(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車線の幅方向に第一の検査光を投光可能な第一の投光部、及び前記第一の投光部と対となるように設けられ、前記第一の検査光の反射光を受光可能な第一の受光部を有する第一の車両検出部と、
前記車線の幅方向一方側に設けられ、前記車線の幅方向に対し車線方向に向かって傾斜して第二の検査光を投光可能な第二の投光部、及び前記車線の幅方向一方側に前記第二の投光部と対となるように設けられ、前記第二の検査光の反射光を第二の受光可能な第二の受光部を有する第二の車両検出部と、
前記車線の幅方向他方側に設けられ、前記第二の投光部から投光された前記第二の検査光を正反射させて前記第二の検査光の進行方向を変更する反射部と、
を備える車幅計測装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、
前記第一の検査光の反射光に基づいて、前記第一の検査光が投光される車両検出位置において前記車線を通過する前記車線を走行する車両を検出する車両検出判定部、
前記第二の受光部が受光した複数の前記反射光の検出結果のうち、前記反射部を介して前記車線の幅方向他方側を向く車両の第一側面からの反射光を検出した第一の検出結果と、前記車線の幅方向一方側を向く前記車両の第二側面からの反射光を検出した第二の検出結果とに基づいて、前記車両の車幅を計測する車幅演算部、
として機能させ、
前記車幅演算部は、
前記第二の投光部から、前記車両により前記第二の検査光が反射された反射位置までの前記第二の検査光の飛行距離を算出して、当該第二の検査光の反射光の検出結果として出力する距離算出部を有し、
前記第二の投光部から前記反射位置までの距離が前記第二の投光部から前記反射部までの距離よりも大きい検出結果のうち、最も小さい値を有する検出結果を前記第一の検出結果として特定し、
前記第二の投光部から前記反射位置までの距離が前記第二の投光部から前記反射部までの距離よりも小さい検出結果のうち、最も小さい値を有する検出結果を前記第二の検出結果として特定し、
前記第二の投光部は、前記車両検出位置と前記車線上で交わるように前記第二の検査光を投光し、
前記車幅演算部は、前記車両検出判定部が前記車両を検出したときに前記距離算出部が算出した前記第二の検査光の飛行距離を第三の検出結果として取得し、前記第二の投光部から前記第二の検査光と前記車両検出位置とが交わる位置までを予め測定した距離と、前記第三の検出結果とに基づいて、前記距離算出部が算出した前記第二の検査光の飛行距離の計測誤差を算出する誤差算出部を更に有する、
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る車幅計測装置10について、
図1〜
図9を参照しながら説明する。
【0014】
(車幅計測装置の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の概要を示す上面図である。
図2は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の概要を示す斜視図である。
本実施形態に係る車幅計測装置10は、有料道路である高速道路の出口料金所に設けられ、当該高速道路を利用する車両Aの車幅を計測するための装置である。なお、他の実施形態では、車幅計測装置10は高速道路の入口料金所に設けられていてもよい。
図1の例では、出口料金所には、高速道路と一般道路とを接続する車線に沿って、一方側(
図1の−Y側)にアイランドIが敷設され、他方側(
図1の+Y側)には高速道路の防音壁等の壁部Wが設けられている。車両Aは、車線を通って高速道路から一般道路へ退出する。
なお、以下の説明では、車線が延在する方向(
図1における±X方向)を「車線方向」、車線方向の高速道路側(
図1の+X側)を「上流側」または「車線方向手前側」、車線方向の一般道路側(
図1の−X側)を「下流側」または「車線方向奥側」とも記載する。また、車線方向と水平に直交する方向(
図1における±Y方向)を「車線幅方向」とも記載し、車線方向と垂直に直交する方向(
図2における±Z方向)を「高さ方向」とも記載する。
【0015】
図1に示すように、車幅計測装置10は、アイランドI上に設けられた車両検出部100(第一の車両検出部)及びセンサ部110(第二の車両検出部)と、壁部Wの車線を向く面に設けられた反射部120とを備えている。
【0016】
図1及び
図2に示すように、車両検出部100は、アイランドI上において、高さ方向(
図2の±Z方向)に延びる直方形状を有しており、車線方向の所定の位置において、車線の幅方向他方側を向くように設置されている。車両検出部100は、車両Aが、車線方向における車両検出部100が設置された位置(以下、車両検出位置D)に進入したことを検出するセンサである。
具体的には、車両検出部100には、一対の投光部E1(第一の投光部)及び受光部R1(第二の受光部)が、高さ方向に所定の間隔をあけて複数設けられている。
投光部E1は、車線の幅方向他方側(
図2の+Y側)に向かって、車線の路面に対して平行に検査光Q(第一の検査光)を投光する。なお、投光部E1は、例えば検査光Qとして赤外光を投光する半導体レーザである。また、投光部E1は、投光する方向が車線の幅方向(
