特許第6887633号(P6887633)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6887633
(24)【登録日】2021年5月21日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】外殻体および包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/04 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
   B65D6/04 A
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-524420(P2020-524420)
(86)(22)【出願日】2020年4月27日
(86)【国際出願番号】JP2020018035
【審査請求日】2020年4月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】506117976
【氏名又は名称】オリカ産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000145231
【氏名又は名称】株式会社アクタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】外山 華女
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭03−004911(JP,Y1)
【文献】 実開昭51−027626(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/04
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに沿うように延びる側板部の対と、
互いに沿うように延び、かつ、一方が前記側板部の対の一端において前記側板部の対に交差し他方が前記側板部の対の他端において前記側板部の対に交差するように延びる端板部の対とを備える外殻体であって、
前記外殻体が、
底板部と、
前記底板部に重なる状態と前記底板部から立つ状態とが可能となるように前記側板部の対を前記底板部に連結する側板連結部と、
前記側板部が前記底板部に重なるとき前記底板部に沿って寝る状態と前記側板部が前記底板部から立つとき前記底板部の端で立つ状態とが可能となるように前記端板部を前記側板部に連結する端板連結部と、
前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記側板部および前記端板部とは反対方向に立つように前記側板部および前記端板部の少なくとも一方に連結される連結脚部とをさらに備え、
前記連結脚部が、
前記側板部に連なり、前記側板部に沿って延び、前記側板部が前記底板部に重なる状態のときに前記底板部の縁から出ており、かつ、前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記側板部および前記端板部とは反対方向に立つ板状の側板脚部と、
前記端板部に連なり、前記端板部に沿って延び、前記端板部が前記底板部に沿って寝る状態のときに前記側板部が重なる面の裏側において前記底板部に重なり、かつ、前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記側板部および前記端板部とは反対方向に立つ板状の端板脚部とを有していることを特徴とする外殻体。
【請求項2】
前記端板脚部が、前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記側板脚部に接することを特徴とする請求項に記載の外殻体。
【請求項3】
薄いプラスチック又は紙からなる一体成形の容器本体と、
前記容器本体が収容される外殻体とを備え、
前記容器本体が、
1又は複数の食品収納用凹部と、
上方外縁と、
前記容器本体の少なくとも一方の対角線上に位置する隅部のうち前記上方外縁の内側に設けられる突起とを有しており、
前記外殻体が、
互いに沿うように延びる側板部の対と、
互いに沿うように延び、かつ、一方が前記側板部の対の一端において前記側板部の対に交差し他方が前記側板部の対の他端において前記側板部の対に交差するように延びる端板部の対とを有している包装用容器であって、
前記外殻体が、
底板部と、
前記底板部に重なる状態と前記底板部から立つ状態とが可能となるように前記側板部の対を前記底板部に連結する側板連結部と、
前記側板連結部が前記底板部に重なるとき前記底板部に沿って寝る状態と前記側板連結部が前記底板部から立つとき前記底板部の端で立つ状態とが可能となるように前記端板部を前記側板部に連結する端板連結部と、
