(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記空間の前記搬送方向の上流側に連絡する搬送路は、前記搬送物の搬送方向における先端側から中間部に前記第1の手段及び前記第2の手段によるそれぞれの回転力が作用しているときに、前記搬送物の搬送方向における後端側の上下動を規制する第3の手段を有する請求項1に記載の姿勢変換装置。
前記第1の板状体及び前記第2の板状体は、ともに、弾性を有し、前記受け取り部が受け取る前記搬送物の姿勢が180度変換されるように、前記搬送物に回転力を作用させる請求項3又は4に記載の姿勢変換装置。
前記空間の前記搬送方向の上流側に連絡する搬送路は、前記搬送物に前記第1の板状体及び前記第2の板状体のそれぞれの回転力が作用しているときに、前記搬送物の搬送方向における後端側の上下動を規制する規制部を有する請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の姿勢変換装置。
前記搬送路から前記変換手段に搬送される前記搬送物の搬送速度は、前記変換手段によって空中で姿勢が変換され、受け取り部に受け渡される前記搬送物が、先行する搬送物の一部に後行する搬送物の一部が重なるように制御される請求項10に記載の姿勢変換装置。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<実施形態>
本実施形態に係る搬送物の姿勢変換装置、姿勢変換方向及び封入封緘システムの一例について、
図1から
図12を用いて説明する。
なお、図中に示す矢印Aは、封筒Wの姿勢変換に係る搬送方向を示し、矢印Bは、封筒Wの姿勢変換後の搬送方向を示す。
【0037】
≪姿勢変換装置の全体構成≫
図1及び
図4に示すように、本実施形態に係る姿勢変換装置10は、封筒Wを搬送する搬送路12と、搬送路12の一部に設けられた空間14と、変換構造20と、変換構造20によって姿勢が変換された封筒Wを受け取る受け取り部16と、を有する。変換構造20は、空間14に向けて搬送される封筒Wに対して、封筒Wの搬送方向Aと交差する方向への回転力Mを作用させて、封筒Wの姿勢を空間14で変換するものである。受け取り部16は、変換構造20によって姿勢が変換された封筒Wを受け取る部分である。ここで、変換構造20は変換手段の一例であり、封筒Wは搬送物の一例である。
【0038】
<搬送路>
図1、
図4、及び
図13に示すように、搬送路12は、上流側の搬送路12Aと、上流側の搬送路12Aの段差部12Bから段差を有して設けられた空間14と、を有する。
上流側の搬送路12Aは、その上流側に配置された後述する封入封緘システム60の宛名読取部66Eと連絡している。
上流側の搬送路12Aの上面には、ベルトコンベヤ12Dが設けられている。
上流側の搬送路12Aの上方には、ベルトコンベヤ12Dに対向して接触する、後述する排出ローラ54が配置されている。
【0039】
[ベルトコンベヤ]
図1及び
図4に示すように、ベルトコンベヤ12Dは、上流側の搬送路12Aの幅の大部分を占める寸法を有する1本のベルトを有し、ベルトは、図示しない駆動ローラ及び従動ローラに無端状に巻き掛けられている。
駆動ローラと従動ローラとの間には、ベルトをその裏面から支持する支持部材が設けられ、このベルトの表面が、上流側の搬送路12Aの搬送面を構成している。
【0040】
[空間]
図1及び
図4に示すように、空間14は、上流側の搬送路12Aの段差部12Bから、封筒Wの表裏を、封筒Wの搬送方向Aに対して180度回転させるに足る高さを有する段差を有して形成されている。
【0041】
<受け取り部>
図1及び
図4に示すように、受け取り部16は、空間14の底部に設けられ、下流側の搬送路16Aに封筒Wを搬送する搬送手段の一部となっている。すなわち、搬送路12は、空間14を挟んで、封筒Wの搬送方向の上流側と、封筒Wの搬送方向の下流側とが連続している。本実施形態においては、搬送路12は、空間14を挟んで、平面視においてL字状に屈曲している。
【0042】
[ベルトコンベヤ]
ベルトコンベヤ18は、受け取り部16と下流側の搬送路16Aに亘って設けられている。ここで、ベルトコンベヤ18は、搬送手段の一例である。
ベルトコンベヤ18は、下流側の搬送路の幅方向に間隔を隔てて2本のベルト18A、18Aを有し、ベルト18Aは、図示しない駆動ローラ及び従動ローラに無端状に巻き掛けられている。
駆動ローラと従動ローラの間には、ベルト18Aをその裏面から支持する支持部材が設けられ、この2本のベルト18A、18Aの表面が、受け取り部16及び下流側の搬送路16Aの搬送面を構成している。
【0043】
<封筒>
図4に示すように、封筒Wは、上下に扁平な形状を有している。封筒Wは、本実施形態においては、封入物が封入されたものであり、封筒Wの表面には宛名シールWaが貼付されている。ここで封筒Wは、搬送物の一例である。
本実施形態において、封筒Wは、連量70kgの用紙を用いた長形3号封筒に、折り畳まれたA4判の用紙が5から10枚とされた封入物を挿入して封緘された郵便物である。
なお、封筒Wとしては、長形3号封筒に、折り畳まれたA4判の用紙が2から12枚と、長形6号等の返信用封筒とを、封入物として挿入して封緘された郵便物なども対象とされている。
【0044】
<変換構造>
図1から
