【実施例】
【0078】
上文に記載される様々な実施形態を、以下の実施例によりさらに明確にする。
【0079】
ここで高い割合のチタン酸アルミニウム(AT)を含むセラミック材料に目を向けると、本明細書に開示する材料または物体は、チタン酸アルミニウム(チタン酸マグネシウムで安定化させたチタン酸アルミニウムなどの安定化チタン酸アルミニウム)、およびコーディエライトを含み得、ここで、コーディエライトは、非常に大きいドメイン構造を有する。これらの物体では、熱膨張係数(CTE)は、類似の成分からなるが、より小さいドメイン構造を有する物体におけるものよりも低い場合がある。本明細書に開示されるそのような複合セラミック材料の低CTEは、これらの低CTEをコーディエライト相とAT相の両方に依存している。CTEをより下げることは、そのような材料の操作窓を開く助けとなり得る。AT相とコーディエライト相の両方とも、異方性熱パラメータを有する。例えば、
図1は、ATとコーディエライトの両方の格子膨張を示す。両方の相が、熱に対して負の膨張を示す軸を1つ有する。ハニカム体におけるこれらの相の配向の制御は、材料の熱特性を達成する1つの手段である。格子膨張の異方性も、同様に材料の好ましい熱膨張特性を達成するために得ることができる粒レベルでの内部微小応力および微小亀裂の源になり得る。温度が摂氏数百度変化し得るエンジン排気流における用途などの高温環境での様々な用途では、CTEがより低い材料は、典型的に使用中により長持ちし得る。様々な用途では、CTEが低くなる程、材料の性能が良くなる。
【0080】
図2は、コーディエライト結晶の斜方晶構造の略図および各軸の関連する膨張を示す。
【0081】
図3コーディエライト結晶の斜方晶構造を概略的に例示する。左の図は、コーディエライトの負の膨張c軸が図の平面内に配向されている結晶の配向を示す。右の図は、コーディエライトの負の膨張c軸が写真の平面に対して垂直に配向されている結晶の配向を示す。コーディエライトにおけるc軸は、斜方晶の長さに対して平行である。a軸およびb軸は、c軸、および互いに直行している。
【0082】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、微粒子フィルタまたは触媒基材は、複数またはいくつかの異なる結晶相または材料、例えば、チタン酸アルミニウム、またはチタン酸アルミニウムおよびチタン酸マグネシウムと、長石またはコーディエライトおよび他のより少ない量の相を含む1種以上のセラミック材料を含むハニカム構造体などのセラミック体からなり得る。様々な実施形態では、ATの主たる結晶構造は、擬ブルッカイトと呼ぶ。
【0083】
チタン酸アルミニウムの特定の結晶性材料は、チアライトと呼ばれる。純粋なチアライトは、約1200℃未満では熱力学的に安定していない。高温での使用中にATが分解するのを防ぐために、いくつかの実施形態では、例えば、Al2TiO5と固溶体を形成することができ、かつ擬ブルッカイト結晶構造においても見られ得るMgTi2O5でATを安定化させてもよい。これらの実施形態では、コーディエライトは、例えば、微粒子フィルタの用途に必要な低CTE、高気孔率、および/または高強度などの所望の物理特性を達成するのに極めて有利な二次相であることが見出された。我々は、コーディエライトが材料の物理特性に驚くほど大きい影響を与えることを見出した。これらのAT実施形態では、最低CTEの材料は、コーディエライトに非常に大きいドメイン構造を作り出すことにより達成することができることが見出された。これらのドメイン構造は、これらの最大の形態では、ハニカム構造体におけるウェブの幅などの制限である巨視的物理的境界によってのみ制限され得る。我々は、これらのコーディエライトドメインが擬ブルッカイト材料に巻かれているか、または擬ブルッカイト材料に巻き付いているという驚くべき特徴を有すること、およびコーディエライトドメインが二次元空間では接触していないように見えるが、実際には三次元空間では接触していることも見出した。したがって、これらの実施形態では、コーディエライトも含有するチタン酸アルミニウム含有材料(チタン酸マグネシウムもしくはチタン酸鉄を伴うか、または伴わない)が提供され、ここで、コーディエライトは、大きいドメイン構造(または「大きいドメイン」)で見られる。これらのドメイン構造は、電子後方散乱回折(EBSD)を使用して測定することができる。測定方法には、多孔質セラミックハニカムをエポキシに真空含浸し、エポキシを硬化させ、次いで、ハニカム押出方向に対して平行(縦断面)または垂直(横断面)のいずれかに研磨して高品質の仕上げにすることが含まれる。帯電を最小限に抑えるために、研磨した断面に薄い金属コーティングを塗布し、EBSDを電界放射型走査電子顕微鏡(FESEM)で完了させる。顕微鏡像における各点の電子後方散乱回折パターンを粉末X線回折データから決定された既知の結晶構造情報と比較して、サブミクロンの空間分解能での結晶型および配向に関する情報をもたらすことができる。EBSDデータを後処理すると、テクスチャ成分プロットを作製することによって、類似の結晶配向を有する結晶領域のマッピングが可能になり、そのプロット内の色は、試料表面に対するATまたはコーディエライトのいずれかの対象の結晶の負の膨張方向の配向を示す。次いで、画像解析を使用して、類似の結晶配向を有する領域の相当球径を決定することができる。これらの領域は二次元空間では連続していないため、標準的なEBSD技法でドメインサイズを直接測定することは、ほとんど不可能である。
