(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887869
(24)【登録日】2021年5月21日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】飲料ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20210603BHJP
B67D 1/04 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
B67D1/04 C
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-96686(P2017-96686)
(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公開番号】特開2018-193077(P2018-193077A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(72)【発明者】
【氏名】藤原 徹
【審査官】
岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2007/007144(WO,A1)
【文献】
実開昭56−097295(JP,U)
【文献】
特開2013−256329(JP,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2016−0086999(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
B67D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビア樽のような飲料容器を収納可能とした収納庫と、
前記収納庫の底壁下面に設けられた脚部と、
前記収納庫内を冷却する冷凍装置と、
前記収納庫の前面部に設けられて、前記飲料容器から導出された飲料供給管により供給される前記飲料容器内の飲料を注出する注出器とを備えた飲料ディスペンサであって、
前記収納庫の後部に前記冷凍装置を配置するとともに、前記収納庫の前面には前記飲料容器を出し入れする前面開口部を設け、
前記収納庫には前記前面開口部を開閉自在に塞ぐ前壁部と、前記前壁部の下部から前記収納庫内にて後方に延出して前記飲料容器を乗載可能とする底壁部とを有して、前記収納庫に前後に移動可能に設けられた引出しと、
前記収納庫の側面に設けられて前記引出しを前後に移動可能に支持するレールとを備え、
前記前壁部に前記注出器を取り付けたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料ディスペンサにおいて、
前記飲料容器内の飲料はガスの圧力により前記飲料供給管を通って前記注出器から注出されるものであり、前記底壁部にはガス供給管により前記飲料容器に接続したガスボンベを乗載可能としたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の飲料ディスペンサにおいて、
前記底壁部に乗載した前記飲料容器を前記収納庫の前縁よりも前側に位置するまで前記引出しを前方に移動可能としたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の飲料ディスペンサにおいて、
前記引出しを前記収納庫に対して着脱可能としたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビア樽のような飲料容器内の飲料を注出器から注出する飲料ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1〜3には飲料ディスペンサの発明が開示されている。特許文献1の飲料ディスペンサは、ビア樽(飲料容器)を収納可能として、前面にビア樽を出し入れする前面開口部を有した冷蔵庫(収容庫)と、冷蔵庫の前面開口部を開閉する扉と、扉に設けられてビア樽から導出された飲料供給管により供給されるビア樽内の飲料を注出する注出コックとを備えている。冷蔵庫内のビア樽内の飲料は冷蔵庫の外部に設けた炭酸ガスの圧力により飲料供給管を通って注出コックからグラスなどの容器に注出される。
