(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)などのような多様な無線通信システムに使われることができる。CDMAは、UTRA(universal terrestrial radio access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)で具現されることができる。TDMAは、GSM(登録商標)(global system for mobile communications)/GPRS(general packet radio service)/EDGE(enhanced data rates for GSM evolution)のような無線技術で具現されることができる。OFDMAは、IEEE(institute of electrical and electronics engineers)802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(evolved UTRA)などのような無線技術で具現されることができる。IEEE802.16mは、IEEE802.16eの進化であり、IEEE802.16eに基づくシステムとの後方互換性(backward compatibility)を提供する。UTRAは、UMTS(universal mobile telecommunications system)の一部である。3GPP(3rd generation partnership project)LTE(long term evolution)は、E−UTRA(evolved−UMTS terrestrial radio access)を使用するE−UMTS(evolved UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(advanced)は、3GPP LTEの進化である。
【0031】
説明を明確にするために、LTE−Aを中心に記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0032】
図1は、LTEシステムの構造を示す。通信ネットワークは、IMS(IP multimedia subsystem)を介したVoIP(voice over IP)及びパケットデータのような多様な通信サービスを提供するために広範囲に配置される。
【0033】
図1を参照すると、LTEシステム構造は、E−UTRAN(evolved UMTS terrestrial radio access network)、EPC(evolved packet core)及び一つ以上の端末(UE;user equipment)10を含む。UE10は、ユーザにより運搬される通信装置を示す。UE10は、固定されてもよいし、移動性を有してもよく、MS(mobile station)、UT(user terminal)、SS(subscriber station)または無線装置(wireless device)などと呼ばれることもある。
【0034】
E−UTRANは、一つ以上のeNB(evolved node−B)20を含むことができ、一つのセルに複数の端末が存在できる。eNB20は、制御平面(control plane)とユーザ平面(user plane)の終端点を端末に提供する。eNB20は、一般的に端末10と通信する固定局(fixed station)を意味し、BS(base station)、BTS(base transceiver system)、アクセスポイント(access point)等、他の用語で呼ばれることもある。一つのeNB20は、セル毎に配置されることができる。eNB20のカバレッジ内に一つ以上のセルが存在できる。一つのセルは、1.25、2.5、5、10及び20MHzなどの帯域幅のうち一つを有するように設定され、複数の端末にダウンリンク(DL;downlink)またはアップリンク(UL;uplink)送信サービスを提供することができる。このとき、互いに異なるセルは、互いに異なる帯域幅を提供するように設定されることができる。
【0035】
以下、ダウンリンク(DL;downlink)は、eNB20からUE10への通信を示し、アップリンク(UL;uplink)は、UE10からeNB20への通信を示す。DLにおいて、送信機はeNB20の一部であり、受信機はUE10の一部である。ULにおいて、送信機はUE10の一部であり、受信機はeNB20の一部である。
【0036】
EPCは、制御平面の機能を担当するMME(mobility management entity)、ユーザ平面の機能を担当するS−GW(system architecture evolution(SAE)gateway)を含むことができる。MME/S−GW30は、ネットワークの端に位置でき、外部ネットワークと連結される。MMEは、端末の接続情報や端末の能力に対する情報を有し、このような情報は、主に端末の移動性管理に使われることができる。S−GWは、E−UTRANを終端点として有するゲートウェイである。MME/S−GW30は、セッションの終端点と移動性管理機能を端末10に提供する。EPCは、PDN(packet data network)−GW(gateway)をさらに含むことができる。PDN−GWは、PDNを終端点として有するゲートウェイである。
【0037】
MMEは、eNB20へのNAS(non−access stratum)シグナリング、NASシグナリングセキュリティ、AS(access stratum)セキュリティ制御、3GPPアクセスネットワーク間の移動性のためのinterCN(core network)ノードシグナリング、アイドルモード端末到達可能性(ページング再送信の制御及び実行を含む)、トラッキング領域リスト管理(アイドルモード及び活性化モードである端末のために)、P−GW及びS−GW選択、MME変更と共にハンドオーバのためのMME選択、2Gまたは3G 3GPPアクセスネットワークへのハンドオーバのためのSGSN(serving GPRS support node)選択、ローミング、認証、専用ベアラ設定を含むベアラ管理機能、PWS(public warning system:地震/津波警報システム(ETWS)及び常用モバイル警報システム(CMAS)を含む)メッセージ送信サポートなどの多様な機能を提供する。S−GWホストは、ユーザ別基盤パケットフィルタリング(例えば、深層パケット検査を介して)、合法的な遮断、端末IP(internet protocol)アドレス割当、DLで送信レベルパッキングマーキング、UL/DLサービスレベル課金、ゲーティング及び等級強制、APN−AMBRに基づくDL等級強制の各種機能を提供する。明確性のためにMME/S−GW30は、“ゲートウェイ”と単純に表現し、これはMME及びS−GWを両方とも含むことができる。
【0038】
ユーザトラフィック送信または制御トラフィック送信のためのインターフェースが使われることができる。端末10及びeNB20は、Uuインターフェースにより連結されることができる。eNB20は、X2インターフェースにより相互間連結されることができる。隣接したeNB20は、X2インターフェースによるネットワーク型ネットワーク構造を有することができる。eNB20は、S1インターフェースによりEPCと連結されることができる。eNB20は、S1−MMEインターフェースによりEPCと連結されることができ、S1−UインターフェースによりS−GWと連結されることができる。S1インターフェースは、eNB20とMME/S−GW30との間に多対多数関係(many−to−many−relation)をサポートする。
【0039】
eNB20は、ゲートウェイ30に対する選択、RRC(radio resource control)活性(activation)の間にゲートウェイ30へのルーティング(routing)、ページングメッセージのスケジューリング及び送信、BCH(broadcast channel)情報のスケジューリング及び送信、UL及びDLで端末10へのリソースの動的割当、eNB測定の設定(configuration)及び提供(provisioning)、無線ベアラ制御、RAC(radio admission control)及びLTE活性状態で連結移動性制御機能を実行することができる。前記言及のように、ゲートウェイ30は、EPCでページング開始、LTEアイドル状態管理、ユーザ平面の暗号化、SAEベアラ制御及びNASシグナリングの暗号化と無欠性保護機能を実行することができる。