図2の±Y方向)と平行となるように設けられている。
受光部R1は、車線上を走行する車両Aにより反射された検査光Qの反射光を受光することにより、複数の投光部E1から投光された検査光Qのそれぞれと関連付けられた検出信号を出力する。
【0017】
センサ部110は、
図2に示すように、アイランドI上において、高さ方向(
図2の±Z方向)に延びる直方形状に形成されている。また、センサ部110には、一対の投光部E2(第二の投光部)及び受光部R2(第二の受光部)が、高さ方向に所定の間隔をあけて複数設けられている。
【0018】
投光部E2は、車線の幅方向他方側(
図2の+Y側)に向かって、車線の路面に対して平行に検査光Pを投光する。なお、投光部E2は、例えば、検査光Pとして赤外光を投光する半導体レーザである。
また、本実施形態では、センサ部110は、投光部E2が車線の上流側(
図2の+X側)を向くように、車線方向及び車線の幅方向に対して傾斜して設置されている。これにより、投光部E2は、車線の幅方向(
図2の±Y方向)に対し、車線方向の上流側(
図2の+X側)に向かって傾斜した方向に所定波長の検査光Pを投光する。より具体的には、投光部E2は、
図1に示すように、車線の幅方向(
図1の±Y方向)に延びる車両検出位置D上、且つ、車線の幅方向中央の位置(車両検出位置Dと、車線の幅方向中央を示す中心線Cとが交わる位置)を通るように、車線方向(
図1の±X方向)に対して予め設定された傾斜角度θで傾斜して検査光Pを投光する。
更に、
図2に示すように、車両検出部100の投光部のそれぞれが投光する光とセンサ部110の投光部E2のそれぞれが投光する検査光Pとが、車両検出位置Dと車線の中心線Cとが交わる位置において交差するように、センサ部110の投光部E2のそれぞれの高さ方向(
図2の±Z方向)における位置が設定されている。このため、複数の投光部E2のそれぞれは、予め定められた順番で発光するとともに、異なる高さに検査光Pを投光する。
【0019】
受光部R2は、車線上を走行する車両Aにより反射された検査光Pの反射光を受光して、複数の投光部E2から投光された検査光Pのそれぞれと関連付けられた検出信号を出力する。
なお、本実施形態において、受光部R2は、検査光Pの反射光を受光しなかった場合、検出信号を出力しないものとするが、他の実施形態においては、受光しなかったことを示す検出信号を出力するようにしてもよい。
【0020】
また、センサ部110の筐体内部には、受光部R2が出力した検出信号に基づいて、車線上を走行する車両Aの車幅を計測する車幅演算部130が設けられている。車幅演算部130の機能構成については、後述する。
【0021】
反射部120は、
図1に示すように、壁部Wの車線の幅方向一方側(
図1の−Y側)を向く面において、投光部E2から投光される検査光Pの進行方向上に位置するように設けられている。
反射部120は、例えば鏡等で形成された板状の部材である。反射部120は、投光部E2のそれぞれから投光された検査光Pを、検査光Pのそれぞれに対応する検査光反射位置120Aにおいて正反射させる。即ち、反射部120は、車線の幅方向一方側(
図1の−Y側)且つ車線方向の下流側(
図1の−X側)から入射した検査光Pを、車線の幅方向他方側(
図1の+Y側)且つ車線方向の上流側(
図1の+X側)へ向かって反射させることにより、検査光Pの進行方向を変更する。なお、以下の説明において、入射した光の大部分が入射角と略同一の反射角で入射方向とは反対側に向かって反射した場合、正反射であるとみなす。また、投光部E2から投光された検査光Pのうち、反射部120に到達する前の検査光Pを検査光P1とも記載し、反射部120により進行方向が変更された検査光Pを検査光P2とも記載する。
このように、反射部120が検査光P1を正反射させて進行方向を変更することにより、車線の幅方向他方側(
図1の+Y側)を向く車両Aの側面(以下、第一側面)に検査光P2を照射することが可能となる。そして、反射部120は、車両Aの第一側面から反射された検査光P2の反射光を、受光部R2に向けて更に反射させる。
【0022】
(車幅計測装置の機能構成)
以下、本実施形態に係る車幅計測装置10の機能構成について、
図3〜
図7を参照して説明する。
図3は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の機能構成を示す図である。
図3に示すように、車幅計測装置10は、上述の車両検出部100、センサ部110、及び反射部120と、車幅演算部130とを備えている。
【0023】
車幅演算部130は、センサ部110の受光部R2が出力した検出信号に基づいて、車線上を走行する車両Aの車幅を計測する。
車幅演算部130は、
図3に示すように、距離算出部131と、車幅算出部132と、車両検出判定部135と、を有している。
【0024】
距離算出部131は、まず、センサ部110の受光部R2から出力された検出信号に基づいて、投光部E2より検査光Pが投光されてから、受光部R2が当該検査光P(検査光P1及びP2)の反射光を受信するまでにかかった時間を測定する。そして、距離算出部131は、測定した時間に基づいて、投光部E2から検査光Pが反射された反射位置までの検査光Pの飛行距離を算出する。距離算出部131は、算出した検査光Pの飛行距離を、検査光Pの反射光の検出結果として、車幅算出部132へ出力する。
