(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィルムロールから繰り出され、一方の側縁部の内面と他方の側縁部の外面とが合わせられて、又は、両側縁部の内面同士が合わせられて、筒状に成形されたフィルムを搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記フィルムの、合わせられた前記両側縁部に対して前記フィルムを挟み込むように当たるホーン及びアンビルを有し、前記フィルムの前記両側縁部を超音波シールするシール部と、
前記搬送部及び前記シール部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記フィルムを搬送させながら前記シール部に超音波シールを行わせる通常第1モードと、前記フィルムを搬送させながら前記通常第1モードにおける前記ホーンの振幅よりも小さい振幅で前記ホーンを振動させる第2モードとを、制御モードとして有し、
前記シール部は、前記第2モード中は、搬送される前記フィルムの前記両側縁部を超音波シールしない、
製袋包装機。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の一実施形態に係る製袋包装機100について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であり本発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0025】
なお、以下の説明では、方向を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。これらの表現は、特記無き場合、図中に示した方向に従う。また、以下の説明では、「上流」、「下流」という表現を使用する場合があるが、「上流」、「下流」はフィルムFの搬送方向を基準とする。
【0026】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製袋包装機100の概略斜視図である。
図2は、製袋包装機100のブロック図である。
図3は、製袋包装機100の製袋包装ユニット20を模式的に示した図である。
【0027】
製袋包装機100は、概ね以下の様に、製袋をしながら被包装物を包装する。
【0028】
製袋包装機100は、シート状のフィルムFの両側縁部を合わせて筒状に成形する。そして、製袋包装機100は、筒状にしたフィルムFの両側縁部を縦方向にシールして筒状フィルムFcとする。また、製袋包装機100は、縦シールされたフィルムF(筒状フィルムFc)を横シールする。下端が横シールされた筒状フィルムFcの内部に被包装物が投入され、被包装物が投入されている領域よりも上方側が更に横シールされることで、被包装物が内部に充填された袋Bが製造される。被包装物は、例えば、製袋包装機100の前段の図示しない被包装物供給装置(例えばコンベア)により供給され、筒状フィルムFcの内部に投入される。
【0029】
なお、被包装物は、例えば、小型の工業部品や、調味料等の入った小袋である。製袋包装機100は、これらの被包装物が所定量だけ入った袋Bを製造する。なお、被包装物の種類は例示に過ぎず、製袋包装機100は、様々な被包装物の入った袋Bを製造可能である。
【0030】
製袋包装機100は、フィルム供給ユニット10と、製袋包装ユニット20と、操作部70と、制御ユニット80と、を主に有する(
図1〜
図3参照)。製袋包装ユニット20には、主に、筐体200と、成形機構30と、搬送機構40と、縦シール機構50と、横シール機構60と、を含む。
【0031】
(2)詳細構成
(2−1)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット10は、製袋包装ユニット20にシート状のフィルムFを供給するユニットである。フィルムFは、例えば、表面に熱可塑性樹脂であるポリプロピレンの層を有するフィルムである。なお、製袋包装機100で使用されるフィルムFは、このような材質のフィルムに限定されるものではなく、超音波シール可能なフィルムの中から適宜選択されればよい。
【0032】
フィルム供給ユニット10には、フィルムFが巻き回されたフィルムロール12がセットされる。後述するように、製袋包装ユニット20の搬送機構40によりフィルムFが搬送されると、フィルムロール12からフィルムFが繰り出される。フィルムFは、フィルムFの搬送経路に沿って配置された図示しないローラにより案内され、製袋包装ユニット20の成形機構30へと搬送される。
【0033】
(2−2)製袋包装ユニット
製袋包装ユニット20は、被包装物の供給を受け、フィルム供給ユニット10から供給されるフィルムFを用いて被包装物の入った袋Bを製袋する。
【0034】
製袋包装ユニット20は、主に、筐体200と、成形機構30と、搬送機構40と、縦シール機構50と、横シール機構60と、を含む(
図1及び
図3参照)。
【0035】
成形機構30は、フィルム供給ユニット10のフィルムロール12から繰り出され、搬送されてくるシート状のフィルムFの、フィルムFの両側縁部を合わせて筒状に成形する。ここで、フィルムFの側縁部とは、フィルムFの幅方向における縁部を意味する。フィルムFの幅方向とは、フィルムFの搬送方向と直交する方向を意味する。
