特許第6888230号(P6888230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6888230
(24)【登録日】2021年5月24日
(45)【発行日】2021年6月16日
(54)【発明の名称】生物医学用装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20210603BHJP
   A61M 31/00 20060101ALI20210603BHJP
   A61N 1/30 20060101ALI20210603BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20210603BHJP
【FI】
   A61M37/00 550
   A61M31/00
   A61N1/30
   B81B1/00
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-204234(P2016-204234)
(22)【出願日】2016年10月18日
(65)【公開番号】特開2017-80404(P2017-80404A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2019年3月26日
(31)【優先権主張番号】14/928508
(32)【優先日】2015年10月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】エリック、ピーター、レヴァンドウスキ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、マイケル、フリッツ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ローレンツ、ライト
(72)【発明者】
【氏名】ジョアナ、ソフィア、マリア
(72)【発明者】
【氏名】ビン、ダン
(72)【発明者】
【氏名】バックネル、シー、ウェブ
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−500086(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0106914(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
A61M 31/00
A61N 1/30
B81B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物医学用装置であって、
キャビティを形成する基板と、
前記キャビティ周囲に形成されるシールと、
前記シールによって前記基板に結合される蓋であって、複数のを含む前記蓋と、
複数の金属層を備えている反応性金属構造であって、前記蓋の前記複数のに配置されている前記反応性金属構造と、
前記反応性金属構造の前記複数の金属層間の自己伝搬反応を開始し、前記キャビティの内容物を放出するように構成されている金属配線と、
前記金属配線に電流を印加するように構成されている電源と
を備えている、前記生物医学用装置。
【請求項2】
前記複数の金属層の各々の厚さが5ナノメートル〜50ナノメートルである、請求項1に記載の生物医学用装置。
【請求項3】
前記反応性金属構造が、アルミニウム(Al)の第1の層およびパラジウム(Pd)の第2の層を備えている、請求項1又は2に記載の生物医学用装置。
【請求項4】
前記蓋の少なくとも一部分が前記反応性金属構造を備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項5】
前記金属配線がヒータ電極である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項6】
前記反応性金属構造の自己伝搬反応が、前記金属配線を介して前記反応性金属構造に電流を通すことによって開始される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項7】
前記反応性金属構造が、前記金属配線への電流の印加により破断するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項8】
前記蓋が、前記反応性金属構造の少なくとも一部分および非反応支持構造を含む複合構造であり、前記反応性金属構造が自己伝搬反応の間に除去される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項9】
前記複合構造が、前記金属配線への電流の印加により多孔質構造になるように構成されている、請求項8に記載の生物医学用装置。
【請求項10】
バッフル構造が、前記複合構造外に配置され、前記反応性金属構造が、前記生物医学用装置から出るのを阻止するように構成されている、請求項8に記載の生物医学用装置。
【請求項11】
前記蓋が、機械的に応力を加えられ、前記金属配線への電流の印加により剥離するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項12】
自己伝搬反応がヒータ電極によって開始される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項13】
自己伝搬反応が、前記金属配線を介して前記反応性金属構造に電流を通すことによって開始される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項14】
前記反応性金属構造が、自己伝搬反応の開始により融解、除去、開放、又は透過するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項15】
前記反応性金属構造が、自己伝搬反応の開始により前記シールを損なうように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項16】