車幅算出部132は、距離算出部131から出力された検査光Pの検出結果に基づいて、車両Aの車幅を算出する。
車両検出判定部135は、車両検出部100の受光部R1から出力された検出信号に基づいて、投光部E1から車両Aまでの距離を計測する。なお、車線上を車両Aが走行していない場合、投光部E1から投光された検査光Qは壁部Wにより反射され、受光部R1は壁部Wからの反射光を受光する。このとき、車両検出判定部135は、投光部E1から壁部Wまでの距離を予め記憶している。即ち、車両検出判定部135は、検出した距離が投光部E1から壁部Wまでの距離である場合、車両Aを検出していないと判定する。一方、車両検出判定部135は、検出した距離が投光部E1から壁部Wまでの距離よりも短い場合、車両Aが車両検出位置Dを通過中であると判定する。また、車両検出部100は、車両Aが車両検出位置Dを通過中であると判定している間、距離算出部131へ車両Aを検出したことを示す検出信号を出力する。
【0025】
図4は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の機能を説明するための第1の図である。
図5は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の機能を説明するための第2の図である。
図6は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の機能を説明するための第3の図である。
図7は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の機能を説明するための第4の図である。
以下、
図1及び
図4〜
図7を参照して、距離算出部131が投光部E2から反射位置までの検査光Pの飛行距離を算出する処理について説明する。
図4のグラフは、距離算出部131が算出した飛行距離を時系列に示す例であり、横軸は時間、縦軸は検査光Pの飛行距離を示す。
図4の「t0」の時点では、
図1のように、センサ部110による車両の検出範囲、即ち、車線上の検査光Pが投光されている範囲に車両Aが進入していない。この場合、「t0」の時点において投光部E2から投光された検査光P1は、反射部120に反射されて検査光P2として車線方向の上流側(
図1の+X側)へ進行するが、車線上には検査光P2を反射させるものがないため、複数の受光部R2の何れも検査光P1及び検査光P2の反射光を受光しない。このように、全ての受光部R2から検知信号が出力されない場合、距離算出部131は「t0」の時点における検査光Pの飛行距離の値に無限大(∞)を設定する。
【0026】
また、
図4の「t1」の時点において、車両Aが検査光P(検査光P2)が投光されている範囲に車両Aが進入したとする。この場合、「t1」の時点において投光部E2から投光された検査光P1は、反射部120に反射されて検査光P2として車線方向の上流側(
図1の+X側)へ進行し、例えば車両Aの前面(車線方向の下流側を向く面)上の反射位置において反射される。受光部R2は、当該検査光P2の反射光を受光して検知信号を出力する。距離算出部131は、受光部R2から出力された検知信号に基づいて、検査光P1が投光されてから、当該検査光P1(検査光P2)の反射光を受光するまでの時間を測定する。そして、測定した時間に基づいて、投光部E2から車両Aの前面までの検査光P(検査光P1及びP2)の飛行距離を算出する。
【0027】
また、
図4の「t2」の時点において、
図5に示すように、車両Aの第一側面に検査光P2が照射される位置に車両Aが到達したとする。「t2」の時点において投光部E2から投光された検査光P1は、反射部120に反射されて検査光P2として車線方向の上流側(
図5の+X側)へ進行し、車両Aの第一側面上の反射位置において反射される。距離算出部131は、上記と同様の処理を行い、投光部E2から車両Aの第一側面上の反射位置までの検査光P(検査光P1及びP2)の飛行距離を算出する。このとき距離算出部131が算出する検査光Pの飛行距離は、投光部E2から反射部120(検査光反射位置120A)までの距離L1と、反射部120(検査光反射位置120A)から車両Aの第一側面上の反射位置までの距離L2とが合算された値(L1+L2)である。
【0028】
また、
図4の「t3」の時点において、車両Aの前面に検査光P1が照射される位置に、車両Aが到達したとする。「t3」の時点において投光部E2から投光された検査光P1は、反射部120に到達する前に、車両Aの前面上の反射位置において反射される。このとき距離算出部131が算出する検査光P(検査光P1)の飛行距離は、投光部E2から車両の前面上の反射位置までの距離となり、投光部E2から反射部120(検査光反射位置120A)までの距離L1よりも小さい値となる。
【0029】
また、
図4の「t4」の時点において、
図6に示すように、車両Aが車両検出位置Dに到達したことを車両検出判定部135が検出したとする。
