特許第6887440号(P6887440)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887440
(24)【登録日】2021年5月20日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】ロッカアームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F01L 13/00 20060101AFI20210603BHJP
   F01L 1/18 20060101ALI20210603BHJP
   F01L 3/24 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   F01L13/00 302E
   F01L1/18 C
   F01L1/18 J
   F01L3/24 C
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-549207(P2018-549207)
(86)(22)【出願日】2016年12月30日
(65)【公表番号】特表2019-510163(P2019-510163A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】US2016069452
(87)【国際公開番号】WO2017160379
(87)【国際公開日】20170921
【審査請求日】2019年12月27日
(31)【優先権主張番号】201611009132
(32)【優先日】2016年3月16日
(33)【優先権主張国】IN
(31)【優先権主張番号】201611014772
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・エドワード・マッカーシー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ジェイ・ニールセン
(72)【発明者】
【氏名】クシャムタ・ビシュノイ
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/120897(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0354418(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の排気バルブを選択的に開くように構成された複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリであって、
ロッカアーム本体と、
前記ロッカアーム本体内に形成された排気ロッカアームアセンブリと、
前記ロッカアーム本体内に形成され、圧潰モード及び剛性モードにおいて動作するように構成されている、エンジンブレーキロッカアームアセンブリと、を備え、
前記排気ロッカアームアセンブリが、前記第1及び第2の排気バルブを開くために、カム運動をバルブブリッジ選択的に伝達するように構成され、
前記エンジンブレーキロッカアームアセンブリが、前記第1の排気バルブのみを開くために、カム運動を前記バルブブリッジ選択的に伝達するように構成されており、
前記排気ロッカアームアセンブリが、前記ロッカアーム本体内に形成されたボア内に配置された排気カプセルアセンブリを備え、
前記排気カプセルアセンブリが、プランジャアセンブリ及びストッパを備え、前記プランジャアセンブリが第1のプランジャ本体及び第2のプランジャ本体を含み、流体の供給を受容するように構成されたチャンバが、前記第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間に画定されている、
複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリ。
【請求項2】
前記ストッパが、その中に形成された環状ボアを含む、請求項に記載の複合ロッカアームアセンブリ。
【請求項3】
前記環状ボア内に少なくとも部分的に配置されたロストモーション付勢機構をさらに備え、前記ロストモーション付勢機構が、前記ストッパ及び前記プランジャアセンブリを前記ボアの上壁から離れるように付勢するように構成されている、請求項に記載の複合ロッカアームアセンブリ。
【請求項4】
前記ストッパが、その中に形成された環状溝を含み、前記環状溝が、前記エンジンブレーキロッカアームアセンブリに流体結合された流体ポートと選択的に整列するように構成されている、請求項に記載の複合ロッカアームアセンブリ。
【請求項5】
前記エンジンブレーキロッカアームアセンブリが、前記ロッカアーム本体内に形成されたボア内に配置されたブレーキカプセルアセンブリを備える、請求項1に記載の複合ロッカアームアセンブリ。
【請求項6】
前記ボアが、前記ロッカアーム本体内に形成された第1のボア及び第2のボアを含み、前記ブレーキカプセルアセンブリが、前記第1のボア内に配置されたブレーキプランジャアセンブリ、及び前記第2のボア内に配置されたアクチュエータアセンブリを備える、請求項に記載の複合ロッカアームアセンブリ。
【請求項7】
前記ブレーキプランジャアセンブリが、チェックボールアセンブリ及び第2のプランジャ本体に対して移動可能な第1のプランジャ本体を含み、前記第1及び第2のプランジャ本体が、流体の供給を受容するように構成されたチャンバをそれらの間に画定し、前記チェックボールアセンブリが前記第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間の前記チャンバ内に配置されている、請求項に記載の複合ロッカアームアセンブリ。
【請求項8】
前記アクチュエータアセンブリが、リテーナ内に配置されたピンを備え、前記ピンが、前記チェックボールアセンブリに動作可能に関連付けられ、前記第2のボアが、前記リテーナが前記ボア内で上方に並進されて、前記ピンを前記チェックボールアセンブリとの接触から引き離すように、流体の供給を受容するように構成されている、請求項に記載の複合ロッカアームアセンブリ。
【請求項9】
第1及び第2の排気バルブに関連付けられたバルブトレインアセンブリであって、
主本体及び前記主本体に回転可能に結合されたレバーを含むバルブブリッジであって、前記主本体が前記第1の排気バルブと係合するように構成され、前記レバーが前記第2の排気バルブと係合するように構成されている、バルブブリッジと、