前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記側板部および前記端板部とは反対方向に立つように前記側板部および前記端板部の少なくとも一方に連結される連結脚部とをさらに備え、
前記連結脚部が、
前記側板部に連なり、前記側板部に沿って延び、前記側板部が前記底板部に重なる状態のときに前記底板部の縁から出ており、かつ、前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記側板部および前記端板部とは反対方向に立つ板状の側板脚部と、
前記端板部に連なり、前記端板部に沿って延び、前記端板部が前記底板部に沿って寝る状態のときに前記側板部が重なる面の裏側において前記底板部に重なり、かつ、前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記側板部および前記端板部とは反対方向に立つ板状の端板脚部とを有しており、
前記上方外縁が、前記側板部の対および前記端板部の対の少なくとも一方に載せられ、
前記端板脚部が、前記側板部が前記底板部から立ち前記端板部が前記底板部の端で立つときに前記容器本体の前記突起が設けられている前記隅部において前記側板脚部に接することを特徴とする包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外殻体および包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は食品包装用容器を開示する。特許文献1に開示された食品包装用容器は、成形底板と外殻体とからなる。成形底板は、立ち上がりと垂下部とを備える。垂下部は、その立ち上がりの上端に配置される。垂下部は、外殻体の上端面を抱き込むように曲げられている。特許文献1に開示された食品包装用容器は、折り畳み状態から広げられた外殻体の内側に成形底板が落とし込まれ、かつ、成形底板の上端が外殻体の上端面に嵌合されることで組み立てられる。その成形底板にはその立ち上がりの上方内面に係合凸部が設けられている。その外殻体には、その内面上方に、凹部が設けられている。その凹部は成形底板の係合凸部と係合する。さらに、外殻体の外面上方には、成形底板の立ち上がりの上端に設けた垂下部が入り込む切り欠けが形成されている。
【0003】
特許文献1に開示された食品包装用容器は、食品収納現場で簡単に組立てできる。これにより、嵩張るにも関わらず完成した容器を予め多く準備しておく必要がなくなる。その結果、食品収納現場での有効利用空間を拡大することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−77032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された食品包装用容器には、これらに食品が収納された後にはこれらを積重ねるとこれらに収容された食品が変形する可能性があるという問題点がある。本発明はこのような課題を解決するものである。本発明は、未使用時に大きな空間を占めることが予防され、物の上に載せられたときその物が変形するリスクが軽減される外殻体および包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
図面を参照し本発明の外殻体および包装用容器を説明する。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためである。この欄で図中の符号を使用することには発明の内容を図示した範囲に限定する意図がない。
【0007】
上述された目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、外殻体22は、側板部70の対と、端板部72の対とを備える。側板部70の対は、互いに沿うように延びる。端板部72の対は、互いに沿うように延びる。端板部72の対は、一方が側板部70の対の一端において側板部70の対に交差し他方が側板部70の対の他端において側板部70の対に交差するように延びる。外殻体22は、底板部74と、側板連結部76と、端板連結部78と、連結脚部80とをさらに備えている。側板連結部76は、底板部74に重なる状態と底板部74から立つ状態とが可能となるように側板部70の対を底板部74に連結する。端板連結部78は、側板部70の対が底板部74に重なるとき底板部74に沿って寝る状態と側板部70の対が底板部74から立つとき底板部74の端で立つ状態とが可能となるように端板部72を側板部70に連結する。連結脚部80は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つように側板部70および端板部72の少なくとも一方に連結される。
【0008】