前記内容物の放出が、前記複数のを通じて行われる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【請求項17】
キャビティを形成する基板と、前記キャビティ周囲に形成されるシールと、前記シールによって前記基板に結合される蓋であって、複数のを含む前記蓋と、複数の金属層を備えている反応性金属構造とを備えている生物医学用装置であって、
前記蓋の前記複数の中に配置されている前記反応性金属構造に電流を印加することによって前記反応性金属構造の前記複数の金属層間の自己伝搬反応を開始し、該自己伝搬反応により前記デジタル生物医学用装置の外部に前記キャビティの内容物を曝露するように構成されている、前記生物医学用装置。
【請求項18】
前記内容物を暴露することが、前記基板から前記蓋の少なくとも一部分を解放することを含む、請求項17に記載の生物医学用装置。
【請求項19】
前記蓋が、前記反応性金属構造の少なくとも一部分および非反応支持構造を含む複合構造であり、前記反応性金属構造が自己伝搬反応の間に除去される、請求項17に記載の生物医学用装置。
【請求項20】
前記内容物の放出が、前記複数のを通じて行われる、請求項17〜19のいずれか1項に記載の生物医学用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は物質を送出するための装置に関し、より詳細には反応性材料に形成される制御可能なシールを有する生物医学(biomedical)用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生物医学用装置は、典型的に、体内に埋め込み、体外に装着し、またはそうでなければ体内に挿入される。生物医学用装置の機能は、薬物送出、センサ活性化、センサ・データ収集および解析、などを含むことができる。
【0003】
制御放出装置、MEMS(微小電気機械システム)技術に基づく薬物送出およびバイオ・センシング装置などといったデジタル生物医学用装置は、リザーバを開放するために、典型的に、電気を使用して熱を発生させ、そして膜を融解させる。これらの装置は、典型的に、電池容量によって制限される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Fritz et al., J. Applied Physics113, 014901 (2013)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、制御放出可能なデジタル生物医学用装置および当該デジタル生物医学用装置を活性化する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な実施形態によれば、デジタル生物医学用装置は、キャビティを形成する基板と、キャビティ周囲に形成されるシールと、シールによって基板に結合される蓋と、複数の金属層を備える反応性金属構造であって、基板および蓋の少なくとも1つの構成要素である反応性金属構造と、反応性金属構造の複数の金属層間の自己伝搬反応を開始し、キャビティの内容物を放出するように構成される金属配線(trace)と、金属配線に電流を印加するように構成される電源とを備える。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、キャビティを形成する基板と、キャビティ周囲に形成されるシールと、シールによって基板に結合される蓋とを備えるデジタル生物医学用装置において、装置を活性化する方法は、複数の金属層を備える反応性金属構造であって、基板および蓋の少なくとも一方の構成要素である反応性金属構造に電流を印加することによって反応性金属構造における自己伝搬反応を開始することと、反応性金属構造の自己伝搬反応によりキャビティの内容物をデジタル生物医学用装置の外部に暴露することとを含む。
【0008】
本発明の好適な実施形態を、添付の図面を参照しつつ、下記により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の例示的な実施形態に係る反応性材料ベースの脱着可能なシールを図示する図である。
図2】本発明の例示的な実施形態に係る基板に膜を接続するための層状構造を図示する図である。
図3】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置の図である。
図4】本発明の例示的な実施形態に係る図3のデジタル生物医学用装置の横断面図である。
図5】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置の図である。
図6】本発明の例示的な実施形態に係る図5のデジタル生物医学用装置の横断面図である。
図7】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置の図である。
図8】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置の図である。
図9】本発明の例示的な実施形態に係る図8のデジタル生物医学用装置の横断面図である。
図10】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置の図である。
図11】本発明の例示的な実施形態に係る図10のデジタル生物医学用装置の横断面図である。
図12】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置の図である。
図13】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置の図である。
図14】本発明の例示的な実施形態に係る図13のデジタル生物医学用装置の横断面図である。