図3中では、フィルムFの幅方向は左右方向である。搬送機構40は、筒状に成形されたフィルムFを縦シール機構50へと搬送する。ここでは、搬送機構40は、筒状に成形されたフィルムFを下方へと搬送する。縦シール機構50は、搬送機構40により搬送される筒状に成形されたフィルムFの合わせられた両側縁部を縦方向に超音波シールし、超音波シールされた縦シール部Sを有する筒状フィルムFcを形成する(
図3参照)。横シール機構60は、搬送される筒状フィルムFcを、その搬送方向と交差する方向に沿って横シールする。特にここでは、横シール機構60は、下方に向かって搬送される筒状フィルムFcを、その搬送方向と直交する方向(ここでは左右方向)に沿って横シールする。さらに、横シール機構60は、内部に被包装物が収容され、上下の端部が封止された筒状フィルムFcの下部を、その上方に配置される筒状フィルムFcから切り離すことで、被包装物の収容された袋Bを製袋する。
【0036】
(2−2−1)筐体
筐体200は、主に製袋包装ユニット20を内部に収容するケーシングである(
図1参照)。筐体200内には、成形機構30(後述するチューブ34の上部を除く)と、搬送機構40と、縦シール機構50と、横シール機構60と、を内部に収容する。また、筐体200の内部には、制御ユニット80も収容される。また、筐体200の前側上部には、操作部70が配置される。
【0037】
筐体200は、前方側に配置されるドア210を含む(
図1参照)。ドア210を開くことで、作業員は、筐体200の内部に収容される、搬送機構40、縦シール機構50、及び横シール機構60等のメンテナンスを行ったり、フィルムロール12の交換時に成形機構30にフィルムFをセットしたりすることができる(
図1参照)。
【0038】
なお、製袋包装機100は、ドア210を開けた状態では動作しないように構成されることが好ましい。このように構成されることで、作業者が、製袋包装機100の動作部に指等を挟まれるなどの事故の発生を防ぐことができる。
【0039】
(2−2−2)成形機構
成形機構30は、チューブ34と、フォーマ32とを主に有する(
図3参照)。
【0040】
チューブ34は、筒状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ34の上端の開口部から、袋Bに収容される被包装物が投入される。
【0041】
フォーマ32は、チューブ34を取り囲むように配置されている。フィルムロール12から繰り出され、フォーマ32へと搬送されてきたシート状のフィルムFは、フォーマ32とチューブ34との間を通る時に筒状に成形される。本実施形態では、搬送されてきたシート状のフィルムFは、
図4のように、フィルムFの一方の側縁部の内面(第1側縁部FaのFai)と、フィルムFの他方の側縁部の外面(第2側縁部Fbの外面Fbo)とが合わされて、筒状に成形される。
【0042】
(2−2−3)搬送機構
搬送機構40は搬送部の一例である。搬送機構40は、成形機構30において筒状に成形されたフィルムFを縦シール機構50へと搬送する。
【0043】
搬送機構40は、縦シール機構50より下方に配置される(
図3参照)。搬送機構40は、
図2及び
図3に示すように、チューブ34の前後にチューブ34を挟むように配置された一対のローラ42と、ローラ42を駆動するモータ44と、を有する。ローラ42は、モータ44により回転駆動される。チューブ34の前方側のローラ42は、右側面視において時計回りに回転させられる(
図3参照)。チューブ34の後方側のローラ42は、右側面視において反時計回りに回転させられる(
図3参照)。このようにローラ42が回転させられると、ローラ42とチューブ34との間に挟まれたフィルムF(縦シール機構50による縦シール後の筒状フィルムFc)が下方へと搬送される。なお、筒状フィルムFcの搬送時に、ローラ42と筒状フィルムFcとの滑りを防止するためには、ローラ42の表面の摩擦係数は比較的大きいことが好ましい。
【0044】
モータ44は、回転速度可変のモータである。後述する制御ユニット80は、モータ44の回転速度を制御することで、搬送機構40によるフィルムFの搬送速度を制御する。
【0045】
なお、搬送機構の構成は、上記で説明した構成に限定されるものではなく、筒状に成形されたフィルムFを縦シール可能な状態で縦シール機構50へと搬送可能な構成であればよい。例えば、搬送機構は、チューブ34を挟むようにチューブ34の左右に配置された吸着機能を有する一対のベルトを有し、ベルトを回転させることでフィルムFを下方に搬送してもよい。また、搬送機構は、縦シール機構50と概ね同一高さ、又は、縦シール機構50より上方に配置されてもよい。
【0046】
(2−2−4)縦シール機構
縦シール機構50は、シール部の一例である。縦シール機構50は、搬送機構40により搬送される筒状に成形されたフィルムFの両側縁部(第1側縁部Fa及び第2側縁部Fb)を超音波シールする。
【0047】
縦シール機構50は、ホーン52と、アンビル54と、ホーン位置移動機構58と、超音波振動子94と、超音波発振器92と、を主に含む(
図1、
図2、
図4〜
図6参照)。
【0048】
ホーン52及びアンビル54には、限定するものではないが、例えば、アルミ合金や、チタン合金が用いられる。
【0049】
ホーン52とアンビル54とは、フィルムFの合わせられた両側縁部(第1側縁部Faの内面Faiと、第2側縁部Fbの外面Fboとが合わされた部分)に対して、フィルムFを挟み込むように当たる(
図4参照)。ホーン52は、フィルムFの合わせられた両側縁部の前方に配置される(
図4参照)。アンビル54は、フィルムFの合わせられた両側縁部の後方に配置される(
