特許第6887621号(P6887621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6887621モジュール化平面連結板の製造方法、該モジュール化平面連結板を含むモジュール化平面連結板の組立体、及び該モジュール化平面連結板を製造するためのスタンピング組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887621
(24)【登録日】2021年5月21日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】モジュール化平面連結板の製造方法、該モジュール化平面連結板を含むモジュール化平面連結板の組立体、及び該モジュール化平面連結板を製造するためのスタンピング組立体
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0258 20160101AFI20210603BHJP
   H01M 8/12 20160101ALI20210603BHJP
   H01M 8/0206 20160101ALI20210603BHJP
   H01M 8/026 20160101ALI20210603BHJP
【FI】
   H01M8/0258
   H01M8/12 101
   H01M8/0206
   H01M8/026
   H01M8/12 102A
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-142404(P2019-142404)
(22)【出願日】2019年8月1日
(65)【公開番号】特開2020-136258(P2020-136258A)
(43)【公開日】2020年8月31日
【審査請求日】2019年8月1日
(31)【優先権主張番号】108104954
(32)【優先日】2019年2月14日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513197703
【氏名又は名称】國立臺北科技大學
(73)【特許権者】
【識別番号】519282410
【氏名又は名称】チュン タオ ノン ユアン コー チー クー フェン ユー シェン コン スー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ワン シー フー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ファン ピン
(72)【発明者】
【氏名】ルー シー チュアン
【審査官】 上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−272360(JP,A)
【文献】 特開2018−107109(JP,A)
【文献】 特表2017−532445(JP,A)
【文献】 特開平08−222237(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/208244(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0258
H01M 8/0206
H01M 8/026
H01M 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に延伸し互いに横方向にずれている複数の上主流路及び前記横方向に延伸し互いに前記縦方向にずれている複数の下主流路が形成されていると共に、固体酸化物燃料電池用であるモジュール化平面連結板の製造方法であって、
(a)主領域と、前記主領域を囲む周方向領域と、を有する金属素板を準備するステップと、
(b)前記金属素板の前記主領域をスタンピングして、前記金属素板の前記主領域の上面に複数列の上凸部を形成すると共に、前記金属素板の前記主領域の下面に複数列の下凹部を形成するステップと、
(c)前記金属素板の前記主領域をスタンピングして、前記金属素板の前記主領域の下面に複数行の下凸部を形成すると共に、前記金属素板の前記主領域の上面に複数行の上凹部を形成するステップと、を含み、
前記上凸部の列は、隣接する2つの前記上凸部の列の間に対応する前記上主流路を画定するように前記横方向に互いにずれており、前記上凸部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記上凸部を具え、
前記下凹部の列は、前記横方向に互いにずれており、前記下凹部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具え、
前記下凸部の行は、隣接する2つの前記下凸部の行の間に対応する前記下主流路を画定するように前記縦方向に互いにずれており、前記下凸部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記下凸部を具え、
前記上凹部の行は、前記縦方向に互いにずれており、前記上凹部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記上凹部を具えることを特徴とするモジュール化平面連結板の製造方法。
【請求項2】
前記金属素板の前記主領域の面に複数行の前記上凸部を形成するように、1つの前記上凸部の列における各前記上凸部は、他の前記上凸部の列における対応する1つの前記上凸部と同じ寸法であり且つ位置合わせされていると共に、隣接する2つの前記上凸部の行の間に、前記上主流路を横切る複数の上補助流路のうちの1つを画定するように、前記上凸部の行が前記縦方向に互いにずれていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化平面連結板の製造方法。
【請求項3】
前記金属素板の前記主領域の下面に複数列の前記下凸部を形成するように、1つの前記下凸部の行における各前記下凸部は、他の前記下凸部の行における対応する1つの前記下凸部と同じ寸法であり且つ位置合わせされていると共に、隣接する2つの前記下凸部の列の間に、前記下主流路を横切る複数の下補助流路のうちの1つを画定するように、前記下凸部の列が前記横方向に互いにずれていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化平面連結板の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)両方を同時に実施できるように、前記上凹部の行のそれぞれにおける前記上凹部は、隣接する前記上凸部の行における前記上凸部と互い違いに配列することを特徴とする請求項2に記載のモジュール化平面連結板の製造方法。
【請求項5】
前記ステップ(b)及び前記ステップ(c)両方を同時に実施できるように、前記下凹部の列のそれぞれにおける前記下凹部は、隣接する前記下凸部の列における前記下凸部と互い違いに配列することを特徴とする請求項3に記載のモジュール化平面連結板の製造方法。
