特許第6889551号(P6889551)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

特許6889551用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム
<>
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000002
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000003
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000004
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000005
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000006
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000007
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000008
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000009
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000010
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000011
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000012
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000013
  • 特許6889551-用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6889551
(24)【登録日】2021年5月25日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/02 20060101AFI20210607BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20210607BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20210607BHJP
【FI】
   G03G21/02
   B41J29/00 Z
   B41J29/38
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-245160(P2016-245160)
(22)【出願日】2016年12月19日
(65)【公開番号】特開2018-100997(P2018-100997A)
(43)【公開日】2018年6月28日
【審査請求日】2019年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】名古 大介
【審査官】 市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−090380(JP,A)
【文献】 特開2008−194933(JP,A)
【文献】 特開2013−111793(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0192289(US,A1)
【文献】 特開平08−262931(JP,A)
【文献】 特開2013−135364(JP,A)
【文献】 特開2006−240237(JP,A)
【文献】 特開2015−154126(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0293313(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0248264(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/02
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が所定の箇所にいるか否かを検出する利用者存在検出手段と、
印刷に対して適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在していてもいなくても印刷を実行するような第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択し、印刷に対して適用する課金方式が、非ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在している期間及びこれに続くタイムアウト期間に印刷を実行するが、前記利用者が前記所定の箇所に存在する以前には印刷を実行せず、前記タイムアウト期間が経過した時には、印刷を中止する第2の印刷実行制御モードを選択し、選択された印刷実行制御モードを印刷に対して適用する印刷実行制御手段と、
を備え
前記印刷実行制御手段は、前記第2の印刷実行制御モードを印刷に対して選択することが判断された場合であっても、印刷枚数が1枚である場合には、前記第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択することを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置。
【請求項2】
利用者が所定の箇所にいるか否かを検出する利用者存在検出手段と、
印刷に対して適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在していてもいなくても印刷を実行するような第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択し、印刷に対して適用する課金方式が、非ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在している期間及びこれに続くタイムアウト期間に印刷を実行するが、前記利用者が前記所定の箇所に存在する以前には印刷を実行せず、前記タイムアウト期間が経過した時には、印刷を中止する第2の印刷実行制御モードを選択し、選択された印刷実行制御モードを印刷に対して適用する印刷実行制御手段と、
を備え
前記印刷実行制御手段は、コンテンツプロバイダにより提供される印刷の実行を含むコンテンツサービスを実行する場合には、前記コンテンツプロバイダにより前記コンテンツサービスに第1又は第2の印刷実行制御モードが対応付けられていれば、その対応付けられた印刷実行制御モードを印刷に対して適用し、対応付けられていなければ、前記選択に従って印刷実行制御モードを印刷に対して適用することを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置。
【請求項3】
請求項に記載の用紙取り忘れ防止モード切替装置であって、
