(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態(本実施の形態)について図面を参照して説明する。なお、以下に示す本実施の形態では、液槽として家庭用の浴槽に本発明を適用した場合を示す。しかしながら、液槽は、家庭用の浴槽に限定されるものではなく、業務用の浴槽やプール、養殖に用い海川湖などに設置する養殖場などであってもよい。
【0018】
本実施の形態1の微細気泡発生装置2の概略構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における微細気泡発生装置2の構成を示した概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、液槽1の槽壁11に、液槽1に貯まった液体(水)の吸込/吐出を行うノズル3が取り付けられる(設置される)。このノズル3の吸込部31(
図2,3参照)に、吸込管21及び気体導入部22を介して加圧ポンプ23が連結されている。
【0020】
ノズル3の吸込部31から吸い込んだ液体は、吸込管21を通り、気体導入部22に流れる。この気体導入部22は、空気などの雰囲気の気体を吸い込む気体導入口24を有し、気体導入部22から気体を吸込管21に導入する。なお、気体導入部22は、エジェクター機構となっており、特別な動力を必要としない自然吸気方式となっている。
【0021】
気体導入部22は、その下流側に加圧ポンプ23が接続され、加圧ポンプ23のポンプ作用により気体導入部22から気体を吸込み、吸い込んだ気体を液体に混合する(気液混合)。加圧ポンプ23と溶解タンク25との間は、気液混合状態の液体(気液混合液体)を溶解タンク25に送る流入管26によって連結されている。ここでいう気液混合液体は、加圧ポンプ23により加圧され、高圧状態となっている。
【0022】
上記の気液混合を詳説すると、本実施の形態1では、加圧ポンプ23を駆動すると、液槽1内の液体が、吸込部31から吸込管21を通って加圧ポンプ23の吸入ポートへと吸入される。その時、吸込管21の途中に設置された気体導入部22の気体導入口24から気体を吸入しているため、加圧ポンプ23へと吸入された液体は、気液混合状態となる。
【0023】
溶解タンク25に流れた気液混合液体は、溶解タンク25内で気体が液体内に加圧溶解され(例えば0.2MPaのゲージ圧で加圧溶解)、気液溶解状態の液体(気液溶解液体)となる。
【0024】
溶解タンク25の下流側にノズル3が配され、溶解タンク25とノズル3との間は、ノズル3に気液溶解液体を送る吐出管27によって連結されている。ノズル3に流れた気液溶解液体はノズル3において減圧沸騰されて、気液溶解液体に微細気泡が発生する。ノズル3で発生した微細気泡は、ノズル3から液槽1(外部)に吐出される。
【0025】
以上の通り、微細気泡発生装置2では、ノズル3が気体導入部22及び加圧ポンプ23に吸込管21によって連結され、加圧ポンプ23が溶解タンク25に流入管26によって連結され、溶解タンク25がノズル3に吐出管27によって連結された循環システムによって構築されている。そして、この循環システムでは、加圧ポンプ23を用いて、ノズル3から液槽1内の液体を吸込み、気体導入口24から気体を吸込んで、気液混合液体を生成し、気液混合液体を溶解タンク25に送る。溶解タンク25では、液体に気体を加圧溶解させて気液溶解液体を生成し、生成した気液溶解液体を、ノズル3で減圧沸騰させて、気液溶解液体中に微細気泡を発生させ、微細気泡をノズル3から液槽1に吐出する。
【0026】
次に、本実施の形態1にかかるノズル3について図面を用いて説明する。
図3は、本実施の形態1におけるノズル3の構成を示した概略構成図である。
【0027】
ノズル3は、
図1,3に示すように、液槽1の槽壁11に緩衝材91(環状パッキンなど)を介して取り付けられる(設置される)。液槽1に設置されたノズル3では、吸込部31から液槽1の液体を吸込み、吸込んだ液体を吸込導流路32を通って吸込管取付口33に送り、吸込管取付口33から吸込管21に吐出する。吸込管21は、Oリング92を介してノズル3(吸込管取付口33)に取付けられている。
【0028】
一方、溶解タンク25で気液溶解された液体(気液溶解液体)は、
図1,3に示すように、吐出管27を通ってノズル3に流れる。吐出管27は、
