特許第6887988号(P6887988)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6887988低光沢コーティング用放射線硬化性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6887988
(24)【登録日】2021年5月21日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】低光沢コーティング用放射線硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 4/02 20060101AFI20210603BHJP
   C09D 7/42 20180101ALI20210603BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20210603BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20210603BHJP
   B05D 3/06 20060101ALI20210603BHJP
   B05D 5/06 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   C09D4/02
   C09D7/42
   C09D7/63
   B05D7/24 301T
   B05D3/06 Z
   B05D5/06 D
   B05D7/24 302P
   B05D7/24 303E
   B05D7/24 302Z
   B05D7/24 302U
   B05D7/24 302T
   B05D7/24 303A
   B05D7/24 303B
【請求項の数】18
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-510055(P2018-510055)
(86)(22)【出願日】2016年9月9日
(65)【公表番号】特表2018-532822(P2018-532822A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016071297
(87)【国際公開番号】WO2017046008
(87)【国際公開日】20170323
【審査請求日】2019年4月15日
(31)【優先権主張番号】15185233.2
(32)【優先日】2015年9月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505365965
【氏名又は名称】オルネクス ベルギー エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ミュールデル、グイド
【審査官】 磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−031362(JP,A)
【文献】 特開昭54−021437(JP,A)
【文献】 特開昭63−205348(JP,A)
【文献】 特開2001−294634(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/098514(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0152829(US,A1)
【文献】 特表2002−542367(JP,A)
【文献】 特表2008−518089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−10/00
C09D 101/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
20〜95wt%の1種以上の(メタ)アクリル化化合物(a)、
5〜80wt%の1種以上のC10〜C22脂肪酸の金属塩(b)、及び
0〜10wt%の(a)及び(b)とは異なる1種以上の化合物(c)
から本質的になる放射線硬化性コーティング組成物(I)であって、
化合物(a)〜(c)のwt%は合計100%である上記組成物。
【請求項2】
化合物(a)が、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アミン変性ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリルメタアクリレート、及び/又はウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記金属が二価の金属である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記金属がカルシウム、亜鉛、及び/又はジルコニウムからなる群から選ばれる、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記脂肪酸がC16〜C18脂肪酸から選ばれる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
化合物(b)が(メタ)アクリロイル基を含まない、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
化合物(b)がステアリン酸亜鉛及び/又はステアリン酸カルシウムから選ばれる、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
5wt%未満の溶媒を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
2〜40wt%の請求項1〜8のいずれかに記載の組成物(I)、及び
任意に、0〜20wt%の1種以上の、化合物(b)と異なる艶消し剤(d)
を含む放射線硬化性艶消し組成物(II)であって、
放射線による硬化の後、艶消しコーティングが12μmの硬化フィルム厚で60°の角度で最大15、85°の角度で最大50の光沢レベルで得られる、上記組成物。
【請求項10】
組成物中の化合物(b)の量が組成物の総重量に対し、0.1〜20wt%である、請求項9に記載の艶消し組成物。
【請求項11】
艶消し組成物中の艶消し剤(d)の量が組成物の総重量に対し、0.5〜15wt%である、請求項9〜10のいずれかに記載の艶消し組成物。
【請求項12】
艶消し剤(d)がシリカ及び/又はワックスから選ばれる、請求項9〜11のいずれかに記載の艶消し組成物。
【請求項13】
組成物中の単官能性アルキル(メタ)アクリレートの量が10wt%のレベル未満である、請求項9〜12のいずれかに記載の艶消し組成物。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれかに記載の放射線硬化性艶消し組成物(II)の製造方法であって、
(i)請求項1〜8のいずれかに記載の放射線硬化性組成物を提供するステップ、
(ii)望むなら艶消し剤(d)を添加するステップ、
(iii)任意に、さらに(メタ)アクリル化化合物、及び
(iv)任意に、添加剤及び/又は溶媒を添加するステップ
を含み、ステップ(i)、(ii)、(iii)及び(iv)がいずれの順序であってもよい、上記方法。
【請求項15】
(i)請求項1〜13のいずれかに記載の放射線硬化性組成物を物品又は基材の少なくとも一つの表面に塗布するステップ、
(ii)その後、コーティングを放射線硬化するステップを含み、
12μmの硬化フィルム厚で60°の角度で最大15、85°の角度で最大50の光沢測定値を有する艶消しコーティングを得る、物品又は基材のコーティング方法。
【請求項16】
前記基材が木材、プラスチック、フィルム、及び/又はホイルからなる群から選ばれる、請求項15に記載の方法により得られる基材。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれかに記載の放射線硬化性組成物から調製されるコーティング、インク、刷り重ねワニス、又は接着剤。
【請求項18】
6〜120μmの乾燥厚を有するコーティングについて光沢レベルを60°の角度で最大50、85°の角度で最大80に低減するための、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乾燥すると極めて艶消しの(低光沢の)コーティングをもたらす放射線硬化性組成物に関し、そのような組成物を調製する方法に関し、そしてそのような組成物から得られるコーティングに関する。本発明の組成物は、木材、板、金属、石、コンクリート、ガラス、布、皮、紙、プラスチック、フィルム、ホイル(紙及び/又はプラスチック)、フォーム、及び複合材のような様々な基材上に極めて艶消しの(低光沢の)コーティングを作成するのに適している。本発明はまた、インク、ワニス、接着剤、及び本発明の放射線硬化性組成物により/から調製される成形物に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線硬化性コーティング組成物は長いこと、特定の望ましいコーティング特徴を有するコーティングを調製するために使用されてきた。画像損傷の少ない低光沢コーティングは美的に、より満足のいくことが多い。
【0003】
溶媒性又は水性樹脂組成物のような従来の技術では、低光沢コーティングは少量の艶消し剤(例えば1〜5wt%のシリカ)を添加することにより容易に達成される。
【0004】
しかし、一般には100%UV放射線硬化性樹脂組成物は艶消しをすることは困難である。典型的には蒸発して表面へ艶消し剤を移送する助けとなる溶媒や他の希釈剤がなく、そのため典型的には2倍量の艶消し剤が必要になる。
【0005】
しばしば、100%UV放射線硬化性樹脂組成物では15wt%超、しばしば20wt%超の艶消し剤が低光沢を得るために必要となるが、その場合でさえ、60°の角度で15を下回る光沢値を達成することは極めて困難である。その結果、樹脂組成物の粘度が大きく上昇することになる。極めて高い粘度は良好な流動性にとって及び他の望ましい特性にとって弊害をもたらす。
