特許第6889063号(P6889063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6889063候補物件の適性評価装置、適性評価方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6889063
(24)【登録日】2021年5月24日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】候補物件の適性評価装置、適性評価方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20210607BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20210607BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20210607BHJP
【FI】
   G06Q50/16
   G06Q30/06 312
   G06Q30/02 310
   G06Q30/02 312
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-151415(P2017-151415)
(22)【出願日】2017年8月4日
(65)【公開番号】特開2019-32575(P2019-32575A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2020年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】500032637
【氏名又は名称】株式会社オークローンマーケティング
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(74)【代理人】
【識別番号】100188411
【弁理士】
【氏名又は名称】阪下 典子
(72)【発明者】
【氏名】木田 浩理
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−324160(JP,A)
【文献】 特開2009−301270(JP,A)
【文献】 特開2001−125955(JP,A)
【文献】 特開2004−21611(JP,A)
【文献】 特開2012−221354(JP,A)
【文献】 特開2002−77971(JP,A)
【文献】 特開2016−173692(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0084118(US,A1)
【文献】 特開2015−172856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16H 10/00−80/00
G06F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物件の位置情報と、該物件の物件識別情報と、が関連付けられた物件情報を格納する物件情報データベースと、
移動体端末の位置情報と、該移動体端末を有するユーザのユーザ属性情報と、が関連付けられたユーザ情報を格納するユーザ情報データベースと、
業種と、該業種に適した顧客特性情報であって、前記ユーザ属性情報に含まれる一又は複数の顧客特性情報と、が関連付けられた業種別顧客特性情報を格納する業種別顧客特性情報データベースと、
新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する希望条件指定部と、
前記物件情報データベースから、前記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する候補物件抽出部と、
前記抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する対象範囲決定部と、
前記ユーザ情報データベースから、前記決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有するユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定するポテンシャル顧客特定部と、
前記特定されたポテンシャル顧客情報に基づいて、前記抽出された候補物件の前記指定された希望業種に対する適性を評価する適性評価部と、
を備える、候補物件の適性評価装置。
【請求項2】
前記ポテンシャル顧客特定部は、前記移動体端末の位置情報に基づき、所定期間における前記決定された対象範囲内に位置した時間が所定閾値以上であるとき、前記ユーザ情報を前記ポテンシャル顧客情報として特定する、
請求項1に記載の適性評価装置。
【請求項3】
前記新規店舗の競合店舗であって、前記抽出された候補物件の周辺に位置する競合店舗を特定する競合店舗特定部と、
前記ユーザ情報データベースから、前記特定された競合店舗を利用するユーザ情報を、競合ユーザ情報として抽出する競合ユーザ特定部と、
前記特定された競合ユーザ情報のうち、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合を算出する割合算出部と、を備え、
前記適性評価部は、前記算出された割合に基づいて、前記抽出された候補物件の前記適性を評価する、
請求項1又は請求項2に記載の適性評価装置。
【請求項4】
候補物件の適性評価装置が実行する候補物件の適性評価方法であって、前記適性評価装置は、
物件の位置情報と、該物件の物件識別情報と、が関連付けられた物件情報を格納する物件情報データベースと、
移動体端末の位置情報と、該移動体端末を有するユーザのユーザ属性情報と、が関連付けられたユーザ情報を格納するユーザ情報データベースと、
業種と、該業種に適した顧客特性情報であって、前記ユーザ属性情報に含まれる一又は複数の顧客特性情報と、が関連付けられた業種別顧客特性情報を格納する業種別顧客特性情報データベースと、
を備え、
前記適性評価装置が、
新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する希望条件指定ステップと、
前記物件情報データベースから、前記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する候補物件抽出ステップと、
前記抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する対象範囲決定ステップと、