図3に示すように、Oリング92を介してノズル3(吐出管取付口34)に取付けられている。ノズル3では、吐出管取付口34からノズル3に導流した気液溶解液体を、吐出管取付口34の下流に配された発生部35に送り、発生部35にて気液溶解液体中に微細気泡を発生させる。発生部35で発生した微細気泡を含む気液溶解液体を、発生部35の下流に配された整流部4に流し、整流部4にて微細気泡の流れを整える。整流部4で微細気泡の流れを整えた後に、微細気泡を含む気液溶解液体を、整流部4の下流に配された吐出部38に送り、吐出部38から液槽1(外部)に微細気泡(具体的には微細気泡を含む気液溶解液体)を吐出する。なお、吐出部38における微細気泡の吐出方向と、発生部35から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向とが、同一方向であり、吐出部38は整流路41の下流側に、整流部4に連続して設けられている。
【0029】
発生部35には、減圧旋回部30と減圧導流路36と旋回空間部37とが設けられている。この発生部35では、吐出管取付口34から導流した気液溶解液体を、減圧導流路36に流し、高圧化された気液溶解液体の減圧を行う。
【0030】
減圧導流路36では、口径を漸次狭くなるテーパー形状(所謂ベンチュリ管の形状)の流路361が形成され、テーパー形状の流路の下流側に、口径を変化させずに圧を一定にする流路362が形成されている。この減圧導流路36では、テーパー形状の流路361において、口径を漸次小さく変化させることで減圧導流路36を通る際に圧力損失の抑制を行う。なお、減圧導流路36における口径の縮小度合いをある程度以上にし、減圧導流路36でも減圧沸騰を行って微細気泡を発生させるようにしてもよい。テーパー形状の流路361を通った後、気液溶解液体は流路362を通ることで、気液溶解液体の圧力を安定させる。そして、減圧導流路36を通過した気液溶解液体は、減圧導流路36の下流に配された減圧旋回部30に流れ、減圧旋回部30を流れることによって気液溶解液体の減圧を行い、気液溶解液体に微細気泡を発生させる。この時、気液溶解液体には減圧旋回部30での旋回によって旋回力が加わる。減圧旋回部30で気液溶解液体に微細気泡を発生させた後に、気液溶解液体は減圧旋回部30の下流に配された旋回空間部37に流れ、旋回空間部37で微細気泡をせん断して、微細気泡の更なる微細化を行う。その後、微細気泡を含む気液溶解液体は、整流部4(整流路41)に流れる。なお、減圧導流路36を設けずに、吐出管取付口34から導流した気液溶解液体を直接、旋回空間部37に流した場合、流れが乱雑になり、所望量の微細気泡を発生させることが難しい。
【0031】
旋回空間部37には、
図3〜5に示すように、略円錐形に形成された円錐形状部371が配されている。円錐形状部371の平面視円形中央部分(円形中央部分)が減圧導流路36との接続部分となり、この部分の下流側に減圧旋回部30が設けられる。減圧旋回部30は、平面視円形中央部から外方に向かって一方向(本実施形態では時計回り)に回転しながら放射される複数(本実施形態では3つ)の切り欠き溝72からなる。減圧旋回部30では、円形中央部分が上流となり、円形の外縁部分が下流となり、中央部分の上流から3つの切り欠き溝72を沿って外縁部分の下流へ流れる流路が3つ形成されている。このように、これら3つの切り欠き溝72からなる流路は、それぞれ平面視円形中央部分から時計回りに渦を巻くように成形され、漸次溝幅が広がっている(もしくは溝幅を一定にしている)。ここで、渦を巻くように切り欠き溝72が旋回空間部37に夫々接続されることで、微細気泡を含む気液溶解液体の流れ方向に、旋回方向が加わる。なお、各切り欠き溝72では、遠心力による影響が及ぶ外側の壁74に対して、内側の壁75では、その半径が小さい円弧となっている。また、切り欠き溝72では、外側の壁74の半径が上流から下流にかけて漸次大きくなる、もしくは、内側の壁75の半径が上流から下流にかけて漸次小さくなる。
【0032】
そして、旋回空間部37では、円形の外縁部分まで流れた微細気泡を含む気液溶解液体が、円錐形状部371の外周面に沿って旋回しながら流れ、整流部4への繋がる導流孔73に流れる。なお、導流孔73は、円錐形状部371と同心円上に間隔をおいて複数形成されている(本実施の形態1では、6つ)。
【0033】