【0006】
高含量の艶消し剤によってもたらされる他の不利な点としては、組成物が凝集してみすぼらしい外観を呈し、コーティングの脆性が増し、艶消し剤が沈殿する結果しばしば塗布前に不均一な混合になってしまうことが挙げられる。後者はコーティング上に光沢の変動をもたらす可能性がある。他の不都合としては一般的な耐性及びコーティングの性能の低下が挙げられる。一般的な外観の変化はコーティングの光沢レベルの変化として測定することができる。極めて低い光沢のコーティングが多くの市場セグメントにおいて求められている。
【0007】
化粧品包装から、自動車、スマートフォン、及びスナックフード包装まで、艶消し仕上げにおける消費者の関心は大きくなっている。例えば、木材(家具、寄木細工、キッチン、建設)産業だけでなく、プラスチック、金属及びコンクリート(消費者エレクトロニクス、自動車、建設)産業、及びグラフィックアート(印刷インク、刷り重ねワニス)産業において極めて低光沢のコーティングの大きな需要がある。
【0008】
EP2534208(DSM)はC8−C20単官能性脂肪族アルキル(メタ)アクリレートを含む低光沢コーティングを開示する。高濃度のラウリルアクリレート及びオクチルデシルアクリレート(ODA)が樹脂のUV反応性に悪影響を与えることが見出され、さらに悪臭を誘導する。このような化合物は引っ掻き耐性や硬貨耐性等のような性能に悪影響を与えることがさらに見出された。
【0009】
US6399672(SARTOMER)は、油溶性金属含有化合物を含有するコーティング、接着剤、インク、及び成形物のための放射線硬化性組成物を開示する。標準ジ(メタ)アクリル酸亜鉛はコーティングされ硬化された配合物の光沢を有意に低減することができる固体白色微粉末である(US6399672には望まれていない効果)。これに対して、可溶性の異なるものを含有するコーティングの光沢は変わらないままであった。
【0010】
重金属石鹸は古くから存在する(例えばUS2416074、GB2134517参照)。「重金属石鹸」という用語は様々な用途を持った広い範囲の化合物を含む。US2416074は様々な有機酸エステルの重金属塩の調製を記載する。重金属石鹸の調製に用いられる有機酸エステルとしてここに挙げられるものは、様々な長さの脂肪酸のエステル、ポリカルボン酸のモノ及びポリエステル、不飽和酸のエステル、及び特定の芳香族酸のエステル(カラム2、1〜34行である)。GB2134517は、少なくとも一つの脂肪族モノカルボン酸の金属石鹸の調製方法を記載する。ここにも様々な長さの様々なタイプの化合物が記載されている(1頁、45〜60行)。これらの文献にはコーティング組成物、ましてや100%UVコーティング組成物の艶消し処理に結びつくものはない。VoldとHattiangdi(1949)は、重金属石鹸の考えられる用途として、潤滑グリースの製造、塗料への乾燥剤としての使用、艶消し剤としての使用、及びゼリー状ガソリンの製造のための増粘剤としての使用を挙げている。この文献には放射線硬化性材料における重金属石鹸の使用への言及はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
効率的で長期に継続する艶消し効果は単にいかなるタイプの艶消し剤を用いても得られるというものではない。100%UV放射線硬化性樹脂組成物は艶消しをすることが難しかしいだけでなく、結果が予想できないのである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の記載
この背景技術に対して、我々はここに、
20〜95wt%(重量%)の1種以上の(メタ)アクリル化化合物(a)、
5〜80wt%の1種以上のC10〜C22脂肪酸の金属塩(b)、及び
任意に、0〜10wt%の(a)及び(b)とは異なる化合物(c)
から本質的になる放射線硬化性組成物(I)を提供する。
【0013】
上記において、wt%は組成物(I)の総重量に対するものである。典型的には(a)+(b)+(c)のwt%は合計で少なくとも95wt%になる。一般的にこれらのwt%は少なくとも97%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99wt%である。最も典型的には化合物(a)〜(c)のwt%は合計で100wt%になる。もちろんこの合計は100wt%を超えない。
【0014】
本発明の組成物(I)はまた、本発明の文脈上「艶消し増量剤」とも称される。本発明の艶消し増量剤(I)は標準的な放射線硬化性材料と、また他の艶消し剤と混合することができ、一般にコーティング組成物に低光沢を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の「艶消し増量剤」(I)の利点は以下のとおりである:
・塗布粘度への影響が小さい、
・柔軟性、硬度、耐汚染性、引っ掻き耐性、及び/又は研磨可能性(sandability)のような他の望ましい性質への影響が最小限である、
・温度安定性である、
・サテン、艶消し又はデッドマット効果でさえ、それらを達成するのに高い投入量を要しない、
・少なくとも3か月の保存後実質的に同じ光沢レベルを有する安定な配合物を得ることができる、
・100%UV適用で一般的に用いられるポリマー及び艶消し剤と相溶性があり、理想的なブレンド相手となる、
・組成物を非光沢にすることが容易であり、エンドユーザーに使用の一定の柔軟性を与える、
・実質的にVOCがないので規制的にフレンドリーである、
・黄化がないか、ほとんどない、及び/又は
・UV反応性が良好のままである。
【0016】
このような「艶消し増量剤」を用いた放射性硬化性組成物(II)の利点は以下のとおりである:
・一般に低粘度である、
・標準的な艶消し剤と組み合わせると良好な安定性(沈降しない)を提供する、
・60°の角度で光沢レベルが10未満、5未満でさえ得ることができる、
・60°の角度で1〜2のデッドマットレベルを得ることすらできる、
・広範囲のコーティング厚みにわたり安定した光沢を得ることができる、
・良好なUV硬化活性、良好な耐汚染性及び良好な引っ掻き耐性と、低光沢を一般に組み合わせている、
・溶媒又は単官能性モノマー等の追加が絶対に必要という訳ではないので、最も厳しい規制要求にも応えられる、
・UV光源及び/又は電子ビームを用いて硬化することが容易である、及び/又は
・UV−LED硬化でさえ可能である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明においては特に、
20〜95wt%(重量%)の1種以上の(メタ)アクリル化化合物(a)、
5〜80wt%の1種以上のC10〜C22脂肪族酸の金属塩(b)、及び
任意に、0〜10wt%の(a)及び(b)とは異なる化合物(c)
から本質的になる放射線硬化性組成物(I)が提供される。
【0018】
本発明の一つの態様では、化合物(c)が存在しない。本発明の他の態様では、化合物(c)が艶消増量剤(I)中に存在する。
【0019】
理論に束縛されることなく、金属石鹸(b)は、ゲル化工程の間の不和合性によって引き起こされた表面に艶消し剤を移送する湿潤剤として作用すると考えられる。結果として、光沢レベルを低減するのに必要となる補充的な艶消し剤が少なくて済む。そしてコーティング性能を損なうことなく超艶消し外観でさえ可能である。
【0020】
脂肪酸の鎖長が短期及び長期の艶消し効果の両方に効果を有することが見出された(例えば、表10及び比較データ参照)。本発明の化合物(b)とは異なり、ADDITOL(商標)湿潤剤、DISPERBYK(商標)湿潤剤などのような他の湿潤剤は、しばしば光沢の低減には小さな効果しかなく、及び/又は光沢を増大させすらした。本発明の化合物(b)は、外部からの艶消し剤の添加がなくても光沢を低減するという利点を有する。他の態様では、さらなる艶消し剤を本発明の放射線硬化性組成物(II)に加えて、デッドマット効果を得る。「デッドマット効果」とは、光沢が少なくてコーティングがまるで全く存在しないようにみえることを意味する。本発明の化合物(b)の利点は、望ましい低光沢レベルを得るために少ない量の標準艶消し剤(シリカ及び/又はワックスのような)で済むということである。
【0021】
1種以上の化合物(a)は典型的には少なくとも1種の(メタ)アクリレートオリゴマーを含む。(メタ)アクリレートオリゴマーは典型的には、ダイマー、トリマー、テトラマー等の数個のみのモノマー単位から構成される。1種以上の(メタ)アクリレートポリマーの使用もまた可能である。
【0022】
適切な化合物(a)の例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、アミノ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート化(メタ)アクリック、又はこれらの混合物からなる群から選ばれるものが挙げられる。好ましいものは、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートである。最も好ましいものはポリエステル(メタ)アクリレート、及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートである。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレート、又はこれらの混合物を指すことを意味する。アクリレートがそのより高いUV反応性のため一般的に好ましい。
【0023】