図4参照)。なお、ホーン52には、ホーン52をアンビル54に押し付ける力を発生する図示しない付勢部材が取り付けられている。付勢部材は、例えばバネである。付勢部材が存在することで、ホーン52とアンビル54との間で、フィルムFの縦シール対象部分が所定の圧力で挟持される。
【0050】
ホーン52は、背面側に配置される先端部52aにおいて縦シールの対象のフィルムFと接する(
図4参照)。先端部52aは、概ね直方体形状に形成されている(
図6参照)。先端部52aは、その背面側に配置される上下方向を長手方向とする長方形形状の接触面とアンビル54との間にフィルムFの縦シール部分を挟み込む。ホーン52の、先端部52aと反対側の(ここでは前方側の)端部は、超音波振動子94に連結されている。ホーン52は、超音波振動子94が発生する超音波振動を、溶着対象のフィルムFへと伝える。
【0051】
超音波振動子94は、圧電素子である。超音波振動子94は、超音波発振器92と電気的に接続されている。超音波発振器92は、超音波振動子94に駆動電圧を供給する。後述する制御ユニット80は、超音波発振器92を制御することで、超音波振動子94によって超音波振動させられるホーン52の振幅を制御する。
【0052】
アンビル54は、フィルムFの搬送に合わせて回転する従動ローラである。より具体的に説明する。
【0053】
アンビル54は厚肉円筒状に形成されている。アンビル54の円筒外面(ホーン52と共にフィルムFを挟持する面)には、アヤ目状に溝が形成されている(
図4及び
図5参照)。アンビル54の中空部にシャフト55が挿通されている(
図5参照)。シャフト55は、その軸方向が左右方向に延びるような姿勢で、チューブ34の前面に設けられた支持部56に取り付けられている(
図4参照)。支持部56は、シャフト55を回動自在に支持する。このように構成されることで、ホーン52との間でフィルムFを挟み込むアンビル54は、フィルムFが搬送されるとそれに追従して回転する。この構成により、ホーン52とアンビル54とによるフィルムFの挟持部がフィルム搬送に与える抵抗力を低減することができる。
【0054】
ホーン位置移動機構58は、離反機構の一例である。ホーン位置移動機構58は、手動で、ホーン52をフィルムFから離反する様に移動させるための機構である。ホーン位置移動機構58は、製袋包装機100を初めて利用する際や、これまで使われていたフィルムとは異なるフィルムを包装に利用する際等に行われるフィルムロール12のセット時や、縦シール機構50のメンテナンス時等に用いられる。
【0055】
ホーン位置移動機構58は、ヒンジ部58bと、固定部58cと、を主に有する(
図6参照)。
【0056】
ヒンジ部58bは、ホーン52を支持するホーン支持フレーム58aを枢動可能に支持する。ホーン支持フレーム58aの左側部を手前側に引っ張り、ホーン支持フレーム58aをヒンジ部58bの枢動軸周りで枢動させることで、ホーン52の状態を、フィルムFに接触しアンビル54との間でフィルムFを挟持する第1状態から、アンビル54から遠ざかり、フィルムFと離反した第2状態(
図6参照)に切り換えることができる。また、ホーン支持フレーム58aの左側部を後方側に押し、ホーン支持フレーム58aをヒンジ部58bの枢動軸周りで枢動させることで、ホーン52の状態を、前記の第2状態から、前記の第1状態に切り換えることができる。
【0057】
固定部58cは、ホーン52が第1状態で維持されるように、ホーン支持フレーム58aを固定するための機構である。固定部58cは、例えばネジであり、ネジを前方側のフレームに形成されたネジ穴に螺合させることで、ホーン支持フレーム58aは、筐体200内の所定の位置に所定の姿勢で固定され、ホーン52は第1状態となる。ホーン支持フレーム58aが固定部58cにより固定されホーン52が第1状態におかれると、ホーン52は図示しない付勢部材によりアンビル54側に押し付けられ、ホーン52とアンビル54との間でフィルムFが挟持される。製袋包装機100の運転中(通常運転中(製袋動作時)だけではなく、後述するフィルム送り動作時も含む)には、ホーン支持フレーム58aは固定部58cで固定され、ホーン52の状態は第1状態にある。
【0058】
なお、ここで説明したホーン支持フレーム58aの固定方法は例示であって、これに限定されるものではなく、各種固定方法をホーン支持フレーム58aの固定に利用できる。
【0059】
(2−2−5)横シール機構
横シール機構60は、下方に搬送される筒状フィルムFcを、その搬送方向と交差する方向、特にここでは搬送方向と直交する左右方向に沿って横シールする機構である。
【0060】
横シール機構60は、縦シール機構50の下方に配置されている(
図3参照)。
【0061】
横シール機構60は、図示しないヒータを内蔵する一対のシールジョー62と、シールジョー駆動部64と、を有している(
図2及び
図3参照)。一対のシールジョー62は、それぞれ筒状フィルムFcの前側及び後側に配置されている。一対のシールジョー62は、同一高さに配置されている。シールジョー駆動部64は、例えばエアシリンダであり、一対のシールジョー62のうち少なくとも一方を他方に向かって水平方向に移動させる。
【0062】
横シール機構60は、シールジョー駆動部64により一対のシールジョー62のうち少なくとも一方を他方に向かって移動させて、シールジョー62の間に筒状フィルムFcを挟持し、袋Bの上下の端部となる部分を熱と圧力とによりシールする。
【0063】
