【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明の範囲は、実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】
はじめに、本実施例において用いた、LED装置、蛍光体、及び着色剤について説明する。なお、
図30に下記LED装置の発光スペクトルLED及び各蛍光体の蛍光スペクトルの代表例をまとめて示す。
【0035】
・近紫外光LED装置:ピークを395nmに有する波長385〜405nmの範囲に近紫外光スペクトルを有する近紫外光LED装置。
・青色LED装置:色座標(0.143,0.033)に位置する色を発光する、波長のピークを460nmに有する波長435〜480nmの範囲に発光スペクトルを有する青色光を発する青色LED装置。
【0036】
・青色蛍光体UVB:色座標(0.151,0.078)に位置する青色光を発する、ピークを445nmに有する波長400〜600nmの範囲に蛍光スペクトルを有する青色蛍光体(BSNA490)。
・青色蛍光体B0:色座標(0.158,0.017)に位置する青色光を発する、ピークを444nmに有する波長400〜585nmの範囲に蛍光スペクトルを有するシリケート系青色蛍光体。
・青色蛍光体B0’:色座標(0.127,0.094)に位置する青色光を発する、ピークを470nmに有する波長400〜540nmの範囲に蛍光スペクトルを有するシリケート系緑色蛍光体。
・青色蛍光体B2:色座標(0.127,0.094)に位置する青色光を発する、ピークを470nmに有する波長400〜550nmの範囲に蛍光スペクトルを有するシリケート系緑色蛍光体。
・青色蛍光体B1:色座標(0.112,0.164)に位置する青色光を発する、ピークを480nmに有する波長400〜530nmの範囲に蛍光スペクトルを有するシリケート系緑色蛍光体。
・青緑色蛍光体B:色座標(0.122,0.104)に位置する青緑色光を発する、ピークを493nmに有する波長460〜530nmの範囲に蛍光スペクトルを有するシリケート系青緑色蛍光体。
・緑色蛍光体BG:色座標(0.215,0.412)に位置する緑色光を発する、ピークを510nmに有する波長390〜640nmの範囲に蛍光スペクトルを有するシリケート系緑色蛍光体。
・緑色蛍光体B’:色座標(0.237,0.480)に位置する緑色光を発する、ピークを514nmに有する波長380〜630nmの範囲に蛍光スペクトルを有するシリケート系緑色蛍光体。
・黄色蛍光体Y:色座標(0.400,0.538)に位置する黄色光を発する、ピークを550nmに有する波長430〜680nmの範囲に蛍光スペクトルを有する黄色光を発するYAG系黄色蛍光体。
・黄色蛍光体YO:色座標(0.456,0.513)に位置する黄色光を発する、ピークを575nmに有する波長460〜700nmの範囲に蛍光スペクトルを有する黄色光を発するYAG系黄色蛍光体。
・緑色蛍光体G:色座標(0.322,0.516)に位置する緑色光を発する、ピークを600nmに有する波長435〜700nmの範囲に蛍光スペクトルを有する緑色光を発する窒化物系緑色蛍光体。
・黄緑色蛍光体O:色座標(0.473,0.502)に位置する黄緑色光を発する、ピークを580nmに有する波長450〜700nmの範囲に蛍光スペクトルを有する黄緑色光を発する窒化物系緑色蛍光体。
・橙色蛍光体OR:色座標(0.489,0.492)に位置する橙色光を発する、ピークを585nmに有する波長480〜700nmの範囲に蛍光スペクトルを有する橙色光を発する窒化物系橙色蛍光体。
・赤色蛍光体R:色座標(0.623,0.375)に位置する赤色光を発する、ピークを650nmに有する波長550〜780nmの範囲に蛍光スペクトルを有する窒化物系赤色蛍光体。
・赤色蛍光体RR:色座標(0.637,0.361)に位置する赤色光を発する、ピークを660nmに有する波長520〜780nmの範囲に蛍光スペクトルを有する窒化物系赤色蛍光体。
・赤色蛍光体RRR:色座標(0.650,0.349)に位置する赤色光を発する、ピークを670nmに有する波長520〜800nmの範囲に蛍光スペクトルを有する窒化物系赤色蛍光体。
【0037】
・黄色顔料PIG Y:550nm付近より短い波長を吸収するバナジン酸ビスマス黄
・赤色顔料ES1034:500nm付近より短い波長を吸収する酸化鉄赤
【0038】
[実施例1]
以下の各実施例において、色彩輝度計(コニカミノルタ(株)製の色彩輝度計CS−200)を用いて、各物体表面の自然光に対する反射スペクトル及びXYZ表色系の色座標を測定した。実施例1においては、福島県白河市において、2016年11月15日21時30分の空の満月の表面を分光計測した。得られたスペクトルを
図3に示す。
図3に示すように、太陽光に対する月の表面の反射スペクトルは、668nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、388nm付近で最小反射率の相対強度0.25を示し、471nm付近で相対強度0.80、542nm付近で相対強度0.97のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.368,0.371)の白色であった。
【0039】
上記計測されたスペクトルを参照して、次のようにして、近紫外LED装置を白色の光に調色した。具体的には、近紫外LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体及び着色顔料を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、緑色蛍光体G、黄緑色蛍光体O、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。なお、スペクトルは、大塚電子株式会社MCPD7000積分球を用いて測定した。
【0040】
また、同様にして、青色LED装置を白色の光に調色した。具体的には、青色LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青緑色蛍光体B、緑色蛍光体B’、橙色蛍光体OR、赤色蛍光体RR、黄色顔料PIG Yを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0041】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することにより白色LED装置を得た。得られた各白色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。近紫外LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルを
図4に示す。また、青色LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルを
図5に示す。
【0042】
図4及び
図5中、「MAKE」は得られた白色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、「LED」は 青色LED装置の発光スペクトルを示す。なお、近紫外LEDについては可視光領域外であるために示されていない。各符号はそれぞれ各蛍光体の蛍光スペクトルをそれぞれ示す。また、「PIG Y」は黄色顔料PIG Yの分光透過率を示す。また、
図4及び
図5中「MOON」は、
図3で示した月光の反射スペクトルである。
図4に示すように、近紫外LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルは、
図3の月のスペクトルに極めて近似した合成スペクトルを示した。また、
