(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る業務処理システム全体の構成を示している。本業務処理システムは、建材メーカーが行う見積、設計、生産、出荷までの一連の業務に統一して用いられるものであり、複数の代理店・支点に設置された情報処理端末71a,71a,…と、本社に設置された情報処理端末71b,71bと、工場に設置された情報処理端末71cとを、本社に設置されたメインコンピュータ72とインターネット73及びイントラネット74により接続して構成されている。
メインコンピュータ72は、本システムを稼働させるプログラムや全商品のデータ等を保有するデータベース1と、各情報処理端末71a,71b,71cから入力された情報とプログラムに基づいて所定の情報処理を行う情報処理部75を有している。データベース1に格納される「全商品のデータ」には、商品マスタが含まれる。商品マスタには、全商品の商品コード、商品名、その商品の部品表、価格等の情報が含まれる。情報処理部75は、プログラムに基づいて商品マスタを参照しながら所定の情報処理を行って、後述する商品選択、見積書作成、施工図作成、部品展開等の各機能を実現する。
【0008】
本業務処理システムは、代理店・支点に設置された情報処理端末71aがメインコンピュータ72に接続することで、見積システム14、設計システム15、販売管理システム76の各サブシステムが構成される。
見積システム14は、商品の価格を顧客に提示するための資料(見積書)を作成するための仕組みであり、その特徴として顧客の要望に応じて最適な商品を容易に選択できる機能(商品選択システム3)を備えている。
設計システム15は、施工図(サッシなどを建物に取付けるための図面)を要望される顧客に対して施工図を自動的に作成する仕組みであり、上記の見積システム14で作成された物件明細を基に施工図が自動的に作成されるようになっている。また、自動作成された施工図に対して、必要に応じて加筆修正を実施する機能を有している。さらに、顧客より承認された施工図を基に生産部門へ生産指示する機能を有している。
販売管理システム76は、受注した物件について売上管理、請求管理、手配、仕入管理、支払管理を行う仕組みであり、見積システム14で作成された物件明細を基にこれらの機能を実施できるように構築されている。
【0009】
本業務処理システムは、本社に設置された情報処理端末71bがメインコンピュータ72に接続することで、部品展開システム8、生産設計システム13、部品製作工程管理システム64の各サブシステムが構成される。
部品展開システム8は、生産依頼された物件明細について、用意された部品表(構成情報)より生産するための部材情報、部品情報などを生成するものであり、その特徴としては見積システム14及び設計システム15において作成された物件明細の商品情報、寸法情報、色情報、オプション情報などから、必要な部材情報、部品情報などを自動で生成する機能を有している。
生産設計システム13は、上記の部品展開システム8で自動的に部品展開できない物件明細に対して、部材情報、部品情報などを修復して生産現場に情報提供するための仕組みであり、その特徴として既存物件からの明細複写機能、部分加工情報から部材加工情報を自動生成する機能など、作業効率を向上する機能を有している。
部品製作工程管理システム64は、部材、部品の三次元モデルを作成し、その組み合わせ情報(Digital Mock-Up)を登録することにより、製品構成を生成する仕組みであり、その特徴として三次元モデルや組合せ情報に「属性」を加えることで、自動的に生産用の部品表が作成される機能を有する。
【0010】
本業務処理システムは、工場に設置された情報処理端末71cがメインコンピュータ72に接続することで、生産管理システム77、製造管理システム78の各サブシステムが構成される。
生産管理システム77は、生産依頼を受けた後、実際に生産を行う工場の特定、製造のための情報追加などを行う仕組みである。
