(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような点に鑑み、本発明は、高い信頼性と小型化を実現しつつ、製造工程を簡便化できる電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による電源装置は、
第一端子を有する第一組立体と、
第二端子を有する第二組立体と、
前記第一端子が挿入される第一挿入穴及び前記第一挿入穴を取り囲む第一枠体、並びに、前記第二端子が挿入される第二挿入穴及び前記第二挿入穴を取り囲む第二枠体を有するカバー部材と、
を備え、
前記第一端子及び前記第一枠体が第一コネクタを形成し、
前記第二端子及び前記第二枠体が第二コネクタを形成し、
前記カバー部材は、前記第一組立体に対して位置決めするための第一位置決め機構と、前記第二組立体に対して位置決めする第二位置決め機構とを有してもよい。
【0008】
本発明による電源装置において、
前記第一組立体は第一制御端子を有する第一制御基板を有し、
前記第一端子は前記第一制御端子を有し、
前記第一挿入穴は前記第一制御端子が挿入される第一制御端子挿入穴を有し、
前記第一枠体は前記第一制御端子挿入穴を取り囲む第一制御枠体を有し、
前記第二組立体は第二制御端子を有する第二制御基板を有し、
前記第二端子は前記第二制御端子を有し、
前記第二挿入穴は前記第二制御端子が挿入される第二制御端子挿入穴を有し、
前記第二枠体は前記第二制御端子挿入穴を取り囲む第二制御枠体を有してもよい。
【0009】
本発明による電源装置において、
前記第一組立体は第一電流モジュールを有し、
前記第二組立体は第二電流モジュールを有し、
前記第一位置決め機構は前記第一電流モジュールを支持又は挟持する第一位置決め部材を有し、
前記第二位置決め機構は前記第二電流モジュールを支持又は挟持する第二位置決め部材を有してもよい。
【0010】
本発明による電源装置において、
前記第一組立体は第一電流端子を有する第一電流モジュールを有し、
前記第一端子は前記第一電流端子を有し、
前記第一挿入穴は前記第一電流端子が挿入される第一電流端子挿入穴を有し、
前記第一枠体は前記第一電流端子挿入穴を取り囲む第一電流枠体を有し、
前記第二組立体は第二電流端子を有する第二電流モジュールを有し、
前記第二端子は前記第二電流端子を有し、
前記第二挿入穴は前記第二電流端子が挿入される第二電流端子挿入穴を有し、
前記第二枠体は前記第二制御端子挿入穴を取り囲む第二電流枠体を有してもよい。
【0011】
本発明による電源装置において、
前記カバー部材は、長手方向への移動を防止する位置決め爪を有してもよい。
【0012】
本発明による電源装置において、
前記第一枠体の側面には第一取付爪が係合される第一係合部が設けられ、
前記第二枠体の側面には第二取付爪が係合される第二係合部が設けられ、
前記カバー部材には、前記第一係合部から前記第一係合部が設けられた前記第一枠体の側面の法線方向に部材が設けられておらず、
前記カバー部材には、前記第二係合部から前記第二係合部が設けられた前記第二枠体の側面の法線方向に部材が設けられていなくてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、同様の機能を果たすことができる第一組立体及び第二組立体が用いられている。このため、高い信頼性を実現できる。また、第一枠体によって取り囲まれた第一挿入穴に第一端子が挿入されて第一コネクタが形成され、第二枠体によって取り囲まれた第二挿入穴に第二端子が挿入されて第二コネクタが形成される。他方、カバー部材は、第一組立体に対して位置決めするための第一位置決め機構と、第二組立体に対して位置決めする第二位置決め機構とを有している。このため、高い信頼性と小型化を実現しつつ、製造工程を簡便化することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態
《構成》
本実施の形態で「一方側」とは
図2の上方側を意味し、「他方側」とは
図2の下方側を意味する。また、
図2の上下方向(他方から一方に向かう方向及び一方から他方に向かう方向)を「第一方向」とし、
図2の左右方向を「第二方向」とし、
図2の紙面表裏方向を「第三方向」とする。
【0016】
本実施の形態の電源装置は、例えば電動パワーステアリング装置(EPS)に利用されてもよい。電源装置は、モータ等の回転駆動部500(
図7参照)を駆動する駆動電流が通電されるパワー部と、モータ等の回転駆動部500を制御する制御部とを有してもよい。パワー部は、
