(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属電源メッシュパスが、前記接地電源電圧を前記カソード層に運ぶ金属接地電源パスであり、前記金属接地電源パスが、金属層の第1の部分から形成され、前記金属層の第2の部分が、前記薄膜トランジスタ回路内のトランジスタのソース−ドレイン端子を含むビア構造物を形成する、請求項1に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
前記薄膜トランジスタ回路内のトランジスタのソース−ドレイン端子が、前記誘電層に埋め込まれた第1の金属層から形成され、前記金属電源メッシュパスが、前記誘電層に埋め込まれた第2の金属層から形成された、請求項1から3のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
前記有機発光ダイオードの陽極が、第3の金属層から形成され、前記第3の金属層は、前記誘電層に埋め込まれ、前記第2の金属層と前記カソード層との間にはさまれた、請求項4に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
前記第3の金属層の一部が、前記カソード層に前記第2の金属層から形成された前記金属電源メッシュパスを短絡する、請求項5に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
前記金属電源メッシュパスは、前記有機発光ダイオードディスプレイの下縁部に沿って延びる第1金属片と、前記有機発光ダイオードディスプレイの左または右の縁部に沿って延びる第2金属片と、を含み、
前記第2金属片は前記カソード層に短絡され、
前記第1金属片は前記丸みを帯びた角において前記第2金属片と接続されていない、請求項1から6のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードディスプレイ。
【発明を実施するための形態】
【0034】
有機発光ダイオードディスプレイを備え得るタイプの例示的な電子デバイスが、
図1に示されている。電子デバイス10は、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータ用モニタ、タブレットコンピュータ、セルラー電話、メディアプレーヤ、又はその他のハンドヘルド若しくはポータブル電子デバイスなどのコンピューティングデバイス、腕時計型デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型若しくはイヤホン型デバイス、眼鏡に埋め込まれたデバイス若しくはユーザの頭部に装着する他の機器、又はその他の着用可能な若しくはミニチュアデバイスなどの小さめのデバイス、ディスプレイ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータ用ディスプレイ、組み込み型コンピュータを含まないコンピュータ用ディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイを有する電子装置をキオスク若しくは自動車にマウントするシステムなどの組み込み型システム、又は他の電子装置でもよい。
【0035】
図1に示すように、電子デバイス10は制御回路16を有することができる。制御回路16は、デバイス10の動作をサポートする記憶及び処理回路を含むことができる。記憶及び処理回路としては、ハードディスクドライブ記憶装置、非揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するように構成された他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的なランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含むことができる。制御回路16内の処理回路を使用して、デバイス10の動作を制御することができる。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、特定用途向け集積回路などに基づき得る。
【0036】
入出力デバイス12などの、デバイス10内の入出力回路を使用して、デバイス10にデータを供給し、かつ、デバイス10から外部デバイスにデータを提供できるようにすることができる。入出力デバイス12としては、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、トーンジェネレータ、振動器、カメラ、センサ、発光ダイオード及び他の状態標識、データポートなどが挙げられ得る。ユーザは、入出力デバイス12を通じてコマンドを供給することによってデバイス10の動作を制御することができ、入出力デバイス12の出力リソースを使用してデバイス10から状態情報及び他の出力を受信することができる。
【0037】
入出力デバイス12は、ディスプレイ14など1つ以上のディスプレイを含み得る。ディスプレイ14は、ユーザからのタッチ入力を収集するためのタッチセンサを含むタッチスクリーンディスプレイであってもよく、又はディスプレイ14は、タッチに反応しなくてもよい。ディスプレイ14のタッチセンサは、容量性タッチセンサ電極のアレイ、音響タッチセンサ構造物、抵抗性タッチ構成要素、力覚タッチセンサ構造物、光学式タッチセンサ、又は他の好適なタッチセンサ構成に基づき得る。ディスプレイ14のタッチセンサは、ディスプレイ14の画素を有する共通ディスプレイ基板上に形成された電極から形成されてもよく、又は、ディスプレイ14の画素と重なる別個のタッチセンサパネルから形成されてもよい。所望であれば、ディスプレイ14は、タッチに反応しなくてもよい(すなわち、タッチセンサは省略され得る)。
【0038】
制御回路16を用いて、オペレーティングシステムコード及びアプリケーションなどのソフトウェアを、デバイス10で実行することができる。デバイス10の動作中、制御回路16上で実行しているソフトウェアは、ディスプレイ14上に画像を表示し得る。
【0039】
ディスプレイ14は、有機発光ダイオードディスプレイでもよい。有機発光ダイオードディスプレイでは、各画素は、対応する有機発光ダイオードを含む。例示的な有機発光ダイオード画素の模式図を
図2に示す。
図2に示すように、表示画素22は、発光ダイオード38を含み得る。正の電源端子34に正の電源電圧ELVDDを供給し、接地電源端子36に接地電源電圧ELVSSを供給してもよい。ダイオード38は、陽極(端子AN)及びカソード(端子CD)を有する。ドライバトランジスタ32の状態は、ダイオード38を流れる電流の量、したがって表示画素22から発光される光40の量を制御する。ダイオード38のカソードCDは接地端子36に結合されているため、ダイオード38のカソード端子CDは、ダイオード38用の接地端子と呼ばれることがある。
【0040】
