(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御管理部が複数の前記計量手段から前記所定の計量値範囲へ変化した前記計量データを相次いで所定時間内に受信した場合、前記制御管理部は、受信した前記置き台識別情報を基にして予め定めてある1つの前記置き台識別情報と前記搬送容器識別情報との関連付けを行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の物品搬送作業システム。
対象とする物品を搬送する複数の搬送容器を載せ置く複数の置き台それぞれに加わる重量を計量する計量手段を有する前記物品のピッキング又は仕分けの作業に使用するカートと、前記カートを制御して前記作業を管理する制御管理部と、を含む物品搬送作業システムに用いられる物品搬送作業方法であって、
前記制御管理部により実行されるステップは、
前記搬送容器を識別する情報である搬送容器識別情報と、前記各置き台を識別する情報である置き台識別情報を含んで前記計量手段から出力される計量データと、を受信して記憶する第1のステップ(S100)と、
前記搬送容器識別情報と前記置き台識別情報とを関連付けて記憶する第2のステップ(S200)と、
を含むことを特徴とする物品搬送作業方法。
前記計量データ変化判定ステップ(S102)における前記計量データの前記所定の範囲への変化を判定する範囲が、前記搬送容器の重量を元に設定される第1の計量値範囲と、前記第1の計量値範囲よりも大きく前記計量手段の最大計量値よりも小さい範囲に設定される第2の計量値範囲と、を有することを特徴とする請求項8に記載の物品搬送作業方法。
【背景技術】
【0002】
ピッキング作業又は仕分け作業に用いられる移動可能なカートは、各種物品を入れて搬送する搬送容器を複数個載せ置き、その重量をそれぞれ独立して測る計量手段を有しているものが知られている。そしてこのカートは、データ送受信手段及び表示手段等も備えており、多数の物品保管棚が配置された倉庫内を移動させながら、データ受信手段で上位の制御管理部から送信される指示データを受信して表示手段にて表示する機能を有している。作業者は、表示画面の内容に基づき物品のピッキング作業や仕分け作業を行う。
【0003】
図15と
図16は従来から使用されているカートであって、
図15は従来のカートの平面図であり
図16は従来のカートの側面図である。この従来のカートは、上段下段共に各2個の搬送容器が載せ置かれる複数の置き台を有しており、各置き台は独立した計量手段を有している。
【0004】
例えばピッキング作業において作業者は、カート2に備えられている識別情報送信手段3でカート2に固有に割り振られたカート識別情報を表すカート識別情報バーコード12を読み取る。すると識別情報送信手段3は読み取ったカート識別情報を制御管理部16aに送信し、制御管理部16aはカート識別情報を受信してこれを記憶する。次いで制御管理部16aは制御管理部16aに繋がった無線送受信機17によりカート識別情報を制御管理部16bへ送信する。制御管理部16bはカート識別情報を制御管理部16aから受信して重複を確認して重複がなければこのカート識別情報を有するカート2をアクティブ状態に変更してこの状態を記憶し、カート2がアクティブ状態となったことを制御管理部16aへ送信する。制御管理部16aはこれを受けて表示手段5に送信する。この一連の信号の送受信によって表示手段5は、カート2がアクティブ状態となって、置き台と搬送容器の関連付け作業を開始することが可能となったことを表示し、これを作業者は知ることができる。
【0005】
カート2がアクティブ状態となった後、作業者は識別情報送信手段3を用いて、空の搬送容器9aをカート2の置き台8aに載せ置き、搬送容器9aに既に貼られている搬送容器識別情報バーコード11aとカート2の置き台8aに貼られている置き台識別情報バーコード18aを順次読み取る作業を行う。制御管理部16a、16bはここで得られた搬送容器識別情報と置き台識別情報に基づき搬送容器9aと置き台8aの一意的な関連付けを行う。
【0006】
次いで作業者は識別情報送信手段3を用いて、空の搬送容器9bをカート2の置き台8bに載せ置き、搬送容器9bに既に貼られている搬送容器識別情報バーコード11bとカート2の置き台8bに貼られている置き台識別情報バーコード18bを順次読み取る作業を行う。制御管理部16a、16bは、前述の搬送容器9aと置き台8aとの関連付けと同様に搬送容器9bと置き台8bの一意的な関連付けを行い、以後同様に作業が行われ置き台全てに搬送容器が置かれるか、作業者による強制終了により置き台と搬送容器の関連付けは完了となる。
【0007】
作業者は制御管理部16bから送信された情報を表示する表示手段5の誘導画面にしたがって、対象とする物品を収納してある棚へ向かいピッキング作業を行う。以上のような方法にて搬送容器と置き台との関連付けを行う手法は特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年では一度に多くの品種の物品を扱うことができるように、この搬送容器を載せ置く台を増やすカートが求められている。例えば
図17及び
図18に示すように、上段に4つの置き台8a〜8d、下段に4つの置き台8e〜8hを設けたような場合、幾つかの課題が生じる。
【0010】
例えば