【請求項6】
前記金属素板の前記周方向領域は、右側エリアと、前記右側エリアの前記縦方向に対する反対側にある左側エリアと、前側エリアと、前記前側エリアの前記横方向に対する反対側にある後側エリアと、を含有し、
前記ステップ(b)において、前記周方向領域の前記右側エリア及び前記左側エリアの頂面に、前上係止突起ユニット及び後上係止突起ユニットが互いに前記横方向において第1の所定距離を開けて形成されていると共に、前記前上係止突起ユニット及び前記後上係止突起ユニットは、一対の上保持突起を具え、
前記ステップ(c)において、前記周方向領域の前記前側エリア及び前記後側エリアの下面に、右下係止突起ユニット及び左下係止突起ユニットが互いに前記縦方向において第2の所定距離を開けて形成されていると共に、前記右下係止突起ユニット及び前記左下係止突起ユニットは、一対の下保持突起を具えることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化平面連結板の製造方法。
【請求項7】
固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板組立体であって、
モジュール化平面連結板と、一対の上延長プレートと、一対の下延長プレートと、を含み、
前記モジュール化平面連結板は、主領域と、前記主領域を囲む周方向領域と、を有すると共に、縦方向に延伸し互いに横方向にずれている複数の上主流路及び前記横方向に延伸し互いに前記縦方向にずれている複数の下主流路が形成されている金属素板であり、
前記金属素板の前記主領域は、上面に複数列の上凸部と、複数行の上凹部と、が形成されていると共に、下面に複数列の下凹部と、複数行の下凸部と、が形成されており、
前記上凸部の列は、隣接する2つの前記上凸部の列の間に対応する前記上主流路を画定するように前記横方向に互いにずれており、前記上凸部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記上凸部を具え、
前記下凹部の列は、前記横方向に互いにずれており、前記下凹部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具え、
前記下凸部の行は、隣接する2つの前記下凸部の行の間に対応する前記下主流路を画定するように前記縦方向に互いにずれており、前記下凸部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記下凸部を具え、
前記上凹部の行は、前記縦方向に互いにずれており、前記上凹部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記上凹部を具え、
前記金属素板の前記周方向領域は、右側エリアと、前記右側エリアの前記縦方向に対する反対側にある左側エリアと、前側エリアと、前記前側エリアの前記横方向に対する反対側にある後側エリアと、を含有し、
前記周方向領域の前記右側エリア及び前記左側エリアの頂面に、前上係止突起ユニット及び後上係止突起ユニットが互いに前記横方向において第1の所定距離を開けて形成されていると共に、前記前上係止突起ユニット及び前記後上係止突起ユニットは、一対の上保持突起を具え、
前記周方向領域の前記前側エリア及び前記後側エリアの下面に、右下係止突起ユニット及び左下係止突起ユニットが互いに前記縦方向において第2の所定距離を開けて形成されていると共に、前記右下係止突起ユニット及び前記左下係止突起ユニットは、一対の下保持突起を具え、
前記一対の上延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含み、且つ、前記上側延長プレートが前記右側エリア及び前記左側エリアのそれぞれの前記前上係止突起ユニット及び前記後上係止突起ユニットの間に、それぞれ保持されることができるようにそれぞれ前記第1の所定の距離より長い長さを有し、且つ、前記底面に、長手方向に互いにずれて、前記上主流路と流体連通するように配置され、前記上延長プレートのそれぞれの前記頂面が前記上凸部のそれぞれの最上部と面一になるように形成されている複数の第1の溝を有し、
前記一対の下延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含有し、且つ、前記下延長プレートが前記前側エリア及び前記後側エリアのそれぞれの前記右下係止突起ユニット及び前記左下係止突起ユニットの間に、それぞれ保持されることができるようにそれぞれ前記第2の所定の距離より長い長さを有し、且つ、前記頂面に、長手方向に互いにずれて、前記上主流路と流体連通するように配置され、前記下延長プレートのそれぞれの前記底面が前記下凸部のそれぞれの最下部と面一になるように形成されている複数の第2の溝を有することを特徴とするモジュール化平面連結板組立体。
【請求項8】
前記第1の溝のそれぞれは前記上主流路と並んでおり、前記第2の溝のそれぞれは前記下主流路と並んでいることを特徴とする請求項7に記載のモジュール化平面連結板組立体。
【請求項9】
前記モジュール化平面連結板は、
前記右側エリアの右側及び前記左側エリアの左側に位置する右辺縁エリア及び左辺縁エリアのそれぞれに形成された一対の第1スロットと、
前記前側エリアの前側及び前記後側エリアの後側に位置する前辺縁エリア及び後辺縁エリアのそれぞれに形成された一対の第2のスロットと、を更に具えることを特徴とする請求項7に記載のモジュール化平面連結板組立体。
【請求項10】
固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板組立体であって、
モジュール化平面連結板と、一対の上延長プレートと、一対の下延長プレートと、一対の上耳挿入部と、一対の下耳挿入部と、を含み、
前記モジュール化平面連結板は、主領域と、前記主領域を囲む周方向領域と、を有すると共に、縦方向に延伸し互いに横方向にずれている複数の上主流路及び前記横方向に延伸し互いに前記縦方向にずれている複数の下主流路が形成されている金属素板であり、
前記金属素板の前記主領域は、上面に複数列の上凸部と、複数行の上凹部と、が形成されていると共に、下面に複数列の下凹部と、複数行の下凸部と、が形成されており、
前記上凸部の列は、隣接する2つの前記上凸部の列の間に対応する前記上主流路を画定するように前記横方向に互いにずれており、前記上凸部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記上凸部を具え、
前記下凹部の列は、前記横方向に互いにずれており、前記下凹部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具え、
前記下凸部の行は、隣接する2つの前記下凸部の行の間に対応する前記下主流路を画定するように前記縦方向に互いにずれており、前記下凸部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記下凸部を具え、