図2に示すように、後述する第一電流モジュール110及び第二電流モジュール120と、第一パワーモジュール30及び第二パワーモジュール40とを有してもよい。また、制御部は、後述する第一制御基板130及び第二制御基板140を有してもよい。
【0017】
図2に示すように、本実施の形態の電源装置は第一組立体と第二組立体とを有してもよい。第一組立体は、第一パワーモジュール30と、第一パワーモジュール30の一方側に配置され、第一パワーモジュール30に接続されるとともに第一パワーモジュール30を制御する第一制御基板130と、を有してもよい。第二組立体は、第二パワーモジュール40と、第二パワーモジュール40の他方側に配置され、第二パワーモジュール40に接続されるとともに第二パワーモジュール40を制御する第二制御基板140と、を有してもよい。
【0018】
第一組立体は、他方側に第一凹部16を有する第一ヒートシンク10と、少なくとも一部が第一凹部16内に配置され、第一パワーモジュール30と電気的に接続され、第一電流端子116を有する第一電流モジュール110と、を有してもよい。第二組立体は、一方側に第二凹部26を有する第二ヒートシンク20と、少なくとも一部が第二凹部26内に配置され、第二パワーモジュール40と電気的に接続され、第二電流端子126を有する第二電流モジュール120と、を有してもよい。第一パワーモジュール30は第一ヒートシンク10の一方側に配置されてもよい。第二パワーモジュール40は第二ヒートシンク20の他方側に配置されてもよい。
【0019】
図6(a)に示すように、第一電流モジュール110は、第一電流基板111と、第一電流基板111の他方側(
図6(a)の紙面おもて面側、
図2の下方側)に設けられた第一電流装置115とを有し、第二電流モジュール120は、第二電流基板121と、第二電流基板121の一方側(
図6(b)の紙面おもて面側、
図2の上方側)に設けられた第二電流装置125とを有してもよい。
図8に示すように、第一電流基板111の他方側(
図8の下方側)に設けられた第一電流装置115と、第二電流基板121の一方側(
図8の上方側)に設けられた第二電流装置125とは入れ子状に配置され、一方側から他方側に沿った第一方向で重複してもよい。
図8に示すように、第一電流モジュール110は、複数の第一電流装置115を有し、その一部が第一電流基板111の他方側に設けられ、その残部が第一電流基板111の一方側に設けられてもよい。また、第二電流モジュール120は、複数の第二電流装置125を有し、その一部が第二電流基板121の一方側に設けられ、その残部が第二電流基板121の他方側に設けられてもよい。
【0020】
図2の第一電流モジュール110及び第二電流モジュール120の左側には、
図1に示すようなカバー部材300が設けられてもよい。カバー部材300は、第一組立体の第一端子131,116が挿入される第一挿入穴319,358及び第一挿入穴319,358を取り囲む第一枠体310,350を有してもよい。カバー部材300は、第二組立体の第二端子141,126が挿入される第二挿入穴329,359及び第二挿入穴329,359を取り囲む第二枠体320,350を有してもよい。カバー部材300は、これらの部材が設けられたカバー本体301を有してもよい。
【0021】
第一端子131,116及び第一枠体310,350が第一コネクタを形成し、第二端子141,126及び第二枠体320,350が第二コネクタを形成してもよい。
【0022】
第一端子は第一制御基板130の第一制御端子131を有し、第一挿入穴は第一制御端子131が挿入される第一制御端子挿入穴319を有し、第一枠体は第一制御端子挿入穴319を取り囲む第一制御枠体310を有してもよい。第二端子は、第二制御基板140の第二制御端子141を有し、第二挿入穴は第二制御端子141が挿入される第二制御端子挿入穴329を有し、第二枠体は第二制御端子挿入穴329を取り囲む第二制御枠体320を有してもよい。
【0023】
第一端子は第一電流端子116を有し、第一挿入穴は第一電流端子116が挿入される第一電流端子挿入穴358を有し、第一枠体は第一電流端子挿入穴358を取り囲む第一電流枠体350を有してもよい。第二端子は第二電流端子126を有し、第二挿入穴は第二電流端子126が挿入される第二電流端子挿入穴359を有し、第二枠体は第二制御端子挿入穴329を取り囲む第二電流枠体350を有してもよい。
【0024】
カバー部材300は、第一組立体に対して位置決めするための第一位置決め機構と、第二組立体に対して位置決めする第二位置決め機構とを有してよい。
