(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データ登録部は、前記複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと前記一以上の第2文字列又は前記一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列のうちの少なくとも1つとが一致している場合に、前記複数の第1文字列のうち一以上の第1文字列と、前記第2文字列特定部が特定した前記一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列とを関連付けて、請求書データが登録された請求書データベースに登録し、前記複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと前記一以上の第2文字列又は前記一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列のうちの少なくとも1つとが一致していない場合に、前記一以上の第1文字列と前記一以上の第3文字列とが関連付けられた状態で、前記一以上の第1文字列と前記一以上の第3文字列とを前記請求書データベースに登録しない、
請求項1から3のいずれか一項に記載の請求書データ管理装置。
前記データ登録部は、前記複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと前記請求書画像データを含む添付ファイルの名称とが一致していることを条件として、前記一以上の第1文字列と前記一以上の第3文字列とを前記請求書データベースに登録する、
請求項4に記載の請求書データ管理装置。
前記データ登録部は、前記請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する前記一以上の第1文字列及び前記一以上の第3文字列が揃っている場合に、前記一以上の第1文字列に含まれる請求額の送金処理を実行するための承認処理を実行し、前記請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する前記一以上の第1文字列及び前記一以上の第3文字列が揃っていない場合に、前記承認処理を実行しない、
請求項1から5のいずれか一項に記載の請求書データ管理装置。
前記データ登録部は、前記請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する前記一以上の第1文字列及び前記一以上の第3文字列が揃っていることを条件として、前記一以上の第1文字列に含まれる請求額の送金処理を実行するための承認処理を実行する、
請求項6に記載の請求書データ管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
会計処理ソフトウェアが会計処理を実行する際には、請求書に記載された金額、商品名等の文字列だけでなく、請求書に記載されていない担当者名又は従業員コード等の情報も必要である。しかしながら、従来の技術では、請求書に記載されている文字列が自動的に特定されたとしても、会計処理の担当者が、請求書に記載されていない情報を入力する必要があり、会計処理に要する時間を短縮することが求められていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、会計処理に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の請求書データ管理装置は、電子メッセージを用いて請求書画像データを取得する画像データ取得部と、前記請求書画像データに含まれる複数の第1文字列を特定する第1文字列特定部と、前記電子メッセージに関連付けられた前記請求書画像データ以外の一以上の第2文字列を特定する第2文字列特定部と、前記複数の第1文字列のうち一以上の第1文字列と、前記第2文字列特定部が特定した前記一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列とを関連付けて、請求書データが登録された請求書データベースに登録するデータ登録部と、を有する。
【0007】
前記第2文字列特定部は、前記電子メッセージの件名情報又は送信元情報に含まれている前記一以上の第2文字列を特定してもよい。
【0008】
前記請求書データ管理装置は、前記一以上の第2文字列に関連付けて前記一以上の第3文字列を記憶する記憶部をさらに有し、前記データ登録部は、前記記憶部において、前記第2文字列特定部が特定した前記一以上の第2文字列に関連付けられた前記一以上の第3文字列を前記請求書データベースに登録してもよい。
【0009】
前記データ登録部は、前記複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと前記一以上の第2文字列又は前記一以上の第3文字列のうちの少なくとも1つとが一致している場合に、前記複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと前記一以上の第2文字列又は前記一以上の第3文字列のうちの少なくとも1つとが一致していない場合と異なる処理を実行してもよい。