図17において搬送容器9bを作業者からみて手前側の置き台8bに先に置いて、その後奥側の置き台8aに搬送容器9aを置くと、奥側の置き台識別情報バーコード18aを読むのが困難となる。もし奥側の置き台識別情報バーコード18aを置き台8aの縁に設けると、置き台識別情報バーコード18aは搬送容器9bと搬送容器9の谷間に位置することになり、作業者は置き台識別情報バーコード18aの読み取りが難しく、複数回に渡ってリトライ読み込みを行う必要が生じることもあって、時間ロスを発生させる場合があった。
【0011】
これを回避するために、手前側の置き台よりも先に奥側の置き台に搬送容器を置くように作業者に義務付けることは制約が増えることから作業効率の低下を招く場合があった。また置き台識別情報バーコードを読み取りやすいように置き台中央に配置することもできるが、搬送容器を置き台に置く前に置き台識別情報バーコードを読み取る必要があり、これを作業者に義務付けることも制約が増えて作業効率の低下を招く場合があった。すなわち搬送容器を載せ置く台を増やした際には、搬送容器のバーコードと置き台のバーコードを順次読み取って搬送容器と置き台との関連付けを行うことは作業時間が長くなるという課題があった。
【0012】
さらに置き台を増やした場合であっても、置き台の上面の面積より小さな底面積を持つ搬送容器だけでなく、置き台の上面の面積より大きな底面積を持つ搬送容器も同時に使用できることも望まれていて、従来のように単純に置き台を複数配置しただけでは、搬送容器と置き台との関連付けを行うことは困難であった。
【0013】
このような問題に鑑みて、本発明は、搬送容器を載せ置く台が多数設置されたカートにおいても、作業効率に優れた物品搬送作業システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に記載の物品搬送作業システムは、上記の目的を達成するために、
対象とする物品を搬送するための複数の搬送容器を載せ置いて物品のピッキング又は仕分けの作業に使用するカートと、
カートを制御して作業を管理する制御管理部と、
制御管理部と有線若しくは無線で繋がって作業の状態を表示する表示手段と、
搬送容器に設けられた搬送容器を識別する搬送容器識別情報を受信して制御管理部に送信する識別情報送信手段と、を含む物品搬送作業システムであって、
カートは、
搬送容器を載せ置く複数の置き台にそれぞれに設けられて、各置き台に加わる重量を計量して、各置き台を識別する情報である置き台識別情報を含む計量データを制御管理部へ有線若しくは無線でそれぞれ出力する計量手段を有し、
制御管理部は、
搬送容器識別情報と計量データとを受信して、搬送容器識別情報と置き台識別情報とを関連付けて記憶するように構成されている。
【0015】
請求項2に記載の物品搬送作業システムは、上記の目的を達成するために、
制御管理部は、搬送容器識別情報及び計量データの受信待ち中に、
各計量手段のいずれかから計量データを受信して計量データが所定の計量値範囲へ変化を検出した時には、搬送容器識別情報のみ受信待ち状態となると共に、制御管理部が搬送容器識別情報の受信待ち状態にあることを表示手段に送信し、
搬送容器識別情報を受信した時には、計量データのみ受信待ち状態となると共に、制御管理部が計量データの受信待ち状態にあることを表示手段に送信するように構成されている。
【0016】
請求項3に記載の物品搬送作業システムは、上記の目的を達成するために、
計量データの所定の計量値範囲が、
搬送容器の重量を元に定められる第1の計量値範囲と、
第1の計量値範囲よりも大きく計量手段の最大計量値よりも小さい範囲の第2の計量値範囲と、を含んで構成されている。
【0017】
請求項4に記載の物品搬送作業システムは、上記の目的を達成するために、
制御管理部が複数の計量手段から所定の計量値範囲へ変化した計量データを相次いで所定時間内に受信した場合、制御管理部は、受信した置き台識別情報を基にして予め定めてある1つの置き台識別情報と搬送容器識別情報との関連付けを行うように構成されている。
【0018】
請求項5に記載の物品搬送作業システムは、上記の目的を達成するために、
カートは、隣り合う置き台の間に置かれた物体を検出して検出信号を出力する物体検出手段をさらに備え、
制御管理部が複数の計量手段より所定の計量値範囲へ変化した計量データを相次いで受信し、かつ物体検出手段から物体が隣接する置き台の間にあることを示す検出信号を受信した場合、
制御管理部は、受信した置き台識別情報を基にして予め定めてある1つの置き台識別情報と搬送容器識別情報との関連付けを行って記憶するように構成されている。
【0019】
請求項6に記載の物品搬送作業システムは、上記の目的を達成するために、
物体検出手段は、
伸縮式若しくは可倒式の仕切り部材と、
仕切り部材の縮んだ状態若しくは倒れた状態を検出する仕切り部材状態検出手段と、を含んで構成されている。
【0020】
請求項7に記載の物品搬送作業方法は、上記の目的を達成するために、
対象とする物品を搬送する複数の搬送容器を載せ置く複数の置き台それぞれに加わる重量を計量する計量手段を有する物品のピッキング又は仕分けの作業に使用するカートと、カートを制御して作業を管理する制御管理部と、を含む物品搬送作業システムに用いられる物品搬送作業方法であって、
制御管理部により実行されるステップは、
搬送容器を識別する情報である搬送容器識別情報と、各置き台を識別する情報である置き台識別情報を含んで計量手段から出力される計量データと、を受信して記憶する第1のステップ(S100)と、