図15】本発明の例示的な実施形態に係る、バッフル構造を備えるデジタル生物医学用装置の横断面図である。
図16】本発明の例示的な実施形態に係るデジタル生物医学用装置を制御するように構成されるコンピュータ・システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の例示的な実施形態によれば、デジタル生物医学用装置は反応性金属構造を含み、ここではデジタル生物医学用装置は活性化されて低温度でかつ低エネルギーで反応性金属構造の反応を開始するように構成される。本発明の例示的な実施形態によればデジタル生物医学用装置は、複数の離散した、電子的にアドレス可能な構造(たとえば、キャビティまたはリザーバ)を備える。電子的にアドレス可能な構造はアレイ状に配置され得る。
【0011】
1つまたは複数の実施形態において、デジタル生物医学用装置は制御可能に放出される、活性剤、薬品または薬物などの物質を収容する複数のリザーバを含む。他の実施形態において、デジタル生物医学用装置は化学活性化または暴露のためのセンサを収容する複数のキャビティを含む。各電子的にアドレス可能な構造は電気活性膜または蓋構造で封止される。膜または蓋構造はデジタル生物医学用装置の制御下で部分的にまたは完全に開放され得る。
【0012】
図1は、本発明の1つまたは複数の実施形態に係る反応性材料ベースの脱着可能なシールを備える送出装置100を図示する。送出装置100はキャビティ102を有する基板101、シール103および蓋104を含む。シール103ははんだ、酸化物結合または高分子接着剤から形成され得る。活性剤105などの物質がキャビティ102に保持され得る。本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、シール103は基板101に蓋104を付着させ、それによって電子的にアドレス可能な構造(たとえば、リザーバ)の内容物を周囲環境から隔離する。
【0013】
本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、キャビティ102の内容物を放出するための機構は反応性材料の実装に依存する。たとえば、1つの例示的な実施形態において、蓋104は反応性材料から形成される膜を含む。別の例示的な実施形態において、蓋104は、反応性材料がシール103の完全性を損なうときに解放される。これらのおよび他の実施形態は本明細書に説明される。
【0014】
本発明の少なくとも1つの実施形態において、蓋104は応力が加わった状態でつなぎ留められる(たとえば、図4参照)。別の実施形態において、蓋104はつなぎ留められていない平坦で脱着可能な構造である(たとえば、図2参照)。蓋の種類は用途に依存することができ、たとえば生体内使用のためには、蓋104は生体適合性または生分解性材料あるいはその両方から形成される。
【0015】
反応性材料の点火(ignition)は抵抗ヒータ、高電流密度電気パルスなどを介して開始され得る。本発明の少なくとも1つの実施形態において、活性剤105は、膜が反応性材料における反応熱によって融解されるときに放出される。本発明の少なくとも1つの実施形態において、蓋104は送出装置の活性化および反応性材料の相変化により解放される。少なくとも1つの実施形態において、相変化は膜を融解または気化あるいはその両方をさせずに発生する。少なくとも1つの実施形態において、相変化は膜密度の変化という結果になり、それによって蓋104内の応力を導入/緩和する。少なくとも1つの実施形態において、蓋104内の応力は、活性剤105が蓋104の膜構成要素を透過し、そして送出装置100から出るのを許容する亀裂の形成とともに緩和される。別の実施形態において、構造の設計によって決定されるように、蓋104内の応力は蓋104の膜構成要素とシール103との間の界面の歪みおよび剪断(たとえば、層間剥離)によって、またはシール103と反応性材料から形成される膜を含む基板101との間の界面の剪断によって緩和される。
【0016】
蓋構造が全体構造であり、キャビティを囲むことが理解されるべきである。さらにまた、蓋は反応性材料から形成される膜を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、膜は反応性金属構造を含み、シールに隣接して配置される基板の構成要素として形成される。
【0017】
図2は、基板101に蓋104を接続するための層状構造200を図示する。第1の層201が、金属または接着層を備えて蓋104上に形成される。第2の層202(たとえば、はんだ、高分子または酸化物)が第1の層201上に形成される。第1の金属または接着層203、反応性材料層204、絶縁体層205(たとえば、二酸化ケイ素(SiO2))および第2のはんだまたは接着層206がシリコン(Si)基板であることができる基板101上に順次形成される。本発明の例示的な実施形態によれば、絶縁体層205は反応性材料層204から蓋104への熱流を制限するか、または電気的活性化の場合には、電流が蓋104に流れ込むのを制限する。少なくとも1つの実施形態において、反応性材料204の活性化において十分な熱が発生すれば、蓋104への熱損失は層204における反応の自己伝搬を妨げないので、絶縁体層205は省略され得る。
【0018】
本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置は活性剤の制御放出(contolled-release)のために構成される。制御放出は活性剤の放出時間、放出速度または両方に帰する。本発明の少なくとも1つの実施形態において、制御放出はある期間(たとえば、1時間、12時間、数日)にわたる活性剤の持続/連続放出である。そのような制御放出は癌治療、疼痛管理、高血圧症、狭心症などのために適用され得る。本発明の1つまたは複数の実施形態において、制御放出は可変時間間隔で離散した量の薬のパルス放出である。そのような制御放出は、体が成長ホルモンおよびインスリンのようないくつかの化合物を生成するやり方を模倣する活性剤の送出のために適用され得る。