製造管理システム78は、製造依頼された明細の製造納期、工場稼働状況を確認しながら、実際の製造指示を行う仕組みであり、その特徴として製造ラインが停止することなく平準的に投入指示、投入順序決定する機能を有する。また、製造ライン上の自動機、半自動機に対して、動作制御情報を指示できる機能を有する。
【0011】
さらに本業務処理システムは、見積システム14、設計システム15、販売管理システム76、部品展開システム8及び生産設計システム13において統一して用いられる商品選択システム3を備えている。
さらに本業務処理システムは、見積システム14、設計システム15、販売管理システム76、部品展開システム8、生産設計システム13、生産管理システム77及び製造管理システム78の間で、互いの情報を共有し、確認することのできる受注内容確認システム19を備えている。
【0012】
以下、実際の業務の流れに沿って、各サブシステムについて詳細に説明する。まず、代理店・支店において、作業者が顧客の要望を聞きながら見積システム14を用いて見積書を作成する。見積システム14では、物件番号、物件名称を登録し、当該物件の窓に窓番(AW1,AW2,AW3,…)を付け、各窓に使用する商品を選択することで、物件明細を作成する。本見積システム14には、顧客の要望に応じて最適な商品を容易に選択できるようにするための商品選択システム3を備えている。
【0013】
図2−1,
図2−2は、商品選択システム3を構成する商品選択画面2の一例を示している。商品選択画面2には、部門、商品区分、シリーズ、窓種タイプ、窓種、枠種、断熱、溝幅、防火、オプション仕様の絞り込み条件が設けられ、各絞り込み込み条件について上位の絞り込み条件から順番に、画面右側に表示される選択候補表示窓79に表示された選択候補のうちから選択していくことで、全ての商品のうちから顧客の要望に合致する商品に徐々に絞り込めるようになっている。なお
図2−1は、窓種タイプを選択しているときの状態を示しており、
図2−2は、全ての絞り込み条件の選択が終わった状態を示している。一番上の項目である「部門」としては、「ビル」、「住宅」、「エクステリア」が選択できる。上位の項目を変えると、それに応じて下位の項目の選択候補が変化する。オプション仕様としては、商品のシリーズや窓種タイプ等に応じて、
図3に示すように、「アングルオプション」、「クレセントオプション」、「ハンドルオプション」といった複数のオプショングループが設けられており、商品選択画面2において各オプショングループについて用途・機能・品質に応じて一のオプションをそれぞれ選択可能である。
【0014】
データベース1には各絞り込み条件の選択項目の全ての組合せが登録されており、全ての絞り込み条件の選択が終わると一つの商品が特定され、その商品に対応した商品コード6が決定され、
図4に示すように、内訳画面83に商品コード6が表示される。
内訳画面には、窓のW寸法、H寸法を入力する欄80a,80bが設けてあり、W寸法とH寸法を入力すると、見積金額が自動的に計算されて、見積金額表示窓81に表示される。この画面を印刷することで、見積書が作成できる。見積金額の計算は、商品ごとにW寸法とH寸法等に応じて変化する計算式がメインコンピュータ72のデータベース1に記憶されており、メインコンピュータ72の情報処理部75が見積システム14から商品の情報を抽出し、計算式にあてはめて計算する。
【0015】
上述のように商品選択画面2を用いた商品選択を行うことなく、
図5に示すように、内訳画面83において商品コード6を直接入力することもできる。そうして商品コード6を入力すると、
図6に示すように、その商品コード6に対応した商品名84が表示されると共に、その商品を構成する枠、障子、網戸等に自動的に展開され、その枠、障子等の見積金額がそれぞれ表示される。
【0016】
本商品選択システム3では、商品選択及び見積がいったん終了した後、内訳画面83で窓番52をクリックすることで、選択された商品に対して各絞り込み条件の選択状況、すなわち
図2−2に示す商品選択画面2が表示され、この画面で選択項目を変更することで、商品を変更することができる。