図3及び
図4に示すように、第一位置決め機構は、第一電流基板111の面を支持又は挟持する第一位置決め部材360を有してもよい。第二位置決め機構は、第二電流基板121の面を支持又は挟持する第二位置決め部材370を有してもよい。
【0025】
カバー部材300は、長手方向(第二方向)への移動を防止する位置決め爪361,371を有してもよい。より具体的には、第一位置決め部材360は第一電流基板111の第一突出爪112と嵌合する第一位置決め爪361を有してもよい。第二位置決め部材370は第二電流基板121の第二突出爪122と嵌合する第二位置決め爪371を有してもよい。
【0026】
図1に示すように、第一電流枠体と第二電流枠体とは同じ枠体350から構成されてもよい。これに限られることはなく、第一電流枠体と第二電流枠体とは別の枠体から構成されてもよい。
図1に示すように、第一制御枠体310と第二制御枠体320とは別の枠体から構成されてもよい。これに限られることはなく、第一制御枠体と第二制御枠体とは同じ枠体から構成されてもよい。
【0027】
第一枠体310,350の側面に図示しない第一取付爪が係合される第一係合部が設けられ、第二枠体320,350の側面に図示しない第二取付爪が係合される第二係合部が設けられてもよい。そして、第一係合部から第一係合部が設けられた第一枠体310,350の側面の法線方向には部材が設けられておらず、第二係合部から第二係合部が設けられた第二枠体320,350の側面の法線方向には部材が設けられなくてもよい。
図1に示す態様では、第一制御枠体310の側面に第一取付爪が係合される第一係合部311が設けられ、第二制御枠体320の側面に第二取付爪が係合される第二係合部321が設けられている。そして、平面視したカバー本体301の範囲内において、第一係合部311から第一係合部311が設けられた第一制御枠体310の側面(
図1の下側側面)の法線方向には部材が設けられておらず、第二係合部321から第二係合部321が設けられた第二制御枠体320の側面(
図1の上側側面)の法線方向には部材が設けられていない。
【0028】
図2に示すように、第一パワーモジュール30と第一制御基板130との間に第一放熱部50が配置されてもよい。より具体的には、第一パワーモジュール30の一方側であって第一制御基板130の他方側に第一放熱部50が設けられてもよい。また、第二パワーモジュール40と第二制御基板140との間に第二放熱部60が配置されてもよい。より具体的には、第二パワーモジュール40の他方側であって第二制御基板140の一方側に第二放熱部60が設けられてもよい。第一放熱部50及び第二放熱部60は板形状からなってもよく、第一放熱部50が第一放熱板で構成され、第二放熱部60が第二放熱板で構成されてもよい。
【0029】
図2に示すように、第一ヒートシンク10の他方側と第二ヒートシンク20の一方側とは互いに対向して配置されてもよい。第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20の
図2の右側には自動車、二輪等の乗り物で利用されるモータ等の回転駆動部500が配置されてもよい(
図7参照)。そして、第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20の回転駆動部500側(
図2の右側)に、回転駆動部500の回転位置に関する情報を取得する位置検出基板150が設けられてもよい。
【0030】
第一ヒートシンク10は、他方側に突出した第一突出部11を有し、第二ヒートシンク20は、一方側に突出した第二突出部21を有してもよい。第一突出部11の他方側の面は平坦面となり、第二突出部21の一方側の面は平坦面となってもよい(
図6参照)。第一突出部11の他方側の平坦面と第二突出部の一方側の平坦面が面で当接してもよい。
【0031】
図2に示すように、第一突出部11の一方側には第一パワーモジュール30の一部が設けられ(
図10(a)参照)、第二突出部21の他方側には第二パワーモジュール40の一部が設けられてもよい(
図10(b)参照)。
【0032】
第一パワーモジュール30は、第一制御基板130側及び第一電流モジュール110側に延び、第一制御基板130及び第一電流モジュール110と電気的に接続された第一モジュール端子31を有してもよい。第二パワーモジュール40は、第二制御基板140側及び第二電流モジュール120側に延び、第二制御基板140及び第二電流モジュール120と電気的接続された第二モジュール端子41を有してもよい。