前記コンテンツプロバイダにより前記コンテンツサービスに第2の印刷実行制御モードが対応付けられる場合には、前記コンテンツプロバイダが前記タイムアウト期間を設定することを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の用紙取り忘れ防止モード切替装置であって、
前記非ベンダ課金方式は、業務課金方式又は業務課金方式であることを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置。
【請求項5】
請求項1乃至の何れか1項に記載の用紙取り忘れ防止モード切替装置であって、
前記タイムアウト期間を現在の印刷における累積印刷枚数に応じて変更するタイムアウト期間変更手段を更に備えることを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか1項に記載の用紙取り忘れ防止モード切替装置であって、
前記印刷実行制御手段は、前記利用者が前記所定の箇所に存在しなくなったならば、給紙間隔時間を広げ、前記タイムアウト期間が経過する前に、前記利用者が前記所定の箇所に戻ったならば、前記給紙間隔時間を広げる前に戻して印刷を再開するような制御を行うことを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置。
【請求項7】
請求項1乃至の何れか1項に記載の用紙取り忘れ防止モード切替装置であって、
前記印刷実行制御手段は、利用者による印刷実行制御モードの指定がある場合には、前記印刷実行制御手段により選択された印刷実行制御モードの代わりに、利用者により指定された印刷実行制御モードを印刷に対して適用することを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置。
【請求項8】
請求項1乃至の何れか1項に記載の用紙取り忘れ防止モード切替装置を備えることを特徴とする複合機。
【請求項9】
利用者が所定の箇所にいるか否かを検出する利用者存在検出ステップと、
印刷に対して適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在していてもいなくても印刷を実行するような第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択し、印刷に対して適用する課金方式が、非ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在している期間びこれに続くタイムアウト期間に印刷を実行するが、前記利用者が前記所定の箇所に存在する以前には印刷を実行せず、前記タイムアウト期間が経過した時には、印刷を中止する第2の印刷実行制御モードを選択し、選択された印刷実行制御モードを印刷に対して適用する印刷実行制御ステップと、
を有し、
前記印刷実行制御ステップにおいて、前記第2の印刷実行制御モードを印刷に対して選択することが判断された場合であっても、印刷枚数が1枚である場合には、前記第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択することを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替方法。
【請求項10】
利用者が所定の箇所にいるか否かを検出する利用者存在検出ステップと、
印刷に対して適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在していてもいなくても印刷を実行するような第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択し、印刷に対して適用する課金方式が、非ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在している期間びこれに続くタイムアウト期間に印刷を実行するが、前記利用者が前記所定の箇所に存在する以前には印刷を実行せず、前記タイムアウト期間が経過した時には、印刷を中止する第2の印刷実行制御モードを選択し、選択された印刷実行制御モードを印刷に対して適用する印刷実行制御ステップと、
を有し、
前記印刷実行制御ステップにおいて、コンテンツプロバイダにより提供される印刷の実行を含むコンテンツサービスを実行する場合には、前記コンテンツプロバイダにより前記コンテンツサービスに第1又は第2の印刷実行制御モードが対応付けられていれば、その対応付けられた印刷実行制御モードを印刷に対して適用し、対応付けられていなければ、前記選択に従って印刷実行制御モードを印刷に対して適用することを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替方法。
【請求項11】
請求項1乃至の何れか1項に記載の用紙取り忘れ防止モード切替装置としてコンピュータを機能させるための用紙取り忘れ防止モード切替用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラムに関し、特に、印刷サービスのための用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置と画像読取装置を含む画像複写装置に、ネットワーク接続機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、データ入出力機能、データ格納機能などを追加した複合機が設置されたコンビニエンスストア、公共施設、官営施設、民営施設、企業、学校等においては、複合機を利用した印刷サービスが提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−134045号公報
【特許文献2】特開2008−2420085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷サービスを利用する利用者は、通常は、最初に予定していた枚数の印刷物を取得して、持ち帰る。
【0005】
しかし、印刷サービスにより印刷が行われている途中で、トナー補給などにより、印刷が中断した場合、利用者は、それが印刷の終了であると誤認識して、それまでに印刷された印刷物のみを取得して、持ち帰ってしまう場合がある。そのような場合、トナー補給が終了してから再開された印刷による印刷物が排紙トレーなどに排出されたまま、残ってしまい、第三者の目に触れたり、第三者に盗まれてしまう可能性が生じ、セキュリティを確保することができなくなってしまう。
【0006】
特許文献1には、有料プリントサービスと無料プリントサービスを利用者が選択することができ、無料プリントサービスには、枚数制限などの制限をかける発明が開示されているが、この課題を解決することができない。
【0007】
特許文献2には、プリペイド方式による印刷課金管理をネットワーク上のサーバで行う発明が開示されているが、この課題を解決することができない。
【0008】