【0040】
図2は、制御平面に対するLTEシステムの無線インターフェースプロトコルを示す。
図3は、ユーザ平面に対するLTEシステムの無線インターフェースプロトコルを示す。
【0041】
端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルの階層は、通信システムで広く知られたOSI(open system interconnection)モデルの下位3個階層に基づいてL1(第1の階層)、L2(第2の階層)及びL3(第3の階層)に区分される。端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコルは、水平的に物理階層、データリンク階層(datalink layer)、及びネットワーク階層(network layer)に区分されることができ、垂直的に制御信号送信のためのプロトコルスタック(protocol stack)である制御平面(control plane)とデータ情報送信のためのプロトコルスタックであるユーザ平面(user plane)とに区分されることができる。無線インターフェースプロトコルの階層は、端末とE−UTRANで対(pair)で存在でき、これはUuインターフェースのデータ送信を担当することができる。
【0042】
物理階層(PHY;physical layer)は、L1に属する。物理階層は、物理チャネルを介して上位階層に情報送信サービスを提供する。物理階層は、上位階層であるMAC(media access control)階層とトランスポートチャネル(transport channel)を介して連結される。物理チャネルは、トランスポートチャネルにマッピングされる。トランスポートチャネルを介してMAC階層と物理階層との間にデータが送信されることができる。互いに異なる物理階層間、即ち、送信機の物理階層と受信機の物理階層との間のデータは、物理チャネルを介して無線リソースを利用して送信されることができる。物理階層は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)方式を利用して変調されることができ、時間と周波数を無線リソースとして活用する。
【0043】
物理階層は、いくつかの物理制御チャネル(physical control channel)を使用する。PDCCH(physical downlink control channel)は、PCH(paging channel)及びDL−SCH(downlink shared channel)のリソース割当、DL−SCHと関連するHARQ(hybrid automatic repeat request)情報に対して端末に報告する。PDCCHは、アップリンク送信のリソース割当に対して端末に報告するためにアップリンクグラントを伝送することができる。PCFICH(physical control format indicator channel)は、PDCCHのために使われるOFDMシンボルの個数を端末に知らせ、全てのサブフレーム毎に送信される。PHICH(physical hybrid ARQ indicator channel)は、UL−SCH送信に対するHARQ ACK(acknowledgement)/NACK(non−acknowledgement)信号を伝送する。PUCCH(physical uplink control channel)は、ダウンリンク送信のためのHARQ ACK/NACK、スケジューリング要求及びCQIのようなUL制御情報を伝送する。PUSCH(physical uplink shared channel)は、UL−SCH(uplink shared channel)を伝送する。
【0044】
物理チャネルは、時間領域で複数のサブフレーム(subframe)と周波数領域で複数の副搬送波(subcarrier)で構成される。一つのサブフレームは、時間領域で複数のシンボルで構成される。一つのサブフレームは、複数のリソースブロック(RB;resource block)で構成される。一つのリソースブロックは、複数のシンボルと複数の副搬送波で構成される。また、各サブフレームは、PDCCHのために該当サブフレームの特定シンボルの特定副搬送波を利用することができる。例えば、サブフレームの最初のシンボルがPDCCHのために使われることができる。PDCCHは、PRB(physical resource block)及びMCS(modulation and coding schemes)のように動的に割り当てられたリソースを伝送することができる。データが送信される単位時間であるTTI(transmission time interval)は、1個のサブフレームの長さと同じである。サブフレーム一つの長さは、1msである。
【0045】
トランスポートチャネルは、チャネルが共有されるかどうかによって共通トランスポートチャネル及び専用トランスポートチャネルに分類される。ネットワークから端末にデータを送信するDLトランスポートチャネル(DL transport channel)は、システム情報を送信するBCH(broadcast channel)、ページングメッセージを送信するPCH(paging channel)、ユーザトラフィックまたは制御信号を送信するDL−SCHなどを含む。DL−SCHは、HARQ、変調、コーディング及び送信電力の変化による動的リンク適応及び動的/半静的リソース割当をサポートする。また、DL−SCHは、セル全体にブロードキャスト及びビームフォーミングの使用を可能にすることができる。システム情報は、一つ以上のシステム情報ブロックを伝送する。全てのシステム情報ブロックは、同じ周期に送信されることができる。MBMS(multimedia broadcast/multicast service)のトラフィックまたは制御信号は、MCH(multicast channel)を介して送信される。
【0046】
端末からネットワークにデータを送信するULトランスポートチャネルは、初期制御メッセージ(initial control message)を送信するRACH(random access channel)、ユーザトラフィックまたは制御信号を送信するUL−SCHなどを含む。UL−SCHは、HARQ及び送信電力及び潜在的な変調及びコーディングの変化による動的リンク適応をサポートすることができる。また、UL−SCHは、ビームフォーミングの使用を可能にすることができる。RACHは、一般的にセルへの初期接続に使われる。
【0047】
L2に属するMAC階層は、論理チャネル(logical channel)を介して上位階層であるRLC(radio link control)階層にサービスを提供する。MAC階層は、複数の論理チャネルから複数のトランスポートチャネルへのマッピング機能を提供する。また、MAC階層は、複数の論理チャネルから単数のトランスポートチャネルへのマッピングによる論理チャネル多重化機能を提供する。MAC副階層は、論理チャネル上のデータ送信サービスを提供する。
【0048】
論理チャネルは、送信される情報の種類によって、制御平面の情報伝達のための制御チャネルとユーザ平面の情報伝達のためのトラフィックチャネルとに分けられる。即ち、論理チャネルタイプのセットは、MAC階層により提供される他のデータ送信サービスのために定義される。論理チャネルは、トランスポートチャネルの上位に位置してトランスポートチャネルにマッピングされる。
【0049】
制御チャネルは、制御平面の情報伝達のみのために使われる。MAC階層により提供される制御チャネルは、BCCH(broadcast control channel)、PCCH(paging control channel)、CCCH(common control channel)、MCCH(multicast control channel)及びDCCH(dedicated control channel)を含む。BCCHは、システム制御情報を放送するためのダウンリンクチャネルである。PCCHは、ページング情報の送信及びセル単位の位置がネットワークに知られていない端末をページングするために使われるダウンリンクチャネルである。CCCHは、ネットワークとRRC接続を有しない時、端末により使われる。MCCHは、ネットワークから端末にMBMS制御情報を送信するのに使われる一対多のダウンリンクチャネルである。DCCHは、RRC接続状態で端末とネットワークとの間に専用制御情報送信のために端末により使われる一対一の双方向チャネルである。
