(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記枠体が、前記遮蔽材を下方に支持した状態で、前記枠体を支持し天井面に固定可能とするブラケットを用い、前記ブラケットに対して取り付けられる固定金具を介して壁面に固定されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
前記遮光フィンが、前記遮蔽材又は該遮蔽材に対する錘部材に当接した際に、回動するよう前記係止部に係止されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
前記遮光フィンが前記係止部に回動可能に係止され、前記遮光フィンの可動域が前記枠体を取付面に取着するのに用いるブラケット又は該取付面に対し当接しない範囲となるよう規制されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1に開示される技法では、当該隙間防止部材により巻取軸と枠体(例えばロールスクリーンであれば取付フレーム)の下面との間の隙間を塞ぐことができるため、スクリーンを下降させて遮蔽状態としているときの遮光性を高めることができる点で有効である。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示される技法では、枠体の下面に取着された当該隙間防止部材は、錘部材(ウェイトバー)の衝突で破損するおそれのある構造をしており、改善の余地がある。また、スクリーンを比較的硬質な材料を用いて構成すると、このスクリーンが当該隙間防止部材に接触した際に、その接触音が操作者に不快感を生じさせることもあり、改善の余地がある。
【0008】
更に、特許文献1に開示される技法では、当該遮光機能を有する隙間防止部材(以下、「遮光フィン」と称する)の基端縁を遮蔽装置の枠体(例えばロールスクリーンであれば取付フレーム)の下面に取着する必要があるため、当該遮光フィンを遮蔽装置の枠体へ容易に取り付けることができず、組付性の観点で改善の余地がある。
【0009】
また、遮光フィンを遮蔽装置の枠体に取り付けた際に、その意匠性や操作性を損なうことが無い態様で品質を維持する形態とするには更なる工夫が必要となる。
【0010】
特に、同一の遮光フィンを種々の遮蔽装置の枠体に取り付け可能とすることも考慮して、遮蔽装置の操作性や品質、或いは意匠性に悪影響を及ぼすことが無い形状の遮光フィンが望まれる。
【0011】
また、仮に貼着等で遮光フィンに所定の生地を取着しようとすると、撓みが生じ意匠性を損なう点や、その取着を如何にして容易にするかという問題が生じる。
【0012】
更に、従来技法に基づいてロールスクリーンを正面付けする場合では、そのロールスクリーンに対し遮光フィンを取り付けることができなかったという課題がある。
【0013】
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、意匠性や操作性を向上させ、所定の生地を容易に取着可能とした遮光フィンを有する遮蔽装置を提供することにある。
【0014】
更に、本発明の別の目的は、壁面に正面付け可能とした、遮光フィンを有するロールスクリーンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による第1態様の遮蔽装置は、遮蔽材の開閉を可能とする遮蔽装置であって、前記遮蔽材を開閉可能に支持する開閉支持手段と、前記開閉支持手段を支持する枠体と、前記枠体と前記開閉支持手段との間から入射する外光を遮蔽する遮光フィンとを備え、前記枠体に前記遮光フィンを係止するための係止部が設けられ、前記遮光フィンは、所定の生地の上端を掴持するための弾性変形可能な掴持手段を備え
、前記掴持手段の左右両端部の部分的に、当該所定の生地を狭圧するための、永久変形を伴う狭圧部、着脱可能で弾性変形可能な狭圧部材、及び外的な押圧で弾性変形可能な狭圧部位のうち少なくとも1つ以上が設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明による第1態様の遮蔽装置において、前記遮光フィンは、前記掴持手段の一部を変形させて当該所定の生地の上端を掴持するよう構成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による第
2態様の遮蔽装置
は、
遮蔽材の開閉を可能とする遮蔽装置であって、前記遮蔽材を開閉可能に支持する開閉支持手段と、前記開閉支持手段を支持する枠体と、前記枠体と前記開閉支持手段との間から入射する外光を遮蔽する遮光フィンとを備え、前記枠体に前記遮光フィンを係止するための係止部が設けられ、前記遮光フィンは、所定の生地の上端を掴持するための弾性変形可能な掴持手段を備え、前記遮光フィンは、前記掴持手段により掴持した際の当該所定の生地の下端のバタツキを抑制且つ圧接しない凹部を備えることを特徴とする。
【0020】
また、本発明による第1及び第2態様の遮蔽装置において、前記掴持手段は、正面又は側方からの挿し込みにより当該所定の生地を保持可能に構成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による第1及び第2態様の遮蔽装置において、前記枠体が、
