特許第6887414号(P6887414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーオーエス ゲーエムベーハー エレクトロ オプティカル システムズの特許一覧

特許6887414生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法
<>
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000002
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000003
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000004
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000005
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000006
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000007
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000008
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000009
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000010
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000011
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000012
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000013
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000014
  • 特許6887414-生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887414
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】生成的製造方法における構築材料の計量装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/343 20170101AFI20210603BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20210603BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20210603BHJP
   B29C 64/214 20170101ALI20210603BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20210603BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20210603BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20210603BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20210603BHJP
   C23C 24/08 20060101ALI20210603BHJP
   C04B 35/64 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   B29C64/343
   B29C64/153
   B29C64/268
   B29C64/214
   B33Y10/00
   B33Y30/00
   B29C64/393
   B33Y50/02
   C23C24/08 B
   C23C24/08 C
   C04B35/64
【請求項の数】19
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-501296(P2018-501296)
(86)(22)【出願日】2016年7月8日
(65)【公表番号】特表2018-528875(P2018-528875A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】EP2016066336
(87)【国際公開番号】WO2017009249
(87)【国際公開日】20170119
【審査請求日】2019年5月8日
(31)【優先権主張番号】102015213106.8
(32)【優先日】2015年7月13日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506306916
【氏名又は名称】エーオーエス ゲーエムベーハー エレクトロ オプティカル システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ダンツィッヒ、アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ザルツベルガー、ライナー
(72)【発明者】
【氏名】フィリッピ、ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】バウマン、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】カンツラー、ゲルト
(72)【発明者】
【氏名】イェリン、ローベルト
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−68439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/343
B29C 64/153
B29C 64/214
B29C 64/268
B29C 64/393
B33Y 10/00
B33Y 30/00
B33Y 50/02
C04B 35/64
C23C 24/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化によって構築領域(22)に少なくとも1つの3次元物体(3)を製造する方法であって、
前記構築材料(18)を塗布するために、リコータ(5、15)を予め定められた方向(B)に、既に前もって塗布された層、特に既に固化した領域を横切って移動させ、前記少なくとも1つの3次元物体(3)の断面の少なくとも一部分に対応する領域において固化された、既に前もって塗布された前記構築材料の層の上に、予め定められた厚さd2を有する前記粉末形状の構築材料(18)の層(31)を塗布するステップa)と、
前記少なくとも1つの3次元物体(3)の断面の少なくとも一部分に対応する塗布された層の領域でステップa)において塗布された前記粉末形状の構築材料を固化させるステップb)と、
を備え、
前記ステップa)および前記ステップb)は、前記少なくとも1つの3次元物体(3)の全ての断面が固化されるまで数回繰り返され、
前記ステップa)による層の塗布に先立ち、前に塗布された層の厚さd1を有する固化領域について、前記リコータ(5)の移動方向(B)におけるこの固化領域の寸法と厚さd1との積の最大値(MAX)が決定され、d1は固化前の厚さであり、
前記ステップa)における層の塗布の間に、最大値(MAX)の値に比例する少なくとも1つの追加粉末量(P2)が、前記厚さd2を有する層に必要とされる粉末量(P1)に加えて提供される、
方法。
【請求項2】
製造される前記少なくとも1つの3次元物体(3)のコンピュータに基づくモデルが、前記最大値(MAX)を決定するためにアクセスされる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最大値(MAX)を決定するために、n個の帯への、前記リコータ(515)によって覆われる前記前もって塗布された層の前記領域のコンピュータ支援の分割が実行され、n>1が有効であり、前記帯は前記リコータ(5、15)の移動方向(B)に向かって延び、
前記リコータ(5、15)の移動方向(B)における前記厚さd1を有する固化領域の寸法xiは、各帯iにおいて決定され、1≦i≦nが有効であり、
前記リコータ(5、15)の移動方向(B)における固化領域の前記寸法xiと前記層d1との帯毎の積の最大値が前記最大値(MAX)として用いられる、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップa)において、前記厚さd2を有する層が、厚さdjのk個の異なる層を有するk個の固化領域を備える既に前もって塗布された前記構築材料の層の上に塗布され、1≦j≦kで有効であり、kは1より大きい自然数であり、各帯について、前記リコータ(5、15)の移動方向(B)におけるこの帯における固化領域jの寸法xiと、対応する層の厚さdjと、このように決定される帯になった部分の値の最大値との積を合計した値が最大値(MAX)として使用される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記リコータ(5、15)の移動方向(B)において特定の厚さを有する固化領域の寸法を決定するために、前記リコータ(5、15)の前記移動方向(B)におけるこの領域の不連続部分領域の前記寸法の合計が実行される、
請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記追加粉末量(P2)の容積は、前記最大値(MAX)と、粉末収縮係数(PV)と、前記リコータ(515)の前記移動方向に垂直に前もって塗布された粉末層の寸法(LBF)との積と少なくとも同じ大きさになるように選択され、前記粉末収縮係数(PV)は、固化中の前記構築材料(18)の層のさの収縮率を表し、好ましくは、使用された前記粉末形状の構築材料(18)についての経験的予備試験によって決定される、