【0033】
図2に示すように、第一電流モジュール110は、爪部材のような第一電流モジュール固定部材119によって、第一制御基板130に対して固定されてもよい。同様に、第二電流モジュール120は、爪部材のような第二電流モジュール固定部材129によって、第二制御基板140に対して固定されてもよい。
図2に示す態様において、紙面裏面側にもう一つの第一電流モジュール固定部材119が設けられてもよい(
図8参照)。この場合には、一対の第一電流モジュール固定部材119によって第一制御基板130が挟持されることで、第一電流モジュール固定部材119が第一制御基板130に対して固定されることになる。同様に、
図2に示す態様において、紙面裏面側にもう一つの第二電流モジュール固定部材129が設けられてもよい(
図8参照)。この場合には、一対の第二電流モジュール固定部材129によって第二制御基板140が挟持されることで、第二電流モジュール固定部材129が第二制御基板140に対して固定されることになる。
【0034】
図6に示す第一電流基板111は低熱伝導性材料からなってもよい。同様に、第二電流基板121は低熱伝導性材料からなってもよい。低熱伝導性材料としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等を用いることができる。
【0035】
図5に示すように、第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20のいずれか1つだけに位置検出基板150の位置を位置決めする位置決め部が設けられてもよい。位置決め部は2つ以上の位置決め突出部(位置決めピン)を有し、位置検出基板150は位置決め突出部が間隙なく挿入される位置決め穴を有してもよい。
図5に示す態様では、位置検出基板150は位置検出本体板154を有し、この位置検出本体板154に、位置決め突出部29が挿入される一対の位置決め穴152が設けられている。
図5及び
図6に示す態様では、第二ヒートシンク20の回転駆動部500側の面に一対の位置決め突出部29が設けられているが、これに限られることはなく、第一ヒートシンク10の回転駆動部500側の面に一対の位置決め突出部又は3つ以上の位置決め突出部が設けられてもよい。なお、「間隙なく」という文言は実質的に間隙がないことを意味し、微小な間隙が存在する態様は「間隙なく」という態様に含まれていることには留意が必要である。
【0036】
位置検出基板150は面方向(
図5の紙面方向)の中心位置に位置検出素子151を有してもよい。この位置検出素子151によって、モータ等の回転駆動部500の回転位置を検出することができる。
【0037】
位置検出基板150は第一ヒートシンク10の回転駆動部500側の面及び第二ヒートシンク20の回転駆動部500側の各々の面に対して固定されてもよい。この態様では、
図5に示すように位置検出本体板154にネジ等の締結部材を挿入するための締結穴153が設けられてもよい。このような締結穴153と締結部材とでは一定程度の「遊び」が設けられており、正確な位置決めを行うことはできないことには留意が必要である。
【0038】
図2に示すように、第一制御基板130と位置検出基板150は第一制御基板130の回転駆動部500側の端部で互いに隣接して配置され、第二制御基板140と位置検出基板150は第二制御基板140の回転駆動部500側の端部で互いに隣接して配置されてもよい。ここで「隣接」とは、間隙なく配置される態様又は一定距離以下(例えば1cm以下又は数ミリ以下)の間隙をもって配置される態様を意味する。
図2に示す態様では、第一制御基板130及び第二制御基板140の回転駆動部500側の端部に隣接して、位置検出基板150の径方向における周縁部が位置する構成となっている。
【0039】
側面(第三方向)において、第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20は露出してもよい。より具体的には、第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20の
図2の紙面のおもて面及び裏面側には制御基板や位置検出基板150等が設けられていない態様を採用してもよい。
【0040】