前記遮蔽材を下方に支持した状態で、前記枠体を支持し天井面に固定可能とするブラケットを用い、前記ブラケットに対して取り付けられる固定金具を介して壁面に固定されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明による第1及び第2態様の遮蔽装置において、前記遮光フィンが、前記遮蔽材又は該遮蔽材に対する錘部材に当接した際に、回動するよう前記係止部に係止されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明による第
3態様の遮蔽装置
は、
遮蔽材の開閉を可能とする遮蔽装置であって、前記遮蔽材を開閉可能に支持する開閉支持手段と、前記開閉支持手段を支持する枠体と、前記枠体と前記開閉支持手段との間から入射する外光を遮蔽する遮光フィンとを備え、前記枠体に前記遮光フィンを係止するための係止部が設けられ、前記遮光フィンは、所定の生地の上端を掴持するための弾性変形可能な掴持手段を備え、前記遮光フィンが前記係止部に回動可能に係止され、前記遮光フィンの可動域が前記遮蔽材又は該遮蔽材に対する錘部材と当接しない範囲となるよう規制されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明による第1乃
至第
3態様の遮蔽装置において、前記遮光フィンが前記係止部に回動可能に係止され、前記遮光フィンの可動域が前記枠体を取付面に取着するのに用いるブラケット又は該取付面に対し当接しない範囲となるよう規制されていることを特徴とする。
【0028】
また、本発明による第
4態様の遮蔽装置
は、
遮蔽材の開閉を可能とする遮蔽装置であって、前記遮蔽材を開閉可能に支持する開閉支持手段と、前記開閉支持手段を支持する枠体と、前記枠体と前記開閉支持手段との間から入射する外光を遮蔽する遮光フィンとを備え、前記枠体に前記遮光フィンを係止するための係止部が設けられ、前記遮光フィンは、所定の生地の上端を掴持するための弾性変形可能な掴持手段を備え、前記遮蔽材の開閉動作を行う操作コードに移動制限部材が設けられ、前記遮光フィンと遮蔽材に対する錘部材とが当接しないよう規制されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、意匠性や操作性を向上させ、所定の生地を容易に取着可能とした遮光フィンを有する遮蔽装置を構成することができる。また、本発明に係る遮光フィンをロールスクリーンに取着した際に、スクリーンを比較的硬質な材料を用いて構成した場合でも、そのスクリーンが当該遮光フィンへ接触しないか、又は接触した場合でもその接触負荷を軽減させることで、当該接触音等の悪影響を除去又は軽減させることができる。
【0041】
更に、本発明によれば、固定金具を用いることで遮光フィンを有する遮蔽装置を壁面に正面付けすることができる。特に、正面付けされた本発明に係るロールスクリーンは、巻取パイプと枠体との間の隙間を遮蔽するためのフィンにより、巻き取られているスクリーン上に埃が積もらないため、使用時に埃が飛散しないものとすることができ、更に、枠体近傍のスクリーンに対する直接光を確実に防止でき、スクリーンに対する耐色性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1を説明する。尚、本願明細書中、
図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、図示上方及び図示下方をスクリーン4の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をロールスクリーン1の左側、及び、図示右方向をロールスクリーン1の右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、
図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とし、ロールスクリーン1の前後方向と称するときは、
図1の正面図における図示面に対して垂直な方向を云う。
【0044】
(全体構成)
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の構成を説明する。
図1は、本発明に係るロールスクリーン1の概略構成を示す正面図であり、
図2は、本発明に係るロールスクリーン1の側面透視図である。
【0045】
図1に示すロールスクリーン1では、取付フレーム2の両端に支持部材2a,2bが固定され、その支持部材2a,2bには軸部材11が固定されており、この軸部材11から延びる固定軸(図示せず)によって、支持部材2a,2b間に円筒状の巻取パイプ3が回転可能に支持される。取付フレーム2は、ブラケット6により取着面に固定される。各支持部材2a,2bは、サイドカバー10によって収容され、後述するが、その意匠性と、遮光フィン9の回動動作に関する機能性を向上させている。
【0046】
巻取パイプ3の右端部には操作プーリー8が設けられ、この操作プーリー8に掛回される無端状の操作コード7が垂下されている。本例では、この操作コード7をボールチェーンで構成し、このボールチェーンが掛回される操作プーリー8の表面を、そのボールチェーンのボール部に適合する形状の凹凸を有するように構成している。そして、操作コード7の操作により巻取パイプ3を回転操作可能としている。また、ボールチェーンで構成した操作コード7は、コード連結部材7aによりコード端部が連結されて無端状となっている。尚、操作コード7を紐状とし、この操作コード7が掛回される操作プーリー8の表面を高摩擦性の表面形状としてもよい。