【0050】
トラフィックチャネルは、ユーザ平面の情報伝達のみのために使われる。MAC階層により提供されるトラフィックチャネルは、DTCH(dedicated traffic channel)及びMTCH(multicast traffic channel)を含む。DTCHは、一対一のチャネルで一つの端末のユーザ情報の送信のために使われ、アップリンク及びダウンリンクの両方ともに存在できる。MTCHは、ネットワークから端末にトラフィックデータを送信するための一対多のダウンリンクチャネルである。
【0051】
論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のアップリンク連結は、UL−SCHにマッピングされることができるDCCH、UL−SCHにマッピングされることができるDTCH、及びUL−SCHにマッピングされることができるCCCHを含む。論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のダウンリンク連結は、BCHまたはDL−SCHにマッピングされることができるBCCH、PCHにマッピングされることができるPCCH、DL−SCHにマッピングされることができるDCCH、DL−SCHにマッピングされることができるDTCH、MCHにマッピングされることができるMCCH、及びMCHにマッピングされることができるMTCHを含む。
【0052】
RLC階層は、L2に属する。RLC階層の機能は、下位階層がデータの送信に適するように無線セクションで上位階層から受信されたデータの分割/連接によるデータの大きさ調整を含む。無線ベアラ(RB;radio bearer)が要求する多様なQoSを保障するために、RLC階層は、透明モード(TM;transparent mode)、非確認モード(UM;unacknowledged mode)、及び確認モード(AM;acknowledged mode)の三つの動作モードを提供する。AM RLCは、信頼性のあるデータ送信のためにARQ(automatic repeat request)を介して再送信機能を提供する。一方、RLC階層の機能は、MAC階層内部の機能ブロックで具現されることができ、このとき、RLC階層は、存在しないこともある。
【0053】
PDCP(packet data convergence protocol)階層は、L2に属する。PDCP階層は、相対的に帯域幅が小さい無線インターフェース上でIPv4またはIPv6のようなIPパケットを導入して送信されるデータが効率的に送信されるように不要な制御情報を減らすヘッダ圧縮機能を提供する。ヘッダ圧縮は、データのヘッダに必要な情報のみを送信することによって無線セクションで送信効率を上げる。さらに、PDCP階層は、セキュリティ機能を提供する。セキュリティ機能は、第3者の検査を防止する暗号化及び第3者のデータ操作を防止する無欠性保護を含む。
【0054】
RRC(radio resource control)階層は、L3に属する。L3の最も下段部分に位置するRRC階層は、制御平面でのみ定義される。RRC階層は、端末とネットワークとの間の無線リソースを制御する役割を実行する。そのために、端末とネットワークは、RRC階層を介してRRCメッセージを交換する。RRC階層は、RBの構成(configuration)、再構成(re−configuration)、及び解除(release)と関連して論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために、L1及びL2により提供される論理的経路である。即ち、RBは、端末とE−UTRANとの間のデータ送信のために、L2により提供されるサービスを意味する。RBが設定されるということは、特定サービスを提供するために無線プロトコル階層及びチャネルの特性を規定し、各々の具体的なパラメータ及び動作方法を決定することを意味する。RBは、SRB(signaling RB)とDRB(data RB)の二つに区分されることができる。SRBは、制御平面でRRCメッセージを送信する通路として使われ、DRBは、ユーザ平面でユーザデータを送信する通路として使われる。
【0055】
RRC階層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)階層は、連結管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を実行する。
【0056】
図2を参照すると、RLC及びMAC階層(ネットワーク側でeNBで終了)は、スケジューリング、ARQ及びHARQのような機能を実行することができる。RRC階層(ネットワーク側でeNBで終了)は、放送、ページング、RRC接続管理、RB制御、移動性機能及び端末測定報告/制御のような機能を実行することができる。NAS制御プロトコル(ネットワーク側でゲートウェイのMMEで終了)は、SAEベアラ管理、認証、LTE_IDLE移動性ハンドリング、LTE_IDLEでページング開始及び端末とゲートウェイとの間のシグナリングのためのセキュリティ制御のような機能を実行することができる。
【0057】
図3を参照すると、RLC及びMAC階層(ネットワーク側でeNBで終了)は、制御平面での機能と同じ機能を実行することができる。PDCP階層(ネットワーク側でeNBで終了)は、ヘッダ圧縮、無欠性保護及び暗号化のようなユーザ平面機能を実行することができる。
【0058】
以下、端末のRRC状態(RRC state)とRRC接続方法に対して詳述する。
【0059】
RRC状態は、端末のRRC階層がE−UTRANのRRC階層と論理的に連結されているかどうかを指示する。RRC状態は、RRC接続状態(RRC_CONNECTED)及びRRCアイドル状態(RRC_IDLE)のように二つに分けられる。端末のRRC階層とE−UTRANのRRC階層との間のRRC接続が設定されている時、端末は、RRC接続状態になり、そうでない場合、端末は、RRCアイドル状態になる。RRC_CONNECTEDの端末は、E−UTRANとRRC接続が設定されているため、E−UTRANは、RRC_CONNECTEDの端末の存在を把握することができ、端末を効果的に制御することができる。一方、E−UTRANは、RRC_IDLEの端末を把握することができず、核心ネットワーク(CN;core network)がセルより大きい領域であるトラッキング領域(tracking area)単位で端末を管理する。即ち、RRC_IDLEの端末は、より大きい領域の単位で存在のみが把握され、音声またはデータ通信のような通常の移動通信サービスを受けるために、端末は、RRC_CONNECTEDに遷移しなければならない。
【0060】
RRC_IDLE状態で、端末がNASにより設定されたDRX(discontinuous reception)を指定する間に、端末は、システム情報及びページング情報の放送を受信することができる。そして、端末は、トラッキング領域で端末を固有に指定するID(identification)の割当を受け、PLMN(public land mobile network)選択及びセル再選択を実行することができる。また、RRC_IDLE状態で、どのようなRRC contextもeNBに格納されない。
【0061】
RRC_CONNECTED状態で、端末は、E−UTRANでE−UTRAN RRC接続及びRRC contextを有し、eNBにデータを送信及び/またはeNBからデータを受信することが可能である。また、端末は、eNBにチャネル品質情報及びフィードバック情報を報告することができる。RRC_CONNECTED状態で、E−UTRANは、端末が属するセルを知ることができる。したがって、ネットワークは、端末にデータを送信及び/または端末からデータを受信することができ、ネットワークは、端末の移動性(ハンドオーバ及びNACC(network assisted cell change)を介したGERAN(GSM EDGE radio access network)にinter−RAT(radio access technology)セル変更指示)を制御することができ、ネットワークは、隣接セルのためにセル測定を実行することができる。