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーはよく知られている。これらの(メタ)アクリレート化ポリエステルは水酸基含有ポリエステル骨格を(メタ)アクリル酸と反応させることにより、又はカルボキシル基含有ポリエステル骨格をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピルアクリレート等と、又はグリシジル(メタ)アクリレートと反応させることにより得ることができる。ポリエステル骨格は少なくとも1種のポリヒドロキシアルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ビスフェノールA、ペンタエリスリトール等、及び/又はこれらのエトキシレート及び/又はプロポキシレーと、少なくとも1種のポリカルボン酸又はその無水物、例えばアジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等とを縮重合させることにより従来の様式で得ることができる。ポリエステル合成のために不飽和化合物、例えばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等を用いることにより、(メタ)アクリル及びエチレン性不飽和をポリマー鎖中に有するポリエステルを得ることができる。さらにポリラクトン及び/又はポリラクチドをポリエステル骨格として用いることができる。例えば、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリラクチド、及び/又はポリ(ラクチド、カプロラクトン)が、ε−カプロラクトン及び/又はラクチドを任意に1種以上のポリヒドロキシアルコールの存在下で開環重合することにより得ることができる。適切なポリエステル(メタ)アクリレートの例としては、Allnexから入手可能な、EBECRYL(登録商標)854、 EBECRYL(登録商標)5849、 EBECRYL(登録商標)450、EBECRYL(登録商標)452、EBECRYL(登録商標)657、EBECRYL(登録商標)810、EBECRYL(登録商標)852、EBECRYL(登録商標)853、EBECRYL(登録商標)870、及び/又はEBECRYL(登録商標)892が挙げられる。使用できる油変性ポリエステル(メタ)アクリレートの例は、RAYLOK(登録商標)1621及び/又はRAYLOK(登録商標)1622である。
【0024】
ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマーはヒドロキシ官能性ポリエーテルのメタ)アクリル酸とのエステル化により調製することができる。ヒドロキシ官能性ポリエーテルは、テトラヒドロフラン、エチレンオキシド、及び/又はプロピレンオキシドのような環状エーテルの開環単独重合又は共重合により得ることができ、又はポリヒドロキシアルコールをエチレン及び/又はプロピレンオキシドと反応させることにより調製することができる。
【0025】
ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマーもよく知られている。これらはヒドロキシ官能性ポリカーボネートを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより調製することができる。
【0026】
(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーはジイソシアネート及び/又はポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートを、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートと反応させることにより調製することができる。もっぱら上記のようなヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートについて使用することができるが、鎖を伸長するためには、ヒドロキシル基を含有するポリエステルポリエステル、ポリエーテル、又はポリカーボネートの合成について上述したような、モノヒドロキシアルコール又はポリヒドロキシアルコールも添加することができる。
【0027】
適切なウレタン(メタ)アクリレートの例としては、すべてAllnexから入手可能な、EBECRYL(登録商標)264、EBECRYL(登録商標)265、EBECRYL(登録商標)4820、及び/又はEBECRYL(登録商標)4680が挙げられる。好適な芳香族ウレタン(メタ)アクリレートの例:すべてAllnexから入手可能なEBECRYL(登録商標)210、及び/又はEBECRYL(登録商標)220。
【0028】
エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとは、エポキシドの(メタ)アクリル酸エステル、好ましくはポリエポキシド、すなわち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのエポキシド官能基を含む化合物を示すことを意味する。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、一般に、(メタ)アクリル酸とエポキシドとのエステル化反応から得られる。エポキシドは、一般に、エポキシ化オレフィン、飽和又は不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、芳香族又は脂肪族アルコール又はポリオールのグリシジルエーテル、及び脂環式ポリエポキシドから選択される。好ましいエポキシドは、ビスフェノール‐Aのジグリシジルエーテル、ビスフェノール−Fのジグリシジルエーテル、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)のジグリシジルエーテル、ポリプロピレンオキシドのジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、ブタンジオールのジグリシジルエーテルなどの芳香族及び脂肪族ジオールのジグリシジルエーテル及び脂環式ジエポキシドである。ビスフェノール‐Aのジグリシジルエーテルが特に好ましい。エポキシ化天然油又はエポキシ化フェノール−ホルムアルデヒド共重合体も使用することができる。天然油の例としては、大豆油、亜麻仁油、シソ油、魚油、脱水ヒマシ油、桐油、ココナツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、ヤシ油、パーム核油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ひまし油が挙げられる。適切なエポキシ(メタ)アクリレートの例としては、すべてAllnexから入手可能なEBECRYL(登録商標)600、EBECRYL(登録商標)648、EBECRYL(登録商標)645、EBECRYL(登録商標)860、EBECRYL(登録商標)6040、EBECRYL(登録商標)3700、及び/又はEBECRYL(登録商標)3203が挙げられる。
【0029】
(メタ)アクリル化(メタ)アクリルオリゴマーは、まずペンダントカルボン酸、無水物、ヒドロキシ、グリシジル又はイソシアネート基を含有するモノマーと、アクリル酸ブチルのような(メタ)アクリレートモノマーとを共重合させることによって(メタ)アクリル共重合体を調製し、次いでこの共重合体を、少なくとも1つの(メタ)アクリレート官能基と少なくとも1つのカルボン酸、無水物、ヒドロキシル、グリシジル又はイソシアネート反応性基を含むモノマーと反応させることにより得ることができる。例えば、グリシジル基含有共重合体は、まずグリシジル(メタ)アクリレートなどの官能化モノマーを他の(メタ)アクリレートモノマーと共重合させることにより調製することができ、該グリシジル基含有ポリマーは、通常第2ステップで(メタ)アクリル酸と反応する。官能化されたモノマーが(メタ)アクリル酸である場合、カルボキシル基含有ポリマーは一般に、第2ステップにおいて、グリシジル(メタ)アクリレートと反応する。好適な(メタ)アクリル化(メタ)アクリルの例はEBECRYL(登録商標)1200である。
【0030】
また、本発明の組成物にアミノ(メタ)アクリレートをそのまま添加することもできる。アミノ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレートとアミンの付加反応により得ることができる。適切なアミノ(メタ)アクリレートの例としては、すべてAllnexから入手可能な、EBECRYL(登録商標)7100、EBECRYL(登録商標)80、EBECRYL(登録商標)81、EBECRYL(登録商標)83、EBECRYL(登録商標)85、EBECRYL(登録商標)880、EBECRYL(登録商標)LEO10551、EBECRYL(登録商標)LEO10552、及びEBECRYL(登録商標)LEO10553が挙げられる。
【0031】
化合物(a)は典型的には、一分子あたり2〜10の(メタ)アクリロイル基を含有するポリ(メタ)アクリレートである。「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基、メタクリロイル基、又は両方の混合物を意味する。とり典型的には、化合物(a)は2〜6の(メタ)アクリロイル基を含み、最も典型的には2〜4の(メタ)アクリロイル基を含む。
【0032】
化合物(a)は典型的には繰り返しモノマー単位から構成され、500と20,000ダルトンの間の分子量(MW)を有するものとして定義することができる。(メタ)アクリレートオリゴマーは好ましくは、500〜5,000ダルトンの分子量を有している。好ましくは化合物(a)は少なくとも300ダルトンの、より好ましくは少なくとも500ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する。しばしば、それらは少なくとも1000ダルトンのMnを有する。典型的には、化合物(a)は最大で20,000ダルトン、好ましくは最大で10,000ダルトン、より好ましくは最大で9,000ダルトン、さらにより好ましくは最大で8,000ダルトンのMnを有する。本明細書において数平均分子量は、ポリスチレン標準と溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用い25℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される。好ましくは化合物(a)は25℃の温度で50Pa.s未満の粘度を有する。
