(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の組成物は、好ましくは、軟質製品、例えば、ペーストである。組成物の軟性は、毛髪全体への製品のより良好な分布を可能にし、そして毛髪への均一な色の送達を保証する。
【0010】
軟性は、パラメーターG’およびG’’に関して定義されてよい。G’は、変形が適用された材料において貯蔵されたエネルギーの基準である貯蔵弾性率であり、かつG’’は、変形が適用された材料において消失したエネルギーの基準である損失弾性率である。
【0011】
G’およびG’’は、ログスケールで進む。
【0012】
本発明の組成物において、貯蔵弾性率G’は、好ましくは、50〜2500cPs、より好ましくは、100〜1750cPs、最も好ましくは、200〜1000cPsの範囲であり、かつ損失弾性率G’’は、好ましくは、50〜1500cPs、好ましくは、75〜1000cPs、最も好ましくは、100〜500cPsの範囲である。
【0013】
貯蔵および損失弾性率は、動的機械分光法によって適切に測定され得る。
【0014】
好ましくは、本発明の組成物は、0.5rpmおよび25℃にてTバーによって測定される場合、250,000〜600,000cps、好ましくは、350,000〜500,000cpsの粘度を有する。
【0015】
シリコーンエラストマー
本発明の組成物は、シリコーンエラストマーを含む。
【0016】
シリコーンエラストマーは、当該技術において周知である。(http://www.dowcorning.com/content/publishedlit/Chapter16.pdf)によると、「シリコーンエラストマー分散体は、ヒドロシリル化反応によって調製することが可能な架橋ゲルである。反応には、低濃度の触媒、通常、白金誘導体が関与し、そして一般に、適切な溶媒中で実行される。SiH含有シリコーンポリマーは、ジビニル材料と反応して、独立したシリコーン鎖を連結する。反応が、溶媒としての環式PDMS中で実行される場合、膨潤し、かつ緩やかな網状ネットワークまたはシリコーンエラストマー分散体の形成が導かれる。」
本発明で使用されるシリコーンエラストマーおよびそれらの製造方法は、米国特許第4987169号明細書、米国特許第8222363号明細書および米国特許第5654362号明細書に記載される。
【0017】
本発明で使用されるシリコーンエラストマーは、溶媒中で緩やかに網状のシリコーンの分散体である。
【0018】
溶媒の例としては、イソドデカン、イソデシルネオペンタノエート、シクロペンタシロキサン、ジメチコーン、イソヘキサン、ビニルジメチコーンおよび水素ジメチコーンが含まれる。
【0019】
エラストマーを形成するために溶媒中で分散され得るシリコーンの例としては、次のものが含まれる。
【0020】
−ジメチコーン/ビス−イソブチルPPG−20クロスポリマー、ジメチコーンクロスポリマー、ジメチコーン、ビニルジメチコーン、水素ジメチコーン、2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン
−Silicone Elastomer EL−8051としてDow Corningから商業的に入手可能な、イソドデカン(および)ジメチコーン/ビス−イソブチルPPG−20クロスポリマー;
−Silicone Elastomer EL−8052としてDow Corningから商業的に入手可能な、イソデシルネオペンタノエート(および)ジメチコーン/ビス−イソブチルPPG−20クロスポリマー;
−Silicone Elastomer 9040としてDow Corningから商業的に入手可能な、イソヘキサデカン(および)ジメチコーン/ビス−イソブチルPPG20クロスポリマー;
−Silicone Elastomer 9041としてDow Corningから商業的に入手可能な、シクロペンタシロキサン(および)ジメチコーンクロスポリマー;
−Silicone Elastomer 9045としてDow Corningから商業的に入手可能な、ジメチコーン(および)ジメチコーンクロスポリマー;ならびに
−ジメチコーン、ビニルジメチコーン、水素ジメチコーン、2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン。
【0021】
シリコーンエラストマー(溶媒中に分散されたシリコーン)は、組成物の40〜99重量%で、好ましくは、組成物の40〜95重量%で、より好ましくは、組成物の42〜85重量%、最も好ましくは、組成物の51〜85重量%で本発明の組成物中に存在する。
【0022】
染料または顔料
本発明の組成物は、一時的染料、半永続的染料、顔料およびその混合物から選択される配合物を含む。
【0023】
1つの好ましい実施形態において、組成物は、一時的または半永続的染料および顔料を含む。組成物は、
i.0.005〜12重量%の一時的染料または0.005〜12重量%の半永続的染料から選択される染料;および
