(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機溶媒が、アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステル、ケトン性カルボニル基を有する脂肪族アルコール、又はこれらの混合溶媒である請求項1〜3のいずれか1項記載の染料溶解液の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る染料溶解液の製造方法は、
(a)キサンテン染料と、
(b)有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種、とを、有機溶媒存在下で撹拌する工程を含むことを特徴とする。
キサンテン染料(a)を、有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である(b)と撹拌することにより、キサンテン染料(a)単独では奏し得なかった経時安定性の効果を発揮することができる。
【0018】
<染料溶解液の製造方法>
本発明で取得される染料溶解液とは、(a)キサンテン染料と、(b)有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び有機溶媒を含むものである。そして、この染料溶解液は、(a)キサンテン染料と、(b)有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを、有機溶媒存在下で撹拌することにより得られる。
【0019】
<キサンテン染料(a)>
本発明で使用されるキサンテン染料(a)は、分子内にキサンテン骨格を有する化合物を含む染料であり、キサンテン染料(a)としては、式(1a)で表される化合物(以下、「化合物(1a)」という場合がある。)を含む染料が好ましい。化合物(1a)は、その互変異性体であってもよい。
【0021】
[式(1a)中、
R
1〜R
4は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、又は式(ii)で表される基を表す。
*−R
50−Si(R
29)
3 (ii)
(R
29は水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
50は炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
*は窒素原子との結合手を表す。)
R
1〜R
4において、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
1及びR
2は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3及びR
4は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
5は、−OH、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Z
+、−CO
2H、−CO
2-Z
+、−CO
2R
8、−SO
3R
8又は−SO
2NR
9R
10を表す。
R
6及びR
7は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR
5は同一であっても異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
Z
+は、
+N(R
11)
4、Na
+又はK
+を表し、4つのR
11は同一であっても異なってもよい。
R
8は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
9及びR
10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
9及びR
10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
11は、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0022】
式(1a)において、−SO
3-が存在する場合、その数は1個である。
【0023】
R
1〜R
4における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
該炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、−R
8、−OH、−OR
8、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Z
+、−CO
2H、−CO
2R
8、−SR
8、−SO
2R
8、−SO
3R
8又は−SO
2NR
9R
10が挙げられ、これらの置換基が芳香族炭化水素基に含まれる水素原子を置換していることが好ましい。これらの中でも、置換基としては、−R
8、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Z
+及び−SO
2NR
9R
10が好ましく、−R
8、−SO
3-Z
+及び−SO
2NR
9R
10がより好ましい。この場合の−R
8としては、炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がさらに好ましい。またこの場合の−SO
3-Z
+としては、−SO
3-+N(R
11)
4が好ましい。
【0024】
R
1〜R
4及びR
8〜R
11における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
【0025】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−O−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0027】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−CO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0029】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−NR
11−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0031】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−OCO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0033】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−COO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0035】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−OCONH−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0037】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−NHCOO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0039】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−CONH−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0041】
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−が、−NHCO−で置換された基としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0043】
R
1〜R
4における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としての炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R
1〜R
4の飽和炭化水素基の水素原子を置換していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、R
1〜R
4における炭素数6〜10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
R
9及びR
10における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としてのヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0044】
R
1及びR
2が一緒になって形成する環、並びにR
3及びR
4が一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0046】
−OR
8としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等のアルキルオキシ基等が挙げられる。
【0047】
−CO
2R
8としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0048】
−SR
8としては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等のアルキルスルファニル基等が挙げられる。
−SO
2R
8としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
−SO
3R
8としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基等が挙げられる。
【0049】
−SO
2NR
9R
10としては、例えば、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチルヘキシル)スルファモイル基及びN−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基及びN,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
【0050】
R
5としては、−CO
2H、−CO
2-Z
+、−CO
2R
8、−SO
3-、−SO
3-Z
+、−SO
3H及び−SO
2NHR
9が好ましく、−SO
3-、−SO
3-Z
+、−SO
3H及び−SO
2NHR
9がより好ましい。
mは、1〜4であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
【0051】
化合物(1a)としては、式(1a)において、(R
5)
m基で置換されるフェニル基が、式(R
5−1)〜式(R
5−37)のいずれかである化合物が好ましく、式(R
5−1)〜式(R
5−25)のいずれかである化合物がより好ましく、式(R
5−1)〜式(R
5−5)のいずれかである化合物がさらに好ましく、式(R
5−1)である化合物がとりわけ好ましい。なお、式(R
5−1)〜式(R
5−37)において、R
40及びR
41は、互いに独立に、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分岐鎖状アルキル基であり、より好ましくは2−エチルヘキシル基である。
【0054】
R
6及びR
7における炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6の基が挙げられる。
R
6及びR
7としては、水素原子が好ましい。
【0055】
R
9及びR
10は、窒素原子と一緒に3〜10員含窒素複素環を表してもよい。該複素環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0057】
R
11における炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基及びフェニルブチル基等が挙げられる。
【0058】
Z
+は、
+N(R
11)
4、Na
+又はK
+であり、好ましくは
+N(R
11)
4である。
前記
+N(R
11)
4としては、4つのR
11のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR
11の合計炭素数は20〜80であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。化合物(1a)中に
+N(R
11)
4が存在する場合、R
11がこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
【0059】
Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子であり、好ましくは塩素原子又は臭素原子であり、より好ましくは塩素原子である。
【0060】
aは、0又は1であり、好ましくは0である。
【0061】
また、R
1〜R
4は、下記式(ii)で表される基を表していてもよい。
*−R
50−Si(R
29)
3 (ii)
(R
29は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
50は、炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
*は窒素原子との結合手を表す。)
【0062】
R
29は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
29で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が挙げられる。
R
29で表される炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びtert−ブトキシ基等が挙げられる。
R
29としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基及びエトキシ基がさらに好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がとりわけ好ましい。
【0063】
R
50で表される炭素数1〜10のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルトリメチレン基、イソペンチレン基、イソヘキシレン基、イソオクチレン基及び2−エチルへキシレン基等が挙げられ、中でも好ましくは炭素数1〜6のアルカンジイル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜4のアルカンジイル基が挙げられる。
【0064】
R
50で表される該アルカンジイル基を構成する−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
【0065】
式(ii)で表される基としては、例えば、下記式(ii−1)〜(ii−24)で表される基が挙げられる。
【0068】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−O−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0071】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−CO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0074】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−NR