【0033】
1種以上の化合物(a)はまた、当該技術分野においてよく知られる少なくとも1種の反応性モノマー又は希釈剤を含むことができる(下記参照)。しばしば、1つ以上の化合物(a)は、少なくとも1つの(メタ)アクリル化オリゴマー及び少なくとも1つの(メタ)アクリル化モノマーを含む。実施態様において、(メタ)アクリル化モノマーは、単官能性、二官能性、又は三官能性、四官能性、五官能性又は六官能性(メタ)アクリレートモノマーであり得る。このようなモノマーの代表例としては、それらに限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートエステル、イソソルビドジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、及びジ(メタ)アクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキル(例えば、イソボルニル、イソデシル、イソブチル、n−ブチル、t−ブチル、メチル、エチル、テトラヒドロフルフリル、シクロヘキシル、n−ヘキシル、イソ−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ラウリル、オクチル又はデシル)エステル又はヒドロキシアルキル(例えば、2−ヒドロキシエチル及びヒドロキシプロピル)エステル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエトキシレートモノ(メタ)アクリレート、2−(−2−エトシキエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化及び/又はプロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、及びトリ(メタ)アクリレート及びテトラ(メタ)アクリレート、及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化及び/又はプロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、ジ−又はトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及びそのエトキシ化又はプロポキシ化誘導体、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、脂肪族グリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸によるエステル化から得られる(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0034】
しかし本発明のある実施態様では、本発明のコーティング組成物(I)は実質的に溶媒を含まず、有利なことにステノメリック(stenomeric)な(メタ)アクリレートも実質的に含まない。
【0035】
化合物(b)、C10〜C22脂肪酸の少なくとも1種の金属塩もまた金属石鹸として知られる。組成物(I)における化合物(b)は典型的には式I
+n(RCOO
によって特徴づけられる。
【0036】
ここでMは1種以上の金属原子であり、nは1〜3の範囲の整数であり、Rはこれら1種以上のC10〜C22脂肪酸(好ましくはC10〜C20脂肪酸)の残基である。
【0037】
通常、脂肪酸はC12〜C22脂肪酸、しばしばC12〜C20脂肪酸である。より好ましくは、脂肪酸はC12〜C18脂肪酸であり、最も好ましくはC16〜C18脂肪酸である。「Cx〜Cy脂肪酸」とは、そのアルキル鎖中にCx〜Cy炭素原子を有する脂肪酸を示すことを意味する。脂肪酸は飽和であることも不飽和であることもでき、両方の混合であることも可能である。不飽和の場合、脂肪酸は2以下のC=C二重結合を、好ましくは1以下のC=C二重結合を含有することが好ましい。しかし好ましくは飽和脂肪酸である。脂肪酸はまた水素化脂肪酸であることもできる。好ましくは脂肪酸は二量体脂肪酸ではない。
【0038】
本発明において使用するのに特に適しているのは、カプリン酸(デカン酸、C10:0)、ラウリン酸(ドデカン酸、C12:0)、ミリスチン酸(テトラデカン酸、C14:0)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸、C16:0)、パルミトレイン酸(C16:1)、ステアリン酸(オクタデカン酸、C18:0)、オレイン酸(C18:1、シス)、ワクセン酸(C18:1)、エライジン酸(C18:1)、アラキジン酸(エイコサン酸、C20:0)、パウリン酸(C20:1)、ゴンドイン酸(gondoic acid)(C20:1)、ベヘン酸(ドコサン酸、C22:0)、ココナツ油(基本的にC10〜C18油の混合物)、ネオデカン酸、及び/又は水素化油(例えば、水素化ヤシ油)から誘導されるカルボン酸である。パルミチン酸(C16)、パルミトレイン酸(C16:1)、ステアリン酸(C18)及び/又はオレイン酸(C18:1)が特に好ましい。パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はオレイン酸がより好ましい。ステアリン酸が特に好ましい。
【0039】
適切な金属(M)としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、アンチモン、 ビスマスなどが挙げられる。 本発明に関連して、亜鉛、カルシウム、ジルコニウム及び/又はビスマスが好ましい。 特に2価の金属原子が好ましい。 亜鉛、カルシウム及び/又はジルコニウムが最も良好な溶解性を与えるため、亜鉛、カルシウム及び/又はジルコニウムが最も好ましい。 それらはさらに、長時間続くデッドマット効果を得ることを可能にする。
【0040】
適切な化合物(b)としては、例えば、ステアリン酸亜鉛(オクタデカン酸亜鉛又はジステアリン酸亜鉛としても知られる)、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウム(トリステアリン酸アルミニウム、ALUGEL(商標)としても知られる)、パルミチン酸亜鉛、及び/又はネオデカン酸ビスマスが挙げられる。ステアリン酸金属塩が特に好ましい。好ましい化合物(b)は、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、及び/又はステアリン酸ジルコニウムが挙げられる。最も好ましいのは、60℃〜80℃でT°エージング試験に最も成績良く合格したのでステアリン酸亜鉛及び/又はステアリン酸カルシウムである。使用されるステアリン酸金属塩の粒子サイズは、例えば、より微細なサイズのステアリン酸金属塩が好まれるインク及び刷り重ねワニスの場合のように、最終用途の機能に適合させることができる。
【0041】
有利には、化合物(b)は飽和化合物である(すなわち、これらは有利にはエチレン性不飽和化合物ではない)。化合物(b)は、典型的にはアリル、ビニル、及び/又は(メタ)アクリレート基を含まない。特に、本発明による化合物(b)は、有利には(メタ)アクリレート基を含まない。
【0042】
しばしば、本発明の艶消し増量剤(I)−化合物(c)中に1種以上の添加剤が存在する。一般に、化合物(c)は、1つ以上の一般に使用される安定化添加剤から選択される。適切な添加剤(c)の例としては、熱安定剤、消泡剤、レベリング剤、湿潤剤、分散剤、抗クレーター剤、沈降防止剤、UV吸収剤、酸化防止剤などが挙げられるが、これらに限定されない。別の又は同じ実施態様において、化合物(c)は、(a)及び(b)とは異なる1種以上の艶消し剤から選択することができる。その例としては、シリカ及び/又はワックスのような典型的な有機及び/又は無機艶消し剤が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、単官能性C8〜C20アルキル(メタ)アクリレート(例えば、ラウリルアクリレート)のような記載された他のタイプの艶消し剤、ジルコニウムエチルヘキサノエートなども挙げられる。
【0043】
組成物(I)中の化合物(a)は、一般に、艶消し増量剤(I)の総重量に対して、50〜95wt%(重量パーセント)の量で、典型的には60〜95wt%の量で、より典型的には65〜95wt%の量である。好ましくは、この量は70〜90wt%であり、最も好ましくはこの量は75〜90wt%である。好ましくは、組成物(I)中の化合物(b)は、艶消し増量剤(I)の総重量に対して、5〜50wt%(重量%)、典型的には5〜40wt%(重量%)、より好ましくは5〜35wt%の量で存在する。通常、この量は5〜30wt%、より典型的には5〜25wt%、最も典型的には5〜20wt%である。しばしば、この量は10〜30wt%、より典型的には10〜25wt%、最も典型的には10〜20wt%である。40wt%を超える化合物(b)を使用すると、ゲルが形成され、他の成分とうまく混合する能力に悪影響を及ぼすことがあるが、用途によってはこれが邪魔になることはない。40wt%を超える(b)の濃度では、湿潤剤及び/又は分散剤を添加することが有益であり得る。化合物(c)は、典型的には、艶消し増量剤(I)の総重量に対して、0〜10wt%(重量%)の量で存在する。通常、それらの量は最大8wt%、より典型的には最大5wt%である。存在する場合、それらは、典型的には、少なくとも0.1wt%、より典型的には少なくとも0.5wt%の量で使用される。最も典型的なものは、0.1〜3wt%の量で使用される。上記において、上に挙げた最小量は、引用した最大量と組み合わせることができる。
【0044】