連続するフレームのデータ間でトランジスタ32が所望の状態に確実に保持されるように、表示画素22は、蓄積コンデンサCstなどの蓄積コンデンサを含んでもよい。蓄積コンデンサCstの第1の端子は、ノードAのトランジスタ32のゲートに結合されてもよく、蓄積コンデンサCstの第2の端子は、ノードBのダイオード38の陽極ANに結合されてもよい。蓄積コンデンサCstの電圧は、トランジスタ32を制御するために、ノードAのトランジスタ32のゲートに印加される。データは、スイッチングトランジスタ30などの1つ以上のスイッチングトランジスタを使用して、蓄積コンデンサCstにロードすることができる。スイッチングトランジスタ30がオフのとき、データ線Dは、蓄積コンデンサCstから分離され、ノードAのゲート電圧は、蓄積コンデンサCstに記憶されたデータ値に等しい(すなわち、表示データの前のフレームからのデータ値がディスプレイ14に表示されている)。表示画素22に関連する行のゲート線G(走査線と呼ばれることがある)がアサートされると、スイッチングトランジスタ30がオンになり、データ線D上の新しいデータ信号が蓄積コンデンサCstにロードされる。コンデンサCst上の新しい信号は、ノードAでトランジスタ32のゲートに印加され、それによってトランジスタ32の状態を調整し、発光ダイオード38によって放射される対応する光40の量を調整する。
【0041】
所望であれば、ディスプレイ14内の画素22の発光ダイオードの動作を制御するための回路(例えば、
図2の表示画素回路などの表示画素回路内のトランジスタ、コンデンサなど)は、
図2の構成以外の構成を使用して形成することができる(例えば、ドライブトランジスタ32における閾値電圧変動を補償するための回路を含む構成、発光がトランジスタがドライブトランジスタ32と直列で結合されることを可能にする構成、複数のそれぞれの走査線によって制御された複数のスイッチングトランジスタを有する構成、複数のコンデンサを有する構成など)。
図2の画素22の回路は、単なる例示に過ぎない。
【0042】
図3に示すように、ディスプレイ14は、基板層24などの層を含むことができる。基板24、及び、所望であれば、ディスプレイ14内の他の層、は、ガラス層、ポリマ層(例えば、ポリイミド又は他の屈曲性ポリマの軟質シート)などの材料の層から形成され得る。基板24は、平面でもよく、及び/又は、1つ以上の曲線状の部分を有してもよい。基板24は、左右の垂直の縁部及び上下の水平の縁部を有する長方形を有してもよく、又は非長方形を有してもよい。基板24が4つの角を有する長方形を有する構成において、角は、所望であれば、曲線的でもよい。ディスプレイ基板24は、所望であれば、テール24Tなどのテール部分を有し得る。
【0043】
ディスプレイ14は、画素の配列22を有し得る。画素22は、ユーザのために画像を表示するディスプレイ14のアクティブエリアAAを形成する。基板24の縁部のうちの1つ以上の縁部に沿った非アクティブエリアIAなどのディスプレイ14の非アクティブ境界部分は、画素22を含まず、ユーザのための画像を表示しない(すなわち、非アクティブエリアIAには、画素22がない)。
【0044】
各画素22は、
図2の有機発光ダイオード38などの発光ダイオード及び関連する薄膜トランジスタ回路(例えば、
図2の画素回路又は他の好適な画素回路)を有し得る。画素の配列22は、画素構造物の行及び列から形成され得る(例えば、基板24などのディスプレイ層上の構造物から形成された画素)。画素の配列22には、任意の好適な数の行及び列(例えば、10以上、100以上、又は1000以上)が存在し得る。ディスプレイ14は、異なる色の画素22を含み得る。一例として、ディスプレイ14は、赤色光を放射する赤色画素、緑色光を放射する緑色画素、及び、青色光を放射する青色画素を含み得る。所望であれば、他の色の画素を含むディスプレイ14の構成を使用することができる。赤、緑、及び青の画素を有する画素配置の使用は、単に例示である。
【0045】
図3の例において示されるように、ディスプレイ基板24は、アクティブエリアAAを含む基板24の部分より狭い幅を有するテール24Tなどのテール部分を有し得る。この配置は、デバイス10の筐体内にテール24Tを収容するのに役立つ。テール24Tは、所望であれば、ディスプレイ14が電子デバイス筐体内にマウントされるときに、ディスプレイ14の残りの部分の下で湾曲し得る。
【0046】
ディスプレイ14のディスプレイドライバ回路20は、テール部分24Tに結合されたプリント配線基板上にマウントされてもよく、又はテール部分24Tにマウントされてもよい。信号パス26などの信号パスは、回路16を制御するために、ディスプレイドライバ回路20に結合され得る。回路20は、1つ以上のディスプレイドライバ集積回路及び/又は薄膜トランジスタ回路を含み得る。動作中、デバイス10の制御回路(例えば、
図1の制御回路16)は、ディスプレイ14に表示される画像に関する情報をディスプレイドライバ回路20などの回路に提供し得る。表示画素22上に画像を表示するために、ディスプレイドライバ回路20は、クロック信号及び他の制御信号をゲートドライバ回路18などの補助ディスプレイドライバ回路に発行しながら、対応する画像データをデータ線Dに供給し得る。ゲートドライバ回路18は、ゲート線信号(走査信号、発光有効化信号などと呼ばれることがある)又は画素22の他の制御信号を生み出すことができる。ゲート線信号は、ゲート線Gなどの線を使用し、画素22に伝達され得る。行o画素22ごとに1つ以上のゲート線が存在し得る。ゲートドライバ回路18は、集積回路及び/又は薄膜トランジスタ回路を含んでもよく、ディスプレイ14の縁部に沿って(例えば、
図3に示すディスプレイ14の左及び/又は右縁部に沿って)、あるいは、ディスプレイ14上の他のどこかに(例えば、テール24T上の回路20の一部として、ディスプレイ14の下縁部に沿ってなど)置かれてもよい。
図3の構成は、単なる例示に過ぎない。
【0047】
ディスプレイドライバ回路20は、複数の対応するデータ線Dにデータ信号を供給することができる。
図3の例示的配置で、データ線Dは、ディスプレイ14を垂直に通り抜ける。データ線Dは、画素22の対応する列に関連付けられている。
【0048】
図3の例示的構成で、ゲート線G(走査線、発光線などと呼ばれることがある)は、ディスプレイ14を水平に通り抜ける。各ゲート線Gは、表示画素22の対応する行に関連付けられている。所望であれば、画素22の各行に関連するゲート線Gなどの複数の水平制御線が存在してもよい。ゲートドライバ回路18は、ディスプレイ14のゲート線G上のゲート線信号をアサートすることができる。例えば、ゲートドライバ回路18は、ディスプレイドライバ回路20からクロック信号及び他の制御信号を受信することができ、受信信号に応じて、表示画素22の第1行のゲート線信号Gから開始して、ゲート線G上にゲート信号を順番にアサートすることができる。各ゲート線が、アサートされるとき、データ線Dからのデータは、表示画素の対応する行にロードされる。この方法で、ディスプレイドライバ回路20などのデバイス10内の制御回路は、ディスプレイ14に所望の画像を表示するための光を生成するように画素22に指示する信号を画素22に提供することができる。
【0049】