【0019】
本発明の例示的な実施形態によれば、反応性金属材料は2つ以上の交互に異なる金属元素の層を含む。表1は反応性材料を形成する例示的な層の組合せを図示する。
【0020】
【表1】
【0021】
反応性金属の層を形成するための既知の方法が使用され得る。これらは厚膜積層を薄板に圧延すること、基板上への薄膜層の蒸着またはスパッタリングなどを含む。材料、層厚および構造の適切な組合せの場合、金属は刺激を加えると、発熱性自己伝搬反応を発生させる。良好なエネルギー放出および自己伝搬を伴う反応を可能にするために、層は作製の間の層間の相互混合または拡散を少なくしてまたはなくして形成される。本発明の実施形態によれば、層は、反応を開始するために必要とされるエネルギーを低減させるために、相互混合されることなく薄い。本発明の実施形態によれば、典型的な堆積技術の場合、個々の層の厚さは約5ナノメートル(nm)50nmあり、そして好ましくは層堆積の間の相互混合および反応を回避するために約10nmより大きい。反応性金属材料反応は電気、磁気、光学、熱、または、機械手段によって開始され得る。たとえば、少なくとも1つの実施形態において、反応性金属材料は、反応性金属に近接して配置されるヒータ電極に電流を通すことによって加熱される。別の例において、電流は反応性金属自体に通される。さらに別の例において、誘導加熱、輻射加熱および機械的衝撃を含め、外部加熱方法が使用され得る。反応性材料系アルミニウム(Al)+ニッケル(Ni)に対する層厚への点火エネルギーの依存がFritz他によって検討され(J. Applied Physics 113, 014901 (2013))、そして232°Cの低さの熱点火温度が30nmの二層の厚さに対して得られた。
【0022】
Alおよびパラジウム(Pd)から形成される反応性材料の例示的な場合には、反応は、個々の構成要素を合金の融解温度にまで至らせるために、または合金自体を融解させるために必要とされるエネルギーより約3倍大きい。点火温度が比較的低いので、点火エネルギーは、構造全体の均一加熱を前提とすると、構造を融解させるために必要とされるそれより約5〜10倍小さくすることができる。
【0023】
反応性材料AlおよびPdが熱的に隔離される場合には、自己伝搬反応を開始するために、材料の体積の約1%のみが点火温度まで加熱される必要がある。局部加熱により、点火エネルギーは構造の構成要素を融解させるために必要とされるそれより約500〜1000倍小さくすることができる。1%体積加熱を前提とすると、放出エネルギーは点火エネルギーより1500〜3000倍大きい範囲にすることができる。
【0024】
本発明の例示的な実施形態によれば、膜は活性多孔膜構造である。活性多孔膜構造は2つ以上の構成要素を含む複合構造である。少なくとも第1の構成要素は機械的支持構造である。1つまたは複数の実施形態において、機械的支持構造はSiO2または窒化ケイ素(SiNx)などの絶縁材料である。1つまたは複数の実施形態において、機械的支持構造は複数のを含む。本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、は反応性金属材料を備える第2の構成要素で充填または封止される。本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、活性化により、反応性金属材料は損なわれ(たとえば、融解、除去、開放、透過などされ)、その一方で支持構造は完全なままである。活性化の後、膜は物質が通過するのを許容し(たとえば、薬物または薬品)または下部構造内に収容されるセンサを周囲環境に暴露しあるいはその両方を行う。
【0025】
本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置は、反応性金属構造として形成され、低エネルギー要求で、低温で反応を開始するように構成される膜を備える。たとえば、ある種類の蓋の場合、下部構造を開放する(すなわち、反応性金属材料を損なう)ために必要とされる電気エネルギーは約1マイクロジュール(μJ)より小さい。
【0026】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、AlおよびPdの薄層から形成される2つの反応性材料を備える膜の場合、層は約90キロジュール(kJ)/モルのエネルギーを放出するように反応させることができる。50×50ミクロンおよび1μm厚の膜の場合、Al+Pd構造に対する放出熱エネルギーは約30μJになるであろう。このエネルギーは、断熱条件下で個々の構成要素を融解させるために必要とされるそれ(約12μJ)またはAlPd合金を融解させるために必要とされるそれ(約12.7μJ)より大きい。
【0027】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、寸法50×50×1マイクロメートル(μm)をもつAl+Pd膜全体を250°Cの点火温度まで加熱するために必要とされるエネルギーは約1.8μJである。追加的に、Al+Pd膜は局部的に起爆され得、これは反応を開始するために必要とされる全エネルギーを実質的に低減させる。本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、AlおよびPd反応物が消費され、蓄積化学エネルギーが放出されるまで、反応は自己伝搬方式で継続する。
【0028】
図3を参照すると、本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置300は、キャビティ・シール303、反応性金属層304、ヒータ電極305およびヒンジ306を包囲する応力蓋302によって囲まれるキャビティ301を含む。キャビティ301は、たとえばSiの第2の層308上に形成されるSiO2の第1の層307から形成される基板内に形成される。
