(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6889813
(24)【登録日】2021年5月25日
(45)【発行日】2021年6月18日
(54)【発明の名称】低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置、採集方法及び応用
(51)【国際特許分類】
G01N 1/22 20060101AFI20210607BHJP
【FI】
G01N1/22 Y
G01N1/22 C
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-22819(P2021-22819)
(22)【出願日】2021年2月16日
【審査請求日】2021年2月16日
(31)【優先権主張番号】202010096267.0
(32)【優先日】2020年2月17日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521069939
【氏名又は名称】北京市環境保護科学研究院
【氏名又は名称原語表記】Beijing Municipal Research Institute of Environmental Protection
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】姜 林
(72)【発明者】
【氏名】鍾 茂生
(72)【発明者】
【氏名】韓 丹
(72)【発明者】
【氏名】付 全凱
(72)【発明者】
【氏名】趙 瑩
(72)【発明者】
【氏名】張 瑞環
【審査官】
外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2014−509395(JP,A)
【文献】
実開昭64−014966(JP,U)
【文献】
特開2019−218983(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0177672(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置であって、瓶本体(1)と瓶蓋システムを含み、
前記瓶蓋システムは、
瓶本体(1)の頂部の開口部に設けられかつ瓶本体(1)の頂部と分離可能に接続され、縦方向に沿って上下に貫通する柱体サンプリングチャンネル(6)を開設する瓶蓋柱体(21)を含む瓶蓋本体(2)と、
瓶蓋柱体(21)に水平に穿設されかつ瓶蓋柱体(21)の直径方向に移動し、縦方向に沿って上下に貫通するバルブサンプリングチャンネル(9)を開設し、そしてバルブサンプリングチャンネル(9)と柱体サンプリングチャンネル(6)が同じ直線上に位置するように移動されることができるバルブ(4)と、
バルブ(4)の上部に設置され、瓶蓋柱体(21)に水平に穿設され、そして柱体サンプリングチャンネル(6)を通過するシール棒(5)と、
ニードルホールが柱体サンプリングチャンネル(6)、シール棒(5)とバルブサンプリングチャンネル(9)を貫通して、瓶本体(1)に挿入することができるサンプリングニードル(10)と、
を含む
ことを特徴とする低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置。
【請求項2】
前記瓶蓋システムは、バルブガイドバー(3)をさらに含み、
前記バルブガイドバー(3)は、瓶蓋柱体(21)に水平に穿設され、そして少なくとも一端が瓶蓋柱体(21)を超えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置。
【請求項3】
前記バルブガイドバー(3)は、瓶蓋柱体(21)と固定接続されている、ことを特徴とする請求項2に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置。
【請求項4】
前記バルブガイドバー(3)には、目盛りが設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置。
【請求項5】
前記バルブ(4)の両端には、いずれもバルブハンドル(8)が設けられており、
前記バルブガイドバー(3)が瓶蓋柱体(21)を超える一端の同じ側のバルブハンドル(8)内には、バルブガイドバー(3)に適合するガイドバー接続穴が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置。
【請求項6】