画素22の回路及び、所望であれば、回路18及び/又は20などのディスプレイドライバ回路は、薄膜トランジスタ回路を使用し、形成され得る。ディスプレイ14内の薄膜トランジスタは、一般に、ポリシリコン薄膜トランジスタなどの任意の好適なタイプの薄膜トランジスタ技術(例えば、ポリシリコン薄膜トランジスタなどのシリコントランジスタ、インジウムガリウム酸化亜鉛トランジスタなどの半導体酸化物トランジスタなど)を使用し、形成され得る。
【0050】
導電性パス(例えば、1つ以上の信号線、ブランケット導電性フィルム、及び他のパターン化導電性構造物)が、画素22にデータ信号Dと正の電源信号ELVDD及び接地電源信号ELVSSなどの電力信号とを経路指定するために、ディスプレイ14内に用意され得る。
図3に示すように、これらの信号は、ディスプレイ14のテール部分24Tから信号D、ELVDD、及びELVSSを受信する信号経路指定パスを使用し、アクティブエリアAA内の画素22に提供され得る。
【0051】
画素22を形成するために使用することができる例示的構成を示すディスプレイ14のアクティブエリアAAの一部の側断面図が、
図4に示される。
図4に示すように、ディスプレイ14は、基板24などの基板を有し得る。薄膜トランジスタ、コンデンサ、及び他の薄膜トランジスタ回路50(例えば、
図2の例示的画素回路などの画素回路)は、基板24上に形成され得る。画素22は、有機発光ダイオード38を含み得る。ダイオード38の陽極ANは、金属層58(陽極金属層と呼ばれることがある)から形成され得る。各ダイオード38は、カソード層60などの導電性カソード構造物からのカソードCDを有し得る。層60は、例えば、10〜18nm、8nm超、25nm未満などの厚さを有するマグネシウム銀の層などの金属の薄い層でもよい。層60は、ディスプレイ14のアクティブエリアAA内のすべての画素22を覆ってもよく、非アクティブエリアIAディスプレイ14へと延びる部分を有し得る(例えば、層60が、接地電源電圧ELVSSを層60に供給する接地電源パスに結合されるように)。
【0052】
各ダイオード38は、放出層56などの有機発光放出層(放出物質又は放出層構造と呼ばれることがある)を有する。放出層56は、ダイオード38を介して、流された電流に応答して、光40を発するエレクトロルミネセント有機層である。カラーディスプレイでは、ディスプレイ内の画素の配列内の放出層56は、赤色画素において赤色光を発するための赤色放出層、緑色画素において緑色光を発するための緑色放出層、及び青色画素において青色光を発するための青色放出層を含む。各ダイオード38内の放出有機層に加えて、各ダイオード38は、電子注入層、電子トランスポート層、正孔トランスポート層、及び正孔注入層などのダイオード特性を高めるための追加の層を含み得る。これらのような層は、有機材料(例えば、層56内のエレクトロルミネセント材料の上面及び下面上の材料)から形成され得る。
【0053】
層52(画素定義層と呼ばれることがある)は、層56の放出物質の対応する部分を含む開口部の配列を有する。陽極ANは、これらの開口部の各々の底に形成され、放出層56がこれに重なる。したがって、画素定義層52内のダイオード開口部の形は、ダイオード38の発光エリアの形を定義する。
【0054】
画素定義層52は、フォトリソグラフィでパターン化した写真品質画像材料(例えば、写真品質画像ポリイミド、写真品質画像ポリアクリル酸塩などのフォトリソグラフィで定義された開口部を形成するように処理され得る誘電材料)から形成することができ、シャドーマスクを介して堆積した材料から形成することができ、又は基板24上に他の方法でパターン化した材料から形成することができる。画素定義層内のダイオード開口部の壁は、所望であれば、
図4の傾斜側壁64によって示されるように、傾斜させられてもよい。
【0055】
薄膜回路50は、例示的トランジスタ32などのトランジスタを含み得る。
図4の例示的薄膜トランジスタ32などの薄膜トランジスタ回路は、層70などの半導体のパターン化した層から形成されたアクティブエリア(チャンネル領域)を有し得る。層70は、ポリシリコンの層又は半導体酸化物材料(例えば、インジウムガリウム酸化亜鉛)の層などの半導体層から形成され得る。ソース−ドレイン端子72は、半導体層70の対向する端に接し得る。ゲート76は、ゲート金属のパターン化した層又は他の導電性層から形成され得、半導体70に重なり得る。ゲート絶縁体78は、ゲート76と半導体層70との間に置かれてもよい。誘電層84などのバッファ層は、シールド74の下の基板24上に形成され得る。誘電層82などの誘電層は、シールド74を覆い得る。誘電層80は、ゲート76とソース−ドレイン端子72との間に形成され得る。層84、82、78、及び80などの層は、シリコン酸化物、窒化ケイ素、他の無機誘電材料、又は他の誘電体などの誘電体から形成され得る。有機平坦化層PLN1及びPLN2などの誘電体の付加的層は、トランジスタ32の構造物などの薄膜トランジスタ構造物に含まれ得、ディスプレイ14の平坦化を助け得る。
【0056】
ディスプレイ14は、画素22を介して信号を経路指定するための金属層などのディスプレイ14の誘電層に埋め込まれた導電性材料の複数の層を有し得る。シールド層74は、第1の金属層から形成され得る(一例として)。ゲート層76は、第2の金属層から形成され得る。端子72などのソース−ドレイン端子及び信号線86などの他の構造物は、金属層89などの第3の金属層の部分から形成され得る。金属層89は、誘電層80上に形成され得、平坦化誘電層PLN1で覆われ得る。金属層91などの金属の第4の層は、部分88及び信号線90を介するダイオードの形成において使用され得る。アクティブエリアAAでは、陽極金属層58などの金属の第5の層が、ダイオード38の陽極ANを形成し得る。各画素内の第5の金属層は、ビア部分88に結合されたビア部分58Pなどの部分を有し得、それによって、ダイオード38の陽極ANにトランジスタ32のソース−ドレイン端子のうちの1つを結合させる。カソード金属層60などの金属の第6の層(例えば、ブランケットフィルム)は、発光ダイオード38のためのカソードCDの形成において使用され得る。陽極層58は、金属層91とカソード層60との間に介在し得る。層58、91、89、76、及び74などの層は、基板24上に支えられたディスプレイ14の誘電層内に埋め込まれ得る。所望であれば、より少ない金属層がディスプレイ14において用意されてもよく、又は、ディスプレイ14は、より多くの金属層を有し得る。
図4の構成は、単なる例示に過ぎない。
【0057】
ディスプレイ14が効率的に動作し、ディスプレイ14にわたる輝度も有する画像を生み出すことを確保するために、電力信号を画素22に分配するとき、抵抗損(IR損と呼ばれることがある)を最小限に抑えることが望ましい。抵抗損は、低抵抗信号経路をディスプレイ14を通して組み込むことによって、最小化することができる。
【0058】
カソード層60などのディスプレイ14の層のうちのいくつかは、薄くてもよい。カソード層60は、マグネシウム銀などの金属から形成され得る。カソードCDが透明になるのに十分に薄いことを確保するために、層60の厚さは、約10〜18nm(又は他の好適な厚さ)でもよい。このタイプの構成では、層60のシート抵抗は、比較的大きくなり得る(例えば、約10オーム/スクエア)。カソードのシート抵抗を減らし、それによって、接地電源電圧ELVSSが最小限のIR損で画素22内のダイオード38のカソード端子に分配されることを可能にするために、ディスプレイ14は、補足導電性パスを与えられ得る。そのようなパスはまた、
