(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出処理部は、前記第1補正後空気圧及び前記第2補正後空気圧に基づいて取得される前記空気圧の低下速度が予め定められた第2閾値を超える場合に、前記異常を検出する、
請求項3〜6のいずれかに記載のタイヤ空気圧管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0037】
[第1実施形態]
まず、
図1を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るタイヤ空気圧管理システム100の構成について説明する。
【0038】
図1に示されるように、タイヤ空気圧管理システム100は、車両1、第1通信装置2、端末装置3、及び管理サーバー4を含む。
【0039】
タイヤ空気圧管理システム100において、管理サーバー4は、インターネット又はLAN(ローカルエリアネットワーク)などの通信ネットワークにより、第1通信装置2、及び端末装置3と相互に通信可能に接続されている。
【0040】
車両1は、予め定められた使用者に貸し出される貸出車両である。例えば、車両1は、レンタカー事業者によって貸し出されるレンタカーである。なお、車両1は、カーシェアリングサービスを提供する事業者によって貸し出されるシェアカーなどであってもよい。
【0041】
車両1は、前記レンタカー事業者における予め定められた営業所で貸し出され、前記営業所に返却される。つまり、前記営業所は、車両1の貸出場所であるとともに、車両1の返却場所でもある。なお、車両1の貸出場所は、当該車両1の返却場所とは異なる前記営業所であってもよい。
【0042】
図1に示されるように、車両1は、4つの空気入りタイヤ11(以下、単に「タイヤ」という。)を備える。4つのタイヤ11のうち、タイヤ11Aは、車両1の左側の前輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Bは、車両1の右側の前輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Cは、車両1の左側の後輪位置のホイールに装着される。また、タイヤ11Dは、車両1の右側の後輪位置のホイールに装着される。
【0043】
図1に示されるように、車両1は、4つの空気圧検出装置12を備える。4つの空気圧検出装置12のうち、空気圧検出装置12Aは、タイヤ11A内に設けられる。また、空気圧検出装置12Bは、タイヤ11B内に設けられる。また、空気圧検出装置12Cは、タイヤ11C内に設けられる。また、空気圧検出装置12Dは、タイヤ11D内に設けられる。
【0044】
空気圧検出装置12は、当該空気圧検出装置12が設けられたタイヤ11内の空気圧及び空気温度を検出するセンサーを備える。また、空気圧検出装置12は、前記センサーによる検出結果を外部へ送信するための送信機及びアンテナを備える。空気圧検出装置12は、本発明の検出部の一例である。
【0045】
具体的に、空気圧検出装置12は、自装置から予め定められた第1無線通信規格の通信範囲内に存在する第1通信装置2(
図1参照)との間で、前記第1無線通信規格に従った無線通信を実行する。例えば、前記第1無線通信規格は、国際標準規格として周知のIEEE、又はIEEEに準拠した無線通信規格である。例えば、前記第1無線通信規格は、Bluetooth(登録商標)、又はWi−Fi(登録商標)などである。この場合、空気圧検出装置12は、十数メートルの範囲内に存在する第1通信装置2との間で無線通信を実行可能である。なお、前記第1無線通信規格は、Bluetooth又はWi−Fiとは異なる規格であってもよい。
【0046】
空気圧検出装置12は、前記センサーによる検出結果を含む検出データを、第1通信装置2に送信する。前記検出データには、空気圧検出装置12の識別に用いられる検出装置識別情報、前記センサーによって検出されたタイヤ11内の空気圧を示す空気圧情報、及び前記センサーによって検出されたタイヤ11内の空気温度を示す空気温度情報などが含まれる。
【0047】
例えば、空気圧検出装置12は、第1通信装置2との間で前記第1無線通信規格に従った無線通信を実行可能である場合に、予め定められた実行周期で、検出処理及び送信処理を実行する。前記検出処理は、前記センサーを用いてタイヤ11の空気圧及び空気温度を検出する処理である。前記送信処理は、前記検出処理の検出結果を含む前記検出データを第1通信装置2へ送信する処理である。例えば、前記実行周期は、10秒から10分までの間で任意に定められた時間である。なお、空気圧検出装置12は、管理サーバー4から第1通信装置2を経由して送信される実行指示を受信した場合に、前記検出処理及び前記送信処理を実行してもよい。
【0048】
第1通信装置2は、空気圧検出装置12から送信される前記検出データを受信して、受信した前記検出データを管理サーバー4へ送信する。第1通信装置2は、前記営業所各々に設けられる。第1通信装置2は、本発明の通信部の一例である。
【0049】
図1に示されるように、第1通信装置2は、第1アンテナ21を備える。第1アンテナ21は、空気圧検出装置12との間の無線通信に用いられる。第1通信装置2は、第1アンテナ21から前記第1無線通信規格の通信範囲内に存在する空気圧検出装置12との間で、前記第1無線通信規格に従った無線通信を実行する。
【0050】
第1通信装置2は、空気圧検出装置12から前記検出データを受信した場合に、受信した前記検出データに第1付加データを付加する。そして、第1通信装置2は、前記第1付加データが付加された前記検出データを管理サーバー4へ送信する。前記第1付加データには、前記検出データの受信日時を示す受信日時情報、及び前記営業所の識別に用いられる営業所識別情報などが含まれる。
【0051】
端末装置3は、前記営業所の従業員によって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置3は、前記営業所に設けられるパーソナルコンピューターである。なお、端末装置3は、前記営業所の従業員によって使用されるスマートフォン又はタブレット端末などであってもよい。
【0052】
管理サーバー4は、前記検出データに基づいて、タイヤ11の空気圧の管理に関する各種の処理を実行する。
【0053】
[管理サーバー4の構成]
次に、
図2を参照しつつ、管理サーバー4の構成について説明する。
【0054】
図2に示されるように、管理サーバー4は、制御部31、通信部32、及び記憶部33を含む。
【0055】
制御部31は、管理サーバー4を統括的に制御する。
図2に示されるように、制御部31は、CPU41、ROM42、及びRAM43を備える。CPU41は、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROM42は、CPU41に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM43は、CPU41が実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される揮発性又は不揮発性の記憶装置である。制御部31では、CPU41によりROM42に予め格納された各種の制御プログラムが実行される。これにより、管理サーバー4が制御部31により統括的に制御される。
【0056】
通信部32は、第1通信装置2などの外部の通信機器との間で、前記通信ネットワークを介して有線又は無線によるデータ通信を実行可能な通信インターフェイスである。
【0057】
記憶部33は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部33は、フラッシュメモリ、及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、並びにHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0058】