典型的には、本発明の組成物(I)は、非水性放射線硬化性組成物(100%放射線硬化性組成物とも呼ばれる)である。典型的には、この組成物中の溶媒(水を含む)の量は、組成物(I)の総重量に対して、最大5wt%、より好ましくは最大3wt%、最も好ましくは最大1wt%である。一般に、本発明の組成物(I)は、5wt%未満の溶媒を含む。通常、本発明の組成物(I)中には、添加剤(c)の導入により少量の溶媒が存在し得ることを除いて溶媒は存在しない。
【0045】
有利には、最大80、好ましくは最大60、より好ましくは最大50、最も好ましくは最大45の光沢度が85度の角度で得られる。一般に、60°の光沢レベルは、最大50(サテン)である。しかし、典型的には最大15、好ましくは最大10、より好ましくは最大8、最も好ましくは最大7である硬化時の60°光沢レベルを有する「デッドマット」コーティングが好ましい。場合によっては、硬化時の艶消しコーティングの60°の光沢レベルは5以下であり、特に1〜2という低い値の場合もある。上記の光沢レベルは、乾燥厚さ(硬化後の厚さ)が12μmのコーティング用である。本発明の「艶消し増量剤」(I)を用いる利点は、広範囲のコーティング厚さに対して上記の光沢レベルが得られることである。一般に、上記の光沢レベルは、6〜120μmの乾燥厚さを有するコーティングについて得ることができる。
【0046】
本発明の組成物(I)は製造が簡単である。化合物(a)、(b)及び存在する場合(c)は、単に一緒に混合することができ、及び/又はそれらを段階的に添加することができ、ステップの順序は影響を及ぼさない。
【0047】
本発明の組成物(I)は、艶消し(低光沢)コーティングの製造に非常に適している。一般に、本発明による組成物(I)を用いて得ることができる艶消しコーティングの85°光沢レベルは、最大80、好ましくは最大60、より好ましくは最大50、最も好ましくは最大45である。一般に60°光沢レベルは最大50(サテン)である。しかし、典型的には最大15、好ましくは最大10、より好ましくは最大8、最も好ましくは最大7である硬化時の60°の光沢を有するデッドマットコーティングが好ましい。場合によっては、硬化時の艶消しコーティングの60°光沢レベルは最大5であり、特に場合によっては1〜2という低い値の場合もある。上記の光沢レベルは、乾燥厚さ(硬化後の厚さ)が12μmのコーティング用である。本発明の艶消し増量剤(I)を用いる利点は、広範囲のコーティング厚さに対して上記光沢レベルが得られることである。一般に、上記の光沢レベルは、6〜120μmの乾燥厚さを有するコーティングについて得ることができる。
【0048】
本発明の本発明の態様は、低光沢(コーティング)組成物(II)の製造のための本発明の組成物(I)の使用に関する。本発明のさらに別の態様は、低光沢コーティングを作製するための方法であって、
(i)本発明の組成物(I)から調製されたコーティング組成物を物品又は基材の少なくとも1つの表面に塗布するステップ、
(ii)続いてコーティングを放射線硬化させるステップ、
を含み、60°の角度で最大で50、85°の角度で最大で80の光沢レベルを有する艶消しコーティングを得、ここで該コーティングは12μmの硬化フィルム厚さを有する、上記方法に関する。一般に、乾燥厚さ(硬化後の厚さ)12μmのコーティングでは60°の角度での光沢レベルは最大15であり、85°の角度での光沢レベルが最大50である。有利に達することができるより多くの光沢レベルについては、上記を参照のこと。本発明の利点は、これらの光沢レベルが広範囲のコーティング厚さにわたって得られることである。一般に、これらはシリカ及び/又はワックスのような(さらなる)艶消し剤を添加する必要がまったくなく、6〜120μmの乾燥厚さを有するコーティングで得ることができる。
【0049】
典型的には、しかし、本発明の組成物(I)に、化合物(b)及び(c)とは異なる1種以上の(さらなる)艶消し剤が添加されている。我々は、ずっと低い光沢レベルを得ることができるという、化合物(b)と、シリカ及び/又はワックスのような標準の艶消し剤(d)との間の相乗効果に気が付いた。無機及び/又は有機の艶消し剤(特にシリカ)を添加することによって、60°の角度で10未満の艶消しレベルは、例えば、より入手しやすい。
【0050】
したがって、本発明の放射線硬化性艶消し組成物(II)は、典型的には、当該技術分野においてよく知られるように、少なくとも1種の無機艶消し剤(d)及び/又は少なくとも1種の有機艶消し剤(d)を含む。通常、少なくとも1種の無機艶消し剤が存在する。無機酸化物が特に好ましく、シリカ粒子が最も好ましい。
【0051】
「粒子」という用語は、本明細書では、固体が単独であれ、その集合(例えば、粉末)であれ、その固体を指すために使用され、これは規則的な又は不規則な形又は表面を有する球状、顆粒状、細片状、又は断片を含む。用語「無機酸化物」は、元素と酸素との二成分化合物を記述するために使用され、金属酸化物及び半金属酸化物を含む。このような酸化物の例は、SiO、Al、AlPO、MgO、TiO、ZrO、Fe又はこれらの混合物を含むことができる。混合無機酸化物は、従来の製造技術、例えば、共ブレンド、共沈殿、共ゲル化等により調製することができる。酸化物はゲル状、沈殿状、ヒュームド状、コロイド状などを含む様々な形態であってもよい。無機酸化物としてはまた、天然鉱物、加工/活性化鉱物、モンモリロナイト、アタパルジャイト、ベントナイト、ケイソウ土、石英砂、石灰、カオリン、球状粘土、タルク、パイロフィライト、パーライト、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムアルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、シリカヒドロゲル、シリカゲル、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、透析シリカ、アルミナゼオライト、モレキュラーシーブ、珪藻土、逆相シリカ、漂白クレー、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0052】
標準的な無機艶消し剤(d)には、シリカ(例えば、アモルファス二酸化ケイ素)、珪藻土、タルク、チョーク及びワックスが含まれる。好ましくは、艶消し剤は、シリカ、珪藻土、タルク、チョーク及びこれらの混合物からなる群から選択される。シリカがしばしば好ましい。シリカは、処理されたシリカ又は未処理のシリカであってもよく、又は両方の混合物であってもよい。無機艶消し剤の例としては、Evonik Degussaから入手可能なACEMATT(商標)3300(焼成シリカ)、ACEMATT(商標)TS−100、ACEMATT(商標)TS−100/20、ACEMATT(商標)HK−400、ACEMATT(商標)HK−450、ACEMATT(商標)3600、AEROSIL(商標)R−7200、及びAEROSIL(商標)R−9200;W.R.Grace&Co.から入手可能なSYLOID(商標)ED5、SYLOID(商標)162C、Syloid MX(商標)306及びSyloid MX(商標)309;PQ CorporationからのGASIL(商標)ED−5、GASIL(商標)23D、GASIL(商標)23F、GASIL(商標)35M、GASIL(商標)HP−230、GASIL(商標)HP−270、GASIL(商標)HP335、GASIL(商標)HP380、GASIL(商標)937、GASIL(商標)EBN、GASIL(商標)HP−880、及びSILCRON(商標)G−602、DeuteronからのDEUTERON(商標)MK、及びGrace&Co.からのCP4−8991が挙げられる。
【0053】
適切な有機艶消し剤(d)の例としては、Deuteronの(メチレンジアミノメチルエーテル−縮合重合体)などの有機ワックスが挙げられる。BYKのCERAFLOUR(商標)988は、微粉化アミド変性ポリエチレンワックス艶消し剤の例である。他の適切な例としては、LubrizolのLANCO(商標)1930及びLANCOWAX(商標)PP 1362D、及びSasolのSASOLWAX(商標)5413が挙げられる。
【0054】
しばしば、少なくとも1種のシリカタイプと少なくとも1種の有機ワックスの組み合わせが使用される。したがって、本発明の特定の実施態様において、組成物(II)は、少なくとも1種の無機艶消し剤(d)及び少なくとも1種の有機艶消し剤(d)を含む。
【0055】
艶消し剤の種類は、最終用途に合わせて選択することができる。例えば、GASIL(商標)23Dを使用する場合、高い透明度を有する艶消しフィルムが得られる。しかし、GASIL(商標)UV−70C及び/又はACEMATT(商標)3300を使用すると、透明度の低い艶消しフィルムが得られる。一般に、単官能性(メタ)アクリレートの量、特に単官能性アルキル(メタ)アクリレートの量、より特定的にはC8〜C20単官能性アルキル(メタ)アクリレート(ラウリルアクリレートなど)の量は 組成物(II)の総重量に対して、10wt%(重量%)のレベルより十分に低く、好ましくは8wt%のレベルより低く、より好ましくは5wt%のレベルより低く維持される。本発明の一実施態様では、ラウリルアクリレートのような単官能性C8〜C20アルキル(メタ)アクリレートは、臭気、UV反応性及び性能に悪影響を及ぼし得るので、存在しない。
【0056】
典型的には、本発明の艶消し組成物(II)は、組成物(II)の総重量に対して、0〜20wt%(重量パーセント)の艶消し剤(d)を含む。存在する場合、艶消し組成物(II)中のそれらの量は、典型的には、艶消し組成物(II)の総重量に対して、0.1〜15wt%、通常は0.5〜10wt%、好ましくは0.75〜9wt%、最も好ましくは1〜8wt%である。上記の最小量は、上記の最大量と組み合わせることができる。例えば、組成物中の艶消し剤(d)の量は、0.1wt%〜20wt%以下、又は0.5wt%以上〜8wt%以下であってもよい。
【0057】
