(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記端末は、前記制御情報の組み合わせに対応する画像もしくは文字、またはそれらの組み合わせを作成し、前記画像もしくは文字、またはそれらの組み合わせを表示する、請求項1または2に記載の飛行体の制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1および
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る飛行体8の制御システム2は、読み取り部12を有する制御装置4と、少なくとも1つの目印部6と、を備える。
【0021】
図1に示すように、制御装置4は、飛行体8の上部または、下部に固定される。
図2に示すように、制御装置4は、CPU、RAM、ROM、I/Oインターフェースを含む画像処理可能なマイクロコンピュータと、Wi−Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)などの無線通信デバイスと、によって構成される。制御装置4は、ソフトウェアによって構成される機能構成として、読み取り部12と、飛行情報送信部14と、検知部16と、飛行情報補正部18と、第1無線通信部20を有する。
【0022】
読み取り部12は、後述する撮像部22で撮像された目印部6の画像Sを、受け取る。読み取り部12は、画像Sを受け取った後、画像処理により、画像Sに含まれる制御情報を読み取る。読み取り部12は、取得した画像Sから制御情報を読み取るプログラムに対応する。例えば、目印部6の画像Sに制御情報として矢印が記載(表示)されている場合、制御装置4に予め記憶されたプログラムを参照し、画像Sの矢印が示す移動ベクトルを読み取る。このように、読み取り部12は、画像Sに含まれる制御情報から、飛行体8の移動方向、移動量、撮像部22の作動条件などの制御情報を読み取る。すなわち、読み取り部12は、矢印という二次元画像で表される制御情報から、プログラムが解釈可能な数値で表される制御情報を生成する。読み取り部12は、読み取った制御情報を、飛行情報送信部14に送る。
【0023】
飛行情報送信部14は、受け取った制御情報を、飛行体8の飛行体制御部10が読み取れる形式の飛行情報の信号に変換し、第1無線通信部20に送る。本実施形態では、飛行体8が受け入れ可能な飛行情報のデータ形式が予め定められている。飛行情報送信部14は、制御情報に基づいて、その所定のデータ形式の飛行情報を生成する。
【0024】
検知部16は、飛行体8が目印部6を通過したか否かを検知する。第1実施形態では、検知部16は、撮像部22が目印部6を撮像したか否かを検知する。検知部16は、目印部6が検知された際に、飛行情報送信部14に空中静止の信号を送る。飛行情報送信部14は、受け取った空中静止の信号を、後述する飛行体8の飛行体制御部10が読み取れる形式の飛行情報の信号に変換し、第1無線通信部20に送る。
【0025】
飛行情報補正部18は、飛行体8の実際の撮像部22から得た画像Sの画像情報から、飛行情報を補正する。詳細については、後述する。
【0026】
第1無線通信部20は、飛行情報送信部14から送られる信号を、通信信号に変換し、後述する飛行体制御部10に設けられた第2無線通信部へ送信する。
【0027】
図1に示すように、目印部6は、飛行体8の制御情報を含む。目印部6には、飛行体8の制御情報を含む画像Sが表示される。目印部6の画像Sは、少なくとも、次の目印部6までの移動ベクトルに関する飛行体8の制御情報に対応している。なお、移動ベクトルには、飛行体8の移動量、移動方向(第1制御情報)が含まれる。なお、これに加えて飛行体8の高度を含んでもよい。目印部6は、飛行ルート上の任意の位置に配置される。
【0028】
図1に示すように、飛行体8は、飛行体制御部10と、複数(たとえば4つ)のプロペラ30aと、カメラ24と、を備える無人飛行体(例えば、ドローン)である。
【0029】
図2に示すように、飛行体制御部10は、撮像部22と、姿勢検知部26と、飛行制御部28と、モータ制御部30と、第2無線通信部32と、を含む。飛行体制御部10は、CPU、RAM、ROM、ジャイロ、加速度センサ、I/Oインターフェースを含むマイクロコンピュータと、Wi−Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)などの無線通信デバイス、で構成され、ソフトウェアによって、各部を制御する。
【0030】
撮像部22は、カメラ24と電気的に接続され、飛行情報送信部14からの信号に基づいて、撮像のタイミングおよび撮像時間が設定される。撮像部22は、設定された撮像のタイミングおよび撮像時間に基づいて、カメラ24を起動させ撮像を行う。
