(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電気接続構造体は、一方の前記電気接続部の他方の平面を押圧して前記一方の電気接続部を他方の前記電気接続部に押し付ける第1押圧壁と、前記他方の電気接続部の他方の平面を押圧して前記他方の電気接続部を前記一方の電気接続部に押し付ける第2押圧壁と、を有する接続部材を前記結合構造部として備えることを特徴とした請求項1又は2に記載の電気配線ブロック接合体。
前記結合構造部は、一方の前記電気接続部から突出させ、かつ、前記一方の電気接続部に重ね合わせた他方の前記電気接続部に対して前記一方の電気接続部との間で圧着させる圧着部を有することを特徴とした請求項1又は2に記載の電気配線ブロック接合体。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[実施形態]
本発明に係る電気配線ブロック接合体、電気接続箱及びワイヤハーネスの実施形態の1つを
図1から
図10に基づいて説明する。
【0016】
図1から
図4の符号1は、本実施形態の電気配線ブロック接合体を示す。また、
図1の符号JBと符号WHは、各々、その電気配線ブロック接合体1を備えた本実施形態の電気接続箱と、この電気接続箱JBを備えた本実施形態のワイヤハーネスと、を示す。
【0017】
電気配線ブロック接合体1とは、電子部品EPを収容する複数の電気配線ブロック(後述する第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20)が接合されたものである(
図1から
図4)。また、電気接続箱JBとは、筐体JBaに複数の電気配線ブロックが電子部品EPと共に収容されたものである(
図1)。その筐体JBaには、少なくとも1つの電気配線ブロック接合体1が収容される。よって、この電気接続箱JBは、電気配線ブロック接合体1とは別の電気配線ブロック接合体や電気配線ブロックが筐体JBaに収容される場合もある。電気配線ブロック接合体1は、その筐体JBaに周知のロック機構(図示略)等を介して保持される。ワイヤハーネスWHとは、その電気接続箱JBの電子部品EPに対して電気的に接続された電線(電力供給線や信号線等)Weを筐体JBaの内方から外方に引き出したものである(
図1)。尚、図中の筐体JBaは、フレームの外壁のみを示した概念図であり、このフレームの2つの開口を各々のカバーで塞いでいる。
【0018】
電気接続箱JBは、電線Weと共にワイヤハーネスWHとして、例えば、車両(図示略)のエンジンコンパートメント等に設置される。この電気接続箱JBにおいては、車両に搭載された接続対象物(図示略)が電子部品EPに対して電線Weを介して電気的に接続されている。例えば、この電気接続箱JBにおいては、電子部品EPに対して少なくとも2本の電線Weを電気的に接続し、この電子部品EPを介して少なくとも2つの接続対象物の間を電気的に繋ぐ。電子部品EPとは、例えば、リレー、ヒューズ等の回路保護部品、コネクタ、端子金具などのことを指している。本実施形態では、回路基板、電子制御ユニット(いわゆるECU)等の電子機器についても、筐体JBaに収容される電子部品EPの一形態として考える。また、接続対象物とは、二次電池などの電源、電気機器(アクチュエータ等)などの負荷、センサなどのことを指している。この例示では、電子部品EPに接続される2本の電線Weの内の一方が、車両の二次電池に対して電気的に接続されている。
【0019】
以下に、電気配線ブロック接合体1について具体的に説明する。
【0020】
電気配線ブロック接合体1は、先に示したように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。電気配線ブロックとは、電子部品EPの他にバスバも収容し、その電子部品EPとバスバを内方で電気的に接続させるものである。本実施形態の電気配線ブロック接合体1においては、相互間での接合対象となる2つの電気配線ブロックの間でそれぞれのバスバを結合させることによって、その2つの電気配線ブロックを接合させる。この電気配線ブロック接合体1は、それぞれのバスバの平板状の電気接続部を結合させた電気接続構造体を備えている。
【0021】
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック10、第2電気配線ブロック20)を備えた電気配線ブロック接合体1について例示する(
図1から
図4)。第1電気配線ブロック10(
図1から
図6)と第2電気配線ブロック20(
図1から
図4、
図7及び
