(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内側シャフトは、前記第1および前記第2の部材を貫通して延在し、前記内側シャフトの近位端部は前記第3の部材に固定され、前記内側シャフトの遠位端部は前記バルーンに固定される、請求項1に記載の外科装置。
前記本体部は、空洞およびフランジを画定する内側面を備え、前記第1の部材の遠位端部は、前記第1の部材の前記遠位端部が前記フランジに係合して前記第1の部材が前記長手軸に沿って一の方向に並進することを防止するように前記空洞内に配置される、請求項1に記載の外科装置。
前記バルーンは、前記バルーンが前記内側シャフトの周りで捩れている第1の形態と、前記バルーンが捩れていない第2の形態との間で変化可能である、請求項1に記載の外科装置。
前記第1の部材は、通路およびフランジを画定する内側面を備え、前記第3の部材の遠位端部は、前記第3の部材の前記遠位端部が前記フランジに係合して前記第3の部材が前記長手軸に沿って一の方向に並進することを防止し、前記バルーンの拡張を制限するように前記通路内に配置される、請求項1に記載の外科装置。
前記第2のネジ面は、前記第2の部材の軸部から延在し、前記軸部は、ヘッドに結合され、前記本体部は、空洞を画定する内側面を備え、前記第2の部材は、前記ヘッドの外側面が前記内側面に係合するように前記空洞内に配置される、請求項1に記載の外科装置。
前記第3の部材は、前記バルーンが前記内側シャフトの周りで捩れている第1の形態と、前記バルーンが捩れていない第2の形態との間で前記バルーンを変化させるように、前記第1の部材に対して回転可能である、請求項1に記載の外科装置。
前記本体部は、スロットと、前記スロットを貫通して前記第2の部材内に延在するピンであって、前記第3の部材が前記長手軸に沿って並進すると、前記スロット内で前記長手軸に沿って移動するピンとを備える、請求項1に記載の外科装置。
前記第3の部材は、前記バルーンが前記内側シャフトの周りで捩れ、第1の外形を有する第1の形態と、前記バルーンが捩れておらず、前記第1の外形よりも大きな第2の外形を有する第2の形態との間で前記バルーンを変化させるように前記第1の部材に対して回転可能である、請求項1に記載の外科装置。
前記本体部内に回転可能に配置された第4の部材と、アダプタであって、前記アダプタの近位端部が前記第4の部材に対して固定されるように前記第4の部材に結合されたアダプタとを更に備え、前記外側シャフトは、前記アダプタに結合されたコネクタの遠位端部に固定される、請求項1に記載の外科装置。
前記アダプタの遠位端部は弁を備え、前記弁を前記内側シャフトの周りで開閉させるように、前記アダプタの前記近位端部は前記アダプタの前記遠位端部に対して回転される、請求項11に記載の外科装置。
前記アダプタの遠位端部は弁を備え、前記内側シャフトが前記外側シャフトに対して固定される第1の位置と、前記内側シャフトが前記長手軸に沿って前記外側シャフトに対して並進可能である第2の位置との間で前記弁を移動させるように、前記アダプタの前記近位端部は前記アダプタの前記遠位端部に対して回転される、請求項11に記載の外科装置。
前記スタイレットノブが前記長手軸に沿って第1の方向に並進すると、前記バルーンの長さが増加し、前記スタイレットノブが前記長手軸に沿って前記第1の方向とは反対の第2の方向に並進すると、前記バルーンの長さが減少する、請求項15に記載の外科装置。
前記スタイレットノブは前記鍔部に対して回転可能であり、前記バルーンの遠位端部は、前記スタイレットノブを前記鍔部に対して回転させることで前記バルーンが前記内側シャフトの周りで捩れるように、前記外側シャフトに固定される、請求項15に記載の外科装置。
前記空洞内に回転可能に配置された近位端部を有する第2の鍔部と、アダプタであって、前記アダプタの近位端部が前記第2の鍔部に対して固定されるように前記第2の鍔部の遠位端部に結合されたアダプタとを更に備え、前記外側シャフトは、前記アダプタの遠位端部に結合されたコネクタに固定される、請求項15に記載の外科装置。
前記アダプタの前記遠位端部は弁を備え、前記内側シャフトが前記外側シャフトに対して固定される第1の位置と、前記内側シャフトが前記長手軸に沿って前記外側シャフトに対して並進可能である第2の位置との間で前記弁を移動させるように、前記第2の鍔部の前記遠位端部は前記本体部および前記アダプタの前記遠位端部に対して回転可能である、請求項18に記載の外科装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0042]本明細書と添付の特許請求の範囲のために、他に示されなければ、本明細書および特許請求の範囲において使用される、成分量、材料の百分率または比率、および他の数値を表す全ての数字は、全ての場合において「約」という用語によって調整されているものと理解されたい。それ故、それと反対のことが示さなければ、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に述べられる数的パラメータは、本発明により獲得されようとする所望の特性に応じて変動し得る近似である。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとする意図ではなく、各数的パラメータは、少なくとも、報告される有効数字の数に照らして、そして通常の端数計算方法を適用することによって解釈されるべきである。
【0011】
[0043]本明細書および本発明の広範な範囲において述べられる数的範囲およびパラメータは近似であるが、具体的な例に述べられる数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、何れの数値も、本質的に、それら各々の試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を含んでいる。更に、本明細書において開示される全ての範囲は、そこに包含されるありとあらゆる部分範囲を含むものと理解されたい。例えば、「1から10」という範囲は、最小値の1と最大値の10との間の(それらも含めた)ありとあらゆる部分範囲、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値とを有するありとあらゆる部分範囲、例えば5.5から10、を含む。
【0012】