図4に示すように、変換構造20は、第1変換部30と、第2変換部40と、第3変換補助部50と、を含んで構成されている。
ここで、変換構造20は、変換手段の一例である。
[第1変換部]
図2に示すように、第1変換部30は、第1フィン32と、第1支持部材34と、第1支持部36と、を含んで構成されている。
【0045】
(第1支持部)
第1支持部36は、上流側の搬送路12Aの段差部12Bから下方に向かう段差面12Cに設けられている。
本実施形態においては、第1支持部36は、段差面12Cおいて、段差部12Bに沿う方向に形成される係合溝36Aとして構成されている。
【0046】
(第1支持部材)
第1支持部材34は、段差面12Cに設けられ、段差面12Cから空間14に向けて、搬送方向Aに沿う方向に延び、後述する第1フィン32を支持する。
第1支持部材34は、搬送方向Aに沿う方向に延び、基部34Aと、先端部34Bと、基部34Aと先端部34Bとの間において上方を向く上面34Cと、を有する。
また、基部34Aには、搬送方向Aに交差する下方に延びる固定部34Dを有し、固定部34Dの段差面12Cに面する側に突出して、第1支持部36に係合する係合部34Eを有する。
第1支持部材34は、段差部12Bから受け取り部16に向かって延びる段差面12Cに設けられた第1支持部36に、第1支持部材34の係合部34Eが係合して支持され、固定されている。
【0047】
(第1フィン)
図2に示すように、第1フィン32は、第1支持部材34の上面34Cに設けられている。第1フィン32は、基部32Aと、先端部32Bと、基部32Aと先端部32Bとの間において上方を向く誘導部32Cと、を含み、板状の形状を有する。
【0048】
第1フィン32は、誘導部32Cが、搬送方向Aに上向きに傾斜する形状を有して空間14に延びるように配置されている。
また、誘導部32Cのうちの基部32A側は、上流側の搬送路12Aの搬送面と同じ方向を向く平面を有して、上流側の搬送路12Aと連絡されている。
また、誘導部32Cは、段差部12Bにおいて、上流側の搬送路12Aの搬送面と同じ高さか、搬送面よりも低くなるように配置されている。
ここで、第1フィン32は、第1の手段、又は第1の板状体の一例である。
【0049】
基部32Aは、第1支持部材34の上面34Cにおいて、第1支持部材34の基部34Aの上面34Cに、座板32Dを介して接着されている。この接着には、公知の接着技術、又は溶着技術を用いることができる。
【0050】
本実施形態においては、第1支持部36は、搬送路12の幅方向に延びる係合溝36Aとして構成され、係合部34Eは、係合溝36Aに係合することで、第1フィン32の搬送路12の幅方向への移動が許容されている。
なお、第1支持部材34の搬送路12における幅方向への移動と固定には、公知の移動機構及び固定手段を用いることができる。
【0051】
本実施形態において、第1フィン32は、幅25mm×長さ100mm×厚さ1.0mmのPET板を用いている。
また、第1フィン32は、第2フィン42よりも短い寸法を有している。換言すれば、封筒Wに対して、上向きに強く、また、第2フィン42の動作よりも小さな動作で押し上げる(跳ね上げる)ように構成されている。
【0052】
[第2変換部]
図3に示すように、第2変換部40は、第2フィン42と、第2支持部材44と、第2支持部46と、を有する。
第2変換部40は、支柱40Aと、支持腕40Bと、を含んで構成されている。
支柱40Aは、上流側の搬送路12Aの段差部12Bにおいて、搬送方向Aから見て、上流側の搬送路12Aの右端部から上方に向けて延びるように設けられている。
支持腕40Bは、支柱40Aの上部から上流側の搬送路12Aの幅方向(段差部12Bに沿う方向)に屈曲して延びるように設けられている。
本実施形態においては、支柱40Aと支持腕40Bとは、搬送方向Aに対向する側から見て、段差部12Bに沿って逆L字状に形成されている。
【0053】
(第2支持部)
図3に示すように、第2支持部46は、支持腕40Bの搬送方向Aの下流側の面に設けられ、後述する第2支持部材44を支持し、固定する。
本実施形態においては、第2支持部46は、支持腕40Bの搬送方向Aの下流側の面において、段差部12Bに沿う方向に形成される係合溝46Aとして構成されている。
【0054】
(第2支持部材)
図3に示すように、第2支持部材44は、後述する第2フィン42を支持して固定する搬送方向Aの下流側の面と、この面の反対側の面から下方に向く逆L字状に突出する係合部44Aと、を有する。
第2支持部材44は、係合部44Aが第2支持部46の係合溝46Aに係合して支持され固定される。
【0055】
(第2フィン)
図3に示すように、第2フィン42は、基部42Aと、先端部42Bと、誘導部42Cと、を含み、板状の形状を有する。
また、第2フィン42は、長尺フィン421と、長尺フィン421よりも短い短尺フィン422とを含む。
ここで、第2フィン42は、第2の手段、又は第2の板状体の一例である。
【0056】
長尺フィン421は、基部421Aと、先端部421Bと、誘導部421Cと、を含み、板状の形状を有する。
短尺フィン422は、基部422Aと、先端部422Bと、誘導部422Cと、を含み、板状の形状を有する。
長尺フィン421及び短尺フィン422は、ともに弾性を有する。これにより、第2フィン42として、弾性を有する構成となっている。
【0057】
