(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887981
(24)【登録日】2021年5月21日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造
(51)【国際特許分類】
F16D 11/00 20060101AFI20210603BHJP
【FI】
F16D11/00 Z
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-229191(P2018-229191)
(22)【出願日】2018年12月6日
(65)【公開番号】特開2020-85230(P2020-85230A)
(43)【公開日】2020年6月4日
【審査請求日】2018年12月28日
(31)【優先権主張番号】107143087
(32)【優先日】2018年11月30日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】518386151
【氏名又は名称】東友科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陳鼎鈞
(72)【発明者】
【氏名】鍾明杰
【審査官】
西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−218403(JP,A)
【文献】
特開平10−047400(JP,A)
【文献】
特開平11−022769(JP,A)
【文献】
実開昭56−007137(JP,U)
【文献】
特開2006−064793(JP,A)
【文献】
特開2015−51266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 11/00−11/16
F16D 1/02−1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッチ構造に用いられる爪クラッチであって、前記クラッチ構造は回転軸を有し、
前記爪クラッチは、噛み合う爪と、ベース部と、少なくとも2つの弾性部とを備え、
前記噛み合う爪は、本体と爪状体とを有し、前記爪状体は、前記本体よりも突出して設けられ、且つ前記回転軸が前記本体を貫通して設けられ、
前記ベース部は、前記噛み合う爪に対向し、且つ外周縁を有し、前記噛み合う爪と前記ベース部とが、前記回転軸と同軸に設けられ、前記回転軸が、前記ベース部と前記噛み合う爪とを貫通して設けられ、且つ前記ベース部が前記回転軸に緊密嵌め合わせ、前記ベース部は、開孔と複数のスリットとを有し、前記複数のスリットは、前記開孔の周りに周設され、且つ前記開孔と連通され、前記回転軸が前記開孔を貫通して設けられ、
各前記弾性部は、弾性力を提供するように、少なくとも部分的に噛み合う爪の外周縁の一部の周りに配置され、各前記弾性部は、異なる両端部にある第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は、前記ベース部と接続され且つ前記外周縁から延び出し、前記第2端部は、前記噛み合う爪と接続され、前記第1端部と前記第2端部との間に、少なくとも1つの圧縮可能な屈曲構造を有し、且つ各前記弾性部の前記第2端部は前記爪状体に直接当接する、爪クラッチ。
【請求項2】
前記噛み合う爪と、前記ベース部と、前記少なくとも2つの弾性部とが、一体化される請求項1に記載の爪クラッチ。
【請求項3】
前記少なくとも2つの弾性部の個数は2個であり、且つ2つの弾性部にある前記第1端部は、前記回転軸に対して対称に設けられ、且つベース部の前記外周縁から延び出す、請求項1に記載の爪クラッチ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの屈曲構造は、C形状湾曲構造又はS形状湾曲構造である請求項1に記載の爪クラッチ。
【請求項5】
クラッチ構造であって、ローラー部と、回転軸と、爪クラッチとを備え、
前記回転軸は、前記ローラー部を貫通して設けられ、
前記爪クラッチは、噛み合う爪と、ベース部と、少なくとも2つの弾性部とを備え、
前記噛み合う爪は、本体と爪状体とを有し、前記爪状体は、前記本体よりも突出して設けられ、且つ前記回転軸が前記本体を貫通して設けられ、
前記ベース部は、前記噛み合う爪に対向し、且つ外周縁を有し、前記噛み合う爪と前記ベース部とが、前記回転軸と同軸に設けられ、前記回転軸が、前記ベース部と前記噛み合う爪とを貫通して設けられ、且つ前記ベース部が前記回転軸に緊密嵌め合わせ、前記ベース部は、開孔と複数のスリットとを有し、前記複数のスリットは、前記開孔の周りに周設され、且つ前記開孔と連通され、前記回転軸が前記開孔を貫通して設けられ、
各前記弾性部は、弾性力を提供するように、少なくとも部分的に噛み合う爪の外周縁の一部の周りに配置され、
各前記弾性部は、異なる両端部にある第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は、前記ベース部と接続され且つ前記外周縁から延び出し、前記第2端部は、前記噛み合う爪と接続され、且つ、前記第1端部と前記第2端部との間に、少なくとも1つの圧縮可能な屈曲構造を有し、且つ各前記弾性部の前記第2端部は前記爪状体に直接当接する、クラッチ構造。
【請求項6】
留めくぎを更に備え、