図4のディスプレイ14(又は他のタイプの薄膜の積み重ねを有するディスプレイ)が、信号分配を制約する形状を有するディスプレイ形状(例えば、丸みを帯びた角を有するディスプレイなど)に適合するのを助けることができる。
【0059】
1つの例示的構成で、金属層91の部分は、補足ELVSSパス(すなわち、カソード層60によって形成されたELVSSパスと並行して動作し得る信号パス)として機能し、それによって、ディスプレイ14を動作させるときに電圧降下及びIR損を最小限に抑えるのに役立つ、信号パス90などの信号パスの形成において使用され得る。金属層91は、ディスプレイ14の縁部のうちの1つ以上の縁部に沿って(例えば、左、右、及び下縁部に沿って、2つ以上の縁部、3つ以上の縁部に沿ってなど)カソード層60に短絡することができ、テール24T上の信号ELVSSのソースとカソード層60のそれぞれの縁部との間に低抵抗パスを提供し得る(すなわち、層60自体の薄い金属を介して層60のこの部分に信号を分配するときよりも層91内の信号線を介して層60の縁部に信号を分配するときに少ない抵抗が経験され得る)。電力が層60に供給されるときのIR損の低減は、アクティブエリアAAにおいてダイオード38を駆動するときの電力損を減らすのに役立つ。ディスプレイ14においてELVSSを分配するための接地電源パスの部分を形成するための層91の一部の使用はまた、非アクティブエリアIAの幅を減らすことを可能にし得る。
【0060】
図5は、補足ELVSS電力分配パス(パス90)が、アクティブエリアAAにおける陽極ANの形成において使用される同じ金属層(金属層58)の一部を介してカソード層60にどのように短絡され得るかを示す、ディスプレイ14の非アクティブエリアIの一部の側断面図である。
図5に示すように、カソード層60は、画素定義層52内の開口部を介して陽極金属層58に結合され得る。陽極金属層58は、次いで、平坦化層PLN2内の開口部を介して補足パス90を形成する金属層91の一部に短絡され得る。信号線86などの非アクティブエリアIA内の周辺信号線(例えば、ゲート線信号、ゲートドライバ回路18の信号、及び/又はディスプレイ14の他の信号に関連する信号線)は、パス90の下で金属層89の部分から形成され得る。誘電層92は、所望であれば、線86の部分を覆い得る。線86は、次いで薄膜回路及び基板構造物94上に形成され得る、誘電層80又は他の誘電体上に形成され得る(
図4の基板24及び回路50の誘電及び金属層を参照)。
図5の配置で、ELVSSパス90は、線86などの他の信号線の上に積み重ねられてもよく、非アクティブエリアIAの幅が最小限に抑えられることを可能にする。
【0061】
図6は、ELVSSパス90が、陽極ANを収容するための開口部を有するメッシュ形状をどのように有し得るかを示す、ディスプレイ14の平面図である。ELVSSパス90は、
図5に示されるタイプの短絡パスを使用して、ディスプレイ14の縁部96に沿ってカソード60に短絡することができ、所望であれば、アクティブエリアAA内のビアを使用し、カソード60に短絡され得る。
図6のメッシュ形のパス(金属電源メッシュパス)90などの補足接地電源パスが、ディスプレイ14に含まれるとき、接地電源信号ELVSSの接地パスのシート抵抗は、減らされ得る(例えば、0.1オーム/スクエア未満又は他の好適な値まで)。所望であれば、信号ELVSSの補足接地パス90は、非メッシュ形状を有し得る(例えば、パス90は、垂直の線、水平の線、L字型のセグメント、水平の線及び垂直の線の組合せ、疎らなメッシュ、密集したメッシュ、メッシュ構造物及び非メッシュ構造物の組合せ、又は、他の好適な形状を含み得る)。
図6のパス90のメッシュ形状は、単なる例示である。
【0062】
図7に示すように、ディスプレイ14は、信号パスのために使用可能な空間の量を制限する丸みを帯びた角などの特徴を有し得る。このタイプの状況では、パス90の金属片は、縁部96に沿って延びてもよく、カソード層60に短絡され得る。角98では、金属層の周辺の細長い片91を形成するのに十分な余裕がないことがある。しかしながら、金属層91のメッシュ形の部分(すなわち、パス90のメッシュ形の部分)の存在により、ELVSSの低抵抗パスが存在することになる(例えば、ディスプレイ14の左右の縁部のパス90に関連する金属片にディスプレイ14の下縁部96のパス90に関連する金属片を短絡するパスなど)。所望であれば、ディスプレイ14内のELVDDパスは、メッシュ形の金属トレースを備え得る(例えば、ゲート金属層76、ソース−ドレイン層86、ソースドレイン層90、陽極金属層58、及び/又はカソード金属層60の形成において使用される金属トレースの部分は、
図6のELVSSトレースによって示されるタイプの形状を有するパスなどのELVDDの低抵抗メッシュ形の正の電源分配パスの形成において使用され得る)。例えば、パス90のメッシュ形の部分(金属電源メッシュパス)などのメッシュは、ELVDDパスとして使用され得る。
【0063】
図8、9、及び10は、ディスプレイ14の下縁部96へのテール部分24TからのELVSS及びELVDD分配線を形成するための例示的パターンを示す。電力線ELVDD及びELVSSがテール24Tの中央に沿って経路指定された配置などの配置で、電力経路指定は、角98などのディスプレイ14の寸法の制約された部分から離れて実行され得る。
【0064】
図11、12、13、14、15、16、及び17は、ディスプレイ14の角98での正の電源電圧ELVDD及び接地電源電圧ELVSSを分配するための例示的配置を示す。
図11に示すように、ディスプレイ14の下縁部96は、水平のELVSS分配パス100H(例えば、ディスプレイ14の下縁部に沿って走る金属片)を備えてもよく、ディスプレイ14の垂直の縁部96は、パス100Vなどの垂直のELVSS分配パス(例えば、ディスプレイ14の左右の縁部に沿って走る金属片)を備えてもよい。
【0065】
パス100H及び100Vは、金属層89から形成され得る。ディスプレイ14の角98にパス100Hとパス100Vとの間の隙間が存在し得る(例えば、ディスプレイ14及び基板24は、角98での電源分配のために使用可能な空間を制限する丸みを帯びた角を有し得る)。角98にある金属層91の部分から形成されたL字型のパス及び他の導電性パスを使用して、パス100Hは、各パス100Vに短絡され得る。例えば、金属層91は、パス100Hに短絡された部分90−1、パス100Vにおいて金属層89に金属層91を短絡する接続部90−3、及び、それぞれの接続点90−3に部分90−1を短絡するL字型のセグメント90−2などの部分を有し得る。正の電源(ELVDD)パス102H(例えば、ディスプレイ14の縁部に沿ったELVSSパスを形成する金属片のうちの1つと平行して走る金属片から形成された正の電源の帯状のパス)は、(層89において形成された)垂直の線104−1などのいくつかの垂直のELVDD分配パスに直接短絡され得る。垂直の線104−2などの他の垂直のELVDD分配パスは、ディスプレイ14の角98の丸みを帯びた形状により角98でパス102Hからの接続を断たれるが、パス102H上の接点(例えば、接点90−4を参照)と垂直の線104の金属層89にL字型のパス90−5の金属層91を短絡する接点90−6との間で結合されたパス90−5などのL字型のパス部分を使用して、パス102Hに再接続され得る。L字型のパスは、ELVSSの分配において使用することができ、L字型のパスは、ELVDDの分配において使用することができる(例えば、メッシュ形のELVDDパスがディスプレイ14において使用される構成、パス100H及び100Vなどの金属片がELVDDパスの部分として使用される構成において、及び/又は他の構成において)。