【0084】
これらのAT/コーディエライト実施例では、過半の相は、相対的に不活性である擬ブルッカイトである。いくつかの実施形態では、コーディエライトは、コーディエライトの融解点まで加熱することができ、それによって核が形成され、大きいドメインを形成するのを助けるコーディエライト相形成材料から得ることができる。同様に、いくつかの実施形態では、過半の相が相対的に不活性な擬ブルッカイトであるため、コーディエライト相形成領域は分離し、それによって核形成領域が減少し、大きいドメインがもたらされる。
【0085】
いくつかの実施形態では、我々は、例えば経費削減の理由のために、焼成サイクル中の最高ソークの持続時間を短くした場合、焼成物品のCTEはより長い最高ソーク焼成時間と比較して増加したが、サイクルの最高ソーク部分を短くした場合、他はすべて同じであり、より低いCTEは、冷却速度がより遅い焼成サイクルの冷却部分を実行することにより、再度達成することができることを見出した。「最高ソーク」は最高炉温度設定点、すなわち、陶磁器が焼成スケジュールによる規定の時間、炉内でさらされる最高炉温度である。
【0086】
【表1】
【0087】
実施例1-チアライトと大きいコーディエライトドメイン
チアライトおよび大きいドメインのコーディエライトからなる複合セラミック材料を、表1の実施例1に見られる材料から調製した。バッチ材料を押出し、乾燥させ、次いで表1の実施例1に見られる条件で焼成した。断面の画像を、EBSDデータから解析した。表1は、最大コーディエライトドメインに対応する大きい方から10個の画像オブジェクトの代表的な面積を示す。大きい方から10個の平均ドメインサイズも、表1に載せている。
【0088】
図4は、表1に対応するEBSDデータの画像解析からの、類似したコーディエライト配向の領域/ドメインを示す。
【0089】
実施例2-チアライトと、緩徐な冷却による大きいコーディエライトドメイン
チアライトおよび大きいドメインのコーディエライトからなる複合セラミック材料を、表1の実施例2に見られる材料から調製した。バッチ材料を押出し、乾燥させ、次いで表1の実施例2に見られる条件で焼成した。断面の画像を、EBSDデータから解析した。表1は、最大コーディエライトドメインに対応する最大画像オブジェクトの代表的な面積を示す。大きい方から10個の平均ドメインサイズも、表1に載せている。
【0090】
図5は、表2に対応するEBSDデータの画像解析からの、類似のコーディエライト配向の領域/ドメインを示す。
【0091】
実施例3-比較−チアライトと、急速冷却によるコーディエライトドメイン
チアライトおよび大きいドメインのコーディエライトからなる複合セラミック材料を、表1の実施例3に見られる材料から調製した。バッチ材料を押出し、乾燥させ、次いで表1の実施例3に見られる条件で焼成した。断面の画像を、EBSDデータから解析した。表1は、最大コーディエライトドメインに対応する大きい方から10個の画像オブジェクトの代表的な面積を示す。大きい方から10個の平均ドメインサイズも、表1に載せている。
【0092】
図6は、表3に対応するEBSDデータの画像解析からの、類似のコーディエライト配向の領域/ドメインを示す。
【0093】
実施例4-比較−チアライトと、急速冷却によるコーディエライトドメイン
チアライトおよび大きいドメインのコーディエライトからなる複合セラミック材料を、表1の実施例4に見られる材料から調製した。バッチ材料を押出し、乾燥させ、次いで表1の実施例4に見られる条件で焼成した。断面の画像を、EBSDデータから解析した。表1は、最大コーディエライトドメインに対応する大きい方から10個の画像オブジェクトの代表的な面積を示す。大きい方から10個の平均ドメインサイズも、表1に載せている。
【0094】
図7は、表4に対応するEBSDデータの画像解析からの、類似したコーディエライト配向の領域/ドメインを示す。
【0095】
実施例5-比較−コーディエライトと、急速冷却によるコーディエライトドメイン小さいコーディエライトドメイン
チアライトおよび大きいドメインのコーディエライトからなる複合セラミック材料を、表1の実施例5に見られる材料から調製した。バッチ材料を押出し、乾燥させ、次いで表1の実施例5に見られる条件で焼成した。断面の画像を、EBSDデータから解析した。表1は、最大コーディエライトドメインに対応する大きい方から10個の画像オブジェクトの代表的な面積を示す。大きい方から10個の平均ドメインサイズも、表1に載せている。
【0096】