【0003】
特許文献2の飲料ディスペンサは、ビア樽を収納可能として、前面にビア樽を出し入れする前面開口部を有した冷蔵庫と、冷蔵庫の前面開口部を開閉する扉と、ビア樽を乗載して冷蔵庫内に出し入れするワゴンと、冷蔵庫の上側に設けられてビア樽から導出された飲料供給管により供給されるビア樽内の飲料を注出する注出コックとを備えている。冷蔵庫内のビア樽内の飲料は冷蔵庫の外部に設けた炭酸ガスの圧力により飲料供給管を通って注出コックからグラスなどの容器に注出される。
【0004】
特許文献3の飲料ディスペンサは、ビア樽を収納可能として、前面にビア樽を出し入れする前面開口部を有した冷蔵庫と、冷蔵庫の前壁と底壁とを構成するとともにビア樽を乗載して冷蔵庫内に出し入れするワゴンと、冷蔵庫の上側に設けられてビア樽から導出された飲料供給管により供給されるビア樽内の飲料を注出する注出コックとを備えている。冷蔵庫内のビア樽内の飲料は冷蔵庫の外部に設けた炭酸ガスの圧力により飲料供給管を通って注出コックからグラスなどの容器に注出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−321993号公報
【特許文献2】実開昭56−097300号公報
【特許文献3】実開昭56−097295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の飲料ディスペンサにおいては、冷蔵庫内のビア樽を交換するときには、扉を開けた冷蔵庫内に手を入れて冷蔵庫内のビア樽を前側に取り出し、取り出した後で新しいビア樽を冷蔵庫に押し入れるようにする。ビア樽は一般的に約5L、約10L、約20L等の各容量の容器が用いられており、ビア樽自体の重量と内容物の飲料とを含めて重量物となっている。このため、重量物であるビア樽を冷蔵庫内から外側に取り出す、または、冷蔵庫内に押し入れるのに大きな力を要することになって面倒であった。また、冷蔵庫とビア樽の間の隙間が狭く、冷蔵庫内のビア樽に手がかけにくくなっていて、ビア樽の交換作業の作業性が良くなかった。
【0007】
また、冷蔵庫の前面の扉は冷蔵庫の側部前縁に上下方向を軸線回りに回動可能に取り付けられているので、扉に取り付けた注出コックは扉の開放時に冷蔵庫内のビア樽から離れるようになり、注出コックとビア樽を接続する飲料供給管を長くしなければならなかった。飲料供給管が長くなっていると、ビア樽を交換するときに、飲料供給管内に多くの飲料が残ることになり、ビア樽の交換時にビア樽内の飲料のロスが多くなる問題があった。
【0008】
特許文献2及び3の飲料ディスペンサにおいては、ビア樽はワゴンによって冷蔵庫内に出し入れされるため、ビア樽を交換するときに、冷蔵庫からビア樽を出し入れするのに面倒とならない。しかし、注出コックが冷蔵庫の上側に設けられているので、ワゴンを冷蔵庫から出したときに、ワゴンに乗せたビア樽が注出コックから離れるようになり、注出コックとビア樽を接続する飲料供給管を長くしなければならなかった。この場合にも、ビア樽を交換するときに、飲料供給管内に多くの飲料が残ることになり、ビア樽の交換時にビア樽内の飲料のロスが多くなる問題があった。本発明は、ビア樽のような飲料容器の収納庫への出し入れを容易とするとともに、飲料容器を交換するときに飲料容器と注出器とを接続する飲料供給管内に残る飲料の量をできるだけする少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、ビア樽のような飲料容器を収納可能とした収納庫と、
収納庫の底壁下面に設けられた脚部と、収納庫内を冷却する冷凍装置と、収納庫の前面部に設けられて、飲料容器から導出された飲料供給管により供給される飲料容器内の飲料を注出する注出器とを備えた飲料ディスペンサであって、
収納庫の後部に冷凍装置を配置するとともに、収納庫の前面には飲料容器を出し入れする前面開口部を設け
、収納庫には前面開口部を開閉自在に塞ぐ前壁部と、前壁部の下部から収納庫内にて後方に延出して飲料容器を乗載可能とする底壁部とを有して、収納庫に前後に移動可能に設けられた引出しと
、収納庫の側面に設けられて引出しを前後に移動可能に支持するレールとを備え、前壁部に注出器を取り付けたことを特徴とする飲料ディスペンサを提供するものである。