【0062】
RRC_IDLE状態で、端末は、ページングDRX周期を指定する。具体的に、端末は、端末特定ページングDRX周期毎の特定ページングオケージョン(paging occasion)にページング信号をモニタリングする。ページングオケージョンは、ページング信号が送信される間の時間間隔である。端末は、自分のみのページングオケージョンを有している。
【0063】
ページングメッセージは、同じトラッキング領域に属する全てのセルにわたって送信される。もし、端末が一つのトラッキング領域から他の一つのトラッキング領域に移動すると、端末は、位置をアップデートするためにTAU(tracking area update)メッセージをネットワークに送信する。
【0064】
ユーザが端末の電源を最初オンにした時、まず、端末は、適切なセルを探索した後、該当セルでRRC_IDLEにとどまる。RRC接続を確立する必要がある時、RRC_IDLE状態の端末は、RRC接続手順を介してE−UTRANのRRCとRRC接続を確立してRRC_CONNECTEDに遷移できる。RRC_IDLE状態の端末は、ユーザの通話試みなどの理由でアップリンクデータ送信が必要な時、またはE−UTRANからページングメッセージを受信し、これに対する応答メッセージ送信が必要な時などにE−UTRANとRRC接続を確立する必要がある。
【0065】
NAS階層で端末の移動性を管理するために、EMM−REGISTERED(EPS Mobility Management−REGISTERED)及びEMM−DEREGISTEREDの二つの状態が定義されており、この二つの状態は、端末とMMEに適用される。初期端末は、EMM−DEREGISTERED状態であり、この端末がネットワークに接続するために、初期連結(Initial Attach)手順を介して該当ネットワークに登録する過程を実行する。前記連結(Attach)手順が成功的に実行されると、端末及びMMEは、EMM−REGISTERED状態となる。
【0066】
端末とEPCとの間のシグナリング接続(signaling connection)を管理するために、ECM(EPS Connection Management)−IDLE状態及びECM−CONNECTED状態の二つの状態が定義されており、この二つの状態は、端末及びMMEに適用される。ECM−IDLE状態の端末がE−UTRANとRRC接続を確立すると、該当端末は、ECM−CONNECTED状態となる。ECM−IDLE状態にあるMMEは、E−UTRANとS1接続(S1 connection)を確立すると、ECM−CONNECTED状態となる。端末がECM−IDLE状態にある時、E−UTRANは、端末のcontext情報を有していない。したがって、ECM−IDLE状態の端末は、ネットワークの命令を受ける必要無しで、セル選択(cell selection)またはセル再選択(reselection)のような端末ベースの移動性関連手順を実行する。それに対し、端末がECM−CONNECTED状態にある時、端末の移動性は、ネットワークの命令により管理される。ECM−IDLE状態で端末の位置が、ネットワークが知っている位置と変わる場合、端末は、トラッキング領域更新(Tracking Area Update)手順を介してネットワークに端末の該当位置を知らせる。
【0067】
図4は、初期電源がオンになったRRCアイドル状態の端末がセル選択過程を介してネットワークに登録し、必要な場合、セル再選択をする手順を示す。
【0068】
図4を参照すると、端末は、自分がサービスを受けようとするネットワークであるPLMN(public land mobile network)と通信するためのラジオアクセス技術(radio access technology;RAT)を選択する(S410)。PLMN及びRATに対する情報は、端末のユーザが選択することができ、USIM(universal subscriber identity module)に格納されていることを使用することもできる。
【0069】
端末は、測定した基地局と信号強度や品質が特定の値より大きいセルの中から最も大きい値を有するセルを選択する(Cell Selection)(S420)。これは電源がオンになった端末がセル選択を実行することであり、初期セル選択(initial cell selection)ということができる。セル選択手順に対して以後に詳述する。セル選択以後、端末は、基地局が周期的に送るシステム情報を受信する。前記特定の値は、データ送/受信での物理的信号に対する品質の保証を受けるためにシステムで定義された値を意味する。したがって、その値は、適用されるRATによって異なる。
【0070】
端末は、ネットワーク登録必要がある場合、ネットワーク登録手順を実行する(S430)。端末は、ネットワークからサービス(例:Paging)を受けるために自分の情報(例:IMSI)を登録する。端末は、セルを選択するたびに接続するネットワークに登録をするものではなく、システム情報から受けたネットワークの情報(例:Tracking Area Identity;TAI)と自分が知っているネットワークの情報が異なる場合にネットワークに登録をする。
【0071】
端末は、セルで提供されるサービス環境または端末の環境などに基づいてセル再選択を実行する(S440)。端末は、サービスを受けている基地局から測定した信号の強度や品質の値が隣接したセルの基地局から測定した値より低い場合、端末が接続した基地局のセルより良い信号特性を提供する他のセルの中から一つを選択する。この過程を2番過程の初期セル選択(Initial Cell Selection)と区分するためにセル再選択(Cell Re−Selection)という。このとき、信号特性の変化によって頻繁にセルが再選択されることを防止するために時間的な制約条件をおく。セル再選択手順に対して以後に詳述する。
【0072】
図5は、RRC接続を設定する過程を示す。
【0073】
端末は、RRC接続を要求するRRC接続要求(RRC Connection Request)メッセージをネットワークに送る(S510)。ネットワークは、RRC接続要求に対する応答としてRRC接続設定(RRC Connection Setup)メッセージを送る(S520)。RRC接続設定メッセージを受信した後、端末は、RRC接続モードに進入する。
【0074】
端末は、RRC接続確立の成功的な完了を確認するために使われるRRC接続設定完了(RRC Connection Setup Complete)メッセージをネットワークに送る(S530)。
【0075】
図6は、RRC接続再構成手順を示す。
【0076】
RRC接続再構成(reconfiguration)は、RRC接続の修正に使われる。これはRB構成/修正(modify)/解除(release)、ハンドオーバ実行、測定セットアップ/修正/解除するために使われる。
【0077】
ネットワークは、端末にRRC接続を修正するためのRRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを送る(S610)。端末は、RRC接続再構成に対する応答として、RRC接続再構成の成功的な完了を確認するために使われるRRC接続再構成完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージをネットワークに送る(S620)。
【0078】
以下、端末がセルを選択する手順に対して詳細に説明する。
【0079】
電源がオンになり、またはセルにとどまっている時、端末は、適切な品質のセルを選択/再選択してサービスを受けるための手順を実行する。
【0080】