図8は、表5に対応するEBSDデータの画像解析からの、類似したコーディエライト配向の領域/ドメインを示す。
【0097】
実施例6-比較−チアライトと、コーディエライトドメイン
チアライトおよび大きいドメインのコーディエライトからなる複合セラミック材料を、表1の実施例6に見られる材料から調製した。バッチ材料を押出し、乾燥させ、次いで表1の実施例6に見られる条件で焼成した。断面の画像を、EBSDデータから解析した。表1は、最大コーディエライトドメインに対応する大きい方から10個の画像オブジェクトの代表的な面積を示す。大きい方から10個の平均ドメインサイズも、表1に載せている。
【0098】
コーディエライト
図9は、表6に対応するEBSDデータの画像解析からの、類似したコーディエライト配向の領域/ドメインを示す。
【0099】
特許請求される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対する様々な変更形態および変形が作製され得ることが、当業者には容易に明らかになるであろう。したがって、本明細書は、本明細書に記載される様々な実施形態の変更形態および変形に及ぶが、ただし、そのような変更形態および変形は、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にあることが意図される。
【0100】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0101】
実施形態1
第1の耐火材料からなる第1の結晶相であって、第1の融解点を有する、第1の結晶相、
前記第1の融解点よりも低い第2の融解点を有する第2の耐火材料からなる第2の結晶相であって、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して5,000μm
2より大きいドメインサイズを含む、第2の結晶相を含む、セラミック材料。
【0102】
実施形態2
前記第1の結晶相が、前記セラミック材料の少なくとも50体積%を構成する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0103】
実施形態3
前記第2の結晶相が、前記セラミック材料の50体積%未満を構成する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0104】
実施形態4
前記第1の結晶相が、前記セラミック材料の少なくとも50重量%を構成する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0105】
実施形態5
前記第2の結晶相が、前記セラミック材料の35重量%未満を構成する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0106】
実施形態6
前記第1の結晶相が、前記材料の少なくとも55重量%を構成し、前記第2の結晶相が、前記セラミック材料の35重量%未満を構成する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0107】
実施形態7
前記第1の結晶相が、前記材料の少なくとも60重量%を構成し、前記第2の結晶相が、前記セラミック材料の30重量%未満を構成する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0108】
実施形態8
前記第1の結晶相の前記融解点が、1500℃より高い、実施形態1記載のセラミック材料。
【0109】
実施形態9
前記第2の結晶相の前記融解点が、1500℃未満である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0110】
実施形態10
前記第2の結晶相の前記融解点が、1450℃以下である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0111】
実施形態11
前記第2の結晶相の前記融解点が、1300℃から1450℃である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0112】
実施形態12
前記第2の結晶相の前記融解点が、1425℃から1450℃である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0113】
実施形態13
前記第1の結晶相の前記融解点が、1500℃より高く、前記第2の結晶相の前記融解点が、1500℃未満である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0114】
実施形態14
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、10,000μm
2より大きいドメインサイズを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0115】
実施形態15
