(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887691
(24)【登録日】2021年5月21日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】小物品収納ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 83/04 20060101AFI20210603BHJP
A61J 1/00 20060101ALI20210603BHJP
B65D 21/028 20060101ALI20210603BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20210603BHJP
A45C 11/16 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
B65D83/04 Z
A61J1/00 420
B65D21/028
A45C11/00 Q
A45C11/16
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-88471(P2019-88471)
(22)【出願日】2019年5月8日
(65)【公開番号】特開2020-183259(P2020-183259A)
(43)【公開日】2020年11月12日
【審査請求日】2020年10月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】青木 尊利
【審査官】
粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−004925(JP,A)
【文献】
特開昭62−122969(JP,A)
【文献】
実開昭58−057459(JP,U)
【文献】
特開2015−003014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A45C 11/16
B65D 21/028
B65D 83/04
A61J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に第1の開口部、下部に第2の開口部を有する角筒状の本体部と、該本体部の一方の壁面の上部に設けた第1のヒンジ部を介して前記本体部と連結し、前記第1の開口部を開閉自在とする第1の蓋部と、前記本体部の他方の壁面の下部に設けた第2のヒンジ部を介して前記本体部と連結し、前記第2の開口部を開閉自在とする第2の蓋部とから成る小物品収納ケースであって、
前記本体部内に、前記第1の開口部の前記第1のヒンジ部の反対側の辺部から前記第1のヒンジ部側にゆくにつれて、及び前記第2の開口部の前記第2のヒンジ部の反対側の辺部から前記第2のヒンジ部側にゆくにつれて、徐々に深くなるように傾斜し、前記本体部の上下両側から共通して使用できる底部を設けたことを特徴とする小物品収納ケース。
【請求項2】
前記蓋部は先端に爪部を有し、前記開口部の前記ヒンジ部の反対側の辺部に前記爪部と係合する係止部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の小物品収納ケース。
【請求項3】
前記本体部の前記第1のヒンジ部及び前記第2のヒンジ部を設けていない一方の壁面の外側に、受口を持つ連結溝部が設けられ、
前記本体部の前記第1のヒンジ部及び前記第2のヒンジ部を設けていない他方の壁面の外側に、凸条を持つ連結凸条部を設けたことで複数個を連結して使用することを特徴とする請求項1に記載の小物品収納ケース。
【請求項4】
前記本体部を仕切壁により複数の収納空間に仕切られ、前記各収納空間ごとに前記傾斜した底部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の小物品収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤、アクセサリや釣りの道具等の小物品を取り出し易い状態で収納するための小物品収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、処方された薬剤やサプリメントを予め服用予定の曜日、時間帯等に区分けした薬室に収容することのできる薬収納器が開示されている。このように、予め曜日、時間帯等に区分けした薬室に薬剤を収納することにより、服用後には対応した薬室から薬剤がなくなることから、薬剤の飲み忘れを防止することができる。