[0044]次に、添付の図面にその例が示される本発明の特定の実施形態を詳細に参照する。本発明は、示された実施形態に関連して説明されるが、それらは本発明をそれらの実施形態に限定すると意図されるものではないことは理解されよう。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明に含まれ得る全ての代替物、修正、および等価物を含むと意図される。
【0013】
[0045]本開示は、例えば外科装置30などの外科装置を対象とする。いくつかの実施形態において、外科装置30の構成要素は、特定の用途および/または医師の好みに応じて、金属、合成重合体、セラミックおよび骨材料、および/またはそれらの複合材料を含む、医療用途に適した生物学的に許容される材料から製造され得る。例えば、外科装置30の構成要素は、個別にまたは集合的に:ステンレス合金鋼;商業的に純粋なチタン;チタン合金;グレード5チタン;超弾性チタン合金;コバルト−クロム合金;ステンレス合金鋼;超弾性金属合金(例えば、Nitinol、日本のToyota Material Incorporatedによって製造されるGUM METAL(登録商標)などの超弾性可塑性金属);セラミックおよびリン酸カルシウムなどのその複合材料(例えば、Biologix Inc.によって製造されるSKELITE(商標));ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)およびポリエーテルケトン(PEK)を含むポリアリールエーテルケトン(PAEK)などの熱可塑性樹脂;炭素−PEEK複合材料;PEEK−BaSO
4の重合体ゴム;ポリエチレンテレフタレート(PET);織物;シリコーン;ポリウレタン;シリコーン−ポリウレタン共重合体;重合体ゴム;ポリオレフィンゴム;ヒドロゲル;準剛性および剛性材料;エラストマ;ゴム;熱可塑性エラストマ;熱硬化性エラストマ;エラストマ複合材料;ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エポキシを含む剛性重合体;自己移植片、同種移植片、異種移植片もしくは形質転換皮質(transgenic cortical)および/または皮質海綿骨(corticocancellous bone)、および組織成長因子または組織分化因子を含む骨材料;例えば、金属とカルシウムベースのセラミックとの複合材料、PEEKとカルシウムベースのセラミックとの複合材料、PEEKと再吸収可能な重合体との複合材料などの部分的に再吸収可能な材料;例えば、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、水酸化リン灰石(HA)−TCP、硫酸カルシウムなどのカルシウムベースのセラミック、または、ポリアエチド(polyaetide)、ポリグリコライド、ポリチロシンカーボネート(polytyrosine carbonate)、ポリカロプラエトーヘ(polycaroplaetohe)などの他の再吸収可能な重合体などの、全体的に再吸収可能な材料;ならびに、それらの組み合わせ、などの材料から製造され得る。
【0014】
[0046]外科装置30の様々な構成要素は、強度、剛性、弾性、コンプライアンス、生体力学的性能、耐久性、および放射線透過性、または、画像化選好などの、様々な所望の特性を達成するために、上記の材料を含む材料の合成物を有してよい。また、外科装置30の構成要素は、個別にまたは集合的に、上述の材料のうちの2つ以上の材料の組み合わせなどの異種の材料から製造されてもよい。外科装置30の構成要素は、本明細書において説明されるように、一体的に形成されてよく、一体に接続されてよく、あるいは、要素および/または器具を固着することを含んでよい。
【0015】
[0047]外科装置30は、例えば膨張式骨タンプ抜き取りおよび長手方向伸長機構32などのデバイスと、例えば膨張式骨タンプ34などのデバイスとを備える。本明細書において論じられるように、機構32は、膨張式骨タンプ34のバルーンの長さを制御するように構成される。詳細には、機構32は、バルーンの拡張に際してバルーンが選択された長さを有するように、バルーンの長さを選択的に減少および/または増加させるために使用される。すなわち、医師は、機構32を使用して、例えばバルーンが患者内に挿入されて拡張される前に、骨内に生成されるべき空洞の大きさに基づいて、バルーンの長さを選択することができる。機構32は、拡張に際してバルーンが選択された長さを有することを確実なものとし、バルーンの拡張不足または過剰な拡張を防止する。
【0016】
[0048]機構32は、例えば、
図1〜
図8に図示されるように、例えば本体部36などの主本体部を備える。本体部36は、長手軸Lに沿って端部38と反対側の端部40との間に延在する。本体部36は、端部38から端部40まで連続的に延在する空洞44を画定する内側面42を備える中空の筒である。本体部36は、端部38の端面を貫通して延在する開口44aと、端部40の端面を貫通して延在する開口44bとを備える。開口44a、44bは、空洞44と連通する。本体部36は、
図5に図示されるように、端部38にフランジ46を備え、
図6に図示されるように、端部40にフランジ48を備える。フランジ46、48は、内側面42によって互いに対して接続される。フランジ46は、空洞44と連通する開孔46a(
図5)を含み、フランジ48は、空洞44と連通する開孔48aを含む。
【0017】
[0049]いくつかの実施形態において、空洞44は、フランジ46からフランジ48までの第1の直径と、フランジ46から端部38の端面までおよびフランジ48から端部40の端面までの第2の直径とを有し、第2の直径は第1の直径よりも大きい。すなわち、空洞44は、フランジ46、48の間に減少された直径を有する。いくつかの実施形態において、空洞44の減少された直径は、開孔46a、46bの直径に等しい。いくつかの実施形態において、空洞44、開口44a、開口44b、開孔46aおよび/または開孔48aは、例えば円形、広楕円形、長楕円形、三角形、長方形、正方形、多角形、不規則な形、均一な形、不均一な形、可変形、管状および/または先細り状などの様々な断面構成を有してよい。
【0018】
[0050]本体部36は、本体部36の内側面42および反対側の外側面52を貫通して延在するスロット50を含む。スロット50は、フランジ46、48の間に配置される。スロット50は、例えば、
図1〜
図4、
図14Aおよび
図14Bに図示されるように、長細形および/または長楕円形を有する。スロット50は、本明細書において論じられるように、ピンを移動可能に設置するために構成される。