【0029】
キャビティ・シール303の解放は、層304における発熱反応を開始しかつ伝播するヒータ電極305によって発生させる熱によって開始され得る。少なくとも1つの実施形態において、ヒータ電極305および反応性金属層304から発生する熱が組み合わされてキャビティ・シール303を融解または劣化させ、それによって応力蓋302を解放する。適切に設計される構造において、ヒンジ構造306への応力蓋302の接着が完全なままであるように、熱は実質的に、反応性金属層304およびキャビティ・シール303を含む領域に限られる。
【0030】
少なくとも1つの実施形態において、デジタル生物医学用装置は、応力蓋302が反応性材料から構成される膜を備えるように形成される。この場合には、応力蓋302に熱を提供して反応性材料に点火するために、パターン化電極構造が使用され得る。
【0031】
図4は、開状態で線AAに沿った図3の横断面図であり、活性剤401がキャビティ301内に配置されている。本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、蓋は、キャビティ・シール303が開放されるときに丸まる応力構造である。
【0032】
本発明の例示的な実施形態によれば、層状構造は導電性であり、生体適合性であり、反応の間に殆どまたは全くガスを発生させない。反応性層はキャビティ・シールを融解もしくは破断させるか、またはそれら自体を破断させることができる。反応層は熱くもなり、寸法も変化して応力を生じさせる。
【0033】
図5を参照すると、本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置500は応力蓋502によって囲まれるキャビティ501を含む。応力蓋502はキャビティ・シール503および反応性金属層504を含む複合構造を包囲する。デジタル生物医学用装置500はヒータ電極505およびヒンジ506をさらに含む。
【0034】
図6は、開状態で線BBに沿った図5の横断面図である。図6は、キャビティ501内に配置される活性剤601を図示する。たとえば、それぞれSiO2およびSiから形成される基板層602および603も図示される。
【0035】
図7を参照すると、本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置700は、キャビティ・シール303、反応性金属層304、ヒータ電極701およびヒンジ306を包囲する応力蓋302によって囲まれるキャビティ301を含む。ヒータ電極701は局部加熱のための1つまたは複数の整形部分、たとえば整形部分702を含んで形成される。整形部分702は、たとえばヒータ電極701の他の部分と比較してより小さい表面積を有していること、またはより高い電気抵抗を有していることなどによって局部加熱を容易にする。本発明の1つの実施形態において、整形部分702はv字形状を有する。整形部分702が他の構成を有することができること、および本発明がv字整形部分に限定されないことが理解されるべきである。
【0036】
図8を参照すると、本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置800は応力蓋502によって囲まれるキャビティ501を含む。応力蓋502はキャビティ・シール503および反応性金属層504を含む複合構造を包囲する。デジタル生物医学用装置800はヒータ電極801およびヒンジ506をさらに含む。ヒータ電極801は局部加熱のための1つまたは複数の整形部分、たとえば整形部分802を含んで形成される。本発明の少なくとも1つの実施形態において、反応性金属タブ803が複合構造に、ヒータ電極801の整形部分802に隣接して配置される。1つまたは複数の実施形態において、反応性金属タブ803は、複合構造の反応性金属層504の局部点火を容易にする。
【0037】
図9は、開状態で線CCに沿った図8の横断面図である。図9は、キャビティ501内に配置される活性剤601、ならびに反応性金属層504を間に配置した第1および第2のキャビティ・シール503aおよび503bを含む複合構造を図示する。反応性金属タブ803も図示される。たとえば、反応性金属層504が加熱し、そして寸法が変化して応力を生じさせるときに、反応性金属層504はキャビティ・シールの1つもしくは複数を融解もしくは破断させるか、またはそれら自体を破断させることができる。
【0038】
図10および図11を参照すると、本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置1000は、支持構造1002および反応性金属膜1102から構成される複合蓋構造下に配置されるキャビティ1001を含む。支持構造1002の材料は、反応性金属膜1102の材料で充填される1006をもつ電気および熱絶縁体である。複合蓋構造はキャビティ・シール1003(たとえば、有機シール)によって基板(暗示されるが、図示はされない)に接続される。複合蓋構造は、たとえばCuで形成される一対の金属配線1004および1005間に配置される。複合蓋構造は、基板上の一対の金属配線1004および1005に反応性金属層1102を接続する金属配線1007を含む。複合蓋構造は、一対の金属配線1004および1005間に、および反応性金属層1102に電流を通すことによって損なわれる(たとえば、多孔質構造を形成する)ことができる。電流は反応性金属層1102を融解または気化させ、それによって支持構造1002における1006をあける。
【0039】
図11は、線DDに沿った図10の簡略横断面図であり、キャビティ1001、支持構造1002およびキャビティ・シール1003を図示する。金属配線1004、1005および1007も図示される。エアギャップが図11に図示されるのに対して、キャビティ・シール1003は膜1002に対しても金属配線1007に対しても機械的接触を行って気密シールを形成する。はんだ1101は、複合蓋構造の金属配線1007に金属配線1004および1005(たとえば、Cuから形成される)間の電気的接続を行うために使用され得る。