【0031】
姿勢検知部26は、加速度センサ(図示せず)やジャイロ(図示せず)の値を測定し、飛行体8の傾きや、速度や、移動方向などを検知する。
【0032】
飛行制御部28は、飛行情報送信部14から送られてきた信号と、姿勢検知部26で検知した飛行体8の姿勢と、から、4つのプロペラ30aをそれぞれ駆動する4つのモータ30bの出力を決定し、モータ制御部30へ信号を送る。
【0033】
モータ制御部30は、飛行制御部28からの信号に基づいて、プロペラ30aを駆動するモータ30bを、個別に制御する。
【0034】
第2無線通信部32は、第1無線通信部20からの通信信号を受け、飛行制御部28へ飛行情報の信号を送信する。一方、カメラ24で撮像した画像を、撮像部22を介して、第1無線通信部20へ送信する。
【0035】
次に
図3のフローチャートを用いて制御装置4による処理手順の一例について説明する。制御装置4は、電源スイッチ(図示せず)が押されることにより制御を開始する。
【0036】
なお、第1実施形態では、
図4に示すように、目印部6aと目印部6bの二つの目印部6があるものとする。また、目印部6a(第1目印部)は、飛行体8が目印部6aから目印部6b(第2目印部)に向かった後、目印部6bとカメラ24が正対する状態になるための制御情報に、対応している。より具体的には、目印部6aには、長方形の枠の中に、矢印(
図4の6a右矢印参照)と、目印部6bにおける撮像部22の撮像開始時間に対応する数字(
図4の6aの10という数字参照)と、が画像Sとして、記載(表示)されている。一方、目印部6bには、長方形の枠の中に、目印部6aに戻り、目印部6aと、カメラ24が正対する状態になるための制御情報に、対応している。より具体的には、目印部6bには、矢印(
図4の6b左矢印参照)と、目印部6bにおける撮像部22の撮像開始時間に対応する数字(
図4の6aの20という数字参照)と、が画像Nとして記載(表示)されている。
【0037】
図3に示すように、ステップS1では、制御装置4は、検知部16が目印部6bを検知するまで、目印部6aから得た制御情報に基づいて、飛行体8の制御を行う。すなわち、制御装置4の飛行情報送信部14は、目印部6bへ移動する飛行情報を、第1無線通信部20に送信する。第1無線通信部20は、飛行情報送信部14からの飛行情報を、通信信号に変換して、第2無線通信部32へ送信し、ステップS2へ処理を進める。その後、飛行体8の飛行体制御部10は、制御装置4から送信された飛行情報に基づいて、飛行体制御部10を制御する。飛行体8は、飛行体制御部10の制御により目印部6bに移動する。
【0038】
ステップS2では、制御装置4は、検知部16が目印部6bを検知したか否か判断する。検知部16が目印部6bを検知すると、飛行情報送信部14が、飛行体8が空中静止する飛行情報を、第1無線通信部20に送信して、ステップS3に処理を進める。その後、飛行体制御部10は、飛行情報送信部14からの空中静止の飛行情報を受けて、空中静止(ホバリング)するように、飛行制御部28を介して、モータ制御部30を制御する。飛行体8は、飛行体制御部10の制御により、空中静止する。
【0039】
一方、検知部16が、目印部6bを検知していない場合は、ステップS1に戻り、飛行情報送信部14は、目印部6bへ向かう飛行情報を、第1無線通信部20に送信し続ける。
【0040】
ステップS3では、読み取り部12が、目印部6bに記載(表示)された画像Nを読み取る。読み取り部12は、目印部6aの撮像開始時間に対応する数字に関する制御情報を基に、空中静止後所定時間経過後に撮像を開始するように、飛行情報送信部14へ信号を送る。飛行情報送信部14は、空中静止後所定時間経過後に、第1無線通信部20と、第2無線通信部32を介して、飛行体制御部10の撮像部22に撮像するための指示を出す。撮像部22は、カメラ24に、目印部6bの画像Nを撮像させる。撮像部22は、カメラ24が撮像した画像Nを読み取る。撮像部22は、撮像した画像Nを、第2無線通信部32および第1無線通信部20を介して、読み取り部12へ送信する。読み取り部12は、画像Nから、対応する制御情報を読み取る。すなわち、読み取り部12に予め記憶されたプログラムを基に、画像Nを画像処理し、画像Nに含まれる飛行体8が移動すべき移動量、移動方向、高度、撮像開始時間などの制御情報を参照し、読み取る。ここで、画像Nは、飛行体8が目印部6aへ移動するための制御情報と、目印部6aでの撮像開始時間の制御情報に対応している。そのため、読み取り部12は、飛行体8が、目印部6aまでの移動すべき移動量、移動方向、高度と、撮像時間を読み取る。読み取り部12は、これら制御情報の読み取りを開始すると、ステップS4へ処理を進める。