また、シールジョー62の一方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。横シール機構60は、カッターを用いて、シールジョー62による横シール部分の高さ方向の中心位置において、袋Bと後続の筒状フィルムFcとを切り離す。
【0064】
なお、本実施形態の横シール機構60では、シールジョー駆動部64は、シールジョー62の少なくとも一方を、他方のシールジョー62に向かって水平方向に直線状に移動させ、筒状フィルムFcをシールジョー62間に挟み込む。しかし、シールジョー62の動作はこのような態様に限定されるものではない。例えば、横シール機構のシールジョー駆動機構は、シールジョー62を互いに旋回させることで、筒状フィルムFcをシールジョー62間に挟み込むように構成されてもよい。
【0065】
また、本実施形態の横シール機構60では、シールジョー62の内部に配置されるヒータが発する熱を利用して筒状フィルムFcのシールが行われるが、このような態様に限定されるものではない。例えば、横シール機構も、縦シール機構50と同様に、筒状フィルムFcを超音波シールするように構成されていてもよい。
【0066】
(2−3)操作部
操作部70は、製袋包装機100に対する指示や、製袋包装機100の動作の設定に用いられる。
【0067】
製袋包装機100に対する指示には、限定するものではないが、後述する製袋動作の実行指示、後述するフィルム送り動作の実行指示、及び、後述する第1動作の実行指示を含む。なお、製袋動作の実行指示は、後述する通常第1モードを制御モードとして用いた製袋包装機100の通常運転の実行指示である。また、フィルム送り動作の実行指示は、後述する第2モードを制御モードとして用いた製袋包装機100の運転の実行指示である。
【0068】
製袋包装機100の動作の設定には、限定するものではないが、袋Bの袋長や、通常第1モード時のホーン52の振幅の値等を含む。なお、通常第1モード時のホーン52の振幅を所定値で固定する場合には、通常第1モード時のホーン52の振幅の値は操作部70から入力可能に構成されなくてもよい。
【0069】
(2−4)制御ユニット
制御ユニット80は、製袋包装機100の動作を制御する制御装置である。
【0070】
制御ユニット80は、CPU、ROM、RAM等から構成される。制御ユニット80は、フィルム供給ユニット10、製袋包装ユニット20の各種構成(搬送機構40のモータ44、縦シール機構50の超音波発振器92、横シール機構60)等と電気的に接続されている(
図2参照)。また、制御ユニット80は、操作部70とも電気的に接続されている(
図2参照)。制御ユニット80は、CPUがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、操作部70から入力された操作や設定に従って、フィルム供給ユニット10や、製袋包装ユニット20の各種構成の動作を制御する。
【0071】
また、制御ユニット80は、製袋包装機100の外部の製袋包装機100に被包装物を供給する被包装物供給装置(例えばコンベア等)の制御部と通信可能に接続されていることが好ましい。そして、制御ユニット80が、被包装物の供給を要求する信号を送信可能に、あるいは、被包装物の供給に合わせた製袋動作の実行を要求する信号を受信可能に構成されることで、被包装物供給装置と製袋包装機100とを連動制御することができる。
【0072】
制御ユニット80は、例えば、モータ44の回転速度を適宜変更するよう、搬送機構40の動作を制御する。モータ44の回転速度が変更されることで、搬送機構40により搬送されるフィルムFの搬送速度が変更される。
【0073】
また、制御ユニット80は、例えば、ホーン52の振幅を適宜変更するよう、縦シール機構50の動作を制御する。具体的には、制御ユニット80は、超音波振動子94に駆動電圧を供給する超音波発振器92を制御することで、超音波振動子94の発生する超音波振動を制御し、超音波振動子94により超音波振動させられるホーン52の振幅を変更する。
【0074】
さて、制御ユニット80は、製袋包装機100の制御モードとして、通常第1モードと、第2モードと、を主に有する。
【0075】
通常第1モードは、搬送機構40によりフィルムFを搬送させながら、縦シール機構50に超音波シールを行わせる制御モードである。また、通常第1モードは、横シール機構60に、縦シール機構50により縦シールされた筒状フィルムFcに横シールを行わせる制御モードである。通常第1モードは、通常運転時、つまり被包装物を内部に収容した袋Bを製袋する際に、制御ユニット80が実行する制御モードである。
【0076】
一方、第2モードは、製袋包装機100に、製袋を行わずにフィルムFを搬送する動作(フィルム送り動作)を行わせる制御モードである。第2モードにおいて、横シール機構60によるフィルムのシール動作は行われない。第2モードは、例えば、フィルムロール12の交換時等に、フィルムFが搬送状態を適切に調整する際に用いられる製袋包装機100の制御モードである。なお、フィルムFが適切な状態で搬送されるとは、フィルムFの搬送時に、フィルムFが成形機構30により適切に筒状に成形され、フィルムFが本来搬送される経路を搬送され、フィルムFに不適切な力が作用して皺や傷を生じさせることがない状態をいう。
【0077】
なお、フィルムロール12の交換には、フィルムの更新時に行われるフィルムロール12の交換と、フィルムの継ぎ足し時に行われるフィルムロール12の交換とを含む。
【0078】
