200は、上記のシステム1に類似しているため、その相違に関してのみ記載されている。ロボット外科手術システム200は、以下に詳細に記載されるように、その機器駆動装置202が外科手術ロボットアーム2に連結される点において、システム1と異なる。
【0064】
機器駆動装置202は、胴体部210と、そこから延在する連結シャフト220とを含む。連結シャフト220は、胴体部210に連結される近位端222aと、遠位端222bとを有する。連結シャフト220の遠位端222bは、外科手術ロボットアーム2にヒンジ式に連結され、その結果、機器駆動装置202は、
図5Aに示されるような第1の状態と、
図5Bに示されるような第2の状態との間で、外科手術ロボットアーム2に対して枢転可能であるかまたは関節動作可能である。このように、使用時に、電気機械器具10を外科手術ロボットアーム2から抜き差しするために、機器駆動装置202は、ヒンジ式継手(明示しない)の周りで、機器駆動装置202及び電気機械器具10が互いに整列して位置合わせされている第1の状態から、機器駆動装置202が電気機械器具10と整列せず位置合わせされていない第2の状態に枢転するかまたは関節動作することができる。連結シャフト50が支持構造体50または外科手術ロボットアーム2にヒンジ式に接続されているのではなく、代わりに機器駆動装置100の連結シャフト120は、機器駆動装置100をその周りで曲げるかまたは関節動作させ、外科手術器具10と整列せず位置合わせしないことを可能にするように、連結シャフト120の中間部に配置されたヒンジ(図示せず)を含んでもよいことが考えられる。
【0065】
図6A及び6Bを参照すると、本開示の外科手術アセンブリは、外科手術手順の開始に先立って、外科手術ロボットアーム2の滅菌インターフェース140への機器駆動装置100のすばやい設置を可能にし得る。滅菌インターフェース140は、支持構造体50を再配置し得、外科手術器具10等の外科手術器具を収容するようにロボットアーム2の一端に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、滅菌インターフェース140は、支持構造体50を包み得る。
【0066】
滅菌インターフェース140は、支持構造体141と、支持構造体141に留め付けられた滅菌ドレープ142とを含む。いくつかの実施形態では、滅菌ドレープ142は、支持構造体141に留め付けられてもよく、または連結部材(明示しない)を介して支持構造体141に連結されてもよい。連結部材は、滅菌ドレープ142を支持構造体141に移動不可能に固定し得る。いくつかの実施形態では、連結部材は、滅菌ドレープ142をto支持構造体141に連結し得、その結果、支持構造体141の部品は、支持構造体141によって画定された縦軸「Y」の周りで、滅菌ドレープ142に対して回転することができ、同時に滅菌ドレープ142によって作り出された滅菌隔壁を維持する。例えば、連結部材は、滅菌ドレープ142と支持構造体141との間のOリングまたは弾性変形可能に封止された面であってもよい。
【0067】
滅菌インターフェース140の支持構造体141は、本体143と、近位取り付け部材144aと、遠位取り付け部材144bとを含む。本体143は、外側胴体145と、その内部に回転可能に配置された内側胴体147とを含む。いくつかの実施形態では、内側胴体147は、外側胴体145の内部に固定して配置され得る。外側胴体145は、そこから横方向に延在し、外科手術ロボットアーム2に連結するように構成された合わせ面またはコネクタ149を有する。いくつかの実施形態では、外側胴体145は、外科手術ロボットアーム2と一体形成され得る。本体143の外側胴体及び内側胴体145、147は、(
図6B)コネクタ149を通して画定された水平軸「X」の周りでともに回転可能である。内側胴体147は、支持構造体141によって画定された縦軸「Y」(
図6B)の周りで、外側胴体145に対して回転可能である。
【0068】
支持構造体141の近位取り付け部材144aは、縁146と、そこから延在するカニューレ状のシャフト148とを有する。縁146は、内側胴体147の対応する形状にされた近位縁140aの周囲に適合する。近位取り付け部材144aのカニューレ状のシャフト148は、本体143に画定された経路150内での受容のために構成される。器具10(
図2)または任意の好適な外科手術器具は、組み立てられたとき、カニューレ状のシャフト148を通過し得る。遠位取り付け部材144bは、内側部材147の遠位端140bに連結されるように構成される。滅菌ドレープ142の近位端142aは、近位取り付け部材144aの縁146に固定され、滅菌ドレープ142の遠位端142bは、内側胴体147の遠位端140bに固定され、その結果、滅菌ドレープ142は、本体143を包み、滅菌インターフェース140の滅菌を維持する。
【0069】
いくつかの実施形態では、滅菌インターフェース140は、その内部に配置され、ロボットアーム2に連結される任意の好適な外科手術装置(例えば、電気外科手術装置または電気焼灼装置)のための電気絶縁または誘電隔壁を提供するために用いられてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、機器駆動装置100の筐体部110は、その内部にモータ「M」及び電子機器を選択的に包囲するクラムシェルの形式であってもよい。
【0071】
本明細書で開示されている実施形態に対して様々な改変を行い得ることが理解されるだろう。したがって、上の明細書は、限定として解釈されるべきではなく、様々な実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者であれば、添付の特許請求の範囲及び趣旨内で他の改変を想定するだろう。