【0041】
ステップS4では、読み取り部12が、読み取り完了したか否かを判定する。読み取りを完了したと判定した場合は、ステップS5へ処理を進める。一方、読み取り部12の読み取りが完了しない場合は、ステップS3に戻り、撮像部22が、撮像を続ける。
【0042】
ステップS5では、飛行情報補正部18が、飛行情報を補正する。
図4に示すように、飛行情報補正部18は、例えば、
図4に示す画像Nの長辺Lの長さと、短辺Mの長さと、LとMの角度から、カメラ24の目印部6bに対する角度と、カメラ24と目印部6bまでの距離を、計測する。すなわち、目印部6aの制御情報に基づいて目印部6bまで正確に飛行した場合、カメラ24は、目印部6bに対し正対している。また、カメラ24が、目印部6bに対し正対している場合、LとMの角度は直角であり、LとMの長さも所定の長さであるはずである。一方、カメラ24で、実際に画像Nを撮像した結果、LとMの角度が直角でない場合、またはLとMの長さが所定長さでない場合は、実際の飛行ルートが、目印部6aに対応した制御情報とずれていることが考えられる。そこで、ステップS5で、飛行情報補正部18が、目印部6bに対し、カメラ24が正対しているか否かを判断し、正対していないと判断すると、ステップS6に処理を進める。一方、正対している場合は、ステップS7に処理を進める。
【0043】
ステップS6では、飛行情報補正部18は、画像Nの画像情報から、実際の飛行ルートのずれ量を算出し、目印部6bの制御情報に対し、ずれ量を反映させた飛行情報を作成し、ステップS7へ処理を進める。
【0044】
ステップS7では、飛行情報送信部14が、読み取り部12からの制御情報と、飛行情報補正部18からの補正情報を加えて、目印部6aへ移動するため飛行情報を作成し、ステップS8へ処理を進める。
【0045】
ステップS8では、飛行情報送信部14が、第1無線通信部20および第2無線通信部32を介して、飛行体制御部10へ飛行情報を送信し、ステップS1へ処理を進める。その後、飛行体制御部10は、飛行情報を受け取り、飛行制御部28を介して、モータ制御部30を制御する。飛行体制御部10は、飛行体8を、目印部6aへ移動させる。
【0046】
以上のような、第1実施形態の構成の飛行体の制御システム2および制御装置4では、目印部6に含まれる制御情報を読み取り部12が読み取り、飛行体8を制御できるため、GPSを用いることなく、飛行体を自律飛行させることができる。また、飛行体8に、飛行ルート全体を記憶させることなく、飛行体8を自律飛行させることができる。また、撮像部22が、目印部6に記載(表示)された画像を撮像することで、飛行体の制御情報を読み取ることできる。その結果、目印部に、センサなどが不要となり、安価に飛行体の制御システムが提供できる。また、飛行情報補正部18が、画像から飛行情報を補正できるから、より正確に次の目印部を捉え、例えば目印部の制御情報に沿って正確に飛行することができる。さらに、制御装置4は、目印部6を検知すると、飛行体8を空中静止させるため、安定した状態で撮像することができる。その結果、制御情報を正確に読みとることができる。また、このような飛行体の制御システム2および制御装置4を、大型の屋内倉庫に用いた場合、目印部6の制御情報に沿って、飛行体8を自立飛行させることができる。また、飛行体8を自律飛行させながら、撮像部22で、倉庫内の様子を撮像することができる。その結果、飛行体8により、倉庫内を監視することができる。特に、倉庫内に配置された棚の上部は、人による監視を行うことが、困難である。第1実施形態の飛行体の制御システム2および制御装置4を用いれば、安価で簡単に倉庫の監視を行える。さらに、第1実施形態の飛行体の制御システム2および制御装置4は、制御装置4が飛行体8に取り付けられるため、飛行体8と制御装置4との通信が、障害物により、妨害されることがない。その結果、安定して自律飛行をすることができる。また、第1実施形態の飛行体の制御システムであれば、制御装置4に対し、3次元の飛行ルートを記憶させる必要がない。そのため、制御装置4の記憶媒体の容量が小さく済む。その結果、制御装置4が軽量になり、飛行体8の飛行時間が、重量増加により短くなることを防止することができる。
【0047】
<第2実施形態>
次に
図5および
図6を用いて、実施形態2の飛行体の制御システムについて説明する。実施形態2の飛行体の制御システム102は、制御装置4と、目印部106と、飛行体8と、サーバ110と、パソコン112を備える。なお、制御装置4と、飛行体8については、第1実施形態における制御装置4と飛行体8と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