【0047】
巻取パイプ3は、スクリーン4の一端を取着してスクリーン4を巻き取り、又は巻き戻し可能に吊下支持している。スクリーン4の他端は、錘部材として機能するウェイトバー5に取着されている。従って、スクリーン4はウェイトバー5の重量に基づいて張設される。尚、本実施形態の例では、スクリーン4は巻取パイプ3の室外側から垂下されている(
図2参照)。
【0048】
そして、操作コード7を操作して巻取パイプ3をスクリーン巻取り方向へ回転させるとウェイトバー5が上昇し、巻取パイプ3をスクリーン巻戻し方向へ回転させるとウェイトバー5が下降する。尚、ボールチェーンで構成した操作コード7上には移動制限部材12を取着することができ、この移動制限部材12により操作プーリー8等に当接させてその回転を停止させることができ、ウェイトバー5の上限位置が定める形態とすることもできる。
【0049】
また、巻取パイプ3内において、その左端側にはスクリーン4の巻上時の操作力を軽減するスプリングモーター、右端側にはスクリーン4の自重降下を防止するストッパー装置等が収容されている(図示せず)。
【0050】
ここで、本発明に係るロールスクリーン1では、所定の生地13を容易に取着可能とした構造を有する遮光フィン9が取付フレーム2の前側(正面側)に取着され、巻取パイプ3と取付フレーム2との間で生じる隙間からの光漏れを効果的に遮蔽するようになっている。
図2に示すように、詳細は後述するが、取付フレーム2の正面側に設けられている軸受部20に遮光フィン9の軸部91が係合しており、これにより遮光フィン9は、取付フレーム2の前側(正面側)で所定の範囲内で回動可能に支持される。以下、一実施例の遮光フィン9について詳細に説明する。
【0051】
(遮光フィンの構成)
図3には、本実施形態のロールスクリーン1における一実施例の遮光フィン9の構成を示している。また、
図4は、本実施形態のロールスクリーン1における一実施例の遮光フィン9周辺の概略構成を示す分解斜視図である。
【0052】
図3及び
図4を共に参照するに、遮光フィン9は、全体として略L字状の断面形状を有しており、取付フレーム2の前側(正面側)で回動可能に係止される。遮光フィン9は遮光性の高い合成樹脂やアルミニウム等により形成するのが好適であるが、本例のように生地13を取着する場合には透明又は半透明の合成樹脂とすることもできる。
【0053】
そして、遮光フィン9の左右方向幅は、取付フレーム2の左右方向幅よりもわずかに短い構成となっており、例えば遮光フィン9が合成樹脂で形成されているときに熱膨張等で左右方向幅が変化しても、スムーズに回動可能に係止されるようになっている。
【0054】
取付フレーム2の正面下方には、その長手方向に延在する略C字断面形状の軸受部20が形成されている。この軸受部20に遮光フィン9の軸部91が係合しており、これにより遮光フィン9は、取付フレーム2の背面側で回動可能に支持される。取付フレーム2の長手方向の両端部には支持部材2a,2bが取着されている。
【0055】
尚、支持部材2a,2bは、同一形状で構成され、
図4に示すように、取付フレーム2の軸受部20の略C字断面形状とほぼ合致する大きさの切欠き23が設けられている。この切欠き23は、支持部材2a,2bを取付フレーム2へ固定した後で、遮光フィン9の軸部91を左右方向からスライドさせて軸受部20に挿入して支持可能にするために設けられている。そして、遮光フィン9をスライドさせて取り外し可能とし、このスライド以外は取り外し不可として遮光フィン9に外力が加わっても取付フレーム2から外れないようになっている。
【0056】
また、支持部材2a,2bには、取付ネジを用いて取付フレーム2を固定するためのネジ孔21や、巻取パイプ3を回転可能に支持する固定軸(図示せず)を持つ軸部材11(
図1参照)を固定するためのネジ孔22が、複数個所に設けられている。即ち、巻取パイプ3を支持部材2a,2bによって支持した状態で、支持部材2a,2bを取付フレーム2へ固定した後でも、遮光フィン9の軸部91を左右方向からスライドさせて軸受部20に挿入して支持可能となっている。このため、遮光フィン9の取り付けが容易になる。
【0057】
また、支持部材2a,2bの各ネジ孔21,22の取付ネジを外部から視認できないようにしてその意匠性を向上させる観点からサイドカバー10を取着しているが、このサイドカバー10には、遮光フィン9の回動動作に関する機能性を向上させる作用もある。
【0058】
即ち、サイドカバー10には、遮光フィン9のスムーズな回動を可能とするべく、遮光フィン9の回動範囲で遮光フィン9の左右方向の両端位置を規制するよう高さを持たせた壁部10aが形成されている。この壁部10aの高さは、支持部材2a,2bの厚みを収容するのに十分な高さとなっている。そして、サイドカバー10は合成樹脂で形成され、金属材料で成形された支持部材2a,2bの外形に倣って狭圧して取着できるようになっており、壁部10aには支持部材2a,2bを掴持可能な内方に突出する爪部10bが形成されている。これにより、遮光フィン9の回動動作に関して、爪部10bや切欠き23がその回動動作を阻害しないよう壁部10aに高さを持たせている。
【0059】