【0010】
前記データ登録部は、前記複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと前記請求書画像データを含む添付ファイルの名称とが一致していることを条件として、前記一以上の第1文字列と前記一以上の第3文字列とを前記請求書データベースに登録してもよい。
【0011】
前記データ登録部は、前記請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する前記一以上の第1文字列及び前記一以上の第3文字列が揃っている場合に、前記請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する前記一以上の第1文字列及び前記一以上の第3文字列のうち少なくとも一部の文字列が揃っていない場合と異なる処理を実行してもよい。
【0012】
前記データ登録部は、前記請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する前記一以上の第1文字列及び前記一以上の第3文字列が揃っていることを条件として、前記一以上の第1文字列に含まれる請求額の送金処理を実行するための承認処理を実行してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様の請求書データ管理システムは、請求書画像データを電子メッセージで送信する複数の従業員端末と、前記従業員端末から前記電子メッセージで受信した前記請求書画像データを管理する請求書データ管理装置と、を備える。前記複数の従業員端末のそれぞれは、前記請求書データ管理装置に対応する所定のメールアドレス宛てに送信する前記電子メッセージを作成するメール作成部と、前記メール作成部が作成した前記電子メッセージに、外部装置から受信した前記請求書画像データを含むファイルを添付して、前記所定のメールアドレス宛てに前記電子メッセージを送信するメール送受信部と、を有する。前記請求書データ管理装置は、前記従業員端末から受信した前記電子メッセージを用いて前記請求書画像データを取得する画像データ取得部と、前記請求書画像データに含まれる複数の第1文字列を特定する第1文字列特定部と、前記電子メッセージに関連付けられた前記請求書画像データ以外の一以上の第2文字列を特定する第2文字列特定部と、前記複数の第1文字列のうち一以上の第1文字列と、前記第2文字列特定部が特定した前記一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列とを関連付けて、請求書データが登録された請求書データベースに登録するデータ登録部と、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様の請求書データ管理方法は、コンピュータが実行する、電子メッセージを用いて請求書画像データを取得するステップと、前記請求書画像データに含まれる複数の第1文字列を特定するステップと、前記電子メッセージに関連付けられた前記請求書画像データ以外の一以上の第2文字列を特定するステップと、前記複数の第1文字列のうち一以上の第1文字列と、前記一以上の第1文字列が含まれていた前記請求書画像データが送信された前記電子メッセージにおいて特定した前記一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列とを関連付けて、請求書データが登録された請求書データベースに登録するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第4の態様のプログラムは、コンピュータを、電子メッセージを用いて請求書画像データを取得する画像データ取得部、前記請求書画像データに含まれる複数の第1文字列を特定する第1文字列特定部、前記電子メッセージに関連付けられた前記請求書画像データ以外の一以上の第2文字列を特定する第2文字列特定部、及び前記複数の第1文字列のうち一以上の第1文字列と、前記第2文字列特定部が特定した前記一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列とを関連付けて、請求書データが登録された請求書データベースに登録するデータ登録部、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、会計処理に要する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[請求書データ管理システムSの概要]
図1は、請求書データ管理システムSの概要を説明するための図である。請求書データ管理システムSは、請求書に記載されているデータを管理するためのシステムであり、従業員端末1と、請求書データ管理装置2と、経理端末3と、を備える。従業員端末1、請求書データ管理装置2及び経理端末3は、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されており、互いにデータを送受信することができる。
【0019】
従業員端末1は、請求書データ管理システムSを用いて請求書を管理する企業の従業員が使用する端末であり、例えばコンピュータである。