図6に示すように、目印部106aから106dには、長方形の枠にアルファベットのAからDが記載(表示)されている。
図6に示すように、目印部106aから106dが、屋内の棚の周囲を囲むように配置されている。
【0049】
図5に示すように、サーバ110が、パソコン112とインターネットや無線LANを通じて接続される。サーバ110は、その機能構成として、データベース111を備えている。サーバ110は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアのいずれによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、データベース111は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。データベース111には、目印部106のアルファベットに対応して、多数の移動ベクトルと撮像時間の、制御情報が、格納されている。
【0050】
パソコン112は、目印部106のアルファベットに対応した制御情報を組み合わせるユーザインターフェース113が、設けられる。パソコン112は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアのいずれによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、ユーザインターフェース113は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。また、パソコン112は、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの無線通信デバイスや、LANなどの有線通信デバイスで構成される。各部は、ソフトウェアによって制御される。
【0051】
ユーザインターフェース113は、移動ベクトルと撮像時間の組み合わせに応じたアルファベットが表示されている。本実施形態では、例えば、ユーザインターフェース113には、アルファベットAの組み合わせである移動ベクトルと撮像開始時間114と、アルファベットBの組み合わせである移動ベクトルと撮像開始時間116と、アルファベットCの組み合わせである移動ベクトルと撮像開始時間118と、アルファベットDの組み合わせである移動動ベクトルと撮像開始時間120と、が表示されている。
【0052】
パソコン112のユーザは、インターネットを通じて、サーバ110のデータベース111にアクセスする。ユーザは、データベース111に格納された、各アルファベットに対応した制御情報を、参照する。パソコン112のユーザは、ユーザインターフェース113で、飛行体8の使用環境に合わせて、制御情報の組み合わせを作ることができる。
【0053】
ユーザインターフェース113で組み合わせた制御情報は、パソコン112に設けられた有線通信デバイスもしくは無線通信デバイスを介して、制御装置4に記憶される。また、読み取り部12は、目印部106aから106dに記載(表示)された画像を読み取り、制御装置4に記憶したアルファベットに対応する制御情報を参照するプログラムに対応する。
【0054】
次に
図7を用いて、飛行体の制御システム102における、制御装置4の処理手順の一例について説明する。なお、本実施形態では、
図6に示すように、飛行体8が、屋内の棚(障害物)の周囲を周回しながら飛行するものとする。また、本実施形態では、
図7のフローチャートに示すように、目印部106d(第1目印部)から目印部106a(第2目印部)に、飛行体が自律飛行する際の処理手順の一例を示す。
【0055】
ステップS101で、制御装置4は、検知部16が目印部106aを検知するまで、目印部106dから得た制御情報に基づいて制御を行う。すなわち、飛行情報送信部14は、目印部106aへ移動する飛行情報を、第1無線通信部20に送信する。第1無線通信部20は、飛行情報送信部14からの信号を、通信信号に変換して、第2無線通信部32へ送信し、ステップS102へ処理を進める。その後、飛行体8の飛行体制御部10は、制御装置4から送信された飛行情報の信号に基づいて、飛行体制御部10を制御する。飛行体8は、飛行体制御部10の制御により目印部106aに移動する。
【0056】