前記瓶蓋本体(2)は、瓶蓋ガスケット(22)及び瓶蓋ケース(23)をさらに含み、前記瓶蓋ガスケット(22)は、瓶蓋柱体(21)の外側に一体形成されたリング構造であり、
前記瓶蓋ケース(23)は、瓶蓋本体(2)の頂部の開口部にネジ接続したケース側壁(231)と、ケース側壁(231)の頂部に接続され、そして瓶蓋ガスケット(22)の頂部にぴったりと設置されたケース蓋板(232)と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置。
【請求項7】
前記瓶蓋本体(2)の頂部と瓶蓋ガスケット(22)との間には、シールリング(7)が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置。
【請求項8】
低浸透場所の土壌ガスの採集方法であって、以下のステップを含み、
ステップ1では、揮発性有機物で汚染された地域から、非摂動土壌のコアを採集し、
ステップ2では、土壌サンプルの具体的なサンプリング位置を決定し、一部の非摂動土壌を採集し、請求項1〜7のいずれか1項に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置の瓶本体(1)に迅速に移行し、
ステップ3では、瓶蓋本体(2)を締めて、瓶蓋柱体(21)の直径方向に沿ってバルブ(4)を押し、バルブサンプリングチャンネル(9)と柱体サンプリングチャンネル(6)が同じ直線上に位置しないことを確保し、
ステップ4では、ステップ3で非摂動土壌を入れた低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置を恒温箱に入れ、一定の時間静置した後に取り出し、
ステップ5では、瓶蓋柱体(21)の直径方向に沿ってバルブ(4)を押し、バルブサンプリングチャンネル(9)と柱体サンプリングチャンネル(6)が同じ直線上に位置することを確保し、
ステップ6では、サンプリングニードル(10)が柱体サンプリングチャンネル(6)、シール棒(5)とバルブサンプリングチャンネル(9)を貫通しかつ瓶本体(1)内に挿入し、ガスサンプルを採集し、その後にサンプリングニードル(10)を抜き出すことを特徴とする低浸透場所の土壌ガスの採集方法。
【請求項9】
低浸透場所の土壌ガス検査システムであって、土壌採集器、土壌サンプリング器、土壌ガス採集装置、恒温箱とガスクロマトグラフ質量測定器を含み、
前記土壌ガス採集装置は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置である、
ことを特徴とする低浸透場所の土壌ガス検査システム。
【請求項10】
低浸透場所の土壌ガス検査方法であって、土壌採集と土壌分析を含み、
前記土壌採集は、請求項8に記載の低浸透場所の土壌ガスの採集方法である、
ことを特徴とする低浸透場所の土壌ガス検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境保護分野に属し、具体的は、低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置、採集方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、場所の土壌と地下水における揮発性有機物に対する調査は、主に場所の異なる地域の土壌と地下水サンプルを採集し、そして揮発性有機物を検出している。また、これらの媒体における目標汚染物質の検出結果に基づいて、対応する相分布モデル、移行モデル及び受容体暴露モデルを組み合わせて、特定の用地計画条件の下で、未来の人の呼吸土壌と地下水における揮発性有機汚染物質の健康リスクを定量的に計算する。土壌と地下水中の揮発性有機化合物が最終的に人々に吸入されることができる最初の条件は、汚染物質がその揮発性特性を利用して、気相の形で土壌ガスに分配し、濃度勾配の作用の下で、地表大気に徐々に移動することである。
【0003】
現在、土壌粒子(固相)、土壌水膜(液相)及び土壌ガス(気相)における揮発性有機物のバランス配分過程については、主に三相平衡モデルを用いて定量的に特性評価し、サンプルポイント土壌サンプルにおける目標汚染物質の固体−液体−気体三相中の総量を試験した後、三相平衡モデルを用いて土壌ガス相に付着した目標汚染物質の濃度を計算して、さらに汚染源として、移動拡散モデル及び暴露モデルを強く持ち込んで、人々の健康リスクを定量的に計算する。しかし、更に多くの実験研究と現場監視データによると、現在採用されている三相平衡モデルは土壌の目標汚染物質に対する「老化」、「ロック」などの行為による不可逆吸着過程を無視しているために、その予測した土壌ガス相中の目標汚染物質濃度は一般的に実測土壌ガス濃度より1-3個のオーダーで高く、リスクアセスメントの結果は一般的に保守的すぎて、場所の過剰な修復と不必要な資金の浪費をもたらした。