つまり、遮光フィン9の左右端部が、支持部材2a,2bへ当接するより先にサイドカバー10の壁部10aに当接して、遮光フィン9を回動可能にその係止位置を規制するよう構成しており、即ち遮光フィン9の左右方向の両端部を規制することで、その意匠性を確保し、光漏れ効果を高めつつ回動弊害を防止できるようにしている。尚、本例では、遮光フィン9の左右方向幅を取付フレーム2の左右方向幅よりもわずかに短い構成とし、サイドカバー10の壁部10aで遮光フィン9を回動可能に規制するよう構成する例を示しているが、遮光フィン9の形状により支持部材2a,2bやサイドカバー10を避けるようにしてもよい。
【0060】
図3に示すように、取付フレーム2の正面下方には、その長手方向に延在する略C字断面形状の軸受部20が形成されている。より具体的には、軸受部20は、取付フレーム2の底部から上方に延びる回動規制片20aの先端に折曲軸20fを形成し、遮光フィン9の軸部91を支持可能にしている。回動規制片20aは、遮光フィン9の下方への回動を規制する機能を有する。また、取付フレーム2の背面における軸受部20の上方には、遮光フィン9の上方への回動を規制する回動規制片20bが形成されている。図示する例では、回動規制片20aは取付フレーム2の本体正面から前方に突出する略C字状で形成され、回動規制片20bは後方に突出する略板状で形成されている。そして、遮光フィン9の軸部91が軸受部20に係止されている状態では、遮光フィン9の上下方向への回動が規制され、遮光フィン9をどのように回動させても背面方向へ軸受部20から外れないようになっている。
【0061】
遮光フィン9は、その概略構成として、先端に略C字状の軸部91を有し取付フレーム2の前側面から前方へ長さaで屈曲して突出する支持板部93と、この支持板部93から下方へ長さbで延びる遮蔽板部94とにより、全体として略L字状の断面形状を有し、スクリーン4(或いは後述するウェイトバー5)との干渉による衝突力や接触音を回避又は緩和するよう複曲面形状の部材(単一部材でも復号部材でもよい)で形成されている。
【0062】
より具体的には、支持板部93は概ね略L字状に屈曲した形状を有し、その先端に略C字状の軸部91が形成されている。軸部91は軸受部20における折曲軸20fによって回動可能に係止される部位である。軸部91の先端は鋭角に屈折した略鉤形状で形成され、軸受部20に対して空間的余裕を持たせた状態で係合させることで、遮光フィン9が軸受部20から外れにくくするとともに、遮光フィン9の回動自由度を高めている。
【0063】
一方、このように回動自由度を高めた態様で遮光フィン9の軸部91を軸受部20に係止させると、遮光フィン9と回動規制片20bの回動干渉により不快な干渉音(接触音)を生じさせることから、軸部91には、厚みを変化させ回動範囲で肉厚を持たせた曲部92を形成している。
【0064】
また、支持板部93の先端に設けられる軸部91の付け根近傍には、当接部97が形成されている。当接部97は、詳細は後述するが回動規制片20bと当接することで、遮光フィン9の上方への回動を規制する部位である。
【0065】
このような軸部91の形状とすることで、遮光フィン9が軸受部20から外れにくくするとともに、ガタツキを抑制してその干渉音を軽減させつつ遮光フィン9の回動を許容するものとなっている。これにより、当接部97と回動規制片20bとの回動干渉に起因する不快な干渉音(接触音)も無視できるほど軽減させることができる。
【0066】
また、支持板部93の先端に設けられている軸部91の下方には、突起部98が形成されており、突起部98は軸部91と並んで支持板部93から突出している。突起部98は、詳細は後述するが、取付フレーム2における軸受部20の回動規制片20aと当接する位置で遮光フィン9の下方への回動を規制する部位である。特に、突起部98の先端は図示するように凹凸段差を持つ形状で構成され、回動規制片20aとの当接時の接触音や衝突力を緩和するよう作用する機能を持たせている。尚、本例の突起部98は支持板部93の左右方向へ延在して突出するよう形成されているが、支持板部93の左右方向へ部分的に突出する形態でもよい。
【0067】
そして、この支持板部93から下方へ延びる遮蔽板部94の下端には、曲面形状の干渉緩和部95が形成されている。干渉緩和部95は、スクリーン4(或いは後述する実施形態ではウェイトバー5)との接触が有るときでも、その接触音や衝突力を緩和するようスクリーン4(又はウェイトバー5)から遠ざかる方向に反り返る形状を有する。
【0068】
また、遮蔽板部94の前面上端及び下端には、それぞれ略鉤断面形状で突出する突起片96a,96bが設けられ、生地13の上端及び下端を係合させる凹部を形成している。特に、遮蔽板部94の前面上端には、突起片96aの内側に爪部99が形成されており、突起片96a及び爪部99は生地押さえとして機能する掴持手段として構成される。一方、遮蔽板部94の前面下端における突起片96bは、生地13のバタツキを抑えるための部位であり、バタツキを抑制且つ圧接しない凹部が形成される。生地13の取着に関する説明は詳細に後述する。
【0069】
(遮光フィンの下側及び上側回動規制構造)
図5(a),(b)は、本実施形態のロールスクリーン1における一実施例の遮光フィン9の動作を説明する側面図であり、特に、
図5(a)には遮光フィン9の下側回動規制に関して、
図5(b)には遮光フィン9の上側回動規制に関して図示している。
【0070】