図6に示すように、第一ヒートシンク10は他方側に突出した第一位置決め突出部(例えば位置決めピン)18aのような第一位置決め部材を有し、第二ヒートシンク20は一方側に突出した第二位置決め突出部(例えば位置決めピン)28aのような第二位置決め部材を有してもよい。そして、第一ヒートシンク10は第二位置決め突出部28aが間隙なく挿入される第一位置決め孔18を有し、第二ヒートシンク20は第一位置決め突出部18aが間隙なく挿入される第二位置決め孔28を有してもよい。より具体的には、第一位置決め突出部18aは第一ヒートシンク10の平坦面から他方側に突出し、第二位置決め突出部28aは第二ヒートシンク20の平坦面から一方側に突出してもよい。そして、第一位置決め孔18は第二ヒートシンク20の平坦面に設けられ、第二位置決め孔28は第一ヒートシンク10の平坦面に設けられてもよい。なお、「間隙なく」という文言は実質的に間隙がないことを意味し、微小な間隙が存在する態様は「間隙なく」という態様に含まれていることには留意が必要である。
【0041】
第一制御基板130及び第二制御基板140は、回転駆動部500側の端部(
図2の右側端部)で位置検出基板150に対して固定されてもよい。より具体的には、第一制御基板130の第一制御固定部139が位置検出基板150に設けられた固定穴159(
図5参照)に挿入されることで第一制御基板130が位置検出基板150に対して固定され、第二制御基板140の第二制御固定部149が位置検出基板150に設けられた固定穴159(
図5参照)に挿入されることで第二制御基板140が位置検出基板150に対して固定されてもよい。
【0042】
図6に示すように、第一突出部11の他方側端部(例えば平坦面)は、回転駆動部500側と反対側(
図6の左側)で第一切欠き11aを有してもよい。第二突出部21の一方側端部(例えば平坦面)は、回転駆動部500側と反対側で第二切欠き21aを有してもよい。この場合には、第一切欠き11a内に第一電流装置115が設けられ、第二切欠き21a内に第二電流装置125が設けられてもよい。
図6に示す態様では、第一突出部11が第一切欠き11aを有し、この第一切欠き11a内にチョークコイルのような第一電流装置115が設けられており、第二突出部21が第二切欠き21aを有し、この第二切欠き21a内にチョークコイルのような第二電流装置125が設けられている。
【0043】
第一電流装置115及び第二電流装置125は、前述したチョークコイルの他に、コンデンサ、パワーコネクタ等を含んでもよい。コンデンサは例えば、第二方向に沿って延在するように配置されてもよい(
図6及び
図8参照)。
【0044】
図6(a)において、第一ヒートシンク10は反転されて、
図6(a)における第一ヒートシンク10の上側の辺が、
図6(b)における第二ヒートシンク20の下側の辺に合わされて、
図2のような態様になる。なお、第一突出部11及び第二突出部21にはネジ等の締結部材15(
図2参照)を挿入するための締結孔17,27が設けられてもよいが、このような締結孔17,27と締結部材とでは一定程度の「遊び」が設けられており、正確な位置決めを行うことはできない。
【0045】
第一ヒートシンク10は、第一突出部11の回転駆動部500側と反対側(
図2の左側)に第一延在部12を有し、第二ヒートシンク20は、第二突出部21の回転駆動部500側と反対側に第二延在部22を有してもよい。第一延在部12の他方側の面は平坦面となっており、第二延在部22の一方側の面は平坦面となっていてもよい。第一延在部12の他方側の平坦面と第二延在部22の一方側の平坦面とは当接してもよい。第一延在部12及び第二延在部22内にはネジ等の締結部材15を挿入するための締結孔が設けられてもよく、締結孔に締結部材15が挿入されることで、第一ヒートシンク10が第二ヒートシンク20に対して固定されてもよい。
図2では第一延在部12に挿入された締結部材15が示されているが、
図2の紙面裏側では、第二延在部22に締結部材が挿入されている。
【0046】
図2に示すように、第一制御基板130の他方側には一つ以上の第一制御素子135が設けられてもよい。そして、この第一制御素子135と第一放熱部50とが接触し、第一制御素子135からの発熱を第一放熱部50によって放熱させるようにしてもよい。第二制御基板140の一方側には一つ以上の第二制御素子145が設けられてもよい。この第二制御素子145と第二放熱部60とが接触し、第二制御素子145からの発熱を第二放熱部60によって放熱させるようにしてもよい。
【0047】
ヒートシンク10,20とパワーモジュール30,40が接触する態様には、放熱シート、放熱絶縁シート、放熱グリス、放熱絶縁グリス等の第三部材又は第三材料を介在させて接触する態様も含まれている。同様に、放熱部50,60とパワーモジュール30,40又は制御素子135,145が接触する態様には、放熱シート、絶縁シート、放熱絶縁シート、放熱グリス、放熱絶縁グリス等の第三部材又は第三材料を介在させて接触する態様も含まれている。