前記ユーザ情報データベースから、前記決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有するユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定するポテンシャル顧客特定ステップと、
前記特定されたポテンシャル顧客情報に基づいて、前記抽出された候補物件の前記指定された希望業種に対する適性を評価する適性評価ステップと、
を備える、候補物件の適性評価方法。
【請求項5】
前記ポテンシャル顧客特定ステップでは、前記移動体端末の位置情報に基づき、所定期間における前記決定された対象範囲内に位置した時間が所定閾値以上であるとき、前記ユーザ情報を前記ポテンシャル顧客情報として特定する、
請求項4に記載の適性評価方法。
【請求項6】
前記適性評価装置が、
前記新規店舗の競合店舗であって、前記抽出された候補物件の周辺に位置する競合店舗を特定する競合店舗特定ステップと、
前記ユーザ情報データベースから、前記特定された競合店舗を利用するユーザ情報を、競合ユーザ情報として抽出する競合ユーザ特定ステップと、
前記特定された競合ユーザ情報のうち、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合を算出する割合算出ステップと、を備え、
前記適性評価ステップでは、前記算出された割合に基づいて、前記抽出された候補物件の前記適性を評価する、
請求項4又は請求項5に記載の適性評価方法。
【請求項7】
候補物件の適性評価を行うためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
物件の位置情報と、該物件の物件識別情報と、が関連付けられた物件情報を格納する物件情報データベースと、
移動体端末の位置情報と、該移動体端末を有するユーザのユーザ属性情報と、が関連付けられたユーザ情報を格納するユーザ情報データベースと、
業種と、該業種に適した顧客特性情報であって、前記ユーザ属性情報に含まれる一又は複数の顧客特性情報と、が関連付けられた業種別顧客特性情報を格納する業種別顧客特性情報データベースと、
新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する希望条件指定手段と、
前記物件情報データベースから、前記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する候補物件抽出手段と、
前記抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する対象範囲決定手段と、
前記ユーザ情報データベースから、前記決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有するユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定するポテンシャル顧客特定手段と、
前記特定されたポテンシャル顧客情報に基づいて、前記抽出された候補物件の前記指定された希望業種に対する適性を評価する適性評価手段、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項8】
前記ポテンシャル顧客特定手段は、前記移動体端末の位置情報に基づき、所定期間における前記決定された対象範囲内に位置した時間が所定閾値以上であるとき、前記ユーザ情報を前記ポテンシャル顧客情報として特定する、
請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、更に、
前記新規店舗の競合店舗であって、前記抽出された候補物件の周辺に位置する競合店舗を特定する競合店舗特定手段と、
前記ユーザ情報データベースから、前記特定された競合店舗を利用するユーザ情報を、競合ユーザ情報として抽出する競合ユーザ特定手段と、
前記特定された競合ユーザ情報のうち、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合を算出する割合算出手段、として機能させ、
前記適性評価手段は、前記算出された割合に基づいて、前記抽出された候補物件の前記適性を評価する、
請求項7又は請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記録する記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、候補物件の適性評価装置、適性評価方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ある業種に属する出店ユーザにとって、新規店舗を出店する際に当該出店を希望する領域内の複数の空き物件のうちいずれの物件を選択するかは、その後の集客に影響を及ぼしかねない非常に重要な課題である。
特許文献1には、店舗を出店する側のユーザと土地を提供する側のユーザとの間で情報の仲介を行うべく、出店側のユーザから得た店舗の商業上の属性データ及びその店舗を出店することに関する希望データ、並びに土地提供側のユーザから得た土地のデータを記憶する手段と、商業上利用する地域のデータを記憶する地域データ記憶手段と、を備え、希望データ及び土地のデータに基づいて、店舗と土地の組み合わせの候補を決定し、決定された候補に対応する希望データ及び土地のデータに基づいて、その土地の周辺地域のデータを当該地域データ記憶手段から抽出し、その候補に対応する属性データ及びその候補に対して抽出された周辺地域のデータに基づいて、その候補について商業的価値を評価し、当該評価の結果に基づいて、出店側のユーザに紹介する土地の情報、又は土地提供側のユーザに紹介する店舗に関する情報を決定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−84769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、上記出店を希望する領域内の複数の空き物件について、当該出店ユーザの業種に応じた、より実際に即した適性評価を可能とすべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、当該出店ユーザの指定した希望領域に存在する候補物件について、当該候補物件周辺の移動体端末の位置情報を含むユーザ情報と該出店ユーザの希望業種の顧客特性とに基づき、当該候補物件周辺における顧客となりうるユーザ情報を特定し、当該特定されたユーザ情報に基づいて当該出店ユーザの希望業種における候補物件の適性評価を行うことに想到した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は上記目的を達成するためになされたものであり、本開示の少なくとも幾つかの局面に係る候補物件の適性評価装置は次のように規定される。