RRCアイドル状態の端末は、常に適切な品質のセルを選択し、このセルを介してサービスの提供を受けるための準備をしなければならない。例えば、電源がオンになった端末は、ネットワークに登録をするために適切な品質のセルを選択しなければならない。RRC接続状態の前記端末がRRCアイドル状態に進入すると、前記端末は、RRCアイドル状態でとどまるセルを選択しなければならない。このように、前記端末がRRCアイドル状態のようなサービス待機状態にとどまっているために、ある条件を満たすセルを選択する過程をセル選択(Cell Selection)という。重要な点は、前記セル選択は、前記端末が前記RRCアイドル状態にとどまっているセルを現在決定することができない状態で実行するため、可能な限り速やかにセルを選択することが何より重要である。したがって、一定基準以上の無線信号品質を提供するセルの場合は、たとえ、このセルが端末に最も良い無線信号品質を提供するセルでないとしても、端末のセル選択過程で選択されることができる。
【0081】
以下、3GPP LTEにおいて、端末がセルを選択する方法及び手順に対して詳述する。
【0082】
セル選択過程は、大いに、二つに分けられる。
【0083】
まず、初期セル選択過程であって、この過程では前記端末が無線チャネルに対する事前情報がない。したがって、前記端末は、適切なセルを探すために全ての無線チャネルを検索する。各チャネルで、前記端末は、最も強いセルを探す。以後、前記端末がセル選択基準を満たす適切な(suitable)セルを探した時、該当セルを選択する。
【0084】
次に、端末は、格納された情報を活用し、またはセルで放送している情報を活用してセルを選択することができる。したがって、初期セル選択過程に比べてセル選択が迅速である。端末がセル選択基準を満たすセルを探した時、該当セルを選択する。もし、この過程を介してセル選択基準を満たす適切なセルを探すことができない場合、端末は、初期セル選択過程を実行する。
【0085】
前記端末がセル選択過程を介してどんなセルを選択した以後、端末の移動性または無線環境の変化などで、端末と基地局との間の信号の強度や品質が変わることができる。したがって、もし、選択したセルの品質が低下される場合、端末は、より良い品質を提供する他のセルを選択することができる。このようにセルを再び選択する場合、一般的に現在選択されたセルより良い信号品質を提供するセルを選択する。このような過程をセル再選択(Cell Reselection)という。前記セル再選択過程は、無線信号の品質観点で、一般的に端末に最も良い品質を提供するセルを選択することに基本的な目的がある。
【0086】
無線信号の品質観点以外に、ネットワークは、周波数別に優先順位を決定して端末に知らせることができる。このような優先順位を受信した端末は、セル再選択過程でこの優先順位を無線信号品質基準より優先的に考慮するようになる。
【0087】
前記のように無線環境の信号特性によってセルを選択または再選択する方法があり、セル再選択時、再選択のためのセルを選択するにあたって、セルのRATと周波数(frequency)特性によって下記のようなセル再選択方法がある。
【0088】
−イントラ周波数(Intra−frequency)セル再選択:端末がキャンプ(camp)中であるセルと同じRATと同じ中心周波数(center−frequency)を有するセルを再選択
【0089】
−インター周波数(Inter−frequency)セル再選択:端末がキャンプ中であるセルと同じRATと異なる中心周波数を有するセルを再選択
【0090】
−インターRAT(Inter−RAT)セル再選択:端末がキャンプ中であるRATと異なるRATを使用するセルを再選択
【0091】
セル再選択過程の原則は、下記の通りである。
【0092】
第一に、端末は、セル再選択のためにサービングセル(serving cell)及び隣接セル(neighboring cell)の品質を測定する。
【0093】
第二に、セル再選択は、セル再選択基準に基づいて実行される。セル再選択基準は、サービングセル及び隣接セル測定に関連して以下のような特性を有している。
【0094】
イントラ周波数セル再選択は、基本的にランキング(ranking)に基づいて行われる。ランキングとは、セル再選択評価のための指標値を定義し、この指標値を利用してセルを指標値の大きさ順に順序付ける作業である。最も良い指標を有するセルを一般的に最高順位セル(highest ranked cell)と呼ぶ。セル指標値は、端末が該当セルに対して測定した値を基本にして、必要によって周波数オフセットまたはセルオフセットを適用した値である。
【0095】
インター周波数セル再選択は、ネットワークにより提供された周波数優先順位に基づいて行われる。端末は、最も高い周波数優先順位を有する周波数にとどまる(camp on)するように試みる。ネットワークは、ブロードキャストシグナリング(broadcast signaling)を介してセル内の端末が共通的に適用する周波数優先順位を提供し、または、端末別シグナリング(dedicated signaling)を介して端末別に各々周波数別優先順位を提供することができる。ブロードキャストシグナリングを介して提供されるセル再選択優先順位を共用優先順位(common priority)ということができ、端末別にネットワークが設定するセル再選択優先順位を専用優先順位(dedicated priority)ということができる。端末は、専用優先順位を受信すると、専用優先順位と関連した有効時間(validity time)を共に受信することができる。端末は、専用優先順位を受信すると、共に受信した有効時間として設定された有効性タイマ(validity timer)を開始する。端末は、有効性タイマが動作する間に、RRCアイドルモードで専用優先順位を適用する。有効性タイマが満了されると、端末は、専用優先順位を廃棄し、再び共用優先順位を適用する。
【0096】
インター周波数セル再選択のために、ネットワークは、端末にセル再選択に使われるパラメータ(例えば、周波数別オフセット(frequency−specific offset))を周波数別に提供することができる。
【0097】
イントラ周波数セル再選択またはインター周波数セル再選択のために、ネットワークは、端末にセル再選択に使われる隣接セルリスト(Neighboring Cell List、NCL)を端末に提供することができる。このNCLは、セル再選択に使われるセル別パラメータ(例えば、セル別オフセット(cell−specific offset))を含む。
【0098】
イントラ周波数またはインター周波数セル再選択のために、ネットワークは、端末にセル再選択に使われるセル再選択禁止リスト(black list)を端末に提供することができる。禁止リストに含まれているセルに対し、端末は、セル再選択を実行しない。
【0099】
次に、セル再選択評価過程で実行するランキングに対して説明する。
【0100】
セルの優先順位付けに使われるランキング指標(ranking criterion)は、数式1のように定義される。
【0102】
ここで、Rsはサービングセルのランキング指標であり、Rnは隣接セルのランキング指標であり、Qmeas、sは端末がサービングセルに対して測定した品質値であり、Qmeas、nは端末が隣接セルに対して測定した品質値であり、Qhystはランキングのためのヒステリシス(hysteresis)値であり、Qoffsetは二つのセル間のオフセットである。
【0103】
イントラ周波数で、端末がサービングセルと隣接セルとの間のオフセット(Qoffsets、n)を受信した場合にはQoffset=Qoffsets、nであり、端末がQoffsets、nを受信しない場合にはQoffset=0である。
【0104】
インター周波数で、端末が該当セルに対するオフセット(Qoffsets、n)を受信した場合、Qoffset=Qoffsets、n+Qfrequencyであり、端末がQoffsets、nを受信しない場合、Qoffset=Qfrequencyである。
【0105】
サービングセルのランキング指標(Rs)と隣接セルのランキング指標(Rn)が互いに類似している状態で変動すると、変動結果、ランキング順位が頻繁に変わって端末が二つのセルを交互に再選択することができる。Qhystは、セル再選択でヒステリシスを与え、端末が二つのセルを交互に再選択することを防止のためのパラメータである。
【0106】