フィルムの更新時に行われるフィルムロール12の交換とは、製袋包装機100を初めて使用する時(製袋包装機100にフィルムロール12を初めてセットする時)や、これまで使われていたフィルムとは異なるフィルムを包装に利用する時に行われるフィルムロール12の交換(セット)のことをいう。一方、フィルムの継ぎ足し時に行われるフィルムロール12の交換とは、これまで使われていたフィルムロールのフィルムが無くなった時に、これに新たなフィルムロールのフィルムを継ぎ足す時に行われるフィルムロール12の交換をいう。
【0079】
フィルムの更新時に行われるフィルムロール12の交換の際には、作業員は、製袋包装機100にフィルム送り動作(第2制御モードによる運転)を実行させる前に、例えば、以下のような作業を行う。
・ホーン位置移動機構58を手動で操作して、ホーン52をアンビル54から遠ざけた状態にする(ホーン52を上記の第2状態(
図6参照)にする)。
・これまで使用していたフィルムFをフィルムFの搬送経路から取り除く(初めて製袋包装機100にフィルムロール12をセットする場合を除く)。
・フィルム供給ユニット10の所定の位置にフィルムロール12をセットする。
・フィルムロール12から巻き出されるフィルムFを、フィルムFの搬送経路に沿って配置される図示しないフィルム供給ユニット10のローラに所定の態様で掛け回す。
・図示しないフィルム供給ユニット10のローラに掛け回されたフィルムFを、成形機構30のフォーマ32にセットする。
・フィルムロール12から巻き出され、成形機構30を通過したフィルムFを、少なくとも搬送機構40のローラ42の位置まで引き出す。
・フィルムFを搬送機構40のローラ42の位置まで引き出した後、ホーン位置移動機構58を手動で操作してホーン52をアンビル54に近づけて上記の第1状態とし、成形機構30を通過して縦シール機構50まで案内されたフィルムFをホーン52とアンビル54との間で挟み込む。
【0080】
これに対し、フィルムの継ぎ足し時に行われるフィルムロール12の交換の際には、作業員は、製袋包装機100にフィルム送り動作(第2制御モードによる運転)を実行させる前に、フィルム供給ユニット10の所定の位置に新たなフィルムロール12をセットする。そして、作業員は、これまで使われていたフィルムロール12のフィルムFの終端部分に、新たにセットされたフィルムロール12のフィルムFの先頭部分をテープ等で貼り付ける作業を行う。フィルムの継ぎ足し時には、新たにセットされたフィルムロール12のフィルムFは、これまで使われていたフィルムロール12のフィルムFに引っ張られて所定の搬送経路に沿って搬送されていく。そのため、フィルムの継ぎ足し時には、作業員は、フィルムFのフィルム供給ユニット10のローラへの掛け回し、フォーマ32へのフィルムFのセット、ホーン位置移動機構58の操作等は特に行わない。
【0081】
(2−4−1)第2モード時の製袋包装機の動作(フィルム送り動作)
制御ユニット80が第2モードを実行する時の製袋包装機100の動作(フィルム送り動作)について説明する。なお、前提として、作業員は、製袋包装機100にフィルム送り動作を行わせる前に行う上記のような作業を完了しているものとする。
【0082】
制御ユニット80は、操作部70のフィルム送り動作の実行を指示するスイッチ(図示せず)が押下されると、以下の様に製袋包装機100の各部の動作を制御して、製袋包装機100にフィルム送り動作を実行させる。ここでは、制御ユニット80は、操作部70のフィルム送り動作の実行を指示するスイッチが押下されている間だけ、製袋包装機100にフィルム送り動作を実行させる。なお、これに限定されるものではなく、制御ユニット80は、操作部70のフィルム送り動作の実行を指示するスイッチが押下されると、所定時間(例えば10秒間)だけ、製袋包装機100にフィルム送り動作を実行させるよう構成されてもよい。
【0083】
なお、制御ユニット80は、第2モードを実行する時には、横シール機構60を動作させない。第2モードを実行時には、横シール機構60のシールジョー62は、互いに離反した状態に配置されている。
【0084】
第2モードの実行中には、制御ユニット80は、搬送機構40のモータ44を運転して、フィルムFを搬送する。なお、制御ユニット80は、第2モード(フィルム送り動作時)において、通常第1モード(製袋動作時)におけるフィルムFの搬送速度(第1速度)よりも低速で搬送機構40がフィルムFを搬送するよう、モータ44の回転速度を制御することが好ましい。例えば、第2モードでは、搬送機構40により、通常第1モード時の搬送速度(第1速度)の半分以下の速度(第2速度)でフィルムFが搬送されることが好ましい。なお、第2モードの実行中には、後述する通常第1モードの実行中とは異なり、横シール機構60はシール動作を行わないため、制御ユニット80は、搬送機構40に連続的に(スイッチが押されている間、中断なく)フィルムFを搬送させる。
【0085】