「t4」の時点において投光部E2から投光された検査光P1は、車両Aの前面上の反射位置において反射される。このとき距離算出部131が算出する検査光Pの飛行距離は、投光部E2から車両の前面上の反射位置までの距離L3である。
【0030】
また、
図4の「t5」の時点において、
図7に示すように、車線の幅方向一方側(
図7の−Y側)における車両Aの側面(以下、第二側面)に検査光P1が照射される位置に、車両Aが到達したとする。「t5」の時点において投光部E2から投光された検査光P1は、反射部120に到達せず、車両Aの第二側面上の反射位置において反射される。このとき距離算出部131が算出する検査光P(検査光P1)の飛行距離は、投光部E2から車両の第二側面上の反射位置までの距離L4であり、距離算出部131が算出する検査光Pの飛行距離の値のうち最も小さい値となる。
【0031】
また、
図4の「t6」の時点において、車両Aが検査光P1の照射範囲よりも車線方向の下流側に通過したとする。「t6」の時点において投光部E2から投光された検査光P1は、「t0」の時点における検査光P1と同様に、反射部120に反射されて検査光P2として車線方向の上流側へ進行する。このとき、車線上には検査光P1及び検査光P2を反射させるものがないため、複数の受光部R2の何れも当該検査光P1及び検査光P2の反射光を受光しない。このように、全ての受光部R2から検知信号が出力されない場合、距離算出部131は「t6」の時点における検査光Pの飛行距離の値に無限大(∞)を設定する。
【0032】
なお、受光部R2は、例えば「t2」の時点において複数の投光部E2が投光した検査光P1のそれぞれと関連付けられた複数の検出信号を出力する。距離算出部131は、複数の検出信号のそれぞれに基づいて、「t2」の時点における検査光Pの飛行距離を複数算出する。このとき、検査光Pはそれぞれ異なる高さで投光されるため、車両Aの第一側面に凹凸がある場合、検査光Pの飛行距離の算出結果にばらつきが生じる可能性がある。この場合、距離算出部131は、有効値(無限大以外の値)である算出結果のうち、例えば、最も最も大きい値を選択して、「t2」の時点における検査光Pの飛行距離として車幅算出部132へ出力してもよいし、有効値である算出結果を平均して当該時点における検査光Pの飛行距離としてもよい。
【0033】
車幅算出部132は、距離算出部131から出力された検査光Pの検出結果(各時点における検査光Pの飛行距離)に基づいて、車両Aの車幅を算出する。
図4の例では、車幅算出部132は、検査光Pの飛行距離の値が無限大(∞)以外となる「t1」から「t6」までの期間における複数の検出結果が、一台の車両に関連付けられたものであると判断する。
【0034】
また、車両検出判定部135は、距離算出部131が算出した各時点における検査光Pの飛行距離に基づいて、車両Aの前進及び後進を検出する。
例えば、車両Aが車線上を前進(
図1の−X方向に向かって走行)した場合、車両検出判定部135は、車両Aが車両検出位置Dに到達したことを検出するタイミング、即ち、「t4」よりも前の時刻(「t1」〜「t4」の期間)において距離L3よりも長い飛行距離を検出し、且つ、「t4」よりも後の時刻(「t4」〜「t5」の期間)において距離L3よりも短い飛行距離を検出する。一方、車両Aが車両検出位置Dに到達した後に後進を行った場合、車両検出判定部135は、「t4」よりも後の時刻において、距離L3よりも長い飛行距離を検出する。車両検出判定部135は、このように、車両Aが車両検出位置Dに到達したタイミング(「t4」)の前後の時刻における飛行距離に基づいて、車両Aが前進して車両検出位置Dを通過(
図1の−X方向に通過)したか、後進して車両検出位置を退出(
図1の+X方向に退出)したかを判定することができる。
また、車両Aが車線上を前進(
図1の−X方向に向かって走行)している場合、
図4に示すように、「t1」〜「t2」の期間では飛行距離が減少し、「t2」〜「t3」の期間(
図5に示すように車両Aの第一側面において検査光Pが反射される期間)では飛行距離が略一定となる。そして、車両検出判定部135が「t3」の時点において車両Aが車両検出位置Dに到達したことを検出すると、「t3」〜「t5」の期間では飛行距離が減少し、「t5」〜「t6」の期間(
図7に示すように車両Aの第二側面において検査光Pが反射される期間)では飛行距離が略一定となるような計測パターンが得られる。車両検出判定部135は、上記のような計測パターンとは異なる飛行距離が算出された場合(例えば「t2」〜「t3」の期間において、飛行距離が増加した場合、飛行距離の値が無限大となった場合等)、車両Aが後進(
図1の+X方向に向かって走行)したと判定するようにしてもよい。
例えば、収受員が常駐して通行料金の収受を行う車線(一般車線)と、電子式料金収受システムが設けられた車線(ETC専用車線)との複数の車線を有する料金所がある。このような料金所において、車載器を搭載していない車両Aが誤ってETC専用車線に進入した場合、一旦後進して一般車線に入り直す場合がある。このとき、車両検出部100が車両Aを検出した後に当該車両が後進してETC専用車線を退出したことを検出できないと、当該ETC専用車線に設置された電子式料金収受システムにおいて誤った課金処理が行われてしまう可能性がある。このため、本実施形態のように、車両検出判定部135は、車両Aの前進及び後進を検出して、車両Aが料金所を前進して通過したのか、後進して退出したのかを判断する。これにより、車両検出判定部135は、電子式料金収受システムにおいて誤った課金処理が行われることを防止することができる。