ところで、印刷サービスに対して適用される課金方式としては、複合機に接続されたベンダ機械から現金などによる必要額の入金の通知があるまで印刷サービスを保留するベンダ課金方式、契約先の法人などに対する印刷サービスが終了してから例えば月間の利用額をその法人に対して月末にまとめて請求する後課金方式、コンビニエンスストアの店員、サービスマンなどの業務関係者に対する印刷サービスが終了してから例えば月間の課金するべき利用額をコンビニエンスストアのオーナなどに対して月末にまとめて請求する業務課金方式の3種類がある。後課金方式と業務課金方式は、ベンダ機械を用いたベンダ課金方式ではない課金方式という意味で、非ベンダ課金方式であるということができる。
【0009】
印刷サービスに対して適用される全ての課金方式に対して、同一の用紙取り忘れ防止の対策を取ると、必ずしも、利用者が適切にその対策を享受することができるとは限らない。
【0010】
そこで、本発明は、課金方式に応じて用紙取り忘れ防止モードを切り替える用紙取り忘れ防止モード切替装置、用紙取り忘れ防止モード切替方法及び用紙取り忘れ防止モード切替用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、
利用者が所定の箇所にいるか否かを検出する利用者存在検出手段と、
印刷に対して適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在していてもいなくても印刷を実行するような第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択し、印刷に対して適用する課金方式が、非ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在している期間及びこれに続くタイムアウト期間に印刷を実行するが、前記利用者が前記所定の箇所に存在する以前には印刷を実行せず、前記タイムアウト期間が経過した時には、印刷を中止する第2の印刷実行制御モードを選択し、選択された印刷実行制御モードを印刷に対して適用する印刷実行制御手段と、
を備えることを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替装置が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、上記の用紙取り忘れ防止モード切替装置を備えることを特徴とする複合機が提供される。
【0013】
更に、本発明によれば、
利用者が所定の箇所にいるか否かを検出する利用者存在検出ステップと、
印刷に対して適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在していてもいなくても印刷を実行するような第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択し、印刷に対して適用する課金方式が、非ベンダ課金方式であれば、前記利用者が前記所定の箇所に存在している期間びこれに続くタイムアウト期間に印刷を実行するが、前記利用者が前記所定の箇所に存在する以前には印刷を実行せず、前記タイムアウト期間が経過した時には、印刷を中止する第2の印刷実行制御モードを選択し、選択された印刷実行制御モードを印刷に対して適用する印刷実行制御ステップと、
を有することを特徴とする用紙取り忘れ防止モード切替方法が提供される。
【0014】
本発明によれば、上記の用紙取り忘れ防止モード切替装置としてコンピュータを機能させるための用紙取り忘れ防止モード切替用プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、課金方式に応じて用紙取り忘れ防止モードを切り替えることができるので、利用者は適切にその対策を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法を説明するためのフローチャートである。
図2】本発明の第2の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の第3の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法を説明するためのフローチャートである。
図4】本発明の第4の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の第5の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法を説明するためのフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法において、モードAで表示される画面を示す図である。
図7】本発明の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法において、モードBで印刷継続ボタンが押下されるまで表示される画面を示す図である。
図8】本発明の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法において、モードBで印刷を実行している最中に表示される画面を示す図である。
図9】本発明の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法において、モードBで停止している期間に表示される画面を示す図である。
図10】本発明の実施の形態による用紙取り忘れ防止モード切替方法において、印刷実行終了時に表示される画面を示す図である。
図11】本発明の第7の実施の形態による複合機の概念的断面図である。
図12】本発明の第7の実施の形態による複合機の機能ブロック図である。
図13】本発明の第7の実施の形態による複合機含まれる用紙取り忘れ防止モード切替装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1を参照すると、印刷サービスが開始されたならば、まず、印刷サービスを開始する前に入力された利用者の識別情報、利用者種類の識別情報などに基づいて、その印刷サービスに対して適用する課金方式を選択する(ステップS301)。例えば、利用開始前に契約先の法人の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、後課金方式を選択する。利用開始前に業務関係者の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、業務課金方式を選択する。ベンダ機械への入金により印刷サービスが開始されたのであれば、課金方式として、ベンダ課金方式を選択する。
【0019】
適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、モードAの印刷を選択する(ステップS303)。適用する課金方式が、後課金方式又は業務課金方式であれば、つまり、非ベンダ課金方式であれば、モードBの印刷を選択してから(ステップS305)、タイムアウト期間を設定する(ステップS307)。
【0020】