図7は、例として「枠種」を「RC」から「RCアングル付」に変更する場合を示している。そうして選択項目を変更すると、
図8に示すように、内訳画面83に表示される商品コード6、見積金額81がそれに連動して変化する。
【0017】
また、
図5に示すように、内訳画面83において商品コード6を直接入力した後、同内訳画面83中の窓番52をクリックすることで、その商品に対応した各絞り込み条件の選択状況、すなわち
図2−2に示す商品選択画面2が表示され、この画面で選択項目を変更することで、商品を変更することもできる。
【0018】
このように本商品選択システムは、全商品の情報を保有するデータベースと、複数の絞り込み条件を順次選択することで商品を徐々に絞り込む機能と、選択された商品に対して各絞り込み条件の選択状況を表示する機能を有し、表示画面において選択項目を変更することで商品を変更できるので、商品を絞り込む条件の変更が容易である。
【0019】
さらに本商品選択システムでは、選択された商品の各絞り込み条件の選択状況を表示する画面(商品選択画面2)において、絞り込む途中の段階の特定の条件を選択することで、他のいくつかの絞り込み条件が自動的に選択されるようになっている。例えば、
図7に示すように、「枠種」を「RC」から「RCアングル付」に変更する場合について説明すると、先に述べたとおり、データベース1には各絞り込み条件の選択項目の全ての組合せが登録されており、「枠種」を「RC」から「RCアングル付」に変更した場合に、データベース1と照合して変更前の「枠種」よりも下位の絞り込み条件の選択項目(断熱:H1、溝幅:14溝幅など)が変更後においても選択可能であれば、
図9に示すように、変更前と同じように自動的に選択される。
また、本商品選択システムでは、選択された商品の各絞り込み条件の選択状況を表示する画面(商品選択画面2)において、絞り込む途中の段階の特定の条件を選択したときに、他のいくつかの絞り込み条件が自動的に選択されない場合に、手動で選択するように促される。例えば、
図7に示すように、「枠種」を「RC」から「RCアングル付」に変更した場合、変更前ではオプション仕様の下枠として「アルミ」が選択されているが、枠種の変更後ではこの項目を選択することができないとすると、
図9に示すように、選択候補表示窓79に選択候補を表示してその中から選択するように促す。なお、「枠種」を「RCアングル付」にした場合の下枠オプションのデフォルトの値として「チリ0」を予め設定しておき、「チリ0」が自動的に選択されるようにすることもできる。
上記の機能を備えることで、商品の選択及び変更が一層容易になる。
【0020】
本商品選択システム3には、商品を絞り込む各段階においてこれまでに選択された履歴を記憶する記憶機能を有しており(メインコンピュータ72のデータベース1に記憶される)、選択された回数の多い選択肢が優先的に表示されるようにしている。例えば、
図2−1は「窓種タイプ」を選択するときの状態を示しているが、画面右側の選択候補表示窓79には、これまでに選択された回数の多いものから順に上から表示している(「引違い窓2枚」が最も多く選択され、以下、「片引き窓」、「FIX窓」、「開き・回転窓」…の順に多く選択されている)。
【0021】
このように本商品選択システム3は、全商品の情報を保有するデータベース1と、複数の絞り込み条件を順次選択することで商品を徐々に絞り込む機能と、商品を絞り込む各段階においてこれまでに選択された履歴を記憶する記憶機能とを有し、選択された回数の多い選択肢が優先的に表示されるので、商品の絞り込みが簡単に短時間で行える。
【0022】
本見積システム14では、物件明細に含まれる複数の窓を一括して変更することができる。具体的な手順を説明すると、
図10に示す物件明細の画面85において「F12:オプション」ボタン86をクリックすると、
図11に示すオプション画面87が表示され、その画面中の「一括変更」ボタン88をクリックすると、