図4、
図7および
図8に図示されるように、本体部36は、例えば端部38の穴54a、54b、端部40の側壁の穴56a、56bなどの複数のピン穴も含む。本明細書において論じられるように、穴54a、54b、56a、56bは各々、例えばピン58などのピンを固定的に設置するために構成される。穴54a、54bは互いに対して同軸であり、穴56a、56bは互いに対して同軸である。いくつかの実施形態において、穴54a、54b、56a、56bは各々、長手軸Lに対して垂直に延在する。いくつかの実施形態において、スロット50、穴54a、穴54b、穴56aおよび/または穴56bは、例えば円形、広楕円形、長楕円形、三角形、長方形、正方形、多角形、不規則な形、均一な形、不均一な形、可変形、管状および/または先細り状などの様々な断面構成を有してよい。
【0019】
[0051]例えば鍔部60(
図9〜
図11)などの第1の部材は、鍔部60が長手軸Lの周りで本体部36に対して回転可能であるように、空洞44の近位端部内に配置される。鍔部60は、例えば部分62などの近位端部と、例えば部分64などの反対側の遠位端部とを備える。部分62は、鍔部60に固定される。いくつかの実施形態において、部分62、64は、一体的に形成され、および/または鍔部60は一体式である。
図9および
図11に図示されるように、部分62は、部分64の直径よりも大きい直径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書において論じられるように、部分64は、開口44aを通って空洞44内部に部分64が挿入され得るように、本体部36のフランジ46と端部38の端面との間の空洞44の直径よりもわずかに小さい直径を有する。
【0020】
[0052]部分62は、鍔部60を長手軸Lの周りで本体部36に対して回転させるための把持のために構成された例えば溝66aなどの複数の離間された凹部を有する側壁66を備える。いくつかの実施形態において、溝66aは各々、互いに対して平行に延在する。いくつかの実施形態において、側壁66は、長手軸Lに対して平行に延在する。いくつかの実施形態において、溝66aは各々、長手軸Lに対して平行に延在する。部分62は、長手軸Lに対して横向きに延在する端面68を備える。いくつかの実施形態において、端面68は、長手軸Lに対して垂直に延在する。いくつかの実施形態において、例えば、
図9に図示されるように、溝66aは、端面68を貫通して延在する。いくつかの実施形態において、溝66aは、長手軸Lに対して、例えば横向き、垂直および/または鋭角もしくは鈍角など他の角度の向き、同軸などの別の向きに設置されてよく、および/またはオフセットもしくは互い違いにされてよい。
【0021】
[0053]部分62は、端面68を貫通して延在する1つまたは複数の凹部70を含む。いくつかの実施形態において、部分62は、
図9および
図10に図示されるように、互いから離間された2つの凹部70を含む。いくつかの実施形態において、凹部70は各々、弓状または弧状の構成を有する。いくつかの実施形態において、凹部70は、各々が端面68を貫通して延在するが反対側の部分62の端面72を貫通して延在しない止まり穴である。側壁66は、端面68と端面72との間に延在し、それらを接続する。いくつかの実施形態において、凹部70は、例えば広楕円形、長楕円形、三角形、正方形、多角形、不規則な形、均一な形、不均一な形、オフセットされた形、互い違いの形、蛇行した形、弓状、可変形、および/または先細り状などの様々な形状に作られてよい。
【0022】
[0054]部分62は、通路76を画定する内側面74を含む。通路76は、凹部70から離間される。すなわち、通路76は凹部70と流体連通しない。内側面74は、滑らかで、ネジ部または任意の他の凹部もしくは凸部を有さない。フランジ78は、外向きに内側面74から通路76内に延在する。フランジ78は、通路76と連通する開口80を含む。
図10に図示されるように、開口80は、通路76の直径よりも小さな直径を有する。通路76は、フランジ78から端面68まで均一な直径を有する。いくつかの実施形態において、通路76および/または開口80は、例えば円形、広楕円形、長楕円形、三角形、長方形、正方形、多角形、不規則な形、均一な形、不均一な形、可変形、管状および/または先細り状などの様々な断面構成を有してよい。
【0023】
[0055]部分64は筒状であり、ネジ付き孔84を画定する例えばネジ付き内側面82(
図11)などの第1のネジ面と、内側面82の反対側の外側面86とを含む。いくつかの実施形態において、ネジ付き内側面82は、左巻きのネジ部を備える。本明細書において論じられるように、孔84は、例えばボルト90などの第2の部材が孔84および開口80を貫通して通路76内に延在し得るように、開口80および通路76と連通する。
【0024】
[0056]部分64は、外側面86内に延在する外周溝88を含む。部分64は、本体部36の開口44aを通って挿入され、部分64が空洞44内で回転可能であるような形で部分64の外側面86が本体部36の内側面42に係合するように、部分64を空洞44内に位置決めする。いくつかの実施形態において、部分64が空洞44内に配置されたとき、部分62の反対側の部分64の端面は、本体部36のフランジ46に係合し、鍔部60が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Aに移動することを防止する。いくつかの実施形態において、部分64が空洞44内に配置されたとき、部分62の端面72は、本体部36の端部38の端面に係合し、鍔部60が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Aに移動することを防止する。いくつかの実施形態において、ピン58は穴54a、54bを通って溝88内に挿入され、部分64が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Aまたは方向Bに移動することを防止する一方、部分64が長手軸Lの周りで本体部36に対して回転することは許容する。
【0025】