また、車両検出判定部135が車両Aが後進したと判定した場合、例えば、車幅算出部132は車両Aが後進中に算出された飛行距離を除外して車幅の算出を行う。これにより、車両Aの挙動により車幅の算出結果が不正確となることを防ぐことができる。
【0035】
(車幅計測装置の処理フロー)
図8は、第1の実施形態に係る車幅計測装置の処理フローを示す図である。
以下、
図8を参照して、車幅算出部132が車幅を算出する処理について説明する。
まず、車幅算出部132は、距離算出部131が算出した各時点における検査光Pの飛行距離から、投光部E2から車両Aの第一側面までの検査光Pの飛行距離を示す「第一の検出結果」を特定する(ステップS101)。
本実施形態では、車幅算出部132には、投光部E2から反射部120(検査光反射位置120A)までの実際の距離を測定した値である距離L1(
図5)が予め入力されている。車幅算出部132は、距離L1よりも大きい値を有する検査光Pの飛行距離の集団のうち、最も小さい値を有する検査光Pの飛行距離を、投光部E2から車両Aの第一側面上の反射位置までの検査光Pの飛行距離を示す「第一の検出結果」として抽出する。
図4の例では、車幅算出部132は、「t1」から「t3」までの期間において、距離L1よりも大きい値が算出されており、この中で最も小さい値となるのは、「t2」から「t3」までの期間において算出された「L1+L2」である。車幅算出部132は、当該検査光Pの飛行距離「L1+L2」を「第一の検出結果」として特定する。
【0036】
次に、車幅算出部132は、距離算出部131が算出した各時点における検査光Pの飛行距離から、投光部E2から車両Aの第二側面までの検査光Pの飛行距離を示す「第二の検出結果」を特定する(ステップS102)。
車幅算出部132は、距離L1よりも小さい値を有する検査光Pの飛行距離の集団のうち、最も小さい値を有する検査光Pの飛行距離を、投光部E2から車両Aの第二側面までの検査光Pの飛行距離を示す「第二の検出結果」として抽出する。
図4の例では、車幅算出部132は、「t3」から「t6」までの期間において、距離L1よりも小さい値が算出されており、この中で最も小さい値となるのは、「t5」から「t6」までの期間において算出された「L4」である。車幅算出部132は、当該検査光Pの飛行距離「L4」を「第二の検出結果」として特定する。
【0037】
なお、車両Aの車体は凹凸がある場合、車両Aの第一側面の反射位置に応じて、検査光Pの飛行距離にばらつきが生じる可能性がある。このため、車幅算出部132は、距離L1よりも大きい値を有する検査光Pの飛行距離の集団のうち、最小値から所定の誤差範囲内(例えば10cm以内)の値を有する検査光Pの飛行距離を抽出し、抽出した集団の平均値を「第一の検出結果」として特定してもよい。また、車幅算出部132は、「t1」から「t6」までの期間における検出結果に統計処理を施し、標準偏差に基づいて距離L1以上の値を有する集団内の最小値集団を抽出するとともに、抽出した集団の平均値を「第一の検出結果」として特定するようにしてもよい。「第二の検出結果」についても同様である。
【0038】
次に、車幅算出部132は、
図5に示すように、「第一の検出結果」に基づいて、反射部120から車両Aの第一側面までの車線の幅方向における距離Y2を算出する(ステップS103)。
まず、車幅算出部132は、「第一の検出結果」に基づいて、反射部120(検査光反射位置120A)から車両Aの第一側面までの検査光Pの飛行距離L2を算出する。上述のように、投光部E2から反射部120(検査光反射位置120A)までの距離L1は予め車幅算出部132に入力されているため、車幅算出部132は、「第一の検出結果」が示す検査光P(検査光P1及びP2)の飛行距離から距離L1(検査光P1の飛行距離)を減じた値を、距離L2(検査光P2の飛行距離)の値として算出する。
そして、車幅算出部132は、距離L2に基づいて、車両Aの第一側面と反射部120との間の水平距離Y2を算出する。上述のように、投光部E2は、車線方向に対して予め設定された傾斜角度θで傾斜して検査光P1を投光している。このため、反射部120により正反射された検査光P2の進行方向も、車線方向に対して同一の傾斜角度θで傾斜している。車幅算出部132は、当該傾斜角度θと、距離L2とに基づいて、距離Y2を以下の数式(1)により算出する。
Y2=L2×sinθ ・・・(1)
【0039】
次に、車幅算出部132は、
図7に示すように、「第二の検出結果」に基づいて、投光部E2から車両Aの第二側面までの車線の幅方向における距離Y3を算出する(ステップS104)。
車幅算出部132は、「第二の検出結果」が示す投光部E2から車両Aの第一側面までの検査光Pの飛行距離L4と、検査光Pの傾斜角度θとに基づいて、距離Y3を以下の数式(2)により算出する。