【0048】
図2に示すように、第一電流モジュール110は、第一モジュール端子31を介して第一パワーモジュール30と電気的に接続され、第一電流端子116を介して第一制御基板130と電気的に接続されている。第二電流モジュール120は、第二モジュール端子41を介して第二パワーモジュール40と電気的に接続され、第二電流端子126を介して第二制御基板140と電気的に接続されている。
【0049】
図9(a)に示すように、第一パワーモジュール30は、積層した半導体素子等からなる電子素子を有するスタック構造となってもよい。つまり、第一パワーモジュール30は、第一ヒートシンク側電子素子36と、第一ヒートシンク側電子素子36の一方側に配置された第一放熱部側電子素子37と、を有してもよい。
図9(b)に示すように、第二パワーモジュール40も、積層した半導体素子等からなる電子素子を有するスタック構造となってもよい。つまり、第二パワーモジュール40は、第二ヒートシンク側電子素子46と、第二ヒートシンク側電子素子46の他方側に配置された第二放熱部側電子素子47と、を有してもよい。このような態様を採用する場合には、第一ヒートシンク側電子素子36による総発熱量が第一放熱部側電子素子37による総発熱量よりも大きくなってもよい。また、第二ヒートシンク側電子素子46による総発熱量が第二放熱部側電子素子47による総発熱量よりも大きくなってもよい。
【0050】
図9(a)に示す第一パワーモジュール30は、第一ヒートシンク側基板32aと、第一ヒートシンク側基板32aに設けられた第一ヒートシンク側導体層33aと、第一放熱部側基板32bと、第一放熱部側基板32bに設けられた第一放熱部側導体層33bと、第一ヒートシンク側電子素子36と第一放熱部側電子素子37の間に設けられた第一接続体39とを有している。
図9(a)に示すような態様に限られることはなく、例えば第一接続体39の
図9(a)上側に第一放熱部側導体層33bが設けられ、第一放熱部側導体層33bの
図9(a)上側に第一放熱部側電子素子37が設けられる態様を採用してもよい。
図9(b)に示す第二パワーモジュール40は、第二ヒートシンク側基板42aと、第二ヒートシンク側基板42aに設けられた第二ヒートシンク側導体層43aと、第二放熱部側基板42bと、第二放熱部側基板42bに設けられた第二放熱部側導体層43bと、第二ヒートシンク側電子素子46と第二放熱部側電子素子47の間に設けられた第二接続体49とを有している。
図9(b)に示すような態様に限られることはなく、例えば第二接続体49の
図9(b)下側に第二放熱部側導体層43bが設けられ、第二放熱部側導体層43bの
図9(b)下側に第二放熱部側電子素子47が設けられる態様を採用してもよい。
【0051】
第一パワーモジュール30は
図9に示すようなスタック構造とならなくてもよく、同様に第二パワーモジュール40はスタック構造とならなくてもよい。他方、第一パワーモジュール30がスタック構造となる場合には、第一電子素子38の各々が第一ヒートシンク側電子素子36又は第一放熱部側電子素子37となり、第二パワーモジュール40がスタック構造となる場合には、第二電子素子48の各々が第二ヒートシンク側電子素子46又は第二放熱部側電子素子47となってもよい。
【0052】
図2に示すような態様はあくまでも一例であり、例えば
図11に示すように、位置検出基板150、放熱部50,60、電流モジュール110,120等が設けられていなくてもよい。
【0053】
《作用・効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による作用・効果の一例について説明する。なお、「作用・効果」で説明するあらゆる態様を、上記構成で採用することができる。
【0054】
本実施の形態において、同様の機能を果たすことができる第一組立体及び第二組立体が用いられる態様を採用した場合には、一方の組立体で不都合があったとしても他方の組立体で補完機能を果たすことができるので、高い信頼性を実現できる。
【0055】
また、第一ヒートシンク10と第二ヒートシンク20とが別体となっている態様を採用した場合には、第一組立体及び第二組立体のいずれか一方で発熱が生じたとしても、他方への影響を低減することができる。
【0056】