【0004】
この問題に対して、現在の解決手段の一つは、場所揮発性有機物汚染エリアの土壌ガスサンプルを直接採集し、目標汚染物質濃度試験を行うことである。サンプリング方法は、主に能動的土壌ガスサンプリング技術であり、すなわち計画サンプリング場所に土壌ガス監視井戸を建設した後、地面に抽出ポンプを採用し、異なる深さの土壌ガスサンプルをサンプル格納機器に抽出し、直ちに実験室に送り、目標汚染物質の濃度分析を行う。土壌ガスの能動的サンプリング技術の応用は、場所土質が粉土、土砂等の通気性が相対的に高く、含水率が相対的に低い材質を主とすることが要求される。粘土などの低浸透性、高含水率の場所に対して、能動的な土壌ガスサンプリング技術は適用されず、一般的な土壌ガスサンプルの採集が困難になりがちである。
【0005】
しかし、粘土のような低浸透性の土壌は、その有機炭素含有量が比較的高いため、それは有機汚染物質に対する「老化」「ロック」作用がより明らかであり、伝統的な三相平衡モデルの予測結果の保守性がより高い。そのため、このような場所に適した土壌ガス試験方法及び付帯装置を開発することは、粘土類の場所の揮発性有機物汚染状況を描写し、及びその健康リスクを定量的に計算する上で、重要な支えとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、能動的な土壌ガスサンプリング技術が粘土などの低浸透性、高含水率の場所には適用できず、そして粘土のような低浸透性の土壌は、有機汚染物質に対する「老化」「ロック」作用がより明らかであり、従来の三相平衡モデルの予測結果の保守性がよりという技術的問題を解決するために、低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置、採集方法及び応用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は、低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置を提供し、瓶本体と瓶蓋システムを含み、前記瓶蓋システムは、
瓶本体の頂部の開口部に設けられかつ瓶本体の頂部と分離可能に接続され、縦方向に沿って上下に貫通する柱体サンプリングチャンネルを開設する瓶蓋柱体を含み瓶蓋本体と、
瓶蓋柱体に水平に穿設されかつ瓶蓋柱体の直径方向に移動し、縦方向に沿って上下に貫通するバルブサンプリングチャンネルを開設し、そしてバルブサンプリングチャンネルと柱体サンプリングチャンネルが同じ直線上に位置するように移動されることができるバルブと
バルブの上部に設置され、瓶蓋柱体に水平に穿設され、そして柱体サンプリングチャンネルを通過するシール棒と、
ニードルホールが柱体サンプリングチャンネル、シール棒とバルブサンプリングチャンネルを貫通して、瓶本体に挿入することができるサンプリングニードルと、を含む。
【0008】
前記瓶蓋システムは、バルブガイドバーをさらに含み、前記バルブガイドバーは、瓶蓋柱体に水平に穿設され、そして少なくとも一端が瓶蓋柱体を超えていることが望ましい。
【0009】
前記バルブガイドバーは、瓶蓋柱体と固定接続されていることが望ましい。
【0010】
前記バルブガイドバーには、目盛りが設けられていることが望ましい。
【0011】
前記バルブの両端には、いずれもバルブハンドルが設けられており、前記バルブガイドバーが瓶蓋柱体を超える一端の同じ側のバルブハンドル内には、バルブガイドバーに適合するガイドバー接続穴が設けられていることが望ましい。
【0012】
前記瓶蓋本体は、瓶蓋ガスケット及び瓶蓋ケースをさらに含み、前記瓶蓋ガスケットは、瓶蓋柱体の外側に一体形成されたリング構造であり、前記瓶蓋ケースは、瓶蓋本体の頂部の開口部にネジ接続したケース側壁と、ケース側壁の頂部に接続され、そして瓶蓋ガスケットの頂部にぴったりと設置されたケース蓋板と、を含むことが望ましい。
【0013】
前記瓶蓋本体の頂部と瓶蓋ガスケットとの間には、シールリングが設けられていることが望ましい。
【0014】
また、本発明は低浸透場所の土壌ガス採集方法をさらに提供し、以下のステップを含み、
ステップ1、揮発性有機物で汚染された地域から、非摂動土壌のコアを採集し、