また、第2モードの実行中には、制御ユニット80は、フィルムFを搬送させながら(フィルムFが搬送機構40により搬送される間)、縦シール機構50のホーン52を振動させる。なお、第2モードの実行中には、制御ユニット80は、通常第1モード(製袋動作時)におけるホーン52の振幅(第1振幅)よりも小さい振幅(第2振幅)でホーン52を振動させる。具体的には、制御ユニット80は、縦シール機構50の超音波発振器92を制御することで、ホーン52の振幅を第1振幅より小さい第2振幅に調整する。第2振幅は、所定期間(例えば15秒間)、第2速度でフィルムFを搬送しながらホーン52を振動させたとしても、フィルムFが溶断されないように決定されたホーン52の振幅である。なお、フィルム送り動作時には、フィルムFが縦シールされる必要はないため、第2振幅は、ホーンとアンビルとによるフィルムの挟持がフィルム搬送に悪影響を与えない範囲で、できるだけ小さな値に決定されることが好ましい。例えば、制御ユニット80は、第2モードにおいて、通常第1モードにおけるホーン52の振幅(第1振幅)の半分以下の振幅(第2振幅)でホーン52を振動させることが好ましい。例えば、ホーン52の最大振幅(数十マイクロメートル)に対し、第1振幅を最大振幅の70%程度とした場合、第2振幅は最大振幅の30%程度であることが好ましい。
【0086】
なお、制御ユニット80は、通常第1モード及び第2モードにおいて、同一の周波数でホーン52を振動させることが好ましい。この場合、超音波発振器92及び超音波振動子94は、超音波振動子94が同一の周波数の振動を発生させるように構成されていればよい。
【0087】
製袋包装機100にフィルム送り動作を実行させた後、製袋包装機100に製袋動作を実行させる前に、作業者は、操作部70を更に操作し、製袋包装機100に以下のような第1動作を行わせる。
【0088】
第1動作時には、制御ユニット80は、搬送機構40に、通常第1モード時のフィルムFの搬送速度(第1速度)と同一速度でフィルムFを搬送させる。また、第1動作時には、制御ユニット80は、フィルムFの搬送中、縦シール機構50のホーン52を通常第1モードにおけるホーン52の振幅(第1振幅)と同一の振幅で振動させ、フィルムFを縦方向に超音波シールする。制御ユニット80は、縦シール機構50により縦シールを行わせながら、搬送機構40により第1距離だけフィルムFを搬送させる。第1距離は、フィルムFの搬送方向(ここでは上下方向)における縦シール機構50のホーン52の位置から横シール機構60のシールジョー62の位置までの距離、より長い距離である。制御ユニット80は、搬送機構40が第1距離だけフィルムFを搬送し終えると、横シール機構60のシールジョー駆動部64を制御して、1対のシールジョー62の間でフィルムFを挟み込んで横シールを行う。また、横シール機構60は、横シール位置よりも下方側のフィルムFを、横シール位置よりも上方側のフィルムFから切り離す。
【0089】
フィルム送り動作完了時には、ホーン52の振幅が低減されているため、縦シール機構50より下方側に存在するフィルムFは縦シールされていない場合がある。ホーン52の振幅が低減されていても、縦シール機構50より下方側に存在するフィルムFが縦シールされている可能性もあるが、このような縦シールは通常不完全である。そのため、フィルム送り動作完了時に縦シール機構50より下方側に存在するフィルムFを、被包装物の包装に利用することは好ましくない。これに対し、フィルム送り動作完了時に、上記の第1動作が実行されることで、フィルムFの縦シールができていない部分(あるいはフィルムFの縦シールが不十分な部分)を、排出することができる。
【0090】
なお、ここでは、作業者が、フィルム送り動作実行のための操作部70に対する操作とは別に、操作部70に対し、製袋包装機100に第1動作を実行させるための操作を行うことで、制御ユニット80が製袋包装機100に第1動作を実行させる。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、作業者がフィルム送り動作実行のための操作を操作部70に対して行うと、フィルム送り動作完了時に自動的に第1動作も実行されるように構成されてもよい。
【0091】
(2−4−2)通常第1モード時の製袋包装機の動作(製袋動作)
制御ユニット80が通常第1モードを実行する時の製袋包装機100の動作(製袋動作)について説明する。ここでは、製袋包装機100は、直ちに製袋動作を実行可能な状態にあるものとする。
【0092】
制御ユニット80は、例えば、前段の被包装物供給装置の制御部から送信される信号に基づき、製袋包装機100が製袋する袋Bの中に被包装物が適切に収容されるようなタイミングで、製袋包装機100の動作を制御する。
【0093】
制御ユニット80は、搬送機構40を制御して、フィルム供給ユニット10からシール状のフィルムFを成形機構30へと搬送する。搬送機構40によるフィルムFの搬送速度は上記の第1速度である。なお、通常第1モード中の搬送機構40によるフィルムFの搬送速度は、可変であってもよい。その場合にも、第2モード時のフィルムFの搬送速度(第2速度)は、通常第1モード時に設定可能なフィルムFの最低搬送速度より低速であることが好ましい。より好ましくは、第2モード時のフィルムFの搬送速度(第2速度)は、通常第1モード時に設定可能なフィルムFの最低搬送速度の半分以下である。
【0094】
成形機構30へと搬送されたフィルムFは、成形機構30により筒状に成形される。筒状に成形されたフィルムFは、縦シール機構50によって縦方向に超音波シールされる。具体的には、制御ユニット80は、フィルムFの搬送中に、縦シール機構50のホーン52が第1振幅で振動するよう、縦シール機構50の超音波発振器92を制御する。なお、第1振幅は、第1速度で搬送されるフィルムFが適切に縦シールされるように決定された振幅である。縦シール機構50では、超音波振動子94が発振する超音波振動に基づいて、ホーン52が超音波振動を引き起こす。ホーン52とアンビル54との間に挟持されている筒状のフィルムFの合わせられた両側縁部Fa,Fbは、ホーン52の超音波振動のエネルギーを受けて加熱されて溶融する。また、溶融したフィルムFの合わせられた両側縁部Fa,Fbは、ホーン52及びアンビル54に挟持されて加圧される。この結果、フィルムFの両側縁部Fa,Fbは超音波シールされる。