外殻体22が側板連結部76と端板連結部78とを備えているので、側板部70の対が底板部74から立つとき端板部72の対は底板部74の端で立つ状態となる。これにより、外殻体22に容器本体20を収容することが可能となる。あわせて、側板部70の対と端板部72の対とが形成する構造体を底板部74が補強する。これにより、その構造体の変形が予防される。また、外殻体22が側板連結部76と端板連結部78とを備えているので、側板部70の対が底板部74に重なるとき端板部72の対は底板部74に沿って寝る状態となる。その結果、未使用時に外殻体22が大きな空間を占めることは予防される。連結脚部80は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つように側板部70および端板部72の少なくとも一方に連結される。これにより、連結脚部80は、物の上に載せられたとき底板部74とその物との間に間隙を形成することとなる。側板部70の対と端板部72の対とが形成する構造体の変形が予防され、かつ、間隙が形成されるので、その物が変形するリスクが軽減される。その結果、物の上に載せられたときその物が変形するリスクは軽減される。
【0009】
また、上述された連結脚部80が、板状の側板脚部140と、板状の端板脚部142とを有している。側板脚部140は側板部70に連なる。側板脚部140は側板部70に沿って延びる。側板脚部140は側板部70が底板部74に重なる状態のときに底板部74の縁から出ている。側板脚部140は側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つ。端板脚部142は端板部72に連なる。端板脚部142は端板部72に沿って延びる。端板脚部142は、端板部72が底板部74に沿って寝る状態のときに側板部70が重なる面の裏側において底板部74に重なる。端板脚部142は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つ。
【0010】
板状の側板脚部140が立つ。側板脚部140は側板部70に沿って延びる。板状の端板脚部142が立つ。端板脚部142は端板部72に沿って延びる。これにより、これらの一方がない場合に比べて、底板部74が撓み難くなる。底板部74が撓み難いので、物の上に載せられたときその物と底板部74とが接し難くなる。その物と底板部74とが接し難いので、その物が変形するリスクが軽減される。その結果、物の上に載せられたときその物が変形するリスクは軽減される。
【0011】
もしくは、上述された端板脚部142が、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板脚部140に接することが望ましい。
【0012】
側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに端板脚部142が側板脚部140に接すると、端板脚部142が側板脚部140に接する個所においてこれらの動きが制限されることにより、互いに交差する複数の方向について外殻体22の動きが制限される。これにより、積重ねられた外殻体22が崩れ難くなる。
【0013】
本発明の他の局面に従うと、包装用容器10は、一体成形の容器本体20と、外殻体22とを備える。容器本体20は、薄いプラスチック又は紙からなる。外殻体22に容器本体20が収容される。容器本体20が、1又は複数の食品収納用凹部40,42と、上方外縁44と、突起46,48とを有している。突起46,48は、容器本体20の少なくとも一方の対角線上に位置する隅部のうち上方外縁44の内側に設けられる。外殻体22は、側板部70の対と、端板部72の対とを備える。側板部70の対は、互いに沿うように延びる。端板部72の対は、互いに沿うように延びる。端板部72の対は、一方が側板部70の対の一端において側板部70の対に交差し他方が側板部70の対の他端において側板部70の対に交差するように延びる。外殻体22は、底板部74と、側板連結部76と、端板連結部78と、連結脚部80とをさらに備えている。側板連結部76は、底板部74に重なる状態と底板部74から立つ状態とが可能となるように側板部70の対を底板部74に連結する。端板連結部78は、側板部70の対が底板部74に重なるとき底板部74に沿って寝る状態と側板部70の対が底板部74から立つとき底板部74の端で立つ状態とが可能となるように端板部72を側板部70に連結する。連結脚部80は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つように側板部70および端板部72の少なくとも一方に連結される。上述された連結脚部80が、板状の側板脚部140と、板状の端板脚部142とを有している。側板脚部140は側板部70に連なる。側板脚部140は側板部70に沿って延びる。側板脚部140は側板部70が底板部74に重なる状態のときに底板部74の縁から出ている。側板脚部140は側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つ。端板脚部142は端板部72に連なる。端板脚部142は端板部72に沿って延びる。端板脚部142は、端板部72が底板部74に沿って寝る状態のときに側板部70が重なる面の裏側において底板部74に重なる。端板脚部142は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つ。上方