ステップ2、土壌サンプルの具体的なサンプリング位置を決定し、一部の非摂動土壌を採集し、上記低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置の瓶本体に迅速に移行し、
ステップ3、瓶蓋本体を締めて、瓶蓋柱体の直径方向に沿ってバルブを押し、バルブサンプリングチャンネルと柱体サンプリングチャンネルが同じ直線上に位置しないことを確保し、
ステップ4、ステップ3で非摂動土壌を入れた低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置を恒温箱に入れ、一定の時間静置した後に取り出し、
ステップ5、瓶蓋柱体の直径方向に沿ってバルブを押し、バルブサンプリングチャンネルと柱体サンプリングチャンネルが同じ直線上に位置することを確保し、
ステップ6、サンプリングニードルが柱体サンプリングチャンネル、シール棒及びバルブサンプリングチャンネルを貫通しかつ瓶本体内に挿入し、ガスサンプルを採集し、その後にサンプリングニードルを抜き出す。
【0015】
また、本発明は低浸透場所の土壌ガス検査システムをさらに提供し、土壌採集器、土壌サンプリング器、土壌ガス採集装置、恒温箱とガスクロマトグラフ質量測定器を含み、前記土壌ガス採集装置は、上記低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置である。
【0016】
また、本発明は低浸透場所の土壌ガス検査方法をさらに提供し、土壌採集と土壌分析を含み、前記土壌採集は、上記低浸透場所の土壌ガスの採集方法である。
【0017】
従来の技術に比べて,本発明の特徴及び有益な効果は以下のとおりである。
(1)本発明は、低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置を設計し、採集された土壌を該装置の瓶本体に移動させた後、瓶蓋本体をしっかりと閉めて、バルブサンプリングチャンネルと柱体サンプリングチャンネルが同じ直線上に位置しないようにバルブを押し、次に該装置を恒温箱に置いて一定の時間放置し、土壌中の有機物を揮発させる。次にバルブを押し、バルブサンプリングチャンネルと柱体サンプリングチャンネルを同じ直線に位置させ、サンプリングニードルが柱体サンプリングチャンネル、シール棒とバルブサンプリングチャンネルを貫通して、瓶本体の内に挿入し、ガスサンプルを採集する。操作は簡単で、粘土などの微細粒子と高含水率の場所の土壌ガス中の揮発性有機物ガスの採集に広く応用することができる。
(2)本発明の低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置は、構造が簡単であり、製作コストが低い上に、繰り返し利用することができる。この低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置を利用して受動式土壌ガスの揮発性有機物を測定する方法は,従来の三相平衡モデルの代わりに、測定結果がより正確である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置の構造模式図である。
【
図3】低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置に土壌サンプルを追加するための模式図である。
【
図4】サンプリングニードルでサンプリングの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実現する技術的手段、革新的特徴、達成された目的と効果を分かりやすくするために、以下に本発明をさらに説明する。
【0020】
本明細書に記載された実施例は、本発明の特定の具体的な実施形態であり、本発明の概念を説明するためのものであり、いずれも解釈的かつ例示的であり、本発明の実施形態及び本発明の範囲に対する制限と解釈されるべきではない。本明細書に記載された実施の例外に加えて、当業者は、本願の請求項及び明細書に開示された内容に基づいて、明白な他の技術案を採用することができ、これらの技術案は、本明細書に記載された実施例に対して、明白な代替および修正を行う技術案を含む。
【0021】