前記留めくぎは、前記回転軸を貫通し、且つ、前記爪クラッチに当接する、請求項5に記載のクラッチ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造に関し、特に、弾性特徴を有する爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年販売されている多機能オフィス機器又はプリンタでは、給紙機構内の用紙を追加しやすいために、殆どの場合、引き出し式の用紙トレイを採用している。この給紙機構における給紙ローラーには、伝動システムの回転を伝達したり遮断したりする必要がある。通常、給紙ローラーの末端には、伝動システムと係合・分離できる爪クラッチが設けられる。分離する際には、給紙ローラーに動力が伝達されず、係合する際には、給紙動力が給紙ローラーに伝達され、円滑に給紙することができる。
【0003】
爪クラッチは、伝動システムに係合する時、爪クラッチは、ランダムな角度で伝動システムと係合されるので、衝突が発生する場合がある。爪クラッチが衝突することによる損傷を回避するために、従来技術では、係合・分離機構が爪クラッチとバネと金属バックルとを備えるように設け、且つ、バネの弾性力で衝突力を吸収するように、バネが金属バックルと爪クラッチとの間に設けられる。
【0004】
しかしながら、従来の爪クラッチとバネとの設計は、爪クラッチが回転する際、バネと金属バックルとの間での摩擦、又はバネと爪クラッチとの接触面での摩擦がしばしば発生し、騒音が発生する場合がある。また、バネが長時間使用した後、弾性力が弱くなることもある。
したがって、従来技術の問題点や欠点を改善でき、又は、爪クラッチの係合・分離及び回転の際に生じる衝突・摩擦を回避して騒音を低減させるとともに、長期使用後の弾性減衰を回避できる、従来技術と異なる爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供することは、当該技術領域における重要な課題であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、先行技術による課題及び欠点を解決するための爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供することを目的とする。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供することである。かかる爪クラッチでは、弾性部を介して、噛み合う爪とベース部とを連結させ、弾性部では、噛み合う爪とベース部との間の弾性力を提供し、衝撃による損傷を防止することができる。また、弾性部では、噛み合う爪とベース部との間のねじれ弾性力を提供し、爪クラッチの瞬間回転が生じる衝撃及び摩擦を回避し、且つ、回転の際に、噛み合う爪が弾性部を連動して、回転軸とともに同期回転し、騒音を低減する効果を達成することができる。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供することであり、圧縮可能な屈曲構造を有する弾性部を設けることによって、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積する時、応力を均等に分散させることができ、応力集中を低減して、長期使用後の弾性減衰を回避することができる。
本発明のもう一つの目的は、爪クラッチのベース部と回転軸とが緊密嵌め合わせられることによって、生じる圧力では、爪クラッチが圧縮される時に発生する軸方向の応力に抗することができる爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供することである。また、可撓性を有する弾性腕の設計によって、噛み合う爪とベース部と弾性部とを一体化させ、クラッチ構造の部品点数が減少され、組み立てが簡単になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の一つの好ましい実施形態では、爪クラッチを提供し、前記爪クラッチは、クラッチ構造に用いられ、前記クラッチ構造は回転軸を有する。前記爪クラッチは、噛み合う爪と、ベース部と、少なくとも2つの弾性部とを備え、前記ベース部は、前記噛み合う爪に対向し、かつ外周縁を有し、前記噛み合う爪と前記ベース部とが回転軸と同軸に設けられ、各前記弾性部は、弾性力を提供するように、少なくとも部分的に噛み合う爪の外周縁の一部の周りに配置され、各前記弾性部は、異なる両端部にある第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は、前記ベース部と接続され且つ前記外周縁から延び出し、前記第2端部は、前記噛み合う爪と接続され、且つ、前記第1端部と前記第2端部との間に、少なくとも1つの圧縮可能な屈曲構造を有する。
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明の一つの好ましい実施形態では、クラッチ構造を提供し、
ローラー部と、回転軸と、爪クラッチとを備え、前記回転軸は、前記