【0040】
図12を参照すると、本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置1200は、反応性金属膜1201を含む蓋の下に配置されるキャビティ(暗示されるが、図示はされない)を含む。デジタル生物医学用装置1200は基板に反応性金属膜1201を含む蓋を封止するキャビティ・シール1202を含む。デジタル生物医学用装置1200はヒータ電極1203をさらに含む。図12は、反応性金属膜1201を含む蓋の多孔膜1204の反応後の状態がキャビティを下方に暴露して描かれる。
【0041】
図13において、本発明の1つまたは複数の実施形態によれば、デジタル生物医学用装置1300が、反応性金属構造1303に配置される複数の金属配線1301、1302を備える。反応性金属構造1303は応力絶縁体膜1304を含む蓋の構成要素である。応力絶縁体膜1304を含む蓋は、キャビティ・シール1307によってキャビティ1306を含む基板1305に接続される(図14参照)。図14は、キャビティ1306内に配置される活性剤1308を図示する、図13に図示される構造の横断面図である。本発明の実施形態によれば、反応性金属構造1303は金属配線への電流の印加により破断し、応力絶縁体膜1304を含む蓋の開放を容易にする。破断は反応性金属構造1303において金属電極構造1301および1302間で発生し、膜1304を含む蓋において点線1309に沿ってV字形の切れ目を作り、応力絶縁体膜が矢印1310の方向に剥離する。膜1304を含む蓋内の応力は、V字形の領域が膜構造の残りから剥離するのを許容することによってV字形の切れ目の形成により解放される。
【0042】
本発明の1つまたは複数の実施形態において、図15に図示されるように、バッフル1501およびスペーサ1502を備えるバッフル構造が、デジタル生物医学用装置1500の複合膜1504を含む蓋1503に形成される。バッフル構造は、活性剤の経路を制御し、下面1505上の残留反応性金属を回集する。
【0043】
本発明の例示的な実施形態は、治療部位/その近くへの装置の配置、要求に応じた送出(たとえば、緊急投与、パルス的、可調連続的)、単一の/複数の活性剤の自動化送出および生理学的かつ診断的フィードバックに応答する投薬、患者コンプライアンス、患者の生活様式への低影響、低電力パラメータ(たとえば、電流、点火温度)、ならびに小さい搭載電源または無線電力パラメータを含む、各種の改善と関連づけられることができる。
【0044】
本開示の実施形態の方法は、特に電子装置または代替システムでの使用に適したものでもよい。したがって、本発明の実施形態は、完全にハードウェア実施形態、またはすべて本明細書で「プロセッサ」、「回路」、「モジュール」もしくは「システム」と一般に称されてもよいソフトウェアおよびハードウェア態様を結合する実施形態の形態をとってもよい。
【0045】
さらにまた、本明細書に説明される方法のいずれかが反応性金属構造を含むデジタル生物医学用装置を提供する追加ステップを含むことができることが留意されるべきである。さらに、コンピュータ・プログラム製品は、システムに異なったソフトウェア・モジュールを提供することを含め、本明細書に説明される1つまたは複数の方法ステップを実施するように実行されるようにコードが適合される有形のコンピュータ可読の記録可能な記憶媒体を含むことができる。
【0046】
図16を参照すると、図16は、本発明の実施形態に係るデジタル生物医学用装置1600を具体化する例示的なコンピュータ・システムを描くブロック図である。図16において図示されるコンピュータ・システムは、メモリ1602、プロセッサ1603、少なくとも1つのセンサ1604、通信デバイス1605および入出力デバイス1606を有する制御システム1601を含む。制御システム1601は電源1607、分注アレイ1608および、任意選択で外部装置またはコンピュータ1609に接続される。
【0047】
異なる用途において、図16に図示される構成要素のいくつかは省略され得る。図16に図示される全システムはコンピュータ可読命令によって制御され、それらは一般にメモリ1602に記憶される。ソフトウェアがネットワーク(図には図示されない)からダウンロードされ、メモリ1602に記憶され得る。代替的に、ネットワーク(たとえば、1609)からダウンロードされるソフトウェアはメモリ1602にロードされ、そしてソフトウェアによって決定される機能を完了するように、プロセッサ1603によって実行され得る。
【0048】
プロセッサ1603は本開示に説明される1つまたは複数の方法を行うように構成されてもよく、それらの例証的な実施形態は上記の図に図示され、本明細書に説明される。本発明の実施形態は、メモリ1602に記憶され、そしてプロセッサ1603によって実行されてセンサ1604からの信号を処理するルーチンとして実装され得る。そのため、コンピュータ・システムは本開示のルーチンを実行すると専用のコンピュータ・システムになる汎用コンピュータ・システムである。
【0049】
図16に説明されるコンピュータ・システムは本開示に係る方法をサポートすることができるとはいえ、このシステムはコンピュータ・システムの1つの例であるにすぎない。当業者は、他のコンピュータ・システム設計が本発明の実施形態を実装するために使用され得ることを理解するべきである。
【0050】
本発明はシステム、方法またはコンピュータ・プログラム製品あるいはそれらの組合せでもよい。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためにコンピュータ可読プログラム命令を有する単一のコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含んでもよい。