長尺フィン421と短尺フィン422とは、長尺フィン421の誘導部421Cの反対側の面に、短尺フィン422の誘導部422Cが接触し、かつ、基部421Aと基部422Aのそれぞれの端部の位置を合わせて、互いに重ねられている。
【0058】
また、第2フィン42は、長尺フィン421の基部421Aと短尺フィン422の基部422Aとを、第2支持部材44に対して挟むように配置される補助板423を有する。
補助板423は、その上部から下部に向けて、搬送方向Aの下流側に向けて湾曲した形状となっている。
補助板423は、第2フィン42が封筒Wの搬送力を受けて搬送方向Aに向けて弾性変形する際に、基部42Aの第2支持部材44に固定する部分の保護と、基部42Aから先端部42Bに向けて生じる弾性変形の形状を維持するために設けられている。
なお、補助板423は、封筒Wの寸法等に対応させて、適宜交換可能とされている。
【0059】
本実施形態において、長尺フィン421と短尺フィン422とで、ひとつの第2フィン42が構成されている。
その寸法及び材質には、例えば、長尺フィン421は、幅25mm×長さ250mm×厚さ0.5mmのPET板を用い、短尺フィン422は、幅25mm×長さ200mm×厚さ0.5mmのPET板を用いている。
また、第2フィン42は、第1フィン32よりも長い寸法を有している。換言すれば、封筒Wに対して、下向きに弱く、また、第1フィン32よりも大きな動作で押し下げるように構成されている。
【0060】
また、第2支持部材44には、第2フィン42である長尺フィン421と短尺フィン422とが固定される。
詳しくは、長尺フィン421と短尺フィン422とは、長尺フィン421の基部421Aにおける搬送方向Aの上流側の面が、第2支持部材44の搬送方向Aの下流側の面に接触する。そして、長尺フィン421に重ねられている短尺フィン422の基部422Aにおける搬送方向Aの下流側の面に補助板423が配置され、補助板423、短尺フィン422、長尺フィン421が重なって、第2支持部材44にボルトで固定されている。
【0061】
また、第2フィン42の先端部42B側の誘導部42Cは、第2支持部材44の側面から封筒Wの搬送方向Aに交差する下方に向かって、段差部12Bよりも下方に延びて空間14内に入り込んでいる。
また、第2フィン42における搬送方向Aと反対方向を向く面(搬送される搬送物の上面に接触する面)は、段差部12Bよりも搬送方向Aにずれている。
【0062】
本実施形態においては、第2支持部46は、上述のとおり、係合溝46Aとして構成されているから、第2支持部材44の係合部44Aは、係合溝46Aに係合することで、第2フィン42の搬送路12の幅方向への移動が許容されている。
なお、第2支持部材44の搬送路12における幅方向への移動と固定には、公知の移動機構及び固定手段を用いることができる。
【0063】
[変換補助部]
変換補助部50は、
図1に示すように、上流側の搬送路12Aの側端部に、上流側の搬送路12Aの搬送方向Aに沿って立ち上がる壁状の部材である。
変換補助部50は、第3支持部56と、第3支持部材52と、排出ローラ54と、を含んで構成されている。
【0064】
(第3支持部)
第3支持部56は、
図1に示すように、変換補助部50の上流側の搬送路12Aの側を向く面に設けられ、後述する第3支持部材52を支持する。
本実施形態においては、第3支持部36は、上流側の搬送路12Aの側を向く面において、上流側の搬送路12Aの搬送面に直交する上下方向に対して、平行する2本の係合溝56A、56Aにより構成されている。
【0065】
(第3支持部材)
第3支持部材52は、上流側の搬送路12Aの搬送面に対して平行に設けられる板状の部材であり、第3支持部材52の変換補助部50に対向する面に、第3支持部56の係合溝56A、56Aに係合する図示しない2つの係合部が設けられている。
第3支持部材52は、係合部が係合溝56A、56Aに支持されて固定されている。
本実施形態においては、第3支持部材52は、搬送面に対して上下方向への移動が許容されるように構成されている。
なお、第3支持部材52の上下方向への移動と固定には、公知の移動機構及び固定手段を用いることができる。
【0066】
(排出ローラ)
排出ローラ54は、
図1に示すように、第3支持部材52における上流側の搬送路12Aの搬送面と対向する下面に設けられている。
排出ローラ54は、第3支持部材52に対して、上流側の搬送路12Aの段差部12Bの搬送方向Aにおける手前に配置され、上流側の搬送路12Aに設けられたベルトコンベヤ12Dのベルトの表面に接するように設けられている。
ここで、排出ローラ54は、第3の手段、又は規制部の一例である。
【0067】
この排出ローラ54は、封筒Wの搬送方向Aにおける先端側から中間部に対して、第1フィン32及び第2フィン42によるそれぞれの回転力M1及びM2(
図7、8参照)が作用しているときに、封筒Wの搬送方向Aにおける後端側の上下動を規制するものである。
本実施形態においては、排出ローラ54は、上流側の搬送路12Aの搬送方向Aに直交する方向(上流側の搬送路12Aの幅方向)に、互いに離間して3つが設けられている。
また、排出ローラ54は、第3支持部材52の下面に弾性的に支持されており、ベルトコンベヤ12Dのベルトの表面に対して、上下方向への移動が許容されている。
【0068】