外縁44が、側板部70の対および端板部72の対の少なくとも一方に載せられる。上述された端板脚部142が、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに容器本体20の突起46,48が設けられている隅部において側板脚部140に接する。
【0014】
外殻体22が側板連結部76と端板連結部78とを備えているので、側板部70の対が底板部74から立つとき端板部72の対は底板部74の端で立つ状態となる。これにより、外殻体22に容器本体20を収容することが可能となる。あわせて、側板部70の対と端板部72の対とが形成する構造体を底板部74が補強する。また、外殻体22が側板連結部76と端板連結部78とを備えているので、側板部70の対が底板部74に重なるとき端板部72の対は底板部74に沿って寝る状態となる。その結果、外殻体22に容器本体20が収容されていない期間に外殻体22が大きな空間を占めることは予防される。連結脚部80は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つように側板部70および端板部72の少なくとも一方に連結される。これにより、連結脚部80は、他の包装用容器10の上に載せられたとき底板部74とその包装用容器10に収容された物との間に間隙を形成することとなる。間隙が形成されるので、その物が変形するリスクが軽減される。また、連結脚部80のうち板状の側板脚部140が立つ。側板脚部140は側板部70に沿って延びる。連結脚部80のうち板状の端板脚部142が立つ。端板脚部142は端板部72に沿って延びる。これにより、これらの一方がない場合に比べて、底板部74が撓み難くなる。底板部74が撓み難いので、物の上に載せられたときその物と底板部74とが接し難くなる。さらに、容器本体20が有する突起46,48が、容器本体20の少なくとも一方の対角線上に位置する隅部のうち上方外縁44の内側に設けられる。側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに容器本体20の突起46,48が設けられている隅部において端板脚部142が側板脚部140に接する。これにより、複数の包装用容器10が積重ねられる際にそれらのうちのある包装用容器10の突起46,48がその上に積重ねられる他の包装用容器10の端板脚部142と側板脚部140とに接することとなる。その突起46,48がその端板脚部142と側板脚部140とに接すると、その端板脚部142と側板脚部140とはその突起46,48に動きを制限されることとなる。動きが制限されるので、後者の包装用容器10が前者の包装用容器10の上
からずり落ちる可能性が低くなる。その結果、積重ねられたときずり落ちるリスクは軽減される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、未使用時に大きな空間を占めることが予防され、物の上に載せられたときその物が変形するリスクが軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のある実施形態にかかる食品包装用容器の斜視図である。
図2】本発明のある実施形態にかかる外殻体の斜視図である。
図3】本発明のある実施形態にかかる外殻体の折り畳み状況が示される図である。
図4】本発明のある実施形態にかかる側板部と端板部との接続状況が示される図である。
図5】本発明のある実施形態にかかる外殻体のうち連結脚部付近が示される図である。
図6】本発明のある実施形態にかかる外殻体のうち端板部以外の部分の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0018】
[構造の説明]
図1は、本実施形態にかかる食品包装用容器10の斜視図である。図1に基づいて、本実施形態にかかる食品包装用容器10の構成が説明される。本実施形態にかかる食品包装用容器10は、一体成形の容器本体20と、外殻体22とを備える。
【0019】
本実施形態の場合、容器本体20は、薄いプラスチックからなる。外殻体22に容器本体20が収容される。
【0020】