【0010】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいては、
収納庫の後部に冷凍装置を配置するとともに、収納庫の前面には飲料容器を出し入れする前面開口部を設け
、収納庫には前面開口部を開閉自在に塞ぐ前壁部と、前壁部の下部から収納庫内にて後方に延出して飲料容器を乗載可能とする底壁部とを有して、収納庫に前後に移動可能に設けられた引出しと
、収納庫の側面に設けられて引出しを前後に移動可能に支持するレールとを備え、前壁部に注出器を取り付けたので、飲料容器を収納庫から出し入れするときには、引出しを前側に移動させることで、飲料容器を持ちやすい位置まで収納庫の外側に移動させることができ、飲料容器を交換するときの作業性を向上させることができた。また、引出しを前側に移動させたときにも、前壁部に取り付けた注出器は底壁部に乗載した飲料容器とともに移動するために、飲料供給管を必要以上に長くする必要がなくなり、飲料容器を交換するときに飲料供給管に残る飲料の量を少なくすることができた。
【0011】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいては、飲料容器内の飲料はガスの圧力により飲料供給管を通って注出器から注出されるものであり、底壁部にはガス供給管により飲料容器に接続したガスボンベを乗載可能とするのが好ましい。このようしたときには、引出しを前側に移動させたときにも、底壁部に乗載したガスボンベは飲料容器とともに移動するために、ガス料供給管を必要以上に長くする必要がなくなり、飲料容器またはガスボンベを交換するときにガス供給管に残るガスの量を少なくすることができた。
【0012】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいては、底壁部に乗載した飲料容器を収納庫の前縁よりも前側に位置するまで引出しを前方に移動可能とするのが好ましい。このようにしたときには、飲料容器の全ての部分が収納庫から外側に出るようになるので、飲料容器を上方または側方に持ち上げやすくなり、飲料容器を交換するときの作業性をさらに向上させることができた。
【0013】
上記のように構成した飲料ディスペンサにおいては
、引出しを収納庫に対して着脱可能とするのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の冷蔵庫の一実施形態の正面図である。
【
図2】
図1の冷蔵庫内を断面とした側面概略図である。
【
図3】引出しを前方に引き出した
図2に相当する側面概略図である。
【
図4】引出しからビア樽とガスボンベを取り出したときの
図2に相当する側面概略図である。
【
図5】冷蔵庫内にビア樽だけを収納可能としたときの
図1に相当する側面概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の飲料ディスペンサの一実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1及び
図2に示したように、本実施形態の飲料ディスペンサ10は、ビール(飲料)を貯えたビア樽(飲料容器)Tを収納可能とした冷蔵庫(収納庫)11と、冷蔵庫11の前面部に設けられた注出コック(注出器)12とを備えている。
【0016】
図2に示したように、冷蔵庫11はビア樽Tを冷却した状態で収納するものであり、周囲が断熱材により覆われている。冷蔵庫11の後部には冷凍装置20が設けられており、冷蔵庫11の内部は冷凍装置20によって冷却される。冷凍装置20は、圧縮機21により圧縮した冷媒ガスを凝縮器22により冷却して液化させ、この液化冷媒をキャピラリーチューブを通して冷却器23に導き、冷却器23で気化させることによって冷却風ダクト24を通過する空気を冷却し、冷却した空気を冷却ファン25によって冷蔵庫11内を循環させて、冷蔵庫11内を冷却している。
【0017】
冷蔵庫11の前面には前面開口部11aが形成されており、ビア樽Tはこの前面開口部11aから出し入れされる。
図3及び
図4に示したように、冷蔵庫11の内側の側面下部には前後に延びるレール13が設けられており、レール13は後述する引出し30を前後に移動可能に支持している。
【0018】