図12に示すような一括変更画面89が表示される。例えば、商品のシリーズを「マディオP」からより高性能の「アルジオ」に変更する場合、一括変更画面89において「変更前仕様内容」90として「マディオP」を、「変更後仕様内容」91として「アルジオ」を入力し、「実行」ボタン92をクリックすることで、物件明細に含まれる複数の窓を一括して「マディオP」から「アルジオ」に変更できる。一つの物件明細には、部門が「ビル」、「住宅」、「エクステリア」の商品を混在させることができる。
【0023】
見積が終われば、設計システム15により施工図面の作成を行う。設計システム15では、見積の段階で使用した商品選択システム14が共通して用いられ、見積の段階で商品選択システム14により入力された商品の情報が引き継がれる。したがって、見積の段階と商品に変更がなければ、設計の段階で商品選択をし直す必要がない。商品選択システム14は、見積の段階と設計の段階とで一の商品マスタ(データベース1)と一の情報処理部によって実行される。
図13は、設計段階における商品選択画面2の一例を示している。
図2−1,
図2−2に示す見積段階における商品選択画面とは、「耐風圧」、「気密」、「水密」、「遮音」の絞り込み条件が追加されている。これらの絞り込み条件は、見積の段階においても、設計の段階における
図13と同様に、耐風圧:S−5、気密:A−4、水密:1000Pa、遮音:T−1が自動的に選択されているが、選択中の商品シリーズ(MGT70)ではこれらの絞り込み条件を変更しても見積金額が変わらず、見積金額には影響がないため、
図2−1,
図2−2に示す見積段階の商品選択画面2では、これらが表示されないようにしている。なお、見積段階の商品選択画面2においても、設計段階と同様に「耐風圧」、「気密」、「水密」、「遮音」の選択状況を表示することもできる。設計の段階では、「耐風圧」、「気密」、「水密」、「遮音」の選択項目を必要に応じて変更することができる。他に見積金額に影響がないために、見積の段階で自動的に選択され且つ商品選択画面2に表示されない絞り込み条件としては、「色」、「勝手」、「かまち形」等がある。
【0024】
図14は、設計システム15に備えられた施工図作成画面82を示している。施工図作成画面82では、それまでに商品選択システム3により入力された窓種タイプ、枠種(納まり)、W・H寸法等の情報に基づいて、窓の姿図と納まり図(躯体に取付けた状態の縦・横断面)が自動的に作図され、表示画面に表示したり、印刷したりできる。
施工図作成画面82では、自動的に作図された施工図を編集したり、さらに商品の情報を追加したりする機能を有している。
図14に示す例では、見積の段階ではW寸法が1200、H寸法が1700(
図4参照)であったものを、W寸法を1230、H寸法を1650にそれぞれ変更している。また、クレセント高さ:750を追加で入力している。
上記のようにW寸法とH寸法を変更した後、内訳画面83に戻ると、
図15に示すように、W寸法とH寸法を変更したことに伴って、変更前は30,000円であった見積金額(
図4参照)が29,000円に変更されている。
【0025】
このように本商品選択システム3は、全商品の情報を保有するデータベース1と、複数の絞り込み条件を順次選択することで商品を徐々に絞り込む機能とを有し、見積の段階と設計の段階で共通して使用可能であり、見積の段階で使用する場合には、いくつかの条件(耐風圧、気密、水密、遮音)の選択が自動的になされ、その条件の選択結果は画面に表示されないので、見積の段階から設計の段階に亘る商品選択を効率化できる。
【0026】
設計システム15は、顧客より承認された施工図を基に生産部門へ生産指示する機能を有している。
図16は、このときに用いられる手配指示画面(生産指示機能)16を示している。
【0027】
手配指示がなされると、部品展開システム8を用い、用意された部品表(部品展開手段)4により生産するための部材情報、部品情報などを生成する。部品展開システム8は、見積システム14及び設計システム15において、商品選択システム3により特定された物件明細の商品情報、寸法情報、色情報、オプション情報等の情報が引き継がれ、これらの情報に基づいてその商品に必要な部材情報、部品情報などを自動で生成する。