第1の局面に規定される候補物件の適性評価装置は、
物件の位置情報と、該物件の物件識別情報と、が関連付けられた物件情報を格納する物件情報データベースと、
移動体端末の位置情報と、該移動体端末を有するユーザのユーザ属性情報と、が関連付けられたユーザ情報を格納するユーザ情報データベースと、
業種と、該業種に適した顧客特性情報であって、前記ユーザ属性情報に含まれる一又は複数の顧客特性情報と、が関連付けられた業種別顧客特性情報を格納する業種別顧客特性情報データベースと、
新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する希望条件指定部と、
前記物件情報データベースから、前記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する候補物件抽出部と、
前記抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する対象範囲決定部と、
前記ユーザ情報データベースから、前記決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有するユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定するポテンシャル顧客特定部と、
前記特定されたポテンシャル顧客情報に基づいて、前記抽出された候補物件の前記指定された希望業種に対する適性を評価する適性評価部と、
を備える。
【0006】
このように規定される第1の局面の適性評価装置によれば、複数のユーザのユーザ属性情報及び当該ユーザが有する移動体端末の位置情報に基づき、新規店舗の出店を希望する希望領域に属する候補物件が、当該出店を希望する希望業種に好適な物件であるかその適性を評価する。実際の行動及び属性を示すユーザ情報を用い、当該候補物件の周辺における、当該希望業種の新規店舗の顧客となりうるポテンシャル顧客情報を特定することにより、現実に即した上記適性評価を行うことができる。
【0007】
第2の局面に規定される適性評価装置は、上記対象範囲内における滞在時間を考慮することにより、より信頼度の高いポテンシャル顧客に基づく上記適性評価を行うことを更なる目的とし、次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定の適性評価装置において、
前記ポテンシャル顧客特定部は、前記移動体端末の位置情報に基づき、所定期間における前記決定された対象範囲内に位置した時間が所定閾値以上であるとき、前記ユーザ情報を前記ポテンシャル顧客情報として特定する。
このように規定される第2の局面の適性評価装置によれば、所定期間における対象範囲内の滞在時間が所定閾値以上であることを条件としてポテンシャル顧客を特定するため、より実際に即した上記適性評価を行うことが可能となる。
【0008】
第3の局面に規定される適性評価装置は、上記候補物件周辺に位置する競合店舗を利用する競合ユーザの存在を考慮して上記適性評価を行うことを更なる目的とし、次のように規定される。即ち、
第1又は第2の局面に規定の候補物件の適性評価装置において、
前記新規店舗の競合店舗であって、前記抽出された候補物件の周辺に位置する競合店舗を特定する競合店舗特定部と、
前記ユーザ情報データベースから、前記特定された競合店舗を利用するユーザ情報を、競合ユーザ情報として抽出する競合ユーザ特定部と、
前記特定された競合ユーザ情報のうち、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合を算出する割合算出部と、
前記適性評価部は、前記算出された割合に基づいて、前記抽出された候補物件の前記適性を評価する。
【0009】
このように規定される第3の局面の適性評価装置によれば、上記候補店舗の周辺に位置する競合店舗を利用する競合ユーザ情報に対する、上記希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合に基づき上記適性評価を行う。上記候補物件の周辺に、上記希望業種と同業種又は類似業種の競合店舗が存在しても、当該競合店舗を利用するユーザの属性が、上記希望業種に対応する顧客特性と異なる場合には、実際に両者が競合する可能性は低いと考えられる。したがって、上記競合店舗を利用する競合ユーザであって、上記希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザの存在を考慮することにより、実際に即した当該適性評価を行うことができる。
【0010】
第4の局面に規定される適性評価方法は、
候補物件の適性評価装置が実行する候補物件の適性評価方法であって、前記適性評価装置は、
物件の位置情報と、該物件の物件識別情報と、が関連付けられた物件情報を格納する物件情報データベースと、
移動体端末の位置情報と、該移動体端末を有するユーザのユーザ属性情報と、が関連付けられたユーザ情報を格納するユーザ情報データベースと、
業種と、該業種に適した顧客特性情報であって、前記ユーザ属性情報に含まれる一又は複数の顧客特性情報と、が関連付けられた業種別顧客特性情報を格納する業種別顧客特性情報データベースと、
を備え、
前記適性評価装置が、
新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する希望条件指定ステップと、
前記物件情報データベースから、前記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する候補物件抽出ステップと、
前記抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する対象範囲決定ステップと、
前記ユーザ情報データベースから、前記決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有するユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定するポテンシャル顧客特定ステップと、
前記特定されたポテンシャル顧客情報に基づいて、前記抽出された候補物件の前記指定された希望業種に対する適性を評価する適性評価ステップと、
を備える。
このように規定される第4の局面の適性評価方法によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0011】