前記上凹部の行は、前記縦方向に互いにずれており、前記上凹部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記上凹部を具え、
前記金属素板の前記周方向領域は、右側エリアと、前記右側エリアの前記縦方向に対する反対側にある左側エリアと、前側エリアと、前記前側エリアの前記横方向に対する反対側にある後側エリアと、を含有し、
前記周方向領域の前記右側エリア及び前記左側エリアの頂面に、前上係止突起ユニット及び後上係止突起ユニットが互いに前記横方向において第1の所定距離を開けて形成されていると共に、前記前上係止突起ユニット及び前記後上係止突起ユニットは、一対の上保持突起を具え、
前記周方向領域の前記前側エリア及び前記後側エリアの下面に、右下係止突起ユニット及び左下係止突起ユニットが互いに前記縦方向において第2の所定距離を開けて形成されていると共に、前記右下係止突起ユニット及び前記左下係止突起ユニットは、一対の下保持突起を具え、
前記一対の上延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含み、且つ、長さが前記第1の所定の距離以下であり、且つ、前記底面に、長手方向に互いにずれて、前記上主流路と流体連通するように配置され、前記上延長プレートのそれぞれの前記頂面が前記上凸部のそれぞれの最上部と面一になるように形成されている複数の第1の溝を有し、
前記一対の下延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含み、且つ、長さが前記第2の所定の距離以下であり、且つ、前記頂面に、長手方向に互いにずれて、前記下主流路と流体連通するように配置され、前記下延長プレートのそれぞれの前記底面が前記下凸部のそれぞれの最下部と面一になるように形成されている複数の第2の溝を有し、
前記一対の上耳挿入部のそれぞれは、上連接領域を有して前記上延長プレートのそれぞれの2つの端部のうちの対応する端部に接合するように配置され、且つ、前記上連接領域は、前記前上係止突起ユニット及び前記後上係止突起ユニットのそれぞれの前記上保持突起の間に前記上連接領域が嵌合できるに構成されており、
前記一対の下耳挿入部のそれぞれは、下連接領域を有して前記下延長プレートのそれぞれの2つの端部のうちの対応する端部に接合するように配置され、且つ、前記下連接領域は、前記右下係止突起ユニット及び前記左下係止突起ユニットのそれぞれの前記下保持突起の間に前記下連接領域が嵌合できるに構成されていることを特徴とするモジュール化平面連結板組立体。
【請求項11】
前記第1の溝のそれぞれは前記上主流路と並んでおり、前記第2の溝のそれぞれは前記下主流路と並んでいることを特徴とする請求項10に記載のモジュール化平面連結板組立体。
【請求項12】
前記モジュール化平面連結板は、
前記右側エリアの右側及び前記左側エリアの左側に位置する右辺縁エリア及び左辺縁エリアのそれぞれに形成された一対の第1のスロットと、
前記前側エリアの前側及び前記後側エリアの後側に位置する前辺縁エリア及び後辺縁エリアのそれぞれに形成された一対の第2のスロットと、を更に具えることを特徴とする請求項10に記載のモジュール化平面連結板組立体。
【請求項13】
固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板を製造するためのスタンピング組立体であって、
上ダイと、下ダイと、複数の第1のピンと、複数の第2のピンと、を含み、
前記上ダイは、上面と、前記上面の反対面である下面と、前記下面上の複数列の下凹部と、前記下面から前記上面まで延びる複数列の第1の案内孔と、を具え、
前記下凹部の列は、横方向に互いにずれており、前記下凹部の各列は、縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具え、
前記第1の案内孔の各列は、隣接する2つの前記下凹部の前記列の間に配置され、隣接する前記下凹部の前記列の前記下凹部と互い違いに配置された複数の前記第1の案内孔を具え、
前記下ダイは、頂面と、前記頂面の反対面である底面と、前記頂面上の複数列の頂凹部と、前記底面から前記頂面まで延びる複数列の第2の案内孔と、を具え、
各前記頂凹部は、前記第1の案内孔のうちの対応する1つと位置合わせされるように配置されており、
各前記第2の案内孔は、前記下凹部のうちの対応する1つと位置合わせされるように配置されており、
前記複数の第1のピンのそれぞれは、第1のピンヘッドと第1のピン本体とを有し、前記第1のピンヘッドが前記上ダイの前記下面から外向きに第1の所定の長さで延びることできるように、対応する1つの前記第1の案内孔と嵌合して係合し、
前記複数の第2のピンのそれぞれは、第2のピンヘッドと第2のピン本体とを有し、前記第2のピンヘッドが前記下ダイの前記頂面から外向きに第2の所定の長さで延びることできるように、対応する1つの前記第2の案内孔と嵌合して係合することを特徴とするスタンピング組立体。
【請求項14】
各前記第1の案内孔は、第1の上孔部分と、前記第1の上孔部分の直径より小さい直径を有する第1の下孔部分と、それらの間に形成された第1の内側支台肩部とを有するように構成されており、
前記第1のピン本体は、第1の下ピン部分と、前記第1の下ピン部分の直径よりも長い直径を有する第1の上ピン部分と、それらの間に形成された第1の外側支台肩部と、を有するように構成されており、前記第1のピンのそれぞれが前記第1の案内孔の対応する1つと嵌合して係合すると、前記第1の外側支台肩部が前記第1の内側支台肩部に当接することにより、前記第1のピンヘッドを前記第1の所定の長さに維持することを特徴とする請求項13に記載のスタンピング組立体。
【請求項15】
各前記第2の案内孔は、第2の上孔部分と、前記第2の上孔部分の直径より長い直径を有する第2の下孔部分と、それらの間に形成された第2の内側支台肩部とを有するように構成されており、
前記第2のピン本体は、第2の下ピン部分と、前記第2の下ピン部分の直径よりも小さい直径を有する第2の上ピン部分と、それらの間に形成された第2の外側支台肩部と、を有するように構成されており、前記第2のピンのそれぞれが前記第2の案内孔の対応する1つと嵌合して係合すると、前記第2の外側支台肩部が前記第2の内側支台肩部に当接することにより、前記第2のピンヘッドを前記第2の所定の長さに維持することを特徴とする請求項13に記載のスタンピング組立体。
【請求項16】
前記第1のピンのそれぞれの前記第1のピン本体を押圧するために前記上ダイの前記上面に配置された頂カバープレートと、