11−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0077】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−OCO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0080】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−COO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0083】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−OCONH−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0086】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−NHCOO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0089】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−CONH−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0092】
式(ii)中、R
50を構成する−CH
2−が−NHCO−で置換された基としては、例えば、下記で表される基が挙げられる(*は結合手を表す)。
【0095】
化合物(1a)が式(ii)で表される置換基を有する場合、式(ii)としては、R
29がヒドロキシ基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であるものが好ましく、R
29がヒドロキシ基又は炭素数1〜4のアルコキシ基であってR
50が炭素数1〜10のアルカンジイル基である置換基がより好ましく、下記式(i)で表される置換基がさらに好ましい。
【0097】
(式(i)中、
nは、1〜8の整数を表し、
R
12は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、複数のOR
12は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
*は、窒素原子との結合手を表す。)
【0098】
nは、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜5であり、更に好ましくは1〜4である。
【0099】
R
12で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
R
12としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましい。
【0100】
式(i)で表される基としては、例えば、下記式(i−1)〜(i−12)で表される基が挙げられる。式(i)で表される基としては、式(i−2)で表される基、式(i−3)で表される基、式(i−5)で表される基、式(i−6)で表される基が好ましく、より好ましくは式(i−3)で表される基である。
【0102】
式(1a)で表される化合物は、R
1〜R
4における式(ii)で表される基の有無により、式(ii)で表される置換基を有しない下記式(1a−1)で表される化合物と、式(ii)で表される置換基を有する下記式(1a−2)で表される化合物に分類できる。以下、下記式(1a−1)で表される化合物と、下記式(1a−2)で表される化合物それぞれにおけるより好ましい化合物について詳述する。
【0104】
式(1a−1):
前記式(1a)において、R
1〜R
4が、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、R
1〜R
4において、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
1及びR
2は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3及びR
4は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、
R
5〜R
11、m、a、X、Z
+が前記に同じ化合物。
【0105】
式(1a−2):
前記式(1a)において、R
1〜R
4が、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、又は式(ii)で表される基を表し、R
1〜R
4のうち少なくとも1つは式(ii)で表される基である。R
1〜R
4において、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
1及びR
2は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3及びR
4は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、
R
5〜R
11、R
29、R
50、m、a、X、Z
+が前記に同じ化合物。
【0106】
式(1a−1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1b)で表される化合物(以下「化合物(1b)」という場合がある。)が好ましい。化合物(1b)は、その互変異性体であってもよい。
【0108】
[式(1b)中、
R
1b〜R
4bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、
R
1b〜R
4bにおいて、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11b−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
1b及びR
2bは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3b及びR
4bは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
5bは、−OH、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Zb
+、−CO
2H、−CO
2-Zb
+、−CO
2R
8b、−SO
3R
8b又は−SO
2NR
9bR
10bを表す。
R
6b及びR
7bは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mbは、0〜5の整数を表す。mbが2以上のとき、複数のR
5bは同一であっても異なってもよい。
bは、0又は1の整数を表す。
Xbは、ハロゲン原子を表す。
Zb
+は、
+N(R
11b)
4、Na
+又はK
+を表し、4つのR
11bは同一であっても異なってもよい。
R
8bは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
9b及びR
10bは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11b−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
9b及びR
10bは、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
11bは、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0109】
式(1b)において、−SO
3-が存在する場合、その数は1個である。
【0110】
R
1b〜R
4b及びR
8b〜R
11bにおける炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基及びイコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及び2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びトリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11b−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
1b〜R
4bにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としての炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R
1b〜R
4bの飽和炭化水素基の水素原子を置換していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、R
1〜R
4における炭素数6〜10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
R
9b及びR
10bにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としてのヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0111】
化合物(1b)においては、R
1b〜R
4bのうち、R
1bとR
2b、R
3bとR
4bがそれぞれ同じ飽和炭化水素基であることが望ましく、例えば、R
1bとR
2b、R
3bとR
4bがそれぞれ、直鎖状アルキル基である組み合わせが好ましく、より好ましくはR
1bとR
2b、R
3bとR
4bがそれぞれ炭素数1〜5の直鎖状アルキル基である組み合わせであり、更に好ましくはR
1bとR
2b、R
3bとR
4bがそれぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基からなる群より選ばれる2種の組み合わせである。
【0112】
R
1b及びR
2bが一緒になって形成する環、並びにR
3b及びR
4bが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0114】
−OR
8bとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等のアルキルオキシ基等が挙げられる。
【0115】
−CO
2R
8bとしては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0116】
−SR
8bとしては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等のアルキルスルファニル基等が挙げられる。
−SO
2R
8bとしては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
−SO
3R
8bとしては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基等が挙げられる。
【0117】
−SO
2NR
9bR
10bとしては、例えば、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
【0118】
R
5bとしては、−CO
2H、−CO
2-Zb
+、−CO
2R
8b、−SO
3-、−SO
3-Zb
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9bが好ましく、−SO
3-、−SO
3-Zb
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9bがより好ましい。
mbは、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0119】
化合物(1b)においても、(R
5b)
mb基で置換されるフェニル基は、前述した(R
5−1)〜(R
5−37)のいずれかであることが好ましく、(R
5−1)〜(R
5−25)のいずれかであることがより好ましく、更に好ましくは(R
5−1)〜(R
5−5)であることがさらに好ましく、(R
5−1)であることがとりわけ好ましい。
【0120】
R
6b及びR
7bにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。中でも、R
6b、R
7bとしては、水素原子が好ましい。
【0121】
R
9b及びR
10bは、窒素原子と一緒に3〜10員含窒素複素環を表してもよい。該複素環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0123】
R
11bにおける炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基及びフェニルブチル基等が挙げられる。
【0124】
Zb
+は、
+N(R
11b)
4、Na
+又はK
+であり、好ましくは
+N(R
11b)
4である。
前記
+N(R
11b)
4としては、4つのR
11bのうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR
11bの合計炭素数は、20〜80であることが好ましく、20〜60であることがより好ましい。
【0125】
Xbとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子などのハロゲン原子が挙げられ、好ましくは塩素原子及び臭素原子が挙げられ、より好ましくは塩素原子が挙げられる。
【0126】
bは、0又は1であり、好ましくは0である。
【0127】
また式(1a−1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1c)で表される化合物(以下「化合物(1c)」という場合がある。)が好ましい。化合物(1c)は、その互変異性体であってもよい。
【0129】
[式(1c)中、
R
1c及びR
4cは、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基又は炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上のとき、複数のR
1cは同一であっても異なってもよく、qが2以上のとき、複数のR
4cは同一であっても異なってもよい。
R
2c及びR
3cは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、
R
2c、R
3cにおいて、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11c−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
1c及びR
2cは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3c及びR
4cは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
R
5cは、−OH、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Zc
+、−CO
2H、−CO
2-Zc
+、−CO
2R
8c、−SO
3R
8c又は−SO
2NR
9cR
10cを表す。
R
6c及びR
7cは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mcは、0〜5の整数を表す。mcが2以上のとき、複数のR
5cは同一であっても異なってもよい。
cは、0又は1の整数を表す。
Xcは、ハロゲン原子を表す。
Zc
+は、
+N(R
11c)
4、Na
+又はK
+を表し、4つのR
11cは同一であっても異なってもよい。
R