【0066】
図12及び13は、それぞれ、線A'〜A及びB'〜Bに沿って得られた
図11のディスプレイ14の側断面図である。
図12及び13に示すように、平坦化層材料(例えば、平坦化層PLN1)は、層89の金属線からセグメント90−2及びセグメント90−5の金属層91を分離し得る。
【0067】
図14の例示的配置では、パス100H及びパス102Hは、金属の2つの層(89及び91)から形成されてある。
図15、16、及び17の側断面図(それぞれ、
図14のA〜A'、B〜B'、及びC〜C'に沿って得られた横断面に対応する)は、平坦化層PLN1が、基礎をなす金属線からセグメント90−2及び90−5内の上部の金属層91を分離するためにどのように使用され得るかを示す。所望であれば、セグメント90−2及び/又はセグメント90−5から形成されたパスは、
図18に示すように、メッシュ形のパスを使用し、実装され得る。
【0068】
角98の近くのデータ線分配パスは、角98の形状により、空間を制約され得る。データ線Dは、
図19のデータ線Dの階段状のデータ線部分D'によって示されるように、角98ではしご形(階段形)のデータ線Dを使用することによって、角98で収容され得る。基板24の主要部分と基板24のテール部分24Tとの間の遷移で、データ線部分D''は、斜めに延び得る。
【0069】
図20は、複数の色の画素22(例えば、赤い画素22R、緑の画素22G、及び青い画素22Bを参照)を有するディスプレイ14の一部の側断面図である。ディスプレイ14のこの例示的構成では、各画素は、層58から形成された陽極AN、ブランケットフィルムから形成された正孔注入層(hole injection layer、HIL)、第1の正孔トランスポート層HTL1(部分的に共通の層)、第2の正孔トランスポート層HTL2(すべての画素に共通のブランケットフィルム)、放出物質EML、共通電子トランスポート層(electron transport layer、ETL)、ブランケットカソード層60を含むカソードCD、及びキャッピング層CPL(例えば、厚さ約70nm又は他の好適な厚さのチューニング層)を有する。
【0070】
図21は、ディスプレイ14が
図20の画素22R、22G、及び22Bなどの画素を有する、例示的構成におけるディスプレイ14のアクティブエリアの平面図である。
図21に示すように、ブランケットカソード金属層60は、ディスプレイ14のアクティブエリア内のすべての画素に重なり得る。層60は、マグネシウム銀又は他の好適な金属などの金属から形成されてもよく、画素においてダイオード38によって放出される光40に対して透明になるように十分に薄くてもよい(例えば、10〜18nm、8nm超、25nm未満など)。層60は、ダイオード38のカソードCDに接地電源電圧ELVSSを分配するために使用され得る。層60の比較的小さい厚さにより、層60は、比較的高いシート抵抗(例えば、約10オーム/スクエア)を有し得る。
図21の配置におけるカソード層のシート抵抗を減らすために、金属線128などの補足カソードパス(例えば、垂直の及び/又は水平の線)が、カソードに組み込まれ得る。線128は、任意の好適な金属堆積技法を使用し、堆積され得る。例えば、線128は、線128の金属が目標からアブレーションされ、真空チャンバ内のカソード層60の露出面上に再び堆積させられる、レーザ堆積システムを使用して、堆積させられ得る。
【0071】
図22は、方向122から見た、線120に沿って得られるディスプレイ14の側断面図である。
図22に示すように、発光ダイオード38は、陽極AN及びカソードCDを有し得る。カソードCDは、ブランケットカソード金属層60の一部から形成され得る。補足線128(例えば、メッシュパターン又は他の好適なパターンを形成する水平の及び/又は垂直の補足線)は、層60上に形成されてもよく、層60に短絡されてもよく、したがって、発光ダイオード28に接地電源電圧ELVSSを分配するために使用されるカソードパスのシート抵抗を減らすことができる。1つの例示的配置で、層60の厚さD1は、約10〜18nm(例えば、8nm超、25nm未満など)であり、線128の厚さD2は、D1よりも10倍大きい(例えば、D2は、D1の5倍以上でもよい、D1の20倍以下でもよいなど)。
【0072】
図23及び24は、レーザ堆積システムが金属線128を金属層60上に堆積させるためにどのように使用され得るかを示す。
図23に示すように、目標130などの目標は、カソード金属層60がディスプレイ14の表面に堆積した後に、ディスプレイ14の表面に隣接して置かれ得る。目標130は、透明基板134などの透明基板(例えば、ガラス)、層136などの熱吸収材料の層、及び層138などの高導電性材料の層を含み得る。熱吸収層136は、低反射率金属(例えば、モリブデン、タングステンなど)、又は、レーザビーム140がレーザ132によって放出されるときにレーザビーム140を吸収する他の好適な材料から形成され得る。レーザビーム140は、紫外線光、可視光、及び/又は赤外線光を含んでもよく、1〜1.2マイクロメートル、1マイクロメートル超、5マイクロメートル未満、又は他の好適なサイズの直径を有し得る。ビーム140は、熱吸収層136の照らされた部分の加熱を促進するために、パルスレーザビーム(例えば、1fs〜100ps又は100psを超えるパルス幅を有するビーム)でもよい。層138は、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、銀などの高い導電性金属から形成され得る。金属の3つ以上の層又は金属の単一の層のみが基板134上に形成された構成もまた、使用され得る。
【0073】
図24に示すように、レーザ132が、目標130にレーザ光140を当てるとき、層138及び136の部分138'及び136'は、加熱され、部分138'及び136'は、アブレーションされる、又は他の方法で目標130から取り除かれ、ディスプレイ14の層60の隣接した部分に再び堆積させられる。部分138'及び136'の堆積した金属は、導電線128を形成して、接地電圧ELVSSのダイオード38への分配において使用される導電性構造物(すなわち、カソード層)のシート抵抗の低減を助ける。
【0074】
図25、26、27、及び28は、補足カソード線128(例えば、レーザ堆積された金属線)のために使用することができる例示的パターンを示すディスプレイ14の平面図である。線128は、均一の垂直の又は水平のレイアウト(例えば、