【0095】
制御ユニット80は、縦シール機構50により縦シール部Sが形成された筒状フィルムFcが、所定位置まで搬送されると(筒状フィルムFcの横シールされるべき部分が、横シール機構60のシールジョー62の高さ位置に到達すると)、搬送機構40によるフィルムFの搬送を一旦停止する。ここでのフィルムFの搬送の停止には、縦シールされたフィルムF、つまり筒状フィルムFcの搬送の停止を含む。
【0096】
また、フィルムFの搬送停止時には、制御ユニット80は、縦シール機構50のホーン52の振動も停止させる。さらに、制御ユニット80は、被包装物が筒状フィルムFcの下端部に到達するタイミングで、横シール機構60のシールジョー駆動部64を駆動して筒状フィルムFcを横シールすると共に、上下の端部が横シールされた袋Bを筒状フィルムFcから切り離す。
【0097】
(3)特徴
(3−1)
本実施形態に係る製袋包装機100は、搬送部の一例としての搬送機構40と、シール部の一例としての縦シール機構50と、制御部の一例としての制御ユニット80と、を備える。搬送機構40は、フィルムロール12から繰り出され、一方の側縁部の内面(第1側縁部Faの内面Fai)と他方の側縁部の外面(第2側縁部Fbの外面Fbo)とが合わせられて、筒状に成形されたフィルムFを搬送する。縦シール機構50は、搬送機構40により搬送されるフィルムFの、合わせられた両側縁部Fa,Fbに対してフィルムFを挟み込むように当たるホーン52及びアンビル54を有し、フィルムFの両側縁部Fa,Fbを超音波シールする。制御ユニット80は、搬送機構40及び縦シール機構50の動作を制御する。制御ユニット80は、フィルムFを搬送させながら縦シール機構50に超音波シールを行わせる通常第1モードと、フィルムFを搬送させながら通常第1モードにおけるホーンの振幅よりも小さい振幅でホーンを振動させる第2モードとを、制御モードとして有する。
【0098】
本製袋包装機100は、製袋包装機100の動作の制御モードとして、通常第1モード(製袋時に行われる通常の制御モード)に加え、フィルムFを搬送させながら通常第1モードよりも小さい振幅でホーン52を振動させる第2モードを有する。第2モードでは、ホーン52は振動するものの、通常第1モードに比べて振動の振幅が小さいため、ホーン52やアンビル54の過熱が抑制されやすい。そのため、フィルム送り動作(製袋を行わずにフィルムを搬送する動作)時に第2モードを実行することで、ホーン52を振動させてフィルムFの搬送不具合を抑制しつつ、フィルム溶断の発生も防止できる。さらに、第2モードを実行することで、フィルムFの搬送不具合や溶断の発生の抑制のためにホーン52やアンビル54の位置を動かす必要がなく、フィルム送り動作に必要な作業時間を抑制することができる。
【0099】
(3−2)
本実施形態に係る製袋包装機100では、制御ユニット80は、第2モードにおいて、通常第1モードにおけるフィルムFの搬送速度よりも低速で、搬送機構40にフィルムFを搬送させる。
【0100】
本製袋包装機100では、第2モード中のフィルムFの搬送速度が比較的低速であるため、第2モード中(フィルム送り動作時)に特にフィルムFの搬送不具合が発生しにくい。ところが、フィルムFの搬送速度を低速にすると、所定距離だけフィルムFを搬送するために必要な時間が長くなり、ホーン52の連続可動時間も長くなりやすいため、ホーン52やアンビル54が過熱しやすくなるという問題がある。しかし、ここでは、第2モード時のホーン52の振幅が比較的小さいため、ホーン52の連続稼働時間が比較的長くなっても、ホーン52やアンビル54の過熱を抑制することができる。
【0101】
(3−3)
本実施形態に係る製袋包装機100では、第2モードは、フィルムロール12の交換時に実行される。
【0102】
本製袋包装機100では、フィルムロール12の交換時に、フィルム搬送状態の調整のためにフィルム送り動作を実行する際に、フィルムFの搬送不具合や溶断の発生を抑制しつつ、なおかつ短い作業時間でフィルムFの搬送状態を調整することができる。
【0103】
(3−4)
本実施形態に係る製袋包装機100では、制御ユニット80は、通常第1モード及び第2モードにおいて、同一の周波数でホーン52を振動させる。
【0104】
本製袋包装機100では、仕様上、ホーン52の周波数の変更が困難な場合であっても、フィルム送り動作時にフィルムFの搬送不具合や溶断の発生を抑制しつつ、なおかつ、フィルム送り動作に必要な作業時間を抑制することができる。
【0105】
(3−5)
本実施形態に係る製袋包装機100では、制御ユニット80は、第2モードにおいて、通常第1モードにおけるホーン52の振幅の半分以下の振幅でホーン52を振動させる。
【0106】
本製袋包装機100では、第2モード時のホーン52の振幅が、製袋時に行われる通常第1モードにおけるホーン52の振幅の半分以下に調整されるため、特に第2モード実行時のフィルムFの溶断を防止することが容易である。
【0107】
(3−6)
本実施形態に係る製袋包装機100では、アンビル54は、フィルムFの搬送に合わせて回転する従動ローラである。
【0108】