図8)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
【0022】
第1電気配線ブロック10は、電子部品EPとして回路保護部品EP1を収容すると共に、バスバ30を収容する(
図3から
図5)。この第1電気配線ブロック10には、回路保護部品EP1を収容及び保持する第1収容室11(
図5)と、バスバ30を収容及び保持する第2収容室12(
図6)と、が形成されている。この第1電気配線ブロック10においては、6つの回路保護部品EP1を収容し、それぞれの回路保護部品EP1を1つのバスバ30を介して電気的に接続する。よって、この例示では、第1収容室11が格子状に6つ並べて配置されており、それぞれの第1収容室11に開口部11a(
図5)を介して回路保護部品EP1が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室11には、開口部12a(
図6)を介して第2収容室12に収容したバスバ30の端子接続部31が各々挿入されている。従って、回路保護部品EP1は、第1収容室11に収容した際に、バスバ30に対して端子接続部31を介して物理的且つ電気的に接続される。
【0023】
ここで、バスバ30は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ30は、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(
図4、
図5、
図9及び
図10)。このバスバ30は、回路保護部品EP1毎の6つの端子接続部31を有している。この例示の端子接続部31は、所謂雄タブ型に形成されており、回路保護部品EP1の一方の雌型の端子接続部(図示略)に挿入され且つ嵌合される。このバスバ30は、同一平面上で略等間隔に並べられた3つの端子接続部31の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせを対向配置している。このバスバ30は、一方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部32と、他方の組み合わせの3つの端子接続部31を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部33と、を有する。このバスバ30においては、それぞれの端子接続部31を第1連結部32と第2連結部33から同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向が回路保護部品EP1の端子接続部との挿抜方向になる。更に、このバスバ30は、第1連結部32と第2連結部33を端子接続部31とは逆側で連結させる矩形の第3連結部34を有する。このバスバ30においては、6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34とで主体部分が形成されている。
【0024】
この第1電気配線ブロック10においては、回路保護部品EP1の他方の雌型の端子接続部(図示略)に電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば雄タブ型の端子金具を介して回路保護部品EP1に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、回路保護部品EP1毎に設けられている。
【0025】
第2電気配線ブロック20は、電子部品EPとしてリレーEP2を収容すると共に、バスバ40を収容する(
図3、
図4及び
図7)。この第2電気配線ブロック20には、リレーEP2を収容及び保持する第1収容室21(
図7)と、バスバ40を収容及び保持する第2収容室22(
図8)と、が形成されている。この第2電気配線ブロック20においては、10個のリレーEP2を収容し、それぞれのリレーEP2を1つのバスバ40を介して電気的に接続する。よって、この例示では、第1収容室21が格子状に10個並べて配置されており、それぞれの第1収容室21に開口部21a(
図7)を介してリレーEP2が1つずつ収容される。また、それぞれの第1収容室21には、開口部22a(
図8)を介して第2収容室22に収容したバスバ40の端子接続部41が各々挿入されている。従って、リレーEP2は、第1収容室21に収容した際に、バスバ40に対して端子接続部41を介して物理的且つ電気的に接続される。
【0026】
ここで、バスバ40は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ40は、第1電気配線ブロック10のバスバ30と同じように、銅板等の金属板を母材にしてプレス成形された板状のものである(