請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
構築領域(22)内の粉末形状の構築材料(18)の層に塗布するための前記構築領域(22)を横切って移動可能なリコータ(515)を備える、前記構築領域(22)内の前記粉末形状の構築材料(18)の層毎の固化によって3次元物体(3)を製造するための製造装置で使用するための計量装置であって、
前記計量装置は、前記リコータ(5、15)の移動方向(B)に垂直に隣接して配置される、いくつかの粉末供給装置(12b、17a、17b)を備え、
前記粉末供給装置(12b、17a、17b)は、前記リコータ(5、15)による層の塗布のために、前記移動方向(B)に垂直な方向に、互いから異なる前記粉末形状の構築材料(18)の量を供給することができるように構成される、
計量装置。
【請求項8】
前記構築材料の供給は、前記リコータ(15)の移動をしている間に、少なくとも1つの前記粉末供給装置(17a、17b)において、好ましくは、全ての前記粉末供給装置(17a、17b)において、オンおよび/またはオフに切り替えることができる、
請求項に記載の計量装置。
【請求項9】
少なくとも1つの前記粉末供給装置(17a、17b)、好ましくは、全ての前記粉末供給装置(17a、17b)は、前記リコータの移動方向に複数の部分チャンバに細分されており、前記粉末形状の構築材料は、前記部分チャンバの1つからそれぞれ選択的に供給されることが可能である、
請求項7または8に記載の計量装置。
【請求項10】
構築領域(22)内の粉末形状の構築材料(18)の層に塗布するための前記構築領域(22)を横切って移動可能なリコータ(5、15)を備える、前記構築領域(22)内の前記粉末形状の構築材料(18)の層毎の固化によって3次元物体(3)を製造するための製造装置で使用するための計量装置であって、
前記計量装置は、前記リコータ(5、15)の移動方向(B)に垂直に隣接して配置される、いくつかの粉末供給装置(12b、17a、17b)を備え、
少なくとも1つの前記粉末供給装置(17a、17b)、好ましくは、全ての前記粉末供給装置(17a、17b)は、前記リコータの移動方向に複数の部分チャンバに細分されており、前記粉末形状の構築材料は、前記部分チャンバの1つからそれぞれ選択的に供給されることが可能であり、
前記リコータの移動方向における部分チャンバ(170a、170b、180a−180c、190a、190b)に細分された前記粉末供給装置は、前記粉末供給装置の移動によって、前記部分チャンバのそれぞれの下端部が前記リコータに供給される排出開口部(175)上に位置することができ、前記排出開口部(175)を通って前記構築材料(18)が、塗布の間、前記構築領域(22)に供給されるように構成される、
量装置。
【請求項11】
いくつかの粉末供給装置は一緒に移動可能である、
請求項10に記載の計量装置。
【請求項12】
前記リコータに設けられた前記排出開口部は、前記移動方向に垂直に隣接して配置される、いくつかの前記排出開口部に細分され、好ましくは、個別の排出開口部が各粉末供給装置に割り当てられる、
請求項10または11に記載の計量装置。
【請求項13】
前記部分チャンバの底部を前記排出開口部の上方に位置決めするための粉供給装置の前記移動は、前記リコータの前記移動方向に対して垂直に延びる旋回軸(151、181)を中心にしての、前記粉末供給装置の旋回によって行われる、
請求項10から12の何れか一項に記載の計量装置。
【請求項14】
前記部分チャンバの底部を前記排出開口部の上方に位置決めするための粉供給装置の前記移動は、前記粉供給装置を前記リコータの前記移動方向に平行に移動させることによって行われる、
請求項10から13の何れか一項に記載の計量装置。
【請求項15】
粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化による、構築領域(22)における少なくとも1つの3次元物体(3)の製造中に、前記構築材料の需要を決定するための粉末需要決定ユニットであって、前記粉末需要決定ユニットは、
層データ入力ユニットと、
前記層データ入力ユニットを介して受信した厚さd1を有する部分的に固化された粉末層のデータと、前記層データ入力ユニットを介して受信した粉末形状の構築材料の連続する層毎の固化によって少なくとも1つの3次元物体(3)を製造するための製造装置におけるリコータ(5)の移動方向に関する方向の情報とから、前記リコータ(5)の移動方向(B)における前記部分的に固化された層におけるこの固化領域の寸法と、層d1との積の最大値(MAX)を決定するとともに、製造中の前記部分的に固化された層に続く厚さd2を有する層の塗布のための最大値(MAX)の値に比例して追加粉末量(P2)を決定する、ように構成される粉末量決定ユニットと、
追加粉末量出力ユニットと、
を備える粉末需要決定ユニット。
【請求項16】
構築領域(22)内の粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化により、少なくとも1つの3次元物体(3)を製造するための製造装置であって、
前記少なくとも1つの3次元物体(3)の断面の少なくとも一部分に対応する領域において固化された、既に前もって塗布された前記構築材料の層の上に厚さd2を有する前記構築材料(18)の層を塗布するための前記構築領域(22)を横切って移動可能なリコータ(5)と、
前記リコータ(5、15、150、180)によって前記厚さd2を有する層の塗布のために必要な前記粉末形状の構築材料の量を提供するのに適した計量装置(12、17)と、
前記少なくとも1つの3次元物体(3)の断面の少なくとも一部分に対応する領域に、前記粉末形状の構築材料を固化させるための固化装置(8)と、
前記リコータ(5、15、150、180)と前記計量装置(12、17)と、前記固化装置(8)とを制御する制御部(11)と、
を備え、
前記制御部(11)は、前記層の塗布のために前記リコータ(5、15、150、180)を制御または駆動する前に、前記リコータ(5、15、150、180)の移動方向(B)における前もって固化した層における厚さd1を有する固化領域の寸法と、固化前の層のd1との積の最大値(MAX)を決定するように構成され、
前記制御部(11)は、請求項1から6の何れか一項に記載の方法を実行可能に構成される、
製造装置。
【請求項17】
前記製造装置は、請求項7から14の何れか一項に記載の計量装置を備える、
請求項16に記載の製造装置。
【請求項18】
決定するために、前記制御部(11)は、n個の帯への前記リコータ(5、15、150、180)によって上部が覆われる前もって塗布された層の前記領域のコンピュータ支援による分割を行い、ここでn>1が有効であり、前記帯は前記リコータ(5、15、150、180)の移動方向(B)に延び、
1つ以上の前記帯はそれぞれ、粉末供給装置(12b、17a、17b)を割り当てられ、前記リコータ(5、15、150、180)の前記移動方向に垂直に粉末供給装置(12b、17a、17b)に割り当てられた複数の前記帯の寸法は、前記リコータの前記移動方向に垂直な前記粉末供給装置(12b、17a、17b)の寸法と等しい、
請求項17に記載の製造装置。
【請求項19】
実行時に、粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化によって3次元物体(3)を製造するための装置を制御することができるコンピュータプログラムであって、特に、請求項16から18の何れか一項に記載の製造装置においてこのコンピュータプログラムを実行する時に、請求項1から6の何れか一項に記載の方法を行う、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元物体の層毎の生成のための方法及び製造装置並びにそれに対応して適合された計量装置に関する。特に、本発明は、粉末形状である構築材料における装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元物体を製造する層毎の生成の方法では、典型的には、構築材料層が高さ調節可能な支持体上に塗布され、構築チャンバ室内で選択的に固化される。この工程は、互いの上の層に積み重ねられた層が選択的に固化することによって3次元物体が完成させられるまでの間、複数の層の塗布と固化を繰り返すことにより続けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102011121568号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
独国特許出願公開第102011121568号明細書には、粉末形状の金属材料が、電磁放射線または電子ビーム放射線によって選択的に固化される生成層製造方法が記載されている。特に、独国特許出願公開第102011121568号明細書は、粉末塗布が、通常、所与の構築チャンバの全領域にわたって常に行われるという問題に対処している。これは、第1に、この層のほんの小さな一部分だけが実際に固化されたとしても、大面積の層が塗布されるので、製造時間が長くなる。さらに、粉末の一部のみが実際に固化するが、多量の粉末が使用されるという欠点もある。
【0005】
高い粉末消費量は、いくつかの理由のため不利である。もし、ひとたび、高い粉末消費量による高い構築材料コストを無視するならば、それによりさらなる資源、例えば、粉末操作システム(ふるい、搬送システム)は、より頻繁に使用されるため摩耗が増加するという欠点もある。特に、非常に背の高い物体が構築される場合、粉末詰め替え手順が必要になることにより、構築時間が長くなりうる。粉末詰め替え手順が妥当でない場合、最悪は、製造される物体の全体の高さが制限されることとなる。生成層毎の製造のための装置に一度既に使用されている未固化の粉末の再使用は、粉末が装置内で古くなっているので、限られた範囲でのみ可能である。
【0006】