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、15,000μm
2より大きいドメインサイズを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0116】
実施形態16
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、20,000μm
2より大きいドメインサイズを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0117】
実施形態17
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、25,000μm
2より大きいドメインサイズを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0118】
実施形態18
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、30,000μm
2より大きいドメインサイズを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0119】
実施形態19
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、3,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0120】
実施形態20
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、4,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0121】
実施形態21
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、5,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0122】
実施形態22
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、6,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0123】
実施形態23
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、7,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0124】
実施形態24
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、10,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0125】
実施形態25
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、15,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0126】
実施形態26
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、20,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0127】
実施形態27
前記第1の結晶相が、チアライトを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0128】
実施形態28
前記第1の結晶相が、主にチアライトを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0129】
実施形態29
前記第1の結晶相が、互いに固溶した複数の耐火材料を含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0130】
実施形態30
前記第1の結晶相が、チアライトと固溶したMgTi2O5を含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0131】
実施形態31
前記第1の結晶相が、ムライトを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0132】
実施形態32
第3の結晶相をさらに含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0133】
実施形態33
前記第1の結晶相が、ムライトを含み、前記第2の結晶相が、コーディエライトを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0134】
実施形態34
前記第1の結晶相が、ムライトを含み、前記第2の結晶相が、コーディエライトを含み、第3の結晶相が、チアライトを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0135】
実施形態35
前記第1の結晶相が、ムライトを含み、前記第2の結晶相が、コーディエライトを含み、チアライトおよびMgTi2O5を含む第3の結晶相をさらに含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0136】
実施形態36
前記第3の結晶相が、ムライトを含む、実施形態32記載のセラミック材料。
【0137】
実施形態37
前記第1の結晶相が、チアライトを含み、前記第2の結晶相が、コーディエライトを含む、実施形態32記載のセラミック材料。
【0138】
実施形態38
前記第1の結晶相が、チアライトを含み、前記第2の結晶相が、コーディエライトを含み、前記第3の結晶相が、ムライトを含む、実施形態32記載のセラミック材料。
【0139】
実施形態39
前記第1の結晶相が、チアライトおよびMgTi2O5を含む、実施形態32記載のセラミック材料。
【0140】
実施形態40
前記第1の結晶相が、互いに固溶したチアライトおよびMgTi2O5を含む、実施形態32記載のセラミック材料。
【0141】
実施形態41
前記第2の結晶相が、コーディエライトを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0142】
実施形態42
前記第2の結晶相が、主にコーディエライトを含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0143】
実施形態43
前記第2の結晶相が、コーディエライトから実質的になる、実施形態1記載のセラミック材料。
【0144】
実施形態44
前記第2の結晶相が、コーディエライトである、実施形態1記載のセラミック材料。
【0145】
実施形態45
前記第1の結晶相が、主たる擬ブルッカイト結晶構造を含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0146】
実施形態46
前記第1の結晶相の少なくとも大部分が、分岐した固体のネットワークを提供し、前記第2の結晶相の少なくとも一部が、前記固体のネットワークの1つ以上の枝に直接隣接して配置される、実施形態1記載のセラミック材料。
【0147】
実施形態47
前記第1の結晶相の最大ドメインサイズに対する、前記第2の結晶相の最大ドメインサイズの比は、6.0以上である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0148】
実施形態48
前記第1の結晶相の最大ドメインサイズに対する、前記第2の結晶相の最大ドメインサイズの比は、7.0以上である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0149】
実施形態49
前記第1の結晶相の最大ドメインサイズに対する、前記第2の結晶相の最大ドメインサイズの比は、8.0以上である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0150】
実施形態50
前記第1の結晶相の最大ドメインサイズに対する、前記第2の結晶相の最大ドメインサイズの比は、10.0以上である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0151】
実施形態51
前記第1の結晶相の最大ドメインサイズに対する、前記第2の結晶相の最大ドメインサイズの比は、15以上である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0152】
実施形態52
前記第1の結晶相の最大ドメインサイズに対する、前記第2の結晶相の最大ドメインサイズの比は、20以上である、実施形態1記載のセラミック材料。
【0153】
実施形態53
10,000μm
2より大きい前記第2の結晶相サイズのドメインが、前記第1の結晶相の粒と直接接触する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0154】
実施形態54
10,000μm
2より大きい前記第2の結晶相サイズのドメインが、前記第1の結晶相の粒を少なくとも部分的に囲繞する、実施形態1記載のセラミック材料。
【0155】
実施形態55
前記第1の結晶相が、1種以上の希土類酸化物をさらに含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0156】
実施形態56
前記材料が、水銀圧入法で測定して、40%よりも高いバルク気孔率を含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0157】
実施形態57
前記材料が、10μm以上のd10を有する孔径分布を有する複数の細孔を含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0158】