図5に示すように、青色LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルも、青色光領域が解離するものの、全体としては、
図3の月の反射スペクトルに近似した合成スペクトルを示した。
【0043】
図31は、実施例1で得られた青色LED装置を用いて得られた白色LED装置から発光された混色光のCIE表色系のXY色座標を示す。
図31中、「MOON」は月の発光色座標(0.368,0.371)を示す。また、Bは青緑色蛍光体の蛍光色座標(0.122,0.104)を表し、B’は緑色蛍光体の蛍光色座標(0.237,0.480)を、RRは赤色蛍光体の蛍光色座標(0.637,0.361)を、「LED」は青色LED素子の発光色座標(0.143,0.033)をそれぞれ示している。また、「MAKE」は、青色LED素子の発光、及び各色の蛍光体による発光、及び黄色顔料Yを組み合わせて月光の色を再現した白色LED装置の発光色座標(0.363,0.371)を表す。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.363,0.371)の白色であり、月光に近い色座標であった。
【0044】
[実施例2]
実施例1と同様にして福島県耶麻郡の五色沼において、水面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図6に示す。
図6に示すように、水面の反射スペクトルは、738nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、389nm付近で最小反射率の相対強度0.31を示し、471nm付近で相対強度0.65、542nm付近で相対強度0.75、695nm付近で相対強度0.38、のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.313,0.366)付近の白色であった。
【0045】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置を白色の光に調色した。具体的には、近紫外光LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、緑色蛍光体BG、黄色蛍光体Y、赤色蛍光体Rを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0046】
また、同様にして、青色LED装置を白色の光に調色した。具体的には、青色LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青緑色蛍光体B、緑色蛍光体B’、黄色蛍光体YO、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0047】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することにより白色LED装置を得た。得られた各白色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。近紫外光LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルを
図7に示す。また、青色LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルを
図8に示す。
【0048】
図7及び
図8中、「MAKE」は得られた白色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、「LED」は青色LED装置の発光スペクトルを示し、各符号はそれぞれ各蛍光体の蛍光スペクトルをそれぞれ示す。また、
図7及び
図8中「water surface」は、
図6で示した水面の反射スペクトルである。
図7及び
図8に示すように、得られた各白色LED装置の発光スペクトルは、
図6の水面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.314,0.366)付近の白色であり、白色の水面に近い色座標であった。
【0049】
[実施例3]
実施例1と同様にして、白色のコスモスの花弁の表面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図9に示す。
図9に示すように、太陽光に対する白色のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルは、473nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、388nm付近で最小反射率の相対強度0.25を示し、471nm付近で相対強度0.80、542nm付近で相対強度0.97のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.342,0.362)の白色であった。
【0050】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置を白色の光に調色した。具体的には、近紫外光LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、緑色蛍光体BG、黄色蛍光体Y、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0051】
また、同様にして、青色LED装置を白色の光に調色した。具体的には、青色LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青緑色蛍光体B、緑色蛍光体B’、黄色蛍光体Y、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0052】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することにより白色LED装置を得た。得られた各白色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。近紫外光LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルを
図10に示す。また、青色LED装置を用いて得られた白色LED装置の発光スペクトルを
図11に示す。
【0053】
図10及び
図11中、「MAKE」は得られた白色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、「LED」は青色LED装置の発光スペクトルを示し、各符号はそれぞれ各蛍光体の蛍光スペクトルをそれぞれ示す。また、
図10及び
図11中「cosmos(white)」は、
図9で示したコスモスの花弁の表面の反射スペクトルである。
図10及び
図11に示すように、得られた各白色LED装置の発光スペクトルは、
図9のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.341,0.363)付近の白色であり、コスモスの花弁の表面に近い色座標であった。
【0054】
[実施例4]
実施例1と同様にして桜の花弁の表面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図12に示す。
図12に示すように、太陽光に対するさくら色の桜の花弁の反射スペクトルは、738nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、384nm付近で最小反射率の相対強度0.01を示し、470nm付近で相対強度0.50、530nm付近で相対強度0.40、640nm付近で相対強度0.71、680nm付近で相対強度0.66、のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.368,0.321)のさくら色であった。