[0057]ボルト90は、ヘッド92と、ヘッド92から延在する軸部94とを含む。軸部94はヘッド92に固定される。ヘッド92は、長手軸Lに対して横向きに延在する端面96を含む。ソケット98は端面96内に延在する。いくつかの実施形態において、ソケット98は、例えば六角形、ヘクサローブ(hexalobe)、三角形、長方形、正方形、多角形、不規則な形、均一な形、不均一な形、可変形、管状および/または先細り状などの様々な断面構成を有してよい。ヘッド92は、端面96に対して横向きに延在する側面100を含む。本明細書において論じられるように、開孔102は側面100内に延在し、ピン58のうちの1つを設置するために構成される。軸部94は、鍔部60のネジ付き内側面82に係合してボルト90を鍔部60に結合する、例えばネジ付き外側面104などの第2のネジ面を含む。いくつかの実施形態において、本明細書において論じられるように、ネジ付き外側面104は、鍔部60の回転に際してボルト90を長手軸Lに沿って本体部36に対して移動させるように、ネジ付き内側面82と噛み合うように構成された左巻きのネジ部を備える。ボルト90はカニューレ状である。すなわち、本明細書において論じられるように、ボルト90の内側面は、膨張式骨タンプ34の一部分を設置するために構成されたチャネル106を画定する。チャネル106は、チャネル106がソケット98と連通するように、軸部94およびヘッド92を貫通して延在する。チャネル106は、ソケット98の直径よりも小さい直径を有する。いくつかの実施形態において、チャネル106は、均一な直径を有する。いくつかの実施形態において、ボルト90は、例えばソケット98などのソケットを含まず、チャネル106はボルト90の全体的な長さにわたって延在する。すなわち、チャネル106はヘッド92の端面96および反対側の軸部94の端面を貫通して延在する。いくつかの実施形態において、チャネル106は、例えば円形、広楕円形、長楕円形、三角形、長方形、正方形、多角形、不規則な形、均一な形、不均一な形、可変形、管状および/または先細り状などの様々な断面構成を有してよい。
【0026】
[0058]
図14Aに図示されるように、ボルト90のネジ付き外側面104は、鍔部60のネジ付き内側面82に係合してボルト90を鍔部に結合する。ボルト90と鍔部60の部分64とは、次いで、ボルト90および部分64を、ボルト90のヘッド92を先頭にして本体部36の開口44aを通って挿入することによって、空洞44内に配置される。
図14Bに図示されるように、ヘッド92は、ヘッド92がフランジ46、48の間に配置され、本体部36のスロット50を通して目視できるように、開口44aとフランジ46の開孔46aとを通って移動する。ヘッド92は、ヘッド92が空洞44内で長手軸Lに沿って移動するときにヘッド92が空洞44内でぐらつくことを防止するために、フランジ46、48の間の空洞44の直径よりもわずかに小さい直径を有する。
【0027】
[0059]ピン58のうちの1つは、ピン58がヘッド92に固定されるように、スロット50を通ってヘッド92の開孔102内に配置される。ピン58が開孔102内に配置されたとき、ピン58はスロット50を貫通して延在し、ボルト90の本体部36に対する長手軸L周りの回転を防止する。溝50内に延在する穴46a、46b内のピン58によって、鍔部60は長手軸Lに沿って本体部36に対して移動することが防止され、スロット50を貫通して延在するヘッド92内のピン58によって、ボルト90は本体部36に対して回転することが防止される。ボルト90は、長手軸Lに沿って、例えば
図7に図示される方向Aなどの第1の方向に、本体部36および鍔部60に対して並進する。鍔部60は、本体部36に対して、例えば反時計回りなどの第1の回転方向に回転され、長手軸Lに沿って例えば
図7に図示される方向Bなどの第2の方向に、本体部36および鍔部60に対して並進する。そして、鍔部60は、本明細書において論じられるように、本体部36に対して、例えば時計回りなどの第2の回転方向に回転される。これにより、軸部94の先端部または端面がネジ付き孔84内に配置され得るように、または通路76内で上下に移動され得るように、軸部94が鍔部60に対して選択的に移動されることが可能になる。すなわち、軸部94の先端部がネジ付き孔84を出たとき、鍔部60を本体部36に対して第1の回転方向または第2の回転方向に回転させることによって、軸部94の先端部は、通路76内で選択的に上下に移動され得る。ネジ付き外側面104およびネジ付き内側面82の両者が、右巻きのネジ部を含むことも想定される。その場合、鍔部60が本体部36に対して反時計回りに回転されたとき、鍔部60は長手軸Lに沿って方向Bに並進し、鍔部60が本体部36に対して時計回りに回転されたとき、長手軸Lに沿って方向Aに並進する。
【0028】
[0060]例えばスタイレット(stylet)ノブ108などの第3の部材は、近位端部110から遠位端部112まで延在する。端部112は、端部110に対して固定される。いくつかの実施形態において、端部110は端部112と一体的に形成され、および/またはノブ108は一体式である。端部112は、鍔部60の通路76内に配置されるように構成される。端部110は、ノブ108を本体部36および鍔部60に対して回転させるための把持のために構成された例えば溝114aなどの複数の離間された凹部を有する側壁114を備える。いくつかの実施形態において、溝114aは各々、互いに対して平行に延在する。いくつかの実施形態において、側壁114は、長手軸Lに対して平行に延在する。いくつかの実施形態において、溝114aは各々、長手軸Lに対して平行に延在する。端部112は、均一な直径を有する筒状のシャフト116と、シャフト116の直径よりも大きい直径を有する拡径部分118とを含む。部分118の直径は、ノブ108が通路76内で長手軸Lに沿って移動するときにノブ108がぐらつくことを防止するために、通路76の直径よりもわずかに小さい。
【0029】
[0061]本明細書において論じられるように、ノブ108は、膨張式骨タンプ34の構成要素を設置するために構成されたルーメン(換言すれば、内腔)122を画定する内側面120を含む。ルーメン122は、端部110の端面および反対側の部分118の端面を貫通して延在する。ルーメン122は、ボルト90がルーメン122内に挿入されることを防止するために、ボルト90の軸部94の直径よりも小さい直径を有する。いくつかの実施形態において、ルーメン122は、部分118の端面を貫通して延在するが端部110の端面を貫通して延在しない。いくつかの実施形態において、ノブ108は、側壁114を貫通して延在する開孔124を含む。本明細書において論じられるように、開孔124はルーメン122と連通し、例えばセットスクリューなどの固定具を設置するために構成され、セットスクリューはルーメン122内で膨張式骨タンプ34の構成要素に係合し、構成要素をノブ108に対して固定する。