8cは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
9c及びR
10cは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11c−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
9c及びR
10cは、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
11cは、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0130】
式(1c)において、−SO
3-が存在する場合、その数は1個である。
【0131】
R
1c及びR
4cにおける炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
R
1c及びR
4cにおける炭素数1〜4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
R
1c及びR
4cにおける炭素数1〜4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
R
1c及びR
4cは、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
【0132】
p及びqは、0〜2の整数であることが好ましく、1又は2であることが好ましい。
【0133】
R
2c、R
3c及びR
8c〜R
11cにおける炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基及びイコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基及び2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びトリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11c−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
2c及びR
3cにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としての炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R
2c及びR
3cの飽和炭化水素基の水素原子を置換していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、R
1〜R
4における炭素数6〜10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
R
9c及びR
10cにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としてのヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0134】
−OR
8cとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等のアルキルオキシ基等が挙げられる。
【0135】
−CO
2R
8cとしては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0136】
−SR
8cとしては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等のアルキルスルファニル基等が挙げられる。
−SO
2R
8cとしては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
−SO
3R
8cとしては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基等が挙げられる。
【0137】
−SO
2NR
9cR
10cとしては、例えば、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
【0138】
R
5cとしては、−CO
2H、−CO
2-Zc
+、−CO
2R
8c、−SO
3-、−SO
3-Zc
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9cが好ましく、−SO
3-、−SO
3-Zc
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9cがより好ましい。
mcは、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0139】
化合物(1c)においても、(R
5c)
mc基で置換されるフェニル基は、前述した(R
5−1)〜(R
5−37)のいずれかであることが好ましく、より好ましくは(R
5−1)〜(R
5−25)のいずれかであり、更に好ましくは(R
5−1)〜(R
5−5)であり、特に好ましくは(R
5−1)である。
【0140】
R
6c及びR
7cにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。中でも、R
6c、R
7cとしては、水素原子が好ましい。
【0141】
R
9c及びR
10cは、窒素原子と一緒に3〜10員含窒素複素環を表してもよい。該複素環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0143】
R
11cにおける炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
【0144】
Zc
+は、
+N(R
11c)
4、Na
+又はK
+であり、好ましくは
+N(R
11c)
4である。
前記
+N(R
11c)
4としては、4つのR
11cのうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR
11cの合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。
【0145】
Xcはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子であり、塩素原子又は臭素原子が好ましく、より好ましくは塩素原子である。
【0146】
cは、0又は1であり、より好ましくは0である。
【0147】
また式(1a−2)で表される化合物としては、例えば、下記式(1d)で表される化合物(以下「化合物(1d)」という場合がある。)が好ましい。化合物(1d)は、その互変異性体であってもよい。
【0149】
[式(1d)中、
R
1d〜R
4dは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基、又は式(ii)で表される基を表し、R
1d〜R
4dのうち少なくとも1つは式(ii)で表される基である。
*−R
50−Si(R
29)
3 (ii)
(R
29は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
50は炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
*は窒素原子との結合手を表す。)
R
1d〜R
4dにおいて、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
1d及びR
2dは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3d及びR
4dは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
5dは、−OH、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Zd
+、−CO
2H、−CO
2-Zd
+、−CO
2R
8d、−SO
3R
8d又は−SO
2NR
9dR
10dを表す。
R
6d及びR
7dは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mdは、0〜5の整数を表す。mdが2以上のとき、複数のR
5dは同一であっても異なってもよい。
dは、0又は1の整数を表す。
Xdは、ハロゲン原子を表す。
Zd
+は、
+N(R
11d)
4、Na
+又はK
+を表し、4つのR
11dは同一であっても異なってもよい。
R
8dは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
9d及びR
10dは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
9d及びR
10dは、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
11dは、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0150】
式(1d)において、−SO
3-が存在する場合、その数は1個である。
【0151】
R
1d〜R
4dにおける炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
【0152】
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、−R
8d、−OH、−OR
8d、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Zd
+、−CO
2H、−CO
2R
8d、−SR
8d、−SO
2R
8d、−SO
3R
8d又は−SO
2NR
9dR
10dが挙げられ、これらの置換基が芳香族炭化水素基に含まれる水素原子を置換していることが好ましい。これらの中でも、置換基としては、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Zd
+及び−SO
2NR
9dR
10dが好ましく、−SO
3-Zd
+及び−SO
2NR
9dR
10dがより好ましい。この場合の−SO
3-Zd
+としては、−SO
3-+N(R
11d)
4が好ましい。
【0153】
R
1d〜R
4d及びR
8d〜R
11dにおける炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
1d〜R
4dにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としての炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R
1d〜R
4dの飽和炭化水素基の水素原子を置換していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、R
1d〜R
4dにおける炭素数6〜10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
R
9d及びR
10dにおける該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としてのヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0154】
R
1d及びR
2dが一緒になって形成する環、並びにR
3d及びR
4dが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0156】
R
1d〜R
4dのうち、少なくとも1つは式(ii)で表される基であり、その他のR
1d〜R
4dとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、1−メチルフェニル基、1,5−ジメチルフェニル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。
【0157】
−OR
8dとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等のアルキルオキシ基等が挙げられる。
【0158】
−CO
2R
8dとしては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル等が挙げられる。
【0159】
−SR
8dとしては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等のアルキルスルファニル基等が挙げられる。
−SO
2R
8dとしては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
−SO
3R
8dとしては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基等が挙げられる。
【0160】
−SO
2NR
9dR
10dとしては、例えば、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
【0161】
R
5dとしては、−CO
2H、−CO
2-Z
+、−CO
2R
8d、−SO
3-、−SO
3-Zd
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9dが好ましく、−SO
3-、−SO
3-Zd
+、−SO
3H又は−SO
2NHR
9dがより好ましい。
mdは、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0162】
化合物(1d)としても、式(1d)において、(R
5d)
md基で置換されるフェニル基が、上記式(R
5−1)〜(R
5−37)のいずれかであることが好ましく、より好ましくは(R
5−1)〜(R
5−25)のいずれかであり、更に好ましくは(R
5−1)〜(R
5−5)であり、特に好ましくは(R
5−1)である。
【0163】
R
6d及びR
7dにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。中でも、R
6d、R
7dとしては、水素原子が好ましい。
【0164】
R
9d及びR
10dは、窒素原子と一緒に3〜10員含窒素複素環を表してもよい。該複素環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0166】
R
11dにおける炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
【0167】
Zd
+は、
+N(R
11d)
4、Na
+又はK
+であり、好ましくは
+N(R
11d)
4である。
前記
+N(R
11d)
4としては、4つのR
11dのうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR
11dの合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。
【0168】
Xdはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子などのハロゲン原子であり、塩素原子又は臭素原子が好ましく、より好ましくは塩素原子である。
【0169】
dは、0又は1であり、より好ましくは0である。
【0170】
また、R
1d〜R
4dにおける式(ii)で表される置換基は、式(1a)で詳述したものと同様である。
【0171】
上記のようなキサンテン染料(1d)のうち、より好ましいものとしては、例えば、下記式(2d)で表される化合物が挙げられ;
【0173】
[式(2d)中、
R
1d〜R
4dは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は式(ii)で表される基を表し、R
1d〜R
4dのうち少なくとも1つは式(ii)で表される基である。
*−R
50−Si(R