上記の問題を解決するために、独国特許出願公開第102011121568号明細書では、構築チャンバ内に、構築される物体を密接に包囲する構築セルを構築することを提案している。同時に、リコータは横方向に制限されているため、セル内の領域のみがコーティングされる。特に、構築セルの壁は、構築作業に使用される構築材料からの選択的な固化によって連続的に構築されている。これにより、構築セルの壁の横方向の位置を、層ごとに変え、層内の物体の断面にそれを適合させることができる。
【0007】
独国特許出願公開第102011121568号明細書に記載された方法が確かに粉末の節約につながるとしても、固化した構築材料によって作られた追加の壁の提供の結果、完成した物体を解く(物体を取り囲む非固化の粉末から物体を開放する)手順は複雑である。したがって、本発明の目的は、物体に属さない構築材料で作られた閉じ込め壁の提供を受け入れる必要なく、粉末計量の新たな最適化を可能にする方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的は、請求項1に記載の方法、請求項7、10に記載の計量装置、請求項16に記載の製造装置、および請求項19に記載のコンピュータプログラムによって解決される。本発明のさらなる進展は、従属請求項に記載される。
【0009】
本発明の特徴および有用性は、図面を参照して例示的な実施形態に基づいて、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】生成層の製造方法を実行するための本発明における装置の図
図2図1に概略的に示された装置の構築平面の上面図
図3】製造プロセス中の構築平面の高さにおける、製造される物体の断面側面図
図4a】本発明の実施の形態1による方法を説明するための構築領域の上面図
図4b】本発明の実施の形態1による方法を説明するための構築領域の上面図
図5】実施の形態1の方法を説明するための構築領域のさらなる上面図
図6】本発明の実施の形態2による方法を説明するための構築領域の上面図
図7】実施の形態4で使用されるリコータを用いた横断面を示す図
図8】本発明の実施の形態4によるリコータの一実施の形態を、上から斜めに、すなわち図7の場合と同じ側方視野位置ではあるが、高い位置から観察した場合の図
図9図8のリコータの粉末供給装置の具体的な変形例を示す断面図
図10図9のリコータの粉末供給装置の具体的な変形例を示す断面図
図11】さらなる図9の具体的な変形例を示す断面図
図12】さらに別の図9の具体的な変形例を示す断面図
図13図8のリコータの粉末供給装置のさらに別の具体的な変形の可能性を概略的に示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
まず、本発明の方法を実施するのに適した生成的製造装置について説明する。図1は、生成的製造方法による3次元物体の層毎の製造のための装置の一例として、レーザ焼結装置、または溶融装置を概略的に示している。この装置は、層毎の製造プロセスのための構築材料が上から供給され、層毎の製造プロセスの間に構築材料を横方向から包囲する、上部が開口した構築容器1を備える。垂直方向に移動可能な支持体2は、順次形成される物体3を運ぶ構築プラットフォームを運ぶ。任意で、この構築プラットフォームも省略することができる。構築容器1の水平方向寸法によって、構築領域22(図2参照)が定められる。しかしながら、後者はまた、独国特許出願公開第102011121568号明細書についての類推によって、サイズが縮小されてもよい。支持体2は、固化される物体3の層それぞれが構築平面4内に横たわるように、高さが調整される。さらに、既に固化された物体3の層の上に、または構築処理の開始時点では構築プラットフォーム自体の上に、電磁波放射または粒子放射によって固化する粉末形状の構築材料を塗布するためのリコータ5が設けられる。粉末固化のために使用される図1に示す照射システムは、電磁放射線源としてレーザ6を備える。照射システムの別の部分は偏向装置8であり、偏向装置8により、レーザ6によって生成されたレーザビーム7は、結合窓9の上へ案内され、結合窓9からビームが処理空間10に入って、構築平面4内の所定の位置に当たる。処理空間10は、粉末と環境大気との反応を防止するために、好ましくは、保護ガスを充満させる。
【0012】
この装置はさらに、偏向装置8と、支持体2の垂直移動と、リコータ5と、計量(または粉末投入)容器12a内で垂直方向に移動可能な(供給)プランジャ12bとを、構築プロセスを実行するために協同して制御する制御部11を備えている。場合によっては、制御部11は、装置のさらに別の部分を制御することもできる。特に、制御部11は、制御の基礎となる製造される物体のCADデータにアクセスする。
【0013】
粉末形状の構築材料として、特にレーザ焼結法またはレーザ溶融法のための、生成層の製造方法に適した何れかの粉末または粉末混合物を使用することができる。特に、これは、金属粉末、例えば、ステンレススチール粉末を含む。これ以外に、本発明による方法では、プラスチック粉末、または、セラミック粉末、または、プラスチックで被覆された砂が使用される場合にも、同様に適用可能である。
【0014】
レーザ焼結装置の動作は、リコータ5が構築領域を横切って移動し、所定の厚さd2を有する粉末層を塗布するように行われる。続いて、各層における物体3の断面にレーザビーム7を照射すると、粉末が少なくとも部分的に溶融し、その後の冷却中に固化する。「少なくとも部分的に溶融する」と言うことは、粉末粒子は少なくとも単に表面的に、しかし所望であれば完全に、溶融することを意味している。さらに、その後の冷却の間に粉末粒子の固体への結合をもたらすのと同様の粉末粒子の単なる軟化も起こり得る。その後、支持体がd2分降下され、厚さd2を有する新しい粉末層が塗布される。物体3の製造は、このように、層毎に行われる。完了後、物体3は取り除かれ、場合によっては、後処理および/または品質管理を受ける。
【0015】
図1に示すように、塗布プロセスのために提供される粉末形状の構築材料は、構築容器1の横の計量容器12a内に配置される。計量容器12a内のプランジャ12bを持ち上げることにより、粉末材料が上方に押し上げられ、次いで、構築領域に押されて、リコータ5によって構築領域に分配される。その間に、提供された粉末量は、プランジャ12bにより計量容器12a内を上方に移動する高さの差Sによって制御可能である。言い換えれば、プランジャ12bと計量容器12aは、層の塗布のために使用される粉末量を測定する計量装置12として協働する。
【0016】
図2は、図1の装置の構築平面4の上面図を示す。構築領域22の横に、図2に示されていないリコータ5による層の塗布後に余分な構築材料が押し込まれた、計量容器12aおよび参照符号13が付けられたオーバーフロー容器を認める。したがって、リコータ5は、図2の右から左に移動することができる。
【0017】
図2において、計量容器12aまたは供給プランジャ12bの長さLおよび幅Wはそれぞれ、構築領域22の長さLBFまたは幅WBFと等しい。これは必ずしもそうである必要はないが、しかしながら、計量容器の長さLが構築領域の長さLBFに等しいと判断されるか、そうでなければ、粉末がリコータ5によって構築領域の横に押される可能性があると、少なくともそう判断される。既に述べたように、リコータ5は、図2における、構築領域22の幅WBFの方向に移動される。
【0018】
粉末量P1が厚さd2を有する層を塗布するために提供される場合には、最初の近似において、計量容器内のプランジャは、この目的のための差S=d2*(WBF*LBF)/W*L)により、上方向に移動しなければならない。
【0019】
本発明では、物体の断面を製造するために必要な粉末量は、粉末層が塗布される所定の厚さd2に依存するだけではないことを考慮する。これは、図3を参照して視覚化される。
【0020】
図3は、構築プロセス中の物体3の側面図を示す。詳細には、物体3の現在の最上層が示されており、この物体3の最上層は既に固化されており、以下では単に「粉末材料」と称する粉末形状の非固化構築材料18によって左右に隣接されている。図3に示す状態では、新しい粉末材料層31が、物体3の領域内で固化した前の層の上に、既にリコータ5によって塗布されており、すなわち、塗布プロセスは既に終了している。
【0021】
図3において明確に認識されるように、物体3の表面は、固化していないままの粉末18の表面よりも下方にあるので、この位置に沈み込み部30が形成される。この理由は、すでに上述した粉末溶融または軟化プロセスに起因する材料収縮である。
【0022】
図3にも認識されるように、沈み込み部30の領域にさらに多くの粉末が塗布されなければならない。この位置では、新しい粉末層31の厚さは、d2+d1*PVに等しい。ここで、数d1は、固化する前の先行する粉末層の厚みを示すものとする。粉末収縮係数PVは、固化によって前の層の厚みが減少した割合を特徴付けることを意図している。さらに、第1の近似では、d1がd2に等しいと仮定することができることにも留意されたい。しかしながら、塗布されたばかりの層は、厚さd2を有して塗布されたとしても、熱処理またはセトリング処理のために、d2からわずかに異なる厚みを示すこともあり得る。これは、数d1を導入することによって説明されることが意図されている。
【0023】
基本的には、固化時の収縮を補うために追加的に必要な粉末量P2は、全構築領域を固定の安全値だけ所定の厚さd2で被覆するために必要な粉末量P1の増加によって、全体的に簡単に説明することができる。対照的に、これまでに出願人により提案された手法では、収縮を補償するために必要な追加粉末量P2は、各層について選択されずに同じになるのではなく、要件に従って選択される。
【0024】
追加的に必要とされる粉末量P2は、最後に固化された物体の断面の面積Aに依存する。そこで、これまでの出願人により提案される手法では、制御部11は、新たな粉末層を塗布する前に、製造される物体のCADデータにアクセスし、最後に固化した粉末層の固化領域の面積Aを求める。この領域Aに基づいて、収縮の補償のために追加的に必要とされる粉末量が、層の塗布のために提供される。