ここで、モードAの印刷とは、印刷スタートの操作が行われたならば、それ以降、複合機のタッチパネル画面に何らの操作が行われていなくても印刷を実行する印刷のことである。なお、モードAでは、タッチパネル画面の印刷中止ボタン以外の箇所が押されても印刷を継続する。また、モードBの印刷とは、印刷スタートの操作が行われても、それだけでは、印刷の実行をせず、複合機のタッチパネル画面に表示された印刷継続ボタンが押されたならば、初めて印刷の実行を開始し、押され続けているならば、印刷を継続する。複合機のタッチパネル画面に表示された印刷継続ボタンが押されなくなったならば、それからタイムアウト期間の経過後に印刷を終了する。従って、モードBの印刷においては、そのタイムアウト期間の経過後は、印刷するべきページが残っていても印刷が終了する。
【0021】
ステップS303又はステップS307からはステップS309に進み、選択されたモードで印刷を実行する(ステップS309)。
【0022】
モードAでは、印刷開始から印刷終了まで、図6に示すように、タッチパネル画面に「プリント中です。プリント終了までしばらくお待ちください。」というメッセージ等を表示する。
【0023】
モードBでは、印刷継続ボタンが押下されるまでは、図7に示すように、タッチパネル画面に「プリントを停止しています。開始するには、画面のマークをタッチして下さい。」というメッセージと、指を触れるためのマーク(同心の多重円で示す領域)を表示する。利用者は、印刷を開始させるためには、この領域に指を触れる必要がある。
【0024】
また、モードBでは、印刷を実行している最中には、図8に示すように、タッチパネル画面に「プリント中です。プリント終了まで指を離さないでください。」というメッセージと、上述のマークを表示する。利用者は、印刷を継続させるためには、この領域を指で触れ続けている必要がある。
【0025】
更に、モードBでは、上述のマークから指が離されてからタイムアウト期間が経過したならば、印刷を停止するが、指が離されてから停止するまでの期間では、図9に示すように、タッチパネル画面に「プリントを停止する準備をしています。再開するには、画面のマークをタッチして下さい。」というメッセージと、上述のマーク(同心の多重円で示す領域)を表示する。利用者は、印刷を再開させるためには、この領域に指を触れる必要がある。
【0026】
モードAでもモードBでも、印刷の実行が終了したならば、印刷物の取り忘れ防止のための注意喚起のメッセージを画面やスピーカから出力する(ステップS310)。例えば、図10に示すように、タッチパネル画面に「プリントが終了しました。お取り忘れにご注意ください。」というメッセージ等を表示する。
【0027】
契約先の法人の者が法人の識別情報を入力してから印刷サービスを利用する場合に、モードBが選択されるので、印刷の実行中にその者が複合機から離れると、タイムアウト期間経過後に印刷が終了する。従って、印刷の実行中にその者が複合機から離れた後も印刷が継続して、離れてしまったその者により印刷物が回収されないまま、複合機の排紙トレイに残ってしまい、他人の目に触れたり、他人に盗まれることを防止することができる。従って、後課金方式が適用された契約先の法人による印刷サービスのセキュリティを向上させることができる。
【0028】
同様に、コンビニエンスストアの店員、サービスマンなどの業務関係者が業務関係者の識別情報を入力してから印刷サービスを利用する場合に、モードBが選択されるので、印刷の実行中にその者が複合機から離れると、タイムアウト期間経過後に印刷が終了する。従って、印刷の実行中にその者が複合機から離れた後も印刷が継続して、離れてしまったその者により印刷物が回収されないまま、複合機の排紙トレイに残ってしまい、他人の目に触れたり、他人に盗まれることを防止することができる。従って、後課金方式が適用された業務関係者による印刷サービスのセキュリティを向上させることができる。
【0029】
他方で、一般の利用者に限らず契約先の法人の者や業務関係者であってもベンダ機械に入金してから印刷サービスを利用する場合に、モードAが選択されるので、モードBによる印刷サービスのセキュリティの向上を得ることはできないが、利用者は、印刷を継続させるために、複合機のタッチパネル画面に表示された印刷継続ボタンを押し続ける必要がない。
【0030】
また、モードBには、上述のタイムアウト期間が設けられているので、実際にはトナー補給による印刷の中断であっても、印刷の終了であると誤認識した利用者が、複合機のタッチパネル画面に表示された印刷継続ボタンから指を離しても、タイムアウト期間内に、例えば、印刷物を排紙トレイから取り出してから見ることにより、実際には、印刷の終了ではなく、印刷の中断であったことを知るならば、再度、複合機のタッチパネル画面に表示された印刷継続ボタンを押すことにより、印刷を再開することができる。
【0031】
また、モードAでは、複合機のタッチパネル画面に表示された印刷継続ボタンを押すか否かにかかわらず、印刷が継続されるので、トナー補給による印刷の中断があっても、それ以降、予定していた印刷が終了するまで、印刷が継続する。また、利用者は、サービス開始前に印刷枚数などを把握したうえで、ベンダ機械に入金をしていて、また、それまでの印刷完了枚数を或る程度把握できるので、トナー補給による印刷の中断を印刷の終了と誤認識する可能性が低い。更に、利用者は、そのような誤認識をしてしまい、印刷物を排紙トレイから取り出してから見ることにより初めて誤認識であることに気づいたならば、残りの印刷物の印刷が完了するまで、待つようになる。更に、トナー補給による印刷の中断があった場合に、利用者が印刷の終了と誤認識したままである場合には、利用者は、払い戻しを受けるための操作をして、利用者は過剰な料金を支払わなくて済むようになる。
【0032】
[第2の実施の形態]
図2を参照すると、印刷サービスが開始されたならば、まず、印刷サービスを開始する前に入力された利用者の識別情報などに基づいて、その印刷サービスに対して適用する課金方式を選択する(ステップS301)。
【0033】
利用開始前に契約先の法人の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、後課金方式を選択する。利用開始前に業務関係者の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、業務課金方式を選択する。ベンダ機械への入金により印刷サービスが開始されたのであれば、課金方式として、ベンダ課金方式を選択する。
【0034】
適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、モードAの印刷を選択する(ステップS303)。適用する課金方式が、後課金方式又は業務課金方式であれば、つまり、非ベンダ課金方式であれば、印刷枚数を調べる(ステップS311)。印刷枚数が1枚であれば、モードAの印刷を選択する(ステップS303)。印刷枚数が2枚以上であれば、モードBの印刷を選択してから(ステップS305)、タイムアウト期間を設定する(ステップS307)。
【0035】
ステップS303又はステップS307からはステップS309に進み、選択されたモードで印刷を実行する(ステップS309)。
【0036】
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態による効果と同様な効果を奏することができる。また、第2の実施の形態によれば、課金方式が後課金方式又は業務課金方式であっても、つまり、つまり、非ベンダ課金方式であっても、印刷枚数が1枚であれば、モードAの印刷を選択するので、利用者は、わざわざ、1枚の印刷をするために、複合機のタッチパネル画面に表示された印刷継続ボタンを押す必要がなくなる。