実施形態58
前記材料が、15μm以上のd50を有する孔径分布を有する複数の細孔を含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0159】
実施形態59
前記材料が、15から20μmのd50を有する孔径分布を有する複数の細孔を含む、実施形態1記載のセラミック材料。
【0160】
実施形態60
実施形態1記載のセラミック材料からなる、セラミック構造体。
【0161】
実施形態61
実施形態1記載のセラミック材料からなる少なくとも1つの壁からなる、セラミック構造体。
【0162】
実施形態62
実施形態1記載のセラミック材料からなる交差壁のマトリクスからなる、セラミックハニカム構造体。
【0163】
実施形態63
前記壁の少なくとも1つ上に配置された触媒ウォッシュコート材料をさらに含む、実施形態62記載のセラミックハニカム構造体。
【0164】
実施形態64
実施形態1記載のセラミック材料からなる、ハニカム構造体を備える、フィルタ。
【0165】
実施形態65
前記ハニカム構造体の複数のセル内に配置された複数のプラグをさらに備える、実施形態64記載のフィルタ。
【0166】
実施形態66
第1の耐火材料からなる第1の結晶相であって、第1の融解点を有する、第1の結晶相、
前記第1の融解点よりも低い第2の融解点を有する第2の耐火材料からなる第2の結晶相であって、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して2,500μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、第2の結晶相を含む、セラミック材料。
【0167】
実施形態67
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、3,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態66記載のセラミック材料。
【0168】
実施形態68
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、5,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態66記載のセラミック材料。
【0169】
実施形態69
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、10,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態66記載のセラミック材料。
【0170】
実施形態70
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、15,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態66記載のセラミック材料。
【0171】
実施形態71
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、20,000μm
2より大きい平均ドメインサイズを有する、実施形態66記載のセラミック材料。
【0172】
実施形態72
前記第1の結晶相が、チアライトを含む、実施形態66記載のセラミック材料。
【0173】
実施形態73
前記第1の結晶相が、MgTi2O5をさらに含む、実施形態66記載のセラミック材料。
【0174】
実施形態74
前記第2の結晶相が、コーディエライトを含む、実施形態66記載のセラミック材料。
【0175】
実施形態75
第3の耐火材料を含む第3の結晶相をさらに含む、実施形態66記載のセラミック材料。
【0176】
実施形態76
前記第3の結晶相が、ムライトを含む、実施形態75記載のセラミック材料。
【0177】
実施形態77
第1の耐火材料からなる第1の結晶相であって、第1の融解点を有する、第1の結晶相と、
前記第1の融解点よりも低い第2の融解点を有する第2の耐火材料からなる第2の結晶相であって、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、4,000μm
2より大きいドメインサイズ、2,500μm
2より大きい平均ドメインサイズを含む、第2の結晶相を含む、セラミック材料。
【0178】
実施形態78
前記第1の結晶相が、チアライトを含む、実施形態77記載のセラミック材料。
【0179】
実施形態79
前記第1の結晶相が、MgTi2O5をさらに含む、実施形態77記載のセラミック材料。
【0180】
実施形態80
前記第2の結晶相が、コーディエライトを含む、実施形態77記載のセラミック材料。
【0181】
実施形態81
ムライトを含む第3の結晶相をさらに含む、実施形態77記載のセラミック材料。
【0182】
実施形態82
複合セラミック材料からなる物品を製造する方法であって、当該方法は、