本実施形態にかかる容器本体20は、大きな食品収納用凹部40と、小さな食品収納用凹部42と、上方外縁44と、大きな突起46と、小さな突起48と、図示されない突条とを有している。大きな食品収納用凹部40と小さな食品収納用凹部42とに食品が収納される。上方外縁44は、大きな食品収納用凹部40および小さな食品収納用凹部42の縁に沿うように設けられる。上方外縁44は、大きな食品収納用凹部40の底および小さな食品収納用凹部42の底から見てそれらの縁以上の高さとなるように設けられる。大きな突起46は、容器本体20の一方の対角線上に位置する隅部のうち上方外縁44の内側に設けられる。小さな突起48は、容器本体20の他方の対角線上に位置する隅部のうち上方外縁44の内側に設けられる。大きな突起46および小さな突起48は、本実施形態にかかる複数の食品包装用容器10を積み重ねた際、それらのうちのいずれかの食品包装用容器10の外殻体22の下部の内側に嵌って、上下の食品包装用容器10がずれるのを抑える機能を有している。突条は、大きな食品収納用凹部40および小さな食品収納用凹部42の外周に設けられる。突条は、上方外縁44に沿うように延びる。本実施形態の場合、かかる容器本体20として周知のものが用いられ得る。そのような容器本体20のうち特に好適なものの例には、株式会社アクタが販売するワン折(登録商標)に用いられる容器本体がある。
【0021】
図2は、本実施形態にかかる外殻体22の斜視図である。図3は、本実施形態にかかる外殻体22の折り畳み状況が示される図である。図2および図3に基づいて、本実施形態の外殻体22の構成が説明される。本実施形態の場合、外殻体22は、木製である。本実施形態の場合、外殻体22は図2に示された形態になることと図3に示された形態になることとが可能である。
【0022】
本実施形態にかかる外殻体22は、側板部70の対と、端板部72の対と、底板部74と、側板連結部76の対と、端板連結部78の組と、連結脚部80とを備えている。
【0023】
本実施形態の場合、側板部70は板状の部分である。側板部70の対は、互いに沿うように延びる。側板部70は、側板本体100と、本体係合部102とを有する。
【0024】
側板本体100は外殻体22の側壁の一部となる。本体係合部102は、側板本体100の内側に設けられる。本体係合部102は、側板本体100の上縁に沿って延びる。上述された容器本体20の突条は、この本体係合部102に係合する。
【0025】
本実施形態の場合、端板部72は板状の部分である。端板部72の対は、互いに沿うように延びる。端板部72の対の一方は側板部70の対の一端において側板部70の対に交差するように延びる。端板部72の対の他方は側板部70の対の他端において側板部70の対に交差するように延びる。
【0026】
底板部74は、板状の部分である。本実施形態の場合、底板部74は、四隅が切り欠かれた矩形の部分でもある。
【0027】
本実施形態の場合、側板連結部76の対は、底板部74の長手方向の両脇に設けられる。本実施形態の場合、側板連結部76の対は、底板部74の長手方向に沿って延びる。側板連結部76の対の一方は、側板部70の対の一方を揺動可能となるように底板部74に連結する。側板連結部76の対の他方は、側板部70の対の他方を揺動可能となるように底板部74に連結する。これにより、側板連結部76の対は、底板部74に重なる状態と底板部74から立つ状態とが可能となるように底板部74に連結されることとなる。
【0028】
本実施形態にかかる外殻体22は、4個の端板連結部78を有する。端板連結部78は、端板部72を側板部70に連結する。これにより、端板部72の対は側板部70の対に連結されることとなる。端板部72の対が4個の端板連結部78によって側板部70の対に連結されることにより、図2に示されるように、側板部70の対が底板部74から立つとき端板部72の対が底板部74の端で立つ状態が可能となる。端板部72の対が4個の端板連結部78によって側板部70の対に連結されることにより、図3に示されるように、側板部70の対が底板部74に重なるとき端板部72の対が底板部74に沿って寝る状態が可能となる。
【0029】
図2に示されるように、本実施形態の場合、連結脚部80は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つように側板部70および端板部72に連結される。
【0030】
図4は、本実施形態にかかる側板部70と端板部72との接続状況が示される図である。図4に基づいて、本実施形態にかかる端板連結部78の構成が説明される。本実施形態にかかる端板連結部78は、リンク部120と、側板側関節部122と、端板側関節部124と、端板接着部126とを有する。
【0031】