【0030】
[0062]いくつかの実施形態において、
図17に図示されるキャップ126は、ノブ108の端部110を鍔部60の通路76内に維持するために使用される。いくつかの実施形態において、キャップ126は、各々が切り欠き部130と凸部132とを含む個別の半体128によって作られる。凸部132は各々、弓状の構成を有し、鍔部60の凹部70のうちの1つの内部に設置されるように構成される。半体128が凹部70内に配置されたとき、切り欠き部130は通路76と整列した開口を画定する。すなわち、切り欠き部130によって画定された開口は、通路76と同軸であり、ノブ108の部分118が通路76内に配置されたときにノブ108のシャフト116が切り欠き部130によって画定された開口を貫通して延在することを可能にする。切り欠き部130によって画定された開口は、ノブ108が長手軸Lに沿って本体部36および鍔部60に対して移動するときにノブ108がぐらつくことを防止するために、シャフト116の直径よりもわずかに大きい。いくつかの実施形態において、部分118の直径は、部分118が切り欠き部130によって画定された開口を通って鍔部60の通路76から外れることを防止するために、切り欠き部130によって画定された開口の直径よりも大きい。キャップ126が、キャップ126を鍔部60に結合するために、凸部132に代わる、またはそれに追加される特徴を含み得ることも想定される。例えば、いくつかの実施形態において、キャップ126は、例えば一体式、一体的な接続、摩擦係合、ネジ部による係合、相互の溝、ネジ、接着剤、釘、返し(barb)および/または隆起した要素などの様々なやり方で鍔部60に接続され得る。
【0031】
[0063]いくつかの実施形態において、キャップ126は1つの部品である。すなわち、キャップ126は一体式に形成される。いくつかの実施形態において、キャップ126がノブ108の部分118を越えて移動されるときにキャップ126の開口が拡張し得、次いでキャップ126の開口がノブ108のシャフト116の周りに配置されたときに収縮するように、キャップ126は柔軟性および/または弾力性の材料から作られる。いくつかの実施形態において、キャップ126は、剛性の材料から作られてよい。いくつかの実施形態において、ノブ108は、2つの部品から作られ得る。例えば、ノブ108の部分118は、ノブ108のシャフト116から取り外され得る。このようにして、キャップ126は、キャップ126の開口がシャフト116の周りに配置されるように、シャフト116を覆うように配置され得る。そして、部分118はシャフト116に結合され得る。いくつかの実施形態において、部分118をシャフト116に結合するために、シャフト116は部分118のネジ部に係合するネジ部を備える。
【0032】
[0064]いくつかの実施形態において、機構32は、例えば
図18〜
図20に図示される第2の鍔部134などの第4の部材を含む。鍔部134は、近位端部136と遠位端部138とを含む。端部136は、鍔部134が本体部36に対して回転可能であるように、空洞44の遠位端部内に配置されるように構成される。端部136は、端部138に固定される。いくつかの実施形態において、端部136、138は、一体的に形成され、および/または鍔部134は一体式である。
図18および
図19に図示されるように、端部138は、端部136の直径よりも大きい直径を有する。いくつかの実施形態において、本明細書において論じられるように、端部136は、開口44bを通って空洞44内部に端部136が挿入され得るように、本体部36のフランジ48と端部40の端面との間の空洞44の直径よりもわずかに小さい直径を有する。
【0033】
[0065]端部136は筒状であり、外側面140と、外側面140内に延在する外周溝142とを含む。端部136は、本体部36の開口44bを通って挿入され、端部136が空洞44内で長手軸Lの周りで回転可能であるような形で端部136の外側面140が本体部36の内側面42に係合するように、端部136を空洞44内に位置決めする。いくつかの実施形態において、端部136が空洞44内に配置されたとき、端部138の反対側の端部136の端面は、本体部36のフランジ48に係合し、鍔部134が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Bに移動することを防止する。いくつかの実施形態において、ピン58は穴56a、56bを通って溝142内に挿入され、端部136が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Aまたは方向Bに移動することを防止する一方、端部136が長手軸Lの周りで本体部36に対して回転することは許容する。
【0034】
[0066]端部138は、鍔部134を本体部36に対して回転させるための把持のために構成された例えば溝144aなどの複数の離間された凹部を有する側壁144を備える。いくつかの実施形態において、溝144aは各々、互いに対して平行に延在する。いくつかの実施形態において、側壁144は、長手軸Lに対して平行に延在する。いくつかの実施形態において、溝144aは各々、長手軸Lに対して平行に延在する。端部138は、端面146と、反対側の端面148とを備える。端面146、148は各々、長手軸Lに対して横向きに延在する。いくつかの実施形態において、端面146、148は各々、長手軸Lに対して垂直に延在する。いくつかの実施形態において、端部136が空洞44内に配置されたとき、端面146は本体部36の端部40の端面と係合し、鍔部134が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Bに移動することを防止する。いくつかの実施形態において、溝144aは、端面146、148を貫通して延在する。側壁144は、端面146と端面148との間に延在し、それらを接続する。いくつかの実施形態において、溝144aは、長手軸Lに対して、例えば横向き、垂直および/または鋭角もしくは鈍角など他の角度の向き、同軸などの別の向きに設置されてよく、および/またはオフセットもしくは互い違いにされてよい。
図18および
図20に図示されるように、側壁144は、ソケット152を画定する内側面150を含む。内側面150は、隙間156だけ互いから離間された複数の刻み目154を含む。本明細書において論じられるように、端部136はソケット152と連通する開口158を含み、アダプタ160がソケット152内に配置されたときに、膨張式骨タンプ34の構成要素は開口158を貫通して延在し得る。