部品表4は、商品を構成する部材(形材を加工して自社で製造される枠、框等)、部品(他社から購入するもの、樹脂部品、戸車等)の一覧表であり、商品(商品コード6)ごとに予め作成され、データベース1に保存されている。部品表4には、部材・部品の名称、構成数(または構成数計算式)、加工情報等が載っている。
図17は部品表4の一部を示しており、
図18は部品表4から必要な部材・部品の情報に展開した結果を表示した表示画面(表示手段)5を示している。
図17に示すように、部品表4にはその商品に使用できるクレセントが複数載っているが、
図2−2,
図13に示すように、見積・設計段階における商品選択システム3において、クレセントのオプションとして「クレセント(長)」が選択されているため、
図18に示す展開結果の表示画面5においては、クレセントとして「クレセント(長)」が選択されている。一方、商品選択システム3においてクレセントのオプションが「なし」の場合には、
図19に示すように、標準のクレセントである「クレセント(Wロック無)」が選択される。
【0028】
図18,19に示す展開結果の表示画面5においては、下枠等の部材(区分:A)と、その部材に取付く部品(区分:B)が、順番に記載されている。同表示画面には、部材・部品の名称、数量に加え、加工が必要な部品(部材)については、加工情報(加工図番)が表示される。また、展開結果の表示画面5においては、部品展開手段による必要な部品の割り出しと、表示手段5による部品の加工情報は、入力手段(商品選択画面2)における製品の寸法とオプションの入力情報に応じて変化する。すなわち
図20に示すように、オプションの入力情報に応じて、部品展開手段は部品の種類、数量を「0」、「1」、「2」と変化させ、クレセントが取付く縦框の加工図番も変更される。この展開結果のデータは工場へと送られ、工場ではこのデータに基づいて部材・部品を手配する。
【0029】
このように本部品展開システム8は、入力手段(商品選択画面2)と部品展開手段(部品表4)と表示手段(展開結果表示画面5)とを備え、入力手段により商品コードと製品の寸法と複数のオプションを入力すると、部品展開手段が入力手段により入力された情報に基づいてその製品に必要な部品を割り出し、表示手段がその製品に必要な部品の種類、部品の数、部品の加工情報のうち、少なくとも部品の種類と部品の数を表示するので、その製品に必要な部品が瞬時に把握でき、商品の受注・生産にかかる業務を効率化できる。
さらに本部品展開システムは、入力手段は、複数のオプショングループについて用途・機能・品質に応じて一のオプションを夫々選択可能であり、部品展開手段は、選択したオプションに応じて部品の種類・部品の加工情報(加工図番)を決定することで、多様なオプションを備えた複雑な商品の生産を容易に行うことができる。
【0030】
カーテンウォール等の物件毎に異なる商品については、上記の部品展開システム8では部品展開が行えない。そこで本業務処理システムには、これに対応するための生産設計システム13を備えている。
生産設計システム13には、姿図作成機能と部材明細出力機能と加工図生成機能を備えている。姿図作成機能は、商品の種類、寸法等を入力することで姿図を作成する。部材明細出力機能は、姿図中の各部材の切断寸法・数・加工図番号と、各部材に取付く部品の明細を出力する。加工図生成機能は、加工図を生成し、その加工図番号を部材明細出力機能に伝達する。
【0031】
まず、姿図作成機能について説明する。
図21は、本生産設計システム13を起動すると表示されるカーテンウォール仕様入力画面9を示している。この画面には、製造番号を表示するキャプションバーと、カーテンウォールの仕様を作成するための5つのウィンドウ(姿図基本設定ウィンドウ24、部材一覧ウィンドウ39、基本仕様ウィンドウ26、アクションボタンウィンドウ41、姿図作成ウィンドウ25)で構成される。
【0032】
以下、姿図を作成する手順を説明する。まず、アクションボタンウィンドウ41の「姿図作成」ボタン20を押下する。すると、