図1においては1台の従業員端末1のみを示しているが、ネットワークを介して複数の従業員端末1が請求書データ管理システムSに含まれていてもよい。
【0020】
従業員端末1は、電子メッセージを用いて、他の企業が発行した請求書の画像データ(以下、「請求書画像データ」という。)を請求書データ管理装置2に送信する。請求書画像データは、請求書の内容が画像に変換されたデータであり、例えばpdf、JPEG、bmp等のファイル形式の電子ファイルに含まれている。請求書画像データは、電子メッセージに関連付けられて従業員端末1から請求書データ管理装置2に送信される。
【0021】
電子メッセージは、例えば電子メール、チャットメッセージ、SNS(Social Networking Services)メッセージのように、テキストデータを含むメッセージである。電子メッセージが電子メールである場合、請求書画像データは電子メールの添付ファイルとして含まれている。電子メッセージがチャットメッセージ又はSNSメッセージである場合、請求書画像データは、これらのメッセージに含まれているテキストデータが示すアドレス(例えばリンク先)に対応するコンピュータの記憶領域に格納されており、請求書データ管理装置2は、当該コンピュータを介して請求書画像データを受信してもよい。以下の説明では、電子メッセージが電子メールである場合を例にして説明するが、電子メッセージが電子メールである場合にも同等の効果が得られる。
【0022】
従業員端末1は、従業員端末1を使用する従業員の操作に応じて、例えば他の企業から電子メールで受信した請求書画像データを電子メールに添付して、請求書データ管理装置2が受信することができる所定のメールアドレス宛てに当該電子メールを送信する。従業員端末1は、紙の請求書を読み取ったスキャナ又はカメラが作成した請求書画像データを電子メールに添付して送信してもよい。
【0023】
図2は、従業員端末1が請求書データ管理装置2に送信する請求書の一例を示す図である。
図2に示す請求書には、請求書を発行した事業者(以下、「発行事業者」という。)の名称、住所、連絡先が記載されている。また、請求の対象となる商品の名称、商品が購入された個数、購入した商品の金額及び税額等が記載されている。
【0024】
請求書データ管理装置2は、請求書画像データを受信すると、請求書画像データに含まれている文字列(以下、「第1文字列」という。)を特定する。請求書データ管理装置2は、例えば、請求書の発行事業者名、請求対象の商品の名称、購入された個数、金額及び税額等の文字列を特定する。また、請求書データ管理装置2は、請求書画像データが添付された状態で受信した電子メールに含まれている文字列(以下、「第2文字列」という。)を特定する。請求書データ管理装置2は、例えば、請求書画像データを電子メールで送信した従業員の氏名及び所属部署名等の文字列を特定する。
【0025】
請求書データ管理装置2は、同一の電子メールに対応する第1文字列及び第2文字列を一つのデータ群として請求書データベースに登録する。請求書データ管理装置2は、経理端末3からの要求に応じて、請求書データベースに登録したデータを経理端末3に送信する。
【0026】
経理端末3は、請求書の処理を行う従業員(例えば経理担当者)が使用する端末であり、例えばコンピュータである。経理端末3は、例えば経理担当者の操作に応じて、請求書データ管理装置2が記憶する請求書データベースにアクセスするための要求を請求書データ管理装置2に送信し、請求書データベースに登録されたデータを請求書データ管理装置2から取得して表示する。
【0027】
以上のとおり、請求書データ管理装置2には、経理担当者が処理に必要な第1文字列及び第2文字列が一つのデータ群に統合された状態で登録されている。したがって、経理端末3が請求書データベースに登録されたデータを取得することで、経理担当者は、請求書に含まれている各種の情報、及び請求書を管理するために必要な各種の情報(例えば、申請者の氏名)を入力することなく、経理処理を迅速に遂行することができる。
以下、従業員端末1及び請求書データ管理装置2の構成及び動作を詳細に説明する。
【0028】
[従業員端末1の機能構成]
図3は、従業員端末1の機能構成を示す図である。従業員端末1は、通信部11と、操作部12と、記憶部13と、制御部14とを有する。制御部14は、請求書取得部141と、メール作成部142と、メール送受信部143とを有する。
【0029】
通信部11は、ネットワークを介して電子メールを請求書データ管理装置2に送信するための通信インターフェースである。通信部11は、例えば電子メールを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、例えば、請求書を発行した企業のコンピュータからインターネットを介して受信した電子メールをメール送受信部143に入力したり、メール送受信部143から入力された電子メールを、イントラネットを介して請求書データ管理装置2に送信したりする。
【0030】
操作部12は、従業員端末1のユーザがメール文を入力する操作を行うためのキーボード、マウス及びディスプレイ等のデバイスを有する。操作部12は、ユーザの操作により入力されたデータをメール作成部142に通知する。