リンク部120は、側板側関節部122と端板側関節部124とに接続される。本実施形態の場合、リンク部120は側板部70の端のある箇所と端板部72のある箇所との距離を一定に保つ。側板側関節部122は、リンク部120の一端を端板部72の端に接続する。リンク部120は、端板部72に対する揺動が可能なように側板部70の端に接続される。本実施形態の場合、その揺動の軸は、側板部70が延びる方向に対して直交する。端板側関節部124は、端板接着部126を介して、リンク部120の他端を端板部72に接続する。リンク部120は、端板部72に対する揺動が可能なように端板部72に接続される。本実施形態の場合、その揺動の軸は、次に述べられる3要件を満たす。その第1の要件は、図2に示される状況になった際における側板部70のうち底板部74の表面と同一高さとなる箇所を通るというものである。その第2の要件は、図2に示される状況になった際に底板部74の表面に対する傾きがπ/4ラジアンであるという要件である。その第3の要件は、端板部72に沿うという要件である。なお、側板側関節部122によるリンク部120の揺動の軸と端板側関節部124によるリンク部120の揺動の軸とについては、それらの位置および方向に関して誤差が含まれてもよい。なお、本実施形態にかかる外殻体22は木製である。これにより、側板部70と端板部72と端板連結部78との弾性変形その他の理由により、上述された揺動の軸に誤差が含まれていても、側板部70の対が底板部74に重なるとき底板部74に沿って寝る状態と側板部70の対が底板部74から立つとき底板部74の端で立つ状態とが可能となることがある。その結果、上述された揺動の軸は、それらの状態が可能となる範囲で誤差を含んでもよい。
【0032】
図5は、本実施形態にかかる外殻体22のうち連結脚部80付近が示される図である。図5に基づいて、本実施形態にかかる連結脚部80の構成が説明される。本実施形態の場合、連結脚部80は、板状の側板脚部140の対と、板状の端板脚部142とを有している。
【0033】
図2図3図5とから明らかなように、側板脚部140は側板部70の側板本体100に連なる。側板脚部140は側板部70の側板本体100に沿って延びる。図3から明らかなように、側板脚部140は側板部70が底板部74に重なる状態のときに底板部74の縁から出ている。図2図5とから明らかなように、側板脚部140は側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つ。
【0034】
図2図3図5とから明らかなように、端板脚部142は端板部72に連なる。端板脚部142は端板部72に沿って延びる。図3から明らかなように、端板脚部142は、端板部72が底板部74に沿って寝る状態のときに側板部70が重なる面の裏側において底板部74に重なる。図2および図5から明らかなように、端板脚部142は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つ。本実施形態の場合、端板脚部142は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板脚部140に接する。
【0035】
[製造方法の説明]
本実施形態にかかる食品包装用容器10は、食品収納現場で外殻体22に容器本体20が収容されることにより製造される。本実施形態にかかる食品包装用容器10は、外殻体22の上から容器本体20が落とし込まれ、容器本体20の上方外縁44が側板部70の対および端板部72の対に載せられることによって組み立てられる。外殻体22の側板部70の対および端板部72の対に容器本体20の上方外縁44が載せられると、側板部70の本体係合部102に容器本体20の図示されない突条が係合する。これにより、食品包装用容器10が組み立てられた後には容器本体20と外殻体22とが分離し難くなる。外殻体22は、次に述べられる工程により製造される。まず、素材となる木製の板が図6において実線で示された形状に切り抜かれる。図6は、本実施形態にかかる外殻体22のうち端板部72以外の部分の展開図である。続いて、切り抜かれた板に対して折り目が形成される。それらの折り目は、図6において破線で示された通りに形成される。次に、その切り抜かれた板のうち側板部70となる箇所が起こされる。その箇所が起こされると、それらの箇所の両端の折り目が形成されている箇所が折り曲げられる。それらの箇所が折り曲げられると、端板接着部126に端板部72が接着される。これにより、本実施形態にかかる外殻体22が完成する。容器本体20の製造方法は周知なのでここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0036】
[使用方法の説明]
本実施形態にかかる食品包装用容器10は、周知の食品包装用容器10と同様に用いられる。本実施形態にかかる複数の食品包装用容器10は、積み重ねることが可能である。積み重ねられる場合、本実施形態にかかるある食品包装用容器10は、本実施形態にかかる他の食品包装用容器10の上方外縁44の上に載せられる。
【0037】
[本実施形態にかかる食品包装用容器および外殻体の効果]
以下、 本実施形態にかかる食品包装用容器10および外殻体22の効果が述べられる。
【0038】
本実施形態にかかる食品包装用容器10において、側板部70の対が底板部74から立つとき端板部72の対は底板部74の端で立つ状態となる。端板部72の対が底板部74の端で立つ状態になると、外殻体22に容器本体20を収容することが可能となる。