29)
3 (ii)
(R
29は水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
29は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
R
50は、炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成する−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
*は窒素原子との結合手を表す。)
R
1d〜R
4dにおいて、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
1d及びR
2dは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3d及びR
4dは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
5dは、−OH、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Zd
+、−CO
2H、−CO
2-Zd
+、−CO
2R
8d、−SO
3R
8d又は−SO
2NR
9dR
10dを表す。
R
6d及びR
7dは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mdは、0〜5の整数を表す。mdが2以上のとき、複数のR
5dは同一であっても異なってもよい。
dは、0又は1の整数を表す。
Xdは、ハロゲン原子を表す。
Zd
+は、
+N(R
11d)
4、Na
+又はK
+を表し、4つのR
11dは同一であっても異なってもよい。
R
8dは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
9d及びR
10dは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
9d及びR
10dは、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
11dは、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0174】
更に好ましくは、下記式(3d)で表される化合物である。
【0176】
[式(3d)中、
R
1d〜R
4dは、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は式(i)で表される基を表し、R
1d〜R
4dのうち少なくとも1つは式(i)で表される基である。
【0178】
(式(i)中、
nは、1〜8の整数を表し、
R
12は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、複数のOR
12は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
*は、窒素原子との結合手を表す。)
R
1d〜R
4dにおいて、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
1d及びR
2dは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R
3d及びR
4dは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
5dは、−OH、−SO
3-、−SO
3H、−SO
3-Zd
+、−CO
2H、−CO
2-Zd
+、−CO
2R
8d、−SO
3R
8d又は−SO
2NR
9dR
10dを表す。
R
6d及びR
7dは、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
mdは、0〜5の整数を表す。mdが2以上のとき、複数のR
5dは同一であっても異なってもよい。
dは、0又は1の整数を表す。
Xdは、ハロゲン原子を表す。
Zd
+は、
+N(R
11d)
4、Na
+又はK
+を表し、4つのR
11dは同一であっても異なってもよい。
R
8dは、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
R
9d及びR
10dは、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH
2−は、−O−、−CO−、−NR
11d−、−OCO−、−COO−、−OCONH−、−NHCOO−、−CONH−又は−NHCO−で置換されていてもよく、R
9d及びR
10dは、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。ただし、隣接する−CH
2−が同時に同種の基に置換されることはなく、また末端の−CH
2−が置換されることもない。
R
11dは、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。]
【0179】
上記のようなキサンテン染料(1a)として好ましい化合物は、例えば、下記式(I−1)〜(I−170)で表される化合物が挙げられる。なお式中、R
40は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分岐鎖状アルキル基であり、より好ましくは2−エチルヘキシル基である。
中でもキサンテン染料(1a)としてより好ましくは、例えば、R
1〜R
4に式(ii)で表される置換基が1つ存在し残りの基が置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基である化合物(例えば、化合物(I−1)〜(I−4)、(I−13)〜(I−16)、(I−25)〜(I−28)、(I−37)〜(I−40)、(I−55)〜(I−110)、(I−117)、(I−120)等)、R
1〜R
4に式(ii)で表される置換基が2つ存在し残りの基が置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基である化合物(例えば、化合物(I−49)〜(I−54)、化合物(I−111)〜(I−116)、化合物(I−119)、(I−121)、(I−122)、R
1〜R
4に2つのキシリル基を有する化合物(例えば、化合物(I−124)〜(I−146)、(I−151)、(I−153)、(I−155)、(I−156)等)、R
1〜R
4に2つのトリル基を有する化合物(例えば、化合物(I−147)、(I−150)、(I−152)、(I−154)等)、R
1〜R
4が全て置換基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基である化合物(例えば、化合物(I−160)〜(I−170)等)である。
【0180】
更に好ましくは、化合物(I−1)〜(I−4)、(I−13)〜(I−16)、(I−25)〜(I−28)、(I−50)、(I−51)、(I−53)、(I−54)、(I−119)、(I−121)、(I−122)、(I−124)〜(I−147)、(I−150)〜(I−156)、(I−160)〜(I−167)である。
【0203】
キサンテン染料(a)は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考に合成することもできる。
【0204】
このようなキサンテン染料(a)としては、例えば、C.I.アシッドレッド51(以下、C.I.アシッドレッドの記載を省略し、番号のみの記載とする。他も同様である。)、52、87、92、94、289、388等のC.I.アシッドレッド染料;C.I.アシッドバイオレット9、30、102等のC.I.アシッドバイオレット染料;C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、2、3、4、8、10(ローダミンB)、11等のC.I.ベーシックレッド染料;C.I.ベーシックバイオレット10、11、25等のC.I.ベーシックバイオレット染料;C.I.ソルベントレッド218等のC.I.ソルベントレッド染料;C.I.モルダントレッド27等のC.I.モルダントレッド染料;C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)等のC.I.リアクティブレッド染料;スルホローダミンG;特開2010−32999号公報に記載のキサンテン染料;及び特許第4492760号公報に記載のキサンテン染料;等が挙げられる。
【0205】
キサンテン染料(a)は、染料溶解液100質量%中、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%であり、更に好ましくは1〜10質量%である。
【0206】
<有機酸の塩>
本発明で用いる有機酸の塩としては、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、脂環系スルホン酸、芳香族スルホン酸、下記式(h1)で表される化合物、及び下記式(h2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の有機酸の塩であり、前記脂肪族カルボン酸、前記芳香族カルボン酸、前記脂肪族スルホン酸及び前記芳香族スルホン酸を構成する酸性プロトン以外の水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、前記脂肪族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、及び前記脂環系スルホン酸を構成する−CH
2−は、−CO−で置換されていてもよい。
【0208】
[式(h1)中、X
h1及びX
h2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表すか、又は、X
h1とX
h2とが結合して炭素数2〜4のフッ化アルカンジイル基を形成する。
式(h2)中、X
h3〜X
h5は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表す。]
【0209】
脂肪族カルボン酸とは、カルボキシ基(−COOH)を有する化合物R
21(COOH)
x(xは1以上の整数であり、より好ましくは1、2又は3であり、更に好ましくは1又は2である)のうち、R
21が脂肪族炭化水素基のもの、又はギ酸をいう。このような脂肪族カルボン酸としては、例えば、炭素数1〜25の飽和脂肪酸、炭素数1〜25の不飽和カルボン酸等が挙げられる。炭素数1〜25の飽和脂肪酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸;等が例示できる。また炭素数1〜25の不飽和カルボン酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタン酸、フマル酸、マレイン酸等が例示できる。
【0210】
芳香族カルボン酸とは、カルボキシ基(−COOH)を有する化合物R
22(COOH)
x(xは1以上の整数であり、より好ましくは1、2又は3であり、更に好ましくは1又は2である)のうち、R
22が芳香族炭化水素基のものをいう。R
22としては、置換基を有していてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基が挙げられ、より好ましくは、炭素数1〜10の1価の飽和炭化水素基を有していてもよいフェニル基である。このような芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、ジエチル安息香酸、ジプロピル安息香酸、ジブチル安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
【0211】
脂環系スルホン酸としては、シクロヘキサンスルホン酸、4−メチルシクロヘキサンスルホン酸、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン−5−スルホン酸等が挙げられる。
【0212】
脂肪族スルホン酸とは、スルホ基(−SO
3H)を有する化合物R
23(SO
3H)
x(xは1以上の整数であり、より好ましくは1、2又は3であり、更に好ましくは1又は2である)のうち、R
23が脂肪族炭化水素基のものをいう。このような脂肪族スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸等の脂肪族モノスルホン酸;メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、プロパンジスルホン酸、ヘキサンジスルホン酸等の脂肪族ジスルホン酸;等が挙げられる。
【0213】
芳香族スルホン酸とは、スルホ基(−SO
3H)を有する化合物R
24(SO
3H)
x(xは1以上の整数であり、より好ましくは1、2又は3であり、更に好ましくは1又は2である)のうち、R
24が芳香族炭化水素基のものをいう。このような芳香族スルホン酸としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等が挙げられる。
【0214】
前記脂肪族カルボン酸、前記芳香族カルボン酸、前記脂肪族スルホン酸及び前記芳香族スルホン酸を構成する酸性プロトン以外の水素原子は、ハロゲン原子、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。前記脂肪族カルボン酸、前記芳香族カルボン酸、前記脂肪族スルホン酸及び前記芳香族スルホン酸における酸性プロトン以外の水素原子を置換し得るハロゲン原子としては、F、Cl、Br、Iが挙げられ、中でもフッ素が好ましい。これらの酸としては、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸等が例示される。
【0215】
前記脂肪族カルボン酸、脂肪族スルホン酸、及び前記脂環系スルホン酸を構成する−CH
2−は、−CO−で置換されていてもよく、これらの酸としては、10−カンファースルホン酸等が例示される。
【0216】
また前記式(h1)において、X
h1及びX
h2は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜4のフッ化アルキル基である。また、前記式(h2)において、X
h3〜X
h5は、互いに独立に、フッ素原子又は炭素数1〜4のフッ化アルキル基を表す。
前記炭素数1〜4のフッ化アルキル基としては、例えば、下記に示す置換基が挙げられ、中でも、*−CF
2CF
3、*−CF
2CF
2CF
3及び*−CF
2CF
2CF
2CF
3が好ましく、*−CF
2CF
2CF
3及び*−CF
2CF
2CF
2CF
3がより好ましい。
【0218】
またX
h1及びX
h2は、X
h1とX
h2とが結合して炭素数2〜4のフッ化アルカンジイル基を形成していてもよい。炭素数2〜4のフッ化アルカンジイル基としては、例えば、*−(CF
2)
n−*で表される置換基が好ましい(式中、nは2〜4の整数である)。
【0219】
前述した各種有機酸の塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;亜鉛塩、銅塩等の金属塩;第四級アンモニウム塩;等が挙げられる。
【0220】
このような有機酸の塩としては、例えば、下記式(h0−1)〜(h0−21)に示される置換基を有していてもよい安息香酸の塩、下記式(h1−1)〜(h1−8)に示される化合物、及び下記式(h2−1)〜(h2−8)に示される化合物が好ましい。
【0224】
有機酸の塩としては、中でも、前記式(h0−13)で表される化合物の塩、前記式(h1)で表される化合物、又は前記式(h2)で表される化合物が好ましく、より好ましくは前記式(h0−13)の亜鉛塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、又はトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウムである。