【0025】
ここまでの出願人による塗布される手法によれば、粉末の使用の最適化は既に可能であるが、実施の形態1の方法によれば、粉末の消費をさらに最適化することができる。
【0026】
この過程で、本発明者らは、構築領域内の最後に照射された領域の向きは、照射領域における粉末収縮を補うために追加的に必要な粉末量に影響を及ぼすという考察から出発した。これは、図4aおよび図4bによって図示される。両図では、構築領域22の図示された領域上に水平方向に層の塗布がそれぞれ施されている。前の層で固化した物体3の断面は、便宜上、細長い矩形で示されている。最後に固化された構築物の断面の面積は、図4aおよび図4bで同じであるが、粉末収縮による収縮を補償するために、図4bのような断面位置でかなり大量の粉末が必要である。
【0027】
図4aにおいて、追加的に必要とされる粉末量は、構築領域の全長LBFを横切って最後に固化した断面領域に充填される。対照的に、図4bでは、追加粉末量が構築領域の全長LBFに沿って必要とされず、追加粉末量は図4bの物体3の断面の上下に必要とされない。それにもかかわらず、計量容器12a内の供給プランジャ12bが追加粉末量P2を構築領域の全長LBFに沿って均一にだけ供給することができるので、これらの領域においては、より多くの粉末が塗布される。従って、これまで製造プロセスを計画する場合には、好ましくは図4aによる状況が存在するように、物体が構築チャンバ内に配置されるように進められた。しかし、すべての物体形状がそのような粉末消費量の最適化を可能にするわけではない。
【0028】
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態1による方法を詳細に説明する。
【0029】
実施の形態1によれば、制御部11は、構築領域22内で最後に照射された物体の断面の位置を証明する。この目的のために、制御部11は、n(n>1)個の狭い帯211に構築領域の分割を行う。このとき、帯211は、X方向すなわち構築領域22の幅WBFの方向、またはリコータ5の移動方向に、それぞれ延びている。製造される物体のCADデータに基づいて、制御部11は、まず、先行する粉末層内で固化した物体の断面がどの帯に存在するかを判断することができる。CADデータからも、先行する粉末層の元の厚さd1が出てくる。ここで、第2工程として、制御部11は、先行する粉末層内で固化した物体の断面が存在する帯221毎に、その帯のX方向(リコータ5の移動する方向)における物体の断面の拡張寸法Xを決定する。収縮の補償に必要な追加粉末量P2を決定するために、リコータ5の移動方向における拡張寸法Xおよび先行する粉末層の層厚d1の帯状の積の最大値(MAX)が、次に使用される。先の粉末層の層厚d1は全ての帯について同じであるので、帯毎に別個に積を決定する必要はないことは明らかであるが、単に最大値(MAX)を得るために、帯の拡張寸法Xの最大値Xmaxをまず決定して、次に層厚d1を乗じることができる。
【0030】
図1の装置の計量容器12a内のプランジャ12bのために得られる移動距離Sは、次式により求められる。
=[LBF*WBF*(d2+SF)+LBF*MAX*PV]/(L*W) (1)
式中、d2は塗布されるべき層の所望の厚みであり、SFは塗布中の粉末損失として考慮される安全係数であり、PVは固化の間に構築材料(18)の層の厚さが収縮する割合を表す。
【0031】
通常、供給プランジャの長さLは、構築領域LBFの長さ(図5のY方向の寸法)と等しくなり、上の方程式は次のように簡略化される。
=[WBF*(d2+SF)+MAX*PV]/W (2)
【0032】
実施の形態1における方法では、最後に固化した物体の断面の全ての位置に十分な粉末が塗布され、粉末収縮による収縮を補償することが保証される。同時に、粉体消費は絶対に必要なものに限られる。
【0033】
上述の方法では、X方向における最後に固化した物体の断面の最大寸法の決定はより正確であり、帯への構築領域の分割における帯の幅はより小さい。実際には、帯の幅が減少するにつれて帯の数が増加し、したがって最大寸法を決定するための時間が増加するので、妥協案が見出されるであろう。1と2センチメートルとの間の値は、帯の幅の例示的な値であり得る。さらに、代替的に、X方向の最大寸法が、記載された帯への分割によるのではなく、別の手法で決定される方法も可能である。最後に、個々の帯の幅は、すべての帯について同じである必要はない。物体の断面に応じて、帯の少なくともいくつかのために異なる幅を選択することが適切であろう。
【0034】
図5では、最後に固化された物体の断面が一体として描かれている。また、例えば、複数の物体が同時に製造される場合、または構築の方向(Z方向)に異なる突起が物体に存在する場合など、複数の相互接続されていない物体の断面が層内で固化する構築プロセスも確かに存在する。ここでは、X方向における個々の物体の断面の寸法を決定し、追加することが重要である。積の最大値(MAX)を決定する場合、全ての固化領域について層厚d1が同じであるため、帯毎の合計の最大値が、リコータ(5)の移動方向における物体の断面の拡張寸法にわたって決定され、層厚d1と乗算される。したがって、上記の式(1)は、このような場合に、以下のように修正されなければならない。
=[LBF*WBF*(d2+SF)+LBF*maxsum*d1*PV]/(L*W) (3)
【0035】
この過程で、sumは、帯i内のX方向の個々の物体の断面の拡張寸法にわたる合計であり、maxsumは、物体の断面の拡張寸法にわたる帯毎の合計にわたる最大値である。帯毎の積における上記の最大値は、MAX=maxsum*d1と等しくなるように追従するべきである。
【0036】
安全係数SFは、装置に依存するパラメータであり、層の塗布中の粉末損失が決定される予備試験によって決定することができる。安全係数SFは、実際に使用される製造装置に依存する。分かりやすくするために、安全係数は、追加粉末量P2を記述するすべての式において詳細には示されていない。
【0037】
粉末収縮係数PVの値は、材料に依存する定数であり、特定の構築材料について目標となる固化条件(例えば、粉末温度、レーザー出力など)のもとで構築材料の収縮中の収縮を調べる簡単な予備試験の後に予め決定することもできる。
【0038】
このように、上述の方法により、塗布される粉末量が必要な粉末量で正確に適合させることができるので、過剰投入による粉末損失を避けることができ、従って粉末を節約することができる。
【0039】
確かに、記載された手法は、具体的に記載された計量装置12に関連するだけでなく、実行可能である。計量装置12が供給プランジャを使用せず、例えば構築平面4の上方に配置されている場合には、最大値に応じて追加粉末量P2の量を決定することが一般的に重要である。上記の式(1)および(3)と同様に、以下の式が得られる。
Volume(P1)+Volume(P2)=LBF*WBF*(d2+SF)+LBF*MAX*PV (1’)
および、
Volume(P1)+Volume(P2)=LBF*WBF*(d2+SF)+LBF*maxsum*d1*PV (3’)
【0040】
(実施の形態2)
特に、より大きな構築物の場合には、異なる領域の物体の断面において、粉末の異なる層の厚みが固化されることが生じる。これは、例えば、いわゆるシェルコア構造に該当する。
【0041】
シェルコア構造では、固化が、ある物体の断面の境界領域(輪郭領域またはシェル領域)において特定の層厚(例えば20μm)を有する粉末層の塗布の後で、それぞれ実行される。物体の断面の内側領域は、常にm個の層毎に、例えば、3層毎に一回だけ、すなわち、常に各第m番目の層の塗布の後にだけ固化される。その結果、内側領域(コア領域)では、m*d1の厚みを有する粉末層が固化中に存在し、一方、境界領域では、厚さd1を有する粉末層が固化処理中常に存在する。このため、粉末収縮中の収縮は、コア領域では輪郭領域よりもかなり大きい。d1の値を20μmと仮定し、コア領域が3層毎に固化すると仮定して開始する場合には、厚さ60μmの粉末層がコア領域に、厚さ20μmの粉末層が輪郭領域に収縮されていく。上述の粉末収縮係数PVの値が0.5であると仮定する場合には、収縮はコア領域で30μmであり、一方、収縮は輪郭領域でわずか10μmであることが分かる。
【0042】
物体の断面の異なる領域における収縮が異なるため、収縮を補償するために必要な追加の粉末は、構築領域の異なる領域においても異なる。この事実を考慮すると、構築プロセス中における各層の塗布の前に、制御部11によって新たに計算された上記の式(1’)は、次のようにわずかに修正することができる。
=[LBF*WBF*(d2+SF+max(x1*d1+x11*d11)*LBF*PV]/(L*W) (4)
【0043】
ここで、追加の粉末層の厚さd11が導入され、各帯について、x方向に厚さd11を有する固化領域の拡張寸法x11に厚さd11を乗じたものと、x方向に厚さd1を有する固化領域の拡張寸法x1と、厚さd1との積が、ここに加えられる(x方向は、構築領域22の幅WBFの方向である)。式(4)によれば、次に、このようにして決定された帯毎の最大値maxは、追加粉末量P2の決定の基礎とされる。したがって、最大値maxは、上記の最大値MAXに相当する。
【0044】
図6では、この手順をもう一度簡単に説明する。
【0045】
コア領域33には、最後に固化した粉末層の厚さd11が存在し、ハッチング線の輪郭領域32には厚さd1が存在する。Sを計算する場合、先の粉末層で固化した物体の断面が存在する各帯内で、固化領域33の寸法にわたって合計し、その合計に厚さd11を乗じたものにX方向の固化領域32の拡張寸法の合計の積を加え、ここに厚さd1が加えられる。続いて、このように帯毎に決定された値の最大値が決定され、追加粉末量の計量のための基礎として採用される(追加粉末量は、この最大値に比例して選択される)。
【0046】
手順は、もちろん、最後の固化領域における2つだけの異なる層の厚さの存在に限定されない。異なる層の厚さdj(1≦j≦k)を有するk個の領域(k>1)について、制御ユニットは、より一般的に、供給プランジャの移動距離を、次のように決定することができる。