前記第2のピンのそれぞれの前記第2のピン本体を押圧するために前記下ダイの前記底面に配置された底カバープレートと、を更に含むことを特徴とする請求項13に記載のスタンピング組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール化平面連結板の製造方法に関し、より詳細には、固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板の製造方法に関する。また、本発明は、モジュール化平面連結板を含むモジュール化平面連結板の組立体、及びモジュール化平面連結板を製造するためのスタンピング組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、正電荷を帯びる水素イオンと、酸素または他の酸化剤との化学反応によって、燃料からの化学エネルギーを電気に転換する装置である。燃料電池は、燃料と、酸素または空気とを連続的に供給できる限り、連続的に電力を生産することができる。特に、平面固体酸化物燃料電池(以下、平面型SOFCと称する。)は、耐久安定性と低製造コストという利点を有し、且つ、複数の平面型SOFCをスタックして電気的に直列に接続することにより高電圧を生じることができるので、様々な用途においてより一般的である。
【0003】
固体酸化物燃料電池用の平面連結板は、平面型セルユニットの燃料流体を隣接の平面型セルユニットの酸素含有流体から分離するように構成される。例えば特許文献1に開示されている従来の技術は、通常、燃料流体及び酸素含有流体が流路を通過して対応する平面セルユニットと接触するように、機械的な彫刻によって各平面連結板の2つの対向する表面上に流路を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許第I586027号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、機械的な彫刻によって機械加工される平面連結板は比較的厚さが必要である。更に、機械的な彫刻は、比較的長い処理時間を要する工程であり、費用がかかる。
【0006】
従って、本発明の第1の目的は、平面連結板の製造の従来技術にある上記欠点を軽減または解消するために、固体酸化物燃料電池用のモジュール式平面相互接続板の製造方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、上記製造されたモジュール化平面連結板を含むモジュール化平面連結板組立体を提供することにある。本発明の第3の目的は、モジュール化平面連結板を製造するためのスタンピング組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、縦方向に延伸し互いに横方向にずれている複数の上主流路及び前記横方向に延伸し互いに前記縦方向にずれている複数の下主流路が形成されていると共に、固体酸化物燃料電池用であるモジュール化平面連結板の製造方法であって、
(a)主領域と、前記主領域を囲む周方向領域と、を有する金属素板を準備するステップと、
(b)前記金属素板の前記主領域をスタンピングして、前記金属素板の前記主領域の面に複数列の上凸部を形成すると共に、前記金属素板の前記主領域の下面に複数列の下凹部を形成するステップと、
(c)前記金属素板の前記主領域をスタンピングして、前記金属素板の前記主領域の下面に複数列の下凸部を形成すると共に、前記金属素板の前記主領域の面に複数列の上凹部を形成するステップと、を含み、
前記上凸部の列は、隣接する2つの前記上凸部の列の間に対応する前記上主流路を画定するように前記横方向に互いにずれており、前記上凸部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記上凸部を具え、
前記下凹部の列は、前記横方向に互いにずれており、前記下凹部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具え、
前記下凸部の行は、隣接する2つの前記下凸部の行の間に対応する前記下主流路を画定するように前記縦方向に互いにずれており、前記下凸部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記下凸部を具え、
前記上凹部の行は、前記縦方向に互いにずれており、前記上凹部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記上凹部を具える。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板組立体であって、
モジュール化平面連結板と、一対の上延長プレートと、一対の下延長プレートと、を含有し、
前記モジュール化平面連結板は、主領域と、前記主領域を囲む周方向領域と、を有すると共に、縦方向に延伸し互いに横方向にずれている複数の上主流路及び前記横方向に延伸し互いに前記縦方向にずれている複数の下主流路が形成されている金属素板であり、
前記金属素板の前記主領域は、上面に複数列の上凸部と、複数行の上凹部と、が形成されていると共に、下面に複数列の下凹部と、複数行の下凸部と、が形成されており、
前記上凸部の列は、隣接する2つの前記上凸部の列の間に対応する前記上主流路を画定するように前記横方向に互いにずれており、前記上凸部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記上凸部を具え、
前記下凹部の列は、前記横方向に互いにずれており、前記下凹部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具え、
前記下凸部の行は、隣接する2つの前記下凸部の行の間に対応する前記下主流路を画定するように前記縦方向に互いにずれており、前記下凸部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記下凸部を具え、
前記上凹部の行は、前記縦方向に互いにずれており、前記上凹部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記上凹部を具え、
前記金属素板の前記周方向領域は、右側エリアと、前記右側エリアの前記縦方向に対する反対側にある左側エリアと、前側エリアと、前記前側エリアの前記横方向に対する反対側にある後側エリアと、を含有し、
前記周方向領域の前記右側エリア及び前記左側エリアの頂面に、前上係止突起ユニット及び後上係止突起ユニットが互いに前記横方向において第1の所定距離を開けて形成されていると共に、前記前上係止突起ユニット及び前記後上係止突起ユニットは、一対の上保持突起を具え、
前記周方向領域の前記前側エリア及び前記後側エリアの下面に、右下係止突起ユニット及び左下係止突起ユニットが互いに前記縦方向において第2の所定距離を開けて形成されていると共に、前記右下係止突起ユニット及び前記左下係止突起ユニットは、一対の下保持突起を具え、