記憶部33には、車両1各々に対応する車両情報が予め格納されている。前記車両情報は、車両1に関する情報である。前記車両情報には、車両1の識別に用いられる車両識別情報、車両1の自動車登録番号、車両1の種類、色、及びサイズなどの情報、車両1に装着されたタイヤ11各々に対応する空気圧検出装置12の前記検出装置識別情報、及び車両1に装着されたタイヤ11各々に対応するタイヤ情報などが含まれる。前記タイヤ情報は、タイヤ11に関する情報である。前記タイヤ情報には、タイヤ11の種類、サイズ、及び製造タイミングなどの情報が含まれる。
【0059】
また、
図2に示されるように、記憶部33は、4つのデータ格納部51を含む。4つのデータ格納部51は、予め管理サーバー4に登録された前記車両識別情報ごとに設けられる。
【0060】
4つのデータ格納部51のうち、データ格納部51Aは、タイヤ11Aに対応する前記検出データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Bは、タイヤ11Bに対応する前記検出データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Cは、タイヤ11Cに対応する前記検出データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。また、データ格納部51Dは、タイヤ11Dに対応する前記検出データの格納に用いられる記憶部33の記憶領域である。
【0061】
制御部31は、第1通信装置2から送信される前記検出データを受信した場合に、受信した前記検出データの格納先を決定する。具体的に、制御部31は、受信した前記検出データに含まれる前記検出装置識別情報及び記憶部33に格納されている前記車両情報に基づいて、いずれかのデータ格納部51を前記検出データの格納先として決定する。そして、制御部31は、受信した前記検出データを、格納先として決定されたデータ格納部51に格納する。
【0062】
ここで、本発明の第1実施形態に係るタイヤ空気圧管理システム100によれば、車両1が前記営業所に返却された場合に当該営業所の従業員に生じる、車両1についての点検作業の作業負担を軽減することが可能である。
【0063】
具体的に、制御部31は、
図2に示される取得処理部61、補正処理部62、及び第1出力処理部63を含む。例えば、制御部31は、予め記憶部33に格納された空気圧管理プログラムを実行することにより、取得処理部61、補正処理部62、及び第1出力処理部63として機能する。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記空気圧管理プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0064】
取得処理部61は、車両1に装着されたタイヤ11の空気圧及び当該タイヤ11内の空気温度を取得する。
【0065】
具体的に、取得処理部61は、車両1が予め定められた第1特定範囲内で停止する第1タイミングで、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得する。
【0066】
ここで、前記第1特定範囲は、車両1の返却場所である前記営業所に対応する範囲である。
【0067】
例えば、前記第1特定範囲は、前記営業所に設けられた第1通信装置2による前記第1無線通信規格に従った無線通信の通信範囲である。
【0068】
この場合、取得処理部61は、第1通信装置2による空気圧検出装置12との通信の成否に基づいて、車両1が前記第1特定範囲内で停止したか否かを判定する。例えば、取得処理部61は、第1通信装置2による空気圧検出装置12との通信が成功し、その後当該通信が予め定められた第1判定時間を越えて継続した場合に、車両1が前記第1特定範囲内で停止したと判定する。なお、取得処理部61は、第1通信装置2からの前記検出データの送信状況に基づいて、空気圧検出装置12と第1通信装置2との通信の成否及び継続を判定可能である。
【0069】
例えば、取得処理部61は、前記第1タイミングが到来した場合に、4つのタイヤ11のそれぞれについて、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得する。具体的に、取得処理部61は、データ格納部51各々から、前記受信日時情報が最新の前記検出データに含まれる前記空気圧情報及び前記温度情報を取得する。なお、取得処理部61は、4つのタイヤ11のいずれか一つ又は複数について、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得してもよい。
【0070】
なお、前記営業所における予め定められた停止エリアで車両1を検出可能な磁気センサーが、前記営業所に設けられていてもよい。この場合、前記第1特定範囲は、前記停止エリアであってよい。また、取得処理部61は、前記磁気センサーを用いて、車両1が前記第1特定範囲内で停止したか否かを判定してもよい。
【0071】
補正処理部62は、取得処理部61によって取得されるタイヤ11の空気温度と予め定められた基準温度との差に基づいて、当該空気温度とともに取得されるタイヤ11の空気圧を補正する。
【0072】
例えば、前記基準温度は、前記営業所の所在地における1日の平均気温に基づいて定められる温度である。この場合、前記基準温度は、一か月のような予め定められた更新周期で更新される。なお、前記基準温度は、年間を通じて不変の温度であってもよいし、季節ごとに定められた温度であってもよい。
【0073】
例えば、記憶部33には、タイヤ11の空気温度と前記基準温度との差、及びタイヤ11の空気圧の補正に用いられる補正値の対応関係を示す対応関係情報が予め格納されている。例えば、前記対応関係情報は、数式又はテーブルデータである。
【0074】
この場合、補正処理部62は、前記対応関係情報を用いて、取得処理部61によって取得されたタイヤ11の空気温度と前記基準温度との差に対応する前記補正値を取得する。そして、補正処理部62は、取得された前記補正値を取得処理部61によって取得されたタイヤ11の空気圧に加算することによって、当該空気圧を補正する。
【0075】
例えば、補正処理部62は、取得処理部61によってタイヤ11の空気圧及び空気温度が取得される毎に、当該空気圧を補正する。そして、補正処理部62は、補正後の空気圧を示す補正後空気圧情報を、データ格納部51に格納されている補正前の空気圧を含む前記検出データに付加する。
【0076】
第1出力処理部63は、補正処理部62による補正後の空気圧に基づくタイヤ11の空気圧調整の要否判定に用いられる判定情報を出力する。
【0077】
具体的に、第1出力処理部63は、前記第1タイミングで取得されて補正処理部62によって補正された第1補正後空気圧に基づく前記判定情報を出力する。
【0078】
例えば、前記判定情報は、タイヤ11の空気圧調整が不要である旨の第1判定情報、及びタイヤ11の空気圧調整が必要である旨の第2判定情報を含む。
【0079】
この場合、第1出力処理部63は、前記第1補正後空気圧が予め定められた第1閾値を超える場合は、前記第1判定情報を出力する。また、第1出力処理部63は、前記第1補正後空気圧が前記第1閾値以下である場合は、前記第2判定情報を出力する。
【0080】
例えば、第1出力処理部63は、前記第1タイミングが到来した場合に、4つのタイヤ11のそれぞれについて、前記判定情報を出力する。
【0081】
例えば、第1出力処理部63は、前記判定情報を端末装置3の表示部に出力する。これにより、前記営業所の従業員は、車両1が前記営業所に返却された場合に、タイヤ11の空気圧の点検作業を省略することが可能である。