搬送容器識別情報と置き台識別情報とを関連付けて記憶する第2のステップ(S200)と、を含んで構成されている。
【0021】
請求項8に記載の物品搬送作業方法は、上記の目的を達成するために、
第1のステップ(S100)は、
計量データが所定の範囲への変化を判定する計量データ変化判定ステップ(S102)と、
搬送容器識別情報の受信の有無を判定する搬送容器識別情報判定ステップ(S103)と、
を直列に含んで配したループで繰り返し、
計量データ変化判定ステップ(S102)において計量データが所定の範囲への変化が生じたと判定された場合ループから抜け、計量データが変化した置き台の置き台識別情報を取得する置き台識別情報取得ステップ(S104)と、搬送容器識別情報を受信する搬送容器識別情報受信ステップ(S112)と、搬送容器識別情報を記憶する搬送容器識別情報記憶ステップ(S113)と、を実行し、
搬送容器識別情報判定ステップ(S103)において搬送容器識別情報を受信したと判定された場合ループから抜け、搬送容器識別情報記憶ステップ(S113)と、計量データを受信して変化を検出する計量データ変化判定ステップ(S102)と、置き台識別情報取得ステップ(S104)と、を実行するように構成されている。
【0022】
請求項9に記載の物品搬送作業方法は、上記の目的を達成するために、
計量データ変化判定ステップ(S102)における計量データの所定の範囲への変化を判定する範囲が、搬送容器の重量を元に設定される第1の計量値範囲と、第1の計量値範囲よりも大きく計量手段の最大計量値よりも小さい範囲に設定される第2の計量値範囲と、を有して構成されている。
【0023】
請求項10に記載の物品搬送作業方法は、上記の目的を達成するために、
置き台識別情報取得ステップ(S104)は、
計量データの変化が隣り合う複数の置き台で生じたかどうかを判定する複数置き台判定ステップ(S105)と、
複数置き台判定ステップ(S105)において計量データの変化が単一の置き台で生じたことを判定した場合に実行する、変化した置き台の置き台識別情報を記憶する置き台識別情報記憶ステップ(S106)と、
複数置き台判定ステップ(S105)において計量データの変化が隣り合う複数の置き台で生じたことを判定した場合に実行する、事前に定めてある置き台識別情報を記憶する事前設定置き台識別情報記憶ステップ(S109)と、を含んで構成されている。
【0024】
請求項11に記載の物品搬送作業方法は、上記の目的を達成するために、
カートは、隣り合う置き台の間に設置されて置き台間に物体があることを検出する物体検出手段をさらに有し、
置き台識別情報取得ステップ(S104)は、
複数置き台判定ステップ(S105)において計量データの変化が隣り合う複数の置き台で生じたことを判定した場合に実行する物体検出判定ステップ(S108)と、
物体検出判定ステップ(S108)において物体が隣り合う複数の置き台間にあると判定した場合に実行する事前設定置き台識別情報記憶ステップ(S109)と、を含んで構成されている。
【発明の効果】
【0025】
請求項1に記載の発明の物品搬送作業システムによれば、置き台に設けられた計量手段は作業者が搬送容器を置き台に載せると置き台に加わる重量が変化してこの計量データを出力し、制御管理部はこの計量データの変化を受信して搬送容器がどの置き台に置かれたかを特定して記憶し、次いで搬送容器識別情報を受信して記憶し、これを紐付けして搬送容器と置き台との関連付けを行うことができる。したがって置き台識別情報のバーコード等を識別情報送信手段で読み込む手間を省いて搬送容器と置き台との関連付けを行うことができる。
【0026】
請求項2に記載の発明の物品搬送作業システムによれば上記効果に加えて、搬送容器を置き台に置いた後に搬送容器識別情報を識別情報送信手段で読み取っても、搬送容器識別情報を識別情報送信手段で読み取った後に搬送容器を置き台に置いても、置き台と搬送容器の関連付けが可能となり、作業の自由度が高く、作業効率の向上を図ることができる。
【0027】
請求項3に記載の発明の物品搬送作業システムによれば上記効果に加えて、搬送容器の重量が小さい時や重量がばらつく時であっても、軽量データの所定の計量値範囲を2段階に設けることで搬送容器が置かれた置き台の場所を明確にして置き台と搬送容器の関連付けを可能とすることができる。
【0028】
請求項4に記載の発明の物品搬送作業システムによれば上記効果に加えて、底面が各置き台の搬送容器を載せ置く天板面よりも広く大きな搬送容器を用いる場合でも、置き台と搬送容器の関連付けが可能となる。したがって各置き台の天板面より大きな底面の搬送容器と、各置き台の天板面よりも小さな底面の搬送容器と、を共存して載せ置いても置き台と搬送容器の関連付けが可能であって、作業効率の向上を図ることができる。
【0029】
請求項5に記載の発明の物品搬送作業システムによれば上記効果に加えて、隣接する置き台の間に物体を検出する物体検出手段を配置することによって、置き台の天板面よりも大きな底面の搬送容器も載せ置いて作業が可能となる。
【0030】
請求項6に記載の発明の物品搬送作業システムによれば上記効果に加えて、物体検出手段は、隣接する各置き台の間に伸縮式若しくは可倒式の仕切り部材を配し、その縮んだ状態若しくは倒れた状態にあることを仕切り部材状態検出手段にて検出して、置き台と搬送容器の関連付けに用いている。したがって置き台の天板面よりも大きな底面の搬送容器を載せ置いたことを明確にし、置き台とこの大きな搬送容器との関連付けを確実なものにできる。そして仕切り部材を設けることによって、置き台の天板面よりも小さな底面の搬送容器の使用時には、カート移動中における搬送容器の位置ズレを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係る物品搬送作業システムについて、図面を参照して説明する。