【0055】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置をさくら色の光に調色した。具体的には、近紫外光LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、緑色蛍光体BG、赤色蛍光体Rを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0056】
また、同様にして、青色LED装置をさくら色の光に調色した。具体的には、シリコーンゴムに、青緑色蛍光体B、緑色蛍光体B’、橙色蛍光体G、赤色蛍光体R、赤色顔料ES1034を所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0057】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することによりさくら色LED装置を得た。得られた各さくら色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。近紫外光LED装置を用いて得られたさくら色LED装置の発光スペクトルを
図13に示す。また、青色LED装置を用いて得られたさくら色LED装置の発光スペクトルを
図14に示す。
【0058】
図13及び
図14中、「MAKE」は得られたさくら色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、「LED」は青色LED装置の発光スペクトルを示し、各符号はそれぞれ各蛍光体の蛍光スペクトルをそれぞれ示す。また、
図13及び
図14中「Cherry blossom petals」は、
図12で示したさくら色の桜の花弁の表面の反射スペクトルである。
図13及び
図14に示すように、得られた各さくら色LED装置の発光スペクトルは、
図12のさくらの花弁の表面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.369,0.316)付近のさくら色であり、さくらの花弁の表面に近い色座標であった。
【0059】
[実施例5]
実施例1と同様にしてピンク色のコスモスの花弁の表面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図15に示す。
図15に示すように、ピンク色のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルは、738nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、384nm付近で最小反射率の相対強度0.01を示し、475nm付近で相対強度0.50、562nm付近で相対強度0.14、668nm付近で相対強度0.85、690nm付近で相対強度0.82、705nm付近で相対強度0.86、のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.366,0.263)のピンク色であった。
【0060】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置をピンク色の光に調色した。具体的には、近紫外光LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、緑色蛍光体G、赤色蛍光体RRRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0061】
また、同様にして、上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、青色LED装置をピンク色の光に調色した。具体的には、シリコーンゴムに、青緑色蛍光体B、緑色蛍光体B’、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0062】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することによりピンク色LED装置を得た。得られた各ピンク色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。近紫外光LED装置を用いて得られたピンク色LED装置の発光スペクトルを
図16に示す。また、青色LED装置を用いて得られたピンク色LED装置の発光スペクトルを
図17に示す。
【0063】
図16及び
図17中、「MAKE」は得られたピンク色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、「LED」は青色LED装置の発光スペクトルを示し、各符号はそれぞれ各蛍光体の蛍光スペクトルをそれぞれ示す。また、
図16及び
図17中「cosmos(pink)」は、
図15で示したピンク色のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルである。
図16及び
図17に示すように、得られたピンク色LED装置の発光スペクトルは、
図15のピンク色のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.366,0.260)付近のピンク色であり、ピンク色のコスモスの花弁の表面に近い色座標であった。
【0064】
[実施例6]
実施例1と同様にして赤色のコスモスの花弁の表面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図18に示す。
図18に示すように、赤色のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルは、738nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、384nm付近で最小反射率の相対強度0.01を示し、475nm付近で相対強度0.15、552nm付近で相対強度0.02、676nm付近で相対強度0.68、690nm付近で相対強度0.82、714nm付近で相対強度0.80、のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.440,0.226)の赤色であった。
【0065】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置を赤色の光に調色した。具体的には、近紫外光LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、赤色蛍光体RRRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0066】
また、同様にして、上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、青色LED装置を赤色の光に調色した。具体的には、シリコーンゴムに、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0067】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することにより赤色LED装置を得た。得られた各赤色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。近紫外光LED装置を用いて得られた赤色LED装置の発光スペクトルを
図19に示す。また、青色LED装置を用いて得られた赤色LED装置の発光スペクトルを
図20に示す。
【0068】
図19及び