<整流板及び矯正部>
[整流板]
整流板22は、
図2に示すように、受け取り部16に受け渡される封筒Wの回転を制限する板状の部材である。また、整流板22は、回転する封筒Wの回転方向の上に向かう辺が衝突する内面22Aを有する(
図12参照)。ここで、整流板22は、制限部の一例である。
整流板22は、第1支持部材34の搬送方向Aに沿って、第1支持部材34における搬送方向Bの側に、受け取り部16に向かって吊り下げられるように支持されている。
また、整流板22の搬送方向Aにおける寸法は、受け取り部16の奥行寸法(搬送方向Bにおける下流側の搬送路16Aの幅方向)の予め定められた領域を塞ぐように設定されている。
本実施形態においては、整流板22の搬送方向Aにおける寸法は、姿勢変換装置10が許容する封筒W(搬送物)の搬送方向Aの寸法よりも小さいものとされている。
また、整流板22の支持形態は、第1支持部材34に、搬送方向Bに揺動するように支持されている。
【0069】
[矯正部]
矯正部26は、
図2に示すように、整流板22の下端部における内面22Aと下面22Bとで構成されている。
下面22Bは、ベルトコンベヤ18のベルト18Aの表面と離間しており、この離間距離は、封筒Wの重なりが2枚通過できる程度に設定されている。
【0070】
<停止板>
図1に示すように、停止板24は、封筒Wの搬送方向Aへの移動を制限する板状の部材である。停止板24は、封筒Wの搬送方向Aの先端側の辺が衝突する内面24Aを有する。ここで、停止板24は、停止部の一例である。
停止板24は、受け取り部16の搬送方向Aにおける奥側に上方に立ち上がるように設けられている。
【0071】
<封入封緘システム>
図13に示すように、封入封緘システム60は、封筒搬送部60Aと、封入物搬送部60Bと、封筒Wに封入物(図示せず)を挿入する封入部60Cと、封入物が挿入された封筒Wを封緘する封緘部60Dと、封緘部により封緘された封筒Wを反転する封筒反転部60Eと、封筒Wの宛名を読み取る宛名読取部60Fと、封入封緘システム60を制御する図示しない制御部と、を備え、宛名読取部60Fの下流側に、封筒Wを空間14で反転する姿勢変換装置10に連絡している。
また、封入封緘システム60には、郵便物としての封筒Wの発送用の宛先データと、封筒Wに挿入する封入物(図示せず)の封入物データとを紐付けて記憶する記憶装置(図示せず)と、封入封緘システム60の運転を制御するプログラムと、を含む制御部が設けられている。
【0072】
[封筒搬送部]
封筒搬送部60Aは、封筒Wを搬送しながら封筒Wの表面に宛名シールWaを貼付する貼付機(図示せず)をその途中に有し、後述する封入部60Cに連絡している。
【0073】
[封入物搬送部]
封入物搬送部60Bは、封筒Wに封入する封入物を搬送し、後述する封入部60Cに連絡している。
【0074】
[封入部]
封入部60Cは、封筒搬送部60Aによって宛名シールWaが貼付されて搬送された封筒Wに対して、封入物搬送部60Bによって搬送された封入物を挿入する装置である。
【0075】
[封緘部]
封緘部60Dは、封入部60Cによって、封入物が挿入された封筒Wの開口部を封緘する装置である。
封緘された封筒Wは、宛名シールWaが下となる姿勢のまま搬出される。
【0076】
[封筒反転部]
封筒反転部60Eは、宛名シールWaが下となる姿勢で搬送される封筒Wを反転して、宛名シールWaが上となる姿勢に変換する。
【0077】
[宛名読取部]
宛名読取部60Fは、宛名シールWaに印字された宛名を読み取る図示しない撮像手段を有する。
【0078】
<姿勢変換装置の作用>
ここで、姿勢変換装置10の作用について、
図5から
図12を参照して説明する。
【0079】
図5は、本実施形態に係る姿勢変換装置10における封筒Wの姿勢変換前の状態を、封筒Wの搬送方向Aに交差する方向(以下、「側面」という。)から見た側面概略図である。
上流側の搬送路12Aには、封筒Wの宛名シールWaが貼付された面(以下、「表面」という。)を上にした状態でベルトコンベヤ12Dに搬送されながら、段差部12Bの搬送方向Aの手前で、排出ローラ54によって上下動が規制されている。
封筒Wの搬送方向Aの先端側は、第1フィン32及び第2フィン42には達しておらず、封筒Wは、表面を上にして段差部12Bから空間14に向けて飛び出すように搬送されようとしている。
【0080】
図6は、
図5に示す状態を、封筒Wの搬送方向Aに対向する方向(以下、「正面」という。)から見た正面概略図である。
封筒Wは、第1フィン32及び第2フィン42に対向するように搬送されている。
第1フィン32は、封筒Wの正面視の交差方向の一方側である左側に接するように配置され、第2フィン42は、封筒Wの正面視の交差方向の他方側である右側に接するように配置されている。
【0081】
図7は、本実施形態に係る姿勢変換装置10における封筒Wの姿勢変換動作の開始状態を示す側面概略図である。
この側面視においても、便宜上、封筒Wの手前側を左側、封筒Wの奥側を右側ということとする。
図7に示すように、封筒Wは、上流側の搬送路12Aを、ベルトコンベヤ12D上で排出ローラ54によってその上下動が規制されながら、段差部12Bを通過して空間14に飛び出すように搬送されている。
ここで、封筒Wは、本実施形態の要部である第1フィン32と第2フィン42とに接触する。