図2に示したように、冷蔵庫11には引出し30が前後に移動可能に設けられており、引出し30は冷蔵庫11の前面開口部11aを開閉自在に塞ぐとともに、ビア樽Tを冷蔵庫11内から前側に移動させる機能を有している。引出し30は、冷蔵庫11の前面開口部11aを開閉自在に塞ぐ前壁部31と、前壁部31の下部から冷蔵庫11内にて後方に延出する底壁部32とを有し、側方から見た形状が略L字形をしている。引出し30の側部にはビア樽Tが左右に傾倒するのを防ぐストッパ33が設けられている。
【0019】
引出し30の前壁部31は冷蔵庫11と同様に断熱材によって覆われており、冷蔵庫11の前壁を構成している。前壁部31の後面の周部にはパッキン34が設けられており、パッキン34は引出し30を閉じたときに冷蔵庫11の前面開口部11aの外周縁に密着して冷蔵庫11内を密閉している。前壁部31の外面上部には注出コック12が取り付けられており、冷蔵庫11内に収納されたビア樽T内のビールは注出コック12から注出される。引出し30の底壁部32はビア樽Tを乗載するものであり、この実施形態ではビア樽T内のビールを炭酸ガスの圧力により押し出すガスボンベGも乗載可能となっている。底壁部32の左右両側部は冷蔵庫11の下部のレール13に前後に移動可能に支持されており、
図3に示したように、引出し30は冷蔵庫11のレール13に沿って前後に移動可能となっている。引出し30を冷蔵庫11から最も前側に引き出したときには、ビア樽T及びガスボンベGは冷蔵庫11の前縁よりも前側に位置するようになり、ビア樽T及びガスボンベGを前方に引き出すことなく上方または側方に持ち上げることが可能となっている。
【0020】
図2に示したように、引出し30に乗載されるビア樽Tは上部に設けた注出タップT1を介して飲料供給管T2によって注出コック12に着脱可能に接続されている。ビア樽Tは一般的に約5L、約10L、約20L等の各容量の容器が用いられており、ビア樽T自体の重量と内容物のビールとを含めて重量物となっている。また、ビア樽Tは上部に設けた注出タップT1を介してガス供給管T3によって引出し30に乗載されるガスボンベGに接続されている。ガスボンベGはビア樽T内のビールを圧送する炭酸ガスを封入したものである。
【0021】
この飲料ディスペンサ10においては、冷蔵庫11内は冷凍装置20の運転による冷却風によって冷却されており、冷蔵庫11内のビア樽T内のビール(飲料)はこの冷却風により冷却されている。注出コック12のレバーを操作することで、ビア樽T内のビールはガスボンベGから送出される炭酸ガスの圧力によって飲料供給管T2に押し出され、飲料供給管T2を通って注出コック12からグラス等の容器に注出される。
【0022】
ビールを注出することによりビア樽T内のビールが無くなったときには、以下の手順でビア樽Tを交換する。
図3に示したように、ビア樽TとガスボンベGが冷蔵庫11の前縁よりも前側となる位置まで引出し30を前方に引き出す。
図4に示したように、空となったビア樽Tから注出タップT1を取り外し、ビア樽Tを上方または側方に持ち上げて引出し30から取り出し、引出し30の底壁部32に新しいビア樽Tを乗載する。新しいビア樽Tに注出タップT1を取り付け、引出し30を後方に押し入れて冷蔵庫11内に収納する。また、
図4に示したように、ガスボンベGを交換するときにも、ガスボンベGを上方または側方に持ち上げて引出し30から取り出し、引出し30の底壁部32に新しいガスボンベGを乗載する。
【0023】
上記のように構成した飲料ディスペンサ10は、ビア樽(飲料容器)Tを収納可能とした冷蔵庫(収納庫)11と、冷蔵庫11の前面部に設けられてビア樽Tから導出された飲料供給管T2により供給されるビア樽T内のビール(飲料)を注出する注出コック(注出器)12とを備えている。冷蔵庫11の前面にはビア樽Tを出し入れする前面開口部11aを設けられており、冷蔵庫11にはビア樽Tを冷蔵庫11から前後に移動可能に出し入れさせる引出し30が設けられている。引出し30は冷蔵庫11の前面開口部11aを開閉自在に塞ぐ前壁部31と、前壁部31の下部から冷蔵庫11内にて後方に延出してビア樽Tを乗載可能とする底壁部32とを有し、前壁部31には注出コック12が取り付けられている。
【0024】