第1の耐火材料もしくはその前駆体、またはそれらの両方、および第2の耐火材料もしくはその前駆体、またはそれらの両方を含む初期混合物からなる物体を加熱することであって、前記加熱は、第1の耐火材料前駆体が存在する場合、前記第1の耐火材料の前駆体の少なくとも一部から第1の耐火材料が反応的に形成されるのを引き起こすのに十分なものであり、第2の耐火材料前駆体が存在する場合、前記第2の耐火材料の前駆体の少なくとも一部から第2の耐火材料が反応的に形成されるのを引き起こすのに十分なものであり、前記加熱は、前記加熱中に前記第2の耐火材料を融解せずに、前記第1の耐火材料の少なくとも一部を融解し、前記第2の耐火材料の少なくとも一部に接触させるのに十分なものである、加熱することと、次いで、
複合セラミック材料が形成されるように前記物体を冷却することと、を含み、前記複合セラミック材料は、前記第1の耐火材料からなる第1の結晶相、および前記第2の耐火材料からなる第2の結晶相を含み、当該第2の結晶相は、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、5,000μm
2より大きいドメインサイズを含む、方法。
【0183】
実施形態83
前記加熱中に存在する前記第2の耐火材料のすべてが、前記加熱中に融解されるわけではない、実施形態82記載の方法。
【0184】
実施形態84
融解していない第2の耐火材料が、前記第2の結晶相がエピタキシャルドメイン成長するための核生成部位を提供する、実施形態82記載の方法。
【0185】
実施形態85
前記加熱中に存在する前記第2の耐火材料の少なくとも10%が、前記加熱中に融解される、実施形態82記載の方法。
【0186】
実施形態86
前記加熱中に存在する前記第2の耐火材料の少なくとも20%が、前記加熱中に融解される、実施形態82記載の方法。
【0187】
実施形態87
前記加熱中に存在する前記第2の耐火材料の少なくとも50%が、前記加熱中に融解される、実施形態82記載の方法。
【0188】
実施形態88
前記加熱中に存在する前記第2の耐火材料の少なくとも90%が、前記加熱中に融解される、実施形態82記載の方法。
【0189】
実施形態89
前記加熱中に存在する前記第2の耐火材料のすべてが、前記加熱中に融解される、実施形態82記載の方法。
【0190】
実施形態90
前記混合物は、1種以上の細孔形成材料をさらに含む、実施形態82記載の方法。
【0191】
実施形態91
ある平均バルク気孔率が前記セラミック材料に付与されるように、前記加熱が前記物体からの前記1種以上の細孔形成材料の燃え尽きを生じさせる、実施形態90記載の方法。
【0192】
実施形態92
前記平均バルク気孔率が、40%以上である、実施形態91記載の方法。
【0193】
実施形態93
前記第1の結晶相が、第1の融解点を有し、前記第2の結晶相が、前記第1の融解点よりも低い第2の融解点を有する、実施形態82記載の方法。
【0194】
実施形態94
前記加熱中に前記物体が達する最高温度は、第1の融解点未満である、実施形態82記載の方法。
【0195】
実施形態95
前記加熱中に前記混合物が達する最高温度は、1300℃から1450℃である、実施形態82記載の方法。
【0196】
実施形態96
前記第1の結晶相が、チアライトを含む、実施形態82記載の方法。
【0197】
実施形態97
前記第1の結晶相が、主にチアライトを含む、実施形態82記載の方法。
【0198】
実施形態98
前記第1の結晶相が、互いに固溶した複数の耐火材料を含む、実施形態82記載の方法。
【0199】
実施形態99
前記第1の結晶相が、チアライトと固溶したMgTi2O5を含む、実施形態82記載の方法。
【0200】
実施形態100
前記複合セラミック材料が、第3の結晶相をさらに含む、実施形態82記載の方法。
【0201】
実施形態101
前記第3の結晶相が、第3の耐火材料を含む、実施形態100記載の方法。
【0202】
実施形態102
前記第3の結晶相が、ムライトを含む、実施形態100記載の方法。
【0203】
実施形態103
前記第1の結晶相が、チアライトおよびMgTi2O5を含む、実施形態82記載の方法。
【0204】
実施形態104
前記第1の結晶相が、互いに固溶したチアライト、MgTi2O5、およびムライトを含む、実施形態82記載の方法。
【0205】
実施形態105
前記第2の結晶相が、コーディエライトを含む、実施形態82記載の方法。
【0206】
実施形態106
前記第2の結晶相が、主にコーディエライトを含む、実施形態82記載の方法。
【0207】
実施形態107
前記第2の結晶相が、コーディエライトから実質的になる、実施形態82記載の方法。
【0208】
実施形態108
前記第2の結晶相が、コーディエライトである、実施形態82記載の方法。
【0209】
実施形態109
コーディエライト前駆体が、前記初期混合物中に存在する、実施形態82記載の方法。
【0210】
実施形態110
前記初期混合物が、コーディエライトを実質的に含まない、実施形態109記載の方法。
【0211】
実施形態111