また、旋回している微細気泡を含む気液溶解液体では、旋回流の半径方向へ発生する速度勾配によりせん断力が作用するため、上記の減圧沸騰から発生した微細気泡が、この旋回により微細気泡をせん断してさらに微細化される。このように、発生部35において気液溶解液体に発生した微細気泡が、発生部35の下流に配された整流部4に流れ、整流部4において旋回流を減衰ないし消滅させて微細気泡の流れを整える。なお、整流部4は、微細気泡の流れを整えることで、微細気泡同士の結合(気泡の大型化)を防止するとともに、旋回空間部37に対して流出抵抗を付与するために設けられている。つまり、旋回空間部37と吐出部38との間に整流部4が存在することにより、これらの間に旋回空間部37を設けない場合と比較して気液溶解液体の流れ抵抗を大きくすることができ、旋回空間部37における気泡の滞在時間を長くすることができる。その結果、気泡の更なる微細化が図られる。
【0034】
整流部4には、
図3に示すように、変更壁42と整流板43とが設けられ、これら変更壁42と整流板43とにより、折曲された整流路41が形成される。整流路41の長さ(整流路長)は、当該整流路41が折曲されたものであることから整流部4の全長Lに対して長い。
【0035】
変更壁42は、整流路41の空間において、上流から来る微細気泡の流れ方向に対して角度(例えば90°)を有して配され、変更壁42を整流部4に設けることで、微細気泡の流れ方向を変更する。変更壁42を設けることで微細気泡の流れ方向が変わるため、整流路41の空間において複数の微細気泡の流れ方向ができる。本実施の形態1では、変更壁42が、吐出部38における微細気泡の吐出方向や、発生部35から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向に対して垂直になるように配されている。
【0036】
ところで、整流部4では、複数の微細気泡の流れ方向が存在することで、微細気泡同士の衝突が生じる可能性もある。そこで、この微細気泡同士の衝突を防ぎ、さらに微細気泡の流れを一方向に整えて、微細気泡の流れを安定させるために、整流部4に円筒状の整流板43が微細気泡の流れ方向に沿って配されている。この整流板43では、その両面(一面44、他面45)が整流路41の壁面とされる。整流板43を整流部4に設けることで、整流板43の両面44,45夫々に沿って微細気泡が流れる。本実施の形態1では、整流板43の両面44,45夫々に沿って流れる微細気泡の流れ方向は、逆方向となる。具体的には、整流板43の一面44に沿って流れる微細気泡の流れ方向は、発生部35から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向となる。一方、整流板43の他面45に沿って流れる微細気泡の流れ方向は、発生部35から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向に対して逆方向となる。この整流板43を整流部4に設けることで、微細気泡同士の衝突を防ぎ、さらに微細気泡の流れを整えて流れを安定させることができる。
【0037】
上記の通り、本実施の形態1では、変更壁42と整流板43とを整流部4に設けることで、整流部4の全長Lに対して整流路長を長くすることができる。具体的には、本実施の形態1にかかる整流路41を流れる微細気泡は、整流板43の一面44に沿って流れる。そして、整流板43の一面44に沿って流れた微細気泡は、変更壁42によって微細気泡の流れ方向を変更する。その後に流れ方向を変更した微細気泡は、整流板43の他面45に沿って流れる。このように、変更壁42及び整流板43により整流路41を折り返し経路とすることができ、その結果、整流路長が長くなる。そのため、整流部4において整流路長を、整流部4の全長に対して長くする一方で、ノズル長の短長に寄与することができる。
【0038】
吐出部38には、
図2,3に示すように、吐出孔53が設けられ、吐出孔53は、整流部4の下流側に、整流部4に連続して設けられている。
【0039】
次に、ノズル3の構造について、図面を用いて説明する。ノズル3では、
図3に示すように、第1ノズル構成部5、第2ノズル構成部6、第3ノズル構成部7及び第4ノズル構成部8の4つのノズル構成部が設けられている。第1ノズル構成部5は、液槽1に露出し、液槽1に貯まった液体(水)の吸込/吐出を行う吸込部31と吐出部38とを一体成型したものであり、ノズル3のカバーとなる。第2ノズル構成部6は、液槽1側から槽壁11にノズル3を固定するものである。第3ノズル構成部7は、気液溶解液体から微細気泡を発生させ、さらに微細気泡の安定生成を図るものである。第4ノズル構成部8は、液槽1の外面から槽壁11にノズル3を固定するものであり、ノズル3に吸込管21や吐出管27を取り付けるものである。