ステップS102で、検知部16が、目印部106aを検知したか否か判断する。検知部16が、目印部106aを検知すると、飛行情報送信部14が、飛行体8を空中静止する飛行情報を、第1無線通信部20に送信して、ステップS103に処理を進める。その後、飛行体制御部10は、飛行情報送信部14からの空中静止の飛行情報を受けて、空中静止(ホバリング)するように、飛行制御部28を介して、モータ制御部30を制御する。飛行体8は、飛行体制御部10の制御により、空中静止する。
【0057】
一方、検知部16が、目印部106aを検知していない場合は、ステップS101に戻り、飛行情報送信部14は、目印部106aへ向かう飛行情報を、第1無線通信部20に送信し続ける。
【0058】
ステップS103では、読み取り部12が、目印部106aに記載(表示)された画像を読み取る。読み取り部12は、読み取り部12に記憶されたアルファベットDの制御情報に含まれる撮像開始時間を参照する。読み取り部12は、目印部106dのアルファベットDの制御情報に含まれる撮像開始時間に関する制御情報を基に、空中静止後所定時間経過後に撮像を開始するように、飛行情報送信部14へ信号を送る。飛行情報送信部14は、第1無線通信部20と、第2無線通信部32を介して、飛行体制御部10の撮像部22に撮像するための指示を出し、ステップS104へ処理を進める。その後、飛行体制御部10の撮像部22は、カメラ24に撮像に、目印部106aの画像を撮像させる。撮像部22は、カメラ24が撮像した目印部106の画像を読み取る。撮像部22は、撮像が終わると、第2無線通信部32および第1無線通信部20を介して、読み取り部12へ撮像した画像を送信する。
【0059】
ステップS104では、読み取り部12が、画像処理により、撮像部22から送信された画像が、アルファベットAか否かを判定する。読み取り部12は、アルファベットAであると判定した後に、読み取り部12に記憶されているプログラムを起動する。読み取り部12は、読み取り部12に記憶された、プログラムに基づいて、記憶させているアルファベットAに対応する制御情報を、参照し、読み取る。読み取り部12は、読み取ったアルファベットAに対応する制御情報を基に、制御信号を作成する。ここで、アルファベットAに対応する制御情報には、次の目印部106bへ移動するために必要な、飛行体8の移動量、移動方向、高度の移動ベクトルの情報と、次の目印部で撮像を開始する撮像開始時間の制御情報が含まれる。読み取り部12は、制御信号の作成を開始すると、ステップS105へ処理を進める。一方、読み取り部12が、アルファベットA以外の文字であると判定した場合は、ステップS106へ処理を進める。
【0060】
ステップS106では、他のアルファベットの制御情報を参照する。例えば、読み取り部12が、アルファベットBであると判定した場合は、アルファベットBに対応する制御情報を、参照する。アルファベットCとアルファベットDについても同様である。読み取り部12は、各アルファベットに対応した制御情報を参照し、読み取ると、ステップS106へ処理を進める。
【0061】
ステップS106では、読み取り部12が制御信号を作成し終わると、読み取りを完了したとしてステップS107へ処理を進める。一方、読み取り部12の読み取りが完了しない場合は、ステップS103に戻り、撮像部22が、撮像を続ける。
【0062】
ステップS107からステップS110の処理方法については、第1実施形態のステップS5からステップS8の処理方法と同じため、説明を省略する。
【0063】
このようにして、制御装置4では、ユーザインターフェース113で組わせた制御情報と、撮像部22から送信される画像から、飛行情報を作成し、棚(障害物)の周囲を周回する。
【0064】
以上のような、第2実施形態の構成の飛行体の制御システム102では、パソコン112とサーバ110を用いて、適宜、制御情報を変更し、制御情報に対応する目印部を簡単に作成することができる。その結果、例えば、飛行体8を自律飛行させるコースを変更したい場合であっても、パソコン112をサーバ110に繋ぎ、制御情報の組み合わせを変更するだけで、簡単に飛行ルートを設定できる。また、目印部106aから106dの配置を変更しても、飛行ルートの変更ができ、飛行ルートの変更が容易である。そのため、屋内の大型倉庫などのレイアウト変更などに、簡単に対応できる、汎用性が高い自律飛行型の飛行体の制御システムと制御装置を提供できる。
【0065】
<第3実施形態>
次に
図8、
図9および
図10を用いて、第3実施形態の飛行体の制御システム202について説明する。なお、第3実施形態では第1実施形態と異なる点のみを説明する。
【0066】
図8および