図25の例示的垂直の線128を参照)を有し得、不均一の垂直の又は水平のレイアウト(例えば、
図25の例示的垂直の線128を参照)を有し得、あるいは、均一の(
図27)又は不均一の(
図28)メッシュ形状を有し得る。他のパターン又はこれらのパターンの組合せが、所望であれば線128の形成において使用され得、金属層91(例えば、
図6のパス90)から形成されたカソード構造物の組合せにおいて使用され得る。
図25、26、27、及び28の構成は単なる例示に過ぎない。
【0075】
図29は、ゲートドライバ回路18がディスプレイ14の水平のゲート線Gに水平の制御信号(ゲート信号)を駆動するための回路の領域をどのように有し得るかを示す図である。
図29に示すように、例えば、ゲートドライバ回路18は、パス158を使用して相互接続されたゲートドライバ行ブロック150などのゲートドライバ回路のブロックを有し得る。各ゲートドライバ行ブロック150は、出力バッファ及び他の出力ドライバ回路152などの回路、レジスタ回路154(例えば、シフトレジスタを形成するためにパス158によってともに連鎖され得るレジスタ)、及び、パス156(例えば、信号線、電力線、及び他の相互接続)を含み得る。各ゲートドライバ行ブロック150は、ディスプレイ14のアクティブエリア内の画素の配列の画素の対応する行内の1つ以上の対応するゲート線に1つ以上のゲート信号を供給し得る。
【0076】
図30は、ゲートドライバ行ブロック150がどのように、横方向にオフセットされ得る(例えば、ゲート線Gがそれに沿って走る水平の軸に平行した寸法に沿った変化する水平のオフセットDXをブロック150に与えることによって)、及び/又は、ディスプレイ基板24の曲線状の縁部98に適合するために、異なる角度方向に回転させられ得るか(例えば、変化する角度オフセットDAを有する角度方向をそれらが有するようにブロック150を回転させることによって)を示す。横方向に変化するゲートドライバ行ブロック位置及び/又は角度変化するゲートドライバ行ブロックの向きを有するゲートドライバ回路は、各ブロック150について固有の横方向位置及び/又は角度方向を含み得る、あるいは、曲線状のディスプレイ基板縁部に適合するためのゲートドライバ回路18の能力を向上させるために、2つ以上の異なる横方向位置及び/又は角度方向のセットを使用し得る。制御信号(例えば、時計信号及び他のタイミング信号)は、基板24のテール部分24Tに沿って延びる線18Lなどのゲートドライバ回路制御線を使用し、ゲートドライバ回路に供給され得る。
【0077】
図31に示すように、データ線Dは、過度の非アクティブ境界エリアを消費することなく、ディスプレイ基板24の曲線状の角98に置かれた垂直のデータ線Dへのデータ信号の分配を助ける拡張部分170などのL字型のデータ線拡張部分を有し得る。拡張部分170は、ディスプレイ14のアクティブエリアにおいて形成され得る。
図31に示すように、例えば、テール24Lのデータ線Dは、セグメント164及び166などの斜めのデータ線セグメントを含み得る。セグメント164及び166は、金属の同じ層から形成され得、又は2つ以上の異なる金属層からパターン化され得る。一例として、セグメント164及び166などの代替の斜めのセグメントは、記録密度を向上させるために、それぞれ第1のゲート金属層及び第2のゲート金属層から形成され得る。データ線部分164及び166は、ビア162を使用して、第2のソース−ドレイン金属層91などの金属層において形成された線Dなどの垂直のデータ線部分に結合され得る。画素22は、金属層91(すなわち、
図31のD(金属層91))から形成されたデータ線を金属層89から形成された画素22内の内部パス(すなわち、画素22におけるトランジスタのソース及びドレイン)に接続するための例示的ビア160などのビアを含み得る。金属層89から形成された電力線は、データ線D(金属層91)を介挿し得る。L字型の拡張部分170は、金属層91から形成され得、ディスプレイ14の基板の縁部に沿った非アクティブエリアに侵入しないように、ディスプレイ14のアクティブエリアの角に重なり得る。
【0078】
図32は、ゲートドライバ行ブロック150などのディスプレイドライバ回路が、角98の基板24の曲線状の部分などの曲線状のディスプレイ基板縁部に適合するために、異なる行に異なる形状をどのように有し得るかを示す図である。
図32に示すように、ブロック150は、例えば、変化するアスペクト比を有する多種多様な形状の長方形のブロックでもよい(すなわち、各ブロック150の縦寸法割る横寸法は、潜在的に異なり得る)。一例として、他のブロック150が、比較的大きいアスペクト比を有し得る(例えば、中くらいの高さA2及び中くらいの幅B2を有するブロックを参照)一方で、ブロック150のうちのいくつかは、比較的小さいアスペクト比を有し得る(例えば、小さい高さA1及び大きい幅B1を有するブロックを参照)。ブロック150内の回路152、154、及び158は、各ブロック150の又はブロック150の各セットのカスタムフットプリント(上から見たときのアウトライン)に適合するように配列され得る。一般に、ブロック150の任意の好適なタイプのカスタマイズが、角98などの曲線状のディスプレイの縁部の周りに実装され得る(例えば、形状カスタマイズ、横方向オフセットカスタマイズ、角度方向カスタマイズ、サイズカスタマイズ、回路構成要素カスタマイズなど)。ブロック150が、各々カスタマイズされてもよく、又は、ブロックのセットが、曲線状のディスプレイ基板縁部に適合するようにカスタマイズされ得る。
【0079】
テスト回路は、ディスプレイ14に実装され得る。例えば、
図33のテストマルチプレクサ回路176などのテストマルチプレクサ回路は、ディスプレイ14の上縁部又は下縁部に沿って用意され得る。回路176は、比較的多数のデータ線に比較的少数のテスト信号を経路指定して製造中の画素テストを円滑にするために、使用され得る。テスト中、スイッチSWは、ディスプレイ14内のデータ線Dにテストデータを提供するように選択的に動作させることができる。例えば、回路176のスイッチSWは、赤いデータ線D(R)にTESTDATAREDなどの赤いデータ線D(R)のテストデータを経路指定する、緑のデータ線D(G)にTESTDATAGREENなどの緑のデータ線D(G)のテストデータを経路指定する、及び青いデータ線D(B)にTESTDATABLUEなどの青いデータ線D(B)のテストデータを経路指定するために、開く及び閉じることができる。線D(R)は赤い画素にデータを経路指定するために使用され得、線D(G)は緑の画素に関連し得、そして、線D(B)はディスプレイ14の青い画素に結合され得る。
【0080】