複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリと、を備え、
前記複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリが、
ロッカアーム本体と、
前記ロッカアーム本体内に形成された排気ロッカアームアセンブリと、
前記ロッカアーム本体内に形成され、圧潰モード及び剛性モードで動作するように構成されているエンジンブレーキロッカアームアセンブリと、を備え、
前記排気ロッカアームアセンブリが、前記第1及び第2の排気バルブを開くために、カム運動を前記バルブブリッジ主本体選択的に伝達するように構成され、
前記エンジンブレーキロッカアームアセンブリが、前記第1の排気バルブのみを開くために、カム運動を前記バルブブリッジレバー選択的に伝達するように構成されており
前記排気ロッカアームアセンブリが、前記ロッカアーム本体内に形成されたボア内に配置された排気カプセルアセンブリを備え、
前記排気カプセルアセンブリが、プランジャアセンブリ及びストッパを備え、前記プランジャアセンブリが第1のプランジャ本体及び第2のプランジャ本体を含み、流体の供給を受容するように構成されたチャンバが、前記第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間に画定されている、
バルブトレインアセンブリ。
【請求項10】
前記ストッパが、その中に形成された環状ボアを含み、ロストモーション付勢機構が、前記環状ボア内に少なくとも部分的に配置され、前記ロストモーション付勢機構が、前記ストッパ及び前記プランジャアセンブリを前記ボアの上壁から離れるように付勢するように構成されている、請求項に記載のバルブトレインアセンブリ。
【請求項11】
前記ストッパが、その中に形成された環状溝を含み、前記環状溝が、前記エンジンブレーキロッカアームアセンブリに流体結合された流体ポートと選択的に整列するように構成されている、請求項10に記載のバルブトレインアセンブリ。
【請求項12】
前記エンジンブレーキロッカアームアセンブリが、前記ロッカアーム本体内に形成されたボア内に配置されたブレーキカプセルアセンブリを備え、
前記ボアが、前記ロッカアーム本体内に形成された第1のボア及び第2のボアを含み、前記ブレーキカプセルアセンブリが、前記第1のボア内に配置されたブレーキプランジャアセンブリ、及び前記第2のボア内に配置されたアクチュエータアセンブリを備える、請求項に記載のバルブトレインアセンブリ。
【請求項13】
前記ブレーキプランジャアセンブリが、チェックボールアセンブリ及び第2のプランジャ本体に対して移動可能な第1のプランジャ本体を含み、前記第1及び第2のプランジャ本体が、流体の供給を受容するように構成されたチャンバをそれらの間に画定し、前記チェックボールアセンブリが前記第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間の前記チャンバ内に配置されている、請求項12に記載のバルブトレインアセンブリ。
【請求項14】
前記アクチュエータアセンブリが、リテーナ内に配置されたピンを備え、前記ピンが、前記チェックボールアセンブリに動作可能に関連付けられ、前記第2のボアが、前記リテーナが前記ボア内で上方に並進されて、前記ピンを前記チェックボールアセンブリとの接触から引き離すように、流体の供給を受容するように構成されて、第1のプランジャ本体は、バルブブリッジレバーに結合されたソケットによって受容される、請求項13に記載のバルブトレインアセンブリ。
【請求項15】
前記レバーが、前記レバーの回転及び前記第1の排気バルブの係合が前記主本体の回転なしで発生するように、前記主本体に結合され、
前記主本体が、開口部を含み、前記レバーが、前記開口部内に少なくとも部分的に配置され、
前記レバーが、前記主本体を通じて延在しているブリッジピンによって前記主本体に回転可能に結合されている、請求項に記載のバルブトレインアセンブリ。
【請求項16】
前記レバーに回転可能に結合されたバルブシューをさらに備え、前記バルブシューが、前記第1の排気バルブと係合するように構成され、前記バルブシューが、前記レバーを通じて延在するバルブシューピンによって前記レバーに回転可能に結合されている、請求項15に記載のバルブトレインアセンブリ。
【請求項17】
第1及び第2の排気バルブを選択的に開くように構成された複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリを製造する方法であって、
ロッカアーム本体を提供することと、
第1のボアを形成し、前記第1のボア内に排気カプセルアセンブリを配置することによって、前記ロッカアーム本体内に排気ロッカアームアセンブリを形成することであって、
前記排気カプセルアセンブリが、プランジャアセンブリ及びストッパを有し、前記プランジャアセンブリが、第1のプランジャ本体及び第2のプランジャ本体を含み、第1の流体の供給を受容するように構成されたチャンバが前記第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間に画定されている、形成することと、
前記ロッカアーム本体内に第2のボア及び第3のボアを形成し、前記第2及び第3のボア内にブレーキカプセルアセンブリを配置することによって、前記ロッカアーム本体内にエンジンブレーキロッカアームアセンブリを形成することであって、前記ブレーキカプセルアセンブリが、前記第2のボア内に配置されたブレーキプランジャアセンブリ、及び前記第3のボア内に配置されたアクチュエータアセンブリを備え、前記ブレーキプランジャアセンブリは、チェックボールアセンブリと、第4のプランジャ本体に対して移動可能な第3のプランジャ本体とを含み、前記第3及び第4のプランジャ本体が、第2の流体の供給を受容するように構成されたチャンバをそれらの間に画定し、前記チェックボールアセンブリが、前記第3のプランジャ本体と第4のプランジャ本体との間の前記チャンバ内に配置されている、形成することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年4月28日に出願されたインド特許出願第201611014772号、及び2016年3月16日に出願されたインド特許出願第201611009132号の利益を主張する。上記出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、バルブトレインアセンブリにおいて使用するためのロッカアームアセンブリに関し、より具体的には、エンジンブレーキブリッジを有するロッカアームアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