図9に示すように、第3実施形態の飛行体の制御システム202では、第1実施形態の構成に加え、飛行体208が、飛行体208と周辺の構造物との距離を計測する第1距離センサ236aと、第2距離センサ236bと、第3距離センサ236cと、第4距離センサ236dと、を有する。さらに、飛行体208は、飛行体208の下方向にある構造物との距離を計測する第5距離センサ236eを有する。
【0067】
また、
図8に示すように、目印部206aと目印部206bには、第1実施形態の移動ベクトルの制御情報(第1制御情報)に加え、各目印部における飛行体208の飛行状態に関する制御情報(第2制御情報)である、速度Vと、構造物までの距離Rと、屋内における相対的高さHと、が記載(表示)されている。さらに、目印部206aと目印部206bには、飛行体208が目印部206aと目印部206bの間を飛行中に発生した異常に対して対処方法に関する制御情報(第3制御情報)が示されたフェールセーフコードが、記載(表示)されている。目印部206aと目印部206bは屋内の壁面や、トンネル内の壁面に距離を隔てて配置されている。
【0068】
図9に示すように、第1距離センサ236aから第4距離センサ236dは、飛行体208のボデーの4辺に配置される。第5距離センサ236eは、飛行体208のボデーの下部に配置される。第1距離センサ236aから第5距離センサ236eは、例えば、超音波やレーザを用いて、構造物までの距離を計測するセンサである。第1距離センサ236aから第4距離センサ236dは、飛行体208の進行方向に対して前方向(
図8X1参照)、後方向(
図8X2参照)、右方向(
図8X3参照)、左方向(
図8X4参照)の各方向の構造物との距離を各別に計測する。同様に、第5距離センサ236eは、飛行体208の下方向(
図8X5参照)の構造物との距離を計測する。すなわち、第5距離センサ236eは、屋内における飛行体208の相対的高さを計測する。なお、第1距離センサ236aから第5距離センサ236eの配置は、各距離センサが機能する条件で配置すればよい。第1距離センサ236aから第4距離センサ236dは、飛行体208の4本の脚部のそれぞれに配置されてもよい。
【0069】
図10に示すように制御装置204は、第1実施形態の構成に加え、異常検知部217が含まれる。飛行体制御部210は、第1実施形態の構成に加え、距離計測部236を含む。また、飛行体制御部210には、気圧を用いて飛行体208の高度を計測する高度計側部234が含まれる。
【0070】
飛行体制御部210の距離計測部236は、第1距離センサ(
図10のDS参照)236aから第4距離センサ236dで計測した構造物までの距離を、飛行体208の進行方向に対して方向ごとに集計し、飛行体208の周辺にある構造物と、飛行体208との各方向の距離を決定する。距離計測部236は、各方向の距離を、第2無線通信部232を介して制御装置204へ送信する。
【0071】
制御装置204の飛行情報補正部218は、距離計測部236から受け取った距離の情報から、飛行体208の前方向(
図8X1参照)、後方向(
図8X2参照)の距離の変化を算出し、飛行体208の飛行速度Vdと加速度Vaを算出する。また、飛行情報補正部218は、右方向(
図8X3参照)、左方向(
図8X4参照)の距離の変化から、飛行体208の回転方向の速度Vrや加速度Vr_aを算出する。飛行情報補正部218は、下方向(
図8X5参照)の距離の変化から、飛行体208の屋内における相対的高さHdを算出する。また、飛行情報補正部218は、右方向(
図8X3参照)と、左方向(
図8X4参照)の距離から、飛行体208と、構造物との距離Rdを算出する。飛行情報補正部218は、これらの情報が目印部206aと目印部206bから読み取った速度Vと相対的高さHと距離Rの制御情報と一致するか否か判断し、一致しない場合は制御情報に合致するように、飛行情報を補正する。制御装置204は、補正した飛行情報を、第1無線通信部220を介して飛行体制御部210へ送信する。
【0072】
なお、飛行体208の屋内における相対的高さHdについては、第5距離センサ236eの計測値と、高度計側部234の値を比較し適宜選択してもよい。例えば、飛行体208の下方の面の状態が安定せず、第5距離センサ236eの計測値がばらつく場合、高度計側部234の値のみを使用してもよい。
【0073】
異常検知部217は、飛行体208のバッテリ電圧の低下、飛行体208が次の目印部206bが検出できない場合、飛行体208が構造物などに異常に接近した場合、などの飛行体の制御システム202の異常を検知する。
【0074】
図11の表が示すようフェールセーフコードは、異常検知部217が異常を検知した場合に飛行体208をどのように制御するか定めたコードである。