【0035】
[0067]アダプタ160は、例えば
図21〜
図22Aに図示される。いくつかの実施形態において、アダプタ160はTuohy borstである。アダプタ160は、本体部162と、本体部162に対して回転可能な取付具164とを含む。本体部162は、本体部162内に配置された弁166を含む。弁166は、取付具164の本体部162に対する長手軸L周りの回転に際して、開閉する。いくつかの実施形態において、取付具164のネジ部は本体部162のネジ部に係合し、取付具164を本体部162に対して例えば時計回りなどの第1の回転方向に回転させると、取付具164は本体部162に対して
図21Aに図示される方向Cに並進する。取付具164を本体部162に対して例えば反時計回りなどの第2の回転方向に回転させると、取付具164は本体部162に対して
図21Aに図示される方向Dに並進する。取付具164を本体部162に対して方向Cに移動させると、弁166は、
図21Bに図示される通気または開位置から、
図21Cに図示される封止または閉位置に移動する。いくつかの実施形態において、取付具164を方向Cに移動させると、取付具164のワッシャまたはガスケットが弁166を押し、それにより弁166は例えば本体部162の先細り状の面などの面に係合し、弁166を開位置から閉位置へと移動させる。いくつかの実施形態において、弁166は開位置に向かって付勢され、それにより、取付具164を方向Dに移動させると、取付具164のワッシャまたはガスケットが弁166から離間し、弁166を閉位置から開位置へと移動させる。
【0036】
[0068]取付具164は、取付具164を鍔部134に固定するように鍔部134のソケット152内に設置されるように構成され、それにより、鍔部134を長手軸Lの周りで回転させると取付具164も長手軸Lの周りで回転する。取付具164は、取付具164の外側面170から延在する複数の離間された隆起部168を含む。取付具164がソケット152内に配置されたとき、隆起部168がソケット152の隙間156に設置されるように取付具164の外側面170は刻み目154に係合し、取付具164の鍔部134に対する回転を防止する。本体部162は、取付具164がソケット152内に配置されたときに鍔部134の開口158と整列されるチャネル172を含み、弁166が開位置にあるときに膨張式骨タンプ34の構成要素がチャネル172および開口158を通って挿入され得るようになっている。本明細書において論じられるように、弁166を開位置から閉位置に移動させることによって、構成要素は機構32および/または膨張式骨タンプ34に対して固定される。
【0037】
[0069]コネクタ174はアダプタ160に結合される。
図22Aに図示されるように、コネクタ174は、内部を貫通して延在する流路178を有する基部176を含む。基部176は、流路178がチャネル172と連通するようにアダプタ160の本体部162に結合される。いくつかの実施形態において、流路178はチャネル172と同軸である。いくつかの実施形態において、基部176は、本体部162内に配置され、接着剤または他の接合材料を使用して本体部162に固定されて、例えば基部176が本体部162に対して移動することを防止する。コネクタ174は、基部176に接続されたポート180を含む。ポート180は、流路178と連通するルーメン182(
図22A)を含み、例えば膨張材料などの材料がルーメン182を通って流路178に注入され得るようになっている。いくつかの実施形態において、コネクタ174は、ポート180に装着された継手184を含む。継手184は、第1の管路186aと、第2の管路186bと、弁188とを含む。弁188は、管路186aがルーメン182と連通し、管路186bは弁188によってルーメン182から遮断される第1の形態と、管路186bがルーメン182と連通し、管路186aは弁188によってルーメン182から遮断される第2の形態との間で、ポート180に対して回転可能である。
【0038】
[0070]膨張式骨タンプ34の外側シャフト190は、外側シャフト190がコネクタ174に固定されるようにコネクタ174に結合される。外側シャフト190は中空の管である。いくつかの実施形態において、外側シャフト190は、接着剤または他の接合材料を使用してコネクタ174に結合される。いくつかの実施形態において、外側シャフト190が破損することなしに屈曲し得ないように外側シャフト190は剛性であり、外側シャフト190に強度を提供する。いくつかの実施形態において、外側シャフト190が破損することなしに屈曲し得るように外側シャフト190は柔軟性であり、外側シャフト190が患者の解剖学的構造を通って誘導されるときに外側シャフト190が屈曲されることを可能にする。いくつかの実施形態において、外側シャフト190は放射線不透過性の材料からなる。例えば
図22Bに図示されるように、例えばバルーン194などの拡張可能部材の近位端部192は、外側シャフト190の遠位端部196に結合される。例えば内側シャフト198などのスタイレットは、バルーン194の遠位端部200が内側シャフト198の遠位端部202に結合されるように、外側シャフト190を貫通して延在する。いくつかの実施形態において、
図22Bに図示されるように、内側シャフト198の遠位端部202は、バルーン194の遠位端部200を越えて延在する。いくつかの実施形態において、内側シャフト198は、近位端部192から内側シャフト198の遠位端部202の先端部204まで均一な直径を有する。先端部204は、先端部204が外側シャフト190内に挿入されることを防止するために、外側シャフト190の中空部分よりも大きい直径を有する。いくつかの実施形態において、先端部204は、外側シャフト190の直径に等しいかまたはそれよりも大きい直径を有する。先端部204の一部分は、バルーン194の充填可能な空洞206内に配置される。
【0039】
[0071]内側シャフト198は、外側シャフト190、ポート180のルーメン182、アダプタ160のチャネル172、鍔部134の開口158、ボルト90のチャネル106、鍔部60の通路76、およびノブ108のルーメン122を貫通して延在する。いくつかの実施形態において、内側シャフト198は、内側シャフト198が長手軸Lに沿って並進可能な第1の形態と、内側シャフト198が機構32、アダプタ160、コネクタ174、および外側シャフト190に対して固定される第2の形態との間で変化可能である。アダプタ160の取付具164をアダプタ160の本体部162に対して第1の回転方向または第2の回転方向に回転させて取付具164を本体部162に対して方向Cに移動させることで弁166を