第5の局面に規定される適性評価方法は、
第4の局面に規定の適性評価方法において、
前記ポテンシャル顧客特定ステップでは、前記移動体端末の位置情報に基づき、所定期間における前記決定された対象範囲内に位置した時間が所定閾値以上であるとき、前記ユーザ情報を前記ポテンシャル顧客情報として特定する。
このように規定される第5の局面の適性評価方法によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0012】
第6の局面に規定される適性評価方法は、
第4又は第5の局面に規定の適性評価方法において、
前記適性評価装置が、
前記新規店舗の競合店舗であって、前記抽出された候補物件の周辺に位置する競合店舗を特定する競合店舗特定ステップと、
前記ユーザ情報データベースから、前記特定された競合店舗を利用するユーザ情報を、競合ユーザ情報として抽出する競合ユーザ特定ステップと、
前記特定された競合ユーザ情報のうち、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合を算出する割合算出ステップと、を備え、
前記適性評価ステップでは、前記算出された割合に基づいて、前記抽出された候補物件の前記適性を評価する。
このように規定される第6の局面の適性評価方法によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0013】
第7の局面に規定されるコンピュータプログラムは、
候補物件の適性評価を行うためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
物件の位置情報と、該物件の物件識別情報と、が関連付けられた物件情報を格納する物件情報データベースと、
移動体端末の位置情報と、該移動体端末を有するユーザのユーザ属性情報と、が関連付けられたユーザ情報を格納するユーザ情報データベースと、
業種と、該業種に適した顧客特性情報であって、前記ユーザ属性情報に含まれる一又は複数の顧客特性情報と、が関連付けられた業種別顧客特性情報を格納する業種別顧客特性情報データベースと、
新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する希望条件指定手段と、
前記物件情報データベースから、前記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する候補物件抽出手段と、
前記抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する対象範囲決定手段と、
前記ユーザ情報データベースから、前記決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有するユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定するポテンシャル顧客特定手段と、
前記特定されたポテンシャル顧客情報に基づいて、前記抽出された候補物件の前記指定された希望業種に対する適性を評価する適性評価手段、
として機能させる。
このように規定される第7の局面のコンピュータプログラムによれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0014】
第8の局面に規定されるコンピュータプログラムは、
第7の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、
前記ポテンシャル顧客特定手段は、前記移動体端末の位置情報に基づき、所定期間における前記決定された対象範囲内に位置した時間が所定閾値以上であるとき、前記ユーザ情報を前記ポテンシャル顧客情報として特定する。
このように規定される第8の局面のコンピュータプログラムによれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0015】
第9の局面に規定されるコンピュータプログラムは、
第7又は第8の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、更に、
前記新規店舗の競合店舗であって、前記抽出された候補物件の周辺に位置する競合店舗を特定する競合店舗特定手段と、
前記ユーザ情報データベースから、前記特定された競合店舗を利用するユーザ情報を、競合ユーザ情報として抽出する競合ユーザ特定手段と、
前記特定された競合ユーザ情報のうち、前記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合を算出する割合算出手段、として機能させ、
前記適性評価手段は、前記算出された割合に基づいて、前記抽出された候補物件の前記適性を評価する。
このように規定される第9の局面のコンピュータプログラムによれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0016】
第7〜第9のいずれかの局面に規定されるコンピュータプログラムを記録する記録媒体が第10の局面に規定される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の第1実施形態の候補物件の適性評価装置1の構成を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、物件情報データベース3に保存される物件情報テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
図3図3は、ユーザ情報データベース5に保存されるユーザ情報テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
図4図4は、業種別顧客特性情報データベース7に保存される業種別顧客特性情報テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
図5図5は、希望条件指定部9で、希望条件の指定を受け付ける際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態の候補物件の適性評価装置1によって実施される適性評価方法の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、図6に示すステップ3の候補物件の抽出処理、ステップ5の対象範囲の決定処理及びステップ7のポテンシャル顧客の特定処理を説明するための説明図である。