図4、
図7、
図9及び
図10)。このバスバ40は、リレーEP2毎の10個の端子接続部41を有している。この例示の端子接続部41は、所謂音叉端子型に形成されており、リレーEP2の一方の雄タブ型の端子接続部EP2aが挿入されることで、このリレーEP2の端子接続部EP2aを挟み込む。このバスバ40は、同一平面上で略等間隔に並べられた5つの端子接続部41の組み合わせを2組有しており、それぞれの組み合わせを対向配置している。このバスバ40は、一方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第1連結部42と、他方の組み合わせの5つの端子接続部41を同一平面上で連結させる矩形の第2連結部43と、を有する。このバスバ40においては、それぞれの端子接続部41を第1連結部42と第2連結部43から同一方向に向けて突出させ且つ延在させており、その延在方向がリレーEP2の端子接続部EP2aとの挿抜方向になる。更に、このバスバ40は、第1連結部42と第2連結部43を端子接続部41とは逆側で連結させる矩形の第3連結部44を有する。このバスバ40においては、10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44とで主体部分が形成されている。
【0027】
この第2電気配線ブロック20においては、リレーEP2の他方の雄タブ型の端子接続部EP2bに電線Weの端部が電気的に接続される。その電線Weは、端部に取り付けた例えば音叉端子型の端子金具を介してリレーEP2に物理的且つ電気的に接続されている。この電線Weは、リレーEP2毎に設けられている。
【0028】
ここで示した第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20は、先に示したように、それぞれのバスバ30,40を結合させることによって、互いに接合された電気配線ブロック接合体1を形成する。この電気配線ブロック接合体1においては、第1収容室11の開口部11a(回路保護部品EP1の挿入口)と第1収容室21の開口部21a(リレーEP2の挿入口)とが同じ向きに口を開け、かつ、第2収容室12の開口部12a(バスバ30の挿入口)と第2収容室22の開口部22a(バスバ40の挿入口)とが同じ向きに口を開けるように、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20とを接合する。この電気配線ブロック接合体1は、それぞれのバスバ30,40の電気接続部35,45を結合させた電気接続構造体50を備えている(
図2から
図4、
図9及び
図10)。
【0029】
バスバ30においては、主体部分(6つの端子接続部31と第1連結部32と第2連結部33と第3連結部34)から突出させた状態で電気接続部35を設ける(
図4、
図5、
図9及び
図10)。この例示のバスバ30は、第1連結部32の端部(一辺)から突出させた第4連結部36を有しており、この第4連結部36を介して電気接続部35を第1連結部32に連結させている。ここでは、第1連結部32において、3つの端子接続部31の配列方向における一方の端部に第4連結部36を設けている。この例示の第4連結部36は、第1連結部32と同一平面上で矩形の平板状に形成されており、3つの端子接続部31の配列方向に沿って延在させている。電気接続部35は、第4連結部36における突出方向側(つまり、自由端側)の端部に設ける。この例示の電気接続部35は、第1連結部32及び第4連結部36と同一平面上で矩形の平板状に形成されており、第4連結部36の自由端側の端部から端子接続部31の突出方向に向けて突出させている。
【0030】
このバスバ30においては、少なくとも電気接続部35を第1電気配線ブロック10から外方に突出させる。ここでは、電気接続部35のみを第1電気配線ブロック10から外方に突出させている。先に示したように、この例示の電気接続部35は、端子接続部31の突出方向に向けて突出させている。つまり、この例示の電気接続部35は、第1電気配線ブロック10における回路保護部品EP1の搭載面側に突出させている。
【0031】
バスバ40においては、主体部分(10個の端子接続部41と第1連結部42と第2連結部43と第3連結部44)から突出させた状態で電気接続部45を設ける(
図4、
図7、
図9及び