図20中、「MAKE」は得られた赤色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、「LED」は青色LED装置の発光スペクトルを示し、各符号はそれぞれ各蛍光体の蛍光スペクトルをそれぞれ示す。また、
図19及び
図20中「cosmos(red)」は、
図18で示した赤色のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルである。
図19及び
図20に示すように、得られた赤色LED装置の発光スペクトルは、
図18の赤色のコスモスの花弁の表面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.435,0.227)付近の赤色であり、赤色のコスモスの花弁の表面に近い色座標であった。
【0069】
[実施例7]
実施例1と同様にして赤色の紅葉の表面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図21に示す。
図21に示すように、赤色の紅葉の表面の反射スペクトルは、738nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、389nm付近で最小反射率の相対強度0.03を示し、502nm付近で相対強度0.13、560nm付近で相対強度0.37、658nm付近で相対強度0.72、695nm付近で相対強度0.78、703nm付近で相対強度0.85、のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.494,0.323)の赤色であった。
【0070】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置を赤色の光に調色した。具体的には、近紫外光LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、緑色蛍光体G、赤色蛍光体RRRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0071】
また、同様にして、上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、青色LED装置を黄色の光に調色した。具体的には、シリコーンゴムに、青緑色蛍光体B、緑色蛍光体B’、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0072】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することにより赤色LED装置を得た。そして、得られた各赤色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。得られた各赤色LED装置の発光スペクトルを
図22及び
図23に示す。図中、「MAKE」は得られた各赤色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、図中「red leaf」は、
図21で示した赤色の紅葉の表面の反射スペクトルである。
図22及び
図23に示すように、得られた各赤色LED装置の発光スペクトルは、
図21の赤色の紅葉の表面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.494,0.315)付近の赤色であり、赤色の紅葉の表面に近い色座標であった。
【0073】
[実施例8]
実施例1と同様にして黄色の向日葵の花弁の表面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図24に示す。
図24に示すように、黄色の向日葵の花弁の表面の反射スペクトルは、738nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、389nm付近で最小反射率の相対強度0.03を示し、502nm付近で相対強度0.13、582nm付近で相対強度0.58、621nm付近で相対強度0.62、677nm付近で相対強度0.52、723nm付近で相対強度0.80、のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.521,0.461)の黄色であった。
【0074】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置を黄色の光に調色した。具体的には、シリコーンゴムに、黄色蛍光体Y、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0075】
近紫外光LED装置に上記蛍光体シートを接着することにより黄色LED装置を得た。そして、得られた黄色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。得られた黄色LED装置の発光スペクトルを
図25に示す。
図25中、「MAKE」は得られた黄色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、
図25中「a sunflower」は、
図25で示した黄色の向日葵の花弁の表面の反射スペクトルである。
図25に示すように、得られた黄色LED装置の発光スペクトルは、
図25の黄色の向日葵の花弁の表面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.522,0.460)の黄色であり、黄色の向日葵の表面に近い色座標であった。
【0076】
[実施例9]
実施例1と同様にして黄色の稲穂の表面を分光計測した。得られた反射スペクトルを
図26に示す。
図26に示すように、黄色の稲穂の表面の反射スペクトルは、738nmの最大反射率を相対強度1.0としたとき、389nm付近で最小反射率の相対強度0.05を示し、502nm付近で相対強度0.35、562nm付近で相対強度0.85、686nm付近で相対強度0.61、677nm付近で相対強度0.52、714nm付近で相対強度0.85、のピークを示すようなスペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(x,y)=(0.421,0.432)の黄色であった。
【0077】
上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、近紫外光LED装置を黄色の光に調色した。具体的には、近紫外光LED装置に貼り合わせる、複数の蛍光体を配合した蛍光体シートを準備した。シリコーンゴムに、青色蛍光体UVB、緑色蛍光体BG、黄色蛍光体Y、赤色蛍光体RRを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0078】
また、同様にして、上記計測された反射スペクトルを参照して、次のようにして、青色LED装置を黄色の光に調色した。具体的には、シリコーンゴムに、青緑色蛍光体B、黄色蛍光体Y、赤色蛍光体Rを所定の配合比で均一に分散させ、厚み0.5mmの蛍光体シートを作製した。
【0079】
そして、各LED装置に上記各蛍光体シートを接着することにより黄色LED装置を得た。そして、得られた各黄色LED装置の発光スペクトルを得るための分光計測を行った。得られた各黄色LED装置の発光スペクトルを
図27及び
図28に示す。図中、「MAKE」は得られた各黄色LED装置の発光を示す合成スペクトルである。また、図中「ear of rice plant」は、
図26で示した黄色の稲穂の表面の反射スペクトルである。
図27及び
図28に示すように、得られた黄色LED装置の発光スペクトルは、
図26の黄色の稲穂の表面の反射スペクトルに似た合成スペクトルを示した。また、XYZ表色系の色座標は(X,Y)=(0.420,0.432)付近の黄色であり、黄色の稲穂の表面に近い色座標であった。