Y3=L4×sinθ ・・・(2)
【0040】
次に、車幅算出部132は、車両Aの車幅を算出する(ステップS105)。
本実施形態では、車幅算出部132には、投光部E2から反射部120までの車線の幅方向における実際の距離を測定した値である距離Y1(
図5)が予め入力されている。車幅算出部132は、距離Y1から、算出した距離Y2及び距離Y3を減じることにより、車両Aの車幅を算出する。
【0041】
(車幅計測装置のハードウェア構成)
図9は、第1の実施形態に係る車幅計測装置のハードウェア構成を示す図である。
以下、
図9を参照して、車幅計測装置10のハードウェア構成について説明する。
【0042】
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
上述の車幅計測装置10の車幅演算部130は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した車幅計測装置10の車幅演算部130の動作は、プログラムの形式でそれぞれのコンピュータ900が有する補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、車幅計測装置10がセンサ部110を介して取得した各種データ(検知信号等)、車幅演算部130が車幅の計測に伴い算出した各種データ等を記憶する記憶領域(不図示)を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
なお、コンピュータ900は、入出力インタフェース904を介して、外部記憶装置910と接続されており、上記車幅計測装置10の記憶領域(不図示)は、外部記憶装置910に確保されてもよい。また、コンピュータ900は、通信インタフェース905を介して、外部記憶装置920と接続されており、上記車幅計測装置10の記憶領域(不図示)は、外部記憶装置920に確保されてもよい。
【0043】
なお、少なくとも一つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、入出力インタフェース904を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。
【0044】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0045】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る車幅計測装置10は、車線の幅方向に検査光Q(第一の検査光)を投光可能な投光部E1(第一の投光部)、及び投光部E1と対となるように設けられ、検査光Qの反射光を受光可能な受光部R1(第一の受光部)を有する車両検出部100(第一の車両検出部)と、検査光Qの反射光に基づいて、検査光Qが投光される車両検出位置Dにおいて車線を通過する車両Aを検出する車両検出判定部135と、車線の幅方向一方側に設けられ、車線の幅方向に対し車線方向に向かって傾斜して検査光P(第二の検査光)を投光可能な投光部E2(第二の投光部)、及び車線の幅方向一方側に投光部E2と対となるように設けられ、検査光Pの反射光を受光可能な受光部R2(第二の受光部)を有するセンサ部110(第二の車両検出部)と、車線の幅方向他方側に設けられ、投光部E2から投光された検査光Pを正反射させて検査光Pの進行方向を変更する反射部120と、受光部R2が受光した複数の反射光の検出結果のうち、反射部120を介して車線の幅方向他方側における車両Aの第一側面からの反射光を検出した第一の検出結果と、車線の幅方向一方側における車両Aの第二側面からの反射光を検出した第二の検出結果とに基づいて、車両Aの車幅を計測する車幅算出部132と、を備える。
このようにすることで、車幅計測装置10は、車両Aの第一側面及び第二側面から反射されるそれぞれの反射光に基づいて、車両Aの車幅を計測することができる。また、車幅計測装置10は、車線の幅方向他方側に検査光Pを正反射する反射部120のみを設置するコンパクトな構成であるため、設置スペースが限られている料金所であっても設置可能である。
更に、車両検出判定部135は、検査光Qの反射光に基づく車両Aの検出結果と、検査光Pの反射光の検出結果とに基づいて、車両Aが後進を行ったか否かを判定することができる。
例えば車両AがETC専用車線に進入した後、後進して他の車線(一般車線)に入り直した場合、当該ETC専用車線に設置された電子式料金収受システムにおいて誤った課金処理が行われてしまう可能性がある。しかしながら、車両検出判定部135が車両Aの後進を検出することにより、電子式料金収受システムにおいて誤った課金処理が行われることを防ぐことができる。
また、車両検出判定部135が車両Aの後進を検出した場合、例えば、車幅算出部132は車両Aが後進中に算出された飛行距離を除外して車幅の算出を行う。これにより、車両Aの挙動により車幅の算出結果が不正確となることを防ぐことができる。
【0046】