【0031】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部13は、制御部14が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部13は、請求書画像データを一時的に記憶する。
【0032】
制御部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部14は、記憶部13に記憶されたプログラムを実行することにより、請求書取得部141、メール作成部142及びメール送受信部143として機能する。
【0033】
請求書取得部141は、請求書画像データを取得する。請求書取得部141は、例えば、通信部11及びメール送受信部143を介して受信した電子メールに添付されている請求書画像データを取得する。請求書取得部141は、メール送受信部143から請求書画像データを直接取得してもよく、メール送受信部143が記憶部13に記憶させた請求書画像データを取得してもよい。メール送受信部143は、スキャナ又はデジタルカメラ等の画像読取装置が紙の請求書を読み取って作成した請求書画像データを取得してもよい。請求書取得部141は、例えば従業員端末1を使用して電子メールを作成するユーザの操作に応じて、取得した請求書画像データを含むファイルを添付ファイルとしてメール作成部142に入力する。
【0034】
メール作成部142は、請求書データ管理装置2に対応する所定のメールアドレス宛てに送信する電子メールを作成する。具体的には、メール作成部142は、従業員端末1のユーザが操作部12を用いて入力した文字列を含む電子メールを作成し、作成した電子メールをメール送受信部143に入力する。メール作成部142は、ユーザの操作に応じて請求書取得部141から入力された請求書画像データを含むファイルを、作成する電子メールの添付ファイルとしてメール送受信部143に入力する。
【0035】
メール送受信部143は、メール作成部142が作成した電子メールに、外部装置から受信した請求書画像データを含むファイルを添付して所定のメールアドレス宛てに送信する。外部装置は、請求書を発行した事業者のコンピュータ、又は請求書を読み取った読取装置である。
【0036】
図4は、メール送受信部143が送信する電子メールの一例を示す図である。
図4に示す電子メールの領域R11には、送信日時、差出人、宛先及び件名が含まれている。差出人欄には、従業員端末1のユーザのメールアドレスが含まれている。宛先欄には、請求書データ管理装置2に対応するメールアドレスが含まれている。件名欄には、従業員端末1のユーザにより入力された第2文字列の一例であり、請求書データ管理装置2が請求書画像データに含まれる第1文字列を特定する対象となる電子メールであることを示す所定の文字列が含まれている。
【0037】
図4に示す電子メールの領域R12には、添付ファイルが含まれている。この例では、「請求書S1000224」というファイル名のファイルが添付されている。ファイル名も第2文字列の一例である。
【0038】
図4に示す電子メールの領域R13には、メールの本文が含まれている。メール本文としては、一例として、申請者の所属部署名、従業員コード及び従業員の氏名が含まれている。従業員コードは、従業員を識別するための記号又は文字列である。メール本文に含まれるこれらの文字列も第2文字列の一例である。請求書データ管理装置2が所定の第2文字列を特定しやすくするために、メール本文には、予め定められた形式で所定の文字列が記載されていることが望ましい。なお、領域R13には文字列が含まれていなくてもよく、従業員コード又は従業員の氏名のいずれか一方だけが含まれていてもよい。
【0039】
[請求書データ管理装置2の機能構成]
図5は、請求書データ管理装置2の機能構成を示す図である。請求書データ管理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。制御部23は、画像データ取得部231と、第1文字列特定部232と、第2文字列特定部233と、データ登録部234とを有する。
【0040】
通信部21は、ネットワークを介して従業員端末1から電子メールを受信したり、記憶部22に記憶されたデータを経理端末3に送信したりするための通信コントローラを含む。通信部21は、従業員端末1から受信した電子メールに添付されたファイルを画像データ取得部231に入力する。また、通信部は、従業員端末1から受信した電子メールを第2文字列特定部233に入力する。また、通信部21は、データ登録部234から入力されたデータを経理端末3に向けて送信する。
【0041】
記憶部22は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部22は、従業員端末1が送信した請求書画像データ及び電子メールに含まれている第1文字列及び第2文字列が関連付けられた状態で登録された請求書データベースを記憶する。また、記憶部22は、一以上の第2文字列に関連付けて一以上の第3文字列を記憶する。一例として、記憶部22は、第2文字列としての従業員の氏名と、第3文字列としての従業員の所属部署名とが関連付けられた従業員データベースを記憶する。
【0042】