図21Bおよび
図23に図示される通気または開位置から
図21Cおよび
図24に図示される封止または閉位置に移動させることによって、内側シャフト198は第1の形態から第2の形態に変化する。弁166が閉位置にあるとき、
図24に図示されるように、弁166は内側シャフト198に係合し、内側シャフト198が、長手軸Lに沿って、機構32、アダプタ160、コネクタ174、および外側シャフト190に対して移動することを防止する。いくつかの実施形態において、内側シャフト198がルーメン122内に配置されたとき、セットスクリューがノブ108の開孔124内に配置され、内側シャフト198をノブ108に対して固定する。これにより、本明細書において論じられるように、ノブ108が方向Aまたは方向Bに移動したときに、バルーン194が長手軸Lに沿って方向Aまたは方向Bに移動することを可能にし、ノブ108が長手軸Lの周りで回転されたとき、長手軸Lの周りで回転することが可能になる。
【0040】
[0072]いくつかの実施形態において、
図14Aに図示されるように、装置30は、ボルト90のネジ付き外側面104を鍔部60のネジ付き内側面82に係合してボルト90を鍔部60に結合することによって組み付けられる。鍔部60およびボルト90は、本体部36の開口44aを通って本体部36の空洞44内へと、鍔部60の部分64の端面が本体部36のフランジ46に係合するまで挿入され、鍔部60が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Aに移動することを防止する。本明細書において論じられるように、ボルト90のヘッド92は、本体部36のフランジ46、48の間で本体部36の空洞44内に配置される。ピン58のうちの1つは、ピン58がヘッド92に固定されるように、本体部36のスロット50を通ってボルト90のヘッド92の開孔102内に配置される。ピン58が開孔102内に配置されたとき、ピン58はスロット50を貫通して延在し、ボルト90の本体部36に対する長手軸L周りの回転を防止する。ピン58は本体部36の穴54a、54bを通って鍔部60の溝88内に挿入され、鍔部60が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Aまたは方向Bに移動することを防止する一方、鍔部60が長手軸Lの周りで本体部36に対して回転することは許容する。
【0041】
[0073]ノブ108は鍔部60の通路76内に、ノブ108の部分118が鍔部60のフランジ78に係合するまで挿入される。キャップ126の凸部132は、ノブ108のシャフト116がキャップ126の切り欠き部130によって画定された開口を貫通して延在するように、鍔部60の凹部70内に配置される。いくつかの実施形態において、凸部132が凹部70内に挿入される前に、キャップ126を鍔部60に接合するために接着剤または他の接合材料が凹部70内に入れられる。
【0042】
[0074]鍔部134は、鍔部134の端部136を本体部36の開口44bを通って移動させることによって本体部36の空洞44内に挿入されて、端部136を、端部136の外側面140が本体部36の内側面42に係合し、端部136の端面が本体部36のフランジ48に係合するように、空洞44内に位置決めし、鍔部134が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Bに移動することを防止する。ピン58は穴56a、56bを通って溝142内に挿入され、端部136が長手軸Lに沿って本体部36に対して
図7に図示される方向Aまたは方向Bに移動することを防止する一方、端部136が長手軸Lの周りで本体部36に対して回転することは許容する。
【0043】
[0075]内側シャフト198は、外側シャフト190、ポート180のルーメン182、アダプタ160のチャネル172、鍔部134の開口158、ボルト90のチャネル106、鍔部60の通路76、およびノブ108のルーメン122を通って移動される。本明細書において論じられるように、内側シャフト198がルーメン122内に配置されたとき、セットスクリュー208がノブ108の開孔124内に配置され、内側シャフト198をノブ108に対して固定する。アダプタ160の取付具164は、鍔部134のソケット152内に配置され、取付具164の外側面170が刻み目154に係合し、隆起部168がソケット152の隙間156に設置されて、取付具164の鍔部134に対する長手軸L周りの回転を防止する。
【0044】
[0076]動作および使用において、例えば脊椎骨折などの骨の障害を治療するために、医師は、例えば骨折した椎骨などの少なくとも1つの椎骨を含む対象箇所に、組織の切開および退縮によってなどの任意の適切なやり方でアクセスする。装置30は、例えばオープン手術、ミニオープン手術、経皮的外科移植などの低侵襲手術といった任意の既存の外科的方法または技術において使用され得、それにより、微小切開(micro−incision)を介して、またはその領域までの保護された通路を提供するスリーブを介して、椎骨Vがアクセスされることが想定される。手術部位へのアクセスが得られると、骨の障害を治療するために特定の外科処置が実施され得る。
【0045】
[0077]バルーン194が骨折した椎骨の椎体内に配置されるように、膨張式骨タンプ34は切開部を通って移動され、位置決めされる。バルーン194が椎体内に配置されたとき、機構32、アダプタ160およびコネクタ174は、患者の外に配置され、本明細書において論じられるように、医師が機構32、アダプタ160およびコネクタ174を操作することを可能にする。いくつかの実施形態において、バルーン194が
図25Bに図示される非膨張構成のときに、バルーン194は椎体内に移動される。バルーン194は、例えば空気、生理食塩水、対照液などの膨張材料を、膨張材料がポート180のルーメン182および外側シャフト190を通ってバルーン194の空洞206に移動するように管路186a、186bの1つから注入することによって、非膨張構成から膨張構成(