端末は、前記数式によってサービングセルのRs及び隣接セルのRnを測定し、ランキング指標値が最も大きい値を有するセルを最高順位(highest ranked)セルと見なし、このセルを再選択する。もし、再選択したセルが正規セル(suitable cell)でない場合、端末は、該当周波数または該当セルをセル再選択対象から除外する。
【0107】
図7は、RRC接続再確立手順を示す。
【0108】
図7を参照すると、端末は、SRB 0(Signaling Radio Bearer #0)を除外して設定された全ての無線ベアラ(radio bearer)使用を中断し、AS(Access Stratum)の各種副階層を初期化させる(S710)。また、各副階層及び物理階層を基本構成(default configuration)として設定する。このような過程中、端末は、RRC接続状態を維持する。
【0109】
端末は、RRC接続再確立手順を実行するためのセル選択手順を実行する(S720)。RRC接続再確立手順のうちセル選択手順は、端末がRRC接続状態を維持しているにもかかわらず、端末がRRCアイドル状態で実行するセル選択手順と同じく実行されることができる。
【0110】
端末は、セル選択手順を実行した後、該当セルのシステム情報を確認して該当セルが適したセルかどうかを判断する(S730)。もし、選択されたセルが適切なE−UTRANセルと判断された場合、端末は、該当セルとRRC接続再確立要求メッセージ(RRC connection reestablishment request message)を送信する(S740)。
【0111】
一方、RRC接続再確立手順を実行するためのセル選択手順を介して選択されたセルがE−UTRAN以外の他のRATを使用するセルと判断された場合、RRC接続再確立手順を中断し、端末は、RRCアイドル状態に進入する(S750)。
【0112】
端末は、セル選択手順及び選択したセルのシステム情報受信を介してセルの適切性確認は、制限された時間内に終えるように具現されることができる。そのために、端末は、RRC接続再確立手順を開始することによってタイマを駆動させることができる。タイマは、端末が適したセルを選択したと判断された場合、中断されることができる。タイマが満了された場合、端末は、RRC接続再確立手順が失敗したと見なしてRRCアイドル状態に進入できる。このタイマを以下で無線リンク失敗タイマという。LTEスペックTS36.331ではT311という名称のタイマが無線リンク失敗タイマとして活用されることができる。端末は、このタイマの設定値をサービングセルのシステム情報から取得できる。
【0113】
端末からRRC接続再確立要求メッセージを受信して要求を受諾した場合、セルは、端末にRRC接続再確立メッセージ(RRC connection reestablishment message)を送信する。
【0114】
セルからRRC接続再確立メッセージを受信した端末は、SRB1に対するPDCP副階層とRLC副階層を再構成する。また、セキュリティ設定と関連した各種キー値を再び計算し、セキュリティを担当するPDCP副階層を新しく計算したセキュリティキー値で再構成する。それによって、端末とセルとの間のSRB1が開放されてRRC制御メッセージをやり取りすることができるようになる。端末は、SRB1の再開を完了し、セルにRRC接続再確立手順が完了したというRRC接続再確立完了メッセージ(RRC connection reestablishment complete message)を送信する(S760)。
【0115】
それに対し、端末からRRC接続再確立要求メッセージを受信して要求を受諾しない場合、セルは、端末にRRC接続再確立拒絶メッセージ(RRC connection reestablishment reject message)を送信する。
【0116】
RRC接続再確立手順が成功的に実行されると、セルと端末は、RRC接続再確立手順を実行する。それによって、端末は、RRC接続再確立手順を実行する前の状態を回復し、サービスの連続性を最大限保障する。
【0117】
図8は、異種ネットワーク(Heterogeneous Network;HetNet)の一例を示す。
【0118】
図8を参照すると、異種ネットワークは、多様な種類のセルが混在されて運営されるネットワークである。異種ネットワークには多くのノードが重なって存在し、代表的な例として、ピコセル(pico cell)、マイクロセル(micro cell)、フェムトセル(femto cell)またはホーム基地局(home eNB)などがある。スモールセルの用途が限定されたものではなく、一般的に、ピコセルは、データサービス要求が多い地域に設置することができ、フェムトセルは、室内事務室や家庭に設置することができ、無線中継器は、マクロセルのカバレッジを補完する用途で設置することができる。また、スモールセルは、接続制限によって特定ユーザのみが使用することができる閉鎖型(Closed Subscriber Group、CSG)と一般ユーザに接続を許容する開放型(open access)、そしてこの二つの方式を混合して使用するハイブリッド型(hybrid access)に区分できる。
【0119】
前記異種ネットワークには複数の周波数が配置されることができる。例えば、周波数が異なるマクロセルが重なって配置されることができ、マクロセルの内部に周波数が異なるスモールセルが重なって配置されることができる。前記異種ネットワークに複数の周波数が配置された場合、RRC_IDLEモード端末の再分散(Redistribution)を実行するために、ネットワークは、システム情報で搬送波(Carrier)周波数に対する分散パラメータ(例えば、周波数別再分散確率)を放送する必要がある。以後、RRC_IDLEモード端末は、受信された分散パラメータによってIDLEモード移動を実行することができる。例えば、ネットワークがシステム情報を介して周波数別再分散確率を放送する場合、端末は、0から1までの均一な分布の値を任意に生成し、前記再分散確率に対応するセルとしてセル再選択を実行することができる。前記セル再選択に対して具体的に説明するために、ネットワークがシステム情報を介して放送した第1のマクロセル(または、第1の周波数)の再分散確率が0.1であり、第2のマクロセル(または、第2の周波数)の再分散確率が0.2であり、第1のスモールセル(または、第3の周波数)の再分散確率が0.3であり、第2のスモールセル(または、第4の周波数)の再分散確率が0.4と仮定する。もし、端末が任意に生成した数字が0.15の場合、第2のマクロセル(または、第2の周波数)に移動を実行することができる。もし、端末が任意に生成した数字が0.7の場合、第2のスモールセル(または、第4の周波数)に移動を実行することができる。即ち、成功的なIDLEモード移動のために、前記周波数別再分散確率の総和は、1になる必要がある。
【0120】
しかし、もし、システム情報に含まれている搬送波周波数リストのうち一部搬送波周波数のサービスカバレッジ領域の外にRRC_IDLEモード端末が存在する場合、前記RRC_IDLEモード端末の側面で、ネットワークから放送された周波数別再分散確率の総和は、1に達していない。即ち、前記実施例において、端末が第1のマクロセル(または、第1の周波数)、第2のマクロセル(または、第2の周波数)及び第1のスモールセル(または、第3の周波数)のカバレッジ内に存在するが、第2のスモールセル(または、第4の周波数)のカバレッジ外に存在すると、端末の側面で周波数別再分散確率の総和は、0.6(=0.1+0.2+0.3)である。したがって、前記RRC_IDLEモード端末は、既存にネットワークから放送された再分散確率に基づいて再分散を実行することができない場合もある。例えば、システム情報に含まれている搬送波周波数リストのうち一部搬送波周波数のサービスカバレッジ領域の外にRRC_IDLEモード端末が存在すると、前記RRC_IDLEモード端末は、該当周波数で再分散されることができない場合もある。したがって、本発明は、前記のような問題点を解決するために、端末が再分散範囲(Redistribution Range)を計算する方法及びこれをサポートする装置を提案する。
【0121】
以下、本発明の一実施例によって、端末が受信された分散パラメータに基づいて再分散範囲を計算する方法を説明する。
【0122】