=[LBF*WBF*(d2+SF)+max(x1*d1+・・・xj*dj・・・xk*dk)*LBF*PV]/(LD*WD) (5)
【0047】
計量装置12が供給プランジャを使用しない場合、粉末量P1およびP2は、上記の式(4)および(5)と同様に、次のように、制御部11によって決定される。
Volume(P1)+Volume(P2)=LBF*WBF*(d2+SF+max(x1*d1+x11*d11)*LBF*PV (4’)
および、
Volume(P1)+Volume(P2)=LBF*WBF*(d2+SF)+max(x1*d1+・・・xj*dj・・・xk*dk)*LBF*PV (5’)
【0048】
ここでも、maxは、物体の断面が存在する全ての帯について決定された値の最大値である。この塗布の計算では、複数の帯に分割した全n個の帯にすることが考えられるが、物体の断面が計算の基礎として実際に存在するこれらの帯のみを取ることが有用である。
【0049】
最後に、同じ厚さを有するいくつかの固化領域が、複数の帯への帯の分割が可能である場合には、式(5)および(5’)は、式(3)を類推することにより修正することができる。
=[LBF*WBF*(d2+SF)+max(sumx1*d1+・・・+sumxj*dj+・・・+sumxk*dk)*LBF*PV]/(LD*WD) (6)
または、
Volume(P1)+Volume(P2)=LBF*WBF*(d2+SF)+max(sumx1*d1+・・・+sumxj*dj+・・・+sumxk*dk)*LBF*PV (6’)
【0050】
この過程で、sumx1は、帯内に存在する厚さd1を有する固化領域のx方向の全寸法にわたる合計であり、sumxjは、帯内に存在する厚さdjを有する固化領域のx方向の全寸法にわたる合計であり、sumxkは、帯内に存在する厚さdkを有する固化領域のx方向の全寸法にわたる合計である。
【0051】
最後に、上記の式(6)および(6’)は、異なる層厚を有する2つの領域のみが存在する場合にも、適用可能であることに留意すべきである。
【0052】
実施の形態1と同様に、実施の形態2においても、計量装置の長さLは、好ましくは、構築領域の長さLBFに等しい。
【0053】
(実施の形態3)
第3の実施形態によれば、図1の装置に示されている計量装置12は、具体的には、計量容器12aの幅Wの方向、すなわちリコータ5の移動方向に垂直に、いくつかの供給プランジャ12bが互いに隣接して配置されるように設計されている。
【0054】
供給プランジャ12bの各々は、高さ調整装置を介して他の供給プランジャ12bとは独立して高さ調節可能である。これにより、制御部11は、新しい層の塗布の前に、供給プランジャ12bが異なる高さに持ち上げるように、供給プランジャ12bを制御することができる。これにより、構築領域22の長さLBFに沿って、すなわちリコータ5の移動方向に垂直に、層塗布のために異なる多くの粉末量を提供することが可能になる。
【0055】
上述した計量装置12の設計では、粉末塗布は、特定の成果により最適化することができる。
【0056】
新しい粉末層を塗布する前に、制御部11は、y方向、すなわちリコータの移動方向に垂直な方向のどの点に、最後に固化した物体断面、または最後に固化した複数の物体断面が位置しているかを決定する。これらの位置では、対応する供給プランジャ12bをより大きい距離だけ上方に移動させることによって、計量装置12により粉末の量を増加させることができる。
【0057】
もちろん、実施の形態3に係る計量装置12は、実施の形態1および2で説明したような3次元物体の層毎の生成製造を行うための装置と組み合わせることもできる。特に、実施の形態1および2の組み合わせにおいて説明した方法のそれぞれは、そこに記載された変更の可能性を含めて、実施の形態3で説明した計量装置12を使用しても実行することもできる。
【0058】
好ましい態様では、複数の帯に分割される特定な複数の帯は、各供給プランジャに割り当てられる。特に好ましい展開ではさらに、ちょうど1つの供給プランジャ12bが、制御部11によって実行される複数の帯に分割される各帯に対応する。これは、各帯が、その幅が供給プランジャの幅に等しい構築領域の幅WBFの方向にある供給プランジャに対応するように選択されることを意味する。この場合、(ちょうど)必要な粉末量を、この帯内の構築領域22の幅方向にある最後に固化した物体の断面の拡張寸法を考慮して決定された各帯に供給することができる。
【0059】
供給プランジャ12bの各々は、次いで、この供給プランジャ12nに(1つだけの場合さえあり得る)「割り当てられた」帯に必要な粉末量の最大値に基づいて決定された距離だけ持ち上げられる。従って、(ちょうど1つの帯が各プランジャに割り当てられるという簡単な仮定の下で)式(1)の類推によって、供給プランジャ12bの1つの移動距離Sを求める。
=[WBF*(d2+SF)+MAX*PV]/(W) (1’’’)
【0060】
最大値MAXは、全ての帯にわたって形成されるのではなく、供給プランジャ12bに「割り当てられた」帯にのみ関連して形成されることに留意されたい。
【0061】
上記の式(3)から(5)が適用される場合について、これらの式の類推によって各プランジャの移動距離を求める。
=[WBF*(d2+SF)+sumd1*PV]/(W) (3’’’)
=[WBF*(d2+SF)+x1*d1*PV]/(W) (4’’’)
=[WBF*(d2+SF)+(x1*d1+・・・+xj*dj+・・・+xk*dk)*PV]/(W) (5’’’)
【0062】
x1とxjとは、帯iのもとの厚さd1またはd11を有する固化領域の寸法に等しく、xjは、帯iのもとの厚さdjを有する固化領域の寸法に等しい。
【0063】
以上に説明した実施の形態3の構成によれば、供給プランジャ12bが計量装置12内で持ち上げられた後に、リコータ5が塗布粉末を構築領域22に押し出す。異なる供給プランジャ12bにより提供される粉末の塗布量の違いを、横方向(構築領域22の長手方向)の移動によって減少していくのを防止するために、リコータ5は、好ましくは、リコータ5の移動方向に延びる複数の壁である複数の分離壁を備えてもよい。好ましくは、複数の分離壁は、それぞれ2つの供給プランジャ12bが互いに隣接する位置に、ちょうど配置される。
【0064】
最後に、実施の形態3に関して、リコータの移動方向に垂直な個々のプランジャの寸法が、全て等しい必要はないことに留意すべきである。これに対応して、複数の帯への分割における帯の幅yiも、互いに全て等しくなくてもよい。
【0065】
(実施の形態4)
実施の形態4によれば、図1の製造装置における計量装置12の代わりとリコータ5の代わりに、計量(または粉末投入)装置が既に組み込まれたリコータ15が使用される。このようなリコータ15を用いた塗布の原理が、図7に基づいて説明され、図7は、構築領域4の上をリコータ15が通る概略横断面図を示している。
【0066】
図7には、移動方向Bに構築平面4を横切ってリコータ15が移動する間のスナップショットが示されている。断面図では、物体3内の固化した層領域を明示する。前の層の塗布から非固化のままの粉末18では、層の配置は示されていない。ここで、固化層領域および非固化のままの粉末の高さは、特に図3に関して言及されたことがここでも当てはまるが、便宜のため、等しく描かれている。リコータ15は、実質的に、互いに間隔を開けて移動方向Bに配置された2つの塗布ブレード16からなる。この2つのブレード16は、移動方向Bに垂直に、好ましくは構築領域の全長LBFにわたって、互いに平行に延びている。すなわち、その移動方向に垂直なリコータの長さLは、好ましくは長さLFBに等しい。2つのブレード16の間で、リコータ15は、層31の塗布に必要な粉末リザーブ37を備える貯蔵室17を含む。貯蔵室17の下端部には、リコータ15の移動中に構築材料が出ることができる開口部20があり、この構築材料は厚さd2を有する層を形成する。
【0067】
本発明によれば、貯蔵室17は、移動方向に垂直な方向(図7では図面平面に向かう方向)に互いに隣接して(または互いに当接して)配置された複数の貯蔵チャンバ17a、17bに細分化される。図8は、この点に関して、上から斜めに、すなわち図7と同じ側方視野位置からであるが、高い位置から観察した場合の、本発明によるリコータの1つの実施の形態を示している。
【0068】
図8において、リコータは、リコータの移動方向と直交する方向に直線状の複数の貯蔵チャンバ17a、17bを備える。図8のリコータの特徴は、2つの貯蔵チャンバ17aおよび17bが、リコータの移動方向に配置されていることである。しかしながら、これは一般的そうである必要はなく、また、リコータの移動方向での2つの貯蔵チャンバ17aおよび17bへの細分化を省略することもできる。
【0069】
従って、複数の貯蔵チャンバを有するリコータ115は、リコータの移動方向と直交する方向に貯蔵チャンバが配置された計量装置としてみなすことができ、互いに独立して層塗布の間に塗布される粉末材料の量を予め定義することができる複数の粉体供給装置としてみなすことができる。
【0070】
リコータの移動方向に垂直な位置にいくつかの貯蔵チャンバを設けることにより、これらの貯蔵チャンバは移動方向に垂直な方向に沿って異なる充填量を持つことができるので、移動方向に垂直な方向はで構築領域22の異なる位置に異なる粉末量を供給することができる。それにもかかわらず、本発明によるリコータは、例えば、図4bに示された場合、粉末を節約させる層の塗布を可能にする:既に層の塗布の間に固化している領域3を上塗りするこれらの貯蔵チャンバだけが、厚さd2を有する層に粉末量P1を加えて、固化領域3における収縮が補うための追加粉末量P2をより多く備えるべきである。従って、ここでもまた、前に実施された粉末の需要の決定に基づいて最適化された粉末の計量を達成するために、塗布の方向に垂直に配置されたそれぞれの貯蔵チャンバでのそれぞれの計算式に従って、先に決定された(実質的に)粉末の需要を正確に供給することが可能である。さらに、物体3の領域のみに新しい構築材料層を塗布することも可能であるが、構築領域の他の領域には塗布することはできない。