【0225】
<ケイ素原子含有化合物>
ケイ素原子含有化合物としては、例えば、下記式(j)で表される化合物が挙げられる。本発明において「ケイ素原子含有化合物」には、下記式(j)で表される化合物の「縮合物」も含むものとする。
【0227】
式(j)中、
R
h1は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、複数のR
h1は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、
R
h2は、1価の置換基を表す。
【0228】
R
h1における炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が挙げられ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。
R
h1における炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基が挙げられる。経時安定性に寄与することから、メトキシ基及びエトキシ基が好ましく、エトキシ基がより好ましい。
中でもR
h1としては、ヒドロキシ基又は炭素数1〜4のアルコキシ基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がとりわけ好ましい。
【0229】
R
h2は、1価の置換基である。R
h2としては、炭素数1〜10の飽和炭化水素基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、又は、ビニル基、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を含む置換基であることが好ましい。R
h2に含有される前記官能基は、ケイ素原子含有化合物(j)中のSi原子と単結合、又は炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基若しくは炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基を介して結合していることが望ましい。
【0230】
R
h2の炭素数1〜10の飽和炭化水素基としては、好ましくは炭素数2〜9の飽和炭化水素基であり、より好ましくは炭素数4〜8の飽和炭化水素基であり、さらに好ましくはペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基である。前記飽和炭化水素基を構成する水素原子は、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、又は*−Si(R
h3)
3(前記式中、R
h3は炭素数1〜4のアルコキシ基である)等の置換基で置換されていてもよい。
R
h2の炭素数6〜10の芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基である。
【0231】
R
h2に含まれる炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基としては、炭素数1〜8の飽和炭化水素基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜5の飽和炭化水素基であり、更に好ましくは炭素数1〜3の飽和炭化水素基である。
R
h2に含まれる炭素数6〜10の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基が好ましい。
【0232】
このようなR
h2としては、例えば、下記に示す置換基が好ましく、中でもR
h2としては、3−メタクリロキシプロピル基、N−メチル−3−アミノプロピル基、N−フェニル−3−アミノプロピル基及びオクチル基が好ましい。
【0235】
このようなケイ素原子含有化合物としては、シランカップリング剤及びシラン化合物が挙げられる。
【0236】
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル系シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル系シランカップリング剤;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン等のウレイド系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤;等が挙げられる。
【0237】
またシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン等のアルコキシシラン等が挙げられる。
【0238】
中でもケイ素原子含有化合物としては、(メタ)アクリル系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、アルコキシシランが好ましく、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランであり、更に好ましくは、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランであり、特に好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランである。
【0239】
ケイ素原子含有化合物の使用量は、キサンテン染料(a)100質量部に対し、20〜500質量部が好ましく、より好ましくは50〜300質量部であり、更に好ましくは80〜200質量部である。
【0240】
なお(b)成分として、有機酸の塩と、ケイ素原子含有化合物の両方を組み合わせて用いる場合、有機酸の塩の使用量は合計で、キサンテン染料100質量部に対し、1〜50質量部が好ましく、より好ましくは5〜40質量部であり、更に好ましくは10〜30質量部である。またケイ素原子含有化合物の使用量は、有機酸の塩の使用量(合計)100質量部に対し、200〜1000質量部が好ましく、より好ましくは300〜800質量部であり、更に好ましくは400〜700質量部である。
【0241】
<有機溶媒>
本発明で用いる有機溶媒としては、前述したキサンテン染料(a)を溶解し得る溶媒であれば特に限定されず、例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種のみで用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。中でも、エーテルエステル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤及びこれらの混合溶媒の使用が好ましく、エーテルエステル溶剤、ケトン溶剤及びこれらの混合溶媒の使用がより好ましい。
エーテルエステル溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
ケトン溶剤としては、ケトン性カルボニル基を有する脂肪族アルコールが好ましく、ジアセトンアルコール(4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン)がより好ましい。
【0242】
<染料溶解液の作製>
本発明では、(b)成分として、有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物の少なくとも1種を使用するとよく、有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物から選ばれる1種のみを使用してもよく、有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物から選ばれる2種以上を併用してもよい。このような(b)成分の使用態様としては、例えば、有機酸の塩を使用する態様、ケイ素原子含有化合物のみを使用する態様、有機酸の塩と、ケイ素原子含有化合物の両方を組み合わせて使用する態様、等が挙げられる。
【0243】
有機酸の塩を使用する態様、ケイ素原子含有化合物のみを使用する態様において、(a)キサンテン染料とこれら(b)成分を含む組成物(混合物)の調製方法は特に限定されるものではなく、前記組成物の調製方法としては、例えば、(b)成分及び有機溶媒を含む混合溶液に、(a)キサンテン染料を添加する方法;(a)キサンテン染料及び有機溶媒を含む混合溶液に、(b)成分を添加する方法;等が挙げられる。
【0244】
有機酸の塩と、ケイ素原子含有化合物の両方を組み合わせて使用する態様において、キサンテン(a)とケイ素原子含有化合物の添加方法は特に限定されないが、例えば、有機酸の塩の存在下にケイ素原子含有化合物を加え撹拌した後(撹拌工程1と称す)、キサンテン染料(a)を添加する方法;有機酸の塩の存在下にキサンテン染料(a)を加え撹拌した後(撹拌工程2と称す)、ケイ素原子含有化合物を添加する方法;有機酸の塩の存在下に、キサンテン染料(a)及びケイ素原子含有化合物を添加する方法;等が挙げられる。
前記撹拌工程1〜2において、撹拌時間は、例えば、30分以上であり、好ましくは1時間以上であり、より好ましくは2時間以上であり、上限は特に限定されないが、通常20時間以下である。
【0245】
またケイ素原子含有化合物の有機溶媒に対する溶解性を高めるため、ケイ素原子含有化合物の添加前又は添加後のいずれかにおいて、混合物を30〜60℃に昇温するとよい。
【0246】
このようにして得た(a)キサンテン染料と、(b)有機酸の塩及びケイ素原子含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む組成物は、有機溶媒存在下で撹拌される。
撹拌時間は特に限定されないが、例えば、1時間以上が好ましく、より好ましくは3時間以上であり、更に好ましくは5時間以上であり、特に好ましくは10時間以上であり、100時間以下が好ましく、より好ましくは90時間以下であり、更に好ましくは80時間以下であり、特に好ましくは60時間以下であり、より更に好ましくは40時間以下であり、更に特に好ましくは30時間以下である。
またキサンテン染料(a)を、有機酸の塩のみで処理する場合、撹拌時間は、例えば、2時間以上が好ましく、より好ましくは3時間以上であり、80時間以下が好ましく、より好ましくは60時間以下であり、更に好ましくは40時間以下であり、特に好ましくは30時間以下である。
またキサンテン染料(a)を、ケイ素原子含有化合物のみで、又は、有機酸の塩と、ケイ素原子含有化合物の両方を組み合わせて処理する場合、撹拌時間としては、例えば、5時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましく、30時間以下が好ましく、20時間以下がより好ましい。
【0247】
撹拌温度は特に限定されないが、例えば、−10℃以上が好ましく、より好ましくは0℃以上がより好ましく、10℃以上がさらに好ましく、20℃以上がとりわけ好ましく、80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、60℃以下が更に好ましい。
【0248】
<固液分離工程>
本発明では前記撹拌工程後、不溶物を除去するための固液分離工程を実施するとよい。固液分離としては、例えば、濾過、遠心分離、及びこれらの組み合わせが挙げられ、操作が簡便なことから、本発明では特に濾過を実施することが好ましい。濾過の方法としては、例えば、自然濾過、加圧濾過、減圧濾過等が挙げられる。
濾過には、濾過助剤を用いることができる。濾過助剤は、プリコート、ボディフィードのどちらの用法で用いても良い。濾過助剤としては、活性白土、シリカ、珪藻土、セライト、パーライト、セルロース、活性炭、アルミナ、ケイ酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、マグネシウム・アルミニウム系固溶体、ドーソナイトなどが挙げられる。
【0249】
<着色硬化性樹脂組成物>
染料溶解液(A1)は染料として有用であり、特に、液晶表示等の表示装置のカラーフィルタに用いられる着色硬化性樹脂組成物の着色剤として有用である。
【0250】
該カラーフィルタを形成する着色硬化性樹脂組成物中に含まれる染料溶解液(A1)中のキサンテン染料(a)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量に対して、0.025質量%以上48質量%以下が好ましく、0.08質量%以上42質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がさらに好ましい。
本明細書において「固形分の総量」とは、本発明の着色硬化性樹脂組成物から溶剤(E)を除いた成分の合計量をいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
【0251】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、着色剤(A)と、樹脂(B)と、重合性化合物(C)と、重合開始剤(D)とを含む。
着色剤(A)は、染料溶解液(A1)の他に顔料(P)を含むことが好ましい。さらに、染料溶解液(A1)に含まれるキサンテン染料(a)とは異なる染料(A2)を含んでもよい。
着色剤(A)中のキサンテン染料(a)の含有量は、着色剤(A)の総量に対して、0.01質量%以上90質量%以下が好ましく、0.1質量%以上80質量%以下がより好ましい。
【0252】
<顔料(P)>
顔料(P)としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1(以下、C.I.ピグメントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、175、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60、80などの青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料等が挙げられる。
これらの顔料は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
【0253】
顔料としては、C.I.ピグメントイエロー138、139、150などの黄色顔料、C.I.ピグメントレッド177、242、254などの赤色顔料、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料及びC.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料が好ましく、より好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6及びピグメントバイオレット23からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、さらに好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6及びピグメントバイオレット23からなる群より選ばれる少なくとも一種である。前記の顔料を含むことで、本発明の着色硬化性樹脂組成物を用いたカラーフィルタの透過スペクトルの最適化が容易であり、カラーフィルタの耐熱性、耐光性及び耐薬品性が良好になる。
【0254】
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、青色顔料を含むことが好ましい。
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。顔料の粒径は、それぞれ均一であることが好ましい。
【0255】
上記顔料として、顔料が溶媒中で均一に分散した顔料分散液を用いてもよい。
顔料分散液は、顔料と顔料分散剤とを溶媒中で混合することにより得ることができる。
上記混合において、2種以上の顔料を混合する場合、それぞれ単独で混合してもよいし、複数種を混合してもよい。