【0039】
本実施形態にかかる食品包装用容器10において、側板部70の対が底板部74に重なるとき端板部72の対は底板部74に沿って寝る状態となる。その結果、外殻体22に容器本体20が収容されていない期間に外殻体22が大きな空間を占めることは予防される。
【0040】
本実施形態にかかる食品包装用容器10において、側板部70の対と端板部72の対とが形成する構造体を底板部74が補強する。これにより、その構造体の変形が予防される。また、側板部70および端板部72とは反対方向に立つ連結脚部80は、他の食品包装用容器10の上に載せられたとき底板部74とその食品包装用容器10に収容された物との間に間隙を形成する。側板部70の対と端板部72の対とが形成する構造体の変形が予防され、かつ、間隙が形成されるので、その物が変形するリスクが軽減される。
【0041】
また、本実施形態にかかる食品包装用容器10において、連結脚部80のうち板状の側板脚部140が立つ。側板脚部140は側板部70に沿って延びる。本実施形態にかかる食品包装用容器10において、連結脚部80のうち板状の端板脚部142が立つ。端板脚部142は端板部72に沿って延びる。これらにより、これらの一方がない場合に比べて、底板部74が撓み難くなる。底板部74が撓み難いので、物の上に載せられたときその物と底板部74とが接し難くなる。
【0042】
また、本実施形態にかかる食品包装用容器10において、容器本体20が有する大きな突起46と小さな突起48とが、容器本体20の対角線上に位置する隅部のうち上方外縁44の内側に設けられる。これにより、本実施形態にかかる複数の食品包装用容器10が積重ねられる際にそれらのうちのある食品包装用容器10の大きな突起46と小さな突起48とがその上に積重ねられる他の食品包装用容器10の端板脚部142と側板脚部140とに接することとなる。その大きな突起46と小さな突起48とがその端板脚部142と側板脚部140とに接すると、その端板脚部142と側板脚部140とはその大きな突起46と小さな突起48とに動きを制限されることとなる。動きが制限されるので、後者の食品包装用容器10が前者の食品包装用容器10の上からずり落ちる可能性が低くなる。その結果、積重ねられたときずり落ちるリスクは軽減される。
【0043】
<変形例の説明>
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述された実施形態に基づいて制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよいのはもちろんである。
【0044】
例えば、食品収納用凹部と上方外縁44とを有する限り、容器本体20の具体的な形態は特に限定されない。したがって、容器本体20が有する食品収納用凹部は一箇所であってもよい。容器本体20は上述された大きな突起46と小さな突起48とを有していなくてもよい。
【0045】
また、容器本体20の素材は特に限定されない。例えば、容器本体20の素材は紙であってもよい。
【0046】
また、連結脚部の構成は上述したものに限定されない
【0047】
本発明にかかる包装用容器の用途は食品包装用に限定されない。本発明にかかる包装用容器には任意の物が収容され得る。本発明にかかる外殻体が収容する容器本体には任意の物が収容され得る。
【符号の説明】
【0048】
10…食品包装用容器
20…容器本体
22…外殻体
40…大きな食品収納用凹部
42…小さな食品収納用凹部
44…上方外縁
46…大きな突起
48…小さな突起
70…側板部
72…端板部
74…底板部
76…側板連結部
78…端板連結部
80…連結脚部
100…側板本体
102…本体係合部
120…リンク部
122…側板側関節部
124…端板側関節部
126…端板接着部
140…側板脚部
142…端板脚部
【要約】
未使用時に大きな空間を占めることが予防され、物の上に載せられたときその物が変形するリスクが軽減される。
外殻体22は、側板部70の対と、端板部72の対と、底板部74と、側板連結部76と、端板連結部78と、連結脚部80とを備える。側板連結部76は、底板部74に重なる状態と底板部74から立つ状態とが可能となるように側板部70の対を底板部74に連結する。端板連結部78は、側板部70の対が底板部74に重なるとき底板部74に沿って寝る状態と側板部70の対が底板部74から立つとき底板部74の端で立つ状態とが可能となるように端板部72の対を側板部70の対に連結する。連結脚部80は、側板部70が底板部74から立ち端板部72が底板部74の端で立つときに側板部70および端板部72とは反対方向に立つように側板部70および端板部72の少なくとも一方に連結される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6