前記一対の上延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含有し、且つ、前記上側延長プレートが右側エリア及び前記左側エリアのそれぞれの前上係止突起ユニット及び後上係止突起ユニットの間に、それぞれ保持されることができるようにそれぞれ第1の所定の距離より長い長さを有し、且つ、前記底面に、長手方向に互いにずれて、前記上主流路と流体連通するように配置され、前記上延長プレートのそれぞれの前記頂面が前記上凸部のそれぞれの最上部と面一になるように形成されている複数の第1の溝を有し、
前記一対の下延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含有し、且つ、前記下延長プレートが前側エリア及び後側エリアのそれぞれの右下係止突起ユニット及び左下係止突起ユニットの間に、それぞれ保持されることができるようにそれぞれ第2の所定の距離より長い長さを有し、且つ、前記頂面に、長手方向に互いにずれて、前記上主流路と流体連通するように配置され、前記下延長プレートのそれぞれの前記底面が前記下凸部のそれぞれの最下部と面一になるように形成されている複数の第2の溝を有する。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板組立体であって、
モジュール化平面連結板と、一対の上延長プレートと、一対の下延長プレートと、一対の上耳挿入部と、一対の下耳挿入部と、を含有し、
前記モジュール化平面連結板は、主領域と、前記主領域を囲む周方向領域と、を有すると共に、縦方向に延伸し互いに横方向にずれている複数の上主流路及び前記横方向に延伸し互いに前記縦方向にずれている複数の下主流路が形成されている金属素板であり、
前記金属素板の前記主領域は、上面に複数列の上凸部と、複数行の上凹部と、が形成されていると共に、下面に複数列の下凹部と、複数行の下凸部と、が形成されており、
前記上凸部の列は、隣接する2つの前記上凸部の列の間に対応する前記上主流路を画定するように前記横方向に互いにずれており、前記上凸部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記上凸部を具え、
前記下凹部の列は、前記横方向に互いにずれており、前記下凹部の各列は、前記縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具え、
前記下凸部の行は、隣接する2つの前記下凸部の行の間に対応する前記下主流路を画定するように前記縦方向に互いにずれており、前記下凸部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記下凸部を具え、
前記上凹部の行は、前記縦方向に互いにずれており、前記上凹部の各行は、前記横方向に互いにずれた複数の前記上凹部を具え、
前記金属素板の前記周方向領域は、右側エリアと、前記右側エリアの前記縦方向に対する反対側にある左側エリアと、前側エリアと、前記前側エリアの前記横方向に対する反対側にある後側エリアと、を含有し、
前記周方向領域の前記右側エリア及び前記左側エリアの頂面に、前上係止突起ユニット及び後上係止突起ユニットが互いに前記横方向において第1の所定距離を開けて形成されていると共に、前記前上係止突起ユニット及び前記後上係止突起ユニットは、一対の上保持突起を具え、
前記周方向領域の前記前側エリア及び前記後側エリアの下面に、右下係止突起ユニット及び左下係止突起ユニットが互いに前記縦方向において第2の所定距離を開けて形成されていると共に、前記右下係止突起ユニット及び前記左下係止突起ユニットは、一対の下保持突起を具え、
前記一対の上延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含有し、且つ、長さが第1の所定の距離以下であり、且つ、前記底面に、長手方向に互いにずれて、前記上主流路と流体連通するように配置され、前記上延長プレートのそれぞれの前記頂面が前記上凸部のそれぞれの最上部と面一になるように形成されている複数の第1の溝を有し、
前記一対の下延長プレートのそれぞれは、頂面及び底面を含有し、且つ、長さが前記第2の所定の距離以下であり、且つ、前記頂面に、長手方向に互いにずれて、前記下主流路と流体連通するように配置され、前記下延長プレートのそれぞれの前記底面が前記下凸部のそれぞれの最下部と面一になるように形成されている複数の第2の溝を有し、
前記一対の上耳挿入部のそれぞれは、上連接領域を有して前記上延長プレートのそれぞれの2つの端部のうちの対応する端部に接合するように配置され、且つ、前記上連接領域は、前上係止突起ユニット及び後上係止突起ユニットのそれぞれの上保持突起の間に前記上連接領域が嵌合できるに構成されており、
前記一対の下耳挿入部のそれぞれは、下連接領域を有して前記下延長プレートのそれぞれの2つの端部のうちの対応する端部に接合するように配置され、且つ、前記下連接領域は、右下係止突起ユニット及び左下係止突起ユニットのそれぞれの下保持突起の間に前記下連接領域が嵌合できるに構成されている。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板を製造するためのスタンピング組立体であって、上ダイと、下ダイと、複数の第1のピンと、複数の第2のピンと、を含有する。
【0011】
前記上ダイは、上面と、前記上面の反対面である下面と、前記下面上の複数列の下凹部と、前記下面から前記上面まで延びる複数列の第1の案内孔と、を具える。前記下凹部の前記列は、横方向に互いにずれている。前記下凹部の各列は、縦方向に互いにずれた複数の前記下凹部を具える。前記第1の案内孔の各列は、隣接する2つの前記下凹部の前記列の間に配置され、隣接する前記下凹部の前記列の前記下凹部と互い違いに配置された複数の前記第1の案内孔を具える。
【0012】
前記下ダイは、頂面と、前記頂面の反対面である底面と、前記頂面上の複数列の頂凹部と、前記底面から前記頂面まで延びる複数列の第2の案内孔と、を具える。各前記頂凹部は、前記第1の案内孔のうちの対応する1つと位置合わせされるように配置されている。各前記第2の案内孔は、前記下凹部のうちの対応する1つと位置合わせされるように配置されている。
【0013】
前記複数の第1のピンのそれぞれは、第1のピンヘッドと第1のピン本体とを有し、前記第1のピンヘッドが前記上ダイの前記下面から外向きに第1の所定の長さで延びることできるように、対応する1つの前記第1の案内孔と嵌合して係合する。
【0014】
前記複数の第2のピンのそれぞれは、第2のピンヘッドと第2のピン本体とを有し、前記第2のピンヘッドが前記下ダイの前記頂面から外向きに第2の所定の長さで延びることできるように、対応する1つの前記第2の案内孔と嵌合して係合する。
【発明の効果】
【0015】
上記の構成によれば、本発明による固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板の製造方法は、機械的な彫刻が不要であり、金属素板をスタンピングすることにより実施される。モジュール化平面連結板は、比較的低い製造コスト及び比較的高い製造速度で、上凸部、下凹部、下凸部及び上凹部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、以下の実施形態の詳細に説明することにより明白になる。