圧縮エンジンブレーキは、例えば、高負荷または中負荷ディーゼルエンジンによって走行する比較的大きな車両上で、車輪ブレーキに加えて補助ブレーキとして使用することができる。圧縮エンジンブレーキシステムは、起動時、圧縮された空気が排気バルブを通じて開放されることができるように、そのシリンダ内のピストンがその圧縮ストロークの上死点付近にあるとき、エンジンシリンダの排気バルブの付加的開口部を提供するように配設される。これにより、エンジンが電力を消費する空気圧縮機として機能し、車両を減速させる。
【0004】
圧縮エンジンブレーキを伴い使用される典型的なバルブトレインアセンブリにおいて、排気バルブは、バルブブリッジによって排気バルブと係合するロッカアームによって作動する。ロッカアームは、回転するカムシャフト上のカムに応じて揺動し、バルブブリッジ上を押下し、それ自体が排気バルブを押下して、それを開く。油圧ラッシュアジャスタはまた、バルブトレインアセンブリ内の構成要素の間に生じるいずれのラッシュまたは間隙を除去するために、バルブトレインアセンブリ内に提供され得る。
【0005】
本明細書において提供された背景技術の説明は、本開示の文脈を概して提示するためのものである。本発明者らの研究は、この背景技術節内で説明される限りにおいて、別様に出願時に先行技術とみなされ得ない説明の態様と同様に、本開示に対する先行技術として、明示的にも暗示的にも認められない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様において、第1及び第2の排気バルブを選択的に開くように構成された複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリが、提供される。アセンブリは、ロッカアーム本体と、ロッカアーム本体内に形成された排気ロッカアームアセンブリと、ロッカアーム本体内に形成され、圧潰モード及び剛性モードにおいて動作するように構成されたエンジンブレーキロッカアームアセンブリと、を含む。排気ロッカアームアセンブリは、第1及び第2の排気バルブを開くためにバルブブリッジと選択的に係合するように構成され、エンジンブレーキロッカアームアセンブリは、第1の排気バルブのみを開くためにバルブブリッジと選択的に係合するように構成される。
【0007】
前述に加えて、複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリは、以下の特性:排気ロッカアームアセンブリが、ロッカアーム本体内に形成されたボア内に配置された排気カプセルアセンブリを備え、排気カプセルアセンブリが、プランジャアセンブリ及びストッパを備え、プランジャアセンブリが第1のプランジャ本体及び第2のプランジャ本体を含み、流体の供給を受容するように構成されたチャンバが、第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間に画定され、ストッパが、その中に形成された環状ボアを含み、ロストモーション付勢機構が環状ボア内に少なくとも部分的に配置され、ロストモーション付勢機構が、ストッパ及びプランジャアセンブリをボアの上壁から離れるように付勢するように構成され、ストッパが、その中に形成された環状溝を含み、環状溝がエンジンブレーキロッカアームアセンブリに流体結合された流体ポートと選択的に整列するように構成され、エンジンブレーキロッカアームアセンブリが、ロッカアーム内に形成されたボア内に配置されたブレーキカプセルアセンブリを備え、ボアが、ロッカアーム内に形成された第1のボア及び第2のボアを含み、ブレーキカプセルアセンブリが第1のボア内に配置されたブレーキプランジャアセンブリ、及び第2のボア内に配置されたアクチュエータアセンブリを備え、ブレーキプランジャアセンブリが、第2のプランジャ本体に対して移動可能なチェックボールアセンブリ及び第1のプランジャ本体を含み、第1及び第2のプランジャ本体が流体の供給を受容するように構成されたチャンバをそれらの間に画定し、チェックボールアセンブリが、第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間のチャンバ内に配置され、アクチュエータアセンブリが、リテーナ内に配置されたピンを備え、ピンがチェックボールアセンブリと動作可能に関連付けられ、第2のボアが、リテーナがボア内で上方に並進されて、ピンをチェックボールアセンブリとの接触から引き離すように、流体の供給を受容するように構成されていること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0008】
本開示の別の態様において、第1及び第2の排気バルブに関連付けられたバルブトレインアセンブリが、提供される。アセンブリは、主本体及び主本体に回転可能に結合されたレバーを含むバルブブリッジを含み、主本体が、第1の排気バルブを係合するように構成され、レバーが、第2の排気バルブ、及び複合排気ならびにエンジンブレーキロッカアームアセンブリと係合するように構成される。複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリは、ロッカアーム本体と、ロッカアーム本体内に形成された排気ロッカアームアセンブリと、ロッカアーム本体内に形成され、圧潰モード及び剛性モードにおいて動作するように構成されたエンジンブレーキロッカアームアセンブリと、を含む。排気ロッカアームアセンブリは、第1及び第2の排気バルブを開くためにバルブブリッジ主本体と選択的に係合するように構成され、エンジンブレーキロッカアームアセンブリは、第1の排気バルブのみを開くためにバルブブリッジと選択的に係合するように構成される。
【0009】