前記顔料分散剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系及び両性の何れの分散剤であってもよく、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の顔料分散剤等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(BASF社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)等が挙げられる。
【0256】
上記溶媒としては、特に限定されず、本発明の着色硬化性樹脂組成物における溶媒と同様の溶媒が挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、顔料が溶媒中に均一に分散した顔料分散液が得られる傾向がある。
【0257】
<染料(A2)>
染料(A2)としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、直接染料、媒染染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などの染料が挙げられ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料に分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
【0258】
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、162;
C.I.ソルベントレッド45、49、125、130、218;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;
C.I.ソルベントブルー4、5、37、67、70、90;
C.I.ソルベントグリーン1、4、5、7、34、35等のC.I.ソルベント染料;
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、289、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、388、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19、30、102;
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、22、29、42、59、60、62、70、72、74、82、83、86、87、90、92、93、100、102、103、104、113、117、120、126、130、131、142、147、151、154、158、161、166、167、168、170、171、184、187、192、199、210、229、234、236、242、243、256、259、267、285、296、315、335; C.I.アシッドグリーン1、3、5、9、16、50、58、63、65、80、104、105、106、109等のC.I.アシッド染料;
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、6、8、15、22、25、41、57、71、76、78、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82等のC.I.ダイレクト染料;
C.I.ディスパースイエロー54,76等のC.I.ディスパース染料;
C.I.ベーシックレッド1、10;
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、24、25、26、28、29、40、41、54、58、59、64、65、66、67、68;
C.I.ベーシックグリーン1;等のC.I.ベーシック染料;
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.リアクティブレッド36;等のC.I.リアクティブ染料;
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、4、9、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、27、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、9、12、13、15、16、19、20、21、22、26、30、31、39、40、41、43、44、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、15、26、29、33、34、35、41、43、53等のC.I.モーダント染料;
C.I.バットグリーン1等のC.I.バット染料、等が挙げられる。
中でも、青色染料、バイオレット色染料及び赤色染料が好ましい。
これらの染料は、所望するカラーフィルタの分光スペクトルに合わせて適宜選択すればよい。これらの染料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0259】
着色剤(A)の含有率は、固形分の総量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。着色剤(A)の含有率が前記の範囲内であると、所望とする分光や色濃度を得ることができる。
【0260】
<樹脂(B)>
樹脂(B)としては、特に限定されるものではないが、アルカリ可溶性樹脂(B)であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B)(以下「樹脂(B)」という場合がある)は、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(a)に由来する構造単位を含む共重合体である。
【0261】
このような樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1]不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)にw由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K2](a)に由来する構造単位と(b)に由来する構造単位と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K3](a)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K4](a)に由来する構造単位に(b)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K5](b)に由来する構造単位に(a)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K6](b)に由来する構造単位に(a)を付加させ、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体。
【0262】
(a)としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0263】
(b)としては、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群より選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物が挙げられる。
(b)は、好ましくは、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体である。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0264】
(b)としては、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
(b1)としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)が挙げられる。
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物等が挙げられる。
【0266】
[式(II)及び式(III)中、R
a及びR
bは、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
X
a及びX
bは、単結合、*−R
c−、*−R
c−O−、*−R
c−S−又は*−R
c−NH−を表す。
R
cは、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0267】
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
R
a及びR
bとしては、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
【0268】
炭素数1〜6のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
X
a及びX
bとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH
2−O−及び*−CH
2CH
2−O−が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CH
2CH
2−O−が挙げられる(*はOとの結合手を表す)。
【0269】
式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−11)〜式(II−15)で表される化合物が好ましく、式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−15)で表される化合物がより好ましい。
【0272】
式(III)で表される化合物としては、式(III−1)〜式(III−15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(III−1)、式(III−3)、式(III−5)、式(III−7)、式(III−9)又は式(III−11)〜式(III−15)で表される化合物が好ましく、式(III−1)、式(III−7)、式(III−9)又は式(III−15)で表される化合物がより好ましい。
【0275】
式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、式(II)で表される化合物と式(III)で表される化合物とを併用してもよい。これらを併用する場合、式(II)で表される化合物及び式(III)で表される化合物の含有比率はモル基準で、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
【0276】
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
【0277】
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0278】
(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b1)であることが好ましい。さらに、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1−2)がより好ましい。
【0279】
(c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリール(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、ベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好ましい。
【0280】
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜60モル%
(b)に由来する構造単位;40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(b)に由来する構造単位;50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]において、構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られるカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
樹脂[K1]は、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
【0281】
樹脂[K1]の具体的な製造方法としては、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。
なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
【0282】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜45モル%
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5〜40モル%
(b)に由来する構造単位;5〜80モル%
(c)に由来する構造単位;5〜60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、更に所定量の(c)を用いる以外は樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0283】
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2〜60モル%
(c)に由来する構造単位;40〜98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(c)に由来する構造単位;50〜90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、(b)の代わりに(c)を用いる以外は樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0284】
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたもの同じ比率であることが好ましい。
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5〜80モルが好ましく、より好ましくは10〜75モルである。この範囲にすることにより、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001〜5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
【0285】
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5〜95モル%
(c)に由来する構造単位;5〜95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10〜90モル%
(c)に由来する構造単位;10〜90モル%
であることがより好ましい。
【0286】
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5〜80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
【0287】
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5〜1モルが好ましい。
【0288】
樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.0