【0082】
なお、前記判定情報は、制御部31によるタイヤ11の空気圧調整が必要であるか否かの判定結果を含まない情報であってもよい。例えば、前記判定情報は、単に前記第1補正後空気圧を通知する旨の情報であってもよい。
【0083】
また、第1出力処理部63は、前記判定情報を含む電子メールを、予め管理サーバー4に登録された前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信してもよい。
【0084】
また、本発明の第1実施形態に係るタイヤ空気圧管理システム100では、車両1が前記営業所に返却される前に、前記使用者にタイヤ11の空気圧調整を促すことが可能である。
【0085】
具体的に、取得処理部61は、車両1が予め定められた第2特定範囲外へ移動する第2タイミングで、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得する。
【0086】
ここで、前記第2特定範囲は、車両1の貸出場所である前記営業所に対応する範囲である。
【0087】
例えば、前記第2特定範囲は、前記第1特定範囲と同じ範囲である。つまり、前記第2特定範囲は、前記営業所に設けられた第1通信装置2による前記第1無線通信規格に従った無線通信の通信範囲である。
【0088】
この場合、取得処理部61は、第1通信装置2による空気圧検出装置12との通信の成否に基づいて、車両1が前記第2特定範囲外へ移動したか否かを判定する。例えば、取得処理部61は、第1通信装置2と空気圧検出装置12との通信が断絶し、その後通信の断絶状態が予め定められた第2判定時間を越えて継続した場合に、車両1が前記第2特定範囲外へ移動したと判定する。
【0089】
例えば、取得処理部61は、前記第2タイミングが到来した場合に、4つのタイヤ11のそれぞれについて、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得する。具体的に、取得処理部61は、データ格納部51各々から、前記受信日時情報が最新の前記検出データに含まれる前記空気圧情報及び前記温度情報を取得する。
【0090】
なお、車両1の貸出場所が当該車両1の返却場所とは異なる前記営業所である場合、前記第2特定範囲は、前記第1特定範囲とは異なる範囲となる。
【0091】
また、制御部31は、
図2に示される第2出力処理部64、及び第1付与処理部65を含む。例えば、制御部31は、前記空気圧管理プログラムを実行することにより、第2出力処理部64、及び第1付与処理部65として機能する。
【0092】
第2出力処理部64は、前記第2タイミングで取得されて補正処理部62によって補正された第2補正後空気圧が予め定められた第1基準値以下である場合に、その旨を含む第1報知情報を出力する。
【0093】
例えば、前記第1基準値は、前記第1閾値と同じ値である。なお、前記第1基準は、前記閾値とは異なる値であってもよい。
【0094】
例えば、前記第1報知情報は、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であるタイヤ11が存在する旨、当該タイヤ11の装着位置を示す情報、及び当該タイヤ11の空気圧調整を依頼する旨を含む情報である。
【0095】
例えば、第2出力処理部64は、前記第2タイミングが到来した場合に、4つのタイヤ11のそれぞれについて、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であるか否かを判定する。そして、第2出力処理部64は、一つ以上のタイヤ11について、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であると判定した場合に、前記第1報知情報を出力する。なお、第2出力処理部64は、4つのタイヤ11のいずれか一つ又は複数について、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であるか否かを判定してもよい。
【0096】
例えば、第2出力処理部64は、前記第1報知情報を含む電子メールを、予め管理サーバー4に登録された前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信する。これにより、前記使用者によるタイヤ11の空気圧調整を促すことが可能である。
【0097】
なお、前記第1報知情報は、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であるタイヤ11が存在する旨、当該タイヤ11の装着位置を示す情報、及び当該タイヤ11の空気圧調整を依頼する旨のいずれか一つ又は複数を含んでいなくてもよい。
【0098】
第1付与処理部65は、予め定められた第1付与条件を充足する場合に、前記使用者に予め定められた第1特典を付与する。
【0099】
具体的に、前記第1付与条件は、前記第1報知情報の出力後に到来する前記第1タイミングで取得される前記第1補正後空気圧が、前記第1基準値を超えること、である。
【0100】
例えば、前記第1特典は、車両1のレンタル料金の減額に用いられる第1クーポンである。
【0101】
具体的に、第1付与処理部65は、前記第1報知情報の出力後に前記第1タイミングが到来した場合に、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であると判定されたタイヤ11各々について、前記第1補正後空気圧が前記第1基準値を超えるか否かを判定する。そして、第1付与処理部65は、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であると判定されたタイヤ11の全部又は一部について、前記第1補正後空気圧が前記第1基準値を超えると判定した場合に、前記使用者に前記第1特典を付与する。
【0102】
例えば、第1付与処理部65は、前記第1クーポンを含む電子メールを、予め管理サーバー4に登録された前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信する。これにより、車両1の運転手によるタイヤ11の空気圧調整をより強く促すことが可能である。
【0103】
なお、前記第1特典は、前記レンタカー事業者により提供されるポイントサービスのポイントであってもよい。この場合、記憶部33には、予め前記使用者が保有する前記ポイントのポイント数を示すポイント情報が格納されていてよい。また、第1付与処理部65は、前記ポイント情報を書き換えることにより、前記使用者に前記ポイントを付与してもよい。また、前記第1特典は、前記第1クーポン、又は前記ポイントに限られず、前記使用者に付与される経済的利益又は権利であればよい。
【0104】
また、本発明の第1実施形態に係るタイヤ空気圧管理システム100では、車両1が前記使用者に貸し出される場合に、タイヤ11の異常を検出することが可能である。
【0105】
具体的に、制御部31は、
図2に示される検出処理部66、及び第3出力処理部67を含む。例えば、制御部31は、前記空気圧管理プログラムを実行することにより、検出処理部66、及び第3出力処理部67として機能する。
【0106】
検出処理部66は、前記第2タイミングで取得される前記第2補正後空気圧、及び当該第2タイミングの直近の前記第1タイミングで取得された前記第1補正後空気圧に基づいて、タイヤ11の異常を検出する。ここで、前記異常は、タイヤ11の空気圧の低下速度に関する異常である。
【0107】
例えば、検出処理部66は、前記第1補正後空気圧及び前記第2補正後空気圧に基づいて取得される空気圧の低下速度が予め定められた第2閾値を超える場合に、前記異常を検出する。ここで、前記第2閾値は、タイヤ11の空気圧の低下速度が、正常なタイヤの空気圧の低下速度よりも速いか否かを判定するための値である。