前記第1の結晶相が、主たる擬ブルッカイト結晶構造を含む、実施形態82記載の方法。
【0212】
実施形態112
前記第1の結晶相の少なくとも大部分が、分岐した固体のネットワークを提供し、前記第2の結晶相の少なくとも一部が、前記固体のネットワークの1つ以上の枝に直接隣接して配置される、実施形態82記載の方法。
【0213】
実施形態113
前記冷却が、80℃/時以下の速度で前記物体を冷やすことを含む、実施形態82記載の方法。
【0214】
実施形態114
前記冷却が、50℃/時以下の速度で前記物体を冷やすことを含む、実施形態82記載の方法。
【0215】
実施形態115
前記冷却が、40℃/時以下の速度で前記物体を冷やすことを含む、実施形態82記載の方法。
【0216】
実施形態116
前記冷却が、20℃/時以下の速度で前記物体を冷やすことを含む、実施形態82記載の方法。
【0217】
実施形態117
前記冷却が、前記物体の少なくとも一部が1200℃より高い温度を有するとき、80℃/時以下の速度で前記物体を冷やすことを含む、実施形態82記載の方法。
【0218】
実施形態118
前記冷却が、前記物体の少なくとも一部が1100℃より高い温度を有するとき、80℃/時以下の速度で前記物体を冷やすことを含む、実施形態82記載の方法。
【0219】
実施形態119
前記冷却が、前記物体の少なくとも一部が1000℃より高い温度を有するとき、80℃/時以下の速度で前記物体を冷やすことを含む、実施形態82記載の方法。
【0220】
実施形態120
チアライトからなる第1の結晶相であって、第1の融解点および選択した断面平面における第1の最大ドメインサイズを有する、第1の結晶相、
前記第1の融解点よりも低い第2の融解点を有するコーディエライトからなり、前記選択した断面平面における第2の最大ドメインサイズを有する第2の結晶相を含み、前記第1の最大ドメインサイズに対する前記第2の最大ドメインサイズの比は6.0以上である、複合セラミック材料。
【0221】
実施形態121
前記第1の最大ドメインサイズに対する前記第2の最大ドメインサイズの比が、7.0以上である、実施形態120記載のセラミック材料。
【0222】
実施形態122
前記第1の最大ドメインサイズに対する前記第2の最大ドメインサイズの比が、8.0以上である、実施形態120記載のセラミック材料。
【0223】
実施形態123
前記第1の最大ドメインサイズに対する前記第2の最大ドメインサイズの比が、10.0以上である、実施形態120記載のセラミック材料。
【0224】
実施形態124
前記第1の最大ドメインサイズに対する前記第2の最大ドメインサイズの比が、15以上である、実施形態120記載のセラミック材料。
【0225】
実施形態125
前記第1の最大ドメインサイズに対する前記第2の最大ドメインサイズの比が、20以上である、実施形態120記載のセラミック材料。
【0226】
実施形態126
前記第2の結晶相が、電子後方散乱回折(EBSD)で測定して、5,000μm
2より大きいドメインサイズを有する、実施形態120記載のセラミック材料。
【0227】
実施形態127
前記第1の結晶相が、前記材料の少なくとも50体積%を構成する、実施形態120記載のセラミック材料。
【0228】
実施形態128
前記第2の結晶相が、前記材料の50体積%未満を構成する、実施形態120記載のセラミック材料。
【0229】
実施形態129
前記第1の結晶相が、主にチアライトを含む、実施形態120記載のセラミック材料。
【0230】
実施形態130
前記第1の結晶相が、互いに固溶した複数の耐火材料を含む、実施形態120記載のセラミック材料。
【0231】
実施形態131
前記第1の結晶相が、チアライトと固溶したMgTi2O5を含む、実施形態120記載のセラミック材料。
【0232】
実施形態132
第3の結晶相をさらに含む、実施形態120記載のセラミック材料。
【0233】
実施形態133
前記第3の結晶相が、ムライトを含む、実施形態132記載のセラミック材料。
【0234】
実施形態134
前記第1の結晶相が、チアライトを含み、前記第2の結晶相が、コーディエライトを含み、第3の結晶相が、ムライトを含む、実施形態132記載のセラミック材料。
【0235】
実施形態135
前記第1の結晶相が、チアライトおよびMgTi2O5を含む、実施形態120記載のセラミック材料。
【0236】
実施形態136
前記第1の結晶相が、互いに固溶したチアライトおよびMgTi2O5を含む、実施形態120記載のセラミック材料。
【0237】
実施形態137
前記第2の結晶相が、主にコーディエライトを含む、実施形態120記載のセラミック材料。
【0238】
実施形態138
前記第2の結晶相が、コーディエライトから実質的になる、実施形態120記載のセラミック材料。
【0239】
実施形態139
前記第2の結晶相が、コーディエライトである、実施形態120記載のセラミック材料。
【0240】
実施形態140
前記第1の結晶相が、主たる擬ブルッカイト結晶構造を含む、実施形態120記載のセラミック材料。