【0003】
また、アクセサリや釣りの道具等の小物品を収納するものとして、特許文献1の開閉蓋を有する薬収納器と同様な小型の小物収納ケースが広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の各薬室の底部は平底であることから、錠剤の薬を指でなかなか摘んで上方へ持ち上げることが難しいという問題がある。特に、爪を長くしている場合には、爪が邪魔となり錠剤の取り出しが非常に困難となる。
【0006】
この際に、テーブル等に載置した薬収納器を持ち上げて、傾けて落下させることで取り出し易くはなるが、傾ける角度調整が難しい。
【0007】
また、開閉蓋を開けた状態で、薬収納器や小物収納ケースを手の平の上でひっくり返すことも可能であるが、容器内の複数の収納物のうちの1つだけを取り出したい場合においては、全部の小物品が取り出されてしまい、再度収納することが面倒である。また、ひっくり返した際に、小物品の一部が紛失してしまうという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、テーブル等に載置した状態で、収納した小物品を容易に取り出すことのできる小物品収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る小物品収納ケースは、
上部に第1の開口部、下部に第2の開口部を有する角筒状の本体部と、
該本体部の一方の壁面の上部に設けた
第1のヒンジ部を介して前記本体部と連結し、
前記第1の開口部を開閉自在とする第1の蓋部と、
前記本体部の他方の壁面の下部に設けた第2のヒンジ部を介して前記本体部と連結し、前記第2の開口部を開閉自在とする第2の蓋部とから成る小物品収納ケースであって、前記本体部内に
、前記
第1の開口部の前記
第1のヒンジ部の反対側の辺部から前記
第1のヒンジ部側にゆくにつれて、
及び前記第2の開口部の前記第2のヒンジ部の反対側の辺部から前記第2のヒンジ部側にゆくにつれて、徐々に深くなるように傾斜し、
前記本体部の上下両
側から共通して使用できる底部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る小物品収納ケースによれば、テーブル等に載置した状態で、底面が傾斜しているので、容器内に収納した錠剤、アクセサリや釣りの道具等の小物品を爪が伸びている指であっても、テーブル等に載置した状態で取り出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1の小物品収納ケースの斜視図である。
【
図3】実施例2の小物品収納ケースの斜視図である。
【
図5】実施例3の複数個の小物品収納ケースを連結した状態の平面図である。
【
図6】実施例3の複数個の小物品収納ケースを連結した状態の斜視図である。
【
図7】実施例3の複数の収納空間を有する収納ケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1の小物品収納ケースの蓋部を開いた状態の斜視図である。小物品収納ケース1は合成樹脂から成り、上部に開口部2aを有する箱状の本体部2と、本体部2に連結した蓋部3とから成っている。本体部2の矩形状の開口部2aの短辺には、樹脂を肉薄とすることによるヒンジ部2bが形成され、このヒンジ部2bを介して、開口部2aに対して開閉自在とする蓋部3が本体部2に一体成型されている。
【0015】
蓋部3の先端には爪部3aが設けられ、ヒンジ部2bを設けた開口部2aの対向辺部に係止部2cが設けられている。爪部3aが係止部2cに対して係止状態になることで、蓋部3の閉止がロックされ、蓋部3の閉止状態が維持される。
【0016】
本体部2内には、係止部2c側の開口部2aの辺部の上端からヒンジ部2b側にゆくにつれて、徐々に緩やかに深くなるように傾斜された底部2dが設けられている。底部2dの裏面側は中空状とされており、係止部2cを設けた辺部の下方は、平面状の壁面2eとされている。また、ヒンジ部2bの下方の壁面2fと傾斜された底部2dとは、円弧状等の曲面2gにより連続されている。更に、開口部2aの長辺側の両側面は壁面2h、2iとされている。
【0017】
本実施例の小物品収納ケース1内に収納された例えば錠剤Mを取り出す際には、爪部3a、係止部2cによる係止を外して蓋部3を開け、
図2に示すように、人指し指を本体部2内に入れ、錠剤Mを底部2dの傾斜に沿って係止部2c側に引き上げる。
【0018】