ローラー部を貫通して設けられ、前記爪クラッチは、噛み合う爪と、ベース部と、少なくとも2つの弾性部とを備え、前記ベース部は、前記噛み合う爪に対向し、且つ外周縁を有し、前記噛み合う爪と前記ベース部とが、前記回転軸と同軸に設けられ、各前記弾性部は、弾性力を提供するように、少なくとも部分的に噛み合う爪の外周縁の一部の周りに配置され、各前記弾性部は、異なる両端部にある第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部は、前記ベース部と接続され且つ前記外周縁から延び出し、前記第2端部は、前記噛み合う爪と接続され、且つ、前記第1端部と前記第2端部との間に、少なくとも1つの圧縮可能な屈曲構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本発明における好ましい実施例の爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造の構造概念図である。
【
図2】
図2は本発明における好ましい実施例の爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を分解した構造概念図である。
【
図3】
図3は本発明における好ましい実施例の爪クラッチの構造概念図である。
【
図4】
図4は
図3に示されている爪クラッチを別の視点から見た構造概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の特徴及び優れる点を具体化にするためのいくつの例示的な実施形態は、以下において詳細に説明する。なお、本発明は、様々な形態において変更可能であり、いずれも本発明の範囲内であり、また、説明及び図面に示されている形態は、本願発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
図1〜
図4を参照されたい。
図1は本発明における好ましい実施例の爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造の構造概念図であり、
図2は本発明における好ましい実施例の爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を分解した構造概念図であり、
図3は本発明における好ましい実施例の爪クラッチの構造概念図であり、
図4は
図3に示されている爪クラッチを別の視点から見た構造概念図である。
図1〜
図4に示すように、本発明における好ましい実施例の爪クラッチ1は、クラッチ構造2に適用され、且つクラッチ構造2が回転軸20を備え、前記クラッチ構造2は紙を転送する給紙ローラー構造であり、ただし、これには限定されない。
【0013】
爪クラッチ1は、噛み合う爪10と、ベース部11と、少なくとも2つの弾性部12とを備え、前記噛み合う爪10は伝動システムに用いられる嵌合係合部材であり、ただし、これには限定されない。ベース部11は噛み合う爪10に対向し、且つ外周縁110を有する。噛み合う爪10とベース部11とが、回転軸20と同軸になるように設けられる。各弾性部12は、弾性力を提供できるように、少なくとも一部が噛み合う爪10の外周縁の部分を噛み合う。いくつの実施例においては、噛み合う爪10と、ベース部11と、前記弾性部12とが一体化にされ、例えば、三次元構造に積層して一体化されて得られ、ただし、これには限定されない。
【0014】
各弾性部12は、異なる両端部にある第1端部121と第2端部122とを有し、第1端部121はベース部10と接続され、且つ第1端部121は、ベース部10の外周縁110から延び出す。第2端部122は、噛み合う爪10と接続され、且つ第1端部121と第2端部122との間に、圧縮可能な少なくとも1つの屈曲構造123とを有し、すわなち、第1端部121は、屈曲構造123を介して、第2端部122と接続され、前記少なくとも1つの屈曲構造123は、C形状湾曲構造又はS形状湾曲構造であり、ただし、これには限定されない。これによって、弾性部12を介して、噛み合う爪10とベース部11との間の軸方向の弾性力及びねじれ弾性力を提供することができる。
【0015】
具体的に、第1端部121は、軸方向に沿ってベース部10の外周縁110より延び出し、且つ、屈曲構造123の一端に接続され、屈曲構造123の他端が軸方向に沿って延伸し、第2端部122に接続される。応力を均一に分散させ且つトルクを提供するように、屈曲構造123の一端が第1端部121に湾曲連結され、且つ屈曲構造123の他端が第2端部122に湾曲連結される。
【0016】
換言すれば、本発明に係る爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造では、弾性部を介して、噛み合う爪とベース部とを連結することによって、弾性部が噛み合う爪とベース部との軸方向の弾性力を提供することができ、衝突による損害を防止することができる。また、弾性部では、噛み合う爪とベース部との間のねじれ弾性力を提供することができ、爪クラッチの瞬間回転が生じる衝撃及び摩擦を回避することができ、且つ、回転の際に、噛み合う爪が弾性部を連動して、回転軸とともに同期回転し、騒音を低減する効果を達成することができる。さらに、爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供することであり、圧縮可能な屈曲構造を有する弾性部を設けることによって、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積する時、応力を均等に分散させることができ、応力集中を低減して、長期使用後の弾性減衰を回避することができる。
【0017】