ii.0.001〜6重量%の顔料
を含み得る。
【0024】
一時的および半永続的染料
本発明に適切な染料は、一時的または半永続的染料である。一時的または半永続的染料は、酸化染料ではなく、かつ展開剤を必要としない。
【0025】
半永続的染料は、毛幹を貫入する。それらを、直接染料と呼ぶことも可能である。好ましい半永続的毛髪染料は、ニトロまたはアゾ染料である。組成物は、0.005〜12重量%の半永続的染料、好ましくは、0.01〜6重量%の半永続的染料、より好ましくは、0.01〜2重量%の半永続的染料、最も好ましくは、0.01〜1重量%の半永続的染料を含み得る。
【0026】
一時的染料は、毛幹上に吸着する。一時的染料は、水溶性または油溶性であってよい。それらは、酸性または塩基性であってよい。一般に、高分子量を有する。組成物は、0.005〜8重量%の一時的染料、好ましくは、0.01〜4重量%の一時的染料、より好ましくは、0.01〜2重量%の一時的染料、最も好ましくは、0.01〜1重量%の一時的染料を含み得る。
【0027】
染料は、消費者が所望するいずれの色であってもよい。色は、ブロンドの毛髪を自然に調整するため、またはブロンドの毛髪を漂白するためのブラック、ブルネット、ブロンドまたはバイオレットなどの自然色であってよく、あるいは色は、青、緑または紫などの不自然色であってもよい。
【0028】
顔料
顔料材料は、表面から伝達される場合、反射した色を変更する材料である。本発明のために適切である顔料としては、無機、金属および有機/生物学的顔料が含まれる。好ましくは、顔料は、無機または金属顔料である。最も好ましくは、顔料はマイカ顔料である。
【0029】
マイカ顔料は、酸化スズおよび/または可能な二酸化ケイ素と一緒であってもよい二酸化チタンの薄コーティングを、しばしば、小板の物理的形態を採用したマイカの表面に適用することによって得られる。いくつかの場合、コーティングは、遷移金属酸化物、特に、鉄、クロム、銅またはコバルト酸化物、あるいはそれらの2種以上の組み合わせの微小部分をさらに組み込む。金属酸化物を組み込むことによって、得られる材料は、基板マイカの反射特徴を補う色ハイライトを示す。そのような顔料は、一般に、干渉顔料と呼ばれる。550nm未満、特に500nm未満の波長を有するハイライトを示す干渉顔料を選択することは、特に好ましい。多くの好ましい顔料は、400nmより高い、特に450nmからの波長のハイライトを示す。換言すれば、バイオレットまたはインディゴの色あいを有する干渉顔料が好ましく、そして青みがかった色あいを有するものは極めて好ましい。マイカ干渉顔料を含む適切および/または好ましいマイカ顔料は、商標TimironでのMerck Incからの様々なグレードなどとして商業的に入手可能である。
【0030】
組成物は、0.001〜6重量%の顔料、より好ましくは、0.005〜2重量%の顔料、最も好ましくは、0.01〜0.1重量%の顔料を含み得る。
【0031】
好ましくは、組成物は、0.001〜6重量%のマイカ顔料、より好ましくは、0.005〜2重量%のマイカ顔料、最も好ましくは、0.01〜0.1重量%のマイカ顔料を含む。
【0032】
キャリア材料
本発明の組成物は、染料および/または顔料のためのキャリア材料を含む。染料および/または顔料は、組成物中に組み込まれるためのキャリア材料を必要とする。キャリア材料は、結合剤、媒体、溶媒などと呼ばれてもよい。キャリア材料は、極性または非極性であってよい。適切なキャリア材料は、選択された染料および/または顔料に対して選択されるべきであり、異なる染料および顔料は、異なるキャリア材料を必要とし得る。組成物が2種以上の染料または顔料を含む場合、2種以上のキャリア材料が使用されてもよい。
【0033】
本発明の組成物において、染料は、それ自体で存在することが不可能であり、キャリアを必要とする。キャリアの量は、染料の量のみならず、染料の種類にも依存する。これは、染料の溶解度が、必要とされるキャリアの量に影響を与えるからである。さらに、最終配合物中の別の成分が、例えば、香油などの油を含む場合、染料が油溶性である限り、追加的キャリアの量は減少される。
【0034】
シリコーンエラストマー中の溶媒は、それが膨潤し、そしてエラストマー中で吸収されるため、キャリアとなることは不可能である。したがって、本明細書に定義されるキャリアには、シリコーンエラストマーからの溶媒は含まれない。
【0035】
適切なキャリア材料の例としては、油、シリコーン、水および乳化剤の組み合わせ、炭化水素、トリグリセリド、エステル、脂肪アルコール、ワックス、鉱油、芳香族炭化水素、パラフィン、尿素、酸、水性金属酸化物懸濁液、有機溶媒、無機溶媒が含まれる。
【0036】
好ましい実施形態において、キャリア材料は、油、シリコーン、炭化水素および鉱油から選択され、より好ましくはキャリア材料は、シリコーンを含み、最も好ましくは、揮発性シリコーンを含む。
【0037】