図10)。この例示のバスバ40は、第1連結部42の端部(一辺)から突出させた第4連結部46を有しており、この第4連結部46を介して電気接続部45を第1連結部42に連結させている。ここでは、第1連結部42において、5つの端子接続部41の配列方向における一方の端部に第4連結部46を設けている。この例示の第4連結部46は、第1連結部42と同一平面上で矩形の平板状に形成されており、5つの端子接続部41の配列方向に沿って延在させている。電気接続部45は、第4連結部46における突出方向側(つまり、自由端側)の端部に設ける。この例示の電気接続部45は、第1連結部42及び第4連結部46と同一平面上で矩形の平板状に形成されており、第4連結部46の自由端側の端部から端子接続部41の突出方向に向けて突出させている。
【0032】
このバスバ40においては、少なくとも電気接続部45を第2電気配線ブロック20から外方に突出させる。ここでは、電気接続部45と第4連結部46を第2電気配線ブロック20から外方に突出させている。先に示したように、この例示の電気接続部45は、端子接続部41の突出方向に向けて突出させている。つまり、この例示の電気接続部45は、第2電気配線ブロック20におけるリレーEP2の搭載面側に突出させている。
【0033】
この電気配線ブロック接合体1においては、それぞれのバスバ30,40の第4連結部36,46が収容される第3収容室を第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の内の少なくとも一方に設けている。ここでは、第1電気配線ブロック10に第3収容室13を設けている(
図1から
図6)。その第3収容室13は、第2収容室12の開口部12aと同じ向きに口を開けた開口部13aを有する(
図6)。それぞれのバスバ30,40の電気接続部35,45と第4連結部36,46は、その開口部13aから第3収容室13に挿入される。第3収容室13は、第1収容室11の開口部11aと同じ向きに口を開けた開口部13bを有する(
図2から
図5)。第3収容室13に挿入されたそれぞれの電気接続部35,45は、その開口部13bから第3収容室13の外方に突出させる。尚、第3収容室13には、電気接続部45の挿入を阻害せぬように切欠き13cを設けている(
図6)。
【0034】
電気接続構造体50は、それぞれの電気接続部35,45の対向配置された一方の平面同士を互いに重ね合わせた状態で、それぞれのバスバ30,40を結合させる。この電気接続構造体50は、接合された第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20から外方に突出させたそれぞれの電気接続部35,45と、それぞれの電気接続部35,45の一方の平面同士を重ね合わせて結合させる結合構造部51と、を備える(
図2から
図4、
図9及び
図10)。
【0035】
具体的に、本実施形態の電気接続構造体50は、バスバ30,40とは別の部材である接続部材を結合構造部51として備えている(
図2から
図4、
図9及び
図10)。よって、以下においては、その接続部材を「接続部材51」と称する。この例示の接続部材51は、金属等の導電性材料で成形する。
【0036】
この接続部材51は、それぞれの電気接続部35,45の内の一方における他方の平面に対向配置された第1押圧壁51aと、その内の他方における他方の平面に対向配置された第2押圧壁51bと、を有する(
図2及び
図10)。この接続部材51は、一方の平面同士が重ね合わされたそれぞれの電気接続部35,45を第1押圧壁51aと第2押圧壁51bとで挟持することによって、それぞれの電気接続部35,45が重なり合った状態を保たせる。よって、第1押圧壁51aとは、一方の電気接続部35(45)の他方の平面を押圧することによって、この一方の電気接続部35(45)を他方の電気接続部45(35)に押し付けるものである。また、第2押圧壁51bとは、他方の電気接続部45(35)の他方の平面を押圧することによって、この他方の電気接続部45(35)を一方の電気接続部35(45)に押し付けるものである。
【0037】
この例示の接続部材51は、間隔を空けて対向配置された第1押圧壁51aと第2押圧壁51bの隣設する一方の端部(一辺)同士を連結させる第1連結壁51cと、その第1押圧壁51aと第2押圧壁51bの隣設する他方の端部(一辺)同士を連結させる第2連結壁51dと、を有する(
図2及び
図10)。ここでは、その第1押圧壁51aと第2押圧壁51bと第1連結壁51cと第2連結壁51dとを有する角筒状に接続部材51を成形する。この接続部材51においては、第1押圧壁51aと第2押圧壁51bと第1連結壁51cと第2連結壁51dとで囲まれた内方の空間を挿入空間52とし(
図2及び
図10)、この挿入空間52にそれぞれの電気接続部35,45を一方の平面同士が重ね合わされた状態で挿入する。