図8図8は、図6に示すステップ7の詳細動作の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、図6に示すステップ13で付与された適性評価を反映して候補物件を表示する表示画面の一例を示す説明図である。
図10図10は、本発明の第2実施形態の候補物件の適性評価装置21の構成を概略的に示すブロック図である。
図11図11は、店舗情報データベース23に保存される店舗情報テーブルのデータ構造の一例を示す説明図である。
図12図12は、本発明の第1実施例の候補物件の適性評価装置51の構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示に係る幾つかの実施形態及び実施例について、添付図面を参照しながら以下の通り説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての候補物件の適性評価装置1の構成を概略的に示すブロック図である。適宜、図2〜5に示す模式図を用いて、以下に説明する。
図1に示すように、第1実施形態の適性評価装置1は、物件情報データベース3、ユーザ情報データベース5、業種別顧客特性情報データベース7、希望条件指定部9、候補物件抽出部11、対象範囲決定部13、ポテンシャル顧客特定部15及び適性評価部17を備える。
【0020】
物件情報データベース3には、物件の位置情報と、該物件の物件識別情報(物件ID)と、が関連付けられた物件情報が格納されている。物件情報としては、特に限定されないが、物件の位置情報としての住所又は座標、物件IDの他、面積、賃料、最寄駅、最寄駅からの徒歩時間又は距離、居室階数、完成年月等が挙げられる。物件情報データベース3には、例えば、物件情報テーブルが格納される。物件情報テーブルのデータ構造の一例を図2に示す。図2に示すように、物件情報テーブルは、物件ID欄、名称欄、住所欄、面積欄、賃料欄、最寄駅欄、最寄駅からの徒歩時間欄を有している。物件ID欄には、物件を一意に識別するための識別情報が記憶されている。例えば、物件ID E001に関し、名称欄には物件の名称「○○ビルディング」、住所欄には物件の住所「名古屋市中村区名駅○丁目○番」、面積欄には物件の占有面積「100m」、賃料欄には物件の賃料「30万円」、最寄駅欄には物件の最寄駅「名古屋」、最寄駅からの徒歩時間欄には最寄駅から物件までの徒歩時間「4分」が記憶されている。
【0021】
ユーザ情報データベース5には、移動体端末の位置情報と、該移動体端末を有するユーザのユーザ属性情報と、が関連付けられたユーザ情報が格納されている。ユーザ属性情報としては、特に限定されず、居住地域、性別、年代、職業、職種、職場地域、年収、学歴、趣味、嗜好、家族構成、居住形態、一ヶ月当たりのお小遣い、自家用車の有無、自動車免許の有無、よくチェックする雑誌等が挙げられる。ユーザ情報データベース5には、例えば、ユーザ情報テーブルが格納される。ユーザ情報テーブルのデータ構造の一例を図3に示す。図3に示すように、ユーザ情報テーブルは、ユーザID欄、居住地域欄、性別欄、職場地域欄、趣味欄、よくチェックする雑誌欄、移動体端末ID、位置情報履歴欄を有している。ユーザID欄には、ユーザを一意に識別するための識別情報が記憶されている。例えば、ユーザID U001に関し、ユーザ属性情報として、居住地域欄にはユーザの居住地域「名古屋市緑区」、性別欄には性別「女性」、年代欄には年代「30代」、職場地域欄には職場地域「名古屋市中村区」、趣味欄には趣味「美容、エステ、ヨガ」、よくチェックする雑誌欄には雑誌「ファッション誌、美容誌」が記憶されている。これらのユーザ属性情報は、例えば、ユーザによって実行されたアンケートの回答に基づいて生成することができる。また、ユーザID U001に関し、移動体端末ID欄にはユーザが所有する移動体端末を一意に識別するための識別情報「M001」、位置情報履歴欄には移動体端末ID M001の位置情報履歴が当該位置情報を取得した際の時間情報と関連付けて記憶されている。当該位置情報は、移動体端末のGPSと基地局情報とに基づいて特定され、当該位置情報を取得した時間情報が関連付けられている。当該位置情報履歴欄に記憶される位置情報は、最新時の情報とすべく直近一年の位置情報を記憶することとしてもよい。
【0022】
業種別顧客特性情報データベース7には、業種と、該業種に適した顧客特性情報であって、上記ユーザ属性情報に含まれる一又は複数の顧客特性情報と、が関連付けられた業種別顧客特性情報が格納されている。業種としては、特に限定されず、ヨガ、エステ、英会話、パン屋等が挙げられる。当該業種に適した顧客特性情報としては、ユーザ属性情報に含まれる情報であれば特に限定されず、上記ユーザ属性情報のうち、性別、年代、趣味、よくチェックする雑誌等が挙げられる。業種別顧客特性情報データベース7には、例えば、業種別顧客特性情報テーブルが格納される。業種別顧客特性情報テーブルのデータ構造の一例を図4に示す。図4に示すように、業種別顧客特性情報テーブルは、業種欄、性別欄、年代欄、趣味欄、よくチェックする雑誌欄を有している。業種欄には業種「ヨガ」、「エステ」、「英会話」等が記憶されている。例えば、業種「ヨガ」に関し、顧客特性情報として、性別欄には性別「女性」、年代欄には年代「20代〜40代」、趣味欄には趣味「ヨガ、ピラティス」、よくチェックする雑誌欄には雑誌「ファッション誌、美容誌、健康誌」が記憶されている。これらの顧客特性情報は、適宜、自動又はオペレータの手動により任意に生成することができる。また、後述のポテンシャル顧客特定部15で用いるべく、各顧客特性情報に重み付けを行う重み付け係数が関連付けられていてもよい。当該重み付け係数は、業種の異同にかかわらず同じ値であってもよく、また、業種毎に異なる値であってもよい。例えば、業種「ヨガ」に対して、顧客特性情報「趣味」の重み付けを重くすべく重み付け係数「2」を関連付けることができる。
【0023】
希望条件指定部9は、新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する。当該指定の方法は、特に限定されず、入力部(図示せず)を介して直接入力、プルダウン入力、チェック入力等により希望条件の指定を受け付けることができる。例えば、図5に示すようなチェック入力可能なインターフェースを出力端末に出力し、新規店舗の出店を希望する出店ユーザが該当チェックボックスにチェックすることにより希望条件を指定する。希望条件指定部9は、希望領域及び希望業種に加え、希望する面積、賃料、最寄駅、最寄駅からの徒歩時間等を希望条件として指定することとしてもよい。
【0024】