図5(a)に示すように、支持板部93の先端に設けられている軸部91の下方には、突起部98が形成されており、突起部98は軸部91と並んで支持板部93から突出している。遮光フィン9は、軸部91により軸受部20における折曲軸20fによって回動可能に係止される。遮光フィン9に設けられる突起部98は、取付フレーム2における軸受部20の回動規制片20aと当接する位置で遮光フィン9の下方への回動を規制する機能を有する。このとき、遮光フィン9は、その基本姿勢として、遮光フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直(鉛直方向への垂下)になるように規制している。このように、遮光フィン9をロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けたときの基本姿勢として遮光フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直(鉛直方向への垂下)となるため、その意匠性を向上させている。
【0071】
また、
図5(b)に示すように、遮光フィン9に設けられる軸部91の付け根近傍には、当接部97が形成されている。当接部97は、当該基本姿勢から遮光フィン9が回動した際に回動規制片20bと当接することで遮光フィン9の上方への回動を規制する部位である。これにより、遮光フィン9がブラケット6やその取付面に対し非当接となるようになっている。このように、遮光フィン9をロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けた場合の操作性を損なうことなく、その品質を維持することができる。
【0072】
(遮光フィンに対する生地の取着方法)
図6(a)は、本実施形態のロールスクリーン1における一実施例の遮光フィン9の生地13の取着に係る構造を示す側面図であり、
図6(b)はその比較例を示している。また、
図7(a),(b),(c)には、本実施形態のロールスクリーン1における一実施例の遮光フィン9の生地13の取着方法の一例を示している。
【0073】
まず、
図6(a)に示すように、本実施例に係る遮光フィン9には、遮蔽板部94の前面上端及び下端に、それぞれ略鉤断面形状で突出する突起片96a,96bが設けられ、生地13の上端及び下端を係合させる凹部を形成している。特に、遮蔽板部94の前面上端には、突起片96aの内側に爪部99が形成されており、突起片96a及び爪部99は生地押さえとして機能する掴持手段として構成される。一方、遮蔽板部94の前面下端における突起片96bは、生地13のバタツキを抑えるための部位であり、バタツキを抑制且つ圧接しない凹部が形成される。
【0074】
例えば、本実施例に係る遮光フィン9に生地13を取り付ける際には、遮光フィン9の左右端部側から挿通して取着することも可能であるが、遮光フィン9の正面側から取り付けるほうがより簡単に取着できる。例えば
図7に示すように、まず突起片96a及び爪部99により生地13の上端を係着させ(
図7(a)参照)、続いて生地13の下端を突起片96bにより形成される凹部に差し込む(
図7(b)参照)。このように、簡単に遮光フィン9に生地13を取り付けることができる。また、本実施例に係る遮光フィン9は、生地13の上端のみを係着させる構造となっているため、生地13に撓みが生じることがなく、その意匠性を向上させることができる。そして、遮蔽板部94の前面上端及び下端における突起片96a,96bにより、遮光フィン9の回動動作で上下方向に生地13のずれが生じた場合でも、その機能及び意匠性を損なうことが無い。
【0075】
そして、仮に貼着等で遮光フィン9に生地13を取着することや、
図6(b)に示すような遮蔽板部94の前面下端にも爪部99を設けて生地押さえとして機能させる掴持手段を構成すると、生地13に撓みが生じこの撓みを無くすよう取り付ける際に大きな作業負担が生じる。従って、本実施例に係る遮光フィン9のように、生地13の上端のみを係着させる構造とするのが好適であり、生地13に撓みが生じさせることなく容易に取り付けることができる。
【0076】
(遮光フィンの動作及び多用途適合性)
図8(a),(b),(c)は、それぞれ本実施形態のロールスクリーン1における一実施例の遮光フィン9の動作例を個別に説明する側面図である。
【0077】
図8(a)に示すように、本実施例の遮光フィン9は、取付フレーム2の前側面から前方へ長さaで屈曲して突出する支持板部93と、支持板部93から下方へ長さbで延びる遮蔽板部94とにより、全体として略L字状の断面形状を有している。
【0078】
遮蔽板部94の長さbは、取付フレーム2と巻取パイプ3との間の隙間から生じる光漏れを防ぐ長さで形成されている。支持板部93の長さaは、操作コード7の操作に悪影響を与えない範囲に設定されている。仮に、本実施例の遮光フィン9に操作コード7が接触するように操作する場合でも、遮光フィン9は回動するため操作負担を生じさせないようになっている。
【0079】
また、
図8(b)に示すように、本実施例の遮光フィン9を、スクリーン4の最大巻取径Sが比較的小さいロールスクリーン1に適用する場合では、スクリーン4と遮光フィン9とが接触することが無く、その基本姿勢として、遮光フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直な状態(鉛直方向への垂下となる状態)を維持しつつ遮光機能を保持できる。
【0080】
一方、