特に、壁面2fと底部2dが曲面2gにより連結されていることによって、本体部2の最下面に収納されている錠剤Mをも簡便に取り出すことができる。また、指先の爪が伸びている場合であっても、取り出し難くなることはなく、簡単に錠剤Mを取り出すことが可能である。
【実施例2】
【0019】
図3は実施例2の小物品収納ケース10の斜視図、
図4は断面図である。本体部20は上部、下部に開口部20a、20bを持つ角筒状とされ、本体部20の内部に、本体部20の長手方向に沿って一方の短辺20cの上部から他方の短辺20dの下部に向けて徐々に深くなる底部20eが形成されている。また、本体部20は上下対称とされており、本体部20の上下を逆にすれば全く同形となる。
【0020】
開口部20aにおいて、短辺20cの上部には蓋部30がヒンジ部20fにより連結されるように成型されている。蓋部30の先端には実施例1と同様に爪部30aが設けられ、本体部20の短辺20cの上部には爪部30cに対応する係止部20gが設けられている。
【0021】
一方の開口部20bにおいても、短辺20cの下部にヒンジ部20hを介して蓋部40が連結され、蓋部40の他端には爪部40aが設けられ、短辺20dには爪部40aに対応する係止部20iが設けられている。
【0022】
従って、蓋部30は本体部20の開口部20aを開閉し、蓋部40は開口部20bを全く同様に開閉する機能を有しており、底部20eは上下の開口部20a、20b側から共通して使用できるようになっている。
【0023】
このように、実施例2の小物品収納ケース10は、上下の収容空間を本体部20の上下面部を逆にしてそれぞれ使用可能であり、それぞれに小物品を収納することが可能であり、例えば上部の収容空間には午前中に飲む錠剤を入れ、下部の収容空間には午後に飲む錠剤を入れるなどの使用ができる。
【実施例3】
【0024】
図5〜
図7は実施例1の小物品収納ケース1を複数個並べて使用する実施例3を示している。
【0025】
図5、
図6に示すように、複数の小物品収納ケース1同士を連結して使用することが可能である。連結可能な小物品収納ケース1には、本体部2の一方の壁面2iの外側に、上方に受口を持つ1対の連結溝部2jを設け、他方の壁面2hの外側に下方に向けて、凸条を持つ1対の連結凸条部2kを設けている。そして、連結凸条部2kを上方から連結溝部2jに差し込み、下方に押し込むことにより、小物品収納ケース1同士を連結することができる。
【0026】
このように、複数の小物品収納ケース1同士を連結することにより、例えば曜日、時間帯等の区分が可能となり、
図6に示すように7個の小物品収納ケース1を連結することで、1週間の曜日毎に錠剤Mを収納することができる。
【0027】
また、
図7は変形例の複数の収納空間を有する小物品収納ケース1’の斜視図である。幅広の本体部2の壁面2h、2i間には、複数の仕切壁2lを設けられている。これらの仕切壁2lによって仕切られた収納空間に対して、蓋部3は共通の幅広とした構造としてもよいし、
図6に示すように各収納空間毎に開閉可能な蓋部3を採用してもよい。
【0028】
仕切壁2lによって仕切られた各収納空間には、前述した傾斜した底部2d及び曲面2gを有している。また、蓋部3の先端中央に爪部3aを有し、開口部2aのヒンジ部2bの反対側の辺部であって、壁面2eの上端中央には、爪部3aと係合する係止部2cを設けている。
【0029】
小物品収納ケース1’は仕切壁2lにより、例えば1週間に相当する7つの収納空間に仕切ると1週間も曜日に対応して利便性が高い。
図6、
図7に示すような複数の収納空間を有する小物品収納ケース1、小物品収納ケース1’においては、曜日の記載したシール等を蓋部3の表面にそれぞれ貼り付けることにより、薬の飲み忘れを防止することができる。
【0030】
なお、実施例2の小物品収納ケース10についても、
図5〜
図7のように使用することは可能である。
【0031】
また、本実施例では小物品として錠剤を用いて説明しているが、錠剤以外にもイヤリング等のアクセサリ用として、又は重りや浮き等の釣りの道具用として、小物品収納ケース10を用いることができ、小物品収納ケース10の収納可能な様々な小物品に対して使用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1、1’、10 小物品収納ケース
2、20 本体部
2a、20a、20b 開口部
2b、20f、20h ヒンジ部
2c、20g、20i 係止部
2d 底面
2e、2f、2h、2i 壁面
2g 曲面
2j 連結溝部
2k 連結凸条部
2l 仕切壁
3、30、40 蓋部
3a、30a、40a 爪部