【0033】
図1〜
図3は本発明の第1の実施形態に係る物品搬送作業システムのそれぞれ正面図、平面図、側面図である。物品搬送作業システムは、移動して物品をピッキング又は仕分けするカート2と、カート2と物品を管理する制御管理部16aと制御管理部16bからなる。カート2は物品搬送作業システム内には少なくとも1台以上あって、各カートと制御管理部16bはデータの送受信を相互に行っている。制御管理部16aは各カート2に搭載されており、制御管理部16bは複数のカート2を管理している。
【0034】
カート2は、作業者が移動の際に掴んで移動自在にするために設けられたハンドル13と移動用の車輪14とを有して、ピッキング作業及び仕分け作業を移動しながら行うことができる。
【0035】
またカート2は、上段と下段の2段に、対象とする物品を搬送する複数の搬送容器を載せ置くための置き台8a〜8hを有している。置き台8a〜8hは上段と下段にそれぞれ4つずつ設けられて、置き台8a〜8dは上段にあって、置き台8e〜8hは下段にある。
【0036】
置き台8(8a〜8h)には、置き台に加わる重量をそれぞれ独立して計量する計量手段7がそれぞれ設けられている。各計量手段7は常に一定の周期で、どの位置の置き台であるかを示す置き台識別情報と、この置き台に加わる重量を独立して計量した計量値と、を組み合わせて計量データとして制御管理部16aへ送信する。本実施形態では、計量手段7は歪みゲージを用いたロバーバル構造のロードセルを使用しているが、これに限るものではない。
【0037】
制御管理部16は、制御管理部16aと制御管理部16bとで構成されている。制御管理部16aは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、その他の記憶装置及び入出力装置を備えて本実施形態ではカート2に設置されている。制御管理部16aは必ずしもカート2に固定して設置される必要はなく、たとえば作業者が持つハンディターミナル等の携帯型の端末であっても良い。また制御管理部16bも、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等の記憶装置、アクセスポイント等の無線送受信装置を備えて、複数のカートを集中管理できるようにカート2とは離間した場所に設置される。そしてカート2の制御管理部16aは、無線送受信機17によって制御管理部16bとデータの通信が行われる(
図3)。そして制御管理部16aと制御管理部16bはカート2による物品搬送作業を指示管理する。本実施形態において制御管理部16aは、カート2に置かれている表示手段5、識別情報送信手段3、計量手段7と接続してこれらの入出力管理と後述の関連付けの演算などの制御を行うものである。一方制御管理部16bは複数のカートの制御管理部16aと無線で通信して、物品搬送作業システム全体の管理を行う。なお制御管理部16aと制御管理部16bとの役割分担はこれに限らず、例えば制御管理部16bにて関連付けの演算を行うなどの変形の形態であっても良い。
【0038】
搬送容器(小)9(9a〜9c)は作業の対象とする物品を入れて搬送する容器であって、樹脂製のコンテナやダンボール箱等が用いられる。本実施形態において搬送容器(小)9a〜9cは、各置き台8a〜8hにそれぞれ独立して載せ置くことができる大きさであって、隣り合う置き台に干渉しないものである。なお搬送容器(小)9a〜9cは、ピッキング作業では樹脂製のコンテナが用いられることが多いが、貯蔵倉庫から配膳仕分けをする作業の場合は対象とする物品が入ったダンボール箱などが用いられる場合がある。
【0039】
搬送容器(小)9a〜9cには、搬送容器を識別する情報を有した搬送容器識別情報バーコード11(11a〜11c)が予め貼られているか、作業者等によって関連付け作業直前に貼られる。搬送容器識別情報は、ピッキング作業の場合には出荷指示データを含み、搬送容器が使用されるエリア内での搬送容器それぞれの固有の番号の他に搬送容器自体の重量や、サイズ等を含む場合がある。一方配膳仕分け作業では、搬送容器識別情報は物品の識別情報と貯蔵倉庫の棚番号などを含んでいる。搬送容器識別情報バーコード11a〜11cは1次元バーコードに限らず、2次元コードであっても良い。以後に記述する識別情報を含んだバーコードも同様に、1次元バーコードに限らず、2次元コードであっても良い。
【0040】
識別情報送信手段3は、例えばバーコードスキャナであって、カート2、搬送容器9及び物品に貼られている各識別情報を含むバーコードを読み取るものである。識別情報送信手段3は、制御管理部16aに有線又は無線で繋がっていて、読み取った識別情報を制御管理部16aへ送信する。識別情報送信手段3は、画像を読み取るカメラを有して2次元コードを読み取るものであっても良い。また識別情報送信手段3はハンディターミナル型の制御管理部16aと一体化したものであっても良い。
【0041】
表示手段5は液晶による表示部分を有して制御管理部16aと繋がって、制御管理部16b及び制御管理部16aから出力される作業指示情報、エラー情報などを表示するものである。また表示手段5は、本実施形態では制御管理部16aと通信するタッチパネル操作部分を有している。そして表示手段5は制御管理部16aと一体化したものであっても良い。