【0038】
この例示の接続部材51においては、第1押圧壁51aと第2押圧壁51bに、各々、挿入空間52へと膨出させた膨出部51a
1,51b
1を少なくとも1つずつ設けている(
図4及び
図9)。それぞれの膨出部51a
1,51b
1は、挿入空間52を挟んで対向配置されており、挿入空間52に挿入されたそれぞれの電気接続部35,45を挟持する。ここでは、その対向配置された膨出部51a
1,51b
1の組み合わせを3組設けている。
【0039】
それぞれの膨出部51a
1,51b
1は、それぞれの電気接続部35,45が挿入される前に予め形成されているものであってもよい。この場合には、対向配置された膨出部51a
1,51b
1の間隔をそれぞれの電気接続部35,45の板厚の合計値よりも小さくする。その膨出部51a
1,51b
1の間隔は、それぞれの電気接続部35,45の挿入空間52への挿入が可能となる範囲内で小さくする。従って、それぞれの電気接続部35,45は、挿入空間52に挿入された際に、それぞれの膨出部51a
1,51b
1で挟持される。
【0040】
一方、それぞれの膨出部51a
1,51b
1は、それぞれの電気接続部35,45が挿入された後に外方から加圧して形成したものであってもよい。この場合には、対向配置された第1押圧壁51aと第2押圧壁51bの間隔をそれぞれの電気接続部35,45の板厚の合計値よりも大きくする。それぞれの膨出部51a
1,51b
1は、挿入空間52に挿入されたそれぞれの電気接続部35,45に向けて、外方から第1押圧壁51aと第2押圧壁51bを部分的に加圧していくことによって形成する。その第1押圧壁51aと第2押圧壁51bの加圧対象部位は、それぞれの膨出部51a
1,51b
1でそれぞれの電気接続部35,45を挟持することができる位置まで加圧する。ここでは、後の加圧で形成される膨出部51a
1,51b
1を例示している。
【0041】
この電気配線ブロック接合体1は、その電気接続構造体50を外方から開閉自在に覆う絶縁性の蓋部材60を備える(
図1から
図6)。その蓋部材60は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この蓋部材60は、閉位置で電気接続構造体50を外方に露出させないように主体部分61を形成する。この例示では、一端の開口が塞がれた角筒状に主体部分61を形成する。その主体部分61においては、他端の開口61aを電気接続構造体50の挿入口として利用し、内部空間61bを閉位置での電気接続構造体50の収容室として利用する(
図6)。
【0042】
この例示の蓋部材60は、第1電気配線ブロック10に取り付けている。この蓋部材60は、第1電気配線ブロック10に対して着脱自在に取り付けられるものであってもよく、第1電気配線ブロック10に対して閉位置と開位置との間で相対移動自在に取り付けられるものであってもよい。この例示の蓋部材60には、第1電気配線ブロック10に対して主体部分61を回動自在に取り付ける回動軸62が設けられている(
図1)。この蓋部材60は、その回動軸62の軸周りに主体部分61を閉位置(
図1)と開位置(
図2から
図6)との間で相対回転させる。閉位置の蓋部材60は、電気接続構造体50を外方に露出させないので、この電気接続構造体50に対する他部品や人の手指等の接触を回避することができる。一方、開位置の蓋部材60は、電気接続構造体50を外方に露出させることができる。例えば、その電気接続構造体50は、蓋部材60を開いて外方へと露出させられた際に(
図3)、外部電源(例えば、救援車となる他車両の二次電池、充電器等)からの給電が可能な給電端子として使用可能である。
【0043】
この例示では、蓋部材60を閉位置で第1電気配線ブロック10に保持させるべく、蓋部材60と第1電気配線ブロック10との間にロック機構65を設けている(
図2、
図4及び
図5)。そのロック機構65は、蓋部材60に設けた係止部65aと、第1電気配線ブロック10に設けた被係止部65bと、で構成する。ここでは、蓋部材60が閉位置のときに係止部65aと被係止部65bとが互いに係止される爪部として形成している。この例示の係止部65aは、主体部分61から突出させた可撓性の片部63に設けている。
【0044】