図8(c)に示すように、本実施例の遮光フィン9を、スクリーン4の最大巻取径Sが比較的大きいロールスクリーン1に適用する場合では、スクリーン4と遮光フィン9とが接触する場合でも、スクリーン4の巻太りに倣って遮光フィン9を回動させることができ、その遮光機能を保持できる。
【0081】
ところで、従来技法に基づいてロールスクリーン1を壁面に正面付けする場合では、そのロールスクリーン1に対し遮光フィン9を取り付けることができなかったという課題がある。
【0082】
図9(a)は、本実施形態のロールスクリーン1を壁面(例えば横壁面)Wに正面付けする際の実施例を示しており、
図9(b)は、その比較例である。
【0083】
図9(a)に示すように、固定金具61(本例ではL字金具)を用いることで遮光フィン9を有する本実施形態のロールスクリーン1を壁面Wに正面付けすることができる。固定金具61は、取付ネジを利用して固定金具61の第1取付孔61aを介してブラケット6を固定するとともに固定金具61の第2取付孔61bを介して壁面Wに正面付けする。このように固定金具61を利用して壁面Wに固定されるブラケット6に対し、本実施形態のロールスクリーン1の取付フレーム2を取着することができる。
【0084】
特に、固定金具61は、ロールスクリーン1と壁面Wとの間に一定の隙間を有して本実施形態のロールスクリーン1を壁面Wに正面付けするよう構成されている。これにより、スクリーン4が巻き取られウェイトバー5が上限位置となるときに、ウェイトバー5と壁面Wに衝突するのを防止することができる。
【0085】
即ち、
図9(b)に示すように、従来技法に基づいてロールスクリーン1を正面付けする場合では、そのロールスクリーン1に対し本実施例の遮光フィン9を取り付けることができなかったが、固定金具61(本例ではL字金具)を用いることで遮光フィン9を有する本実施形態のロールスクリーン1を壁面Wに正面付けすることができる。
【0086】
また、遮光フィン9を有する本実施形態のロールスクリーン1を壁面Wに正面付けした構成では、遮光フィン9により、巻き取られているスクリーン4上に埃が積もらないため、使用時に埃が飛散しないという効果がある。
【0087】
また、巻き取られているスクリーン4を長期にわたり放置しておくと直接的な外光によりスクリーン4の色劣化ムラが生じることがあるが、遮光フィン9を有する本実施形態のロールスクリーン1を壁面Wに正面付けした構成では、遮光フィン9により、取付フレーム2近傍のスクリーン4に対する直接光を確実に防止でき、スクリーン4に対する耐色性を向上させることができる。
【0088】
また、
図9に示すロールスクリーンでは、取付フレーム2に設けられる軸受部20に対し遮光フィン9が軸支されているため、取付フレーム2を天井面に固定した場合と同様に、正面視した際の意匠性を向上させることができる。
【0089】
また、
図9に示すロールスクリーンでは、軸受部20が、
図4を参照して説明したように、取付フレーム2の左右方向に亘って連なって形成されているため、外的干渉等があっても容易には外れないようになっている。
【0090】
尚、
図9に示す実施形態の変形例として、ブラケット6を介し固定金具61(本例ではL字金具)を用いてロールスクリーン1を壁面Wに正面付けする際に、遮光フィン9を取付フレーム2の軸受部20で支持する構成とする代わりに、遮光フィン9の形状を変形し、遮光フィン9をブラケット6又は固定金具61(本例ではL字金具)により支持する構成とすることができる。
【0091】
例えば、
図10(a),(b)には、本発明による変形例の遮蔽装置としてのロールスクリーン1を壁面に正面付けする例を示している。尚、
図10(a),(b)において、上述の実施形態と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0092】
まず、
図10(a)に示す変形例では、
図3に示す遮光フィン9の形状のうち支持板部93の先端に略C字状の軸部91を設ける代わりに、支持板部93の当該先端を上方に向かう部位93aと、この部位93aを経て後方へ向かう部位93bとを持つようL字屈曲させたものとしている。部位93aは、限定するものではないが意匠性の観点からロールスクリーン1の左右方向のほぼ全域に亘って遮蔽された板状体とすることができる。部位93bは、固定金具61(本例ではL字金具)を用いてブラケット6と共に固定するための部位であり、固定金具61で固定可能とする板状片とするか、又は固定金具61で固定可能とする切欠きを設けロールスクリーン1の左右方向のほぼ全域に亘ってほぼ遮蔽された板状体とすることができる。
【0093】
そして、
図10(a)に示す変形例の遮光フィン9では、
図3に示す遮光フィン9とは異なり回動不能なものとして構成されるが、
図10(a)に示す支持板部93は、ロールスクリーン1の本体から前方へ屈曲して突出し遮蔽板部9へと連なるよう構成している点で
図3に示す遮光フィン9の機能と同様であり、スクリーン4の一定量の巻太りを許容し、スクリーン4(或いは後述するウェイトバー5)との干渉による衝突力や接触音を回避又は緩和できるようになっている。
【0094】
一方、
図10(b)に示す変形例では、
図3に示す遮光フィン9の形状のうち支持板部93の先端に設ける略C字状の軸部91を図示するように変形するとともに、この軸部91を吊下支持するための吊下支持部材62を利用する形態としている。
【0095】