候補物件抽出部11は、物件情報データベース3から、上記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する。当該抽出の方法は、特に限定されず、例えば、物件情報データベース3に格納されている物件の住所と希望条件指定部9で指定された希望領域とに基づき、希望領域を住所に含む物件を候補物件として抽出することができる。物件情報データベース3において、物件の位置情報として座標が格納されている場合には、当該座標と希望領域とに基づき、希望領域で表される領域内に座標を有する物件を候補物件として抽出することができる。候補物件抽出部11は、希望条件指定部9で希望領域及び希望業種以外の希望条件が指定されている場合には、当該希望条件に合致する物件を候補物件として抽出する。
【0025】
対象範囲決定部13は、上記抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する。当該決定の方法は、特に限定されず、候補物件の位置を中心とする、予め定められた範囲(例えば、半径500m圏内)又は出店ユーザの任意により定められた範囲に決定することができる。対象範囲決定部13は、候補物件抽出部11で抽出された各候補物件について、上記対象範囲を決定する。当該対象範囲の範囲は、各候補物件で同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0026】
ポテンシャル顧客特定部15は、ユーザ情報データベース5から、対象範囲決定部13で決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって(「条件A」とする)、希望条件指定部9で指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する(「条件B」とする)ユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定する。ポテンシャル顧客特定部15は、候補物件抽出部11で抽出された各候補物件について、上記ポテンシャル顧客情報を特定する。当該特定の方法は、特に限定されない。
【0027】
条件Aについては、例えば、ユーザ情報データベース5のユーザ情報テーブルにおいて、位置情報履歴欄を参照し、上記対象範囲内に属する位置情報を有するユーザ情報を特定することができる。また、上記対象範囲内に属する位置情報に基づき、所定期間における当該対象範囲内に位置した時間が所定閾値以上であることをもって、条件Aを充足することとすることができる。例えば、1日のうち8時間以上、1週間のうち50時間以上、1ヶ月のうち200時間以上、上記対象範囲に滞在している場合が挙げられる。また、上記対象範囲内に属する位置情報に基づき、所定期間に占める当該対象範囲内に位置した時間の割合に基づき、当該割合が所定閾値以上(例えば、3割以上)であるとき、条件Aを充足することとしてもよい。条件Aを充足するための別の例として、ユーザ属性情報のうち、居住地域、職場地域に基づき、居住地域及び/又は職場地域が対象範囲内に位置することとしてもよい。
【0028】
条件Bについては、例えば、業種別顧客特性情報データベース7の業種別顧客特性情報テーブルにおける上記指定された希望業種に関連付けられた顧客特性情報に合致するユーザ属性情報を有するユーザ情報を特定することができる。当該特定の方法として、例えば、当該希望業種の顧客特性情報の全てを満足するユーザ情報のみを特定することとしてもよいし、当該顧客特性情報のうち所定項目数以上を満足するユーザ情報を特定することとしてもよい。別の例として、業種別顧客特性情報データベース7において、顧客特性情報に重み付け係数が関連付けられている場合には、ユーザ属性情報が顧客特性情報と合致することに対して付与されるコストに対し、当該合致した顧客特性情報に関連付けられた重み付け係数を乗算して合計コストを算出し、当該合計コストが所定閾値以上であるユーザ情報を特定することができる。具体的には、ユーザID U001のユーザ属性情報「性別」、「年代」、「趣味」、「よくチェックする雑誌」は、業種「ヨガ」の顧客特性情報の夫々と合致するため、各項目に対しコスト「1」を付与する。上述の通り、顧客特性情報「趣味」に重み付け係数「2」が関連付けられているため、「趣味」関するコスト「1」に対して重み付け係数「2」を乗算する。これにより、ユーザID U001の合計コストは「7」となり、これを予め定められた所定閾値と比較する。
【0029】
適性評価部17は、ポテンシャル顧客特定部15で特定されたポテンシャル顧客情報に基づいて、候補物件抽出部11で抽出された候補物件の上記指定された希望業種に対する適性を評価する。当該評価の方法は、特に限定されず、例えば、ポテンシャル顧客特定部15で特定されたポテンシャル顧客情報の数が多い順に、候補物件に対して高い適性順位を付与することができる。別の例として、ポテンシャル顧客数に応じて適性レベルを5段階等で多段階評価することとしてもよい。
また、上記ポテンシャル顧客を特定するに際し、ユーザ毎に付与された合計コストを用いた場合には、当該全ポテンシャル顧客の合計コストを合算した総合計コスト、又は、当該ポテンシャル顧客の平均合計コストを算出し、算出された総合計コスト又は平均合計コストが多い順に、上記適性順位を付与することとしてもよい。また、当該ポテンシャル顧客の総合計コスト又は平均合計コストに応じて上記適性レベルを付与することとしてもよい。
別の例として、上記条件Aを充足するユーザ情報の数における上記条件A及び条件Bを充足するユーザ情報の数が占める割合を算出し、当該割合が大きい順に、上記適性順位を付与することとしてもよい。また、当該割合に応じて上記適性レベルを付与することとしてもよい。
【0030】
当該付与された適性評価は、上記希望領域及び希望業種に基づき抽出された候補物件をリスト出力する際の出力順位の決定に用いることができる。また、当該リスト出力する際に当該適性順位や適性レベルを併せて表示することとしてもよい。当該候補物件を地図上に重畳表示する際には、当該候補物件の適性順位や適性レベルを吹き出し表示等により併せて表示することとすることができる。
【0031】
図6は、図1に示す候補物件の適性評価装置1によって実施される適性評価方法の一例を示すフローチャートである。この例において、出店ユーザは、名古屋市でヨガスタジオを出店すべく、候補物件を検索しようとしている。
ステップ1では、希望条件指定部9は、新規店舗の出店を希望する希望領域及び希望業種を含む希望条件を指定する。この例において、例えば、図5に示すチェック入力可能なインターフェースを出力端末に出力し、新規店舗の出店を希望する出店ユーザが「名古屋市」のチェックボックス及び「ヨガ」のチェックボックスにチェックし「登録」ボタンをタッチすることにより、希望領域「名古屋市」、希望業種「ヨガ」が指定される。