このように、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45を結合させることによって、それぞれのバスバ30,40を物理的且つ電気的に接続させることができ、かつ、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20を接合させることができる。この電気配線ブロック接合体1は、その状態にて、それぞれの電気接続部35,45が一方の平面同士を重ね合わせて結合されている。よって、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45の間の接触面積を増加させ、この相互間での電気的な接続の安定化を図ることができる。
【0045】
更に、その接触面積の増加は、それぞれの電気接続部35,45での放熱面積の増加にも繋がる。よって、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45にて、放熱面積を増加させ、放熱効率を高めることができる。また、それぞれの電気接続部35,45は、接合された第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20の外方に配置されている。よって、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45が第1電気配線ブロック10等の内方に収まっている場合と比較して、それぞれの電気接続部35,45から周囲の空気層への放熱が行われ易くなっている。また、それぞれの電気接続部35,45は、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20における電子部品EPの搭載面側に突出させている。よって、この電気配線ブロック接合体1は、それぞれの電気接続部35,45を筐体JBaのフレームとカバーとで囲われた空気層に配置することができるので、それぞれの電気接続部35,45から周囲の空気層への放熱が行われ易くなっている。また、それぞれの電気接続部35,45は、接続部材51で挟持されて電気接続構造体50を成している。よって、この電気配線ブロック接合体1は、その電気接続構造体50を空気層に配置することができるので、この電気接続構造体50から周囲の空気層への放熱が行われ易くなっている。この電気配線ブロック接合体1は、その接続部材51に熱伝導率の高い材料を用いることで、電気接続構造体50からの放熱が更に行われ易くなる。このように、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20との間の電気的な接続を成す通電経路上での放熱性を高めることができる。
【0046】
また更に、この電気配線ブロック接合体1は、電気接続構造体50を給電端子として利用することができる。特に、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、電気接続構造体50が放熱性に優れたものとなっているので、発熱量が高くなり得るハイブリッド車両や電気自動車等の給電端子として電気接続構造体50を利用することができる。このように、この電気配線ブロック接合体1は、給電端子のための専用の部品を設ける必要がないので、部品点数を減らし、原価の低減を図ることができる。
【0047】
以上示したように、本実施形態の電気配線ブロック接合体1は、接合対象となる第1電気配線ブロック10と第2電気配線ブロック20との間での電気的な接続の安定化と、その電気的な接続を成す通電経路上での放熱性の向上と、を図ることができる。更に、この電気配線ブロック接合体1は、そのような効果を奏しつつも、原価の低減を図ることができる。また、本実施形態の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体1を備えているので、この電気配線ブロック接合体1が奏する効果を同様に得ることができる。
【0048】
[変形例]
図11から
図13の符号2は、本変形例の電気配線ブロック接合体を示す。ここで図示しないが、この電気配線ブロック接合体2は、前述した実施形態と同じように、筐体JBaに収容することで電気接続箱JBを構成し、この電気接続箱JBに電線Weを繋げることでワイヤハーネスWHを構成する。また、実施形態と同一のものについては、本変形例の図中で符号と共に示していたとしても、説明を省略していることがある。
【0049】
電気配線ブロック接合体2は、前述した実施形態と同じように、複数の電気配線ブロックが接合されたものである。この電気配線ブロック接合体2においては、本変形例でも、前述した実施形態と同じように、相互間での接合対象となる2つの電気配線ブロックの間でそれぞれのバスバを結合させることによって、その2つの電気配線ブロックを接合させる。そして、この電気配線ブロック接合体2は、それぞれのバスバの電気接続部を結合させた電気接続構造体を備えている。
【0050】