【0051】
コンピュータ可読記憶媒体は命令実行デバイスによって使用するために命令を保持および記憶することができる有形のデバイスであることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイスまたは上記のものの任意の適切な組合せであってもよいがそれに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的な一覧は以下、すなわち、可搬のコンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、可搬のコンパクト・ディスク・リード・オンリ・メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、命令を記録したパンチ・カードまたは溝内の隆起構造などの機械的にエンコードされたデバイス、および上記のものの任意の適切な組合せを含む。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で使用される場合、電波もしくは他の自由に伝搬する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を通じて伝搬する電磁波(たとえば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、または電線を通じて伝送される電気信号などの、それ自体が一時的な信号であるものと解釈されるべきではない。
【0052】
本明細書に説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、あるいはネットワーク、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワークもしくはワイヤレス・ネットワークまたはそれらの組合せを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータまたはエッジ・サーバあるいはそれらの組合せを備えてもよい。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インタフェースはネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、そしてそれぞれのコンピューティング/処理デバイス内でコンピュータ可読記憶媒体に記憶するためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0053】
本発明の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラム命令は、Smalltalk(R)、C++などといったオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含め、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれるアセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはソース・コードもしくはオブジェクト・コードでもよい。コンピュータ可読プログラム命令は完全にユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、独立型ソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータでかつ部分的に遠隔コンピュータで、または完全に遠隔コンピュータもしくはサーバで実行してもよい。後者のシナリオにおいて、遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含め、任意の種類のネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は外部コンピュータになされてもよい(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通じて)。いくつかの実施形態において、たとえばプログラマブル・ロジック回路網、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路網は、本発明の態様を行うために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を活用して電子回路網を個人化することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0054】
本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しつつ本明細書に説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組合せがコンピュータ可読プログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0055】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに規定される機能/行為を実装するための手段を生じさせるように、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作り出すものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに規定される機能/行為の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置または他のデバイスあるいはそれらの組合せに特定の方式で機能するように指示することができるものであってもよい。