図25C)に変化可能である。いくつかの実施形態において、弁188が上述の第1の形態にあるとき、管路186aを通って膨張材料を移動させることによって、バルーン194は非膨張構成から膨張構成に変化させられる。いくつかの実施形態において、弁188が上述の第2の形態にあるとき、管路186bを通って膨張材料を移動させることによって、バルーン194は非膨張構成から膨張構成に変化させられる。いくつかの実施形態において、バルーン194を膨張構成に維持するために、弁166は、
図21Bに図示される通気または開位置から
図21Cに図示される封止または閉位置に移動され、膨張材料が流出することを防止する。
【0046】
[0078]バルーン194が非膨張構成から膨張構成に変化すると、バルーン194は椎体内に空洞を生成する。機構32は、バルーン194によって生成される空洞の大きさを制御するために操作され得る。例えば、機構は、鍔部60を長手軸Lの周りで本体部36に対して回転させてバルーン194の長さを
図25Aに図示される第1の長さから
図25Bに図示される第2の長さに増加させることで、バルーン194が膨張構成にあるときに、医師がバルーン194の長さを選択することを可能にするために使用され得る。
【0047】
[0079]バルーン194が第1の長さを有するとき、ボルト90の近位先端部は鍔部60の通路76内に配置され、ノブ108の部分118はキャップ126に係合する。鍔部60を本体部36に対して、例えば時計回りなどの第1の回転方向に回転させると、ボルト90が通路76内で方向Aに移動するように、ボルト90は鍔部60および本体部36に対して方向Aに並進する。これにより、ノブ108は、鍔部60の通路76内で鍔部60に対して方向Aに移動する。ノブ108は方向Aに移動し、内側シャフト198の遠位先端部は外側シャフト190から離間するように移動して、バルーン194の長さを
図25Aに図示される第1の長さから
図25Bに図示される第2の長さに増加させる。いくつかの実施形態において、バルーン194が第2の長さを有するとき、ボルト90の近位先端部は、鍔部60のネジ付き孔84内に配置され、ノブ108の部分118はフランジ78に係合する。当業者には明らかなように、機構32は、上述のやり方で鍔部60を本体部36に対して回転させることによって、バルーン194が第1の長さよりも大きく第2の長さよりも小さい任意の長さを有するように、バルーン194を操作するために使用され得る。いくつかの実施形態において、
図25Cに図示されるように、バルーン194が、例えば第2の長さなど、第1の長さよりも大きい長さを有するとき、バルーン194は、非膨張構成から膨張構成に変化させられる。
【0048】
[0080]バルーン194を第1の長さから第2の長さに変化させるように機構32が操作されると、ボルト90の開孔102内に配置されたピン58は、
図25Aおよび
図25Bに図示されるように、スロット50の近位端部からスロット50の遠位端部へと移動する。いくつかの実施形態において、本体部36は、バルーン194の長さを示す、スロット50に沿った目盛線210を含む。従って、スロット50を貫通して延在するピン58の位置は、ピン58の位置を目盛線210と比べることによって、バルーン194の長さを判定するために使用され得る。これにより、バルーン194が患者内に配置されたときに、医師がバルーン194の長さを視覚的に確認することが可能になり、従って、バルーン194の長さを判定するためにバルーン194を患者から取り出す必要がなくなる。
【0049】
[0081]いくつかの実施形態において、患者への損傷または外傷の可能性を防止しおよび/または減少させるために、バルーン194を患者から取り出す前に、バルーン194は膨張構成から非膨張構成に変化させられる。いくつかの実施形態において、弁166は
図21Cに図示される封止または閉位置から
図21Bに図示される通気または開位置に移動されて膨張材料が流出することを可能にし、それによってバルーン194を膨張構成から非膨張構成に変化させる。ノブ108は、鍔部60および/または本体部36に対して第1の回転方向または第2の回転方向に回転され、それによってバルーン194を、
図25Dに図示されるように、内側シャフト198の周りで捩れるようにし、バルーン194の外形を減少させる。そして、バルーン194は患者から取り出される。いくつかの実施形態において、バルーン194によって生成された空洞は、例えば骨セメントなどの材料で充填される。
【0050】
[0082]いくつかの実施形態において、バルーン194は、ノブ108を鍔部60に対して回転させることなしにバルーン194が内側シャフト198の周りで捩れるように構成される。これにより、例えばノブ108を鍔部60に対して回転させるなどのいかなる外力も加えることなしに、バルーン194が内側シャフト198の周りで捩れた状態で膨張式骨タンプ34が配送されることを可能にする。そのような実施形態において、バルーン194が内側シャフト198の周りで捩れた状態でバルーン194が骨折した椎骨の椎体内に配置されるように、バルーン194は切開部を通って移動され得、位置決めされ得る。これにより、バルーン194が第1の外形を有した状態でバルーン194が患者内に挿入されることが可能になる。バルーン194が非膨張構成から膨張構成に変化させられると、ノブ108が鍔部60に対して回転し、バルーン194を、バルーン194が捩れ、第1の外形を有する第1の形態から、バルーン194が捩れておらず、第1の外形よりも大きな第2の外形を有する第2の形態に変化させる。バルーン194を膨張構成から非膨張構成に変化させることによって、ノブ108は鍔部60に対して回転し、バルーン194を第2の形態から第1の形態に変化させる。そして、バルーン194が患者から取り出されるときの患者への損傷または外傷を最小限にするために、バルーン194は、減少された第1の外形を有する第1の形態の状態で、患者から取り出され得る。いくつかの実施形態において、バルーン194に外力が加えられることがなくても、バルーン194が捩れた構成に戻るように、バルーン194は、いかなる外力(例えば、ノブ108の鍔部60に対する回転)もバルーン194に加えることなしにバルーン194が内側シャフト198の周りで捩れることを可能にする記憶を有する材料からなる。
【0051】
[0083]本明細書において開示される実施形態に対して様々な修正がなされ得ることは理解されよう。従って、上記の説明は限定的であると解釈されるべきではなく、様々な実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨の内で他の修正を想定するであろう。