画像データ取得部231は、電子メールを用いて請求書画像データを取得する。具体的には、画像データ取得部231は、通信部21が従業員端末1から受信した電子メールに添付されていたファイルに含まれている請求書画像データを取得する。画像データ取得部231は、取得した請求書画像データを第1文字列特定部232に入力する。
【0043】
第1文字列特定部232は、画像データ取得部231から入力された請求書画像データに含まれる複数の第1文字列を特定する。第1文字列特定部232は、例えばOCR処理を実行することにより、請求書画像データに基づいて、請求書に含まれている第1文字列を特定する。第1文字列特定部232が特定する第1文字列は、例えば、発行事業者名、請求書発行日、請求の対象となる商品の名称、商品が購入された個数、購入した商品の金額及び税額等であり、請求書情報データベースに登録される情報に対応する文字列である。
【0044】
第1文字列特定部232は、例えばAIエンジン(人工知能エンジン)を含んでおり、例えば、画像データと文字列との関係を教師データとして深層学習して構築された機械学習モデルを使用することにより、高い精度で文字列を特定する。第1文字列特定部232は、特定した複数の第1文字列をデータ登録部234に入力する。第1文字列特定部232は、例えば請求書画像データのファイル名に関連付けて、複数の第1文字列をデータ登録部234に入力する。
【0045】
第2文字列特定部233は、通信部21が従業員端末1から受信した電子メールに含まれている請求書画像データ以外の一以上の第2文字列を特定する。請求書画像データ以外の一以上の第2文字列は、
図4に示した電子メールの領域R11及び領域R13に含まれている文字列、並びに添付ファイルのファイル名のうちの少なくともいずれかである。すなわち、第2文字列特定部233は、電子メールの件名情報又は送信元情報に含まれている一以上の第2文字列を特定する。
【0046】
一例として、第2文字列特定部233は、例えば領域R13に含まれている文字列のうち、「申請者」という文字列の次に記載された文字列を申請者の所属部署名であるとして特定し、次に記載された文字列を従業員コードであるとして特定し、次に記載された文字列を従業員の氏名として特定する。第2文字列特定部233は、特定した第2文字列をデータ登録部234に通知する。
【0047】
データ登録部234は、第1文字列特定部232から複数の第1文字列を取得し、第2文字列特定部233から一以上の第2文字列を取得する。データ登録部234は、複数の第1文字列のうち一以上の第1文字列と、当該一以上の第1文字列が含まれていた請求書画像データが送信された電子メールにおいて第2文字列特定部233が特定した一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列とを関連付けて、請求書データが登録された請求書データベースに登録する。
【0048】
第3文字列は、第2文字列と同一の文字列、又は予め第2文字列に関連付けて記憶部22に記憶された第2文字列と異なる文字列である。すなわち、データ登録部234は、記憶部22において、第2文字列特定部233が特定した一以上の第2文字列に関連付けられた一以上の第3文字列を請求書データベースに登録する。データ登録部234は、電子メールに含まれている第2文字列を第3文字列として請求書データベースに登録してもよく、通信手段を介することなく記憶部22を介して取得可能であり第2文字列と異なる第3文字列を請求書データベースに登録してもよい。
【0049】
第2文字列が従業員の氏名である場合、データ登録部234は、例えば従業員の氏名と従業員コードとが関連付けられた従業員データベースを参照することにより、従業員コードを第3文字列の一つとして請求書データベースに登録する。第2文字列が電子メールアドレスである場合、データ登録部234は、電子メールアドレスと従業員の氏名、従業員コード又は所属部署名の少なくとも1つとが関連付けられた従業員データベースを参照することにより、従業員の氏名、従業員コード又は所属部署名の少なくとも1つを第3文字列として請求書データベースに登録してもよい。
【0050】
データ登録部234が、第1文字列特定部232が特定した複数の第1文字列と、当該複数の第1文字列が含まれていた請求書画像データが送信された電子メールにおいて第2文字列特定部233が特定した一以上の第2文字列とを関連付ける方法は任意である。データ登録部234は、例えば、第1文字列特定部232から新たに入力された複数の第1文字列に含まれる1つの第1文字列と一致する第2文字列が、第2文字列特定部233から新たに入力された一以上の第2文字列に含まれていることを条件として、複数の第1文字列と一以上の第2文字列とを関連付ける。
【0051】
データ登録部234は、電子メールに添付されていた請求書画像データを含むファイルのファイル名を用いて、同一の電子メールに対応する複数の第1文字列と一以上の第2文字列とを関連付けてもよい。具体的には、データ登録部234は、複数の第1文字列に関連付けて第1文字列特定部232から入力されたファイル名(すなわち、複数の第1文字列が特定された請求書画像データを含む画像ファイルのファイル名)と同一のファイル名に関連付けて第2文字列特定部233から通知された一以上の第2文字列を、当該複数の第1文字列に関連付ける。データ登録部234が添付ファイルのファイル名を用いることで、第1文字列と第2文字列との関連付けの精度が向上する。