前述に加えて、複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリは、以下の特性:排気ロッカアームアセンブリが、ロッカアーム本体内に形成されたボア内に配置された排気カプセルアセンブリを備え、排気カプセルアセンブリが、プランジャアセンブリ及びストッパを備え、プランジャアセンブリが第1のプランジャ本体及び第2のプランジャ本体を含み、流体の供給を受容するように構成されたチャンバが、第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間に画定され、ストッパが、その中に形成された環状ボアを含み、ロストモーション付勢機構が環状ボア内に少なくとも部分的に配置され、ロストモーション付勢機構が、ストッパ及びプランジャアセンブリをボアの上壁から離れるように付勢するように構成され、ストッパが、その中に形成された環状溝を含み、環状溝がエンジンブレーキロッカアームアセンブリに流体結合された流体ポートと選択的に整列するように構成され、エンジンブレーキロッカアームアセンブリが、ロッカアーム内に形成されたボア内に配置されたブレーキカプセルアセンブリを備え、ボアが、ロッカアーム内に形成された第1のボア及び第2のボアを含み、ブレーキカプセルアセンブリが第1のボア内に配置されたブレーキプランジャアセンブリ、及び第2のボア内に配置されたアクチュエータアセンブリを備え、ブレーキプランジャアセンブリが、第2のプランジャ本体に対して移動可能なチェックボールアセンブリ及び第1のプランジャ本体を含み、第1及び第2のプランジャ本体がそれらの間に流体の供給を受容するように構成されたチャンバを画定し、チェックボールアセンブリが、第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間のチャンバ内に配置され、アクチュエータアセンブリが、リテーナ内に配置されたピンを備え、ピンがチェックボールアセンブリと動作可能に関連付けられ、第2のボアが、リテーナがボア内で上方に並進されて、ピンをチェックボールアセンブリとの接触から引き離すように、流体の供給を受容するように構成され、第1のプランジャ本体が、バルブブリッジレバーに結合されたソケットによって受容され、レバーが、レバーの回転及び第1の排気バルブの係合が主本体の回転なく生じるように、主本体に結合され、主本体が、孔を含み、レバーが、開口部内に少なくとも部分的に配置され、レバーが、主本体を通じて延在するブリッジピンによって主本体に回転可能に結合され、バルブシューが、第1の排気バルブと係合するように構成され、バルブシューが、レバーを通じて延在するバルブシューピンによってレバーに回転可能に結合されていること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0010】
本開示の別の態様において、第1及び第2の排気バルブを選択的に開くように構成された複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリを製造する方法が、提供される。本方法は、ロッカアーム本体を提供することと、第1のボアを形成し、第1のボア内に排気カプセルアセンブリを配置することによって、ロッカアーム本体内に排気ロッカアームアセンブリを形成することであって、排気カプセルアセンブリが、プランジャアセンブリ及びストッパを有し、プランジャアセンブリが、第1のプランジャ本体及び第2のプランジャ本体を含み、第1の流体の供給を受容するように構成されたチャンバが、第1のプランジャ本体と第2のプランジャ本体との間に画定されている、形成することと、ロッカアーム本体内に第2のボア及び第3のボアを形成し、第2及び第3のボア内にブレーキカプセルアセンブリを配置することによって、ロッカアーム本体内にエンジンブレーキロッカアームアセンブリを形成することであって、ブレーキカプセルアセンブリが、第2のボア内に配置されたブレーキプランジャアセンブリ、及び第3のボア内に配置されたアクチュエータアセンブリを備える、形成することと、を含む。ブレーキプランジャアセンブリは、チェックボールアセンブリ及び第4のプランジャ本体に対して移動可能な第3のプランジャ本体を含み、第3及び第4のプランジャ本体は、第2の流体の供給を受容するように構成されたチャンバをそれらの間に画定し、チェックボールアセンブリが第3のプランジャ本体と第4のプランジャ本体との間のチャンバ内に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は、「発明を実施するための形態」及び添付図面からより完全に理解されるであろう。
【0012】
図1】本開示の一実施例に従って構成された、吸気ロッカアームアセンブリ及び、複合排気ロッカアームアセンブリならびにエンジンブレーキロッカアームアセンブリを含むロッカアームアセンブリを組み込んだバルブトレインアセンブリの平面図である。
図2】本開示の一実施例に従って構成された排気カプセル及びエンジンブレーキカプセルを含む、図1に示された複合ロッカアームアセンブリの斜視図である。
図3】第1のモードにおける、図2に示された複合排気及びブレーキロッカアームアセンブリの切断図である。
図4】第2のモードにおける、図2に示された複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリの切断図である。
図5】第3のモードにおける、図2に示された複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリの切断図である。
図6A】第1の位置における、図2〜5に示された排気カプセルの断面図である。
図6B】第2の位置における、図6Aに示された排気カプセルの断面図である。
図6C】第3の位置における、図6Aに示された排気カプセルの断面図である。
図7A】第1の位置における、図2〜5に示されたエンジンブレーキカプセルの断面図である。
図7B】第2の位置における、図7Aに示されたエンジンブレーキカプセルの断面図である。
図8】本開示の一実施例に従って構成された図1に示されたロッカアームアセンブリのバルブブリッジアセンブリの斜視図である。
図9図8に示されたバルブブリッジアセンブリの一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず図1及び2を参照すると、本開示の一実施例に従って構築された部分的なバルブトレインアセンブリが示され、概して、参照番号10で識別される。部分的なバルブトレインアセンブリ10は、エンジンブレーキを利用し、6気筒エンジンの3気筒バンク部分内で使用するように構成されていることが示される。しかしながら、本教示はそれに限定されないことが認識されるであろう。これに関して、本開示は、エンジンブレーキを利用するいずれのバルブトレインアセンブリ内で使用され得る。部分的なバルブトレインアセンブリ10は、バルブトレインキャリア12内で支持され、シリンダ当たり2つのロッカアームを含むことができる。