図22に示すような、姿図作成画面が表示される。姿図作成画面では、姿図番号及び姿図コメントの入力、段数及び列数の指定、商品及びタイプの指定、FIX部分の間口の指定、方立タイプ及びサイズの指定、見切タイプの指定を順次行う。方立タイプ及びサイズを指定すると、その方立のイメージ図が表示窓21に表示される。見切タイプを指定すると、その見切のイメージ図が表示窓22に表示される。以上の情報の入力・指定が完了したら、OKボタン23を押下する。
すると、上記で入力・指定された情報に基づいて、
図23に示すように、カーテンウォール仕様入力画面9の姿図基本設定ウィンドウ24に基本設定情報が、姿図作成ウィンドウ25に姿図が、基本仕様ウィンドウ26に商品・タイプに紐付く基本仕様情報がそれぞれ表示される。その後、姿図作成ウィンドウ25に表示された姿図で、W寸法27、H寸法28、方立上部伸ばし寸法29、方立下部伸ばし寸法30を入力する。
次に、アクションボタンウィンドウ41の中の「ブラケット」ボタン40を押下し、すると
図24に示すようなブラケット選択画面が起動し、この画面中でブラケットの情報31とイメージ
図32の選択、躯体固定金具の情報33の選択を行う。その後、OKボタン34をクリックすると、姿図作成ウィンドウ25に表示された姿図にブラケットの絵が追加される。その他、カーテンウォール仕様入力画面9において、必要に応じて方立の変更、方立分解点の設定、窓削除処理、FIX窓同士の結合・分解処理、窓種の変更、窓種及びブラケットのコピー/貼り付け処理等を行うことができる。
上記の作業を行った後、基本仕様ウィンドウ26の仕様欄35をクリックし(
図23参照)、姿図の基本となる仕様情報を設定する。ここで設定した情報を基に、構成明細と加工図のパーツ配列情報が作成される。
【0033】
次に、部材明細出力機能について説明する。以上の情報の入力を行い、姿図の作成が完了したら、アクションボタンウィンドウ41の中にある「保存」ボタン36又は「姿図作成完了」ボタン37を押下する。すると、
図25に示すように、姿図作成ウィンドウ25の姿図における方立、無目等の各部材に仮部材番号38が自動採番されると共に、部材一覧ウィンドウ39に部材のリストが表示される。
その後、
図26に示すように、部材一覧ウィンドウ39にて窓番43の選択、部材番号44の選択、カラー45の選択を行う。その後、部材一覧ウィンドウ39にて展開する部材のチェックボックス46にチェックを入れ、アクションボタンウィンドウ41の中にある「展開実行」ボタン42を押下する。すると、これまでに入力された情報を基に展開処理が実行され、
図27に示すような部材明細10が出力される。データベース1には、カーテンウォール全体の部品表が保存されてはいないが、商品・タイプに応じて、部分ごとの部品表が保存されており、部材明細はそれらの部品表を組み合わせることで作成される。
部材明細10には、部材番号44単位に、部材の切断寸法46、加工図番号47、部材に取付く部品48の一覧、数量49、部品名称50が表示される。この部材明細10のデータは工場へと送られ、工場ではこのデータに基づいて部材・部品を手配する。
【0034】
次に、加工図生成機能11について説明する。部材番号H1の方立について説明すると、メインコンピュータ72のデータベース1には、
図28に示すように、商品及びタイプ、方立の種類及びサイズ、ブラケットの種類等に応じて、当該方立の上端部、中間部及び下端部の部分加工図が保存されている。メインコンピュータ72の情報処理部75は、入力された情報に基づいてこれらの部分加工図を合成して自動的に加工
図12を生成し、その加工
図12の図番を部材明細出力機能10に伝達する。これにより、部材明細10の部材番号H1の加工図番号47の欄には、その加工
図12の図番が入力される。
加工図生成機能11は、上記のように自動作成された加工
図12を蓄積し、別の物件で同じ加工をする部材があったときに、蓄積された加工
図12を選択することができる。
【0035】
このように本生産設計システム13は、姿図作成機能(カーテンウォール仕様入力画面9)と部材明細出力機能(部材明細10)と加工図生成機能11を備え、姿図作成機能は、商品の種類、寸法等を入力することで姿図を作成し、部材明細出力機能は、姿図中の各部材の切断寸法・数・加工図番号と、各部材に取付く部品の明細を出力するものであり、加工図生成機能11は、加工