ここでは、2つの電気配線ブロック(第1電気配線ブロック110、第2電気配線ブロック120)を備えた電気配線ブロック接合体2について例示する(
図11から
図13)。第1電気配線ブロック110(
図11から
図15)と第2電気配線ブロック120(
図11から
図13、
図16及び
図17)は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。
【0051】
第1電気配線ブロック110は、実施形態の第1電気配線ブロック10と同様のものであり、回路保護部品EP1とバスバ130を収容する(
図13及び
図14)。この第1電気配線ブロック110には、回路保護部品EP1を収容及び保持する第1収容室111(
図14)と、バスバ130を収容及び保持する第2収容室112(
図15)と、が形成されている。回路保護部品EP1は、開口部111a(
図14)を介して第1収容室111に収容される。バスバ130は、開口部112a(
図15)を介して第2収容室112に収容される。この第1電気配線ブロック110においては、第1電気配線ブロック10と同様の数量と配置で第1収容室111と第2収容室112とが形成されている。
【0052】
バスバ130は、実施形態のバスバ30と同様の形状に形成されたものであり、6つの端子接続部131と第1連結部132と第2連結部133と第3連結部134と電気接続部135と第4連結部136とを有する(
図12から
図14)。電気接続部135は、実施形態の電気接続部35と同じように、端子接続部131の突出方向に向けて突出させているので、第1電気配線ブロック110における回路保護部品EP1の搭載面側に突出されることになる。
【0053】
第2電気配線ブロック120は、実施形態の第2電気配線ブロック20と同様のものであり、リレーEP2とバスバ140を収容する(
図13及び
図16)。この第2電気配線ブロック120には、リレーEP2を収容及び保持する第1収容室121(
図16)と、バスバ140を収容及び保持する第2収容室122(
図17)と、が形成されている。リレーEP2は、開口部121a(
図16)を介して第1収容室121に収容される。バスバ140は、開口部122a(
図17)を介して第2収容室122に収容される。この第2電気配線ブロック120においては、第2電気配線ブロック20と同様の数量と配置で第1収容室121と第2収容室122とが形成されている。
【0054】
バスバ140は、実施形態のバスバ40と同様の形状に形成されたものであり、10個の端子接続部141と第1連結部142と第2連結部143と第3連結部144と電気接続部145と第4連結部146とを有する(
図11から
図13、
図16及び
図17)。電気接続部145は、実施形態の電気接続部45と同じように、端子接続部141の突出方向に向けて突出させているので、第2電気配線ブロック120におけるリレーEP2の搭載面側に突出されることになる。
【0055】
この電気配線ブロック接合体2においては、第1収容室111の開口部111a(回路保護部品EP1の挿入口)と第1収容室121の開口部121a(リレーEP2の挿入口)とが同じ向きに口を開け、かつ、第2収容室112の開口部112a(バスバ130の挿入口)と第2収容室122の開口部122a(バスバ140の挿入口)とが同じ向きに口を開けるように、第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120とを接合する。
【0056】
この電気配線ブロック接合体2においては、それぞれのバスバ130,140の第4連結部136,146が収容される第3収容室を第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120の内の少なくとも一方に設けている。ここでは、第1電気配線ブロック110に第3収容室113を設けている(
図11から
図15)。その第3収容室113は、第2収容室112の開口部112aと同じ向きに口を開けた開口部113a(
図15)と、第1収容室111の開口部111aと同じ向きに口を開けた開口部113b(
図11から
図14)と、を有する。それぞれのバスバ130,140の電気接続部135,145と第4連結部136,146は、開口部113aから第3収容室113に挿入される。第3収容室113に挿入されたそれぞれの電気接続部135,145は、開口部113bから第3収容室113の外方に突出させる。尚、第3収容室113には、電気接続部145の挿入を阻害せぬように切欠き113cを設けている(
図15)。
【0057】