図11に示すように、例えば、飛行体208が目印部206bを所定時間内に発見できない場合は、飛行体208がホバリングするように定められている。また、これに対応するフェールセーフコードとしてF0001と定められている。また、例えば、飛行体208と通信できない場合は、屋内またはトンネル内の所定位置に設けた着陸基地Baへ戻るように定められている。これに、対応するフェールセーフコードF0006と定められている。フェールセーフコードは、
図11の表をデータテーブルDfとして、制御装置204の記憶装置に保管されている。目印部206aと目印部206bには、
図10の表のフェールセーフコードのいずれかが記載(表示)されている。
【0075】
次に
図12を用いて、飛行体の制御システム202における、制御装置204の処理手順の一例について説明する。なお、第3実施形態では第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0076】
ステップS201では、制御装置204は、目印部206aから読み取った制御情報に基づいて飛行体208を制御する。例えば、目印部206aで移動ベクトル(
図8の206aの矢印参照)に加え、速度Vと、構造物までの距離Rと、屋内における相対的高さHが制御情報として記載(表示)されている場合、読み取り部212は、目印部206aの制御情報を画像として読み取る。制御装置204は、第1実施形態の制御に加えて、飛行体208の速度Vdと、構造物との距離Rdと、相対的高さHdが、目印部206aの速度Vと、構造物との距離Rと、相対的高さHとなるように飛行情報を生成し、飛行体制御部210へ飛行情報を送信する。飛行体制御部210は、飛行情報に基づいて飛行体208を制御する。
【0077】
ステップS202では、制御装置204は、異常検知部217で飛行体208に異常が発生したか否かと、異常の状態を検知する。制御装置204は、異常の状態を検知すると(ステップS202 Yes)、データテーブルDfからフェールセーフコードを呼び出し、目印部206aから読み取ったフェールセーフコードと一致するフェールセーフコードを読み取り、読み取ったフェールセーフコードに該当する制御を飛行情報として、飛行体制御部210へ送信する(ステップS203)。例えば、目印部206aにF0001というフェールセーフコードが記載(表示)されていたとする。制御装置204は、飛行体208が所定時間内に目印部206bを発見できない状態と検知した場合、目印部206aに記載(表示)されていたF0001というフェールセーフコードを呼び出し、飛行体208がホバリングをするように制御する。一方、制御装置204は、異常検知部217で異常を検知しない場合は(ステップS202 No)、ステップS204へ処理を進める。
【0078】
ステップS204は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
ステップS205では、制御装置204は、読み取り部212が第1実施形態で読み取る情報に加え、目印部206bに記載(表示)された速度Vと、構造物との距離Rと、相対的高さHと、フェールセーフコードFの制御情報を読み取る。
【0080】
ステップS206は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
ステップS207では、制御装置204の飛行情報補正部218は、目印部206bの制御情報と、各距離センサの値から算出した飛行体208の飛行速度Vdと、構造物との距離Rdと、相対的高さHdと、ステップS205で読み取った制御情報の値を比較する。
【0082】
ステップS208では、飛行情報補正部218が、飛行体208の飛行情報を補正する。例えば、目印部206aの制御情報が、構造物との距離Rが30であったとする。目印部206bの制御情報も30であったとする。この場合、飛行体208は、構造物との距離Rdは30の一定で飛行する。しかし、何らかの外的要因により、目印部206bの位置における飛行体208と構造物との距離Rdが32に変化したとする。この場合、飛行情報補正部218は、構造物との距離Rdが30となるように飛行情報を補正する。同様に、例えば、目印部206aの制御情報が、相対的高さHが20から30に変化する情報であったとする。目印部206bの制御情報相対的高さHが30から20に変化する情報であったとする。この場合、飛行体208は、構造物との相対的高さHdを20から30へ変化させて飛行する。しかし、何らかの外的要因により、目印部206bの位置における飛行体208と相対的高さHdが32に変化したとする。この場合、飛行情報補正部218は、相対的高さHdが30となるように飛行情報を補正する。