吊下支持部材62は、その下端に軸受部62cを有し上方に向かう部位62aと、この部位62aを経て後方へ向かう部位62bとを持つようL字屈曲させたものとしている。この軸受部62cの機能は、
図3に示す遮光フィン9を支持するための取付フレーム2の正面側に設けられている軸受部20と同様である。本例においても、部位62aは、限定するものではないが意匠性の観点からロールスクリーン1の左右方向のほぼ全域に亘って遮蔽された板状体とすることができる。部位62bは、固定金具61(本例ではL字金具)を用いてブラケット6と共に固定するための部位であり、固定金具61で固定可能とする板状片とするか、又は固定金具61で固定可能とする切欠きを設けロールスクリーン1の左右方向のほぼ全域に亘ってほぼ遮蔽された板状体とすることができる。
【0096】
そして、
図10(b)に示す変形例の遮光フィン9では、
図3に示す遮光フィン9と同様に回動可能なものとして構成され、
図3に示す遮光フィン9が持つ全ての機能を包含する。
【0097】
また、更なる変形例として、遮光フィン9をブラケット6又は固定金具61により支持する際に、ブラケット6や固定金具61の形状を変形して、遮光フィン9を回動可能又は回動不能に支持する構成とすることもできる。従って、遮光フィン9は、取付フレーム2、ブラケット6又は固定金具61に対し、直接的に支持する構成とするか、又は用途に応じて適宜形状を適応化させた吊下支持部材62を用いて間接的に持する構成とすることができる。
【0098】
また、遮光フィン9は、外光を遮光する目的で設ける以外にも、通気性を遮蔽する目的で構成してもよく、この場合には透光性の材料で構成してもよいことから、本願明細書中、単に「フィン」と称するときは、
図9(a)及び
図10(a),(b)に例示する形状などの様々な支持形態を含み、遮光目的や遮風目的など多目的の遮蔽部材をいうものとする。
【0099】
従って、固定金具61(本例ではL字金具)を用いることで当該フィンを有する本実施形態のロールスクリーン1を壁面Wに正面付けすることができ、当該フィンにより埃の飛散防止及び、スクリーン4に対する耐色性を向上させることができる。
【0100】
また、
図11(a),(b),(c)には、本実施例の遮光フィン9を別の実施形態のロールスクリーン1に適用した際の構成を示している。
【0101】
図11(a)に示す例では、本実施例の遮光フィン9側に巻取パイプ3からスクリーン4を垂下し、遮光フィン9と巻取パイプ3との間にウェイトバー5が位置する例である。このような場合、本実施例の遮光フィン9には、支持板部93から下方へ延びる遮蔽板部94の下端に曲面形状の干渉緩和部95が形成されているため、ウェイトバー5との干渉で引っ掛かりを生じることがない。
【0102】
また、
図11(b)に示すように、ウェイトバー5の上限位置が取付フレーム2へ当接する位置に設定されている場合でも、遮光フィン9における干渉緩和部95から遮蔽板部94にかけてウェイトバー5がスムーズに移動して遮光フィン9が回動するため、その操作性を損ねることが無い。また、
図5(b)を参照して説明したように、遮光フィン9に設けられる軸部91の付け根近傍には、当接部97が形成されており、当接部97は、当該基本姿勢から遮光フィン9が回動した際に回動規制片20bと当接することで遮光フィン9の上方への回動を規制している。これにより、遮光フィン9がブラケット6やその取付面に対し非当接となり、ウェイトバー5の衝突で遮光フィン9が破損するおそれもない。従って、遮光フィン9をロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けた場合の操作性を損なうことなく、その品質を維持することができる。
【0103】
また、
図11(c)に示すように、遮光フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直な状態(鉛直方向への垂下となる状態)となる基本姿勢を常に維持させたい場合には、操作コード7上に取着した移動制限部材12の位置を調整することで、この移動制限部材12により操作プーリー8等に当接させてその回転を停止させ、ウェイトバー5の上限位置を定めることができる。これにより、遮光フィン9がブラケット6やその取付面に対し非当接となり、ウェイトバー5の衝突で遮光フィン9が破損するおそれもない。そして、常時、遮光フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直な状態(鉛直方向への垂下となる状態)となる基本姿勢を維持させることができ、その意匠性及び品質を維持することができる。
【0104】
従って、
図8乃至
図11に示されるように、本実施例の遮光フィン9は、種々のロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けることが可能であり、尚且つその操作性や品質、或いは意匠性に悪影響を及ぼすことが無いものとなっている。
【0105】
(遮光フィンの生地の取着に関する変形例)
上述した一実施例の遮光フィン9では、生地13の取着に関して、
図6及び
図7を参照して説明したように、遮蔽板部94の前面上端及び下端に、それぞれ略鉤断面形状で突出する突起片96a,96bを設け、突起片96a及び爪部99を生地押さえとして機能させる掴持手段を構成する例を説明した。そして、突起片96a,96bにより、遮光フィン9の回動動作で上下方向に生地13のずれが生じた場合でも、その機能及び意匠性を損なうことが無い。