この電気配線ブロック接合体2は、それぞれのバスバ130,140の電気接続部135,145を結合させた電気接続構造体150を備えている(
図11から
図14及び
図16から
図21)。
【0058】
その電気接続構造体150は、実施形態の電気接続構造体50と同じように、それぞれの電気接続部135,145の対向配置された一方の平面同士を互いに重ね合わせた状態で、それぞれのバスバ130,140を結合させる。この電気接続構造体150は、接合された第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120から外方に突出させたそれぞれの電気接続部135,145と、それぞれの電気接続部135,145の一方の平面同士を重ね合わせて結合させる結合構造部151と、を備える(
図11から
図14及び
図18から
図21)。
【0059】
具体的に、本実施形態の結合構造部151は、それぞれの電気接続部135,145の内の一方に、この一方の電気接続部135(145)に重ね合わせた他方の電気接続部145(135)に対して一方の電気接続部135(145)との間で圧着させる圧着部151aを有している(
図11から
図14及び
図18から
図21)。その圧着部151aは、一方の電気接続部135(145)から突出させている。
【0060】
ここでは、3つの端子接続部131の配列方向に位置し且つ対向配置された電気接続部135の2つの端部(辺部)に、圧着部151aを各々設けている。それぞれの圧着部151aは、電気接続部135と同一平面上で矩形の平板状の片部として形成されたものであり、その片部を折り曲げ且つ加圧することで、電気接続部135との間で電気接続部145に圧着させる。それぞれの圧着部151aは、所謂圧着端子においてのバレル片部の如きものである。
【0061】
例えば、それぞれの圧着部151aは、それぞれの電気接続部135,145の一方の平面同士を重ね合わせた後で弧状に折り曲げて、電気接続部135との間に電気接続部145を介在させる(
図19)。その後、それぞれの圧着部151aは、弧状部分が加圧されながら平板状に潰されていき、電気接続部135との間で電気接続部145に圧着される(
図13及び
図18)。このような圧着加工工程を本例示で採る場合には、それぞれの電気接続部135,145を予め結合した上で、互いに結合されたそれぞれのバスバ130,140を第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120に収容する。
【0062】
一方、それぞれの圧着部151aは、電気接続部135と共に開口部113aから第3収容室113に挿入させることが可能で、かつ、開口部113bから第3収容室113の外方に突出させることが可能な形状(例えば、弧状)に予め折り曲げておいてもよい。その折り曲げ加工に際しては、それぞれの圧着部151aと電気接続部135との間に、電気接続部145を挿入し得る大きさの空間Sを空けておく(
図20及び
図21)。この場合には、結合前のそれぞれのバスバ130,140を第1電気配線ブロック110と第2電気配線ブロック120に収容しておくことができる。この場合には、それぞれの圧着部151aと電気接続部135との間に電気接続部145を挿入した後(
図19)、それぞれの圧着部151aの弧状部分を加圧していく。それぞれの圧着部151aは、弧状部分が加圧されながら平板状に潰されていき、電気接続部135との間で電気接続部145に圧着される(
図13及び
図18)。
【0063】
この電気配線ブロック接合体2は、図示しないが、その電気接続構造体150を外方から開閉自在に覆う絶縁性の蓋部材を備えている。その蓋部材は、実施形態の蓋部材60と同様のものであり、例えば、第1電気配線ブロック110に対して着脱自在に取り付けられている。電気接続構造体150は、実施形態の電気接続構造体50と同じように、蓋部材を開いて外方へと露出させられた際に、外部電源からの給電が可能な給電端子として使用可能である。
【0064】
以上示したように、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、実施形態の電気配線ブロック接合体1に対してそれぞれの電気接続部135,145の結合形態を異にするが、その他の構成や構造が実施形態の電気配線ブロック接合体1と同等になっている。従って、本変形例の電気配線ブロック接合体2は、実施形態の電気配線ブロック接合体1と同様の効果を得ることができる。更に、本変形例の電気接続箱JB及びワイヤハーネスWHは、その電気配線ブロック接合体2を備えているので、この電気配線ブロック接合体2が奏する効果を同様に得ることができる。