ステップ3では、候補物件抽出部11が、物件情報データベース3から、上記指定された希望領域に存在する物件を、候補物件として抽出する。この例において、例えば、物件情報データベース3の住所欄を参照し、ステップ1で指定された希望領域「名古屋市」の文字列を含む物件「物件ID E001」、「物件ID E002」、「物件ID E003」・・・を候補物件として抽出する。図7において、×印は当該抽出された候補物件の位置を示している。
【0032】
ステップ5では、対象範囲決定部13は、ステップ3で抽出された候補物件の位置に基づいて、対象範囲を決定する。この例において、例えば、各候補物件の位置を中心とする、予め定められた半径200m圏内の範囲を対象範囲として決定する。図7において、符号A1は物件ID E001の対象範囲を示す。符号A2、A3についても同様に物件ID E002、E003の対象範囲を示している。他の候補物件についても夫々対象範囲が決定されているものとする。
ステップ7では、ポテンシャル顧客特定部15は、ユーザ情報データベース5から、ステップ5で決定された対象範囲内に存在したユーザ情報であって、ステップ1で指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有するユーザ情報を、ポテンシャル顧客情報として特定する。
【0033】
図8を用いて、ポテンシャル顧客特定部15で実行されるステップ7の詳細動作の一例を説明する。
ステップ71では、ユーザ情報データベース5の位置情報履歴欄を参照し、ステップ5で決定された対象範囲内に位置情報を有するユーザ情報を特定する。この例において、例えば、1週間の期間における当該対象範囲内に位置情報を有した時間の合計が平均50時間以上であるユーザ情報を特定する。この例において、ユーザ情報データベース5中、算出された上記平均時間が50時間以上/週であったユーザID U001、U002、U003、・・・が特定され、当該平均時間が50時間未満/週であったユーザID U004、U005、U006、・・・は特定されなかったものとする。
【0034】
ステップ73では、業種別顧客特性情報データベース7から、ステップ1で指定された希望業種に関連付けられた顧客特性情報を読み出す。この例において、ステップ1で指定された希望業種「ヨガ」に関連付けられた顧客特性情報として、性別「女性」、年代「20代〜40代」、趣味「ヨガ、ピラティス」、よくチェックする雑誌「ファッション誌、美容誌、健康誌」が読み出される。
ステップ75では、ステップ71で特定されたユーザ情報のうち、当該ユーザ情報のユーザ属性情報がステップ73で読み出された顧客特性情報を充足するユーザ情報をポテンシャル顧客として特定する。この例において、業種「ヨガ」の顧客特性情報を全て充足しているユーザID U001、U002はポテンシャル顧客として特定され、顧客特性情報「性別」、「趣味」、「よくチェックする雑誌」を充足しないユーザID U003はポテンシャル顧客として特定されない。
【0035】
図6に戻り、ステップ3で抽出された全ての候補物件につきステップ5及びステップ7を実行する(ステップ9、ステップ11)。この例において、ステップ3で抽出された候補物件である物件ID E001について特定されたポテンシャル顧客の数は90,105、物件ID E002では100,225、物件ID E003では50,005であったとする。
ステップ13では、適性評価部17は、ステップ3で抽出された各候補物件について、ステップ7で特定されたポテンシャル顧客情報に基づき、ステップ1で指定された希望業種に対する適性を評価する。この例において、ステップ7で特定されたポテンシャル顧客の数が多い順に高い適性評価を付与することができる。即ち、物件ID E002に第1順位、物件ID E001に第2順位、物件ID E003に第3順位を付与することができる。
上記の例において、出力部(図示しない)は、上記抽出された候補物件を表示する際、上記付与された順位に基づき表示することができる(図9参照)。
【0036】
<第2実施形態>
図10は、本発明の一実施形態としての候補物件の適性評価装置21の構成を概略的に示すブロック図である。適宜、図11に示す模式図を用いて、以下に説明する。
図10に示すように、第2の実施形態の候補物件の適性評価装置21は、第1の実施形態の適性評価装置1が備える各構成要素に加え、店舗情報データベース23、競合店舗特定部25、競合ユーザ特定部27、割合算出部29及び適性評価部30を備える。図10において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
【0037】
店舗情報データベース23には、店舗の位置情報と、該店舗の店舗識別情報(店舗ID)と、が関連付けられた店舗情報が格納されている。店舗情報データベース23には、例えば、店舗情報テーブルが格納される。店舗情報テーブルのデータ構造の一例を図11に示す。図11に示すように、店舗情報テーブルは、店舗ID欄、名称欄、住所欄、店舗ジャンル欄等を有している。店舗ID欄には、店舗を一意に識別するための識別情報が記憶されている。例えば、店舗ID S001に関し、名称欄には店舗の名称「A×××」、住所欄には店舗の住所「名古屋市中区栄△丁目○番」、店舗ジャンル欄には店舗ジャンル「ヨガ」が記憶されている。
【0038】
競合店舗特定部25は、上記新規店舗の競合店舗であって、候補物件抽出部11で抽出された候補物件の周辺に位置する競合店舗を特定する。当該特定の方法は、特に限定されないが、例えば、店舗情報データベース23、希望条件指定部9及び候補物件抽出部11を参照し、店舗情報テーブルから、当該抽出された候補物件の位置から所定範囲内に位置する店舗のうち、当該店舗の店舗ジャンルが当該指定された希望業種に合致し、又は、当該店舗ジャンルに当該希望業種が含まれている店舗を競合店舗として特定することができる。当該候補物件の位置に代えて、当該候補物件の住所に含まれる行政区画(例えば、区名、町名、丁番号)を参照し、当該行政区画が合致する店舗を競合店舗としてもよい。この例において、例えば、候補物件抽出部11で抽出された候補物件ID E002の競合店舗として、候補物件ID E002の住所と町名「栄」が合致し、かつ、当該希望業種「ヨガ」と当該店舗ジャンルとが合致する店舗ID S001を競合店舗として特定することができる。また、上記店舗ジャンルと希望業種の異同に関しては、類似する業種を関連付けた類似業種テーブル等を備える場合には、当該類似業種テーブルを参照し、当該希望業種に類似する業種が、当該店舗の店舗ジャンルと合致し、又は、当該店舗ジャンルに含まれている店舗を競合店舗として特定することとしてもよい。例えば、上記類似業種テーブルにおいて、業種「ヨガ」と業種「ピラティス」が関連付けられている場合には、候補物件ID E002の競合店舗として、店舗ID S001に加え、住所名に町名「栄」を有し、店舗ジャンルが上記希望業種「ヨガ」と類似する「ピラティス」である店舗ID S002を競合店舗として特定することができる。