【0042】
また識別情報送信手段3と表示手段5は一体化して設けられたものであっても良く、制御管理部16aの一部若しくは全部をこれに加えてスキャナ付きハンディターミナルのように一体的に設けられても良い。
【0043】
電源15は、制御管理部16a、表示手段5及び計量手段7などに電気を供給するものであって、例えば充電可能な二次電池である。充電を作業中においても行うことができるようにコイルを有する非接触電力伝送装置を含むものでも良い。
【0044】
カート2を識別するためのカート識別情報を含むカート識別情報バーコード12が制御管理部16a近傍に設けられている。カート識別情報は複数のカートを識別する固有の番号若しくは記号を含み、さらにそのカートの置き台の数や計量手段の計量範囲等の情報を含む場合がある。作業者は識別情報送信手段3によって、カート識別情報バーコード12の読み取りを実行し、識別情報送信手段3は読み取ったカート識別情報を制御管理部16aへ送信し、制御管理部16aがカート識別情報を受信して制御管理部16bへカート識別情報を送信する。制御管理部16bはこれを受信して以後のピッキング又は仕分け作業に使用するこのカート2をアクティブ状態にする。カート2がアクティブ状態になった時点で、作業者はピッキング又は仕分け作業を開始することができる。ピッキング又は仕分け作業に使用するカート2をアクティブ状態にする方式はこれに限らず、カート2の電源入切りを行う押し釦4を作業者が押し、押し釦4と繋がった制御管理部16aが信号を制御管理部16bへ送信することでこのカート2をアクティブ状態にする方式でも良い。
【0045】
物体検出手段19は、隣り合う置き台の中間位置に設けられ、隣接する置き台の中間位置に物体があるか否を検出するものである。物体検出手段19は、例えば光電反射式の距離設定型センサであって、置き台の天板面の延長した箇所に物体がある時にこれを検出して、検出信号を制御管理部16aへ送信する。なお物体検出手段19は、隣接する置き台の天板面を延長した箇所に物体がある時、この物体に接触して検出するレバーやピンを有した接触式スイッチであっても良い。
【0046】
図1〜
図3では、3個の搬送容器(小)9a〜9cをそれぞれ置き台8a〜8cに置いた時の状態を表している。
【0047】
図4及び
図5は本発明の第1の実施形態において、搬送容器(小)9a〜9cよりも大きなサイズの搬送容器(大)10を置き台に載せ置いた時の平面図と側面図である。搬送容器(大)10は、置き台8c及び置き台8dの各天板面よりも底面が大きな容器であって、隣り合う置き台8cと置き台8dとにまたがって置かれている。置き台8cと置き台8dの間に設けられた物体検出手段19は、搬送容器(大)10を検出して検出信号を制御管理部16aへ送信する。したがって制御管理部16aは、搬送容器(大)10が置き台8cと置き台8dとにまたがって置かれている状態にあることを認識する。
【0048】
なお物体検出手段19は、第2の実施形態では置き台8aと置き台8b、置き台8cと置き台8d、置き台8eと置き台8f、置き台8gと置き台8hの間に設けられているが、置き台8aと置き台8c、置き台8bと置き台8d、置き台8eと置き台8g、置き台8fと置き台8hの間に設けられてもよい。この場合作業者は搬送容器(大)10を
図4において横長で置くことが可能となる。
【0049】
図6、
図7、
図8は本発明の第2の実施形態に係る物品搬送作業システムのそれぞれ正面図、平面図、側面図である。基本的な配置は第1の実施形態と同じであるので、ここでは相違点のみ記述する。
【0050】
第2の実施形態では、物体検出手段19の変形例であって、仕切部材6と仕切り部材状態検出手段(不図示)が配置されている。仕切部材6は置き台8a、置き台8c、置き台8e、置き台8gの天板下方側に設けられ、可倒式のハンドル形状を成している。
図6〜
図8に示すように搬送容器(小)9a〜9cが置き台8a〜8cに置かれている場合は、搬送容器(小)9aと搬送容器(小)9cは、仕切部材6により置き台8a、置き台8cの天板斜面から滑り落ちることを防いでいる。そして
図9及び
図10に示すように搬送容器(大)10を置き台8c及び置き台8dに渡って載せ置いた時には、この仕切部材6は支持されている支点の回転軸(不図示)を中心として倒れて、置き台を仕切る機能が解除される。
【0051】
仕切部材状態検出手段は仕切部材6が倒れた状態にあることを検出するものであって、仕切部材6の伸縮や倒れ状態を接触して検出するレバーやピンを有したスイッチや、仕切部材6の伸縮や倒れ状態を非接触で光電センサが好適である。仕切部材状態検出手段は仕切部材6が倒れた状態にあることを検出して検出信号を制御管理部16aへ送信するので、搬送容器(大)10が置き台8cと置き台8dとにまたがって置かれている状態にあることを制御管理部16aは認識することになる。よって仕切部材状態検出手段は、隣り合う置き台の中間位置に物体が置かれているか否を検出する物体検出手段19と同じ役割を、仕切部材6を介して間接的に行うものである。
【0052】
なお仕切部材6は可倒式の他、コイルばねを内蔵した直線的なロッド伸縮式によるものでも良い。また仕切部材6は、第2の実施形態では置き台8aと置き台8b、置き台8cと置き台8d、置き台8eと置き台8f、置き台8gと置き台8hの間に設けられているが、第1の実施形態の変形と同様に、置き台8aと置き台8cとの間等に設けられてもよい。