本発明の組成物の利点は、当技術分野で標準的に必要とされるよりも少ない量のシリカ及び/又はワックスのような艶消し剤(d)が必要であり、組成物の安定性にプラスの影響を及ぼすことである。本発明の組成物は、広範囲のコーティング厚にわたり実質的に光沢変化のない艶消しコーティングを得ることを可能にする。低レベルの艶消し剤(d)と組み合わせると、配合の柔軟性又は性能を失うことなく、低い光沢値を得ることができる。
【0058】
一般に、配合者は、本発明の「艶消し増量剤」(I)を組成物(I)の総量に対して、2〜50wt%(重量%)、典型的には5〜40wt%、典型的には10〜40wt%、より典型的には15〜30wt%、最も典型的には15〜25wt%の量で使用する。上記の最小量は、上記の最大量と組み合わせることができる。
【0059】
典型的には、本発明の艶消し組成物(II)は、それ自体で、本発明の組成物(II)の総重量に対して、0.1〜40wt%(重量%)の金属石鹸(b)を含む。艶消し組成物(II)中のその量は、典型的には、組成物(II)の総重量に対して、0.1〜20wt%、通常0.1〜15wt%、好ましくは0.5〜10wt%、最も好ましくは1〜8wt%である。上記の最小量は、上記の最大量と組み合わせることができる。例えば、組成物中の艶消し剤(d)の量は、1wt%以上10wt%以下であってもよい。
【0060】
通常、最終使用者は、上記の(メタ)アクリル化化合物(a)と同じであっても異なっていてもよい、1種以上の(メタ)アクリル化化合物(e)をさらに添加する。通常、少なくとも1種の(メタ)アクリル化オリゴマー(e)が添加され、これらの化合物の選択及び量は、所望される最終特性に依存する。好適な(メタ)アクリル化オリゴマーの例は、化合物(a)について上に列挙したものと同じである。
【0061】
反応性希釈剤(e)を「艶消し増量剤」(I)に加えて、艶消し組成物(II)の粘度を低下させることができる。本発明の文脈で使用される反応性希釈剤は、典型的には、少なくとも1つの活性エネルギー線硬化性基、より詳細には少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基、アリル基及び/又はビニル基を含む。ビニル及び/又は(メタ)アクリロイル基が好ましい。最も典型的なものは、(メタ)アクリロイル基、特にアクリロイル基である。適切なビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ブロモスチレン、tert−ブチルスチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、C1〜C20アルコールのビニルエーテル、2,3−ジヒドロフラン、ビニル(メタ)アクリレート、アリルビニルエーテル、及びC1〜C20ジオールのジビニルエーテルが挙げられる。適切な(メタ)アクリル化化合物としては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル/デシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、ノニルフェノールエトキシレートモノ(メタ)アクリレート、2−(−2−エトキシエトキシ)エチル−(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDD(M)A)、ジ又はトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGD(M)A、TPGD(M)A)、エトキシ化及び/又はプロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート(PETI(M)A)及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPT(M)A)及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、ジ−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(diTMPT(M)A)グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート(DPHA)及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、ジアンヒドロヘキシトールジ(メタ)アクリレート(イソソルビドジ(メタ)アクリレートのような及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びそれらのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、脂肪族グリシジルエーテル、特にアルキル鎖が6〜24個の炭素原子、より好ましくは8個〜18個の炭素原子を含むものの、及び/又は飽和及び不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、特にアルキル鎖が6〜24個の炭素原子、より好ましくは8〜18個の炭素原子を含む長鎖アルキルカルボン酸のグリシジルエステルの、(メタ)アクリル酸とのエステル化から得られる(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0062】
好ましいのは、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDD(M)A)、ジ又はトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(DPGD(M)A、TPGD(M)A)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPT(M)A)及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート(PETI(M)A)及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、グリセロールトリ(メタ)アクリレート及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、ジアンヒドロヘキシトールジ(メタ)アクリレート(イソソルビドジ(メタ)アクリレートのような)及びそれらのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート及びそのエトキシ化及び/又はプロポキシ化誘導体である。本発明の一実施態様では、少なくとも1種のジ及び/又はトリ(メタ)アクリレート化モノマーが、本発明の放射線硬化性艶消し組成物(II)中に存在する。単官能性(メタ)アクリレート、特に単官能性アルキル(メタ)アクリレートの量、より特定的にはC8〜C20単官能性アルキル(メタ)アクリレート(ラウリルアクリレートなど)の量を、本発明の艶消し組成物(II)の総重量に対して、10wt%(重量パーセント)、好ましくは8wt%未満、より好ましくは5wt%未満のレベルをはるかに下回るように保つことが好ましい。本発明の一実施態様では、単官能(メタ)アクリレートは全く存在しない。本発明の別の好ましい実施態様では、ステノメリックな(メタ)アクリレートモノマーは実質的に存在せず、全く添加されていない。
【0063】
反応性希釈剤は、典型的にはモノマーである。好ましくは、使用される反応性希釈剤の粘度は、25℃の温度で5mPa.s〜2Pa.sの範囲であり、最も好ましくは<500mPa.sである。好ましくは、使用される反応性希釈剤は、100〜1000ダルトン、より好ましくは200〜800ダルトン、最も好ましくは200〜500ダルトンの平均範囲の数平均分子量(Mn)を有する。典型的には、重量平均分子量(MW)は最大1000ダルトンである。
【0064】
典型的には、本発明の艶消し組成物(II)中に存在する(メタ)アクリル化化合物の総量は、組成物の総重量に対して40〜95wt%(重量%)である。艶消し組成物(II)中のその量は、典型的には、艶消し組成物(II)の総重量に対して、50〜90wt%、通常60〜85wt%、好ましくは70〜80wt%、最も好ましくは75〜80wt%である。上記の最小量は、上記の最大量と組み合わせることができる。
【0065】
本発明の艶消し増量剤(I)の化学的性質は、溶媒又は単官能性(反応性)希釈剤を添加する必要が全くなしに、60°で<5の超低(「デッドマット」)光沢レベルを含む広範囲のより低い光沢レベルを達成することを可能にする。
【0066】
本発明の組成物は、調製プロセスのどの段階でも又はその後に導入される、合体有機溶剤、顔料、染料、熱安定剤、消泡剤、レベリング剤、抗クレーター剤、充填剤、沈降防止剤、UV吸収剤、酸化防止剤などを含む他の従来からの成分(f)を含有することができる。
【0067】
本発明の組成物は有利には液体であり、25℃の温度で、好ましくは5000mPa.s未満、しばしば4000mPa.s未満、より好ましくは2000mPa.s未満の塗布粘度を有する。
【0068】
粘度が低いので、本発明の艶消し増量剤(I)をコーティング配合物中に組み込むことが非常に容易になる。艶消し増量剤(I)は、100%UV適用で一般的に使用されるポリマー及び艶消し剤と相溶性であり、それらを例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル化(メタ)アクリル化物などと理想的なブレンドパートナーにする。
【0069】
本発明の組成物は、コーティング組成物として、又はコーティング組成物(例えば保護又は装飾コーティング組成物)の主成分を提供するために特に有用であり、その目的のために揮発性有機溶媒でさらに希釈することができる。配合は溶媒を含有することができるが、優先的に溶媒を含まない。
【0070】