【0014】
具体的には、各シリンダは、吸気バルブロッカアームアセンブリ14と、排気ロッカアームアセンブリ16と、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18と、を含む。しかしながら、図示されるように、排気バルブロッカアームアセンブリ16及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリ18は、単一のロッカアーム内部に組み合わされ、排気バルブの開口を制御するために協働する、複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリ20として集合的に称される。本明細書において説明されるように、吸気バルブロッカアームアセンブリ14は、吸気バルブの運動を制御するように構成され、排気バルブロッカアームアセンブリ16は、駆動モードにおいて排気バルブ運動を制御するように構成され、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18は、エンジンブレーキモードにおいて2つの排気バルブのうちの1つ上で作用するように構成される。
【0015】
ロッカシャフト22は、バルブトレインキャリア12によって受容され、複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリ20の回転を支持する。本明細書でより詳細に説明されるように、ロッカシャフト22は、動作中にオイルをアセンブリ16、18に連通することができる。カムシャフト24(図2)は、本明細書でより詳細に説明されるように、アセンブリ16、18を回転させて、第1及び第2の排気バルブ26、28を起動させるように構成されたリフトプロファイルまたはカムローブを含む。例えば、図3は、排気事象リフトプロファイルまたはローブ30及びブレーキ事象リフトプロファイルまたはローブ32を伴うカムシャフト24を示し、これらはそれぞれ、複合ロッカアームアセンブリ20を排気事象モード及びブレーキ事象モードにおいて動作させる。
【0016】
ここでさらに図1〜3を参照すると、複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリ20が、さらに説明される。複合ロッカアームアセンブリ20は、概して、ロッカアーム本体40と、軸42と、ローラ44と、を含むことができる。ロッカアーム本体40は、排気ロッカアーム部分46、及びエンジンブレーキアーム部分48を含む。ロッカアーム本体40は、ロッカシャフト22を受容することができ、ローラ44が少なくとも部分的にそれらの間に位置決めされるように、軸42を受容するための一対のフランジ50を画定する。このようにして、軸42は、ロッカアーム本体40に結合され、カムシャフト24の排気リフトローブ30またはエンジンブレーキローブ32によって係合されるように構成される、ローラ44を受容することができる。このローラの係合は、本明細書でより詳細に説明されるように、バルブブリッジアセンブリ52と係合するための複合ロッカアームアセンブリ20をもたらす。
【0017】
排気バルブロッカアームアセンブリ16は、排気ロッカアーム部分46を含むことができ、油圧ラッシュアジャスタ(HLA)アセンブリまたは排気カプセル56を少なくとも部分的に受容するように構成されたボア54を画定する。ローラ44が排気リフトプロファイル30によって係合されると、排気ロッカアーム部分46及び排気カプセル56が下方に回転することができ、バルブブリッジアセンブリ52の下方移動を引き起こし、エンジン(図示せず)のシリンダに関連付けられた第1及び第2の排気バルブ26、28(図2)と係合する。
【0018】
排気カプセル56は、排気カプセルアセンブリ6とバルブブリッジアセンブリ52との間の任意のラッシュを取るように構成される。付加的に図6A〜6Cを参照すると、一例示的実装において、排気カプセルアセンブリ6は、外側プランジャまたは第1のプランジャ本体62、内側または第2のプランジャ本体64、及びストッパ66を含むプラン
ジャアセンブリ60を備えることができる。プランジャアセンブリ60は、アーム部分46内に画定されたボア54によって受容され、バルブブリッジアセンブリ52に抗して作用するソケット70内に受容される、スピゴット68を画定する第1の閉鎖端部を有することができる。第2のプランジャ本体64は、バルブシート72を画定する開口部を有し、チェックボールアセンブリ74は、第1のプランジャ本体62と第2のプランジャ本体64との間に位置決めすることができる。
【0019】
チェックボールアセンブリ74は、第1のプランジャ本体62と第2のプランジャ本体64との間のチャンバ76の内部でオイルを保持するように構成することができる。付勢機構77(例えば、ばね)は、第2のプランジャ本体64を上方に(図6A〜6Cに示されるように)付勢して、第1のプランジャ本体62を任意のラッシュを取るために拡張させる。第2のプランジャ本体64が上方に付勢されると、オイルが、チェックボールアセンブリ74を通じてプランジャ本体62、64間のチャンバ76内に引き込まれる。したがって、オイルは、ロッカシャフト22からチャネル(図示せず)を通じて第2のプランジャ64内のチャンバに供給され、下方圧力が、チャンバ76内のオイルに起因して第1のプランジャ本体62の下方移動を引き起こすことができる。しかしながら、排気カプセルアセンブリ6は、カプセルアセンブリ6がカプセルアセンブリとバルブブリッジアセンブリ52との間のラッシュを取ることを可能にする任意の他の適切な構成を有してもよい。
【0020】