【0039】
競合ユーザ特定部27は、ユーザ情報データベース5から、競合店舗特定部25で特定された競合店舗を利用するユーザ情報を、競合ユーザ情報として特定する。当該特定の方法は、特に限定されないが、例えば、当該特定された競合店舗の位置(地点又は領域)に所定時間以上位置したユーザ情報を競合ユーザ情報として特定することができる。また、当該競合店舗の位置に一定の頻度で所定時間以上位置していることを条件として競合ユーザ情報を特定することとしてもよい。競合店舗特定部25で複数の競合店舗が特定された場合には、各競合店舗について競合ユーザ情報を特定する。
【0040】
割合算出部29は、競合ユーザ特定部27で特定された競合ユーザ情報のうち、希望条件指定部9で指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報の占める割合を算出する。当該算出の方法は、特に限定されないが、例えば、まず、当該特定された競合ユーザ情報のうち、上記指定された希望業種に対応する顧客特性情報を有する競合ユーザ情報を対象競合ユーザ情報として特定し、当該特定された対象競合ユーザ情報の数を上記特定された競合ユーザ情報の数で除算することにより上記割合を算出することができる。
【0041】
適性評価部30は、割合算出部29で算出された割合に基づいて、候補物件抽出部11で抽出された候補物件の上記適性を評価する。当該評価の方法は、特に限定されないが、当該競合店舗の上記算出された割合が所定閾値以上(例えば、8割以上)である場合、上記候補物件を除外、又は、低い適性順位又は適性レベルを付与することができる。この例において、上記抽出された候補物件ID E001、E002、E003のうち、競合店舗が特定された候補物件ID E002を除外する等することができる。別の例として、上述したように、上記抽出された候補物件の上記コストに基づき、順位又は適性レベルを付与した場合には、当該コストに対して、上記算出された割合に応じた係数を乗算することによって補正された補正コストを用いて、上記順位又は適性レベルを付与することとしてもよい。また、上記算出された割合が所定閾値以上である競合店舗の数を、上記順位又は適性レベル、上記コスト等に反映させてもよい。当該競合店舗の数を上記コストに反映させる場合、例えば、上記コストに対して、各競合店舗に関する係数を重畳的に乗算して上記補正コストを算出することができる。
【0042】
上記の例では、上記算出された割合が所定閾値以上である競合店舗が存在することにより、対応する候補物件の適性順位又は適性レベルを低くすることとしたが、これに限定されず、当該競合店舗の存在により当該適性順位又は適性レベルを高くすることとしてもよい。このような競合店舗が存在する地域は、当該希望業種に対する需要が高いと推定することもできる。そして、当該地域に同業種の新規店舗を出店することは、集客力が高いという側面から適性を高く評価しうるからである。
【0043】
<第1実施例>
図12は、本発明の一実施例としての候補物件の適性評価装置51の構成を概略的に示すブロック図である。第1実施例の適性評価装置51は、第1実施形態の適性評価装置1を構成する各構成要素に加えて、制御部510、メモリ部511、入力部512、出力部513及びインターフェース部514を備える。図12において、図1及び図10と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
【0044】
制御部510は、バッファメモリその他の装置を備えたコンピュータ装置であり、適性評価装置51を構成する他の構成要素を制御する。
メモリ部511には、コンピュータプログラムが保存され、このコンピュータプログラムはコンピュータ装置である制御部510に読み込まれて、これを機能させる。このコンピュータプログラムはSD(登録商標)メモリカード等の汎用的な媒体へ保存できる。
【0045】
入力部512は、例えば、適性評価装置利用者の指令の入力に用いられる。具体的には、希望条件指定部9で指定される希望領域や希望業種の指定等に用いられる。入力部512として、マウス、ライトペン又はディスプレイの表示内容と協働するタッチパネル等のポインティングデバイスやキーボード又はマイクロホン等の音声入力装置を用いることができる。
出力部513は、ディスプレイを含み、候補物件抽出部11で抽出された候補物件のリスト表示又は地図表示、適性評価部17の評価結果等に関する情報を表示する。この出力部513は音声発信部を含み、音声によって当該情報を出力してもよい。
【0046】
インターフェース部514は、適性評価装置51を無線ネットワーク等へ連結させる。
【0047】
本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」等の表現は、他の構成要素の存在を除外することを意図する排他的な表現ではなく、他の構成要素を含みうることを意図するものである。
【0048】
以上、本開示の実施形態及び実施例について説明してきたが、本発明は上記開示の各局面や実施形態(実施例)やその変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。即ち、本発明は、上述の実施形態(実施例)に変形を加え、又は、上述の実施形態(実施例)のうち、2つ以上の実施形態(実施例)を組み合わせ、1つの実施形態(実施例)を部分的に実施し、さらには、2つ以上の実施形態(実施例)を部分的に組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0049】
1 21 51 候補物件の適性評価装置
3 物件情報データベース(物件情報DB)
5 ユーザ情報データベース(ユーザ情報DB)
7 業種別顧客特性情報データベース(業種別顧客特性情報DB)
9 希望条件指定部
11 候補物件抽出部
13 対象範囲決定部
15 ポテンシャル顧客特定部
17 30 適性評価部
23 店舗情報データベース(店舗情報DB)
25 競合店舗特定部
27 競合ユーザ特定部
29 割合算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12