図7において、封筒Wの左側の宛名シールWaが貼付されていない面(以下、「裏面」という。)に対して、第1フィン32の誘導部32Cが接触して、上向きの回転力M1を作用させて、封筒Wの左側が、搬送方向Aから上方に傾斜するように姿勢が変換され始めている。
この第1フィン32は、封筒Wに対して、上向きに強い力で、また、第2フィン42の動作よりも小さな動作で押し上げて(跳ね上げて)いる。
【0082】
一方、封筒Wの右側の表面に対して、第2フィン42の誘導部42Cが接触して、下向きの回転力M2を作用させて、封筒Wの右側が、搬送方向Aから下方に傾斜するように姿勢が変換され始めている。
このとき、第2フィン42は、その誘導部42Cが、封筒Wの表面に接触したまま、搬送方向Aに向けて湾曲するように弾性変形している。
この第2フィン42は、封筒Wに対して、下向きに弱い力で、また、第1フィン32の動作よりも大きな動作で押し下げている。
【0083】
この状態の正面視を
図8に示す。
図8に示すように、封筒Wの搬送方向Aの先端側において、封筒Wの左側には、第1フィン32によって上向きの回転力M1が作用し、封筒Wの右側には、第2フィン42によって下向きの回転力M2が作用して、図面上、右回転する方向の回転力Mが作用している。
このとき、封筒Wの搬送方向Aの後端側は、ベルトコンベヤ12D上に位置しており、排出ローラ54によって、その上下動が規制されている。
すなわち、封筒Wは、その先端側では、右回転する方向の回転力M1及びM2が作用しており、その後端側では、先端側に対して相対的に左回転する方向の回転力が作用していることになる。
なお、
図7及び
図8では、この状態の理解を助けるために、封筒Wのねじれ状態を極端に大きくして示している。
【0084】
次の動作を
図9に示す。
図9に示すように、上流側の搬送路12A上で排出ローラ54によって上下動が規制されていた封筒Wの搬送方向Aの後端側は、その規制が解除され、段差部12Bを通過して空間14に位置する。
このとき、封筒Wの左側の裏面は、第1フィン32の誘導部32Cから回転しながら離れ、封筒Wの左側は、第1フィン32からの上向きの回転力M1から解放される。
また、封筒Wの右側の表面は、第2フィン42の誘導部42Cから回転しながら離れ、封筒Wの右側は、第2フィン42からの下向きの回転力M2から解放される。
相対的に、第2フィン42よりも弾性力が大きい第1フィン32は、第2フィン42よりも小さな動作で、封筒Wを跳ね上げる。
そして、封筒Wは、排出ローラ54による封筒Wの後端側への上下動の規制から解放され、右回転する方向の回転力Mが封筒Wの後端側にも、ねじれからの復元力が作用して、回転速度を増しながら、引き続き、搬送方向Aに向けて空間14を移動する。
【0085】
この時点で、弾性変形していた第2フィン42は、
図9に示す仮想線の位置から実線の位置に戻り、さらに段差部12Bに沿う初期の位置(
図3の実線で示す位置)に戻るので、第2フィン42に、回転速度が増加した封筒Wの後端側が接触することはない。
【0086】
この状態の正面視を
図10に示す。
封筒Wは、第1フィン32から離れ、また、第2フィン42からも離れて回転力M1及びM2の作用と、搬送方向Aに沿う方向への搬送力とによって、空間14を回転しながら搬送される。
このとき、封筒Wは、受け取り部16には接触せず、整流板22の内面22Aに向かって、空間14においてさらに回転しながら搬送が続けられる。
【0087】
そして、
図11、12に示すように、封筒Wは、姿勢が変換される前、すなわち、回転が開始される際の封筒Wの右側が、
図12に矢印C1で示すように、整流板22の内面22Aに衝突して、回転力から解放されて回転が停止される。
これとともに、封筒Wの搬送方向Aにおける先頭側が、
図11に矢印C2で示すように、停止板24の内面24Aに衝突して、搬送方向Aに沿う搬送力から解放される。
そうして、姿勢が180度変換された封筒Wは、受け取り部16におけるベルトコンベヤ18に受け渡され、下流側の搬送路16Aを、
図12で示す矢印Bの方向に搬送される。
【0088】
このように、
図5から
図12を用いて説明した封筒Wにおける一連の搬送及び回転の動作は、後行の複数の封筒Wに対しても連続して行われる。
【0089】
この連続する一連の動作によって姿勢が変換された複数の封筒Wは、
図4に示すように、受け取り部16において、先行する封筒Wの一部に、後行の封筒Wの一部が重なるように、搬送路12の搬送速度が制御されている。
具体的な重なり状態は、下流側の搬送路16Aの搬送方向Bにおいて、先行する封筒Wの裏面における搬送方向Bの上流側の一部に、後行の封筒Wの表面における搬送方向Bの下流側の一部が重なるものである。
【0090】
このとき、封筒Wは、矯正部26において、搬送方向Bに対して下流側の辺が揃えられる。
具体的には、先行する封筒Wの上に後行する封筒Wの下流側の一部が重なっており、この後行する封筒Wの下流側の辺が、矯正部26の一部を構成する整流板22の内面22Aの下端部と接触することで、その辺が内面22Aに沿って揃えられ、停止する。
このとき、先行する封筒Wは、上記揃えられて停止している後行の封筒Wの下において、ベルトコンベヤ18によって、搬送方向Bに搬送されている。
【0091】
一方、矯正部26に接触して停止している後行する封筒Wは、先行する封筒Wの上(姿勢変換された封筒Wの裏面)を滑りながら、下面22Bを通過できる程度まで重なりが浅くなって、先行する封筒Wと後行する封筒Wとの重なりが調整される。