【0071】
さらに、図8に見えるスライダ19a、19bによって、2つの貯蔵チャンバ17aおよび17bの底部の開口部20a、20bは、互いに独立して閉じることができる。これらの任意の閉鎖機構は、好ましくは制御部11によって制御可能であり、いくつかの貯蔵チャンバからの粉末の排出を、選択的に不能にするか、または抑制することができる。これにより、移動方向と直交する方向での構築領域の選択位置に供給する粉末を、柔軟に停止させることができる。
【0072】
これ以上に、リコータの移動の間に、いくつかの、またはすべての貯蔵チャンバからの粉末供給をオンまたはオフにすることも、さらになお追加することができる。これにより、移動方向に平行な位置に限定した構築領域の領域にのみ塗布(すなわち、コーティング)することができる。したがって、例えば、図4aの固化領域の領域にのみに粉末層を塗布することが可能となる。
【0073】
複数のスライダの代わりに、複数の貯蔵チャンバの下端の粉体の排出をオンし、オフする(または、切り替える)ことができる他のすべての閉鎖機構も適している。ここで、例えば、複数の閉鎖可能なフラップ、複数のノズルだけでなく、ブレードシャッター(または、絞り)も可能である。
【0074】
本発明による計量装置の変形例では、複数の閉鎖装置19a、19bの開度が制御可能である。これにより、移動方向に垂直な異なる位置の構築領域に供給される粉末の量は、特に簡単に調整することができる。貯蔵チャンバの充填度によって供給される粉末量を調整する代わりに、粉末排出率は単に貯蔵チャンバの底部の開口部の開度によって調整される。
【0075】
実施の形態4のさらなる変形例では、複数の貯蔵チャンバの少なくとも1つは、他の貯蔵チャンバから提供された粉末形状の構築材料18とは異なる粉末材料で充填されている。これにより、例えば、物体の異なる部分は、異なる構築材料から製造することができる。
【0076】
図8に示す計量装置として機能する本発明によるリコータの特定の実施の形態は、移動方向に垂直な方向に沿った位置にそれぞれ2つの貯蔵チャンバ17aおよび17bがあることを特徴とする。それぞれの第2のチャンバは、最初は、粉末の塗布のために特に大量の粉末が必要とされる移動方向に垂直な方向に沿ったこれらの位置にのみ、常に充填される。しかし、ある位置に2つ(または、それ以上)の貯蔵チャンバを設けることの特別な利点は、2つの貯蔵チャンバ17a、17bが異なる材料で充填されている場合に生じる。そのような場合には、複数の閉鎖装置19aおよび19bの対応する作動によって、移動方向に垂直な位置で粉末の塗布のためのリコータの移動中に、どの材料が使用されるかが調整される。これにより、構築領域の任意の位置毎に供給される構築材料を調整することができる。一方、リコータの移動方向において、供給される粉末材料の局所的に正確な調整は、原則として、リコータの移動速度に対する閉鎖装置19a、19bの作動速度によって制限され、移動方向に垂直な方向では、この位置の精度が、計量チャンバ17a、17bの数、または移動方向に垂直な寸法によって、予め定義されている。したがって、対応する計量チャンバ17a、17bを選択することにより、局所的、且つ、制御された方法で、塗布方向に対して横方向だけでなく、塗布方向と同じ方向にも、異なる材料を塗布することができる。
【0077】
リコータの移動方向に粉末材料を供給可能ないくつかの貯蔵チャンバ17a、17bを設けた場合、粉末がこれらの貯蔵チャンバからリコータの移動方向における特定の位置に塗布される時の精度は、図8で直接認めることができるように、貯蔵チャンバ17a、17bが、移動方向における異なった位置に設置されるという要因により、悪影響を受けるかもしれない。貯蔵チャンバ17aの部分と貯蔵チャンバ17bの部分とが、図8における移動方向に垂直に開かれている場合、貯蔵チャンバ17aからの粉末は、貯蔵チャンバ17bからの粉末とは異なる位置に堆積される(図8のリコータは、左から右に、またはその逆のどちらかに動く)。原理的には、この効果は、粉末同士の混合のために、貯蔵チャンバ17a、17bから異なる粉末を同時に塗布するために、順番に使用することができる。事情に応じて、リコータの振動運動によって支持される。
【0078】
この問題は、リコータの図9から図12に示される特定の変形例、および、図8に示された実施の形態4のリコータの図13に示されるさらなる特定の変形例が使用される場合に、対処することができる。この過程において、図9から図12は、具体的に変更されたリコータの横断面をそれぞれ示し、図13は、さらに具体的に変更されたリコータの上面図を示し、ここでは、移動方向に連続して配置された貯蔵チャンバ170a、170bまたは、180aから180cまたは、190a、190bが、それぞれ示されている。図9から図12に示す多数の貯蔵チャンバのぺアまたはトリプルは、このように、対応するリコータ150または180内で、移動方向(すなわち、図面平面を貫いて)に垂直に並んで配置されている。したがって、これらのぺアまたはトリプルのそれぞれは、既に上でさらに言及した粉末供給装置として見ることができる。
【0079】
具体的に変更されたリコータ、および、さらに特別に変更されたリコータでは、貯蔵チャンバ170a、170b、または180aから180c、または190a、190bのそれぞれには、特に、貯蔵チャンバの下端部での粉末の排出をオンとオフする(切り替える)ことができる閉鎖装置が設けられている。ここでもまた、例えば、 閉鎖可能なフラップ、スライダ、ノズルだけでなく、羽根付きシャッタ(または絞り)も閉鎖装置として可能である。
【0080】
具体的に変更されたリコータの特定の機能は、図9から直接収集される。ここで示されているペアの貯蔵チャンバ170a、170bは、リコータの移動方向に対して垂直に延びる旋回軸151を介して、リコータ150内で旋回する、または逸脱することができる。これにより、例えば、貯蔵チャンバ170bからの粉末の排出を貯蔵チャンバ170aからの粉末の排出に切り替える場合には、それに対応する閉鎖装置(図示せず)の作動によって、ペアの貯蔵チャンバを同時に旋回することが可能である。一方、図9の左半分には、貯蔵チャンバ170bの出口がペアの貯蔵チャンバの下方に配置された排出開口部175の上方に配置され、図9の右半分には、貯蔵チャンバ170aがリコータ内に固定された位置を有する排出開口部175上に配置されている。このように、図9に示すペアの貯蔵チャンバの両方の状態では、一方の貯蔵チャンバから他方の貯蔵チャンバに切り替えることにより、構築材料がリコータを出る位置で、リコータに対する相対的な位置が変化しないように、粉末は同じ出口開口部を通って構築領域に到達する。
【0081】
このリコータでは、提供されたペアの貯蔵チャンバ170a、170bのそれぞれに割り当てられた別個の排出開口部175を設けることが可能である。しかし、ちょうど同じように、共通排出開口部175は、いくつかの隣接するペアの貯蔵チャンバに割り当てられてもよく、細長い形状を有するとともに、リコータの移動方向に対して横方向に延びている。具体的には、共通出口開口部175は、リコータ内に設けられた全ての隣接するペアの貯蔵チャンバに割り当てられてもよい。
【0082】
旋回軸151を中心としたペアの貯蔵チャンバの旋回は、サーボモータ、またはステップモータまたはピエゾモータによって達成することができる。この過程において、必ずしも隣接している必要はないいくつかのペアの貯蔵チャンバを一緒に旋回させることもできる。特に、いくつかのペアの貯蔵チャンバは、1つのサーボモータに共同で割り当てることもできる。旋回軸は、いくつかのペアの貯蔵チャンバを通って延びるシャフト、具体的には、ペアの貯蔵チャンバが旋回可能に取り付けられたリコータ全体に沿って延びるシャフトであってもよい。しかし、このような共通のシャフトを省略することもでき、その結果、個々のペアの貯蔵チャンバにそれぞれ個々のシャフトが設けられる。
【0083】
複数の貯蔵チャンバ内の閉鎖装置の作動および旋回は、適切に選択された制御信号によって互いに時間的に調整されてもよい。別の選択肢は、例えば、旋回処理によって、例えば、閉鎖装置の運動との、旋回処理の機械的な運動連結によって、および/または、ばねに基づく機構によって、閉鎖装置を作動させることからなる。
【0084】
図10は、底部に変形した複数の開口部を有するペアの貯蔵チャンバを示している。図10において、複数の貯蔵チャンバは、その底部に斜面152a、152bを備えている。これにより、旋回の場合には、複数の貯蔵チャンバの下端部が作業平面4と実質的に平行であり、これにより、複数の貯蔵チャンバから図示しない排出開口部175への妨害されない粉末の排出を可能にする。
【0085】
図11は同様に、底部に変形した開口部を有するペアの貯蔵チャンバを示す。図11において、貯蔵チャンバは、その底部に丸み153a、153bが設けられている。これにより、旋回の場合、貯蔵チャンバの下端部は、様々な旋回位置のために作業平面4に実質的に平行である。従って、粉末は、既に旋回運動中であっても実質的に妨げられずに排出することができ、粉末塗布のスピードアップを可能にする。
【0086】
図12に示されたリコータ180の貯蔵チャンバのトリプル180a、180b、180cに基づいて、2つ以上の貯蔵チャンバでも移動方向に容易に連続的に配置できることが示される。旋回軸181の位置は、ここでも同様に、移動方向でのトリプルの貯蔵チャンバの寸法に対して対称的である。これは非常に適切であるが、必ずしもそうである必要はない。図12には、これらの旋回位置が示されており、その位置で粉末が貯蔵チャンバ180aまたは貯蔵チャンバ180cからリコータ内の図示されていない排出開口部175に排出する。図示されていない中間位置(トリプルの貯蔵チャンバが旋回しない場合)では、貯蔵チャンバ180bの下開口部は排出開口部175の上方に横たわる。図10及び図11に示す複数の貯蔵チャンバの底部の変形は、同様の方法で図12に示すトリプルの貯蔵チャンバにも適用可能である。最後に、より一般的には、n個の貯蔵チャンバをリコータ内の移動方向に連続的に配置するとともに、場合によっては旋回させることも可能であり、ここでのnは自然数である。リコータ内の移動方向での貯蔵チャンバの寸法が小さいほど、それらのうちのより多くが連続して配置されてもよい。