図1】本発明によるモジュール化平面連結板の製造方法の一実施形態用の金属素板の斜視図である。
図2】本発明によるモジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態の分解斜視図である。
図3】本発明によるモジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態の概略頂面図である。
図4】本発明によるモジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態の概略底面図である。
図5】モジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態が一対の平面セルユニットに挟まれた分解斜視図である。
図6】本発明によるモジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態を2つ有する固体酸化物燃料電池の分解斜視図である。
図7図6の固体酸化物燃料電池の斜視図である。
図8図7の線VIII-VIIIに沿った固体酸化物燃料電池の概略断面図である。
図9図7の線IX-IXに沿った固体酸化物燃料電池の概略断面図である。
図10】本発明によるモジュール化平面連結板組立体の第2の実施形態の分解斜視図である。
図11】本発明によるスタンピング組立体の一実施形態の上ダイの概略底面図である。
図12】本発明によるスタンピング組立体の一実施形態の下ダイの概略頂面図である。
図13】本発明によるスタンピング組立体の一実施形態の概略断面図である。
図14】本発明によるスタンピング組立体の一実施形態の第1のピン及び第2のピンを示す図13の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、符号又は符号の末尾部分は、同様の特性を有し得る対応の又は類似の要素を示すために各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0018】
図1図4を参照すると、モジュール式平面相互接続板2の製造方法の一実施形態が示されている。
【0019】
モジュール化平面連結板2は、縦方向Aに延伸し互いに横方向Bにずれている複数の上主流路211及び横方向Bに延伸し互いに縦方向Aにずれている複数の下主流路221が形成されていると共に、固体酸化物燃料電池1用のものである。モジュール化平面連結板2の製造方法は、以下の(a)〜(c)のステップを含む。
【0020】
(a)主領域21’を有する金属素板2’を準備するステップ。
【0021】
(b)金属素板2’の主領域21’をスタンピングして、金属素板2’の主領域21’の上面に複数列の上凸部213を形成し、金属素板2’の主領域21’の下面に複数列の下凹部224を形成するステップ。
【0022】
(c)金属素板2’の主領域21’をスタンピングして、金属素板2’の主領域21’の下面に複数行の下凸部223を形成し、金属素板2’の主領域21’の面に複数行の上凹部214を形成するステップ。
【0023】
金属素板2’は、主領域21’を囲む周方向領域22’を有する。周方向領域22’は、右側エリア221’と、右側エリア221’の縦方向Aに対する反対側にある左側エリア222’と、前側エリア223’と、前側エリア223’の横方向Bに対する反対側にある後側エリア224’と、を含む。
【0024】
上記のように、ステップ(b)においては、金属素板2’がスタンピングされて、金属素板2’の主領域21’の上面に上凸部213の列が複数形成される。上凸部213の列は、隣接する2つの上凸部213の列の間に対応する上主流路211を画定するように横方向Bに互いにずれている。上凸部213の各列は、縦方向Aに互いにずれた複数の上凸部213を含む。また、金属素板2'の主領域21'の面に上凸部213の行を複数形成するように、1つの上凸部213の列における各上凸部213は、他の上凸部213の列における対応する1つの上凸部213と同じ寸法であり且つ位置合わせされている。上凸部213の行は、隣接する2つの上凸部213の行の間に、上主流路211を横切る複数の上補助流路212のうちの1つを画定するように、縦方向Aに互いにずれている。
【0025】
上記のように、下凹部224の列が金属素板2’の主領域21’の下面に形成される。加えて、下凹部224の列は、横方向Bに互いにずれている。下凹部224の各列は、縦方向Aに互いにずれた複数の下凹部224を含む。
【0026】
ステップ(b)において、金属素板2’には、周方向領域22’の右側エリア221’及び左側エリア222’ のそれぞれの面に、前上係止突起ユニット215及び後上係止突起ユニット216が形成されている。前上係止突起ユニット215及び後上係止突起ユニット216は、互いに横方向Bにおいて第1の所定距離を開けている。前上係止突起ユニット215及び後上係止突起ユニット216は、一対の上保持突起を含有する。
【0027】
上記のように、ステップ(c)において、金属素板2’の主領域21’がスタンピングされて、金属素板2’の主領域21’の下面に下凸部223の行が複数形成される。下凸部223の行は、隣接する2つの下凸部223の行の間に対応する下主流路221を画定するように縦方向Aに互いにずれている。下凸部223の各行は、横方向Bに互いにずれた複数の下凸部223を含む。また、1つの下凸部223の行における各下凸部223は、金属素板2'の主領域21'の下面に下凸部223の列を複数形成するように、他の下凸部223の行における対応する1つの下凸部223と同じ寸法であり且つ位置合わせされている。下凸部223の列は、隣接する2つの下凸部223の列の間に、下主流路221を横切る複数の下補助流路222のうちの1つを画定するように、横方向Bに互いにずれている。
【0028】
上記のように、上凹部214の行が金属素板2’の主領域21’の上面に形成される。加えて、上凹部214の行は、縦方向Aに互いにずれている。上凹部214の各行は、横方向Bに互いにずれた複数の上凹部214を含む。
【0029】
ステップ(b)及びステップ(c)両方を同時に実施できるように、上凹部214の各行における上凹部214は、隣接する上凸部213の行における上凸部213と互い違いに配列され、且つ、下凹部224の各列における下凹部224は、隣接する下凸部223の列における下凸部223と互い違いに配列される。
【0030】
ステップ(c)において、金属素板2’には、周方向領域22’の前側エリア223'及び後側エリア224'の下面に、右下係止突起ユニット225及び左下係止突起ユニット226が形成されている。右下係止突起ユニット225及び左下係止突起ユニット226は、互いに縦方向Aにおいて第2の所定距離を開けている。右下係止突起ユニット225及び左下係止突起ユニット226は、一対の下係止突起を含有する。