本発明の説明において、用語「上」、「下」、「内」、「外」、「先端」、「後端」、「両端」、「一端」、「他端」などが示す方位または位置関係は、図面に基づいて示す方位または位置関係であり、本発明の説明および説明の簡略化を容易にするためだけであり、指示または暗示する装置ではないことを説明する必要があり、または要素は特定の方位を有し、特定の方位で構成され、動作されなければならないので、本発明に対する制限としては理解できない。さらに、用語「第1」、「第2」は説明の目的だけに用いられ、相対的な重要性を示すかまたは示唆すると理解できない。
【0022】
本発明の説明において、特に明確な規定と限定がない限り、用語「設置」、「設け」、「接続」などは、広義的な理解をすべきであり、例えば、「接続」は固定接続であってもよく、取り外し可能接続であってもよく、一体的に接続してもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの素子内部の接続としてもよい。上記の用語の本発明における具体的な意味は、当業者にとって具体的な状況に基づいて理解され得る。
【0023】
図1、
図2と
図4に示すように、低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置は、瓶本体1と瓶蓋システムを含む。瓶蓋システムは、瓶蓋本体2、バルブ4、シール棒5、サンプリングニードル10を含む。
【0024】
瓶蓋本体2は、瓶本体1の頂部の開口部に設けられ、瓶本体1の頂部と分離可能に接続され、瓶蓋本体2は、瓶蓋柱体21を含み、瓶蓋柱体21は縦方向に沿って上下に貫通する柱体サンプリングチャンネル6を開設する。
【0025】
瓶蓋本体2と瓶本体1との間の密封性を向上させるために、瓶蓋本体2は、瓶蓋ガスケット22と瓶蓋ケース23をさらに含み、瓶蓋ガスケット22は、瓶蓋柱体21の外側に一体形成されたリング構造であり、瓶蓋ケース23は、瓶蓋本体2の頂部の開口部にネジ接続したケース側壁231と、ケース側壁231の頂部に接続され、そして瓶蓋ガスケット22の頂部にぴったりと設置されたケース蓋板232と、を含む。瓶蓋本体2と瓶本体1との間の密封性をさらに向上させるために、瓶蓋本体2の頂部と瓶蓋ガスケット22との間には、シールリング7が設けられている。
【0026】
バルブ4は、瓶蓋柱体21に水平に穿設され、そして瓶蓋柱体21の直径方向に沿って移動することができ、バルブ4は縦方向に沿って上下に貫通するバルブサンプリングチャンネル9を開設し、バルブ4は、バルブサンプリングチャンネル9と柱体サンプリングチャンネル6が同じ直線上に位置するように移動することができる。バルブ4を容易に押すために、バルブ4の両端には、いずれもバルブハンドル8が設けられており、バルブガイドバー3が瓶蓋柱体21を超える一端の同じ側のバルブハンドル8内には、バルブガイドバー3に適合するガイドバー接続穴が設けられている。
【0027】
シール棒5は、バルブ4の上方に設置され、シール棒5は、瓶蓋柱体21に水平に穿設され、そして柱体サンプリングチャンネル6を通過する。
【0028】
サンプリングニードル10のニードルホールは柱体サンプリングチャンネル6、シール棒5とバルブサンプリングチャンネル9を貫通して、瓶本体1内に挿入することができる。
【0029】
柱体サンプリングチャンネル6とバルブサンプリングチャンネル9との間の相対位置を容易に確認するために、瓶蓋システムは、バルブガイドバー3をさらに含み、バルブガイドバー3は、瓶蓋柱体21内に水平に穿設され、そして少なくとも一端が瓶蓋柱体21を超えている。バルブガイドバー3と瓶蓋柱体21との間は固定接続することが望ましい。バルブガイドバー3には、目盛りが設けられている。バルブ4を押して柱体サンプリングチャンネル6とバルブサンプリングチャンネル9が同じ直線にした後、バルブガイドバー3に目盛りを見てマークし、その後バルブ4をこの位置に押し上げると、柱体サンプリングチャンネル6とバルブサンプリングチャンネル9が同じ直線にあることを示し、サンプリングチャンネルが接続し、サンプリングニードル10を挿入してサンプリングすることができる。
【0030】
具体的にはある試験を例にとって、瓶本体1は40mLのネジ口の褐色ガラス頂部空瓶であり、その内径は12mmであり、外径は18mmである。瓶蓋ケース23は硬質ポリエチレンネジの瓶蓋ケースであり、瓶蓋ガスケット22、瓶蓋柱体21はポリテフロン(登録商標)材質であり、バルブガイドバー3はステンレス材質であり、バルブ4はポリテフロン(登録商標)の直押し式気密弁である。シールリング7はシリカゲル材質であり、その直径は瓶本体1の外径と一致している。シールリング7の断面直径は3mmである。瓶蓋ガスケット22の厚さは3mmである。瓶蓋柱体21の直径は6mmであり、長さは25mmであり、柱体サンプリングチャンネル6の直径は0.5mmである。バルブサンプリングチャンネル9の直径は1mmである。シール棒5はシリカゲル材質であり、その直径は3mmであり、サンプリングニードル10はそれを貫通することができ、複数回使用した後、気密性が影響を受け、取り替えることができる。