2,6]デシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/トリシクロデシル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
【0289】
樹脂(B)は、好ましくは、樹脂[K1]、樹脂[K2]及び樹脂[K3]からなる群より選ばれる一種であり、より好ましくは、樹脂[K2]及び樹脂[K3]からなる群より選ばれる一種である。これらの樹脂であると着色硬化性樹脂組成物は現像性に優れる。着色パターンと基板との密着性の観点で、樹脂[K2]がさらに好ましい。
【0290】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは5,000〜50,000であり、さらに好ましくは5,000〜30,000である。分子量が前記の範囲にあると、塗膜硬度が向上し、残膜率も高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
【0291】
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
【0292】
樹脂(B)の酸価(固形分)は、好ましくは50〜170mg−KOH/gであり、より好ましくは60〜150mg−KOH/g、さらに好ましくは70〜135mg−KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0293】
樹脂(B)の含有量は、固形分の総量に対して、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
【0294】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0295】
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドン等、並びに、上述の(a)、(b)及び(c)が挙げられる。
エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0296】
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250以上1,500以下である。
重合性化合物(C)の含有量は、固形分の総量に対して、7〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは15〜55質量%である。
樹脂(B)と重合性化合物(C)との含有量比〔樹脂(B):重合性化合物(C)〕は質量基準で、好ましくは20:80〜80:20であり、より好ましくは35:65〜80:20である。
重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
【0297】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、O−アシルオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、及びアシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
前記O−アシルオキシム化合物は、式(d1)で表される構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
【0299】
前記O−アシルオキシム化合物としては、例えば、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン等が挙げられる。イルガキュアOXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O−アシルオキシム化合物は、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミンがより好ましい。これらのO−アシルオキシム化合物であると、高明度なカラーフィルタが得られる傾向にある。
【0300】
前記アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される部分構造又は式(d3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
【0302】
式(d2)で表される構造を有する化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d3)で表される構造を有する化合物としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン及びベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される構造を有する化合物が好ましい。
【0303】
前記ビイミダゾール化合物としては、式(d5)で表される化合物等が挙げられる。
【0305】
[式(d5)中、R
13〜R
18は、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。]
【0306】
炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、エチルフェニル基及びナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基である。
ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)及び4,4’,5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているビイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物及びこれらの混合物が好ましい。
【0308】
前記トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン及び2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0309】
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン及びカンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル及びチタノセン化合物等が挙げられる。
【0310】
これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
【0311】
重合開始剤(D)は、好ましくはアルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O−アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む重合開始剤であり、より好ましくはO−アシルオキシム化合物を含む重合開始剤である。
【0312】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.01〜40質量部であり、より好ましくは0.05〜35質量部であり、さらに好ましくは0.1〜32質量部であり、とりわけ好ましくは1〜30質量部である。
【0313】
<重合開始助剤(D1)>
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。
【0314】
前記アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも好ましくは4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
前記アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン及び2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
前記チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン及び1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
前記カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン及びナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0315】
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0316】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート及びジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル及びN−メチルピロリドンがより好ましい。
【0317】
溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0318】
<レベリング剤(H)>
レベリング剤(H)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
レベリング剤(H)を含有する場合、その含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、より好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以上0.07質量%以下である。レベリング剤(H)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0319】
<酸化防止剤(J)>
着色剤の耐熱性及び耐光性を向上させる観点からは、酸化防止剤を単独又は2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。酸化防止剤としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤等を用いることができる。
前記フェノール系酸化防止剤としては、イルガノックス1010(Irganox 1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、イルガノックス1076(Irganox 1076:オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASF(株)製)、イルガノックス1330(Irganox 1330:3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、BASF(株)製)、イルガノックス3114(Irganox 3114:1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、イルガノックス3790(Irganox 3790:1,3,5−トリス((4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、BASF(株)製)、イルガノックス1035(Irganox 1035:チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、イルガノックス1135(Irganox 1135:ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、BASF(株)製)、イルガノックス1520L(Irganox 1520L:4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、BASF(株)製)、イルガノックス3125(Irganox 3125、BASF(株)製)、イルガノックス565(Irganox 565:2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’、5’−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、BASF(株)製)、アデカスタブAO−80(アデカスタブAO−80:3,9−ビス(2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザーBHT(Sumilizer BHT、住友化学(株)製)、スミライザーGA−80(Sumilizer GA−80、住友化学(株)製)、スミライザーGS(Sumilizer GS、住友化学(株)製)、シアノックス1790(Cyanox 1790、(株)サイテック製)及びビタミンE(エーザイ(株)製)等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、イルガフォス168(Irgafos 168:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、BASF(株)製)、イルガフォス12(Irgafos 12:トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、BASF(株)製)、イルガフォス38(Irgafos 38:ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASF(株)製)、アデカスタブ329K((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP36((株)ADEKA製)、アデカスタブPEP−8((株)ADEKA製)、Sandstab P−EPQ(クラリアント社製)、ウェストン618(Weston 618、GE社製)、ウェストン619G(Weston 619G、GE社製)、ウルトラノックス626(Ultranox 626、GE社製)及びスミライザーGP(Sumilizer GP:6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)(住友化学(株)製)等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル又はジステアリール等のジアルキルチオジプロピオネート化合物及びテトラキス[メチレン(3−ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物等が挙げられる。
【0320】
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0321】
<着色硬化性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物0は、染料溶解液(A1)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び溶剤(E)、並びに必要に応じて用いられる、レベリング剤(H)、重合開始助剤(D1)、酸化防止剤(J)、及びその他の成分を混合することにより調製できる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物1は、染料溶解液(A1)、染料(A2)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び溶剤(E)、並びに必要に応じて用いられる、レベリング剤(H)、重合開始助剤(D1)、酸化防止剤(J)、及びその他の成分を混合することにより調製できる。
本発明の着色硬化性樹脂組成物2は、染料溶解液(A1)、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、無色の金属錯体(F)、及び溶剤(E)、並びに必要に応じて用いられる、レベリング剤(H)、重合開始助剤(D1)、酸化防止剤(J)、及びその他の成分を混合することにより調製できる。
【0322】