【0037】
[第3の実施の形態]
図3を参照すると、印刷サービスが開始されたならば、まず、今回の印刷サービスがコンテンツサービスによるものであるか否かを判断する(ステップS313)。
【0038】
そうでなければ(ステップS313でNO)、何によって印刷サービスを開始することが可能になったのか(つまり、利用者の識別情報の入力により可能になったのか、ベンダ機械への入金により可能になったのか)に基づいて、その印刷サービスに対して適用する課金方式を選択する(ステップS301)。
【0039】
利用開始前に契約先の法人の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、後課金方式を選択する。利用開始前に業務関係者の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、業務課金方式を選択する。ベンダ機械への入金により印刷サービスが開始されたのであれば、課金方式として、ベンダ課金方式を選択する。
【0040】
適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、モードAの印刷を選択する(ステップS303)。適用する課金方式が、後課金方式又は業務課金方式であれば、つまり、非ベンダ課金方式であれば、印刷枚数を調べる(ステップS311)。印刷枚数が1枚であれば、モードAの印刷を選択する(ステップS303)。印刷枚数が2枚以上であれば、モードBの印刷を選択してから(ステップS305)、タイムアウト期間を設定する(ステップS307)。
【0041】
今回の印刷サービスがコンテンツサービスによるものであるならば(ステップS313でYES)、コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダによる印刷モードに関する設定を調べる(ステップS315)。
【0042】
コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダによる印刷モードに関する設定がなければ、ステップS301に進む。
【0043】
コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダが当該コンテンツサービスに対してモードAを対応付けている場合には、印刷に適用するモードをモードAに設定する(ステップS317)。
【0044】
コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダが当該コンテンツサービスに対してモードBを対応付けている場合には、印刷に適用するモードをモードBに設定し(ステップS319)、タイムアウト期間を設定する(ステップS321)。ここでの、タイムアウト期間は、複合機で決めたものであってもよいし、コンテンツプロバイダで決めたものであってもよい。
【0045】
ステップS303、ステップS307、ステップS317又はステップS319からはステップS309に進み、選択されたモードで印刷を実行する(ステップS309)。
【0046】
第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態による効果と同様な効果を奏することができる。また、第3の実施の形態によれば、コンテンツプロバイダがコンテンツサービスに対応付けたモードで印刷を実行することができる。また、コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダが、コンテンツサービスについては、印刷モードの選択を複合機に任せるようにしている場合には、複合機で印刷モードを選択することができる。
【0047】
[第4の実施の形態]
図4を参照すると、印刷サービスが開始されたならば、まず、今回の印刷サービスがコンテンツサービスによるものであるか否かを判断する(ステップS313)。
【0048】
そうでなければ(ステップS313でNO)、何によって印刷サービスを開始することが可能になったのか(つまり、利用者の識別情報の入力により可能になったのか、ベンダ機械への入金により可能になったのか)に基づいて、その印刷サービスに対して適用する課金方式を選択する(ステップS301)。
【0049】
利用開始前に契約先の法人の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、後課金方式を選択する。利用開始前に業務関係者の識別情報がIDカードや入力画面により入力されたならば、課金方式として、業務課金方式を選択する。ベンダ機械への入金により印刷サービスが開始されたのであれば、課金方式として、ベンダ課金方式を選択する。
【0050】
適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、つまり、非ベンダ課金方式であれば、利用者によるモードBの指定があるか否かを調べる(ステップS323)。利用者によるモードBの指定がある場合には(ステップS323でYES)、ステップS311に進む。利用者によるモードBの指定がない場合には(ステップS323でNO)、ステップS303に進む。なお、利用者によるモードBの指定は、利用者に対して既に設定されていてもよいし、今回の印刷サービスに対してのみ設定されたものであってもよい。
【0051】
適用する課金方式が、後課金方式又は業務課金方式、つまり、非ベンダ課金方式、であれば、利用者によるモードAの指定があるか否かを調べる(ステップS325)。利用者によるモードAの指定がある場合には(ステップS325でYES)、ステップS303に進む。利用者によるモードAの指定がない場合には(ステップS325でNO)、ステップS311に進む。なお、利用者によるモードAの指定は、利用者に対して既に設定されていてもよいし、今回の印刷サービスに対してのみ設定されたものであってもよい。
【0052】
ステップS311では、印刷枚数を調べ、印刷枚数が1枚であれば、ステップS303に進む。印刷枚数が2枚以上であれば、モードBの印刷を選択してから(ステップS305)、タイムアウト期間を設定する(ステップS307)。
【0053】
ステップS303では、モードAの印刷を選択する。
【0054】
今回の印刷サービスがコンテンツサービスによるものであるならば(ステップS313でYES)、コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダによる印刷モードに関する設定を調べる(ステップS315)。
【0055】
コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダによる印刷モードに関する設定がなければ、ステップS301に進む。
【0056】
コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダが当該コンテンツサービスに対してモードAを対応付けている場合には、印刷に適用するモードをモードAに設定する(ステップS317)。