この飲料ディスペンサ10においては、ビア樽Tを冷蔵庫11から出し入れするときには、引出し30を前方に引き出すことで、ビア樽Tを持ちやすい位置まで冷蔵庫11の外側に移動させることができ、ビア樽Tを交換するときの作業性を向上させることができた。特に、ビア樽Tを冷蔵庫11の前縁よりも前側に位置するまで引出し30を前方に引き出すことができるため、ビア樽Tのどの部分にも手をかけやすくなるとともに、ビア樽Tを上方または側方に持ち上げるだけで引出し30から取り出すことができるようになり、ビア樽Tを交換するときの作業性を向上させることができた。
【0025】
また、引出し30の前壁部31に注出コック12が取り付けられているので、引出し30を冷蔵庫11から引き出したときに、注出コック12はビア樽Tとともに移動し、引出し30を冷蔵庫11に押し入れたときにも、注出コック12はビア樽Tとともに移動する。このため、注出コック12とビア樽Tとを接続する飲料供給管T2を必要以上に長くする必要がなく(最低限の長さでよく)、ビア樽Tを交換するときに飲料供給管T2に残るビールの量を少なくすることができ、ビア樽Tを交換するときのビールのロスを少なくすることができた。
【0026】
この飲料ディスペンサ10においては、引出し30の底壁部32にはビア樽Tだけでなくガス供給管T3によりビア樽Tに接続されたガスボンベGを乗載可能とした。これにより、引出し30を冷蔵庫11から引き出したときに、ガスボンベGはビア樽Tとともに移動し、引出し30を冷蔵庫11に押し入れたときにも、ガスボンベGはビア樽Tとともに移動する。このため、ビア樽TとガスボンベGとを接続するガス供給管T3を必要以上に長くする必要がなく(最低限の長さでよく)、ガスボンベGを交換するときにガス供給管T3に残る炭酸ガスの量を少なくすることができ、ガスボンベGを交換するときの炭酸ガスのロスを少なくすることができた。また、ガスボンベGを飲料ディスペンサ10の外側に設置しないため、飲料ディスペンサ10の見栄えを良くすることができた。なお、この実施形態では、引出し30にビア樽TとともにガスボンベGを乗載可能としたが、本発明はこれに限られるものでなく、ガス供給管T3を必要以上に長くする効果を得ることができないが、
図5に示したように、引出し30にはビア樽Tだけを乗載可能とし、ガスボンベGを冷蔵庫11の外側に設置するようにしてもよい。
【0027】
この飲料ディスペンサ10においては、冷蔵庫11には引出し30を前後に移動可能に支持するレール13を設けた。これにより、引出し30を冷蔵庫11に前後に出し入れしやすくすることができた
。
【0028】
この飲料ディスペンサ10においては、引出し30を冷蔵庫11に対して着脱可能とした。これにより、引出し30に溢出したビール等の汚れが付着したときにも、冷蔵庫11から引出し30を取り外し、取り外した引出し30を洗浄することができるようになった。
【0029】
上述した実施形態においては、飲料容器の一例としてビールを貯えたビア樽Tを用いて説明したが、本発明はこれに限られるものでなく、ビア樽にジュースや酎ハイ等の他の飲料を貯えたものであってもよい。さらに、飲料容器はビア樽に限られるものでなくペットボトル、瓶、缶等の密閉された容器であってもよい。
【0030】
上述した実施形態においては、収納庫の一実施形態として冷蔵庫11を用いて説明したが、本発明はこれに限られるものでなく、例えば飲料を加温または保温する温蔵庫を用いたものであってもよい。
【0031】
上述した実施形態においては、注出器の一実施形態として注出コック12を用いて説明したが、本発明はこれに限られるものでなく、弁機構を内蔵した注出装置等の注出器を用いたものであってもよい。
【0032】
上述した実施形態においては、引出し30の前壁部31に1つの注出コック12を設けたが、本発明はこれに限られるものでなく、引出し30の前壁部31に複数の注出コック12を設け、冷蔵庫11内に注出コックに対応した複数のビア樽Tを収納したものであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
10…飲料ディスペンサ、11…収納庫(冷蔵庫)、11a…前面開口部、12…注出器(注出コック)、13…レール、30…引出し、31…前壁部、32…後壁部、T…飲料容器(ビア樽)、T2…飲料供給管、T3…ガス供給管、G…ガスボンベ。