【0108】
例えば、検出処理部66は、前記第1補正後空気圧と前記第2補正後空気圧との差を、前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの経過時間で除算することにより、前記低下速度を取得する。なお、前記第1補正後空気圧は、データ格納部51から取得可能である。
【0109】
例えば、検出処理部66は、前記第2タイミングが到来した場合に、4つのタイヤ11のそれぞれについて、前記異常の有無を判定する。なお、検出処理部66は、4つのタイヤ11のいずれか一つ又は複数について、前記異常の有無を判定してもよい。
【0110】
第3出力処理部67は、検出処理部66によって前記異常が検出された場合に、その旨を含む第2報知情報を出力する。
【0111】
例えば、前記第2報知情報は、前記低下速度と前記第2閾値との差に基づく前記異常の度合を示す度合情報、及びタイヤ交換が必要である旨のメッセージを含む。また、前記第2報知情報は、前記異常が検出されたタイヤ11の装着位置を示す情報を含む。
【0112】
例えば、前記度合情報は、「1」(最も軽い)から「5」(最も重い)の5段階で、前記異常の度合を示す情報である。前記度合情報の数値は、前記低下速度と前記第2閾値との差が大きいほど高くなる。
【0113】
例えば、第3出力処理部67は、前記第2報知情報とともに、タイヤ11のサイズを示すサイズ情報、及びタイヤ11の種類を示す種類情報を出力する。ここで、前記種類情報は、タイヤ11の製造業者名、及び製品名などの情報である。前記サイズ情報及び前記種類情報は、記憶部33に予め格納されている前記車両情報に含まれる情報である。
【0114】
例えば、第3出力処理部67は、前記第2報知情報、前記サイズ情報、及び前記種類情報を含む電子メールを、予め管理サーバー4に登録された前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信する。これにより、前記使用者による車両1の使用中止、及びタイヤ交換などの対処を促すことが可能である。
【0115】
また、第3出力処理部67は、前記第2報知情報、前記サイズ情報、及び前記種類情報を端末装置3の表示部に出力する。これにより、前記営業所の従業員による車両1の貸出の中止などの対処を促すことが可能である。
【0116】
なお、第3出力処理部67は、前記第2報知情報とともに、前記サイズ情報及び前記種類情報のいずれか一方のみを出力してもよい。また、第3出力処理部67は、前記第2報知情報だけを出力してもよい。また、前記第2報知情報は、前記度合い情報、前記メッセージ、及び前記異常が検出されたタイヤ11の装着位置を示す情報のいずれか一つ又は複数を含んでいなくてもよい。
【0117】
なお、取得処理部61は、前記第1タイミングの到来後に、予め定められた取得周期でタイヤ11の空気圧及び空気温度を取得してもよい。この場合、検出処理部66は、前記第1タイミングで取得された前記第1補正後空気圧、及び当該第1タイミングの到来後に取得されて補正処理部62によって補正される空気圧に基づいて、前記異常を検出してもよい。また、第3出力処理部67は、検出処理部66によって前記異常が検出された場合に、前記第2報知情報を端末装置3の表示部に出力してもよい。
【0118】
[第1空気圧管理処理]
以下、
図3を参照しつつ、タイヤ空気圧管理システム100において管理サーバー4の制御部31により実行される第1空気圧管理処理の手順の一例とともに、本発明のタイヤ空気圧管理方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部31により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0119】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部31は、前記第2タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、ステップS11の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0120】
ここで、制御部31は、前記第2タイミングが到来したと判定すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記第2タイミングが到来していなければ(S11のNo側)、制御部31は、ステップS11で前記第2タイミングの到来を待ち受ける。
【0121】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部31は、タイヤ11各々の空気圧及び空気温度を取得する。ここで、ステップS12の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0122】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部31は、ステップS12で取得されたタイヤ11各々の空気圧を補正する。ここで、ステップS13の処理は、制御部31の補正処理部62により実行される。
【0123】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部31は、タイヤ11各々について、前記異常が検出されたか否かを判定する。ここで、ステップS14の処理は、制御部31の検出処理部66により実行される。
【0124】
具体的に、制御部31は、ステップS13で取得された前記第2補正後空気圧、及び直近の前記第1タイミングで取得された前記第1補正後空気圧に基づいて、タイヤ11の前記異常を検出する。
【0125】
ここで、制御部31は、一つ以上のタイヤ11について、前記異常が検出されたと判定すると(S14のYes側)、処理をステップS17に移行させる。また、4つのタイヤ11のいずれについても、前記異常が検出されていなければ(S14のNo側)、制御部31は、処理をステップS15に移行させる。
【0126】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部31は、タイヤ11各々について、ステップS13で取得された前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であるか否かを判定する。
【0127】
ここで、制御部31は、一つ以上のタイヤ11について、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下であると判定すると(S15のYes側)、処理をステップS16に移行させる。また、4つのタイヤ11のいずれについても、前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下でなければ(S15のNo側)、制御部31は、処理をステップS18に移行させる。
【0128】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部31は、ステップS13で取得された前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下である旨を含む前記第1報知情報を出力する。ここで、ステップS16の処理は、制御部31の第2出力処理部64により実行される。
【0129】
例えば、制御部31は、前記第1報知情報を含む電子メールを、予め管理サーバー4に登録された前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信する。
【0130】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部31は、ステップS14で前記異常が検出された旨を含む前記第2報知情報を出力する。ここで、ステップS17の処理は、制御部31の第3出力処理部67により実行される。