【0057】
コンテンツサービスを提供するコンテンツプロバイダが当該コンテンツサービスに対してモードBを対応付けている場合には、印刷に適用するモードをモードBに設定し(ステップS319)、タイムアウト期間を設定する(ステップS321)。
【0058】
ステップS303、ステップS307、ステップS317又はステップS319からはステップS309に進み、選択されたモードで印刷を実行する(ステップS309)。
【0059】
第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態による効果と同様な効果を奏することができる。また、第4の実施の形態によれば、ベンダ課金方式に対応してモードAが装置側で選択された場合であっても、利用者による指定があれば、モードBで印刷することができる。従って、例えば、利用者が、モードBにより印刷サービスのセキュリティの向上を得ることができることを知ったなどの理由により、利用者がモードBで印刷を実行したいという要求を持つことに対応することができる。更に、後課金方式又は業務課金方式、つまり、非ベンダ課金方式に対応してモードBが装置側で選択された場合であっても、利用者による指定があれば、モードAで印刷することができる。従って、例えば、利用者が、モードBによる印刷サービスのセキュリティの向上よりも、印刷時の簡便な操作を重視した場合に、モードAによる印刷をすることにより、これに対応することができる。
【0060】
[第5の実施の形態]
第1乃至第4の実施の形態では、モードBが選択されたならば、印刷継続ボタンの押下の状態に基づいて、印刷を実行するかどうかの制御を行うが、第5の実施の形態では、印刷継続ボタンの押下の状態の代わりに、利用者が複合機の近くに存在するか否かに関する状況に基づいて、印刷を実行するかどうかの制御を行う。利用者が複合機の近くに存在するか否かの判断は、例えば、(1)複合機の近くを検出エリアとした、人体検出用の赤外線検出器、カメラ、(2)複合機の操作パネルに対面する顔を検出するためのカメラ、(3)複合機の操作パネル等に設けられた指センサ、掌センサ、(4)複合機の操作パネル付近に設けられた押ボタンなどからの出力に基づいて行う。
【0061】
モードBが選択された場合、印刷の実行中にその者が複合機から離れると、タイムアウト期間経過後に印刷が終了する。従って、印刷の実行中にその者が複合機から離れた後も印刷が継続して、印刷物が去ってしまったその者により回収されないまま、複合機の排紙トレイに残ってしまうことを防止することができる。従って、印刷サービスのセキュリティを向上させることができる。
【0062】
また、モードBには、上述のタイムアウト期間が設けられているので、実際のトナー補給による印刷の中断を印刷の終了であると誤認識した利用者の検出対象が検出エリア外に移動しても、誤認識に気づいた利用者がタイムアウト期間内に利用者の検出対象を検出エリア内に戻すことにより、印刷を再開することができる。例えば、誤認識をした利用者が排紙トレイから印刷物を取り出す動作をすることにより、利用者の検出対象が検出エリア外に移動しても、利用者が印刷物を見て誤認識に気づき、複合機の正面に戻れば、印刷を再開することができる。また、印刷再開のためのボタンを設けておけば、利用者がそれを押すことにより、印刷を再開することができる。
【0063】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態は、モードBでの印刷実行(ステップS309)の一例の詳細に関するものである。
【0064】
図5を参照すると、まず、印刷継続ボタンが押下されるまで待ち(ステップS401でNOのループ)、押下されたならば(ステップS401でYES)、印刷を開始する(ステップS403)。
【0065】
印刷継続ボタンが押下されるまでは、図7に示すように、タッチパネル画面に「プリントを停止しています。開始するには、画面のマークをタッチして下さい。」というメッセージと、指を触れるためのマーク(同心の多重円で示す領域)を表示する。利用者は、印刷を開始させるためには、この領域に指を触れる必要がある。
【0066】
印刷を実行している最中には、つまり、ステップS415とステップS405を繰り返している期間には、図8に示すように、タッチパネル画面に「プリント中です。プリント終了まで指を離さないでください。」というメッセージと、上述のマークを表示する。利用者は、印刷を継続させるためには、この領域を指で触れ続けている必要がある。
【0067】
次に、印刷継続ボタンが押下されている限り待ち(ステップS405でYESのループ)、ボタンの押下がなくなったならば(ステップS405でNO)、経過時間を計測するタイマをゼロにリセットし(ステップS407)、給紙間隔時間を長くなるように調整する(ステップS408)。
【0068】
なお、印刷継続ボタンが押下されている最中に、最後の印刷物の印刷が終了したことを検出したならば(ステップS417でYES)、処理を終了する。
【0069】
次に、タイマにより計測されている経過時間がタイムアウト期間になるまでの間に(ステップS411でNO)、印刷継続ボタンが押下されたならば(ステップS409でYES)、給紙間隔時間を元に戻してから(ステップS410)、ステップS403に戻り、印刷を再開する。
【0070】
タイマにより計測されている経過時間がタイムアウト期間になるまでの間に(ステップS411でNO)、印刷継続ボタンが押下されずに(ステップS409でNO)、タイムアウト期間に達したならば(ステップS411でYES)、印刷を中止する(ステップS413)。
【0071】
なお、ステップS417、S409、S411を繰り返し実行している期間では、図9に示すように、タッチパネル画面に「プリントを停止する準備をしています。再開するには、画面のマークをタッチして下さい。」というメッセージと、上述のマーク(同心の多重円で示す領域)を表示する。利用者は、印刷を再開させるためには、この領域に指を触れる必要がある。
【0072】
なお、タイマにより計測されている経過時間がタイムアウト期間になるまでの間に最後の印刷物の印刷が終了したことを検出したならば(ステップS417でYES)、処理を終了する。
【0073】
また、印刷継続ボタンの押下の検出を、利用者の検出対象の検出エリアにおける検出に置き換えてもよい。
【0074】
また、ステップS411で参照するタイムアウト期間を現在の印刷サービスを開始してからの累積印刷枚数に応じて調整してもよい。あくまで一例であるが、タイムアウト期間の初期値を15秒に設定し、累積印刷枚数が50枚であれば、30秒に変更し、更に、累積印刷枚数が100枚まで増加したならば、1分に変更してもよい。累積印刷枚数が増加した場合に、印刷継続ボタンから指を離してから印刷が中断するまでの許容期間が長くなるので、利用者にとってみれば、疲労対策になる。
【0075】
タイムアウト期間が同一であれば、ステップS410で給紙間隔時間を広げることにより、タイムアウトするまでの印刷枚数が減る。これにより、利用者が印刷を終了させるために、印刷継続ボタンを押下することを止めたのであれば、無駄な印刷枚数を削減する効果を奏することができ、また、押下することを止めてから印刷枚数を削減する効果を得るための手段として、タイムアウト期間を短縮させる方法を採っていないので、印刷を終了させるために印刷継続ボタンを押すことを止めたのではない場合には、タイムアウトするまでの印刷再開の機会が失われにくい。