また、車幅算出部132は、複数の反射光の検出結果に基づいて、投光部E2から検査光Pが車両Aにより反射された反射位置までの距離を算出する距離算出部131を有する。車幅算出部132は、投光部E2から反射位置までの距離が投光部E2から反射部120までの距離L1よりも大きい検出結果のうち、最も小さい値を有する検出結果を「第一の検出結果」として選択し、投光部E2から反射位置までの距離が投光部E2から反射部120までの距離L1よりも小さい検出結果のうち、最も小さい値を有する検出結果を「第二の検出結果」として選択する。
このようにすることで、距離算出部131は、投光部E2が検査光Pを投光した各タイミングにおける反射位置までの距離(検出結果)をそれぞれ算出することができる。そして、車幅算出部132は、投光部E2から反射部120までの距離L1と、距離算出部131が算出した投光部E2から車両A上の反射位置までの距離とに基づいて、距離算出部131が算出した複数の検出結果のうち、車両Aの第一側面から反射された反射光の検出結果を示す第一の検出結果と、車両Aの第二側面から反射された反射光の検出結果を示す第二の検出結果とを選択することが可能である。
【0047】
なお、本実施形態では、車幅算出部132が、距離L1よりも大きい(小さい)値を有する検査光Pの飛行距離の集団のうち、最も小さい値を有する検査光Pの飛行距離を「第一の検出結果(第二の検出結果)」として特定する態様について説明したが、これに限られることはない。車幅算出部132は、距離L1よりも大きい(小さい)値を有する検査光Pの飛行距離の集団のうち、一定時間以上、同一の値が連続した場合、この値を「第一の検出結果(第二の検出結果)」として特定するようにしてもよい。このとき、車幅算出部132は、車両の凹凸を考慮して、所定の誤差範囲内(例えば10cm以内)であれば同一の値であると判断する。
【0048】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る車幅計測装置10について、
図10〜
図12を参照して説明する。
第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
本実施形態では、車幅演算部130の機能構成が第1の実施形態とは異なっている。
【0049】
(車幅計測装置の機能構成)
以下、本実施形態に係る車幅計測装置10の機能構成について、
図10〜
図12を参照して説明する。
図10は、第2の実施形態に係る車幅計測装置の機能構成を示す図である。
図10に示すように、本実施形態に係る車幅演算部130は、誤差算出部133を更に有している。
第一の実施形態では、距離算出部131が受光部R2から出力された検出信号のみに基づいて検査光Pの飛行距離を算出しているため、この算出結果には計測誤差が含まれる可能性がある。このため、本実施形態に係る車幅演算部130は、このような計測誤差を誤差算出部133により算出して、計測誤差を反映した車幅を計測する。
【0050】
図11は、第2の実施形態に係る車幅計測装置の機能を説明するための図である。
図12は、第2の実施形態に係る車幅計測装置の処理フローを示す図である。
以下、
図11〜
図12を参照して、車幅計測装置10が計測誤差を考慮して車幅を計測する処理について説明する。
まず、誤差算出部133には、投光部E2から車両検出位置Dと中心線Cとの交点までの実際の距離を測定した値である距離L5(
図11)が予め入力されている。
また、誤差算出部133は、
図11に示すように、車両検出部100が車両Aを検出した時点(車両Aが車両検出位置Dに到達した時点)における検査光Pの飛行距離(第三の検出結果)を、基準距離L5’として取得する(ステップS201)。
【0051】
次に、誤差算出部133は、実際の距離L5と基準距離L5’との差ΔL5を、計測誤差として算出し、車幅算出部132へ出力する(ステップS202)。
なお、誤差算出部133は、基準距離L5’に対する実際の距離L5の比例係数α(「α=L5/L5’」)を、計測誤差として算出してもよい。
また、誤差算出部133は、基準距離L5’と、検査光P1の傾斜角度θとに基づいて、車線方向における投光部E2から車両Aの前面までの距離X’を算出するようにしてもよい。この場合、誤差算出部133には、車線方向における投光部E2から車両検出位置Dまでの実際の距離を測定した値である距離Xが予め入力されている。そして、誤差算出部133は、算出した距離X’と実際の距離Xとに基づいて、計測誤差(距離Xと距離X’との差ΔX、または、距離X’に対する距離Xの比例係数「α=X/X’」)を算出するようにしてもよい。
【0052】
次に、車幅算出部132は、距離算出部131が算出した検査光Pの飛行距離(検出結果)と、誤差算出部133が算出した計測誤差とに基づいて、第一の検出結果(
図4及び
図5の「L1+L2」)及び第二の検出結果(
図4及び
図7の「L4」)を修正する(ステップS203)。
車幅算出部132は、誤差算出部133が実際の距離L5と基準距離L5’との差ΔL5を計測誤差として算出した場合、第一の検出結果(「L1+L2」)及び第二の検出結果(L4)のそれぞれからΔL5を減じることにより、第一の検出結果及び第二の検出結果を修正する。
また、車幅算出部132は、誤差算出部133が基準距離L5’に対する実際の距離L5の比例係数αを、計測誤差として算出した場合、第一の検出結果及び第二の検出結果のそれぞれに比例係数αを乗じることにより、第一の検出結果及び第二の検出結果を修正する。