【0087】
図13は、既に述べたように、実施の形態4のリコータの更なる特定の変形例を示している。この過程で、図13は、リコータの上方からの非常に概略的な上面図である。図13では、リコータ内で移動方向に連続的に配置されたペアの貯蔵チャンバ190a、190bを見ることができる。図9から図12と同様に、ペアの貯蔵チャンバは、一方または他方の貯蔵部のいずれかが、排出開口部175の概略的に示された位置の上にあるように再び移動させられる。しかしながら、図13に示す具体的な変形例では、ペアの貯蔵チャンバの旋回は行われないが、移動方向における水平な移動、または移動方向と反対の方向における水平な移動が行われ、再度、サーボモータによって達成することができる。それとは別に、図9から図12に関連して説明した全ての詳細及び変形選択肢は、同様に適用可能である。
【0088】
図9から図12及び図13の変形例は互いに、貯蔵チャンバが移動方向に水平移動するともに旋回されるように、組み合わせることができる。この場合においても、図9から図12に関連して説明した全ての詳細及び変形選択肢は、同様に図13の変形例に適用可能である。
【0089】
本発明の実施の形態4による計量装置は、もちろん、実施の形態1と実施の形態2とで説明したように、3次元物体の層毎の生成的製造のための装置と組み合わせることもできる。特に、実施の形態1と実施の形態2とを組み合わせて説明されたそれぞれの方法でも、それらに説明された変形の可能性が含まれ、本発明の実施の形態4による計量装置を用いて実行することもできる。
【0090】
特に、制御部11が、粉末形状の構築材料の必要な塗布量を決定するために構築領域22のCADモデルの帯毎の分割を実行する場合、制御部11は、前の層のこの帯に既に存在する固化領域を考慮して、各帯のために必要な粉末量を別個に決定することができる帯の幅yの場合、制御部11は、式(1’)の変形例において、各帯iについて必要な粉末の分量を決定する。
Volume(P1)+Volume(P2)=y*WBF*(d2+SF)+y*MAX*PV (1’’)
式中、MAXは、この帯内の固化領域の層厚d1とこの帯内の固化領域の移動方向の寸法xとの積である。方程式(3’)、(4’)および(5’)と同様にして、
Volume(P1)+Volume(P2)=y*WBF*(d2+SF)+y*sum*d1*PV (3’’)
Volume(P1)+Volume(P2)=y*WBF*(d2+SF)+y*(x1*d1+x11*d11)*PV (4’’)
または、
Volume(P1)+Volume(P2)=y*WBF*(d2+SF)+y*PV*(x1*d1+・・・+xj*dj+・・・+xk*dk) (5’’)
であり、x1およびx11は、帯iにおける元の厚さd1またはd11を有する固化領域の寸法に等しく、xjは、帯iにおける元の厚さdjを有する固化領域の寸法に等しい。
【0091】
同時に、ちょうど1つの貯蔵チャンバ17a、17bが、制御部11によって行なわれる複数の帯に分割された各帯に対応する場合、正確に帯内の移動方向での最後に固化した物体の断面の拡張寸法を考慮して決定された追加粉末量P2は、各帯に割り当てられた貯蔵チャンバ17a、17bにより供給することができる。
【0092】
最後に、実施の形態4に関して、移動方向に垂直な個々の貯蔵チャンバの寸法が全て等しくなければならないわけではないことに留意すべきである。これに対応して、複数の帯への分割における帯の幅yiも、互いに全て等しくなければならないわけではない。さらに、いくつかの帯を1つの貯蔵チャンバに割り当てることができ、その場合、これらの帯のリコータの移動方向に垂直な全寸法は、割り当てられた貯蔵チャンバの、リコータの移動方向に対して垂直な寸法と等しいことが、好ましい。
【0093】
さらに、本発明の実施の形態4は、変形することもできる。構築領域22の左および/または右の側部に、図1および図7での粉末計量装置が配置され、その計量装置が、リコータと同様にリコータの移動方向に垂直に細分され、リコータの個々の貯蔵チャンバに粉末量P1とP2を別々に供給する。
【0094】
さらに、リコータ15は、1つの塗布ブレード16のみを備えてもよく、塗布ブレード16の前方の貯蔵チャンバから、リコータの移動方向に粉末が常に到達することが保証される。
【0095】
リコータ内の貯蔵チャンバの形状には複数の可能性がある。長方形または正方形の断面が、おそらく最も簡単である。また、構築平面4に平行な貯蔵チャンバの寸法には、複数の可能性がある。寸法が小さいほど、粉末塗布中の精度は高くなる。このようにして、例えば、構築平面4に平行な貯蔵チャンバの最大直径を少なくとも0.2mm、好ましくは少なくとも0.5mm、特に好ましくは少なくとも1mmおよび/または最大10mm、好ましくは最大5mm、特に好ましくは最大2mmとして設定することができる。
【0096】
本発明は、全ての実施形態において、レーザ焼結装置に基づいて記載されているが、レーザ焼結またはレーザ溶融に限定されない。これは、粉末形状の構築材料の層毎に塗布と選択的な固化とにより、3次元物体を製造するための任意の方法に適用することができる。したがって、例えば、レーザの代わりに、粉末形状の構築材料を固化させるのに適したLED(発光ダイオード)、LEDアレイ、電子ビーム、または、任意の他のエネルギー源もしくは放射源を使用することができる。本発明は、レーザビームの代わりにマスクおよび拡張された光源が使用される選択的なマスク焼結、または吸収、または抑制焼結にも適用することができる。さらに、粉末材料を選択的に固化させるために接着剤が供給される3D印刷のプロセスにも適用することができる。
【0097】
最後に、すべての実施の形態において、本発明は、矩形の構築領域22または構築領域を横切って直線的に移動するリコータに限定されない。実際には、リコータは、直線の形状の代わりに湾曲した形状を有していてもよく、および/または湾曲した走行経路に追従して構築領域を横切って移動してもよい。これに対応して、複数の帯への分割における複数の帯も、帯の幅が変化しない必要はあるが、必ずしも直線状である必要はない。また、実施の形態3および実施の形態4の計量装置は、必ずしも直線的に隣接して配置する必要はなく、リコータの形状に合わせて配置してもよい。
【0098】
既に上述したように、本発明による方法は、好ましくは、製造装置内の制御部11によって実行される。この過程で、この方法は、ハードウェア構成要素によって部分的にまたは完全に実施されてもよいし、あるいは制御部11によって実行されるコンピュータプログラムの形で完全に実施されてもよい。
【0099】
制御部11はさらに、製造装置から空間的に分離されたユニット、特に、事前計算ユニット、または、本発明による方法で層のために合計で必要とされる追加粉末量を操作中に決定する粉末需要決定ユニットを含むことができる 。好ましくは、粉末需要決定ユニットは、層データ入力部と、層データ入力ユニットを介して受信した厚さd1を有する部分的に固化された粉末層のデータと、層データ入力ユニットを介して受信した粉末形状の構築材料の連続する層毎の固化によって少なくとも1つの3次元物体(3)を製造するための製造装置におけるリコータ(5)の移動方向に関する方向の情報とから、リコータ(5)の移動方向(B)における部分的に固化された層におけるこの固化領域の寸法と、層厚d1との積の最大値(MAX)を決定するとともに、製造中の部分的に固化された層に続く厚さd2を有する層の塗布のための最大値(MAX)の値に比例して追加粉末量(P2)を決定するように構成される粉末量決定ユニットと、追加粉末量出力ユニットとを備える。層データ入力部および追加粉末量出力部は、好ましくは、データを受信または出力するためのインターフェースである。このとき、層データ入力部は、例えば、製造プロセスのために制御部11または制御部11の他の部分によってもアクセスされる製造される物体のコンピュータ支援モデルにアクセスする。さらに、層データ入力部は、制御部11、または制御部11の他の部分、または製造装置のから最後の凝固層に関する情報を受け取ることも可能である。追加粉末量出力部は、追加粉末量P2を記述したデータを、制御部11または製造装置の他の部分に出力する。これにより、リコータの移動方向における前もって塗布された層の固化領域の寸法とその厚みとの積の最大値に比例する少なくとも1つの追加粉末量は、厚さd2を有する層に必要な粉末に加えられる。また、このような事前計算ユニットも同様に本発明の主題であり、上述した本発明の他の特徴または本発明の変形例のそれぞれにより、(該当する場合)さらに発展させることができる。
【0100】
同様に、本発明はまた、構築領域内の粉末形状の構築材料の層毎の固化によって3次元物体を製造するための製造装置における、粉末形状の構築材料を計量(また粉末投入)するための計量方法も含み、製造装置は、構築領域における構築材料の層の塗布のために構築領域を横切って移動可能なリコータを備え、構築材料は、リコータの移動方向に垂直に隣接して配置される計量装置のいくつかの(または複数の)粉末供給装置によって計量される。
【0101】
[付記]
[付記1]
粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化によって構築領域(22)に少なくとも1つの3次元物体(3)を製造する方法であって、
前記構築材料(18)を塗布するために、リコータ(5、15)を予め定められた方向(B)に、既に前もって塗布された層、特に既に固化した領域を横切って移動させ、前記少なくとも1つの物体(3)の断面の少なくとも一部分に対応する領域において固化された、既に前もって塗布された前記構築材料の層の上に、予め定められた厚さd2を有する前記粉末形状の構築材料(18)の層(31)を塗布するステップa)と、
前記少なくとも1つの3次元物体(3)の前記断面の少なくとも一部分に対応する前記塗布された層の領域でステップa)において塗布された前記粉末形状の構築材料を固化させるステップb)と、