本発明に係るクラッチ構造2の回転軸20の一端は、爪クラッチ1のベース部11と噛み合う爪10とを貫通して設けられ、且つベース部11は、回転軸20と緊密嵌め合わせる。いくつの実施例においては、ベース部11は、開孔111と複数のスリット112とを有し、複数のスリット112は、開孔111の周りに周設され、且つ複数のスリット112は開孔111に連通され、回転軸20は開孔111を貫通して設けられる。複数のスリット112は、開孔111の大きさが若干大きくなるように開孔111に連通されているので、開孔111を回転軸20に緊密嵌め合わせ、且つ圧力を生じさせ、ベース部11と回転軸20とが相対回転しないことを確保する。
【0018】
いくつの実施例においては、爪クラッチ1の噛み合う爪10は、本体100と爪状体101とを有し、爪状体101は、伝動システムと配合係合するように本体100より突き出し、回転軸20は、本体100に穿設される。また、各弾性部12は、少なくとも部分的に噛み合う爪10の本体100の一部の周りに周設され、且つ、各弾性部12の第2端部122は、爪状体101に当接して、弾性力をより安定に提供する。
【0019】
いくつの実施例においては、当該弾性部12の個数は2個であり、且つ2つの弾性部12の第1端部121は、回転軸20に対して対称に設けられ、且つベース部11の外周縁110から延び出すように設けられる。これによって、噛み合う爪10とベース部11との相対過回転返事が生じる場合に、軸方向の弾性力及びねじれ弾性力が安定且つ均等に与えられる。
【0020】
すなわち、本発明の爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造は、爪クラッチにおけるベース部と回転軸との緊密嵌め合わせによって、生じられた圧力で、爪クラッチの圧縮時に発生する軸方向の応力に耐えることができる。可撓性を有する弾性腕の設計によって、噛み合う爪とベース部と弾性部とを一体化させ、クラッチ構造の部品点数が減少し、組み立てが簡単になる。
【0021】
図1〜
図4に示すように、本発明の好ましい実施例におけるクラッチ構造2は、
ローラー部21と、回転軸20と、爪クラッチ1とを備え、
ローラー部21は、例としての給紙ローラーを示しているが、これには限定されない。回転軸20は、
ローラー部21を貫通して設けられている。爪クラッチ1は、噛み合う爪10と、ベース部11と、少なくとも2つの弾性部12とを備える。ベース部11は、噛み合う爪10に対向して設けられ、外周縁110を有し、噛み合う爪10とベース部11とが回転軸20の一端に同軸に設けられる。各弾性部12は、弾性力を提供するように、少なくとも部分的に噛み合う爪10の外周の一部の周りに周設される。噛み合う爪10、ベース部11と、弾性部12とが一体化されるが、これには限定されない。弾性部12詳細な構造については詳細に説明したので、ここでは説明しない。
【0022】
いくつの実施例においては、クラッチ構造2は、留めくぎ22を更に備え、留めくぎ22は、回転軸20を貫通して設けられ、且つ爪クラッチ1に当接する。これによって、爪クラッチ1が回転する際、回転軸20と
ローラー部21とを連動させる。回転軸20の一端には、環状溝200と穴201とが形成されている。爪クラッチ1のベース部11は、当該環状溝200を穿設し、留めくぎ22は、穴201を貫通して爪クラッチ1に当接することによって、クラッチ構造2の取付はより安定になるが、これには限定されない。
【0023】
以上のように、本発明は本発明爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供する。爪クラッチでは、弾性部を介して、噛み合う爪とベース部とを連結させることにより、弾性部が噛み合う爪とベース部との間の軸方向の弾性力を提供することができ、衝突よる損傷を防止することができる。同時に、弾性部が噛み合う爪とベース部との間のねじれ弾性力を提供することができ、爪クラッチの瞬間回転が生じる衝撃及び摩擦を回避し、且つ、回転の際に、噛み合う爪が弾性部を連動して、回転軸とともに同期回転し、騒音を低減する効果を達成することができる。また、圧縮可能な屈曲構造を有する弾性部を設けることによって、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積する時、応力を均等に分散させることができ、応力集中を低減して、長期使用後の弾性減衰を回避することができる。さらに、爪クラッチのベース部と回転軸とが緊密嵌め合わせられることによって、生じる圧力では、爪クラッチが圧縮される時に発生する軸方向の応力に抗することができる爪クラッチ及びそれを用いるクラッチ構造を提供することである。また、可撓性を有する弾性腕の設計によって、噛み合う爪とベース部と弾性部とを一体化させ、クラッチ構造の部品点数が減少され、組み立てが簡単になる。
【0024】
本発明は、上述した実施例によって詳細に説明したが、当業者であれば、本願明細書を参照して任意変更することができ、いずれも添付されている特許請求の範囲内である。
【符号の説明】
【0025】
1:爪クラッチ
10:噛み合う爪
100:本体
101:爪状体
11:ベース部
111:開孔
112:スリット
110:外周縁
12:弾性部
121:第1端部
122:第2端部
123:屈曲構造
2:クラッチ構造
20:回転軸
200:環状溝
201:穴
21:
ローラー部
22:留めくぎ