【0076】
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態は、第1乃至第6の実施の形態による原稿読取装置を含む複合機800に関するものである。図11及び図12は、複合機800の構成などを示すものである。
【0077】
図11及び図12に示すように、複合機800は、原稿の画像を読み取る原稿読取装置820と、シートに画像を形成する複合機本体(画像形成部本体)830と、原稿読取装置820及び複合機本体830を操作するための操作パネル部843と、操作パネル部843による操作に基づいて原稿読取装置820及び複合機本体830を制御する演算処理部841と、を備えている。
【0078】
画像読取りのために原稿読取装置820を単体で用いること、画像形成のために複合機本体830を単体で用いることの他に、画像を複写するためにこれらを連動させることもできる。また、複合機800は図示しない記憶装置及びファクシミリ装置を含んでいてもよい。記憶装置は、原稿読取装置820により読み取られた画像やファクシミリ装置により受信した画像を格納することができる。ファクシミリ装置は、原稿読取装置820により読み取られた画像や記憶装置に格納されている画像を送信することと、外部から画像を受信することができる。更に、複合機800は、ネットワークを介してパーソナルコンピュータと接続するためのインターフェースを含んでいてもよい。複合機800に接続されたパーソナルコンピュータは、これが管理できるデータについて複合機の機能を利用することができる。
【0079】
原稿読取装置820は、原稿を自動給送する原稿自動給送部SPF(Single Pass Feeder)824と、原稿の画像を読み取る読取装置本体822と、を備えている。なお、原稿読取装置820は、図12に示す構成要素の他に、図12は示されないが図11に示される構成要素も含む。また、図11に示すように、読取装置本体822には、原稿台826が備わる。
【0080】
複合機本体830は、シートを給送するシート給送部10と、シートを手差し給送可能な手差し給送部20と、シート給送部10又は手差し給送部20により給送されるシートに画像を形成する画像形成部30と、を備えている。
【0081】
シート給送部10は、シートを積載するシート積載部11と、シート積載部11に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部12と、を備えている。シート積載部11は、回転軸13を中心に回動する中板14を備えており、中板14は、シートを給送する際に回動してシートを上方に持ち上げる。分離給送部12は、中板14により持ち上げられたシートを給送するピックアップローラ15と、ピックアップローラ15により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ対16と、を備えている。
【0082】
手差し給送部20は、シートを積載可能な手差しトレイ21と、手差しトレイ21に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部22と、を備えている。手差しトレイ21は、複合機本体830に回動自在に支持されており、手差し給送する際には、所定の角度に固定させることでシートを積載可能になる。分離給送部22は、手差しトレイ21に積載されたシートを給送するピックアップローラ23と、ピックアップローラ23により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ24及び分離パッド25と、を備えている。
【0083】
画像形成部30は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kと、後述する感光体ドラム740Y〜740Kと、これらの表面を露光する露光装置32と、感光体ドラム740Y〜740Kの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写部(転写手段)33と、転写したトナー像をシートに定着させる定着部34と、を備えている。なお、符号の最後に付すアルファベット(Y、M、C、K)は、それぞれの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を示している。
【0084】
4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kのそれぞれは、複合機本体830から取り外し可能に構成されており、交換可能となっている。なお、4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kは、形成する画像の色が異なること以外は同様な構成であるため、イエロー(Y)の画像を形成するプロセスカートリッジ31Yの構成のみの説明し、プロセスカートリッジ31M〜31Kの説明は省略する。
【0085】
プロセスカートリッジ31Yは、像担持体としての感光体ドラム740Yと、感光体ドラム740Yを帯電させる帯電器741Yと、感光体ドラム740Y上に形成された静電潜像を現像する現像装置742Yと、感光体ドラム740Yの表面に残留するトナーを除去するドラムクリーナと、を備えている。現像装置742Yは、感光体ドラム740Yを現像する現像装置本体(詳細には図示せず)と、現像装置本体にトナーを供給するトナーカートリッジ(詳細には図示せず)と、を備えている。トナーカートリッジは、現像装置本体に着脱可能に構成されており、収容されたトナーが無くなると、現像装置本体から取り外して、交換することができるようになっている。
【0086】
露光装置32は、レーザ光を照射する光源(図示せず)と、レーザ光を感光体ドラム740Y〜740Kに導く複数のミラー(図示せず)等と、を備えている。転写部33は、感光体ドラム740Y〜740Kに形成されたトナー像を担持する中間転写ベルト35と、感光体ドラム740Y〜740Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト35に一次転写する一次転写ローラ36Y〜36Kと、中間転写ベルト35に転写されたトナー像をシートに二次転写する二次転写ローラ37と、中間転写ベルト35に残留するトナーを除去するベルトクリーナ38と、を備えている。中間転写ベルト35は、駆動ローラ39a及び従動ローラ39bに掛け渡されており、一次転写ローラ36Y〜36Kによって感光体ドラム740Y〜740Kに押し付けられている。二次転写ローラ37は、駆動ローラ39aとで中間転写ベルト35をニップ(挟持)しており、ニップ部Nで中間転写ベルト35が担持するトナー像をシートに転写する。定着部34は、シートを加熱する加熱ローラ34aと、加熱ローラ34aに圧接する加圧ローラ34bと、を備えている。
【0087】