ストッパ66は、第1及び第2のプランジャ本体62、64の上方のボア54内部に配置され、概して、環状のまたは概して環状のボア78、及び環状のまたは概して環状の溝80を含む。環状ボア78は、付勢機構82がロッカアーム本体40とロストモーションプランジャ本体66との間に配置されるように、ロストモーション付勢機構82(例えば、ばね)の少なくとも一部を受容及び着座するように構成される。付勢機構82は、本明細書でより詳細に説明されるように、ロストモーションプランジャ本体66を(図6A〜6Cに示すように)下方に付勢し、ロッカアームアセンブリ20の運動を選択的に吸収するように構成することができる。環状溝80は、ストッパ66の外壁内に形成され、図6Cに示され、本明細書でより詳細に説明されるように、環状溝80及び流体ポート84が整列したとき、ロッカアーム本体40内に形成された流体ポート84から作動流体を選択的に受容するように構成される。
【0021】
引き続き図1〜3を参照すると、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18が、さらに説明される。エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18は、概して、エンジンブレーキロッカアーム部分48を含むことができ、HLAアセンブリまたはブレーキカプセル88を少なくとも部分的に受容するように構成されたボア86を画定する。本明細書により詳細に説明されるように、ローラ44がブレーキリフトプロファイル32によって係合されるとき、エンジンブレーキロッカアーム部分48及びブレーキカプセルアセンブリ88が、下方に回転することができ、バルブブリッジアセンブリ52の下方移動を引き起こし、第1の排気バルブ26(すなわち、バルブ28ではない)のみと係合する。
【0022】
ブレーキカプセルアセンブリ88は、エンジンブレーキ事象中、カム運動をバルブ26に選択的に伝達するために、圧潰モード(図7A)から剛性モード(図7B)に選択的に移するように構成されている。図7A及び7Bを付加的に参照すると、一例示的実装において、ブレーキカプセルアセンブリ88は、概して、ブレーキプランジャアセンブリ90及びアクチュエータアセンブリ92を含むことができる。
【0023】
例示的実装において、ブレーキプランジャアセンブリ90は、リークダウンプランジャまたは第1のプランジャ本体94、及びボールプランジャまたは第2のプランジャ本体96を備えることができる。プランジャアセンブリ90は、ロッカアーム部分84内に画定されたボア86によって受容され、バルブブリッジアセンブリ52に抗して作用するソケット100内に受容される、スピゴット98を画定する第1の閉鎖端部を有することができる。第2のプランジャ本体96は、バルブシート102を画定する開口部を有し、チェックボールアセンブリ104は、第1のプランジャ本体94と第2のプランジャ本体96との間に位置決めすることができる。
【0024】
チェックボールアセンブリ104は、第1のプランジャ本体94と第2のプランジャ本体96との間のチャンバ106の内部でオイルを保持するように構成することができる。付勢機構108(例えば、ばね)は、第2のプランジャ本体96を上方に(図7A及び7Bに示されるように)付勢して、第1のプランジャ本体94を拡張させ、剛性モードに移動させる。第2のプランジャ本体96が上方に付勢されると、オイルが、チェックボールアセンブリ104を通じてプランジャ本体94、96間のチャンバ106内に引き込まれる。したがって、オイルは、ロッカシャフト22からチャネル(図示せず)を通じて第2のプランジャ96内のチャンバに供給され、下方圧力が、チャンバ106内のオイルに起因して第1のプランジャ本体94の下方移動を引き起こすことができる。しかしながら、プランジャアセンブリ90は、ブレーキカプセルアセンブリ88が本明細書で説明されるように機能することを可能にするいずれの他の好適な構成を有してもよい。
【0025】
アクチュエータアセンブリ92は、概して、リテーナ110及びピン112を含む。例示的実装において、アクチュエータアセンブリ92は、ロッカアーム部分84内に画定された作業流体ポート84に流体結合された、二次的なボア114内に受容される。リテーナ110は、ピン112を受容するように構成され、その中に形成された孔118を有する閉鎖端部116を含む。付勢機構120(例えば、ばね)及び付勢機構シート122は、付勢機構120が、リテーナ110をブレーキプランジャアセンブリ90に向かって下方に付勢するように構成されるように、リテーナ110内部に形成されたチャンバ124内部に配置される。リテーナ110は、ポート84を通じて供給された作動流体が、リテーナ110に対して上方の力を提供するように、面取りされた縁部126を含む。
【0026】
ピン112は、ピン112の遠位端部130がチェックボールアセンブリ104のボール132に近接して配置されるように、ボア86と114との間に形成されたリテーナ110及び孔128を通って延在する。高圧流体を、流体ポート84を介して二次的なボア114に供給することによって、アクチュエータアセンブリ92を、下降位置(図7A)から上昇位置(図7B)に持ち上げることができる。具体的には、供給された流体は、面取りされた縁部126及びリテーナ110の底面に抗して作用して、アクチュエータアセンブリ92を上昇位置に押す。
【0027】
下降位置において、ピン112は、低圧オイルがチャンバ106内に閉じ込められないように、ボール132を下方に押圧しバルブシート102から離し、それによって第1のプランジャ本体94が第2のプランジャ本体96の周りで上方に摺動できる圧潰モードにおいて、プランジャアセンブリ90が動作することを可能にする。
【0028】
高圧オイルがポート84に供給されるとき、アクチュエータアセンブリ92は、ピン112が持ち上げられ、ボール132がバルブシート102に抗して付勢されるように、上昇位置まで上方に移動する。このようにして、オイルは、ブレーキ事象中に負荷がかかるとき、チャンバ106内に閉じ込められ、加圧され、それによってプランジャアセンブリ90が、ブレーキ事象を可能にするために剛性モードで動作し、カム24からブレーキバルブ26に運動を伝達することを可能にする。
【0029】
油圧バルブラッシュ調整を伴う多くの既知のエンジンは、これらのバルブを横切るバルブブリッジを通じて2つのバルブを作動させる単一のロッカアームを有する。エンジンブレーキは、ブリッジをバイパスし、バルブのうちの1つを押圧し、これがバルブブリッジを傾け、または曲げて、単一のバルブを開き、シリンダを吹く。しかしながら、傾けられたバルブブリッジに起因して、HLAは、作り出されたラッシュを取るために延在することによって反応することができる。これは、ブレーキ事象の後に、延在したHLAアセンブリが、圧縮のある程度の損失、場合によってはピストンとバルブとの接触を伴う、排気バルブを開放状態に保持し得るため、望ましくない可能性がある。