組成物は、0.005重量%〜59重量%のキャリア材料を含む。必要とされるキャリア材料の量は、組成物に含まれる染料および顔料の量に相対的であろう。好ましくは、組成物は、0.01重量%〜40重量%のキャリア材料、最も好ましくは、0.1〜10重量%のキャリア材料を含む。
【0038】
キャリア材料は、水を含み得、組成物は、0〜10重量%の水、より好ましくは、0〜5重量%の水、そして最も好ましくは、0〜0.1重量%の水を含み得る。組成物は、0.000001〜10重量%の水、より好ましくは、0.000001〜5重量%の水、最も好ましくは、0.000001〜0.1重量%の水を含んでもよい。
【0039】
含水量
本発明の組成物は、好ましくは、実質的に水を含まない。組成物は、0〜10重量%の水、より好ましくは、0〜5重量%の水、最も好ましくは、0〜0.1重量%の水を含み得る。これには、キャリア材料に含まれるいずれの水も含まれる。
【0040】
組成物は、0.000001〜10重量%の水、より好ましくは、0.000001〜5重量%の水、最も好ましくは、0.000001〜0.1重量%の水を含んでもよい。
【0041】
シリカ
本発明の組成物は、シリカを含んでもよい。好ましくは、シリカはヒュームドシリカである。
【0042】
より好ましくは、シリカは、本発明の組成物に添加される時に、油中に懸濁されている。油は、組成物中でのシリカの懸濁を促進する。シリカがヒュームドシリカである場合、油が軽油または香油であることが望ましい。
【0043】
好ましくは、軽油は、0.7〜0.85g/mlの密度を有する。鉱油の密度は、比重としても知られており、そして15.6CにおいてASTM D 4052に従って測定される。
【0044】
好ましくは、シリカは、組成物の0.01〜5重量%、より好ましくは、0.05〜2重量%で存在する。
【0045】
揮発性シリコーン
好ましくは、本発明の組成物は、揮発性シリコーンをさらに含む。揮発性シリコーンは、いずれの揮発性シリコーンに加えて、シリコーンエラストマー、染料キャリア材料またはシリカ成分に含まれる。適切な揮発性シリコーンは、当該技術において周知であり、かつDow Corningから商業的に入手可能なDC245が含まれる。揮発性シリコーンは、揮発性シリコーンの混合物であってもよい。
【0046】
好ましくは、存在する場合、揮発性シリコーンは、組成物の0.1〜30重量%、より好ましくは、1〜5重量%で存在する。
【0047】
他の任意成分
組成物は、好ましくは、スタイリング助剤を含み得る。好ましいスタイリング助剤としては、シリコーン樹脂が含まれる。特に好ましいシリコーン樹脂は、MQ樹脂として知られている。
【0048】
MQ樹脂は、単官能性シラン(M)および四官能性シラン(Q)の間の縮合物である。好ましいMNQ樹脂は、Dow Corningから商業的に入手可能であり、かつMQ樹脂CF−0410が含まれる。
【0049】
MQ樹脂は、組成物の0.1〜5重量%、好ましくは、2〜4重量%で存在する。
【0050】
好ましくは、組成物は、鉱油、植物油および動物油から選択される油も含み得る。好ましくは、油は、鉱油、最も好ましくは、20℃において0.81〜0.89g/cm
3の密度を有する鉱油である。好ましくは、そのような油は、組成物の0.1〜30重量%、より好ましくは、3〜10重量%で存在する。
【0051】
好ましくは、組成物は、香料または芳香剤も含む。
【0052】
本発明の組成物は、毛髪ケア組成物に適切な他の成分、例えば、粘度変性剤、溶媒、防腐薬、芳香剤、着色剤(毛髪染料に加えて)、pH調整剤、皮膚軟化剤、コンディショニング剤を含み得る。
【0054】
マイカは、視覚的分析に干渉し得ると考えられるため、上記例の組成物中で使用されなかった。
【0055】
上記2つの例の組成物は、漂白された毛髪スイッチを処理するために使用された。バイオレット染料は、漂白されたブロンドの毛髪を調整する。
【0056】
方法
−処理の前にスイッチの写真を撮影した(
図1および2)
−毛髪1グラムあたり1gの毛髪組成物を適用した。組成物は、スイッチの全長に適用された
−組成物を1分間、毛髪スイッチ中にもみ込んだ
−スイッチを60回とかし、そして20℃で一晩乾燥させた
−翌日、スイッチの写真を撮影した(
図3および4)
図1:例Aで処理される前の漂白された毛髪スイッチ
図2:例Aで処理された後の漂白された毛髪スイッチ
図3:例1で処理される前の漂白された毛髪スイッチ
図4:例1で処理される前の漂白された毛髪スイッチ
図2および
図4を比較すると、色分布に明白な差異がある。
図2は、染料が収集した暗色マーク、およびスイッチが染料を受け取らなかった、より明るいパッチを有する。これらのより明るいパッチは、未調整の漂白された毛髪のライトグレー色である。
図4は、スイッチの全長で、均一に延展し、かつより温かみのある、黄色の色あいを有する。
【0057】
図2および
図4を比較すると、
図4のスイッチが、特許請求された製品の追加的利益を反映して、有意により滑らかであり、かつ縮れが少ないこともわかる。