テストデータは、基板24上のテストパッドに結合されたテスタから及び/又は基板24に取り付けられた回路からディスプレイ14に供給され得る。外部テスタスキームが、ディスプレイドライバ集積回路を基板24に取り付ける前にテストを実行することが望ましいときに、使用され得る。テスト線は、テストパッドと回路176などのテスト回路との間で信号(例えば、TESTDATARED、TESTDATAGREEN、TESTDATABLUE、及び、スイッチSW内の赤、緑、及び青のスイッチの3つの対応するマルチプレクサ制御信号)を経路指定することができる。回路176は、異なる色のデータ線が所望のパターンでテストデータを受信することができるように、外部テスト回路又は他のコントローラによって制御され得る。これは、ディスプレイ14内の異なる色の画素22が独立してテストされることを可能にする。テストが完了したとき、ディスプレイ14内のデータ線Dがともに短絡されず、通常は画素22にデータ信号を経路指定するために使用され得るように、スイッチSWは、恒久的に開いたままにされ得る。
【0081】
図34は、テスト回路を有する例示的なディスプレイの図である。
図34に示すように、テストマルチプレクサ回路176及びテストパッド174は、ディスプレイ14の対向する縁部に置かれ得る。例えば、テストパッド174は、ディスプレイ14の下縁部にある基板24のテール部分24Lに置かれ得、そして、テストマルチプレクサ回路176は、ディスプレイ14の上縁部に沿って置かれ得る。テスト信号線172は、ディスプレイ14の下縁部のテストパッド174とディスプレイ14の上縁部に沿ったテストマルチプレクサ回路176との間でテスト信号を経路指定するために使用され得る。
【0082】
図35の例示的構成に示すように、テストマルチプレクサ回路176は、パッド174に隣接する基板24のテール部分24Tの下縁部に沿って置かれ得る。テストに続いて、テストマルチプレクサ回路176及びパッド174は、テール24Tから取り除かれ得る(例えば、回路176を切り離すこと及び
図35の切断線180に沿ってテール24T内に形成された切断部を使用するパッド174によって)。
【0083】
図36及び37は、マルチプレクサテスト回路176がディスプレイ14の曲線状の部分に沿ってどのように収容され得るかを示す。
図36の例示的配置では、回路176は、ゲートドライバ回路18のブロック150とデータ線Dとの間のディスプレイ14のアクティブエリアの曲線状の縁部に沿った曲線状のかつ先細の領域内に形成される。
図37は、テストマルチプレクサ回路ブロック176Bなどのテストマルチプレクサ回路176の領域に、ゲートドライバ行ブロック150などのゲートドライバ回路18の領域が組み入れられた、例示的構成を示す。ブロック150のそれぞれのペアの間にブロック176Bを配置することによって、ゲートドライバ回路18及びテストマルチプレクサ回路176は、アクティブエリアの縁部に沿って効率的に収容され得る。これは、ディスプレイドライバ回路18及びテストマルチプレクサ回路176がその中に形成された基板24の縁部に沿った非アクティブエリアの幅を最小限に留めるのに役立つ。テストマルチプレクサ回路ブロック176Bは、ディスプレイ14の非アクティブエリア内の回路のレイアウトの強化を助けるために、
図30のゲートドライバ回路18に関して説明されたように、変化する位置依存の形状(例えば、異なるサイズ、アスペクト比など)、角度方向、及び/又はゲート線Gに平行した寸法に沿った横方向位置を有し得る。テストマルチプレクサ回路176の領域がゲートドライバ回路18の領域の間に置かれた、又は曲線状のディスプレイ基板縁部に適合するのを助けるように他の方法で配列された、他の配置が、所望であれば、使用され得る。
図37の構成は、例示である。
【0084】
一実施形態によれば、基板と、誘電層を含む基板上の薄膜トランジスタ回路と、薄膜トランジスタ回路の画素定義層であり、開口部を有し、開口部の各々が有機発光ダイオードの有機放出層を含み、開口部の各々が画素のうちの対応する画素と関連する、画素定義層と、画素の配列を覆うカソード層と、アクティブエリア内の誘電層内に埋め込まれた金属接地電源パスであり、接地電源電圧をカソード層に運ぶ金属接地電源パスとを含む、画素の配列を有するアクティブエリアを有する有機発光ダイオードディスプレイが、用意される。
【0085】
もう1つの実施形態によれば、金属接地電源パスが、金属層の第1の部分から形成され、金属層の第2の部分は、薄膜トランジスタ回路のトランジスタのソース−ドレイン端子に接触するビア構造物を形成する。
【0086】
もう1つの実施形態によれば、金属接地電源パス又は正の電源パスは、メッシュ形状を有する。
【0087】
もう1つの実施形態によれば、アクティブエリアは、丸みを帯びた角を有し、金属接地電源パス又は正の電源パスは、丸みを帯びた角を有するメッシュを形成する。
【0088】
もう1つの実施形態によれば、金属接地電源パス又は正の電源パスは、L字型の部分を含む。
【0089】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードディスプレイは、誘電層に埋め込まれた第1の及び第2のパターン化した金属層を含み、金属接地電源パスは、第2のパターン化した金属層から形成された金属セグメントを含み、第1のパターン化した金属層は、接地電源電圧を運ぶ金属片を含む。
【0090】
もう1つの実施形態によれば、ディスプレイは、縁部を有し、金属片は、それらの縁部のうちの少なくともいくつかに沿って走る。
【0091】
もう1つの実施形態によれば、第1のパターン化した金属層は、接地電源電圧を運ぶ金属片のうちの1つに平行して走る正の電源の金属片を含む。
【0092】
もう1つの実施形態によれば、金属セグメントは、L字型の部分を含み、L字型の部分のうちの少なくともいくつかは、正の電源の金属片を越えて渡る。
【0093】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードディスプレイは、正の電源の金属片からアクティブエリアを横切って画素まで延びる正の電源分配パスを含む。
【0094】
もう1つの実施形態によれば、アクティブエリアは、丸みを帯びた角を有し、L字型の部分は、それらの丸みを帯びた角に置かれる。
【0095】
もう1つの実施形態によれば、薄膜トランジスタ回路内のトランジスタのソース−ドレイン端子は、誘電層に埋め込まれた第1の金属層から形成され、金属接地電源パスは、誘電層に埋め込まれた第2の金属層から形成される。
【0096】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードの陽極は、第3の金属層から形成され、第3の金属層は、誘電層に埋め込まれ、第2の金属層とカソード層との間にはさまれる。
【0097】
もう1つの実施形態によれば、第3の金属層の一部は、第2の金属層から形成された金属接地電源パスをカソード層に短絡する。
【0098】
もう1つの実施形態によれば、金属接地電源パスは、レーザ堆積された金属線を含む。
【0099】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオード層は、データを画素に供給するデータ線を含み、データ線は、階段状の部分を含む。
【0100】
一実施形態によれば、基板と、基板上の薄膜トランジスタ回路の層と、薄膜トランジスタ回路の層上の画素定義層であり、開口部を有し、開口部の各々が有機発光ダイオードの有機放出層を含み、開口部の各々がそれらの画素のうちの対応する画素と関連する、画素定義層と、画素の配列を覆う及び各々の開口部において有機発光ダイオードに接地電源電圧を分配するカソード層と、カソード層に短絡される及び接地電源電圧の分配を助けるパターン化した金属メッシュとを含む、画素の配列を有する有機発光ダイオードディスプレイが、用意される。