【0131】
例えば、制御部31は、前記第2報知情報、前記サイズ情報、及び前記種類情報を含む電子メールを、予め管理サーバー4に登録された前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信する。また、制御部31は、前記第2報知情報、前記サイズ情報、及び前記種類情報を端末装置3の表示部に出力する。
【0132】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部31は、以下に説明する第1判定情報出力処理を実行する。
【0133】
[第1判定情報出力処理]
次に、
図4を参照しつつ、前記第1空気圧管理処理のステップS18で実行される第1判定情報出力処理の手順の一例について説明する。
【0134】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部31は、前記第1タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、ステップS21の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0135】
ここで、制御部31は、前記第1タイミングが到来したと判定すると(S21のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、前記第1タイミングが到来していなければ(S21のNo側)、制御部31は、ステップS21で前記第1タイミングの到来を待ち受ける。
【0136】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部31は、タイヤ11各々の空気圧及び空気温度を取得する。ここで、ステップS22の処理は、本発明の取得ステップの一例であって、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0137】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部31は、ステップS22で取得されたタイヤ11各々の空気圧を補正する。ここで、ステップS23の処理は、本発明の補正ステップの一例であって、制御部31の補正処理部62により実行される。
【0138】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部31は、タイヤ11各々について前記判定情報を出力する。ここで、ステップS24の処理は、本発明の出力ステップの一例であって、制御部31の第1出力処理部63により実行される。
【0139】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部31は、前記第1付与条件を充足するか否かを判定する。
【0140】
ここで、制御部31は、前記第1付与条件を充足すると判定すると(S25のYes側)、処理をステップS26に移行させる。また、前記第1付与条件を充足しなければ(S25のNo側)、制御部31は、前記第1判定情報出力処理を終了させる。
【0141】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部31は、前記使用者に前記第1特典を付与する。ここで、ステップS26の処理は、制御部31の第1付与処理部65により実行される。
【0142】
このように、タイヤ空気圧管理システム100では、タイヤ11の空気圧及び空気温度が取得されて、当該空気圧が当該空気圧とともに取得された空気温度に基づいて補正される。そして、補正後の空気圧である前記第1補正後空気圧に基づく前記判定情報が端末装置3に出力される。これにより、前記営業所の従業員によるタイヤ11の空気圧の点検作業を不要とすることが可能となる。従って、当該従業員による車両1についての点検作業の作業負担を軽減することが可能である。
【0143】
また、タイヤ空気圧管理システム100では、車両1が前記第1特定範囲内で停止する前記第1タイミングで取得されるタイヤ11の空気圧及び空気温度に基づいて、前記判定情報が出力される。これにより、車両1の点検作業が行われる直前のタイミングの空気圧に基づく前記判定情報を出力することが可能である。従って、タイヤ11の空気圧調整の要否判定の精度を高めることが可能である。
【0144】
また、タイヤ空気圧管理システム100において、前記判定情報には、タイヤ11の空気圧調整が不要である旨の前記第1判定情報、及びタイヤ11の空気圧調整が必要である旨の前記第2判定情報が含まれる。また、前記第1補正後空気圧が前記第1閾値を超える場合に前記第1判定情報が出力され、前記第1閾値以下である場合に前記第2判定情報が出力される。これにより、前記判定情報が単に補正後の空気圧のみを含む構成と比較して、前記営業所の従業員による補正後の空気圧に基づいて空気圧調整の要否を判定する手間を省くことが可能である。
【0145】
また、タイヤ空気圧管理システム100では、車両1が前記第2特定範囲外へ移動する前記第2タイミングで、タイヤ11の空気圧及び空気温度が取得される。そして、前記第2タイミングで取得されて補正された前記第2補正後空気圧が前記第1基準値以下である場合に、その旨を含む前記第1報知情報が前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信される。これにより、前記使用者にタイヤ11の空気圧が前記第1基準値以下である旨を認識させることが可能である。従って、前記使用者によるタイヤ11の空気圧調整を促すことが可能である。
【0146】
また、タイヤ空気圧管理システム100では、前記第1報知情報の出力後に到来する前記第1タイミングで取得される前記第1補正後空気圧が前記第1基準値を超える場合に、前記使用者に前記第1特定が付与される。これにより、前記使用者によるタイヤ11の空気圧調整をより強く促すことが可能である。
【0147】
また、タイヤ空気圧管理システム100では、車両1が前記第2特定範囲外へ移動する前記第2タイミングでタイヤ11の空気圧及び空気温度が取得される。また、前記第2タイミングで取得されて補正された前記第2補正後空気圧及び前記第2タイミングの直近の前記第1タイミングで取得された前記第1補正後空気圧に基づいて、タイヤ11の前記異常が検出される。そして、前記異常が検出された場合に、その旨を含む前記第2報知情報が前記使用者の電子メールアドレス宛て及び端末装置3に出力される。これにより、前記使用者による車両1の使用中止、及びタイヤ交換などの対処を促すことが可能であるとともに、前記営業所の従業員による車両1の貸出の中止などの対処を促すことが可能である。
【0148】
また、タイヤ空気圧管理システム100では、前記第1補正後空気圧及び前記第2補正後空気圧に基づいて取得されるタイヤ11の空気圧の低下速度が前記第2閾値を超える場合に、前記異常が検出される。これにより、タイヤ11の前記異常を精度よく検出可能である。
【0149】
また、タイヤ空気圧管理システム100において、前記第2報知情報には、前記低下速度と前記第2閾値との差に基づく前記異常の度合を示す前記度合情報、及びタイヤ交換が必要である旨のメッセージが含まれる。これにより、前記使用者等に、タイヤ交換が必要である旨、及びその必要性の度合いを明確に認識させることが可能である。従って、前記使用者等によるタイヤ交換などの対処をより強く促すことが可能である。
【0150】
また、タイヤ空気圧管理システム100では、前記第2報知情報とともに、タイヤ11の前記サイズ情報、及びタイヤ11の前記種類情報が出力される。これにより、前記使用者等が交換のための新たなタイヤ11を用意する際に、これまで使用していたタイヤ11のサイズ及び種類を調べる手間を省くことが可能である。