【0040】
第1ノズル構成部5は、液槽1内に配する平面視円形のカップ部材(カバー部材)であり、液体の吐出/吸込を行う露出面51の外周縁から外周壁52が立ち上がり成形されている。
【0041】
露出面51では、
図2,3に示すように、平面視において、液槽1に微細気泡を吐出する吐出部38が中央に配され、吐出部38の平面視外方に(外縁に沿って)液槽1の液体を吸込む吸込部31が配されている。
【0042】
吐出部38は、露出面51の中央部分に配され、その中心に平面視円形の変更壁42(上記参照)が配され、変更壁42の平面視外方に(外縁に沿って)6つの扇形の吐出孔53が等間隔に並んで成形されている。なお、本実施の形態1では、吐出部38に、吐出孔53と変更壁42とが設けられている。
【0043】
吸込部31は、吐出部38の平面視外方に(外縁に沿って)16つの吸込孔54が等間隔に並んで形成されたものである。全ての吸込孔54は、貫通孔55に切り欠き溝56が連続して一体形成されたものであり、切り欠き溝56は、貫通孔55を始点として、
図2に示す露出面51の中心に対して放射状に延びた形状となっている。切り欠き溝56を形成することで、広い範囲から液体の吸込み誘導を行うことができ、吸込部31からの吸込量を増やすことができる。
【0044】
第1ノズル構成部5では、
図3に示すように、外周壁52の自由端57の一部が折曲成形され、折曲形成された自由端57が第2ノズル構成部6の周壁に成形されたフランジ61に係合される構造となっている。
【0045】
また、
図3に示すように、露出面51の内側では、吐出部38と吸込部31の間の位置から外周壁52の突出方向と同じ方向に、第1ノズル構成部5を第3ノズル構成部7及び第4ノズル構成部8に係合するための係合片58が突出され、これら係合片58は、整流路41の外周の一部や、吸込導流路32の内周の一部となる。
【0046】
第2ノズル構成部6は、
図3に示すように、液槽1側から槽壁11に緩衝材91(環状パッキンなど)を介してノズル3を固定するものである。第2ノズル構成部6は、中空を有するリング形状の部材であり、リングの外周縁となる周壁の一部に、第1ノズル構成部5の外周壁52の自由端57を係合するフランジ61が成形されている。また、リングの内周縁から内周壁62が立ち上がり形成され、内周壁62が吸込導流路32の外周となる。また、内周壁62が立ち上がり成形された面の外周側には、液槽1に取付けるための挟持部63が設けられ、第2ノズル構成部6の挟持部63と第4ノズル構成部8の挟持部81(下記参照)とにより緩衝材91(環状パッキンなど)を介してノズル3を液槽1の槽壁11に挟持して設置する。
【0047】
第3ノズル構成部7は、
図3に示すように、気液溶解液体から微細気泡を発生させ、さらに微細気泡の安定生成を図るものであり、円柱空間に嵌め込まれた円錐形状部371と、円錐形状部371の先端方向に突出して同心上に形成された円柱状の突起片71と、突起片71と同心上に配された円筒状の整流板43と、旋回空間部37と整流部4とを隔てる隔壁と、この隔壁に形成された導流孔73と、隔壁の外周部に形成された雄ねじが一体に形成されたものである。前記雄ねじは、第4ノズル構成部8(雌ねじ)に形成された雌ねじに螺合され、固定されている。
【0048】
本実施の形態1では、突起片71の先端が第1ノズル構成部5の変更壁42に接しており、当該突起片71の長さが整流部4の全長Lに対応している。但し、突起片71の先端は、変更壁42から少し離れていてもよく、この場合、上記全長Lは、突起片71の基端部から変更壁42までの距離に相当する。
【0049】
また、整流部4では、突起片71と同じ突起方向に沿って、突起片71から一定の距離を保った外方に整流板43が突出している。また、突起片71の基端部と整流板43の基端部との間に、導流孔73が形成されている。この整流板43と変更壁42とが整流部4に設けられることにより、整流部4の空間における微細気泡を流す整流路41の長さが、整流部4の全長に対して長くなる。
【0050】
第4ノズル構成部8は、
図3に示すように、液槽1の外面から槽壁11にノズル3を固定するものであり、ノズル3に吸込管21や吐出管27を取り付けるものである。第4ノズル構成部8では、中央部分に、減圧導流路36が設けられ、その周囲に、吸込導流路32が設けられている。