【0053】
図11及び
図12は、本発明の第1及び第2の実施形態に係る物品搬送作業システムにおけるカートのアクティブ化から置き台と搬送容器の関連付け完了までのフローチャートである。
【0054】
ステップS001では、制御管理部16aはカート2のカート識別情報を、識別情報送信手段3から受信を待って判定する状態にある。制御管理部16aは、ステップS001にてカート識別情報を受信したことを判定すると、ステップS002へ進んでこのカート識別情報を記憶して、カート識別情報を制御管理部16bへ送信する。制御管理部16bはこのカート識別情報を受け取って、同時に制御管理部16bは作業の内容を決定し、このカートを用いてピッキング作業若しくは仕分け作業のための搬送容器と置き台の関連付けができる準備が整ったこと、及び搬送容器(小)の必要個数及び搬送容器(大)の必要個数等の情報を、制御管理部16aを通じて表示手段5に表示する(ステップS003)。
【0055】
この後制御管理部16aは直ちに第1のステップS100を開始する。第1のステップS100は関連付けを行う必要のある置き台識別情報と搬送容器識別情報を受信して記憶するステップである。そして第2のステップS200は、ペアとなって揃った置き台識別情報と搬送容器識別情報に加えてカート識別情報を加えて、これを関連付けて記憶するステップである。これらのステップは、制御管理部16aと制御管理部16bがそれぞれ行うものと、相互にデータ通信を行って実行するものとがある。
【0056】
第1のステップS100の最初の部分は、この第1のステップS100を抜けるかどうかの強制中断であるステップS101と、計量データを監視して計量データが所定の計量値範囲内へ変化しているかどうかを判定する計量データ変化判定ステップS102と、搬送容器識別情報を受信の有無を判定する搬送容器識別情報判定ステップS103と、が直列に配され、いずれも判定がNoであればこれをループで繰り返すものである。いずれかの判定ステップでYesとなった場合はこのループから抜け、それぞれの次のステップに進む。
【0057】
ステップS101にて強制中断をする場合は、作業者は表示手段5に設けられたスイッチ等を押すことでこれを中断して、今まで関連付けが行われた分にて関連付けを終了とする(ステップS302)。
【0058】
計量データ変化判定ステップS102における判定の基準となる計量データの所定の計量値範囲は、作業の管理を行う管理者等により設定される。そして判定の基準となる計量データの所定の計量値範囲は第1の計量値範囲と第2の計量値範囲で構成される。第1の計量値範囲は主として搬送容器の重量を元に定められる第1の計量値範囲であって、搬送容器の重量及びそのバラつきを勘案して設定される。第2の計量値範囲は第1の計量値範囲よりも大きく計量手段の最大計量値よりも小さい範囲である。第2の計量値範囲での計量データ変化判定は搬送容器の誤差が大きくばらつく場合や、搬送容器がダンボール等で非常に軽量な場合などで用いられ、作業者が搬送容器を置き台に置いた後にさらにタッチをするなどして外力を加えて計量値を一時的に故意に増やし、どの置き台に搬送容器を置いたかを明瞭にする場合に用いられる。そして作業の管理を行う管理者等は計量データ変化判定ステップS102における判定の基準を、第1の計量値範囲若しくは第2の計量値範囲のみで変化判定を行うか、第1の計量値範囲と第2の計量値範囲の両方で変化判定を行うかを選択することができる。
【0059】
作業者が搬送容器をいずれかの置き台に置くことで、その置き台にて計量データが所定の計量値範囲へ変化していると判定されれば、置き台識別情報取得ステップS104へ進む。
【0060】
図12は置き台識別情報取得ステップS104の詳細を示したものであって、置き台識別情報取得ステップS104はステップS105〜S110で構成されている。
【0061】
まず複数置き台判定ステップS105では、複数の置き台で所定時間内に所定の計量値範囲内へ計量データが相次いで変化したかを判定する。この所定時間は搬送容器のサイズ、重量を勘案して作業の管理を行う管理者等により設定されるものであって、例えば0.3〜0.5秒程度である。すなわち、
図2のように、置き台8aに搬送容器(小)9aを置いた後直ちに置き台8bに搬送容器(小)9bを置いたのか、
図4のように置き台8cと置き台8dにまたがって搬送容器(大)10を置いたのか、を区別できるように設定されれば良い。もし単一の置き台にて計量データが所定の計量値範囲へ変化していると判定されれば、置き台識別情報記憶ステップS106へ進み、複数の置き台にて計量データが所定の計量値範囲へ変化していると判定されれば、物体検出判定ステップS108へ進む。
【0062】
置き台識別情報記憶ステップS106では、制御管理部16aは変化した置き台の置き台識別情報を記憶する。
【0063】
一方、物体検出判定ステップS108では、この複数の隣り合う置き台の間の物体の有無を物体検出手段19からの検出信号を基に判定する。
【0064】
物体検出手段19からの検出信号で物体がこの複数の隣り合う置き台の間に検出されていないと判定された場合は、重量データから複数の置き台に搬送容器が置かれていると判定し、不整合が生じていることから、ステップS113にて制御管理部16aはエラー表示を表示手段5へ送信して表示させる。そして作業者が表示手段5に設けられたタッチパネルのスイッチでリセット操作をすると、RETURN2により置き台識別情報取得ステップS104を抜けて、計量データ変化判定ステップS102に戻り、作業者は関連付け作業を続行することができる。