図12を生成し、その加工図番号を部材明細出力機能に伝達するので、物件毎に異なる商品の設計・生産が効率よく行える。
【0036】
生産管理システム77は、生産依頼を受けた後、
図29に示すような作業支持画面(生産管理機能)17により、実際に生産を行う工場の特定、製造のための情報追加を行う。
製造管理システム78は、
図30に示すような投入画面(生産管理機能)18により、製造依頼された明細の製造納期、工場稼働状況を確認しながら実際の製造指示を行う。投入画面18には、製造ラインが停止することなく平準的に投入指示、投入順序決定する機能を有する。また、製造ライン上の自動機、半自動機に対して、動作制御情報を指示できる機能を有する。
【0037】
受注内容確認システム19は、以上に説明した見積システム14、設計システム15、販売管理システム76、部品展開システム8、生産設計システム13、生産管理システム77及び製造管理システム78の間で情報を共有する。例えば、工場の生産管理者が工場の情報処理端末71cから、代理店・支店において見積システム14及び設計システム15により作成された見積の情報や施工図情報を確認したり、代理店・支店の営業担当者や設計者が代理店・支店の情報処理端末71aから、工場において生産管理システム77や製造管理システム78により作成された工場の稼働状況などを確認することができる。
例えば、
図4に示すように、全ての情報処理端末71a,71b,71cにおいて表示される本業務処理システムのメイン画面の上部に表示されるメニューボタンのうちの「内訳」ボタン51を押下することで、物件毎の見積情報を確認することができ、その画面中の窓番ボタン52を押下することで、
図14に示すような施工図作成画面82が表示され、施工図情報を確認することができる。
【0038】
また、
図31に示すように、メイン画面で「一覧表示」ボタン53を押下すると、現在進行中の物件の一覧が表示され、これには物件毎の「見積(見)」、「受注(受)」、「設計(設)」、「出荷(出)」、「売上(売)」の進捗状況がそれぞれ表示される。この画面中で、「見積(見)」の進捗マーク(図中の丸印)をクリックすることで、
図4に示すような内訳画面83が表示され、見積情報を閲覧することができる。また、「設計(設)」の進捗マークをクリックすることで、
図14に示すような施工図作成画面82が表示され、施工図情報を閲覧できる。また、
図32に示すように、メイン画面で「発注」ボタン54を押下することで、物件全明細の一括手配、手配済み明細の納品日の確認ができる。また、
図33に示すように、メイン画面で「受注」ボタン55を押下することで、受注時と現在の受注額、粗利益の変動、現在の手配額、売上額(出来高)が確認できる。金額は設計、再見積り、仕入、出荷を行うことでリアルタイムで変動する。
【0039】
このように本受注内容確認システム19は、見積作成機能(見積システム14)と、受注を受けて見積作成機能からの商品仕様情報を取り込むことができる施工図作成機能(設計システム15)と、受領を受けて施工図作成機能により作成した施工図情報を基に生産指示する機能(手配指示画面16、
図16参照)と、生産指示により生産設計図を作成する機能(加工図生成機能11、
図28参照)と、生産管理機能(
図29,30参照)とを備え、作成した施工図情報を見積管理者及び生産管理者が確認できることで、生産人員計画、部材等の購買計画の作成に資することができる。
さらに、本受注内容確認システム19は、設計システム15の説明で述べたように、施工図を編集する機能を有し、施工図を編集すると、それに連動して見積情報が変化するので、設計段階で寸法等が変わっても再見積りが簡単に行える。
【0040】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。扱う商品はサッシ等の建材に限定されるものではなく、あらゆる商品に本発明を適用することができる。