【0106】
しかしながら、生地13が薄地である場合など、遮光フィン9の回動動作で左右方向に生地13のずれが生じる場合には、その意匠性を損なうおそれがある。そこで、
図12に示すように、遮光フィン9の遮蔽板部94における左右両端部で、爪部99の上部に永久変形を伴う狭圧部100を設けるようにするのが好適である。即ち、
図6及び
図7を参照して説明したように、生地13を遮光フィン9に取り付けた後、ペンチ等の治具を用いてかしめることで永久変形させて狭圧部100を形成する。このように永久変形を伴う狭圧部100を設けることにより、生地13の左右方向のずれを抑制することができる。
【0107】
或いは、このような永久変形を伴う狭圧部100を設ける代わりに、生地13を遮光フィン9に取り付けた後、
図13(a)に示すように遮光フィン9の遮蔽板部94における左右両端部で、ゴム材又は合成樹脂からなる所定形状(本例ではコの字状)の狭圧部材101を爪部99の上部に装着し、
図13(a)に示すように生地13を狭圧する。このように着脱可能で弾性変形可能な狭圧部材101を設けることにより、生地13の左右方向のずれを抑制することができる。
【0108】
或いは、このような狭圧部100や狭圧部材101を設ける代わりに、予め遮光フィン9の遮蔽板部94における左右両端部に狭圧部位102を設けておくこともできる。例えば
図14(a)に示すように、遮蔽板部94における左右両端部に弾性変形可能な狭圧部位102を有する孔部102aを設けておき、
図14(b)に示すように孔部102aから狭圧部位102を押圧して弾性変形させ、
図14(c)に示すように生地13を狭圧する。このように外的な押圧で弾性変形可能な狭圧部位102を設けることにより、生地13の左右方向のずれを抑制することができる。
【0109】
(遮光フィンの構成例)
図15(a),(b),(c)には、種々の遮蔽装置(ロールスクリーン1以外の物を含む)における典型的な遮光フィン9の構成例を示している。
図15(a)には、
図3等を参照して上述した一実施例の遮光フィン9の構成を示している。
【0110】
図15(b)には、
図15(a)に示す構成と比較して、突起片96bを設けていない例であり、その他の要素は同一である。即ち、
図15(b)に示す例では、突起片96bを設けていないため突起片96a及び爪部99を生地押さえとして機能させる掴持手段を構成し、生地13を係着し垂下するため、遮光フィン9の回動時等で生地13のバタツキが生じるおそれがあるものの、その他の観点については、
図15(a)における
図3等を参照して上述した一実施例の遮光フィン9の全ての作用・効果を得ることができ、並びにその変形例を適用することができる。
【0111】
更に、
図15(c)には、
図15(a)に示す構成と比較して、遮光フィン9を回動させることを要しない場合の典型例を示している。即ち、軸部91を取付フレーム2に固定可能な形状とすることや、遮蔽板部94を短尺化させ、生地13に遮光機能を持たせている。従って、上述した特徴的な発明に係る要素を適宜選択的に採用し、適用する用途に応じて変形させることができる。
【0112】
また、
図16(a),(b)には、それぞれ本実施形態のロールスクリーン1における一実施例の遮光フィン9の生地13の取着に係る2つの構造例に関する斜視図を示している。
【0113】
図16(a)は、
図3に示す遮光フィン9について、比較的厚みのある生地13を、掴持手段として構成される突起片96a及び爪部99により掴持した際の詳細図を示している。このような比較的厚みのある生地13を突起片96a及び爪部99により掴持すると、突起片96aが弾性変形した状態となり、遮蔽板部94の長手方向を示すA−A’に対し、突起片96aの長手方向を示すB−B’が非平行となる。この突起片96aが遮蔽板部94に対し非平行となる点を意匠性の観点でより改善したい場合には、遮光フィン9の生地13の掴持手段として、
図16(b)に示すような構造とすることができる。
【0114】
図16(b)に示す例では、遮光フィン9の生地13の掴持手段として、爪部99が設けられておらず、突起片96aと、
図12に示す狭圧部100とで構成される。この場合の突起片96aは弾性変形不能な剛体で構成している。狭圧部100は、遮光フィン9の遮蔽板部94における左右両端部で、生地13を遮光フィン9に取り付けた後、ペンチ等の治具を用いてかしめることで永久変形させて形成される。これにより、比較的厚みのある生地13であっても、遮蔽板部94の長手方向を示すA−A’に対し、突起片96aの長手方向を示すB−B’がほぼ平行となる状態で、遮光フィン9へ生地13を取り付けることができる。
【0115】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。特に、遮光フィン9の軸部91の形状・構造や、係止する方法はその一例を説明したにすぎず、例えば遮光フィン9の軸部91を丸軸等で形成してもよいし、遮光フィン9の軸部91を、例えばロールスクリーンであれば、枠体としての取付フレーム2に支持するではなく支持部材2a,2bに支持する構成とすることもできる。また、取付フレーム2に対し遮光フィン9の軸部91で係止する位置は、取付フレーム2の前面に限らず、取付フレーム2の後面や底面でもよい。また、遮光フィン9を利用可能な形態として、ロールスクリーン以外にも、横型ブラインド、たくし上げカーテン、プリーツスクリーン等がある。