【0030】
この潜在的に望ましくない事象を克服するために、アセンブリ10は、その中に一体化された可動レバーアセンブリ140を有するバルブブリッジアセンブリ52を含む。レバーアセンブリ140は、バルブ作動力のうちのいくらかを(ブリッジ52を介して)排気カプセルアセンブリ6に戻すことができ、それによって、ブレーキ事象中に排気カプセルアセンブリの意図しない延在を防止する。このため、レバーアセンブリ140は、バルブ26が、バルブブリッジアセンブリ52の下方運動を許容することなく、エンジンブレーキ動作中に開くことを可能にする。さらに、レバーアセンブリ140は、既知のシステムと比較して、ブレーキ事象に必要な作動力を大幅に低減させる。
【0031】
図8及び9を付加的に参照すると、一例示的実装において、バルブブリッジアセンブリ52は、主ブリッジ主本体142内部に配置されたレバーアセンブリ140を備える。ブリッジ主本体142は、第1の端部144及び第2の端部146を含む。第1の端部144は、バルブ28と係合するように構成することができ、第2の端部146は、第1の孔148と、第2の孔150と、第3の孔152と、を含むことができる。
【0032】
図8に示されるように、レバーアセンブリ140は、概して、レバー160と、ブリッジピン162と、バルブシュー164と、バルブシューピン166と、を含むことができる。レバー160は、第1の孔148内部に配置することができ、ブリッジ主本体142の第2及び第3の開口部140、142を通じて延在する、ブリッジピン162によってブリッジ主本体142に回転可能に結合される。
【0033】
レバー160は、係合表面168と、第1の対向する開口部170と、第2の対向する開口部172と、停止フランジ174と、を含む。係合表面168は、ブレーキプランジャアセンブリ90のソケット100によって選択的に係合されるように構成される。一実施例において、ソケット100は、レバー160に結合されて、動的安定性のために一定の接触を維持する。第1の対向する開口部170は、ブリッジピン162を受容することができ、第2の対向する開口部172は、バルブシューピン166を受容することができる。停止フランジ174は、ブリッジ主本体142のバー176(図8及び9)と係合して、(図8に示されるように)レバー160の下方移動を制限するように構成することができる。
【0034】
バルブシュー164は、主本体部分178、及びその中に形成された孔182を有する接続部分180を含む。主本体部分178は、バルブ26の一部を受容するように構成され、接続部分180は、接続部分孔182がバルブシューピン166を受容して、バルブシュー164をレバー160に回転可能に結合するように、レバー160内部に少なくとも部分的に配置される。
【0035】
したがって、レバー160は、係合表面168選択的に係合することができ、ピン166の周囲の回転、及び反対側の表面168であるレバーの対向する側面174の上方移動を引き起こすことができる。このレバー端部174の上方移動は、排気カプセルアセンブリ6に向かってブリッジ主本体142の上方移動を引き起こして、その延在を防止する。
【0036】
このようにして、ロッカアームアセンブリ20の動作中、排気ロッカアームアセンブリ16は、バルブブリッジ主本体142と選択的に係合して、バルブ26、28を作動させ、通常の排気事象(燃焼モード)を実行することができ、一方、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18は、レバーアセンブリ140と選択的に係合して、バルブ26のみを作動させ、ブレーキ事象作動(エンジンブレーキモード)を実行する。
【0037】
ここで図3〜7を参照すると、複合排気及びエンジンブレーキロッカアームアセンブリ20の例示的な動作シーケンスが、説明される。具体的には、ロッカアームアセンブリ20は、以下の4つのモード、(1)不作動ブレーキを伴うブレーキ事象、(2)作動ブレーキを伴うブレーキ事象、(3)不作動ブレーキを伴う排気事象、及び(4)作動ブレーキを伴う排気事象、において動作することができる。
【0038】
また、図3、6A、6B、及び7Aは、(1)不作動ブレーキモードを伴うブレーキ事象において動作するロッカアームアセンブリ20を示す。図3に示されるように、ロッカアームアセンブリ20は、カムシャフト24のブレーキリフトカムプロファイル32によって係合される。具体的には、カムシャフト24が回転する際、カムプロファイル32が、ローラ44と係合し、ロッカアーム40、つまりロッカアームアセンブリ16、18を、ロッカシャフト22を中心に回転させる。しかしながら、高圧流体は、流体ポート84を通じて供給されず、ブレーキプランジャアセンブリ90が、第1のプランジャ本体94が第2のプランジャ本体96の周りで上方に摺動することができる、圧潰モード(図7A)において動作することを引き起こす。したがって、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18が下方に回転し、ソケット100がレバー160の係合表面168に接触する際、ブレーキプランジャアセンブリ90が、圧潰し、そのためエンジンブレーキロッカアームアセンブリ18は、カム運動をバルブ26に伝達しない。同時に、排気ロッカアームアセンブリ16は、下方に回転し、ソケット70は、ブリッジ主本体132に接触する。これが、プランジャアセンブリ60を上方に押し上げ、ストッパ66の上方移動をもたらす。ロストモーション付勢機構82は、排気ロッカアームアセンブリ16がカム運動をバルブ26、28に伝達しないように、ブレーキリフトを吸収する(図6A及び6B)。
【0039】