【0065】
物体検出手段19からの検出信号で物体がこの複数の置き台の間に検出されていると判定された場合は、制御管理部16aは事前に設定してある置き台識別情報を記憶する。事前に設定してある置き台識別情報とは、例えば
図4、
図9においては、置き台8cと置き台8dが使用されているので、例えばアルファベット順で先頭の方を用いる事前の設定ルールを用いると、置き台8cの置き台識別情報が事前に設定してある置き台識別情報となる。
【0066】
そしてステップS106若しくはステップS109にて置き台識別情報が記憶された後に、制御管理部16aはステップS107にて記憶した置き台識別情報を表示手段5へ送信して表示させ、置き台識別情報取得ステップS104はRETURN1にて終了する。
【0067】
置き台識別情報取得ステップS104が終わると、ステップS111にて制御管理部16aは搬送容器識別情報の受信待ち表示を表示手段5に指令して表示手段5はこれを表示する(
図11)。制御管理部16aは搬送容器識別情報受信ステップS112にて、搬送容器の搬送容器識別情報のみの受信を受け付ける。作業者が識別情報送信手段3にて搬送容器識別情報バーコードの読み取りを行うと、制御管理部16aは搬送容器識別情報を受信し、次いで搬送容器識別情報記憶ステップS113へ進み、制御管理部16aはこの受信した搬送容器識別情報を記憶する。
【0068】
この時点で関連付け対象の置き台識別情報と搬送容器識別情報がペアとなって揃ったので、第2のステップS200へ進む。
【0069】
ところで計量データ変化判定ステップS102と搬送容器識別情報判定ステップS103は直列に配されループで繰り返しているので、計量データの所定範囲内への変化を検出しつつ、搬送容器識別情報の受信も監視している。したがって計量データの所定範囲内への変化よりも先に搬送容器識別情報を受信したことを判定すると、搬送容器識別情報記憶ステップS113へ進み、この搬送容器識別情報を記憶し、次いでステップS114にて計量データの受信待ちとなり、作業者が置き台にその搬送容器を置くことを促すように表示手段5に送信して表示させる。
【0070】
そして計量データ変化判定ステップS102に進んで、計量データが所定の範囲内への変化が生じることを待つ。作業者が搬送容器をいずれかの置き台に置くことで、いずれかの置き台にて計量データが所定の範囲に変化していることが検出されれば、置き台識別情報取得ステップS104へ進む。
【0071】
置き台識別情報取得ステップS104は前述した通りであり、物体検出手段19からの検出信号と計量データの不整合が生じている場合はRETURN2により計量データ変化検出ステップS115に戻って続行する。置き台識別情報の取得が置き台識別情報記憶ステップS106若しくは事前設定置き台識別情報記憶ステップS109にて完了した場合はRETURN1により置き台識別情報取得ステップS104は終了し、第2のステップS200へ進む。
【0072】
なお記憶した置き台識別情報を表示手段5へ送信して表示させるのは、作業者が搬送容器を置いた置き台と、搬送容器が置かれたと制御管理部16aが認識して記憶した置き台とが一致しているかを作業者も確認できるようにするためである。
【0073】
第2のステップS200では、制御管理部16aはステップS201にて、ペアとなって揃った置き台識別情報と搬送容器識別情報に加えてカート識別情報を加えて、これを関連付けて記憶する。そしてこの関連付け情報は制御管理部16bにも送信され、制御管理部16bもこれを受信して記憶する。この関連付け情報は、例えばカート識別情報(C002)+置き台識別情報(B07)+搬送容器識別情報(V21624)とした場合、これらを順に並べたもので、文字列でC002B07V21624である。
【0074】
制御管理部16aはステップS202にて、この関連付け情報を表示手段5へ送信して、表示手段5はこれを表示する。
【0075】
その後ステップS301にて制御管理部16aは、置き台が既に全部使用中であるかどうかを、記憶した関連付け情報と計量データから判定する。
【0076】
ステップS301では、置き台が全部使用中であると検出されると関連付け作業は完了したものと判定して、制御管理部16aはステップS302にて関連付け作業終了の表示を表示手段5へ送信して、表示手段5は関連付け作業が全て終了したことを表示する。
【0077】
ステップS301にて未使用の置き台があると判定されると、第1のステップS100へ戻ってさらなる置き台識別情報と搬送容器識別情報の取得を行う。
【0078】
なお本実施形態では、一連の関連付けの処理は制御管理部16aが行っているが、これに限るものでは無く、無線で通信しながら制御管理部16bで行っても良い。また制御管理部16aにて関連付けを行い、この結果を制御管理部16bに送信して、制御管理部16bはこれを記憶するという変形も可能である。制御管理部16aと制御管理部16bの演算及び記憶の分担は、カートの数や制御管理部16aの処理能力、カートの制御管理部16aと制御管理部16bを繋ぐ無線の処理速度、処理能力及び規模によって適宜決められるものである。
【0079】
図13は本発明の実施形態に係る物品ピッキングシステムにおける置き台と搬送容器の関連付け以降の、物品ピッキング作業のフローチャートである。