【0031】
図2図4を参照すると、本発明の固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態は、上記の実施形態に記載のモジュール化平面連結板の製造方法により製造されたモジュール化平面連結板2と、一対の上延長プレート5と、一対の下延長プレート4と、を含む。
【0032】
モジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態において、上延長プレート5のそれぞれは、頂面51及び底面52を含有し、且つ、上側延長プレート5が右側エリア221’及び左側エリア222’のそれぞれの前上係止突起ユニット215及び後上係止突起ユニット216の間に保持されることができるように前記第1の所定の距離より長い長さを有する。各上延長プレート5は、底面52に、複数の第1の溝53を有し、複数の第1の溝53は、長手方向に互いにずれて、上主流路211と流体連通するように配置され、上延長プレート5のそれぞれの頂面51が上凸部213のそれぞれの最上部と面一になるように形成されている。
【0033】
モジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態において、各下延長プレート4は、頂面41と底面42とを含有し、且つ、下延長プレート4が前側エリア223’ の右下係止突起ユニット225及び左下係止突起ユニット226の間に及び後側エリア224’の右下係止突起ユニット225及び左下係止突起ユニット226の間に、それぞれ保持されることができるように前記第2の所定の距離より長い長さを有する。各下延長プレート4は、頂面41に複数の第2の溝43を有し、複数の第2の溝43は、長手方向に互いにずれていて、また、第2の溝43が上主流路221と流体連通するように、且つ、下延長プレート4のそれぞれの底面42が下凸部223のそれぞれの最下部と面一になるように配置されている。
【0034】
モジュール化平面連結板2は、一対の第1のスロット23と、一対の第2のスロット24と、を更に含む。一対の第1のスロット23は、第1の溝53を通して上主流路211に酸素含有流体を供給するために、右側エリア221'の右側及び左側エリア222'の左側に位置する右辺縁エリア221”及び左辺縁エリア222”にそれぞれ形成されている。一対の第2のスロット24は、第2の溝43を通して下主流路221に燃料流体を供給するために、前側エリア223の前側及び後側エリア224'の後側に位置する前辺縁エリア223”及び後辺縁エリア224”にそれぞれ形成されている。
【0035】
モジュール化平面連結板2、上延長プレート5及び下延長プレート4は、SUS430、SUS431、SUS441、Crofer(登録商標)22などのステンレス鋼材からなる。モジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態では、モジュール化平面連結板2、上延長プレート5及び下延長プレート4は別々に形成される。別法として、それらは一体的な構成として形成されてもよい。
【0036】
図5を参照すると、モジュール化平面連結板2の第1の実施形態は、一対の平面セルユニット3の間に挟まれるように示されている。各平面セルユニット3は、陽極ウェブ34と、陰極ウェブ35と、陽極ウェブ34と陰極ウェブ35との間に挟まれている平面セル本体33とを含む。
【0037】
図6図9を参照すると、固体酸化物燃料電池1は、2枚のモジュール化平面連結板2と、それらの間に挟まれた平面電池ユニット3とを含有する。
【0038】
各モジュール化平面連結板2は、上述した第1の実施形態のモジュール化平面連結板2である。
【0039】
陽極ウェブ34は、平面セル本体33と2つのモジュール化平面連結板2のうちの一方との間に挟まれている。陰極ウェブ35は、平面セル本体33と2つのモジュール化平面連結板2のうちの他方との間に挟まれている。
【0040】
図10を参照すると、モジュール化平面連結板組立体の第2の実施形態は、各上延長プレート5の長さが第1の所定距離以下であり、各下延長プレート4の長さが第2の所定距離以下である以外、モジュール化平面連結板組立体の第1の実施形態と同様である。更に、モジュール化平面連結板組立体の第2の実施形態は、一対の上耳挿入部6及び一対の下耳挿入部7を含有する。
【0041】
各上耳挿入部6は、上連接領域61を有して上延長プレート5のそれぞれの2つの端部のうちの対応する端部に接合するように配置されている。上連接領域61は、前上係止突起ユニット215及び後上係止突起ユニット216のそれぞれの前記上保持突起の間に上連接領域61が嵌合できるに構成されている。
【0042】
各下耳挿入部7は、下連接領域71を有して下延長プレート4のそれぞれの2つの端部のうちの対応する端部に接合するように配置されている。下連接領域71は、右下係止突起ユニット225及び左下係止突起ユニット226のそれぞれの前記下保持突起の間に下連接領域71が嵌合できるに構成されている。
【0043】
図11図14を参照すると、本発明による固体酸化物型燃料電池1用のモジュール化平面連結板2の製造方法は、本発明によるスタンピング組立体8を用いて実施することができる。スタンピング組立体8の一実施形態は、上ダイ81と、下ダイ82と、複数の第1のピン83と、複数の第2のピン84と、頂カバープレート85と、底カバープレート86とを含む。
【0044】
上ダイ81は、上面811と、上面811の反対面である下面812と、下面812上の複数列の下凹部813と、下面812から上面811まで延びる複数列の第1の案内孔814と、を含む。下凹部813の列は横方向Tに互いにずれている。各下凹部813の列は、縦方向Lに互いにずれている複数の下凹部813を含む。各第1の案内孔814の列は、隣接する2つの下凹部813の列の間に配置され、隣接する下凹部813の列の下凹部813と互い違いに配置された複数の第1の案内孔814を含有する。各第1の案内孔814は、第1の上孔部分8141と、第1の上孔部分8141の直径より小さい直径を有する第1の下孔部分8142と、それらの間に形成された第1の内側支台肩部8143とを有するように構成されている。
【0045】
下ダイ82は、頂面821と、頂面821の反対面である底面822と、頂面821上の複数列の頂凹部823と、底面822から頂面821まで延びる複数列の第2の案内孔824と、を含有する。各頂凹部823は、第1の案内孔814のうちの対応する1つと位置合わせされるように配置されている。各第2の案内孔824は、下凹部813のうちの対応する1つと位置合わせされるように配置されている。各第2の案内孔824は、第2の上孔部分8241と、第2の上孔部分8241の直径より長い直径を有する第2の下孔部分8242と、それらの間に形成された第2の内側支台肩部8243とを有するように構成されている。