【0051】
吸込導流路32の下流端に、吸込管21を取り付ける吸込管取付口33が設けられ、全ての吸込部31から吸い込んだ液体を吸込導流路32を介して吸込管21に流す。吸込管取付口33には、吸込管21がOリング92でシールして嵌合されている。
【0052】
また、吸込導流路32の下流端の外周には、液槽に取付けるための挟持部81が設けられ、第2ノズル構成部6の挟持部81(上記参照)と第4ノズル構成部8の挟持部81とにより緩衝材91(環状パッキンなど)を介してノズル3を液槽1の槽壁11に挟持して設置する。
【0053】
また、減圧導流路36の上流端に、吐出管27を取り付ける吐出管取付口34が設けられ、吐出管27から流れてきた気液溶解液体を、発生部35(減圧導流路36及び旋回空間部37)に送る。吐出管取付口34には、吐出管27がOリング92でシールして嵌合されている。なお、吸込管取付口33及び吐出管取付口34の口径は、同一となっており、汎用品の吸込管21及び吐出管27を取り付け容易としている。
【0054】
この第4ノズル構成部8は、吸込導流路32の全周(外周と内周)と、旋回空間部37の外周に用いられる。また、第3ノズル構成部7の円筒状体の外周壁に形成された螺旋状の溝に螺合するための雌ねじ(図示省略)が、旋回空間部37の下流側に形成されている。
【0055】
本実施の形態1によれば、整流部4では、整流路長が、整流部4の全長Lに対して長いので、微細気泡同士の結合を防止するように微細気泡の流れを整える一方で、整流部4の全長を短くすることができる。このように、本実施の形態1によれば、整流部4の全長を短くすることができるので、ノズル長(ノズルの奥行)を短くすることができ、ノズル3のコンパクト化を図ることができる。すなわち、本実施の形態1によれば、短いノズル長であっても長い整流路長を確保でき、その結果、ノズル長を短くコンパクト化したノズル3であっても、微細気泡の流れを一方向に整えて(微細気泡の流れを良くして)微細気泡の大径化を防ぐことができる。
【0056】
また、本実施の形態1によれば、変更壁42が設けられるので、微細気泡の流れ方向を変えることができ、その結果、整流路41を折曲形成することができる。そのため、整流路が直線の一方向のみに限定された従来の整流路に対して整流路長を長くすることができる。
【0057】
また、本実施の形態1によれば、整流部4に整流板43と変更壁42とが設けられるので、整流板43の一面44に沿って流れた微細気泡を、変更壁42によって微細気泡の流れ方向を変更し、その後に整流板43の他面45に沿って微細気泡を流すことができる。すなわち、本実施の形態1によれば、変更壁42と整流板43とにより、整流路41を折り返し経路とすることができ、整流路長を長くするのに寄与する。また、変更壁42により折曲形成した整流路41であっても整流板42により微細気泡の整流を図ることができる。
【0058】
なお、本実施の形態1では、吐出孔53の形状を扇形としているが、これに限定されるものではなく、任意の形状としてもよい。
【0059】
また、本実施の形態1では、変更壁42が第1ノズル構成部5に設けられているが、これに限定されるものではなく、整流路41の空間において、上流から来る微細気泡の流れ方向に対して角度を有して配され、微細気泡の流れ方向を変更するものであれば、第3ノズル構成部7のみに変更壁42が形成され、第3ノズル構成部7の変更壁42を覆うように第1ノズル構成部5が配されてもよい。
【0060】
また、本実施の形態1では、変更壁42が、吐出部38における微細気泡の吐出方向や、発生部35から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向に対して垂直になるように配されているが、これに限定されるものではなく、これらの吐出方向や流れ方向に対して角度を有し、整流部4において微細気泡の流れ方向を変更するものであれば、垂直に限定されなくてもよい。
【0061】
また、本実施の形態1では、第1ノズル構成部5の外周壁52の自由端57の折曲成形された一部が、第2ノズル構成部6の周壁に成形されたフランジ61に係合されているが、ここでの折曲成形された自由端57の一部の形状は、限定されるものではなく、第2ノズル構成部6の周壁に成形されたフランジ61に係合することができれば、任意の形状でよい。同様に、第2ノズル構成部6の周壁に成形されたフランジ61も、第1ノズル構成部5の折曲成形された自由端に係合することができれば、任意の形状でよい。