そして、矯正部26において、後行する封筒Wの下流側の辺が、整流板22の下端部における下面22Bとベルトコンベヤ18のベルト18Aの表面とに形成される隙間を通過することで、先行する封筒Wと後行する封筒Wとの重なりが調整される。
【0092】
また、先行する封筒Wの上において、後行の封筒Wが、矯正部26に対して平面視で傾斜する状態で重なっている場合は、後行の封筒Wにおける搬送方向Bに先行する角部が矯正部26である整流板22の内面22Aに先に接触する。
このような状態においても、先行の封筒Wは傾斜している後行の封筒Wの下を搬送方向Bに搬送されている。
このように、矯正部26に対して平面視で傾斜している後行の封筒Wについても、矯正部26によって、その傾斜が徐々に矯正されて、下面22Bを通過できる程度まで重なりが浅くなって、先行する封筒Wと後行する封筒Wとの重なりが調整される。
【0093】
本実施形態においては、整流板22の下面22B(矯正部26)と、受け取り部のベルトコンベヤ18のベルト18Aの表面とに形成される隙間は、封筒Wの厚さの2倍から3倍程度に設定されている。
この隙間が狭ければ、先行する封筒Wと後行する封筒Wとの重なりは少なくなり、隙間が広ければ、該重なりは大きくなる。
また、この重なりの大小は、ベルトコンベヤ18の搬送速度を変更することによっても設定することができる。
【0094】
ところで、上流側の搬送路12Aは、前工程である封入封緘システム60と連絡している。封入封緘システム60では、次のような処理が行われる。
【0095】
封筒搬送部60Aは、封筒Wが、その裏面が上を向く姿勢で順に搬送される。
この搬送途中において、封筒搬送部60Aの途中に設けられた図示しない貼付機によって、制御部の記憶装置に記憶された郵便番号を含む宛先が宛名シールWaに印字され、宛名シールWaが封筒Wの表面に貼付される。
宛名シールWaが貼付された封筒Wは、裏面が上を向く姿勢で、封入部60Cに搬送される。
【0096】
封入物搬送部60Bは、封筒Wに挿入する封入物(図示せず)が、制御部の記憶装置に記憶された宛先に紐付けされた封入物データに基づいた部数が予め準備された状態で、封入部60Cに搬送される。
【0097】
封入部60Cでは、封筒搬送部60Aによって宛名シールWaが貼付されて裏面が上を向く姿勢で搬送された封筒Wの開口部に、封入物搬送部60Bによって搬送され、予め準備された部数の封入物を、図示しない封入手段によって挿入する。
【0098】
封緘部60Dは、封入物が挿入された封筒Wの開口部のフラップを、図示しない封緘手段によって、開口部を塞ぐように折り曲げて封緘して、封緘された封筒Wは、裏面が上を向く姿勢で封筒反転部60Eに向けて搬送される。
【0099】
封筒反転部60Eは、裏面が上を向く姿勢で搬送されてくる封筒Wを、図示しない一対のねじれベルトによって、宛名シールWaが上を向く姿勢に180度反転して、下流側の宛名読取部60Fに向けて搬送する。
【0100】
宛名読取部60Fは、宛名シールWaに印字された郵便番号を含む宛先を、図示しない撮像手段によって読み取る。
撮像手段で読み取った宛先と、制御部の記憶装置に予め記憶されている郵便物の発送用の宛先データと、宛先データに紐付けされた封入物データとを照合した後、封筒Wは、次工程である姿勢変換装置10に搬送される。
【0101】
そして、姿勢変換装置10によって、封筒Wは、宛名シールWaが下を向く姿勢に180度姿勢変換される。
この封筒Wの姿勢の変換動作については、上述したとおりである。
【0102】
なお、本実施形態においては、第1フィン32、第2フィン42、及び排出ローラを、それぞれ可動式として、多様な寸法の搬送物に対応させるようにしている。
【0103】
ここで、
図14に示す比較例に係る搬送装置100では、第1ベルト110と、第2ベルト120とが、封筒(図示せず)の搬送方向Xに沿って相互に密着した状態で180度捩られて設けられており、空間14において封筒Wの姿勢を180度変換する変換構造20を有していない。
【0104】
第1ベルト110は、無端状のベルトであって、上流側の支持ローラ112と、下流側の支持ローラ114とに、180度捩られて巻き掛けられている。
第2ベルト120は、無端状のベルトであって、上流側の支持ローラ122と、下流側の支持ローラ124とに、第1のベルトに沿うように180度捩られて巻き掛けられている。
【0105】
また、第1ベルト110及び第2ベルト120の上流側には、第1ベルト110の表面と第2ベルト120の表面とが接触する挟持部130と、搬入ベルトを有する搬入部150と、が設けられている。
また、同様に、第1ベルト110及び第2ベルト120の下流側には、第1ベルトの表面と第2ベルトの表面とが離れる解放部132と、排出ベルトを有する排出部160と、が設けられている。
【0106】
このような構成を有する比較例の搬送装置100によると、封筒は、搬入部150から第1ベルト110の上面に搬入され、挟持部130によって第1ベルト110と第2ベルト120とに挟持される。
挟持された封筒は、第1ベルトを支持する下流側の支持ローラ114の位置まで捩り搬送されることによって反転され、解放部132で、反転された封筒の挟持状態から解放され、排出部160から排出される。
【0107】