本実施の形態において、第一枠体310,350によって取り囲まれた第一挿入穴319,358に第一端子131,116が挿入されて第一コネクタが形成され、第二枠体320,350によって取り囲まれた第二挿入穴329,359に第二端子141,126が挿入されて第二コネクタが形成され(
図1参照)、カバー部材300は、第一組立体に対して位置決めするための第一位置決め部材360等の第一位置決め機構と、第二組立体に対して位置決めする第二位置決め部材370等の第二位置決め機構とを有している態様を採用した場合には(
図3及び
図4参照)、高い信頼性と小型化を実現しつつ、製造工程を簡便化することができる。
【0057】
図3及び
図4に示すように、第一電流基板111の面を支持する第一位置決め部材360が設けられている態様を採用した場合には、第一電流基板111の面に対してカバー部材300を位置決めすることができ有益である。また、第二電流基板121の面を支持する第二位置決め部材370が設けられている態様を採用した場合には、第二電流基板121の面に対してカバー部材300を位置決めすることができ有益である。第一位置決め部材360及び第二位置決め部材370の各々は可撓性を有していてもよい。
【0058】
第一位置決め部材360が支持する第一電流基板111の面と第二位置決め部材370が支持する第二電流基板121の面とが逆方向の面であってもよい。例えば、
図3に示すように、第一位置決め部材360が第一電流基板111の一方側の面を支持する場合には、第二位置決め部材370は第二電流基板121の他方側の面を支持してもよい。逆に、
図4に示すように、第一位置決め部材360が第一電流基板111の他方側の面を支持する場合には、第二位置決め部材370は第二電流基板121の一方側の面を支持してもよい。これらの態様を採用した場合には、第一位置決め部材360と第二位置決め部材370の両方によって、第一方向に沿った位置決めを行うことができる。特に、
図3に示すように、第一位置決め部材360が第一電流基板111の一方側の面を支持し、第二位置決め部材370が第二電流基板121の他方側の面を支持する場合には、第一位置決め部材360及び第二位置決め部材370によって、電流モジュールを挟持することができ、より簡易に位置決めができる点で有益である。
【0059】
第一位置決め部材360は第一電流基板111の両面を挟持する態様であってもよい。同様に、第二位置決め部材370は第二電流基板121の両面を挟持する態様であってもよい。このような態様を採用した場合には、第一位置決め部材360を第一電流基板111に対してより正確に位置決めすることができ、第二位置決め部材370を第二電流基板121に対してより正確に位置決めすることができる点で有益である。
【0060】
図1に示すように、第一端子が第一制御端子131を有し、第一挿入穴が第一制御端子挿入穴319を有し、第一枠体が第一制御枠体310を有する態様を採用した場合には、第一制御端子131に関して第一コネクタを生成することができる。同様に、第二端子が第二制御端子141を有し、第二挿入穴が第二制御端子挿入穴329を有し、第二枠体が第二制御枠体320を有する態様を採用した場合には、第二制御端子141に関して第二コネクタを生成することができる。
【0061】
また、第一端子が第一電流端子116を有し、第一挿入穴が第一電流端子挿入穴358を有し、第一枠体が第一電流枠体350を有する態様を採用した場合には、第一電流端子116に関して第一コネクタを生成することができる。同様に、第二端子が第二電流端子126を有し、第二挿入穴が第二電流端子挿入穴359を有し、第二枠体が第二電流枠体350を有する態様を採用した場合には、第二電流端子126に関して第二コネクタを生成することができる。
【0062】
図3及び
図4に示すように、カバー部材300が長手方向(第二方向)への移動を防止する位置決め爪361,371を有する場合には、カバー部材300の移動を防止できる点で有益である。一例として、第一位置決め部材360が第一電流基板111の第一突出爪112と嵌合する第一位置決め爪361を有する態様を採用した場合には、第一位置決め部材360によって第一方向及び第二方向の両方向での位置決めを行うことができる点で有益である。同様に、第二位置決め部材370が第二電流基板121の第二突出爪122と嵌合する第二位置決め爪371を有する態様を採用した場合には、第二位置決め部材370によって第一方向及び第二方向の両方向での位置決めを行うことができる点で有益である。
【0063】