【0056】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブル装置または他のデバイスで実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに規定される機能/行為を実装するように、コンピュータ実装プロセスを作り出すべく、コンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置または他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラマブル装置または他のデバイスで一連の動作ステップを行わせるものであってもよい。
【0057】
図内のフローチャートおよびブロック図は本発明の様々な実施形態に係るシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性および動作を例証する。この点に関しては、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは命令のモジュール、セグメントまたは部分を表してもよく、それは規定される論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を備える。いくつかの代替実装において、ブロックに表される機能は図に表される順序と異なって発生してもよい。たとえば、連続して図示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよいか、または関係する機能性次第で、ブロックは時には逆順で実行されてもよい。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組合せが、規定される機能もしくは行為を行う、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実施する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装され得ることも留意されるであろう。
【0058】
本明細書に使用される術語は特定の実施形態を説明する目的のみのためであり、本発明を限定するものとは意図されない。本明細書で使用される場合、前後関係が別途明示しない限り、単数形「a(ある1つ)」、「an(ある1つ)」および「the(その1つ)」は複数形も含むものと意図される。用語「comprises(備える)」もしくは「comprising(備えている)」またはその両方は、本明細書で使用されるときには、述べられる特徴、整数、ステップ、動作、要素もしくは構成要素またはそれらの組合せの存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素もしくはそれらの群またはそれらの組合せの存在または追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0059】
以下の請求項におけるすべてのミーンズまたはステップ・プラス・ファンクション要素の対応する構造、材料、行為および均等物は、詳細に特許請求される他の特許請求される要素と組み合わせて機能を行うための任意の構造、材料または行為を含むものと意図される。本発明の記載は例証および説明の目的で提示されたが、網羅的とも、または開示される形態の発明に限定されるとも意図されない。多くの変更および変形が、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者にとって明らかとなろう。実施形態は本発明の原理および実際的応用を最も良く説明するため、他の当業者が企図される特定の使用に合わせた様々な変更を伴う様々な実施形態について本発明を理解することを可能にするために選択および説明された。
【符号の説明】
【0060】
100 送出装置
101 基板
102 キャビティ
103 シール
104 蓋
105 活性剤
200 層状構造
201 第1の層
202 第2の層
203 第1の層
204 反応性材料層
205 絶縁体層
206 第2の層
300 デジタル生物医学用装置
301 キャビティ
302 応力蓋
303 キャビティ・シール
304 反応性金属層
305 ヒータ電極
306 ヒンジ
307 第1の層
308 第2の層
401 活性剤
500 デジタル生物医学用装置
501 キャビティ
502 応力蓋
503 キャビティ・シール
503a 第1のキャビティ・シール
503b 第2のキャビティ・シール
504 反応性金属層
505 ヒータ電極
506 ヒンジ
601 活性剤
602 基板層
603 基板層
700 デジタル生物医学用装置
701 ヒータ電極
702 整形部分
800 デジタル生物医学用装置
801 ヒータ電極
802 整形部分
803 反応性金属タブ
1000 デジタル生物医学用装置
1001 キャビティ
1002 支持構造
1003 キャビティ・シール
1004 金属配線
1005 金属配線
1006
1007 金属配線
1101 はんだ
1102 反応性金属膜
1200 デジタル生物医学用装置
1201 反応性金属膜
1202 キャビティ・シール
1203 ヒータ電極
1204 多孔膜
1300 デジタル生物医学用装置
1301 金属配線
1302 金属配線
1303 反応性金属構造
1304 応力絶縁体膜
1305 基板
1306 キャビティ
1307 キャビティ・シール
1308 活性剤
1309 点線
1310 矢印
1500 デジタル生物医学用装置
1501 バッフル
1502 スペーサ
1503 蓋
1504 複合膜
1505 下面
1600 デジタル生物医学用装置
1601 制御システム
1602 メモリ
1603 プロセッサ
1604 センサ
1605 通信デバイス
1606 入出力デバイス
1607 電源
1608 分注アレイ
1609 外部装置またはコンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16