このため、装置の搬送方向における長さは、捩り動作によって封筒にしわや折れが発生しないように、搬送対象とする封筒の大きさに比べて、装置寸法が搬送方向に長いものとなる。
また、解放部132において、封筒を重ねることができず、解放部132から搬出される封筒は、排出部160においても重ねて排出することができない。
【0108】
これに対して、本実施形態では、空間14において、搬送方向と交差する方向への回転力を作用させて、封筒Wの姿勢を変換する変換構造20を用いている。
これにより、ねじれ構造をなす複数のベルトを用いるものと比べて、搬送物の姿勢を、搬送方向に小さな装置寸法で変換することができる。
【0109】
また、変換構造20に、封筒Wに対して、搬送方向と交差する方向の一方側に上向きの回転力M1を作用させる第1フィン32と、搬送方向と交差する方向の他方側に下向きの回転力M2を作用させる第2フィン42とを用いる構成としている。
これにより、搬送方向に交差する方向の一方のみに回転力を作用させるものと比べて、封筒Wの姿勢を、搬送方向Aに小さな装置寸法で変換することができる。
【0110】
また、上流側の搬送路12Aに、封筒Wに第1フィン32及び第2フィン42によるそれぞれの回転力M1及びM2が作用しているときに、封筒Wの搬送方向Aにおける後端側の上下動を規制する排出ローラ54を用いている。
これにより、上流側の搬送路12A上で自由な状態で回転力を作用させるものと比べて、封筒Wの姿勢を、搬送方向Aに小さな装置寸法で変換することができる。
【0111】
また、第1フィン32の誘導部32Cを、搬送方向Aに向けて上流側の搬送路12Aの搬送面の延長線から上向きに傾斜する形状を有して空間14に延びるように配置している。
また、第2フィン42の誘導部42Cを、前記延長線に交差する方向に向けて空間14に延びるように配置している。
これにより、第1フィン32と第2フィン42とが同じ方向を向いているものと比べて、封筒Wの姿勢を、搬送方向Aに小さな装置寸法で変換することができる。
【0112】
また、第1フィン32及び第2フィン42を、ともに、弾性を有するものとしたから、受け取り部16が受け取る封筒Wの姿勢が180度変換される場合においても、姿勢変換中の封筒Wと第2フィン42との干渉が抑制される。
これにより、封筒Wを180度変換させる構成において、弾性を有しないフィンを用いるものと比べて、搬送物の姿勢変換不良を抑制することができる。
【0113】
また、第1フィン32の長さは、第2フィン42の長さより短くされている。
これにより、第1フィン32の長さが第2フィン42の長さより長い、又は同じものと比べて、封筒Wに回転力Mを作用させることができる。
【0114】
また、変換構造20は、受け取り部16に受け渡される封筒Wの回転を制限する整流板22を有している。
これにより、整流板22を有しない変換手段を用いるものと比べて、封筒Wの姿勢変換不良を抑制することができる。
【0115】
また、変換構造20は、封筒Wの搬送方向Aへの移動を制限する停止板24を有している。
これにより、停止板24を有しない変換手段を用いるものと比べて、搬送物の姿勢を、搬送方向に小さな装置寸法で変換することができる。
【0116】
また、受け取り部16を、搬送方向Aの下流側に封筒Wを搬送するベルトコンベヤ18の一部として構成している。
これにより、姿勢の変換動作後の封筒Wを、変換動作に連続して次工程に搬送することができる。
【0117】
また、上流側の搬送路12Aから変換構造20に搬送される封筒Wの搬送速度を、変換構造20によって空中で姿勢が変換され、受け取り部16に受け渡される封筒Wが、先行する封筒Wの一部に後行する封筒Wの一部が重なるように制御している。
これにより、先行する封筒Wに後行する封筒Wが重ならない搬送速度を用いるものと比べて、姿勢変換後の封筒Wを、搬送順に重ねて回収することができる。
【0118】
また、変換構造20は、受け取り部16に受け渡された封筒Wの重なり状態を矯正する矯正部26を有する。
これにより、受け取り部16に矯正部26を有しない変換構造を用いるものと比べて、姿勢変換後の封筒Wを容易に回収することができる。
【0119】
また、姿勢変換方法は、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の姿勢変換装置10を用いて、封筒Wの姿勢を変換するようにしている。
これにより、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の姿勢変換装置10を用いない封筒Wの姿勢を変換する姿勢変換方法を用いるものと比べて、封筒Wの姿勢を、搬送方向Aに小さな装置寸法で変換することができる。
【0120】
また、本実施形態における封入封緘システム60は、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の姿勢変換装置10を用いて構成している。
これにより、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の姿勢変換装置10を用いない封筒Wの姿勢を変換する封入封緘システムと比べて、封筒Wの姿勢を、搬送方向に小さな装置寸法で変換することができる。
【0121】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【0122】