【0151】
また、タイヤ空気圧管理システム100では、第1通信装置2による空気圧検出装置12との通信の成否に基づいて、車両1が前記第1特定範囲内で停止したか否かが判定される。これにより、車両1の位置情報を取得する手段、又は車両1が前記第1特定範囲内で停止したことを検出する手段を別途設けることなく、車両1が前記第1特定範囲内で停止したか否かを判定することが可能である。従って、タイヤ空気圧管理システム100の構成を簡素化させることが可能である。
【0152】
[第2実施形態]
次に、
図5及び
図6を参照しつつ、本発明の第2実施形態に係るタイヤ空気圧管理システム200の構成について説明する。
【0153】
図5に示されるように、タイヤ空気圧管理システム200は、車両1、端末装置3、管理サーバー4、及び第2通信装置5を備える。タイヤ空気圧管理システム200において、管理サーバー4は、前記通信ネットワークにより、第2通信装置5、及び端末装置3と相互に通信可能に接続されている。なお、端末装置3の構成は、タイヤ空気圧管理システム100と同様である。
【0154】
車両1は、
図5に示される車載通信装置13を備える点を除けば、タイヤ空気圧管理システム100の車両1と同様の構成を備える。以下、タイヤ空気圧管理システム100の車両1とは異なる構成についてのみ、説明を行う。
【0155】
車載通信装置13は、空気圧検出装置12から送信される前記検出データを受信する。具体的に、車載通信装置13は、空気圧検出装置12との間で前記第1無線通信規格に従った無線通信を実行して、空気圧検出装置12から送信される前記検出データを受信する。
【0156】
タイヤ空気圧管理システム200において、空気圧検出装置12及び車載通信装置13は、ともに車両1に設けられる。そのため、空気圧検出装置12は、常時車載通信装置13と通信可能である。空気圧検出装置12は、前記実行周期で、前記検出処理及び前記送信処理を実行する。
【0157】
また、車載通信装置13は、車両1の現在位置を示す位置情報を取得する。例えば、車載通信装置13は、GPS衛星から送信される電波を受信可能なGPS受信機を備える。車載通信装置13は、前記GPS受信機によって受信された電波に含まれる情報に基づいて、前記位置情報を取得する。
【0158】
また、車載通信装置13は、受信した前記検出データを第2通信装置5へ送信する。例えば、車載通信装置13は、自装置から予め定められた第2無線通信規格の通信範囲内に存在する第2通信装置5(
図5参照)との間で、前記第2無線通信規格に従った無線通信を実行する。例えば、前記第2無線通信規格は、LTE(登録商標)などである。この場合、車載通信装置13は、数キロメートルの範囲内に存在する第2通信装置5との間で無線通信を実行可能である。なお、前記第2無線通信規格は、LTEとは異なる規格であってもよい。
【0159】
車載通信装置13は、空気圧検出装置12から前記検出データを受信した場合に、受信した前記検出データに第2付加データを付加する。そして、車載通信装置13は、前記第2付加データが付加された前記検出データを第2通信装置5へ送信する。前記第2付加データには、前記位置情報、及び前記検出データの受信日時を示す受信日時情報などが含まれる。
【0160】
また、車載通信装置13は、管理サーバー4から出力される情報の表示に用いられる表示部を備える。
【0161】
第2通信装置5は、車載通信装置13から送信される前記検出データを受信して、受信した前記検出データを管理サーバー4へ送信する。第2通信装置5は、前記営業所内に設けられてもよいし、前記営業所外の任意の位置に設けられてもよい。
【0162】
図5に示されるように、第2通信装置5は、第2アンテナ22を備える。第2アンテナ22は、車載通信装置13との間の無線通信に用いられる。第2通信装置5は、第2アンテナ22から前記第2無線通信規格の通信範囲内に存在する車載通信装置13との間で、前記第2無線通信規格に従った無線通信を実行する。
【0163】
第2通信装置5は、車載通信装置13から前記検出データを受信した場合に、受信した前記検出データを管理サーバー4へ送信する。
【0164】
管理サーバー4は、取得処理部61の処理内容が異なる点、及び
図6に示される第4出力処理部68を含む点を除けば、タイヤ空気圧管理システム100の管理サーバー4と同様の構成を備える。以下、タイヤ空気圧管理システム100の管理サーバー4とは異なる構成についてのみ、説明を行う。
【0165】
取得処理部61は、第2通信装置5から送信される前記検出データに含まれる前記位置情報に基づいて、車両1が前記第1特定範囲内で停止したか否か、及び車両1が前記第2特定範囲外へ移動したか否かを判定する。
【0166】
例えば、タイヤ空気圧管理システム200において、前記第1特定範囲及び前記第2特定範囲は、前記営業所の敷地である。
【0167】
また、取得処理部61は、車両1が前記第1特定範囲外で停止する第3タイミングで、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得する。具体的に、取得処理部61は、第2通信装置5から送信される前記検出データに含まれる前記位置情報に基づいて、車両1が前記第1特定範囲外で停止したか否かを判定する。なお、取得処理部61は、前記第2タイミングから前記第1タイミングまでの間の任意のタイミングで、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得してもよい。例えば、取得処理部61は、車両1の走行中に、タイヤ11の空気圧及び空気温度を取得してもよい。この場合、補正処理部62は、車両1の走行中に取得されたタイヤ11の空気圧及び空気温度に基づいて、当該空気圧を補正してもよい。
【0168】
第4出力処理部68は、前記第1補正後空気圧、前記第2補正後空気圧、及び前記第3タイミングで取得されて補正処理部62によって補正された第3補正後空気圧を含む空気圧データを出力する。
【0169】
例えば、前記空気圧データは、前記第2タイミングから前記第1タイミングまでの間に取得された前記第2補正後空気圧、前記第3補正後空気圧、及び前記第1補正後空気圧に基づいて作成される、前記第2タイミングから前記第1タイミングまでの間のタイヤ11各々の空気圧の推移を示すグラフを含むデータである。なお、前記空気圧データは、車両1の走行中に取得され、補正処理部62によって補正された補正後の空気圧を含んでいてもよい。
【0170】
例えば、第4出力処理部68は、前記第1タイミングが到来した場合に、前記空気圧データを生成する。そして、第4出力処理部68は、生成された前記空気圧データを車載通信装置13の表示部に出力する。また、第4出力処理部68は、前記空気圧データを含む電子メールを、前記使用者の電子メールアドレス宛てに送信してもよい。これにより、前記使用者又は車両1の運転者は、前記空気圧データに基づいて、自身の運転の良否を判定することが可能である。
【0171】
なお、第4出力処理部68は、前記空気圧データに基づいて車両1の運転者による運転の良否を判定し、判定結果を前記空気圧データに付加してもよい。
【0172】
例えば、第4出力処理部68は、前記第2タイミングから前記第1タイミングまで期間を等間隔に分割し、各分割期間における空気圧の減少速度を算出する。そして、第4出力処理部68は、算出された算出速度の数に対する、予め定められた基準速度を超える前記算出速度の数の割合に基づいて、車両1の運転者による運転の良否を判定する。例えば、第4出力処理部68は、車両1の運転者による運転の良否を、「10」(最も良い)から「1」(最も悪い)の10段階で評価する。この場合、第4出力処理部68は、前記割合が低いほど、車両1の運転者による運転の良否を示す評価値を高くする。
【0173】