を備え、
前記ステップa)および前記ステップb)は、前記少なく1つの3次元物体(3)の全ての断面が固化されるまで数回繰り返され、
前記ステップa)による層の塗布に先立ち、前に塗布された前記層の厚さd1を有する固化領域について、前記リコータ(5)の移動方向(B)におけるこの固化領域の寸法と厚さd1との積の最大値(MAX)が決定され、d1は固化前の厚さであり、
前記ステップa)における前記層の塗布の間に、最大値(MAX)の値に比例する少なくとも1つの追加粉末量(P2)が、前記厚さd2を有する層に必要とされる前記粉末量(P1)に加えて提供される、
方法。
【0102】
[付記2]
製造される前記少なくとも1つの物体(3)のコンピュータに基づくモデルが、前記最大値(MAX)を決定するためにアクセスされる付記1に記載の方法。
【0103】
[付記3]
前記最大値(MAX)を決定するために、n個の帯への、前記リコータ(5,15)によって覆われる前記前もって塗布された層の前記領域のコンピュータ支援の分割が実行され、n>1が有効であり、前記帯は前記リコータ(5、15)の移動方向(B)に向かって延び、
前記リコータ(5、15)の移動方向(B)における前記厚さd1を有する固化領域の前記寸法xは、各帯iにおいて決定され、1≦i≦nが有効であり、
前記リコータ(5、15)の移動方向(B)における固化領域の前記寸法xと前記層厚d1との帯毎の積の前記最大値が最大値(MAX)として用いられる、
付記1または2に記載の方法。
【0104】
[付記4]
前記ステップa)において、前記厚さd2を有する層が、厚さdjのk個の異なる層を有するk個の固化領域を備える既に前もって塗布された前記構築材料の層の上に塗布され、1≦j≦kで有効であり、kは1より大きい自然数であり、各帯について、前記リコータ(5、15)の移動方向(B)におけるこの帯における前記固化領域jの寸法xと、前記対応する層の厚さdjと、このように決定される帯になった部分の値の最大値との積を合計した値が最大値(MAX)として使用される、
付記3に記載の方法。
【0105】
[付記5]
前記リコータ(5、15)の移動方向(B)において特定の厚さを有する固化領域の寸法を決定するために、前記リコータ(5、15)の前記移動方向(B)におけるこの領域の不連続部分領域の前記寸法の合計が実行される、
付記1から4の何れか一つに記載の方法。
【0106】
[付記6]
前記追加粉末量(P2)の前記容積は、前記最大値(MAX)と、粉末収縮係数(PV)と、前記リコータ(5,15)の前記移動方向に垂直に前もって塗布された前記粉末層の寸法(LBF)との積と少なくとも同じ大きさになるように選択され、前記粉末収縮係数(PV)は、固化中の前記構築材料(18)の前記層厚の前記収縮率を表し、好ましくは、使用された前記粉末形状の構築材料(18)についての経験的予備試験によって決定される、
付記1から5の何れか一つに記載の方法。
【0107】
[付記7]
構築領域(22)内の粉末形状の構築材料(18)の層に塗布するための前記構築領域(22)を横切って移動可能なリコータ(5,15)を備える、前記構築領域(22)内の前記粉末形状の構築材料(18)の層毎の固化によって3次元物体(3)を製造するための製造装置で使用するための計量装置であって、
前記計量装置は、前記リコータ(5、15)の前記移動方向に垂直に隣接して配置される、いくつかの粉末供給装置(12b、17a、17b)を備える、
計量装置。
【0108】
[付記8]
前記粉末供給装置(12b、17a、17b)は、前記リコータ(5、15)による層の塗布のために、前記移動方向(B)に垂直な方向に、互いから異なる前記粉末形状の構築材料(18)の量を供給することができるように構成される、
付記7に記載の計量装置。
【0109】
[付記9]
前記構築材料の供給は、前記リコータ(15)の移動をしている間に、少なくとも1つの前記粉末供給装置(17a、17b)において、好ましくは、全ての前記粉末供給装置(17a、17b)において、オンおよび/またはオフに切り替えることができる、
付記7または8に記載の計量装置。
【0110】
[付記10]
少なくとも1つの前記粉末供給装置(17a、17b)、好ましくは、全ての前記粉末供給装置(17a、17b)は、前記リコータの移動方向に複数の部分チャンバに細分されており、前記粉末形状の構築材料は、前記部分チャンバの1つからそれぞれ選択的に供給されることが可能である、
付記7から9の何れか一つに記載の計量装置。
【0111】
[付記11]
前記リコータの移動方向における部分チャンバ(170a、170b、180a−180c、190a、190b)に細分された粉末供給装置は、前記粉末供給装置の移動によって、前記部分チャンバのそれぞれの下端部が前記リコータに供給される排出開口部(175)上に位置することができ、前記排出開口部(175)を通って前記構築材料(18)が、塗布の間、前記構築領域(22)に供給されるように構成される、
付記10に記載の計量装置。
【0112】
[付記12]
いくつかの粉末供給装置は一緒に移動可能である、
付記11に記載の計量装置。
【0113】
[付記13]
前記リコータに設けられた前記排出開口部は、前記移動方向に垂直に隣接して配置される、いくつかの前記排出開口部に細分され、好ましくは、個別の排出開口部が各粉末供給装置に割り当てられる、
付記10または11に記載の計量装置。
【0114】
[付記14]
前記部分チャンバの前記底部を前記排出開口部の上方に位置決めするための粉体供給装置の前記移動は、前記リコータの前記移動方向に対して垂直に延びる旋回軸(151、181)を中心にしての、前記粉末供給装置の旋回によって行われる、
付記11から13の何れか一つに記載の計量装置。
【0115】
[付記15]
前記部分チャンバの前記底部を前記排出開口部の上方に位置決めするための粉体供給装置の前記移動は、前記粉体供給装置を前記リコータの前記移動方向に平行に移動させることによって行われる、
付記11から14の何れか一つに記載の計量装置。
【0116】
[付記16]
粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化による、構築領域(22)における少なくとも1つの3次元物体(3)の製造中に、前記構築材料の需要を決定するための粉末需要決定ユニットであって、前記粉末需要決定ユニットは、
層データ入力ユニットと、
前記層データ入力ユニットを介して受信した厚さd1を有する部分的に固化された粉末層のデータと、前記層データ入力ユニットを介して受信した粉末形状の構築材料の連続する層毎の固化によって少なくとも1つの3次元物体(3)を製造するための製造装置におけるリコータ(5)の移動方向に関する方向の情報とから、前記リコータ(5)の移動方向(B)における前記部分的に固化された層におけるこの固化領域の寸法と、層厚d1との積の最大値(MAX)を決定するとともに、製造中の前記部分的に固化された層に続く厚さd2を有する層の塗布のための最大値(MAX)の値に比例して追加粉末量(P2)を決定する、ように構成される粉末量決定ユニットと、
追加粉末量出力ユニットと、
を備える粉末需要決定ユニット。
【0117】
[付記17]
構築領域(22)内の粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化により、少なくとも1つの3次元物体(3)を製造するための製造装置であって、
前記少なくとも1つの物体(3)の前記断面の少なくとも一部分に対応する領域において固化された、既に前もって塗布された前記構築材料の層の上に厚さd2を有する前記構築材料(18)の層を塗布するための前記構築領域(22)を横切って移動可能なリコータ(5)と、
前記リコータ(5、15、150、180)によって前記厚さd2を有する層の塗布のために必要な前記粉末形状の構築材料の量を提供するのに適した計量装置(12、17)と、
前記少なくとも1つの3次元物体(3)の前記断面の少なくとも一部分に対応する領域に、前記粉末形状の構築材料を固化させるための固化装置(8)と、
前記リコータ(5、15、150、180)と前記計量装置(12、17)と、前記固化装置(8)とを制御する制御部(11)と、
を備え、
前記制御部(11)は、前記層の塗布のために前記リコータ(5、15、150、180)を制御または駆動する前に、前記リコータ(5、15、150、180)の移動方向(B)における前もって固化した層における厚さd1を有する固化領域の前記寸法と、固化前の前記層厚d1との積の最大値(MAX)を決定するように構成され、
前記制御部(11)は、付記1から6の何れか一つに記載の方法を実行可能に構成される、
製造装置。
【0118】
[付記18]
前記製造装置は、付記7から15の何れか一つに記載の計量装置を備える、
付記17に記載の製造装置。
【0119】
[付記19]
決定するために、前記制御部(11)は、n個の帯への前記リコータ(5、15、150、180)によって上部が覆われる前もって塗布された層の前記領域のコンピュータ支援による分割を行い、ここでn>1が有効であり、前記帯は前記リコータ(5、15、150、180)の移動方向(B)に延び、
1つ以上の前記帯はそれぞれ、粉末供給装置(12b、17a、17b)を割り当てられ、前記リコータ(5、15、150、180)の前記移動方向に垂直に粉末供給装置(12b、17a、17b)に割り当てられた複数の前記帯の寸法は、前記リコータの前記移動方向に垂直な前記粉末供給装置(12b、17a、17b)の寸法と等しい、
付記18に記載の製造装置。
【0120】
[付記20]
実行時に、粉末形状の構築材料(18)の連続的な層毎の固化によって3次元物体(3)を製造するための装置を制御することができるコンピュータプログラムであって、特に、付記17から19の何れか一つに記載の製造装置においてこのコンピュータプログラムを実行する時に、付記1から6の何れか一つに記載の方法を行う、コンピュータプログラム。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13