本製袋包装機100では、アンビル54がフィルムFの搬送に合わせて回転するように構成されている。この構成により、ホーン52とアンビル54とによるフィルムFの挟持部がフィルム搬送に与える抵抗力を低減でき、フィルムFが斜行する、フィルムFが引きずられて穴が開き、ホーン52とアンビル54との間からフィルムFが外れる(ホーン52とアンビル54とが直接接触する)という不具合の発生を抑制できる。そのため、ホーン52の振幅が比較的小さい第2モード時においても、フィルムFの挟持部におけるフィルム搬送の抵抗力を低減でき、フィルムFの搬送不具合の発生が特に防止されやすい。
【0109】
(3−7)
本実施形態に係る製袋包装機100では、縦シール機構50は、ホーン52をフィルムFから離反する様に移動させる手動のホーン位置移動機構58を有する。ホーン位置移動機構58は、離反機構の一例である。
【0110】
本製袋包装機100では、第2モード実行時(フィルム送り動作時)に、ホーン52又はアンビル54をフィルムFから離反させる必要がない。そのため、第2モード時にホーン52又はアンビル54を自動で動作させるための機構を製袋包装機100から省略し、製袋包装機100のコスト削減を図ることができる。
【0111】
一方で、本製袋包装機100は、手動のホーン位置移動機構58を有しているため、メンテナンス作業時等に、必要に応じて、容易に、ホーン52をフィルムFから離反した状態にすることができる。
【0112】
(4)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の変形例は、互いに矛盾のない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0113】
(4−1)変形例A
上記実施形態では、搬送機構40は、第1側縁部Faの内面Faiと第2側縁部Fbの外面Fboとが合わせられて、筒状に成形されたフィルムFを搬送する。そして、縦シール機構50は、第1側縁部Faの内面Faiと第2側縁部Fbの外面Fboとが合わせられた両側縁部Fa,Fbを超音波シールする。しかし、本発明に係る製袋包装機の構成は、これに限定されるものではない。
【0114】
例えば、搬送機構は、
図7のように、第1側縁部Faの内面Faiと第2側縁部Fbの内面Fbiとが合わせられて、筒状に成形されたフィルムFを搬送するものであってもよい。つまり、製袋包装器の成形機構は、フィルムロール12から繰り出されるフィルムFを、第1側縁部Faの内面Faiと第2側縁部Fbの内面Fbiとを合わせて、筒状に成形するものであってもよい。そして、縦シール機構は、第1側縁部Faの内面Faiと第2側縁部Fbの内面Fbiとが合わせられた両側縁部Fa,Fbに対してフィルムFを挟み込むように当たるホーン52及びアンビル54を有し(
図7参照)、フィルムFの両側縁部Fa,Fbを超音波シールしてもよい。
【0115】
(4−2)変形例B
上記実施形態では、制御ユニット80は、フィルムロールの交換時に第2モードで製袋包装機100にフィルム送り動作を実行させるが、これに限定されるものではない。制御ユニット80は、フィルムFの搬送不具合や縦シールの不具合等が発生した時、運転を停止していた製袋包装機100を再稼働させる時、その他の運転調整時等に、操作部70からの入力に基づき、又は、自動で、第2モードで製袋包装機100にフィルム送り動作を実行させてもよい。
【0116】
(4−3)変形例C
上記実施形態で説明したホーン52及びアンビル54の形状や構造は例示であり、形状や構造を限定するものではない。
【0117】
例えば、ホーン52は上記実施形態で例示した形状とは異なる他の形状であってもよい。ホーン52の形状は、フィルムFを適切に超音波シールできるように適宜設計されればよい。
【0118】
また、アンビル54は、フィルムFの搬送に合わせて回転する従動ローラであることが好ましいが、不動の部材であってもよい。
【0119】
(4−4)変形例D
上記実施形態では、第2モードにおいて、通常第1モードにおけるフィルムFの搬送速度よりも低速でフィルムFが搬送されるが、これに限定されるものではなく、第2モードにおけるフィルムFの搬送速度と、通常第1モードにおけるフィルムFの搬送速度とは同一であってもよい。
【0120】
ただし、第2モードは、主にフィルムの搬送状態の調整のために実行される制御モードである。そのため、第2モードにおけるフィルムFの搬送速度は、通常第1モードにおけるフィルムFの搬送速度よりも低速であることが好ましい。
【0121】
(4−5)変形例E
上記実施形態では、離反機構の一例であるホーン位置移動機構58によりホーン52がフィルムFから離反するように(アンビル54から遠ざかるように)移動させられる。しかし、これに限定されるものではなく、離反機構は、アンビル54をフィルムFから離反するように(ホーン52から遠ざかるように)移動させるものでもよい。また、離反機構は、ホーン52とアンビル54との両方がフィルムFから離反するように(ホーン52とアンビル54とが互いに遠ざかるように)移動させるものでもよい。
【0122】
(4−6)変形例F
上記実施形態では、製袋包装機100は、フィルム送り動作を実行した後、製袋動作を実行する前に、第1動作を行う。ただし、これに限定されるものではない。
【0123】
例えば、制御ユニット80は、フィルム送り動作の実行を完了した後、第1動作に代えて、被包装物の供給されていない状態で、製袋動作(第1モードによる製袋包装機100の運転)を所定回数行ってもよい。製袋包装機100が、第1動作に代えてこのような動作を行う場合にも、フィルムFの縦シールができていない部分(あるいはフィルムFの縦シールが不十分な部分)を排出することが可能である。