また、第4出力処理部68は、前記使用者がスマートフォンなどの端末装置を用いて管理サーバー4にログインした場合に、当該端末装置の表示部に前記空気圧データを表示させてもよい。この場合、記憶部33には、前記使用者による管理サーバー4へのログインに用いられる認証情報が予め格納されていればよい。また、管理サーバー4は、前記使用者の端末装置を介して管理サーバー4に前記認証情報が入力された場合に、当該使用者を管理サーバー4にログインさせればよい。なお、前記認証情報は、ユーザー名、及びパスワードなどである。
【0174】
なお、管理サーバー4の第1出力処理部63は、前記判定情報を車載通信装置13の表示部に出力してもよい。また、管理サーバー4の第2出力処理部64は、前記第1報知情報を車載通信装置13の表示部に出力してもよい。また、管理サーバー4の第3出力処理部67は、前記第2報知情報を車載通信装置13の表示部に出力してもよい。また、管理サーバー4の第1出力処理部63は、前記第3タイミングで、前記第3補正後空気圧に基づく前記判定情報を出力してもよい。
【0175】
[第2空気圧管理処理]
以下、
図7を参照しつつ、タイヤ空気圧管理システム200において管理サーバー4の制御部31により実行される第2空気圧管理処理の手順の一例について説明する。
【0176】
前記第2空気圧管理処理は、ステップS18(
図3参照)の処理に替えて、ステップS31(
図7参照)の処理が実行される点を除けば、
図3に示される前記第1空気圧管理処理と処理内容が共通である。以下、前記第1空気圧管理処理とは処理内容が異なる点についてのみ、説明を行う。
【0177】
<ステップS31>
ステップS31において、制御部31は、以下に説明する第2判定情報出力処理を実行する。
【0178】
[第2判定情報出力処理]
次に、
図8を参照しつつ、前記第2空気圧管理処理のステップS31で実行される第2判定情報出力処理の手順の一例について説明する。
【0179】
前記第2判定情報出力処理は、ステップS21(
図4参照)の処理に替えて、ステップS41からステップS44(
図8参照)までの処理が実行される点、及びステップS26(
図4参照)の処理の後にステップS45(
図8参照)の処理が実行される点を除けば、
図4に示される前記第1判定情報出力処理と処理内容が共通である。以下、前記第1判定情報出力処理とは処理内容が異なる点についてのみ、説明を行う。
【0180】
<ステップS41>
ステップS41において、制御部31は、前記第3タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、ステップS41の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0181】
ここで、制御部31は、前記第3タイミングが到来したと判定すると(S41のYes側)、処理をステップS42に移行させる。また、前記第3タイミングが到来していなければ(S41のNo側)、制御部31は、処理をステップS44に移行させる。
【0182】
<ステップS42>
ステップS42において、制御部31は、タイヤ11各々の空気圧及び空気温度を取得する。ここで、ステップS42の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0183】
<ステップS43>
ステップS43において、制御部31は、ステップS42で取得されたタイヤ11各々の空気圧を補正する。ここで、ステップS43の処理は、制御部31の補正処理部62により実行される。
【0184】
<ステップS44>
ステップS44において、制御部31は、前記第1タイミングが到来したか否かを判定する。ここで、ステップS44の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0185】
ここで、制御部31は、前記第1タイミングが到来したと判定すると(S44のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、前記第1タイミングが到来していなければ(S44のNo側)、制御部31は、処理をステップS41に移行させる。
【0186】
<ステップS45>
ステップS45において、制御部31は、前記空気圧データを車載通信装置13の表示部に出力する。ここで、ステップS45の処理は、制御部31の第4出力処理部68により実行される。
【0187】
このように、タイヤ空気圧管理システム200では、車両1が前記第1特定範囲外で停止する前記第3タイミングで、タイヤ11の空気圧及び空気温度が取得される。そして、前記第1補正後空気圧、前記第2補正後空気圧、及び前記第3タイミングで取得されて補正された前記第3補正後空気圧を含む前記空気圧データが車載通信装置13の表示部に出力される。これにより、車両1の運転者における車両1の利用中のタイヤ11の空気圧の推移を知りたいというニーズに応えることが可能である。
【0188】
なお、タイヤ空気圧管理システム200において、車載通信装置13が、管理サーバー4に含まれる各構成を備えていてもよい。この場合、タイヤ空気圧管理システム200は、端末装置3、管理サーバー4、及び第2通信装置5を含んでいなくてよい。
【0189】
[第3実施形態]
次に、
図9及び
図10を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係るタイヤ空気圧管理システム300の構成について説明する。
【0190】
図9に示されるように、タイヤ空気圧管理システム300は、車両1、第1通信装置2、端末装置3、及び管理サーバー4を備える。タイヤ空気圧管理システム300において、管理サーバー4は、前記通信ネットワークにより、第1通信装置2、及び端末装置3と相互に通信可能に接続されている。なお、車両1の構成は、タイヤ空気圧管理システム100と同様である。
【0191】
タイヤ空気圧管理システム300において、第1通信装置2は、前記営業所ではなく、前記レンタカー事業者によって営業されるガソリンスタンド、又はサービスステーションなどの給油所に設けられる。なお、第1通信装置2の構成は、設置位置が異なる点を除けば、タイヤ空気圧管理システム100の第1通信装置2と同様である。
【0192】
また、タイヤ空気圧管理システム300において、端末装置3は、第1通信装置2と同様に、前記給油所に設けられる。なお、端末装置3の構成は、設置位置が異なる点を除けば、タイヤ空気圧管理システム100の端末装置3と同様である。
【0193】
また、タイヤ空気圧管理システム300において、前記第1特定範囲は、前記給油所に対応する範囲である。具体的に、前記第1特定範囲は、前記給油所に設けられた第1通信装置2による前記第1無線通信規格に従った無線通信の通信範囲である。
【0194】
管理サーバー4は、第2出力処理部64、第1付与処理部65、検出処理部66、及び第3出力処理部67を含まない点、及び
図10に示される第2付与処理部69を含む点を除けば、タイヤ空気圧管理システム100の管理サーバー4と同様の構成を備える。以下、タイヤ空気圧管理システム100の管理サーバー4とは異なる構成についてのみ、説明を行う。
【0195】
第2付与処理部69は、前記第1補正後空気圧が予め定められた基準範囲内である場合に、前記使用者に予め定められた第2
特典を付与可能である。ここで、前記基準範囲は、タイヤ11の空気圧が正常であるか否かの判定に用いられる数値範囲である。
【0196】
例えば、前記第2特典は、車両1のレンタル料金、又は前記給油所で提供されるガソリンの代金の減額に用いられる第2クーポンである。なお、前記第2特典は、前記給油所において無料でタイヤ11のパンク修理を受けることが可能なチケットであってもよい。
【0197】
例えば、第2付与処理部69は、前記第1補正後空気圧が前記基準範囲内である場合であって、予め定められた第2付与条件を充足する場合に、前記使用者に前記第2特典を付与する。