第一枠体310,350の側面に第一取付爪が係合される第一係合部が設けられ、第二枠体320,350の側面に第二取付爪が係合される第二係合部が設けられ、第一係合部から第一枠体310,350の側面の法線方向には部材が設けられておらず、第二係合部から第二枠体320,350の側面の法線方向には部材が設けられない態様を採用した場合には、第一取付爪を第一係合部から取り外す際及び第二取付爪を第二係合部から取り外す際の障害物がなく、作業効率性を高めることができる点で有益である。一例として、
図1に示すように、平面視したカバー本体301の範囲内において、第一係合部311から第一係合部311が設けられた第一制御枠体310の側面(
図1の下側側面)の法線方向には部材が設けられておらず、第二係合部321から第二係合部321が設けられた第二制御枠体320の側面(
図1の上側側面)の法線方向には部材が設けられていない態様を採用した場合には、第一取付爪を第一係合部311から取り外す際及び第二取付爪を第二係合部321から取り外す際の障害物がなく、作業効率性を高めることができる点で有益である。
【0064】
図6に示すように、第一ヒートシンク10が他方側に突出した第一位置決め突出部18aのような第一位置決め部材を有し、第二ヒートシンク20が一方側に突出した第二位置決め突出部28aのような第二位置決め部材を有し、第一ヒートシンク10が第二位置決め突出部28aが間隙なく挿入される第一位置決め孔18を有し、第二ヒートシンク20が第一位置決め突出部18aが間隙なく挿入される第二位置決め孔28を有する態様によれば、第一ヒートシンク10と第二ヒートシンク20との間の相対的な位置を正確に位置決めすることができる。第一ヒートシンク10と第二ヒートシンク20との間の相対的な位置を正確に位置決めすることができれば、モジュール端子31,41を介してヒートシンク10,20に配置されたパワーモジュール30,40に接続される第一制御基板130及び第二制御基板140の位置を正確に位置決めすることができ、さらには、第一制御基板130及び第二制御基板140に対して電流モジュール固定部材119,129を介して固定される第一電流モジュール110及び第二電流モジュール120の位置を正確に位置決めすることができるようになる(
図2参照)。この結果、第一位置決め部材360及び第二位置決め部材370によってカバー部材300を正確に位置決めすることができ、ひいては、第一端子131,116を第一挿入穴319,358内により確実に挿入させて、第一コネクタを生成することができ、また、第二端子141,126を第二挿入穴329,359内により確実に挿入させて、第二コネクタを生成することができるようになる点で有益である。
【0065】
また、
図5及び
図6に示すように、第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20のいずれか1つだけに位置検出基板150の位置を位置決めする位置決め突出部29が設けられる態様を採用した場合には、第一ヒートシンク10及び第二ヒートシンク20のいずれか1つだけを基準として位置検出基板150の位置を位置決めすることができる。位置検出基板150の位置がずれてしまうとモータ等の回転駆動部500の回転位置を正確に測定できない可能性があることから、位置検出基板150の位置を正確に位置決めできる点は非常に有益である。また、位置検出基板150の位置が正確に位置決めされると、位置検出基板150に制御固定部139、149を介して固定される第一制御基板130及び第二制御基板140の位置を正確に位置決めすることができ、さらには、第一制御基板130及び第二制御基板140に対して電流モジュール固定部材119,129を介して固定される第一電流モジュール110及び第二電流モジュール120の位置を正確に位置決めすることができるようになる(
図2参照)。この結果、第一位置決め部材360及び第二位置決め部材370によってカバー部材300を正確に位置決めすることができ、ひいては、第一端子131,116を第一挿入穴319,358内により確実に挿入させて、第一コネクタを生成することができ、また、第二端子141,126を第二挿入穴329,359内により確実に挿入させて、第二コネクタを生成することができるようになる点で有益である。
【0066】
上述した実施の形態の記載及び図面の開示は、請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。また、出願当初の請求項の記載はあくまでも一例であり、明細書、図面等の記載に基づき、請求項の記載を適宜変更することもできる。