顔料(P)を含む場合の顔料は、予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミル等を用いて分散させることが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。このようにして得られた顔料分散液に、残りの成分を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色硬化性樹脂組成物を調製できる。
染料溶解液(A1)や染料(A2)等の着色剤(A)は、予め溶剤(E)の一部又は全部に溶解させて溶液を調製することが好ましい。該溶液を、孔径0.01〜1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
混合後の着色硬化性樹脂組成物を、孔径0.01〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
【0323】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられ、好ましくはフォトリソグラフ法が挙げられる。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて着色組成物層を形成し、フォトマスクを介して該着色組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、上記着色組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。このように形成した着色パターンや着色塗膜が本発明のカラーフィルタである。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、目的や用途等に応じて適宜調整することができ、通常0.1〜30μmであり、好ましくは0.1〜20μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
【0324】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン及び前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ及び回路等が形成されていてもよい。
【0325】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。
まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な着色組成物層を得る。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
着色組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
【0326】
次に、着色組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、光源としては、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射することや、フォトマスクと着色組成物層が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の露光装置を使用することが好ましい。
露光後の着色組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、着色組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度としては、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間としては、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
【0327】
本発明の着色硬化性樹脂組成物を用いることにより、特に高明度なカラーフィルタを製造できる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0328】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
【0329】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記しない限り、質量基準である。
【0330】
[実施例1]
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業(株)製)25部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す。(株)ダイセル製)/ジアセトンアルコール(以下、DAAと略す。KHネオケム(株)製)=10/90(重量比)の混合溶媒(以下、混合溶媒Aと略す)450部を加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−1)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、セライト535(林純薬工業(株)製)3.2部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−1)を470.0部得た。
【0331】
[実施例2]
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業(株)製)25部に450部の混合溶媒Aを加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−119)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、セライト535(林純薬工業(株)製)3.2部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Bを通して濾過し、得られた溶液をさらに桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−2)を470.0部得た。
【0332】
[実施例3]
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業(株)製)5.0部にPGMEA((株)ダイセル製)470部を加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−155)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、セライト535(林純薬工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下で超高分子量ポリエチレン(UPE)メンブレンディスクフィルターCWUA04700(1μm)、CWAZ04700(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−3)を470.0部得た。
【0333】
[実施例4]
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業(株)製)25部に450部の混合溶媒Aを加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−160)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、セライト535(林純薬工業(株)製)3.2部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−4)を470.0部得た。
【0334】
[実施例5]
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業(株)製)25部に450部の混合溶媒Aを加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−161)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、セライト535(林純薬工業(株)製)3.2部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−5)を470.0部得た。
【0335】
[実施例6]
式(I−1)で表される化合物25部に445.7部の混合溶媒Aを加え、室温で30分撹拌し、完溶させた。得られた溶液に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503:信越化学(株)製)25部を加え、さらに室温で15時間撹拌した。得られた溶液に、セライト535(林純薬工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Bを通して濾過し、得られた濾液をさらに桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−6)を485部得た。
【0336】
[実施例7]
トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドリチウム(セントラル硝子(株)製)5.0部にPGMEA((株)ダイセル製)470部を加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−155)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、キョーワード700SEN−S(協和化学工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下で超高分子量ポリエチレン(UPE)メンブレンディスクフィルターCWUA04700(1μm)、CWAZ04700(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−7)を470.0部得た。
【0337】
[実施例8]
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業(株)製)25部に450部の混合溶媒Aを加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−161)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、キョーワード2000(協和化学工業(株)製)3.2部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−8)を470.0部得た。
【0338】
[実施例9]
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(東京化成工業(株)製)25部に450部の混合溶媒Aを加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−1)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)3.2部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−9)を470.0部得た。
【0339】
[実施例10]
式(I−1)で表される化合物25部に445.7部の混合溶媒Aを加え、室温で30分撹拌し、完溶させた。得られた溶液に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503:信越化学(株)製)25部を加え、さらに室温で15時間撹拌した。得られた溶液に、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Bを通して濾過し、得られた濾液をさらに桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−10)を485部得た。
【0340】
[実施例11]
ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸)亜鉛(BONTRON(登録商標) E−84(オリエント化学工業(株)製))25部に450部の混合溶媒Aを加え、室温で10分撹拌し、完溶させた。式(I−161)で表される化合物25部を加え、さらに室温で13時間撹拌した。得られた溶液に、キョーワード2000(協和化学工業(株)製)3.2部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−11)を470.0部得た。
【0341】
[比較例1]
PGMEA((株)ダイセル製)485部に式(I−155)で表される化合物15部を加え、室温で50時間撹拌した。式(I−155)で表される化合物は完溶しておらず、溶液が濁っていた。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過したが、乾燥後の残渣重量が12部あり、溶け残っていることが明らかとなった。
【0342】
[比較例2]
475部の混合溶媒Aに、式(I−1)で表される化合物25部を加え、室温で15時間撹拌し、セライト535(林純薬工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Bを通して濾過し、得られた溶液をさらに桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)通して濾過し、染料溶解液(A1−R2)を485部得た。
【0343】
[比較例3]
475部の混合溶媒Aに、式(I−160)で表される化合物25部を加え、室温で15時間撹拌し、セライト535(林純薬工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−R3)を485部得た。
【0344】
[比較例4]
475部の混合溶媒Aに、式(I−161)で表される化合物25部を加え、室温で15時間撹拌し、セライト535(林純薬工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−R4)を485部得た。
【0345】
[比較例5]
475部の混合溶媒Aに、式(I−119)で表される化合物25部を加え、室温で15時間撹拌し、セライト535(林純薬工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Bを通して濾過し、得られた溶液をさらに桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−R5)を485部得た。
【0346】
[比較例6]
475部の混合溶媒Aに、式(I−161)で表される化合物25部を加え、室温で15時間撹拌し、キョーワード2000(協和化学工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)を通して濾過し、染料溶解液(A1−R6)を485部得た。
【0347】
[比較例7]
475部の混合溶媒Aに、式(I−1)で表される化合物25部を加え、室温で15時間撹拌し、キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)5.3部を加え、さらに室温で1時間撹拌した。得られた溶液を、桐山濾紙No.5Bを通して濾過し、得られた溶液をさらに桐山濾紙No.5Cを通して濾過した。得られた濾液をさらに窒素0.05MPa加圧下でPTFEメンブレンディスクフィルターPTAW04700(1μm)、S4422M022Y11(0.05μm)(日本インテグリス(株)製)通して濾過し、染料溶解液(A1−R7)を485部得た。
【0348】
〈経時安定性の確認〉
実施例1〜6および比較例2〜5でそれぞれ得られた染料溶解液を、−20℃、10℃、23℃、40℃の各温度で保管し、1週間後に析出物の有無を目視で確認した。結果を表1に示す。「○」は析出物が確認されないことを、「×」は析出物が確認されたことを意味する。
【0349】
【表1】