図11の最終ステップA/Bのうち、Aの側が物品ピッキング作業に該当する。
【0080】
ステップS401では、制御管理部16bは制御管理部16aを通じて、ピッキングする物品が保管されている棚の番号、位置等を表示手段5へ送信して、表示手段5はこれを表示する。
【0081】
ステップS402では、制御管理部16aは、対象物品の物品識別情報を受信待ち状態である。
【0082】
ステップS402では、作業者が識別情報送信手段3にて物品に設けられている物品識別情報バーコードの読み取りを行うことで、物品識別情報を受信したと判定すると、ステップS403へ進む。
【0083】
ステップS403では、制御管理部16bは制御管理部16aを通じて、この物品を入れる搬送容器の置かれた置き台の番号を表示手段5へ送信して、表示手段5はこれを表示する。次いでステップS404では、制御管理部16bは制御管理部16aを通じて、この入れる物品の個数を表示手段5へ送信して、表示手段5はこれを表示する。
【0084】
これに基づき作業者はこの物品を指定の置き台の搬送容器へ指定個数入れる。なお置き台の番号は置き台識別情報と同じであっても良いし、作業者が認識しやすい単純な番号やアルファベット及びこれらの組合せなどでも良い。
【0085】
ステップS405では、制御管理部16aは、該当の置き台の計量手段7からの計量データを受信して、この置き台に加わった重量が所定の範囲内にあるかどうかを判定する。もし重量データが所定の範囲外であった場合は、物品の量が異なる仕様であったり、物品違いであったりする可能性があるのでエラー停止として作業を停止することができ、作業者の操作にて数の管理に切り替えるなどで復帰させることができる。重量データが所定の範囲内であった場合は、ピッキングする物品の予定数が完了しているかどうかを判定するステップS406へ進む。
【0086】
ステップS406で、ピッキングする物品の予定数が完了していないと判定したならば、一連のステップS401〜ステップS406の各データの送受信履歴を記憶してステップS401へ戻る。
【0087】
ステップS406で、ピッキングする物品の予定数が完了したと判定したならば、ステップS407へ進み、予定数完了の表示指令を表示手段5へ送信して、表示手段5はこれを表示する。そして次いでステップS408へ進み、制御管理部16a及び制御管理部16bはこのカートでのピッキング作業が完了したことを記憶する。
【0088】
なお上記のピッキング作業は一例であって、上記のフローに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0089】
図14は本発明の実施形態に係る物品仕分けシステムにおける置き台と搬送容器の関連付け以後の、物品仕分け作業のフローチャートである。
図11の最終ステップA/Bのうち、Bの側が物品仕分け作業に該当する。
【0090】
ステップS501では、制御管理部16bは制御管理部16aを通じて、対象の物品を仕分け(分配配膳)する棚の番号、位置、仕分けする個数等を表示手段5へ送信して、表示手段5はこれを表示する。
【0091】
ステップS502では、制御管理部16aは、対象物品の物品識別情報を受信待ち状態である。
【0092】
ステップS502で、作業者が識別情報送信手段3にて物品に設けられている物品識別情報バーコードを都度読み取らせることで、物品識別情報を受信したと判定すると、ステップS503へ進み、制御管理部16aは物品識別情報と受信した回数を記憶する。なおステップS502とステップS503は運用上で省略される場合もある。
【0093】
ステップS504では、制御管理部16aは該当の棚に設けられている棚識別情報を受信待ち状態である。
【0094】
ステップS504にて、作業者が識別情報送信手段3にて該当の棚に設けられている棚識別情報バーコードの読み取りを行うことで、物品識別情報を受信したと制御管理部16aが判定すると次のステップS505へ進む。
【0095】
ステップS505では、対象物品が入っていた搬送容器の置かれた置き台の重量変化が取り出した量と合致しているかを計量データと比較して判定する。
【0096】
もし合致していないとステップS505で判定した場合は、物品の量が異なる仕様であったり、物品違いであったりする可能性があるのでエラー停止となって作業は停止とすることもでき、ピッキング作業と同様に作業者の操作にて数の管理に切り替えるなどで復帰させることができる。
【0097】
もし合致しているとステップS505で判定した場合は、仕分けする物品の予定数が完了しているかどうかを判定するステップS506へ進む。
【0098】
ステップS506にて、仕分けする物品の予定数が完了していないと判定したならば、一連のステップS501〜ステップS506の各データの送受信履歴を記憶してステップS501へ戻る。
【0099】
ステップS506にて、仕分けする物品の予定数が完了したと判定したならば、ステップS507に進み、予定数完了の表示指令を表示手段5へ送信して、表示手段5はこれを表示する。そしてステップS508に進み、制御管理部16a及び制御管理部16bは、このカートでの仕分け作業が完了したことを記憶する。
【0100】
なお上記の仕分け作業は一例であって、上記のフローに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0101】
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。