【0031】
低浸透場所の土壌ガスの採集方法は、具体的には、以下のステップを含む。
ステップ1、直押し式などの非摂動掘削技術を採用して、揮発性有機物で汚染された地域から、非摂動土壌のコアを採集する。
【0032】
ステップ2、土壌のコアの表面の汚染痕跡と現場の異臭などの情報に基づき、土壌サンプルの具体的なサンプリング位置を決定し、5gの非摂動土壌を採集し、上記低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置の瓶本体1に迅速に移行する。
【0033】
ステップ3、シールリング7を瓶本体1の貫通口に平らに置き、すぐに瓶蓋本体2を締めて、瓶蓋柱体21の直径方向に沿ってバルブ4を押し、バルブサンプリングチャンネル9と柱体サンプリングチャンネル6が同じ直線上に位置しないことを確保し、
図3に示すとおりである。
【0034】
ステップ4、ステップ3で非摂動土壌を入れた低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置を18℃の恒温箱に入れ、24h放置してから取り出す。
【0035】
ステップ5、瓶蓋柱体21の直径方向に沿ってバルブ4を押し、バルブサンプリングチャンネル9と柱体サンプリングチャンネル6が同じ直線上に位置することを確保する。
【0036】
ステップ6、1μLのサンプリングニードル10が柱体サンプリングチャンネル6、シール棒5及びバルブサンプリングチャンネル9を貫通しかつ瓶本体1の後ろの3 cmに挿入し、ガスサンプルを採集し、
図4に示すように、その後にサンプリングニードル10を抜き出す。
【0037】
低浸透場所の土壌ガス検査システムは、土壌採集器、土壌サンプリング器、土壌ガス採集装置、恒温箱とガスクロマトグラフ質量測定器を含み、土壌ガス採集装置は、上記低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置である。
【0038】
低浸透場所の土壌ガス検査方法は、土壌採集及び土壌分析を含む。土壌採集方法は、上記低浸透場所の土壌ガスの採集方法である。土壌採集した後、ガスクロマトグラフ質量測定器のサンプル注入口に迅速に移行し、サンプルを測定器に押し込み、目標汚染物質濃度の定量分析を行う。その結果、この土壌サンプル位置する場所サンプリング位置の平衡状態における土壌ガスの対応する目標汚染物質の濃度を特性化することができる。
【0039】
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態についてのみ説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の設計精神から逸脱することなく、当業者が本発明の技術案に対してした様々な変形および改良は、本発明の特許請求の範囲で定められた保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0040】
1-瓶本体、2-瓶蓋本体、21-瓶蓋柱体、22-瓶蓋ガスケット、23-瓶蓋ケース、231-ケース側壁、232-ケース蓋板、3-バルブガイドバー、4-バルブ、5-シール棒、6-柱体サンプリングチャンネル、7-シールリング、8-バルブハンドル、9-バルブサンプリングチャンネル、10-サンプリングニードル。
【要約】 (修正有)
【課題】低浸透場所の土壌ガスヘッドスペース採集装置、採集方法を提供する。
【解決手段】土壌を瓶本体1に入れ、瓶蓋本体を閉めて、バルブサンプリングチャンネルと柱体サンプリングチャンネル6が同じ直線上に位置しないようにバルブを押した後、恒温箱に置いて一定の時間放置し、土壌中の有機物を揮発させる。次にバルブを押し、バルブサンプリングチャンネルと柱体サンプリングチャンネルを同じ直線上に位置させ、サンプリングニードル10を柱体サンプリングチャンネル6、シール棒5及びバルブサンプリングチャンネルに貫通させ、瓶本体内に挿入し、ガスサンプルを採集する。この方法は、操作しやすく、粘土などの微粒子及び高含水率場所の土壌ガス中の揮発性有機物ガスの採集に広く応用することができる。この装置は、構造が簡単で、製作コストが低く、繰り返し利用することができる。
【選択図】
図4