【0101】
もう1つの実施形態によれば、パターン化した金属メッシュは、カソード層上にレーザ堆積された金属線を含む。
【0102】
もう1つの実施形態によれば、カソード層は、金属の第1の層から形成され、パターン化した金属メッシュは、金属の第2の層から形成され、有機発光ダイオードの陽極は、金属の第1の層と第2の層との間に置かれた金属の第3の層から形成される。
【0103】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードディスプレイは、カソード層上にレーザ堆積された金属線を含む。
【0104】
もう1つの実施形態によれば、基板は、丸みを帯びた角を有する。
【0105】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードディスプレイは、画素にデータ信号を分配するデータ線を含み、データ線は、階段形状を有する部分を含む。
【0106】
一実施形態によれば、基板と、基板上に誘電層を有する薄膜トランジスタ回路の層と、薄膜トランジスタ回路の層上の画素定義層であり、開口部を有し、開口部の各々が有機発光ダイオードの有機放出層を有し、開口部の各々がそれらの画素のうちの対応する画素と関連する、画素定義層と、画素の配列を覆うカソード層であり、接地電源電圧を受信し、接地電源電圧を開口部内の有機放出層に分配するカソード層と、薄膜トランジスタ回路の層内の薄膜トランジスタのソース−ドレイン端子を形成する誘電層に埋め込まれた第1の金属層と、カソード層に接地電源電圧を運ぶようにパターン化した誘電層に埋め込まれた第2の金属層と、有機発光ダイオードの陽極を形成するようにパターン化した第1の部分及び第2の金属層をカソード層に短絡する第2の部分を有する第3の金属層とを含む、画素の配列を有する有機発光ダイオードディスプレイが、用意される。
【0107】
もう1つの実施形態によれば、基板は、曲線状の縁部を有する。
【0108】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードディスプレイは、データを画素の配列に伝達するデータ線、データ線に対して垂直に延びるゲート線、及び、薄膜トランジスタ回路から形成されたゲートドライバ回路を含み、ゲートドライバ回路は、ゲート線のうちの対応する線に少なくとも各々結合されたゲートドライバ行ブロックを有する。
【0109】
もう1つの実施形態によれば、ゲートドライバ行ブロックは、異なるアスペクト比のゲートドライバ行ブロックを含む。
【0110】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードディスプレイは、ゲートドライバ行ブロックのそれぞれのペアの間のテストマルチプレクサ回路のブロックを含むテストマルチプレクサ回路を含む。
【0111】
一実施形態によれば、薄膜トランジスタ回路と、薄膜トランジスタ回路の一部から形成された画素の配列を有するアクティブエリア、並びに画素のない及び基板の縁部に隣接したアクティブエリアの縁部に沿って走る非アクティブエリアを有する基板と、データを画素の配列に供給するデータ線と、データ線に対して垂直に走り制御信号を画素の配列に供給するゲート線と、薄膜トランジスタ回路の一部から形成された非アクティブエリア内のゲートドライバ回路であり、基板の縁部の曲線状の部分に沿って走るゲートドライバ回路とを含む、有機発光ダイオードディスプレイが用意される。
【0112】
もう1つの実施形態によれば、ゲートドライバ回路は、その各々が画素の配列内の画素のそれぞれの行内のゲート線のうちの少なくとも1つに結合された複数のゲートドライバ行ブロックを有する。
【0113】
もう1つの実施形態によれば、ゲートドライバ行ブロックは、画素のそれぞれの第1の行及び第2の行において異なる形状を有する第1の及び第2のゲートドライバ行ブロックを含む。
【0114】
もう1つの実施形態によれば、ゲートドライバ行ブロックは、画素のそれぞれの第1の行及び第2の行において異なる角度方向を有する第1の及び第2のゲートドライバ行ブロックを含む。
【0115】
もう1つの実施形態によれば、ゲートドライバ行ブロックは、ゲートドライバ行ブロックが基板の縁部の曲線状の部分に適合するように、ゲート線に平行して走る寸法に沿って異なる量によってオフセットされた画素の異なる行内のゲートドライバ行ブロックを含む。
【0116】
もう1つの実施形態によれば、有機発光ダイオードディスプレイは、データ線に結合されたテストマルチプレクサ回路を含む。
【0117】
もう1つの実施形態によれば、テストマルチプレクサ回路は、基板の縁部の曲線状の部分の少なくとも一部に沿って走る。
【0118】
もう1つの実施形態によれば、テストマルチプレクサ回路は、ゲートドライバ行ブロックの間のテスト回路の領域を含む。
【0119】
もう1つの実施形態によれば、データ線は、L字型のデータ線部分を含む。
【0120】
もう1つの実施形態によれば、データ線は、ゲート線に対して垂直に延びるデータ線部分を有し、データ線のうちのいくつかは、斜めの部分と、斜めの部分をゲート線に対して垂直に延びるデータ線部分のうちの対応する1つに結合させるL字型の拡張部分とを各々有する。
【0121】
一実施形態によれば、薄膜トランジスタ回路と、薄膜トランジスタ回路の一部から形成された画素の配列を有するアクティブエリア、並びに画素のない及び基板の縁部に隣接したアクティブエリアの縁部に沿って走る非アクティブエリアを有する基板と、非アクティブエリア内の薄膜トランジスタ回路の一部から形成されたゲートドライバ回路と、制御信号をゲートドライバ回路から画素の配列に供給するゲート線と、データを画素の配列に供給するデータ線とを含む、有機発光ダイオードディスプレイが用意され、データ線は、ゲート線に対して垂直に延びるデータ線部分を有し、データ線のうちのいくつかは、斜めの部分と、斜めの部分をゲート線に対して垂直に延びるデータ線部分のうちの対応する1つに結合させるL字型の拡張部分とを各々有する。
【0122】
もう1つの実施形態によれば、基板の縁部は、曲線状の部分を有し、有機発光ダイオードディスプレイは、アクティブエリアと重なるL字型のセグメントを有する電源線を含む。
【0123】
もう1つの実施形態によれば、ゲートドライバ回路は、それらの制御信号のうちの少なくとも1つをゲート線のうちの対応する1つの線に各々が供給する複数のゲートドライバ行ブロックを含み、ゲートドライバ行ブロックは、曲線状の部分に沿って異なる形状を有するゲートドライバ行ブロックを含む。
【0124】
もう1つの実施形態によれば、ゲートドライバ回路は、制御信号のうちの少なくとも1つをゲート線のうちの対応する1つの線に各々が供給する複数のゲートドライバ行ブロックを含み、ゲートドライバ行ブロックは、曲線状の部分に沿って異なる角度方向を有するゲートドライバ行ブロックを含む。
【0125】
上記は単なる例示に過ぎず、説明された実施形態に対して様々な修正を実施することができる。上記の実施形態は、個々に、又は任意の組合せで実装することができる。