図4、6A、6B、及び7Bは、(2)作動ブレーキモードを伴うブレーキ事象において動作するロッカアームアセンブリ20を例解する。図4に示されるように、ロッカアームアセンブリ20は、カムシャフト24のブレーキリフトカムプロファイル32によって係合される。具体的には、カムシャフト24が回転する際、カムプロファイル32が、ローラ44と係合し、ロッカアーム40、つまりロッカアームアセンブリ16、18を、ロッカシャフト22を中心に回転させる。このモードにおいて、高圧流体が流体ポート84を通じて供給され、ブレーキプランジャアセンブリ90が、第1のプランジャ本体94が第2のプランジャ本体96に対して移動しない剛性モード(図7B)において動作するように、アクチュエータアセンブリ92を上昇させる。したがって、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18が下方に回転し、ソケット100がレバー160の係合表面168に接触する際、剛性ブレーキプランジャアセンブリ90は、カム運動を伝達し、レバー160を介してバルブ26を開く。同時に、排気ロッカアームアセンブリ16は、下方に回転し、ソケット70は、ブリッジ主本体132に接触する。これが、プランジャアセンブリ60を上方に押し上げ、ストッパ66の上方移動をもたらす。ロストモーション付勢機構82は、排気ロッカアームアセンブリ16がカム運動をバルブ26、28に伝達しないように、ブレーキリフトを吸収する。
【0040】
また、図5、6A、6C、及び7Aは、(3)不作動ブレーキモードを伴う排気事象において動作するロッカアームアセンブリ20を例解する。図5に示されるように、ロッカアームアセンブリ20は、カムシャフト24の排気リフトカムプロファイル30によって係合される。具体的には、カムシャフト24が回転する際、カムプロファイル32が、ローラ44と係合し、ロッカアーム40、つまりロッカアームアセンブリ16、18を、ロッカシャフト22を中心に回転させる。しかしながら、高圧流体は、流体ポート84を通じて供給されず、ブレーキプランジャアセンブリ90が、第1のプランジャ本体94が第2のプランジャ本体96の周りで上方に摺動することができる、圧潰モード(図7A)において動作することを引き起こす。したがって、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18が下方に回転し、ソケット100がレバー160の係合表面168に接触する際、ブレーキプランジャアセンブリ90が、圧潰し、そのためエンジンブレーキロッカアームアセンブリ18は、カム運動をバルブ26に伝達しない。同時に、排気ロッカアームアセンブリ16は、下方に回転し、ソケット70は、ブリッジ主本体132に接触する。これが、プランジャアセンブリ60を上方に押し上げ、ストッパ66の上方移動をもたらす。ロストモーション付勢機構82は、ストッパ66がボア54の上壁に接触するまで排気リフトを吸収する(図6C)。この時点で、排気リフトカムプロファイル32は、ブレーキリフトカムプロファイル30よりも大きいため、排気ロッカアームアセンブリ16は、ブレーキリフト事象中よりもさらに下方に回転する。ストッパ66が、ボア54の上壁と接触しているため、カム運動は、排気カプセル56を通じて伝達され、ブリッジ主本体142を下方に移動させて、第1及び第2の排気バルブ26、28を開く。
【0041】
図5、6A、6C、7A及び7Bは、(4)作動ブレーキモードを伴う排気事象において動作するロッカアームアセンブリ20を例解する。しかしながら、排気事象の間にブレーキ事象を実行することは望ましくない可能性がある。したがって、ロッカアームアセンブリ20は、ブレーキモードが排気事象中に作動する場合、ブレーキカプセルアセンブリ88を圧潰モードにリセットするように構成される。
【0042】
この構成において、ロッカアームアセンブリ20は、ブレーキカプセルアセンブリ88が作動モード(図7A)内にあり、ポート84から高圧流体が供給されることを除いて、図5に示されるものと類似して見えるであろう。剛性ブレーキプランジャアセンブリ90が(レバー160を介して)カム運動を伝達し、バルブ26を開くことを防止するために、排気カプセルアセンブリ56は、アクチュエータアセンブリ92を持ち上げている流体を排出するように構成される。
【0043】
より具体的には、例示的実施形態において、排気ロッカアームアセンブリ16は、下方に回転し、ソケット70は、ブリッジ主本体132に接触する。これが、プランジャアセンブリ60を上方に押し上げ、ストッパ66の上方移動をもたらす。ロストモーション付勢機構82は、ストッパ66がボア54の上壁に接触するまで排気リフトを吸収する(図6C)。この時点で、環状溝80は、流体ポート84と整列し、アクチュエータアセンブリ92を持ち上げている高圧流体を通気し、ブレーキプランジャアセンブリ90を圧潰モードに戻す。このようにして、エンジンブレーキロッカアームアセンブリ18は、カム運動をバルブ26に伝達しない。しかしながら、ストッパ66が、ボア54の上壁に接触しているため、カム運動は、排気カプセル56を通じて伝達され、リッジ主本体142を下方に移動させて、第1及び第2の排気バルブ26、28を開く。
【0044】
本明細書で説明されるのは、エンジン上で排気及びエンジンブレーキ事象を選択的に実行するように構成された単一のロッカアームアセンブリのためのシステム及び方法である。本システムは、排気ロッカアームアセンブリと、エンジンブレーキロッカアームアセンブリと、を有する単一のロッカアームを含む。排気ロッカアームアセンブリは、バルブブリッジと選択的に係合して、排気イベントを実行するために2つのバルブを作動させる。一態様において、バルブブリッジは、主本体及び内部に一体化されたレバーを含み、内部レバーは、バルブブリッジ主部に対して回転可能である。エンジンブレーキロッカアームアセンブリは、圧潰モードと剛性モードとの間で移動するように構成されたブレーキカプセルアセンブリを含む。圧潰モードにおいて、ブレーキカプセルは、回転可能なレバーに運動を伝達しない。剛性モードにおいて、ブレーキカプセルは、回転可能なレバーに運動を伝達して、2つのバルブのうちの1つを作動させて、エンジンブレーキ事象を実行する。
【0045】
上述の実施例の説明は、例示及び説明の目的のために提供されている。網羅的であること、または開示を限定することを意図するものではない。特定の実施例の個々の要素または特徴は、概して、その特定の実施例に限定されず、適用可能であれば、置き換え可能であり、特に示されていないかまたは記載されていない場合でも、選択された実施例において使用することができる。同様のものはまた、多くの方式において変更され得る。かかる変更は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのかかる改造は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9