使用することができる揮発性有機溶媒は、SOLVESSO(商標)100(R)のような脂肪族又は芳香族炭化水素であることができ、これは芳香族溶媒含量が99.5重量%であり、主にC9−10ジアルキル及びトリアルキルベンゼンを含む芳香族溶媒の混合物である。また、適切なのは、トルエン又はキシレン、n−ブタノール又はイソプロパノールなどのアルコール、酢酸イソブチル、酢酸n−ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸メチル又は酢酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン又はメチルエチルケトンなどのケトン類、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル又はプロピレングリコールt−ブチルエーテル又はこれらのいずれかの混合物のようなエーテル、エーテル−アルコール又はエーテル−エステルである。使用される溶媒のレベル及びタイプは、他の成分の粘度及び意図される適用方法に依存する。
【0071】
しかし、好ましくは、本発明の組成物(II)は、最大50wt%(重量%)、より好ましくは最大20wt%、最も好ましくは最大5wt%、特に最大0.5wt%の有機溶媒(水を含む)を含む。通常、本発明の組成物は、揮発性有機溶媒を含まないが、溶媒中に一部が供給される添加剤の導入により存在する最小限の量は除く。
【0072】
しばしば、金属石鹸(b)以外の湿潤剤(g)が添加される。その例は、基材湿潤剤である。そのような湿潤剤(e)は、存在する場合、典型的には、組成物の総重量に対して最大3wt%(重量%)の量で存在する。通常、この量は最大2wt%、最も好ましくは最大1wt%である。
【0073】
本発明の艶消し組成物(II)は、UVの全スペクトル又は他の適切な手段を使用して一般に硬化が容易である。本発明の艶消し組成物(II)は、例えば、自然の屋外光のもとで、電子線を介して、紫外線(UV)ランプ照射によって、及び/又は過酸化物硬化によって硬化させることができる。本発明の艶消し組成物(II)から調製されるコーティングは、一般的に迅速に乾燥し、研磨可能であり、良好な耐薬品性を有する。
【0074】
また、LED光による硬化も可能である。UV光源は、典型的には200〜800nmの波長で発光するが、本発明の利点は、UV LED光源による硬化が可能であり、これは典型的には365〜395nmの範囲で最も強力な波長を有するスペクトルで発光する。
【0075】
しかしUV光放射で硬化するのが最も典型的である。硬化は光開始剤を使用しても、しなくても可能である。しかし、典型的には、本発明の艶消し組成物(II)は、少なくとも1種の光開始剤を含む。放射線に暴露されたときにフリーラジカルを生成することができる任意の光開始剤及びそれらの混合物を使用することができる。好ましい光開始剤としては、IRGACURE(商標)184;アシルホスフィンオキシド、例えばIRGACURE(商標)819;BASFから入手可能なIRGACURE(商標)651、Allnexから入手可能なADDITOL(登録商標)BP(ベンゾフェノン)、及びBASFから入手可能なIRGACURE(商標)1173又はIRGACURE(商標)BP(ベンゾフェノン)のようなベンゾジケタールが挙げられる。存在する場合、本発明の艶消し組成物(II)中の光開始剤の量は、典型的には組成物の総重量に対して、0.01〜10wt%(重量%)、より好ましくは1〜8wt%、最も好ましくは3〜5wt%の少なくとも1種の光開始剤である。
【0076】
本発明の別の態様は、本発明の艶消し組成物(II)の製造方法であって、以下のステップを含む方法に関する:
(i)上記(上記のいずれか)の「艶消し増量剤」(I)又はその成分を提供するステップ、
(ii)それぞれの量で艶消し剤(d)を添加するステップ、
(iii)任意に、さらなる(メタ)アクリル化化合物をそれぞれの量で添加するステップ、及び
(iv)任意に、添加剤及び/又は溶媒をそれぞれの量で添加するステップ、
ここで、ステップ(i)、(ii)、(iii)及び(iv)は任意の順序であり得る。基材上に塗布する前に、1種以上の光開始剤を添加してもよい(v)。
【0077】
組成物(II)の粘度を下げることは、艶消し仕上げを得るのに役立ち得る。そのようなものとして、上記の方法は、
(via)DPGDA、HDDA、ODA等のような反応性希釈剤を添加する、及び/又は
(vib)艶消し組成物(II)の温度を少なくとも25℃、好ましくは少なくとも30℃、おそらくは少なくとも50℃、典型的には60℃以下の温度に上昇させる、これは硬化に先立つ
というステップ(vi)をさらに含むことができる。
【0078】
艶消し組成物(II)の温度は、UV硬化の前に被膜される表面を加熱するIRランプを設置することによって上昇させることができる。上記のように温度を上げることは、金属石鹸(b)が、得られた艶消し仕上げにプラスの影響を与えながら、より速くより滑らかにコーティング表面に移行するというさらなる利点を有する。
【0079】
放射線による硬化のステップの後、有利には、12μmの硬化膜厚で、60°角度で最大15、85°角度で最大50の光沢レベルを有する艶消しコーティングが得られる。
【0080】
本発明の艶消し組成物(II)を、木材、ボード、金属、石、コンクリート、ガラス、布、皮革、紙、プラスチック、フィルム、ホイル(紙及び/又はプラスチック)、発泡体、複合材料等を含む様々な基材に、ブラシ法、ディップ法、フローコーティング法、スプレー法、ローラー法、カーテンコーティング法などを含む従来の方法により塗布することができる。それらは、木材、紙、プラスチック及びボード基材上にコーティングを提供するのに特に有用である。それらは弾力性の床(PVC)、消費者プラスチック(ABS、PMMA、PC、PP、...)とホイル(PET、PVC、PP、PE、...)のコーティングに特に有用である。本発明の組成物は、さらに、キッチン及びバスルームキャビネット、家具、床材、家電製品、自動車用途、グラフィック用途(フレキソ、オフセット、スクリーン及びインクジェット印刷インキを含むが、紙&ボード上への、PE、PET、PPなどのプラスチックフィルム上への刷り重ねワニスも含む)に使用するのに特に適している。これらは、木材(家具、寄木細工、キッチン、建築)産業、並びにプラスチック、金属及びコンクリート(家電、自動車、建築、コンクリート保護)産業及びグラフィックアート(印刷インキ、刷り重ねワニス)産業における使用に特に適している。
【0081】
本発明の組成物はまた、木材、プラスチック、コンクリート、MDFなどの複合材、デッキ及びテラゾ用のプラスチック−木材複合材、VCT、ビニル、リノリウム、PVC、ゴム及びコルクなどの弾力性のある床材のような広範囲の床材への現場適用用途に適している。それらはまた、特に、窓枠、ドア、シャッター、フェンス、木材などのコーティングのようなトリムコーティングのための垂直基材上の現場適用用途に適している。他の適切な基材は紙箔基材である。
【0082】
これらはさらにまた、ハイエンド電子機器(例えば、携帯電話、タブレット)及び高級包装又は広告材料、食品包装、化粧品包装などのための艶消し及び超艶消し仕上げへの使用にも適している。
【0083】
本発明による組成物は、インドアとオウトドアの両方の用途に使用することができる。本発明による組成物は、単層コーティングとして、又は多層システムにおける1つ以上の層としての使用に適したコーティングを得ることを可能にする。本発明の放射線硬化性組成物は、プライマー及び/又はシーラー及び/又はトップコートの製造にも使用することができるが、コーティングはしばしばトップコートである。(トップ)コーティングは、透明であっても不透明であってもよい。不透明コーティングは、例えば、携帯電話及び/又は他の電子デバイスの裏材に適用される。本発明の組成物は、また、自動車産業において使用されるヘッドランプ、トリムピース、組成物及び/又はプラスチック材料のコーティングのような自動車産業においても非常に適している。
【0084】
プラスチック上のコーティングの場合、デッドマット効果は、しばしば、有機添加剤及び艶消し剤(Microchemから入手可能なDECOSILK(商標)、DECOSOFT(商標)のような)の添加によって形成され得る触覚特性及び/又は柔らかい感触と組み合わされる。
【0085】
トップコート、シーラー及び/又はプライマーの両方を、本発明の組成物から調製することができる。コーティングは、着色されていてもよく、及び/又はクリアコートであってもよい。プライマーは一般に容易に研磨可能である。トップコートは、艶消し効果と優れた引っ掻き耐性及び/又は耐汚染性を有利に組み合わせる。本発明による放射線硬化性組成物から調製されたシーラーは、一般に、高い顔料投入量を可能にする。
【0086】
艶消し剤(d)の必要性がより少なくなるということは、高光沢系のものと同様に、改良されたレオロジー特性、より良好な透明性、より深い硬化及び耐汚染性及び引っ掻き耐性性能を意味する。
【0087】
本発明の艶消し組成物(II)は、コーティングの製造に特に適している。しかしながら、本発明の組成物は、インキ、刷り重ねワニス、接着剤及び/又は成形品の製造に使用することもできる。したがって、本発明の別の態様は、本発明による少なくとも1つの放射線硬化性組成物から製造されるか、又はそれを含む、コーティング、インク、刷り重ねワニス、接着剤及び/又は成形品に関する。
【0088】
本発明の1つの特定の実施態様は、本発明による放射線硬化性組成物から調製されたコーティングに関する。
【0089】
本発明でさらに提供されるのは、また、物品又は基材をコーティングする方法であって、
(i)本発明の放射線硬化性組成物を物品又は基材の少なくとも1つの表面に塗布するステップ、
(ii)その後にコーティングを放射線硬化させるステップ
を含み、硬化フィルム厚が12μmで60°の角度で最大15、85°の角度で最大50の光沢レベルを有する艶消しコーティングを得る、上記方法である。本発明の組成物を使用する利点は、この光沢レベルが得られること、又は6〜120μmの乾燥厚さ(硬化膜厚)を有するコーティングが得られることである。したがって、艶消し効果は、広範囲のコーティング厚にわたって得られ得る。