端末がネットワークから分散パラメータを受信すると、前記端末は、意図された分散統計(Intended Distribution Statistics)でセル選択またはセル再選択手順を実行することができる。本発明で意図された分散統計は、再分散要素(Redistribution Factor)のセットである。前記再分散要素は、負荷分散を実行するために、ネットワークから受信された周波数別再分散確率値である。または、前記再分散要素は、負荷分散を実行するためにネットワークから受信されたセル別再分散確率値である。もし、端末がネットワークから受信したSIBに含まれている搬送波周波数リストのうち一部搬送波周波数を検出することができない場合(即ち、SIBに含まれている搬送波周波数リストのうち一部搬送波周波数が利用可能でない場合)、端末は、新しい再分散統計(New Redistribution Statistics)を考慮することが必要である。前記新しい再分散統計は、端末が利用可能な搬送波周波数から選択されたパラメータによりトリガされることができる。本発明で新しい再分散統計は、新しく計算された再分散範囲(Redistribution Range)のセットである。再分散範囲を計算する方法は、下記のステップを含むことができる。
【0124】
各端末は、ネットワークからSIBを受信することができる。前記端末は、RRC_IDLEモードの端末である。前記端末は、SIBを介して受信した搬送波周波数リストに含まれている周波数を、分散パラメータを有する搬送波周波数と分散パラメータを有しない搬送波周波数とに分類できる。本発明において、前記分散パラメータは、再分散要素(Redistribution Factor)ということができる。即ち、前記端末は、SIBを介して受信した搬送波周波数リストに含まれている周波数を、再分散要素を有する搬送波周波数と再分散要素を有しない搬送波周波数とに分類できる。
【0126】
前記端末は、再分散要素を有する搬送波周波数のうち特定搬送波周波数を検出することができる。前記特定搬送波周波数は、測定結果、端末が検出/利用可能な周波数である。本発明において、再分散要素のうち、端末が検出/利用可能な周波数/セルの再分散要素を有効な再分散要素(Valid Redistribution Factor)ということができる。
【0127】
さらに、前記端末は、前記有効な再分散要素を利用して再分散範囲を計算することができる。即ち、前記端末は、前記有効な再分散要素を利用して新しい再分散統計を計算することができる。
【0128】
前記再分散範囲は、数式2により定義されることができる。
【0130】
前記iは、端末が検出/利用可能な搬送波周波数のインデックスセット内の搬送波周波数インデックスであり、前記P
iは、搬送波周波数インデックスiと関連された受信された分散パラメータであり、前記jは、標準化のための変数であり、前記Dは、端末が検出/利用可能な搬送波周波数のセットである。
【0131】
即ち、前記数式2によると、インデックスiと関連された再分散要素(P
i)を端末が検出/利用可能な周波数/セルの再分散要素を全て足す値で割ることで、再分散範囲(W
i)を計算することができる。即ち、新しい再分散統計を取得することができる。
【0132】
前記再分散範囲は、数式3または数式4により定義されることができる。
【0135】
数式2のように、前記数式3または前記数式4によると、有効な再分散要素を全ての有効な再分散要素の和で割ることで、再分散範囲を計算することができる。
【0137】
新しい再分散統計に基づいて、前記端末は、利用可能な搬送波周波数間で再分散手順を実行することができる。即ち、第2のステップで計算された再分散範囲に基づいて、前記端末は、利用可能な搬送波周波数間で再分散手順を実行することができる。
【0138】
図9は、本発明の一実施例によって、端末が再分散範囲を計算して再分散手順を実行する方法を示す。
【0139】
図9(a)を参照すると、端末は、RRC_IDLEモード状態であり、前記端末は、第1のマクロセル、第2のマクロセル及び第3のマクロセルのカバレッジ内に存在するが、第1のスモールセルのカバレッジ外に存在すると仮定する。第1のマクロセルは第1の周波数を使用し、第2のマクロセルは第2の周波数を使用し、第3のマクロセルは第3の周波数を使用し、第1のスモールセルは第4の周波数を使用すると仮定する。
【0140】
第1のマクロセルは、意図された分散統計に基づいて第1のマクロセル上の全てのIDLE端末を第1のマクロセル、第2のマクロセル、第3のマクロセルまたは第1のスモールセルに再分散させるために、意図された再分散統計を放送することができる。意図された再分散統計は、下記の通りであると仮定する。
【0145】
(1)第1のステップ:SIB情報放送
【0146】
第1のマクロセルは、SIB情報を放送することができる。したがって、第1のマクロセルのカバレッジ内にあるRRC_IDLEモードの端末は、SIBを受信することができる。SIBには、下記のような情報が含まれることができる。
【0147】
−搬送波周波数リスト:第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数、第4の周波数
【0148】
−再分散要素(または、分散パラメータ)を有する搬送波周波数:第1の周波数(0.1)、第2の周波数(0.2)、第3の周波数(0.3)、第4の周波数(0.4)
【0149】
−再分散要素を有しない搬送波周波数:無い
【0150】
図9(a)の実施例では再分散要素を有しない搬送波周波数はないと仮定したが、これは一つの実施例に過ぎず、再分散要素を有しない搬送波が存在することもできる。
【0151】
(2)第2のステップ:再分散範囲計算
【0152】
図9(a)の実施例において、端末は、第1のマクロセル乃至第3のマクロセルのカバレッジ内に存在するが、第1のスモールセルのカバレッジ外に存在するため、端末が利用/検出可能な周波数のセット(D)は、{第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数}である。したがって、
図9(a)の実施例で有効な再分散要素は、第1のマクロセル、第2のマクロセル及び第3のマクロセルの再分散要素である。即ち、D={第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数}が前記端末に提供されることができる。前記端末は、前記搬送波周波数リストに含まれている周波数のうち一部周波数(即ち、第4の周波数)を検出することができないため、再分散範囲を計算することができる。前記数式2、前記数式3または前記数式4により計算された再分散範囲(または、新しい再分散統計)は、下記の通りである。
【0153】
−第1の周波数の再分散範囲:0.1/(0.1+0.2+0.3)=0.17
【0154】
−第2の周波数の再分散範囲:0.2/(0.1+0.2+0.3)=0.33
【0155】
−第3の周波数の再分散範囲:0.3/(0.1+0.2+0.3)=0.5
【0156】
(3)第3のステップ:再分散手順実行
【0157】
各端末は、0から1までの均一な分布の値を任意に選択することができる。そして、任意に選択された値と関連された{第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数}で搬送波周波数を選択することができる。例えば、第1の端末が選択した値が0.15であり、第2の端末が選択した値が0.35であり、第3の端末が選択した値が0.59であり、第4の端末が選択した値が0.8であると仮定する。
図9(b)を参照すると、第1の端末は第1の周波数(即ち、第1のマクロセル)でセル(再)選択を実行し、第2の端末は第2の周波数(即ち、第2のマクロセル)でセル(再)選択を実行し、第3の端末は第3の周波数(即ち、第3のマクロセル)でセル(再)選択を実行し、第4の端末は第3の周波数(即ち、第3のマクロセル)でセル(再)選択を実行することができる。
【0158】
図10は、本発明の一実施例によって、端末が再分散範囲を計算して再分散手順を実行する方法を示す。
【0159】
図10(a)を参照すると、端末は、RRC_IDLEモード状態であり、前記端末は、第1のマクロセル、第2のマクロセル、第3のマクロセル及び第1のスモールセルのカバレッジ内に存在すると仮定する。第1のマクロセルは第1の周波数を使用し、第2のマクロセルは第2の周波数を使用し、第3のマクロセルは第3の周波数を使用し、第1のスモールセルは第4の周波数を使用すると仮定する。