【0052】
図6は、データ登録部234が請求書データベースに登録するデータが表示された画面の一例を示す図である。当該画面は、例えば経理端末3に表示される画面である。
【0053】
領域R21には、請求書の概要と申請者の概要とが含まれている。「伝票番号」は、請求書画像データに含まれていた第1文字列の一つである請求書番号であるとともに、電子メールに第2文字列として含まれていた添付ファイル名である。
【0054】
領域R21における「支払先」は、請求書画像データに含まれていた請求書の発行事業者名の第1文字列に相当する。「申請日」は、
図4に示した電子メールの領域R11に含まれていた送信日時を示す第2文字列に相当する。「申請者」は、
図4に示した電子メールの領域R13に含まれていた従業員の氏名を示す第2文字列に相当する。「所属部門」は、
図4に示した電子メールの領域R13に含まれていた従業員の所属部署名を示す第2文字列に相当する。
【0055】
図6の領域R22には、請求書画像データに含まれていた複数の第1文字列が含まれている。領域R23には、請求書の処理をすることの承認を受けるための情報が含まれている。「申請者」欄には、電子メールの領域R13に含まれていた従業員の氏名が含まれている。「承認者」欄には、従業員が申請した請求書の処理の承認者の氏名が含まれている。データ登録部234は、例えば従業員データベースを参照することにより、申請者である従業員の承認者として登録されている上司の氏名を、承認者を示す第3文字列として特定する。
【0056】
データ登録部234は、第1文字列及び第2文字列を請求書データベースに登録する前に、第1文字列と第2文字列又は第3文字列との間の整合性をチェックしてもよい。データ登録部234は、例えば、複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと、一以上の第2文字列のうちの少なくとも1つ又は一以上の第3文字列のうちの少なくとも1つとが一致している場合に、複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと一以上の第2文字列又は一以上の第3文字列のうちの少なくとも1つとが一致していない場合と異なる処理を実行する。
【0057】
具体的には、データ登録部234は、一致していると判定した場合に第1文字列と第3文字列とを関連付けて請求書データベースに登録する。一方、データ登録部234は、一致していないと判定した場合に、第1文字列と第3文字列とを関連付けて請求書データベースに登録せず、電子メールの送信者に対して、不備があることを通知する電子メールを送信してもよい。
【0058】
データ登録部234は、例えば「伝票番号」に反映される請求書番号とファイル名のように、複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと、一以上の第2文字列のうちの少なくとも1つとが一致していることを条件として、第1文字列及び第2文字列を関連付けて請求書データベースに登録する。すなわち、データ登録部234は、複数の第1文字列のうちの少なくとも1つと請求書画像データを含む添付ファイルの名称とが一致していることを条件として、一以上の第1文字列と一以上の第3文字列とを請求書データベースに登録してもよい。
【0059】
このようにデータ登録部234が整合性チェックをすることで、同一の請求書に対応する第1文字列と第3文字列とを間違いなく請求書データベースに登録することが可能になる。また、従業員端末1が送信する電子メールに添付されるファイル名として請求書番号が用いられることにより、データ登録部234が、同一の請求書に対応する第1文字列と第2文字列を間違いなく関連付けて請求書データベースに登録しやすくなる。なお、整合性チェックに用いられるファイル名は請求書番号に限らず、請求書を発行した事業者名と請求書発行日を含んでもよい。
【0060】
図6に示す画面の下部には、承認者に承認要求を送信するための操作ボタンが含まれている。経理端末3を使用する経理担当者が当該ボタンをクリックすることにより、請求書データが承認者に送信される。承認者による承認が終了すると、例えば経理担当者が送金処理を実行する操作をすることが可能になり、送金処理の操作が行われると、請求書データに示される金額を送金する処理を実行する外部のサーバに請求書データが送信されて、送金処理が実行される。
【0061】
データ登録部234は、承認者に承認要求を送信する前に、請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する一以上の第1文字列及び一以上の第3文字列が揃っているか否かを判定してもよい。データ登録部234は、請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する一以上の第1文字列及び一以上の第3文字列が揃っている場合と、会計データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する一以上の第1文字列及び一以上の第3文字列のうち少なくとも一部の文字列が揃っていない場合とで処理を変える。