【0090】
さらに提供されるのは、本発明による組成物から又は本発明による方法を介して得られるコーティングである。
【0091】
本発明による組成物を含むコーティングを含むコーティングされた基材もまた提供され、基材にコーティング組成物を塗布してコーティングを形成し、その後該コーティングを放射線硬化させて、硬化フィルム厚12μmで、60°の角度で最大15、85°の角度で最大で50の光沢測定値を有する艶消しコーティングを得るステップを含む、基材をコーティングするための、本発明によるコーティング組成物の使用も提供される。本発明の組成物(II)で基材をコーティングすることによって調製された艶消しコーティングも提供され、該艶消しコーティングは、硬化膜厚12μmで60°の角度で最大15、85°の角度で最大50の光沢測定値を有する。本発明の組成物を使用する利点は、この光沢レベルが得られること、又は6〜120μmの硬化フィルム厚を有するコーティングである。したがって、艶消し効果は、広範囲のコーティング厚にわたって得られ得る。本発明を通して、DIN−67530に従ってBYK Gardner micro−TRI−gloss20−60−85光沢計を用いて、60°及び85°の角度で光沢を測定した。
【0092】
本発明の艶消し増量剤(I)を含有するコーティングは、より良好なソフトな感触を有する傾向があり、木材基剤用に設計されたコーティングは、透明性が向上する。新しい結合剤はまた、コーティングの柔軟性又は硬度に悪影響を及ぼさない。結果として、本発明の艶消し増量剤(I)は、トップコーティング及び自己シーリングコーティングでの使用に理想的である。
【0093】
以下、本発明を後述の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されることを意図するものではない。本発明を通して、特に実施例では、以下の測定方法が適用されている。
【実施例】
【0094】
材料及び方法
UV硬化:
硬化は以下の方法で行った:6−120μmの厚さのコーティング層を、バーコーターによりレネタ(Leneta)紙不透明カード上に塗布した。次いで、40、80又は120ワット/cmのHgランプを用いて、5m/分の硬化速度でUV光下でコーティングを硬化させた。
【0095】
光沢測定:
本発明を通して、及び本明細書では、DIN−67530に従ってBYK Gardner microTRI−gloss20−60−85光沢計を用いて光沢測定を行った。
【0096】
耐汚染性:
試験条件:
白いLeneta紙上にバーコータにより80μ乾燥のコーティングを施す。次いで、コーティングを、80ワット/cmのHgランプを用いて5m/分の硬化速度でUV光下で硬化させた。照射後、試料は、少なくとも1時間、制御された部屋(20℃、50%RH)中で安定化される。
【0097】
評価:
耐汚染性は記載のように測定される。ある製品(Z)を一定時間(Y)、コーティング上に置き、空気乾燥を防ぐためにガラスキャッピングで覆う。時間(Y)の経過後、製品(Z)を溶媒(S)又は水/石鹸溶液に漬けた薄い織物(tissue)で除去する。以下の製品を試験した(表1)。
【0098】
【表1】
【0099】
次いで1から5までの尺度を使用して、以下のようにして耐汚染性を判定し、採点する:
5・・・目に見える汚れがない
4・・・非常に薄い汚れ
3・・・中程度の汚れ
2・・・強い汚れ
1・・・非常に強い汚れ
【0100】
耐薬品性:
この方法は、ドライフィルムが特定の溶媒に対して耐性であるかどうかを決定する。
【0101】
試験条件:
白いLeneta紙上にバーコーターにより80μ乾燥のコーティングを施す。次いで、コーティングを、80ワット/cmのHgランプを用いて5m/分の硬化速度でUV光下で硬化させた。照射後、試料は、少なくとも1時間、制御された部屋(20℃、50%RH)中で安定化される。
【0102】
評価:
コーティング(X)を一定時間(Y)、溶媒(Z)と接触させておく。試験した異なる製品は、10%NH3、10%NaOH、50%エタノール(水で希釈)、水、イソプロピルアルコール及びアセトンである。その後、外観を評価する。外観はまた、損傷なし、可溶、光沢変化、接着不良などとして、視覚的に採点される。
【0103】
次いで1〜5の尺度を使用して、以下のようにして耐薬品性を判定し、採点する:
5・・・目に見える汚れがない
4・・・非常に薄い汚れ
3・・・中程度の汚れ
2・・・強い汚れ
1・・・非常に強い汚れ
【0104】
コーンとプレートの粘度:ISO 3219による
【0105】
熱安定性:
必要な場合、試験を開始する前に試料を均一にする。次いで、30mlの瓶に試料を充填し、首のみを満たさずに残す。次に、試料を適切な温度および時間でオーブンに入れる。毎日ゲル形成のチェックを行なう:一度試料を逆さまにして試料がゲル化しているかどうかを確認する。所定の試験時間の後、試料をオーブンから取り出し、ゲルをチェックする。試料にゲルが含まれている場合、試験は中止される。通常60℃(140°F)で10日間、80°C(176°F)で10日間の2つのエージング試験が実行される。試料がゲル化するまでの日数に留意する。
【0106】
実施例セクション:
本発明の艶消し増量剤(I)は、艶消し剤(d)を添加しなくても光沢を低下させる。
【0107】
本発明の組成物を、艶消し剤としてシリカを含有する標準の艶消しコーティングと比較した(EX1−R)。バーコーターを使用して黒色のレネタ(Black Leneta)紙にコーティングを塗布した後、80ワット/cmHgランプ下でUV硬化させた。コーティングの乾燥厚は、それぞれ10〜20〜40〜80μmであった。60°及び85°の角度でのコーティングの組成及び光沢レベルをそれぞれ表2に示す。また、耐汚染性及び耐薬品性を評価した。他に指示がない限り、量は部で示す。表2のデータは、本発明の艶消し増量剤から調製したコーティングがより低い光沢を示すことを示す(EX2−3)。(余分な)標準艶消し剤を添加することにより、60°の角度で5未満の光沢レベルに到達することができる(「デッドマット効果」)。耐汚染性及び耐薬品性は、金属石鹸(b)の添加によって悪影響を受けない。
【0108】
【表2】
【0109】
*艶消し剤なしでは60°の角度での光沢は90を超えるであろう
**PEA/ステアリン酸亜鉛/添加剤(85/14/1)。PEAは EX1−Rの一つと同じである
HDDA:ヘキサンジオールジアクリレート、DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート
【0110】
標準的な無機艶消し剤(d)を添加することにより15未満の艶消しを達成することができる
全範囲の無機シリカ艶消し剤(d)を、本発明の「艶消し増量剤」との相溶性に関して試験した。10−20−40−80μmの乾燥厚さをそれぞれ有するコーティングを、黒色のレネタ(Leneta)紙上にバーコーターにより塗布した。次いで、コーティングを、120ワット/cmのHgランプを用いて5m/分の硬化速度でUV光下で硬化させた。コーティングの組成を表3に示し、結果を表4に要約する。
表4のデータは、60℃で10未満の光沢レベルが標準シリカで達成できることを示している。5未満の光沢レベルですら容易に達成できる。
【0111】
【表3】
【0112】
【表4】
【0113】
より少ないシリカ艶消し剤を使用して15未満の艶消しを得ることができる
20μmの乾燥厚さを有するコーティングを、黒色のレネタ(Leneta)紙上でバーコーターによって塗布した。次いで、コーティングを、120ワット/cmのHgランプを用いて5m/分の硬化速度でUV光下で硬化させた。60°の角度での光沢及び23℃での円錐平板粘度を測定した。コーティングの組成を表5に示し、結果を表6に要約する。
【0114】
【表5】
【0115】
【表6】
【0116】
【表7】
【0117】
10未満の艶消しは、標準的な有機艶消し剤(d)を添加することにより達成できる
厚さ10−20−40−80μm厚の乾燥厚を有するコーティングを、黒色のレネタ(Leneta)紙上にバーコーターにより塗布した。次いで、コーティングを、120ワット/cmのHgランプを用いて5m/分の硬化速度でUV光下で硬化させた。60°の角度での光沢及び85°の角度での光沢を測定した。コーティングの組成を表7に示し、結果を表8に要約する。
【0118】
【表8】
【0119】
【表9】
【0120】
トップコート中の異なる亜鉛化合物の試験
80μm厚の乾燥厚を有するコーティングを、黒色のレネタ(Leneta)紙上にバーコーターによって塗布した。次に、2×80ワット/cmのHgランプを用いて7m/分の硬化速度でUV光下でコーティングを硬化させた。60°測定での光沢を2週間の貯蔵寿命の後に繰り返した。トップコート組成を表9に示す。結果を表10に要約する。最初は全てのZn触媒はあるレベルの艶消し増長を有したが、本発明の艶消し増長剤を使用しないと、この効果は混合物の12日間の貯蔵後に消失した(例えば比較例17R及び18R参照)。その場合、艶消し効果は維持され、コーティングの硬度は良好なままであった。最良の特性のバランスは、本発明の艶消し増量剤(I)で得られる(例えば実施例19参照)。比較例17−Rは、脂肪酸の長さが役割を果たすことを示す。
【0121】
【表10】
【0122】
【表11】
【0123】
艶消し効果と良好な機械的及び化学的特性
密閉した木材(EBECRYL(登録商標)8332)にDCコーティングを施した。トップコートを8〜15g/m2の量で適用した。次に、80ワット/cm2のHgランプを用いて2X7m/分の硬化速度でUV光下でコーティングを硬化させた。硬化速度及び機械的特性を調べた(表11)。本発明の艶消し剤は、ODA(オクチルデシルアクリレート)のような当該技術分野で使用される他の薬剤よりも明らかな利益を有する(表12)。表13では、本発明による異なる艶消し増量剤を比較する(EX26−35)。
【0124】
【表12】
【0125】
【表13】
【0126】
【表14】