【0046】
各第1のピン83は、第1のピンヘッド831と第1のピン本体832とを有し、第1のピンヘッド831が上ダイ81の下面812から外向きに第1の所定の長さL1で延びることできるように、対応する1つの第1の案内孔814と嵌合して係合する。第1のピン本体832は、第1の下ピン部分8321と、第1の下ピン部分8321の直径よりも長い直径を有する第1の上ピン部分8322と、それらの間に形成された第1の外側支台肩部8323と、を有するように構成されており、第1のピン83のそれぞれが第1の案内孔814の対応する1つと嵌合して係合すると、第1の外側支台肩部8323が第1の内側支台肩部8143に当接することにより、第1のピンヘッド831を第1の所定の長さL1に維持する。
【0047】
各第2のピン84は、第2のピンヘッド841と第2のピン本体842とを有し、第2のピンヘッド841が下ダイ82の頂面821から外向きに第2の所定の長さL2で延びることできるように、対応する1つの第2の案内孔824と嵌合して係合する。第2のピン本体842は、第2の下ピン部分8421と、第2の下ピン部分8421の直径よりも小さい直径を有する第2の上ピン部分8422と、それらの間に形成された第2の外側支台肩部8423と、を有するように構成されており、第2のピン84のそれぞれが第2の案内孔824の対応する1つと嵌合して係合すると、第2の外側支台肩部8423が第2の内側支台肩部8243に当接することにより、第2のピンヘッド841を第2の所定の長さL2に維持する。
【0048】
頂カバープレート85は、第1のピン83のそれぞれの第1のピン本体832を押圧するために上ダイ81の上面811に配置されている。
【0049】
底カバープレート86は、第2のピン84のそれぞれの第2のピン本体842を押圧するために下ダイ82の底面822に配置されている。
【0050】
金属素板2'は、第1のピン83が取り付けられている上ダイ81の底面812と第2のピン84が取り付けられている下ダイ82の頂面821との間に配置されている。従って、金属素板2'の主領域21'をスタンピングすることによって、上主流路211及び下主流路221を同時に形成することができる。
【0051】
上述のように、本発明によるモジュール化平面連結板2の製造方法は、金属素板2 'の主領域21'をスタンピングすることによって、2つの隣接する上凸部213の列の間に画定される上主流路211と2つの隣接する下凸部223の列の間に画定される下主流路221とを同時に形成する。上凹部214には、酸素含有流体が上主流路211のそれぞれに沿って流れて変動することができ、下凹部224には、燃料流体が下主流路221のそれぞれに沿って流動して変動することができる。更に、酸素含有流体及び流体燃料がそれぞれ隣接する上主流路211または隣接する下主流路221に流れるように、金属素板2 'の主領域21'にはまた、隣接する2つの上凸部213の行の間に画定される上補助流路212と隣接する2つの下凸部223の列の間に画定される下補助流路222とが同時に形成される。従って、本発明のモジュール化平面連結板2は、前述従来技術の不利点を回避するために、より薄い厚さ(例えば、0.3mm)で製造することができる。
【0052】
要するに、本発明による固体酸化物燃料電池1用のモジュール化平面連結板の製造方法は、機械的な彫刻が不要であり、金属素板2’をスタンピングすることにより実施される。モジュール化平面連結板2は、比較的低い製造コスト及び比較的高い製造速度で、上凸部213、下凹部224、下凸部223及び上凹部214を形成することができる。また、上主流路211と下主流路221とのそれぞれに沿って酸素含有流体と燃料流体とが流動して変動することができるので、酸素含有流体と燃料流体とが完全に平面セルユニット3に接触することができる。
【0053】
上記においては、説明のため、本発明の全体的な理解を促すべく多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一つの実施形態」「一実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本発明の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本説明において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、またはこれらの説明に組み込まれているが、これは本説明を合理化させるためのもので、また、本発明の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本発明の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明のモジュール化平面連結板の製造方法は、従来技術にある欠点を軽減または解消し、固体酸化物燃料電池用のモジュール化平面連結板を製造することに好適である。
【符号の説明】
【0056】
1 固体酸化物燃料電池
2 モジュール式平面相互接続板
2’ 金属素板
21’ 主領域
211 上主流路
212 上補助流路
213 上凸部
214 上凹部
215 前上係止突起ユニット
216 後上係止突起ユニット
22’ 周方向領域
221’ 右側エリア
222’ 左側エリア
223’ 前側エリア
224’ 後側エリア
221 下主流路
222 下補助流路
223 下凸部
224 下凹部
225 右下係止突起ユニット
226 左下係止突起ユニット
23 第1のスロット
24 第2のスロット
3 平面セルユニット
33 平面セル本体
34 陽極ウェブ
35 陰極ウェブ
4 下延長プレート
41 頂面
42 底面
43 第2の溝
5 上延長プレート
51 頂面
52 底面
53 第1の溝
6 上耳挿入部
61 上連接領域
7 下耳挿入部
71 下連接領域
8 スタンピング組立体
81 上ダイ
811 上面
812 下面
813 下凹部
814 第1の案内孔
8141 第1の上孔部分
8142 第1の下孔部分
8143 第1の内側支台肩部
82 下ダイ
821 頂面
822 底面
823 頂凹部
824 第2の案内孔
8241 第2の上孔部分
8242 第2の下孔部分
8243 第2の内側支台肩部
83 第1のピン
831 第1のピンヘッド
832 第1のピン本体
8321 第1の下ピン部分
8322 第1の上ピン部分
8323 第1の外側支台肩部
84 第2のピン
841 第2のピンヘッド
842 第2のピン本体
8421 第2の下ピン部分
8422 第2の上ピン部分
8423 第2の外側支台肩部
85 頂カバープレート
86 底カバープレート
A、L 縦方向
B、T 横方向
L1 第1の所定の長さ
L2 第2の所定の長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14