【0160】
第1のマクロセルは、意図された分散統計に基づいて第1のマクロセル上の全てのIDLE端末を第1のマクロセル、第2のマクロセル、第3のマクロセルまたは第1のスモールセルに再分散させるために、意図された再分散統計を放送することができる。意図された再分散統計は、下記の通りであると仮定する。
【0165】
(1)第1のステップ:SIB情報放送
【0166】
第1のマクロセルは、SIB情報を放送することができる。したがって、第1のマクロセルのカバレッジ内にあるRRC_IDLEモードの端末は、SIBを受信することができる。SIBには、下記のような情報が含まれることができる。
【0167】
−搬送波周波数リスト:第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数、第4の周波数
【0168】
−再分散要素(または、分散パラメータ)を有する搬送波周波数:第1の周波数(0.1)、第2の周波数(0.2)、第3の周波数(0.3)、第4の周波数(0.4)
【0169】
−再分散要素を有しない搬送波周波数:無い
【0170】
(2)第2のステップ:再分散範囲計算
【0171】
図10(a)の実施例において、端末は、第1のマクロセル、第2のマクロセル、第3のマクロセル及び第1のスモールセルのカバレッジ内に存在するため、端末が利用/検出可能な周波数のセット(D)は、{第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数、第4の周波数}である。したがって、
図10(a)の実施例において、有効な再分散要素は、第1のマクロセル、第2のマクロセル、第3のマクロセル及び第1のスモールセルの再分散要素である。即ち、D={第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数、第4の周波数}が前記端末に提供されることができる。前記端末は、前記搬送波周波数リストに含まれている周波数を全て検出したため、再分散範囲を計算しない。即ち、意図された再分散統計がそのまま使われることができる。その代案として、たとえ、前記端末が、前記搬送波周波数リストに含まれている周波数を全て検出したとしても、再分散範囲を計算することができる。ただし、この場合、意図された再分散統計と再分散範囲の計算を介して取得された新しい再分散統計が同じである。
【0172】
(3)第3のステップ:再分散手順実行
【0173】
各端末は、0から1までの均一な分布の値を任意に選択することができる。そして、任意に選択された値と関連された{第1の周波数、第2の周波数、第3の周波数、第4の周波数}で搬送波周波数を選択することができる。例えば、第1の端末が選択した値が0.15であり、第2の端末が選択した値が0.35であり、第3の端末が選択した値が0.59であり、第4の端末が選択した値が0.8であると仮定する。
図10(b)を参照すると、第1の端末は第2の周波数(即ち、第2のマクロセル)でセル(再)選択を実行し、第2の端末は第3の周波数(即ち、第3のマクロセル)でセル(再)選択を実行し、第3の端末は第3の周波数(即ち、第3のマクロセル)でセル(再)選択を実行し、第4の端末は第4の周波数(即ち、第1のスモールセル)でセル(再)選択を実行することができる。
【0174】
図11は、本発明の一実施例によって、端末が再分散範囲を計算する方法を示すブロック図である。
【0175】
図11を参照すると、前記端末は、ネットワークから再分散要素を受信することができる(S1110)。前記再分散要素は、負荷分散のための周波数別再分散確率値である。または、前記再分散要素は、負荷分散のためのセル別再分散確率値である。前記再分散要素は、システム情報ブロックに含まれて受信されることができる。前記端末は、RRC_IDLEモードである。
【0176】
前記端末は、前記受信された再分散要素のうち有効な再分散要素に基づいて再分散範囲を計算することができる(S1120)。前記再分散範囲は、前記数式3のように計算されることができる。この場合、前記有効な再分散要素は、前記端末が利用可能な周波数の再分散確率値である。または、前記再分散範囲は、前記数式4のように計算されることができる。この場合、前記有効な再分散要素は、前記端末が利用可能なセルの再分散確率値である。
【0177】
前記端末は、前記ネットワークから周波数リストを受信することができる。前記周波数リストは、システム情報ブロックに含まれて受信されることができる。この場合、前記再分散範囲は、前記端末が利用可能な周波数と前記周波数リストに含まれている周波数が異なる場合に計算されることができる。
【0178】
前記端末は、前記計算された再分散範囲に基づいて再分散手順を実行することができる。前記再分散手順は、前記端末が利用可能な周波数間で実行されることができる。
【0179】
図12は、本発明の実施例が具現される無線通信システムのブロック図である。
【0180】
基地局1200は、プロセッサ(processor)1201、メモリ(memory)1202及び送受信機(transceiver)1203を含む。メモリ1202は、プロセッサ1201と連結され、プロセッサ1201を駆動するための多様な情報を格納する。送受信機1203は、プロセッサ1201と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。プロセッサ1201は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。前述した実施例において、基地局の動作は、プロセッサ1201により具現されることができる。
【0181】
端末1210は、プロセッサ1211、メモリ1212及び送受信機1213を含む。メモリ1212は、プロセッサ1211と連結され、プロセッサ1211を駆動するための多様な情報を格納する。送受信機1213は、プロセッサ1211と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。プロセッサ1211は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。前述した実施例において、端末の動作は、プロセッサ1211により具現されることができる。
【0182】
プロセッサは、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリは、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。送受信機は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現される時、前述した技法は、前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリに格納され、プロセッサにより実行されることができる。メモリは、プロセッサの内部または外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサと連結されることができる。
【0183】
前述した一例に基づいて本明細書による多様な技法が図面と図面符号を介して説明された。説明の便宜のために、各技法は、特定の順序によって複数のステップやブロックを説明したが、このようなステップやブロックの具体的順序は、請求項に記載された発明を制限するものではなく、各ステップやブロックは、異なる順序で具現され、または異なるステップやブロックと同時に実行されることが可能である。また、通常の技術者であれば、各ステップやブロックが限定的に記述されたものではなく、発明の保護範囲に影響を与えない範囲内で少なくとも一つの他のステップが追加されたり削除されたりすることが可能であるということを知ることができる。
【0184】
前述した実施例は、多様な一例を含む。通常の技術者であれば、発明の全ての可能な一例の組み合わせが説明されることができないという点を知ることができ、また、本明細書の技術から多様な組み合わせが派生することができるという点を知ることができる。したがって、発明の保護範囲は、請求の範囲に記載された範囲を外れない範囲内で、詳細な説明に記載された多様な一例を組み合わせて判断しなければならない。