例えば、本実施形態では、封筒Wに、搬送方向Aと交差する方向の一方側に上向きの回転力M1を作用させ、搬送方向Aと交差する方向の他方側に下向きの回転力M2を作用させているが、回転力は、一方側又は他方側のみに作用させてもよい。
【0123】
また、一方又は他方の回転力M1又はM2を作用させる手段を、封筒Wに接触させる第1フィン32又は第2フィン42を用いるように構成したが、これに限らず、流体噴射式の変換構造20としてもよい。
例えば、封筒Wに、一方又は他方の回転力M1又はM2を作用させる気体を噴射させて、封筒Wの姿勢変換を行うようにしてもよい。
【0124】
また、封筒Wの姿勢の変換角度を180度に設定したが、これに限らず、例えば、90度等の所望の角度に設定してもよい。
【0125】
また、第1フィン32は、基部32Aにおける上面を、上流側の搬送路12Aの搬送面と同じか、搬送面よりも低く構成したが、基部32Aは、上流側の搬送路12Aの搬送面上に固定してもよい。
【0126】
また、第2フィン42は、長尺フィン421と短尺フィン422とをそれぞれ1枚のフィンで構成したが、長尺フィン421と短尺フィン422とをそれぞれ、複数枚のフィンとしてもよい。
【0127】
また、第2フィン42は、長尺フィン421と短尺フィン422とを異なる長さとして構成したが、同じ長さに構成してもよい。
【0128】
また、第2フィン42は、長尺フィン421と短尺フィン422とを重ねる構成としたが、1枚のフィンで構成してもよい。
【0129】
また、第1フィン32及び第2フィン42は、PET板を用いる構成としたが、PET以外の弾性を有する樹脂板としてもよく、鋼板やばね鋼板を用いて構成してもよい。
【0130】
また、第1フィン32及び第2フィン42は、それぞれ移動可能に支持、固定したが、その両方又は一方を、固定式としてもよい。
【0131】
また、第2フィン42は、第2変換部40の支持腕40Bに対して、搬送方向Aに揺動するように構成してもよい。
【0132】
また、第1フィン32及び第2フィン42の配置を、搬送方向Aに対向する正面視で、第1フィン32を左側、及び第2フィン42を右側として説明したが、これを左右逆の配置として、封筒Wの回転方向を変更してもよい。
この場合は、第1フィン32及び第2フィン42と併せて、整流板22及び矯正部26を左右逆の位置に配置すればよい。これにより、本実施形態における搬送方向Bに延びる下流側の搬送路16Aは、平面視で180度変更される。
【0133】
また、第2フィン42が封筒Wに回転力を作用させる部位を、封筒Wの右側と説明したが、これに限定せず、搬送物の大きさや重量等に合わせて、封筒Wの中央部、又は中央部付近から右側にかけての範囲で、適宜設定することができる。
【0134】
また、封筒Wは、第1フィン32及び第2フィン42に同時に接触するように説明したが、封筒Wの第1フィン32及び第2フィン42への接触のタイミングは、第1フィン32と第2フィン42とで、異なるタイミングとしてもよい。
【0135】
また、封筒Wは、宛名シールWaを貼付する形態としたが、窓あき封筒に変更してもよいことは勿論である。
【0136】
また、搬送物の対象となるものは、封入物が封入された封筒Wに限定されない。
例えば、葉書、シート、ファイル等の紙葉類、ダンボール、樹脂板等の板状物、封入物が封入されたダンボール梱包物、内容物が飛散しないように収納されたファイル等が挙げられる。
【0137】
また、ベルトコンベヤ12Dは、1本のベルトを用いる構成としたが、複数のベルトで構成してもよく、また、ベルトを用いずに、ローラ式のコンベヤや空気浮上式のコンベヤとしてもよい。
【0138】
また、ベルトコンベヤ18は、2本のベルトを用いる構成としたが、1本のベルトでも、3本以上のベルトで構成したものでもよく、また、ベルトを用いずに、ローラ式のコンベヤや空気浮上式のコンベヤとしてもよい。
【0139】
また、排出ローラ54は、3つ(
図5から
図12においては2つ)を互いに離間して設けるように構成したが、その数に制限はなく、また、1つのローラで構成してもよい。
また、排出ローラ54は、上流側の搬送路12Aに対して上下方向に移動可能に支持したが、固定式としてもよい。
また、封筒Wに対する回転力を作用させるタイミングは、封筒Wの後端側が排出ローラ54を通過後のタイミングとしてもよい。
【0140】
また、受け取り部16において、姿勢変換後の封筒Wを重ねて搬送するようにしたが、封筒Wを重ねずに搬送するようにしてもよい。
【0141】
また、変換構造20に、封筒Wの搬送方向Aへの移動を制限する停止板24を用いるようにしたが、停止板24を用いずに封筒Wの搬送方向Aへの移動を制限する手段、例えば、流体(気体)を封筒Wに噴射させて回転を制限するようにしてもよい。
【0142】
また、本実施形態における姿勢変換装置10を有する封入封緘システム60の全体配置を、コの字状として図示したが、これに限らず、設置場所の諸条件に合わせて、各装置をL字状、直線状、又はクランク状に配置としてもよい。
その際、本実施形態において、L字状の搬送形態で説明した姿勢変換装置10を、直線状の搬送形態とすることができる。
具体的には、停止板24の下端部に、整流板22の下端部の矯正部26が有する機能を与えて、上流側の搬送路12Aの搬送方向Aに沿う方向に下流側の搬送路16Aを配置すればよい。