【0062】
データ登録部234は、例えば、請求書データベースに登録すべき所定の複数の項目に対応する一以上の第1文字列及び一以上の第3文字列が揃っていることを条件として、一以上の第1文字列に含まれる請求額の送金処理を実行するための承認処理を実行する。具体的には、
図6に示した全ての項目に対応する第1文字列及び第3文字列を第1文字列特定部232又は第2文字列特定部233から取得した場合に、データ登録部234は「承認者に送信」ボタンを経理端末3に表示させる。一方、
図6に示した項目に対応する第1文字列及び第3文字列のうち、いずれかの文字列を第1文字列特定部232又は第2文字列特定部233から取得できていない場合に、データ登録部234は、電子メールの送信者に対して、不備があることを通知する電子メールを送信する。
【0063】
[請求書データ管理装置2の動作の流れ]
図7は、請求書データ管理装置2の動作の流れを示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、従業員端末1が、請求書画像データを添付ファイルとする電子メールを送信した時点から開始している。
【0064】
まず、画像データ取得部231は、従業員端末1が送信した電子メールを受信する(S11)。第1文字列特定部232は、電子メールに添付されている請求書画像データに含まれている複数の第1文字列を特定する(S12)。また、第2文字列特定部233は、電子メールに含まれている一以上の第2文字列を特定する(S13)。データ登録部234は、第2文字列に対応する第3文字列を特定する(S14)。なお、第1文字列特定部232がS12の処理を実行するタイミングと第2文字列特定部233がS13の処理を実行する順番は任意である。
【0065】
続いて、データ登録部234は、特定された第1文字列、第2文字列又は第3文字列の少なくともいずれかに基づいて、請求書データベースに登録する文字列として問題がないかどうかを判定する(S15)。データ登録部234は、例えば、上述のように第1文字列と第2文字列又は第3文字列との整合性に問題がないかを判定したり、請求書データベースに登録すべき全ての項目に対応する第1文字列及び第3文字列が揃っているかを判定したりする。
【0066】
データ登録部234は、問題がないと判定すると(S15においてYES)、第1文字列及び第3文字列を請求書データベースに登録する(S16)。データ登録部234は、問題がないと判定した場合、承認者にデータを送信するための操作が行われたことに応じて、承認者に承認要求を通知する(S17)。データ登録部234は、承認処理が完了すると(S18)、請求額を送金するため処理を実行可能にする(S19)。
【0067】
データ登録部234は、S15において問題があると判定すると(S15においてNO)、申請者の従業員端末1に対して、問題が発生したことを示す電子メールを送信する(S20)。
【0068】
[請求書データ管理システムSによる効果]
以上説明したように、請求書データ管理システムSにおいては、従業員端末1のメール送受信部143が、メール作成部142が作成した電子メールに、外部装置から受信した請求書画像データを含むファイルを添付して、請求書データ管理装置2に対応するアドレス宛てに当該電子メールを送信する。請求書データ管理装置2は、従業員端末1から電子メールを受信すると、請求書データ管理装置2の第1文字列特定部232が、請求書画像データに含まれる複数の第1文字列を特定し、第2文字列特定部233が、電子メールに含まれている請求書画像データ以外の一以上の第2文字列を特定する。そして、データ登録部234は、第1文字列と第2文字列又は第2文字列に対応する第3文字列とを関連付けて請求書データベースに登録する。
【0069】
従業員端末1及び請求書データ管理装置2がこのように動作することで、経理担当者が請求書に含まれている各種のデータに関連付けて、申請者の氏名、所属部署名等を入力する必要がない。したがって、経理担当者の業務量を削減することができるので、会計処理に要する時間が短縮され、業務効率が大幅に向上する。
【0070】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。例えば、以上の説明においては、電子メッセージとして電子メールが使用される場合を主に例示したが、請求書データ管理装置2は、電子メール以外のチャットメッセージ、SNSメッセージ等のような他の手段を用いて第1文字列が含まれる請求書画像データと、請求書画像データと異なる第2文字列とを取得してもよい。
請求書データ管理装置2は、電子メールを用いて請求書画像データを取得する画像データ取得部231と、請求書画像データに含まれる複数の第1文字列を特定する第1文字列特定部232と、電子メールに関連付けられた請求書画像データ以外の一以上の第2文字列を特定する第2文字列特定部233と、複数の第1文字列のうち一以上の第1文字列と、第2文字列特定部233が特定した一以上の第2文字列に対応する一以上の第3文字列とを関連付けて、請求書データが登録された請求書データベースに登録するデータ登録部234と、を有する。