【0198】
例えば、前記第2付与条件は、車両1の貸出期間の終了タイミングまでの残り時間が所定時間を切っていること、である。この場合、前記貸出期間は、予め管理サーバー4に登録されていればよい。
【0199】
なお、前記貸出期間が長期である場合、前記第2付与条件は、過去一か月間における前記給油所への来店回数が所定回数に達していること、であってもよい。また、前記第2付与条件は、前記給油所における車両1の滞在時間が所定時間を超えること、を含んでいてもよい。当該所定時間は、車両1に提供されるサービスがガソリンの給油サービスのみであるか否かの判定に用いられる時間である。
【0200】
また、前記第2特典がパンク修理の無料チケットである場合、前記第2付与条件は、その後取得される空気圧に基づいてタイヤ11がパンクしていると判定されること、を含んでいてもよい。この場合、車両1は、車載通信装置13(
図5参照)を備え、随時前記検出データを管理サーバー4に送信可能であってよい。また、タイヤ11がパンクするまでの車両1の走行経路に基づいて車両1が路肩上を走行、又は縁石に接触したと判定される場合には、前記第2特典の付与が不許可とされてもよい。車両1の走行経路は、車載通信装置13から送信される前記検出データに付加された前記位置情報に基づいて取得可能である。また、車両1が路肩上を走行したか否か、又は縁石に接触したか否かの判定は、車両1の走行経路、及び予め記憶部33に格納された地図データに基づいて実行することが可能である。
【0201】
また、第2付与処理部69は、前記第1補正後空気圧が前記基準範囲外であって、車両1が前記第1特定範囲外へ移動する前に取得処理部61によって取得され補正処理部62によって補正された空気圧が前記基準範囲内である場合に、前記使用者に前記第2特典を付与可能である。
【0202】
例えば、第2付与処理部69は、車両1が前記第1特定範囲外へ移動する前に取得処理部61によって取得され補正処理部62によって補正された空気圧が前記基準範囲内である場合であって、予め定められた第3付与条件を充足する場合に、前記使用者に前記第2特典を付与する。
【0203】
例えば、前記第3付与条件は、前記第2付与条件と同じ条件である。なお、前記第3付与条件は、前記第2付与条件とは異なる条件であってもよい。
【0204】
[第3空気圧管理処理]
以下、
図11を参照しつつ、タイヤ空気圧管理システム300において管理サーバー4の制御部31により実行される第3空気圧管理処理の手順の一例について説明する。
【0205】
<ステップS51>
まず、ステップS51において、制御部31は、前記第1タイミングが到来したか否かを判定する。換言すると、制御部31は、車両1が前記給油所に設けられた第1通信装置2による無線通信の通信範囲内で停止したか否かを判定する。ここで、ステップS51の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0206】
ここで、制御部31は、前記第1タイミングが到来したと判定すると(S51のYes側)、処理をステップS52に移行させる。また、前記第1タイミングが到来していなければ(S51のNo側)、制御部31は、ステップS51で前記第1タイミングの到来を待ち受ける。
【0207】
<ステップS52>
ステップS52において、制御部31は、タイヤ11各々の空気圧及び空気温度を取得する。ここで、ステップS52の処理は、制御部31の取得処理部61により実行される。
【0208】
<ステップS53>
ステップS53において、制御部31は、ステップS52で取得されたタイヤ11各々の空気圧を補正する。ここで、ステップS53の処理は、制御部31の補正処理部62により実行される。
【0209】
<ステップS54>
ステップS54において、制御部31は、タイヤ11各々について前記判定情報を出力する。具体的に、制御部31は、前記判定情報を前記給油所に設けられた端末装置3の表示部に出力する。ここで、ステップS54の処理は、制御部31の第1出力処理部63により実行される。
【0210】
<ステップS55>
ステップS55において、制御部31は、4つのタイヤ11の全部について、ステップS53で取得された前記第1補正後空気圧が前記特定範囲内であるか否かを判定する。
【0211】
ここで、制御部31は、4つのタイヤ11の全部について、ステップS53で取得された前記第1補正後空気圧が前記特定範囲内であると判定すると(S55のYes側)、処理をステップS56に移行させる。また、いずれか一つ以上のタイヤ11について、ステップS53で取得された前記第1補正後空気圧が前記特定範囲外であれば(S55のNo側)、制御部31は、処理をステップS57に移行させる。
【0212】
<ステップS56>
ステップS56において、制御部31は、前記第2付与条件を充足したか否かを判定する。
【0213】
ここで、制御部31は、前記第2付与条件を充足したと判定すると(S56のYes側)、処理をステップS59に移行させる。また、前記第2付与条件を充足していなければ(S56のNo側)、制御部31は、処理をステップS51に移行させる。
【0214】
<ステップS57>
ステップS57において、制御部31は、前記第1補正後空気圧が前記特定範囲外であったタイヤ11について、車両1が前記第1特定範囲外へ移動する前に取得されて補正された空気圧が前記基準範囲内であるか否かを判定する。
【0215】
ここで、制御部31は、前記第1補正後空気圧が前記特定範囲外であったタイヤ11について、車両1が前記第1特定範囲外へ移動する前に取得されて補正された空気圧が前記基準範囲内であると判定すると(S57のYes側)、処理をステップS58に移行させる。また、補正後空気圧が前記基準範囲内であると判定される前に、車両1が前記第1特定範囲外へ移動した場合は(S57のNo側)、制御部31は、処理をステップS51に移行させる。
【0216】
<ステップS58>
ステップS58において、制御部31は、前記第3付与条件を充足したか否かを判定する。
【0217】
ここで、制御部31は、前記第3付与条件を充足したと判定すると(S58のYes側)、処理をステップS59に移行させる。また、前記第3付与条件を充足していなければ(S58のNo側)、制御部31は、処理をステップS51に移行させる。
【0218】
<ステップS59>
ステップS59において、制御部31は、前記使用者に前記第2特典を付与する。ここで、ステップS59の処理は、制御部31の第2付与処理部69により実行される。
【0219】
このように、タイヤ空気圧管理システム300では、前記第1補正後空気圧が前記基準範囲内である場合、及び前記第1補正後空気圧が前記基準範囲外であって車両1が前記給油所外へ移動する前に取得されて補正された前記空気圧が前記基準範囲内である場合に、前記使用者に前記第2特典を付与可能である。これにより、前記使用者による前記給油所への来店、及び空気圧調整を促すことが可能である。
【0220】
なお、車両1は、乗用車、又は営業車両のような、貸出車両とは異なる車両であってもよい。この場合、前記第1特定範囲は、車両1の所有者の住所、又は事業所に対応する範囲であってもよい。また、車両1は、自動車に限られず、タイヤ11が装着されるものであればよい。例えば、車両1は、自動二輪車、三輪乗用車、トラック、及びバスなどが含まれてよい。
【解決手段】タイヤ空気圧管理システム100は、車両1に装着されたタイヤ11の空気圧及び空気温度を取得する取得処理部と、前記取得処理部によって取得される前記空気温度と予め定められた基準温度との差に基づいて、当該空気温度とともに取得される前記空気圧を補正する補正処理部と、前記補正処理部による補正後の前記空気圧に基づくタイヤ11の空気圧調整の要否判定に用いられる判定情報を出力する第1出力処理部と、を備える。