【0083】
ステップS209からステップS210は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
以上のような、第3実施形態の構成の飛行体の制御システム202および制御装置204では、飛行体208に、第1距離センサ236aから第5距離センサ236eを設けて、目印部206に各距離センサから算出される制御情報を記載(表示)されている。これにより、GPSを用いることなく、飛行体208をより安定させて自律飛行させることができる。また、目印部206には、フェールセーフコードが記載(表示)されている。このため、飛行体208に異常が発生した際に、屋内またはトンネル内の環境に応じて、飛行体208を安全に飛行させるこができる。さらに、姿勢検知部226の加速度センサ(図示せず)やジャイロ(図示せず)が機能しない状態であっても、第1距離センサ236aから第5距離センサ236eを用いて、飛行体208の傾きや、速度や、移動方向などを検知することができる。
【0085】
<他の実施形態>
(a)上述の実施形態では、無人飛行体を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態および変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0086】
(b)上述の第1実施形態では、目印部6aおよび6bの一例として、矢印と数字を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、目印部6aおよび6bをQRコード(登録商標)で表示してもよい。目印部6aおよび6bにQRコード(登録商標)を用いた場合、制御装置4の読み取り部12にQRコード(登録商標)リーダを予めプログラムとして記憶させてもよい。
【0087】
(c)上述の第2実施形態では、目印部106aから106dでアルファベットを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、目印部106aから106dは数字や簡単な文字であってもよい。また、移動ベクトルと撮像開始時間をQRコード(登録商標)に変換し、目印部106aから106dに用いてもよい。
【0088】
(d)上述の実施形態では、検知部16は、撮像部22で得られた画像を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、目印部6、106に磁石などを用いて、磁力を検知しても良い。また、赤外線を用いて、目印部6、106を検知してもよい。
【0089】
(e)上述の第1実施形態および第2実施形態では、飛行情報補正部18は、目印部6、106の長方形部分の長辺および短辺Mを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、障害物を回避しやすい長波の電波や、音波などを用いてもよい。また、長辺Lおよび短辺Mに変えて、目印部106の周囲にある構造物の直線部を用いてもよい。
【0090】
(f)上述の第1実施形態および第2実施形態では、目印部6、106に長方形の枠を用いたが、本発明は、これに限定されるものではない。目印部6、106は、菱形や丸形であってもよい。
【0091】
(g)上述の第1実施形態で目印部6は任意の位置に配置することとしたが、本発明は、これに限定されるものではない。目印部6が自走式の装置の上部に配置されてもよい。この結果、自走式の装置の動きに合わせて、飛行体8を追従飛行させることができる。
【0092】
(h)上述の第3実施形態では、第1距離センサ236aから第5距離センサ236eを用いたが、距離センサの個数はこれに限定されるものではない。例えば、飛行体208の進行方向前後左右2個以上配置した場合、例えば右側の2個の距離を一定に保つように飛行すれば、機体の回転方向が安定し、飛行の安定化が期待できる。また、距離センサに変えて、レーザレンジファインダであってもよい。この場合、目印部206aと目印部206bには、レーザレンジファンダの受光角度を記載(表示)してもよい。
【0093】
(i)上述の第3実施形態では、目印部206aと目印部206bに、速度Vと、構造物までの距離Rと、屋内における相対的高さHを記載(表示)したが、各距離センサの値を記載(表示)してもよい。これにより、飛行情報補正部218が行う演算が省略できる。
【0094】
(j)上述の第3実施形態では、
図10の表に示したフェールセーフコードで説明したが、これに限定されるものでない。フェールセーフコードは、飛行体の制御システム202に発生しうる異常の全てに対応して定めればよい。