【0062】
また、本実施の形態1では、吸込孔54は、貫通孔55に切り欠き溝56が連続して一体成型されているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではなく、貫通孔55だけで吸込孔54を構成してもよい。また、吸込孔54の貫通孔55は、平面視円形の形状となっているが、これに限定されるものはなく、任意の形状でよい。また、吸込孔54の切り欠き溝56は、貫通孔55を始点として露出面51の中心に対して放射状に延びた直方体の形状となっているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではなく、例えば、貫通孔55を始点として露出面51の中心に対して放射状に延びた扇形状であってもよい。もしくは、
図6,7に示すように、切り欠き溝56の幅が、吸込孔54の直径と同じであってもよい。
【0063】
図6,7に示す実施の形態2にかかるノズル3は、上記の実施の形態1にかかるノズル3と、第1ノズル構成部5の形状が異なるだけで、他の構成や形状は同じものとなっている。そこで、以下に、実施の形態1にかかるノズル3と異なる構成についてのみ説明し、同一構成および同一作用効果についての説明は省略する。
【0064】
本実施の形態2にかかるノズル3では、
図6,7に示すように。実施の形態1にかかるノズル3に比べて、第1ノズル構成部5の吸込部31が突出成形されている。そのため、切り欠き溝56の長さが、短く設定されている。
【0065】
なお、上記の実施の形態1,2では、旋回空間部37の外周壁39が、円筒状に成形されている(筒状体)。しかしながら、旋回空間部37の外周壁39は、これに限定されるものではなく、
図9に示す実施の形態3にかかるノズル3のように、上流から下流にかけてテーパー状に漸次広がる形状であってもよい。このように、旋回空間部37の外周壁39を上流から下流にかけてテーパー状に漸次広がる形状とすることで、旋回空間部37において液体に対する抵抗が低減され、さらに旋回流が発生し易くなり、微細気泡が効率よく微細化される。
【0066】
また、上記の実施の形態1〜実施の形態3では、整流路41の空間内に整流板43を設けているが、これは好適な例である。しかしながら、整流部4において微細気泡を流す整流路41の長さを整流部4の全長に対して長くするためには、例えば、
図10,11に示す実施の形態4にかかるノズル3や、
図12,13に示す実施の形態5にかかるノズル3のように、整流板43を設けずに、発生部35(具体的には導流孔73)から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向の延長線上に、吐出孔53を配置しない構成であってもよい。このような
図10〜13に示すノズル3によれば、変更壁42に微細気泡が当たり、微細気泡の流れ方向が変わって吐出孔53に流れる。もしくは、微細気泡は、整流路41の空間内を循環して吐出孔53に流れる。もしくは、微細気泡は、
図11,13の矢印に示すように導流孔73から吐出孔53に向かって斜め方向に流れるので、発生部35(具体的には導流孔73)から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向の延長線上に吐出孔53を配置したノズルに対して、整流路長を整流部4の全長に対して長くして整流部4の全長を短くすることができる。その結果、ノズル長(ノズルの奥行)を短くすることができ、ノズル3のコンパクト化を図ることができる。
【0067】
また、例えば、
図14に示す実施の形態5にかかるノズル3のように、整流板43を縦断面L字形状などにして整流部4の全長方向に対して直交する方向に微細気泡を流してもよい。この場合も変更壁42に微細気泡が当たり、微細気泡の流れ方向が変わって吐出孔53に流れるので、発生部35(具体的には導流孔73)から整流部4に流れる微細気泡の流れ方向の延長線上に吐出孔53を配置したノズルに対して、整流路長を整流部4の全長に対して長くして整流部4の全長を短くすることができる。なお、実施の形態5にかかるノズル3の第1ノズル構成部の露出面側から視た図は、
図2と同様であるため、省略する。
【0068】
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。