【0053】
次に、車幅算出部132は、修正後の第一の検出結果及び第二の検出結果に基づいて、車両Aの車幅を算出する(ステップS204)。なお、車幅算出部132がステップS204において行う処理は、第1の実施形態の車幅算出部132の処理(ステップS103〜S105)と同様である。
【0054】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る車幅計測装置10において、投光部E2は、車両検出位置Dと車線上で交わるように検査光Pを投光する。車幅算出部132は、車両検出部100が車両Aを検出したときに距離算出部131が算出した検査光Pの飛行距離を第三の検出結果として取得し、投光部E2から検査光Pと車両検出位置Dとが交わる位置までを予め測定した距離L5と、第三の検出結果(距離L5’)とに基づいて、距離算出部131が算出した検査光Pの飛行距離の計測誤差を算出する誤差算出部133を更に有する。
このようにすることで、誤差算出部133は、予め測定された投光部E2から検査光Pと車両検出位置Dとが交わる位置までの距離L5と、距離算出部131が算出した投光部E2から検査光Pと車両検出位置Dとが交わる位置までの距離L5’とを比較して、距離算出部131が算出した検査光Pの飛行距離の計測誤差を算出することができる。車幅算出部132は、当該計測誤差を反映させて車両Aの車幅を計測することにより、車幅の計測結果の精度を向上させることができる。
【0055】
<その他の実施形態>
以下、その他の実施形態として、上述の第1及び第2の実施形態に係る車幅計測装置10に代えて、車両Aまでの距離を計測する距離計測装置10Aについて説明する。
図13は、その他の実施形態に係る距離計測装置の機能構成を示す図である。
図13に示すように、本実施形態に係る距離計測装置10Aは、上述の実施形態に係る車幅計測装置10と同様に、車両検出部100と、投光部E2及び受光部R2を有するセンサ部110とを備えている。車両検出部100及びセンサ部110の機能構成は、上述の実施形態に係る車幅計測装置10と同様である。
また、距離計測装置10Aは、上述の実施形態に係る車幅計測装置10の車幅演算部130に代えて、距離演算部130Aを備えている。
なお、本実施形態に係る距離計測装置10Aは、投光部E2から車両Aの前面または第二側面上の反射位置までの検査光Pの飛行距離を計測する。このため、本実施形態では、
図13に示すように、反射部120を省略してもよい。また、本実施形態に係る距離計測装置10Aは、計測した検査光Pの飛行距離を、有線ネットワークで接続された車種判別装置(不図示)等に出力するようにしてもよい。車種判別装置は、距離計測装置10Aが計測した検査光Pの飛行距離を、例えば、車種を特定するための車両情報(車長、車幅、車高等)を特定するための情報として用いる。
【0056】
距離演算部130Aは、センサ部110の受光部R2が出力した検出信号に基づいて、投光部E2から、車線上を走行する車両Aまでの距離を計測する。
距離演算部130Aは、
図13に示すように、距離算出部131と、誤差算出部133と、距離出力部134とを有している。
距離算出部131及び誤差算出部133は、上述の第2の実施形態に係る距離算出部131及び誤差算出部133と同様の機能を有している。
距離出力部134は、距離算出部131が算出した検査光Pの飛行距離(検出結果)と、誤差算出部133が算出した計測誤差とに基づいて、各時点における投光部E2から車両A上の反射位置までの検査光Pの飛行距離を修正する。そして、距離出力部134は、修正した検査光Pの飛行距離を、車種判別装置(不図示)等に出力する。
このような構成を有することにより、距離計測装置10Aは、誤差算出部133が算出した計測誤差を反映して、検査光Pの飛行距離の計測精度を向上させることができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、第1の実施形態において、車幅計測装置10が車両検出部100を備える態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、車両検出部100を省略しても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0058】
また、第1の実施形態では、車幅演算部130が、センサ部110の受光部R2の検出信号に基づいて、投光部E2と車両Aの第二側面との間の車線の幅方向における距離Y3を算出する態様について説明したが、これに限られることは無い。例えば、車幅演算部130は、受光部R2の検出信号に代えて、車両検出部100の検出信号に基づいて、車両検出部100から車両Aの第二側面までの車線の幅方向における距離Y3’として取得するようにしてもよい。この場合、車幅算出部132には、車両検出部100から反射部120までの車線の幅方向における実際の距離を測定した値である距離Y1’が予め入力されている。そして、車幅算出部132は、距離Y1から、算出した距離Y2及び距離Y3を減じることにより、車両Aの車幅を算出する。