操作パネル部843は、所定の情報を表示する表示部845と、利用者が原稿読取装置820及び複合機本体830への指示を入力する入力部847と、を備えている。本実施形態においては、操作パネル部843は、読取装置本体822の正面側に配設されている。なお、正面側は図11の紙面の手前側に対応し、裏面側は図11の背面側に対応する。
【0088】
図12に示すように、演算処理部841は、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び原稿読取装置820を駆動制御するCPU841aと、CPU841aを動作させるための各種プログラムとCPU841aが用いる各種情報等を記憶するメモリ841bと、を備えている。演算処理部841は、利用者による操作パネル部843への操作に基づいて、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び原稿読取装置820の動作を統合して制御し、シートに画像を形成させる。
【0089】
次に、上述のように構成された複合機800による画像形成動作(演算処理部841による画像形成制御)について説明する。本実施形態においては、原稿自動給送部824により給送され、読取装置本体822により読み取られた読取原稿の画像を、シート給送部10により給送されるシートに画像形成部30が形成する画像形成動作を例にとり説明する。
【0090】
利用者による操作パネル部843の入力部847への入力により、画像形成開始信号が発信されると、利用者により原稿自動給送部824に載置された読取原稿が原稿読取位置に向けて自動給送され、原稿読取位置で読取装置本体822によって画像が読み取られる。
【0091】
読取装置本体822により原稿の画像が読み取られると、読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置32が感光体ドラム740Y〜740Kに向けて、それぞれに対応する複数のレーザ光を照射する。このとき、感光体ドラム740Y〜740Kは、それぞれ、帯電器741Y〜741Kにより予め帯電されており、それぞれに対応するレーザ光が照射されることで感光体ドラム740Y〜740K上にそれぞれの静電潜像が形成される。その後、現像装置742Y〜742Kにより感光体ドラム740Y〜740K上にそれぞれ形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム740Y〜740K上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。感光体ドラム740Y〜740K上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ36Y〜36Kによって中間転写ベルト35に重畳転写され、重畳転写されたトナー像(フルカラーのトナー像)は、中間転写ベルト35に担持された状態でニップ部Nまで搬送される。
【0092】
上述の画像形成動作に並行して、シート積載部11に積載されたシートが、分離給送部12によって1枚ずつに分離されながら、ピックアップローラ15によりシート搬送路26に給送される。そして、ニップ部Nのシート搬送方向上流にあるレジストローラ対27で、斜行が補正されると共に、所定の搬送タイミングでニップ部Nに搬送される。ニップ部Nに搬送されたシートは、二次転写ローラ37によって中間転写ベルト35が担持するフルカラーのトナー像が転写される。
【0093】
トナー像が転写されたシートは、定着部34で加熱・加圧されることでトナー像が溶融定着され、排出ローラ対18により装置外に排出される。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
【0094】
なお、シートの両面(第1面及び第2面)に画像を形成する場合には、第1面に画像が形成されたシートが装置外に排出される前に、排出ローラ対18を逆回転させて両面搬送路17に搬送し、両面搬送路17を介して画像形成部30に再搬送する。そして、第1面と同様に、第2面に画像を形成し、装置外に排出する。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
【0095】
図13は、複合機800に含まれる用紙取り忘れ防止モード切替装置に関連した部分の機能ブロック図である。
【0096】
図13を参照すると、防止モード切替装置は、課金方式選択部101、印刷実行制御部103、タイムアウト期間変更部105を含む。これらは、CPU841aとメモリ841bを含む演算処理部841により実現してもよい。
【0097】
課金方式選択部101は、印刷サービスを開始する前に入力された利用者の識別情報、利用者種類の識別情報などに基づいて、その印刷サービスに対して適用する課金方式を選択する。
【0098】
印刷実行制御部103は、印刷に対して適用する課金方式が、ベンダ課金方式であれば、所定の部位が所定の箇所に存在していてもいなくても印刷を実行するような第1の印刷実行制御モードを印刷に対して選択し、印刷に対して適用する課金方式が、後課金方式であれば、所定の身体部位が所定の箇所に存在している期間及びこれに続くタイムアウト期間に印刷を実行するが、所定の部位が所定の箇所に存在する以前及びタイムアウト期間が経過した後には、印刷を実行しない第2の印刷実行制御モードを選択し、選択された印刷実行制御モードを印刷に対して適用する。また、印刷実行制御部103は、印刷に対して適用する課金方式が、業務課金方式であれば、第2の印刷実行制御モードを印刷に対して選択する。更に、印刷実行制御部103は、複合機本体830に備わるシート給送部10及び手差し給送部20に対して、給紙間隔時間を調整させるための処理をする。
【0099】
更に、印刷実行制御部103は、印刷実行の制御に関する上述した種々の処理を行う。
【0100】
タイムアウト期間変更部105は、タイムアウト期間を現在の印刷における累積印刷枚数に応じて変更するなどの処理を行う。
【0101】
入力部847は、図6等に示すマークを利用する場合には、身体部位存在検出部として機能する。また、センサ107(例えば、第5の実施の形態で説明した複合機の近くを検出エリアとした、人体検出用の赤外線検出器、カメラ又は複合機の操作パネルに対面する顔検出用のカメラ、複合機の操作パネル等に設けられた指センサ、掌センサ、複合機の操作パネル付近に設けられた押ボタンなど)も、身体部位存在検出部として機能する。
【0102】
表示部845は、図6乃至図10に示すような画像を表示する。
【0103】
なお、上記の用紙取り忘れ防止モード切替装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記の用紙取り忘れ防止モード切替装置により行なわれる用紙取り忘れ防止モード切替方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0104】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、印刷サービスに利用することができる。
【符号の説明】
【0106】
101 課金方式選択部
103 印刷実行制御部
105 タイムアウト期間変更部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13