(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、明細書の図面及び実施例にて本発明についてさらに説明するが、実施例は本発明を何ら限定するものではない。特に断らない限り、本発明に使用される試薬、方法及び装置は本技術分野の一般的な試薬、方法及び装置である。
【0047】
特に断らない限り、本発明に使用される試薬及び材料はすべて市販品として入手される。
【0048】
実施例1:化合物TDMQ−5の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0050】
2−メチル−5,7−ジクロロ−キノリン(1)
0℃で撹拌しながら、3,5−ジクロロアニリン(3.24g、20mmol)の濃塩酸溶液(12mL)に35wt.%アセトアルデヒド水溶液(12.8mL、80mmol)を1滴ずつ滴下した。反応混合液を0℃で15分間撹拌した後、徐々に75℃に昇温して、該温度で4時間反応させた。反応物を室温に冷却させた後、氷水に投入して、25%アンモニア水溶液を滴下して中和し、アルカリ性にし、ジクロロメタンで3回抽出した。有機相を分離した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1:20)で分離して精製し、淡黄色固体化合物1 2.93gを得て、収率は69%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.40(d,J=8.0Hz,1H),7.96(d,J=2.0Hz,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),7.37(d,J=8.0Hz,1H),2.76(s,3H)。
【0051】
2−メチル−5,7−ジクロロ−8−ニトロキノリン(2):
常温下、化合物1(2.12g、10mmol)を溶解した濃硫酸溶液(10mL)に発煙硝酸(2.0mL)を1滴ずつ滴下して、1時間かけて滴下を終了した後、1時間反応させ続けた。反応物を氷水に投入して、25%アンモニア水溶液を滴下して中和し、アルカリ性にし、ジクロロメタンで3回抽出した。有機相を分離した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1:10)で分離して精製し、淡黄色固体化合物2 2.34gを得て、収率は91%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.43(d,J=8.0Hz,1H),7.64(s,1H),7.50(d,J=8.0Hz,1H),2.76(s,3H)。
【0052】
2−メチル−5,7−ジクロロ−8−アミノキノリン(3):
常温下、還元鉄粉(1.34g、24mmol)と氷酢酸(18mL)を化合物2(2.06g、8mmol)のエタノール溶液(50mL)に加えた。4時間還流反応させた後、反応系を常温に冷却させて、反応系に飽和NaHCO
3水溶液(400mL)を1滴ずつ滴下した。ジクロロメタンで3回抽出して、有機相を分離した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1:10)で分離して精製し、淡黄色固体化合物3 1.62gを得て、収率は89%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.31(d,J=8.0Hz,1H),7.42(s,1H),7.35(d,J=8.0Hz,1H),5.36(brs,2H),2.76 (s,3H)。
【0053】
2−メチル−5,7−ジクロロ−8−(N,N−ジアセチル)アミノキノリン(4):
0℃で、化合物3(1.29g、5mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(10mL)に塩化アセチル(1.1mL)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5mL)をそれぞれ1滴ずつ滴下した。反応系を0℃で15分間撹拌した後、徐々に還流させるまで昇温した。4時間反応させ続けた後、溶媒を減圧除去した。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1:20)で分離して精製し、淡黄色固体化合物4 1.09gを得て、収率は70%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.41(d,J=8.0Hz,1H),7.70(s,1H),7.42(d,J=8.0Hz,1H),2.71(s,3H),2.29(s,6H)。
【0054】
2−アルデヒド−5,7−ジクロロ−8−(N,N−ジアセチル)アミノキノリン(5):
化合物4(0.93g、3mmol)のジオキサン溶液(7mL)に、酸化セレン(0.5g、4.5mmol)を加えて、85℃で反応させて、12時間撹拌し、反応系を珪藻土で濾過して、ジクロロメタンで濾過ケーキを洗浄した。有機相を合併して減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1:20)で分離して精製し、淡黄色固体化合物5 0.69gを得て、収率は71%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ10.13(s,1H),8.76(d,J=8.0Hz,1H),8.18(d,J=8.0Hz,1H),7.92(s,1H),2.32(s,6H)。
【0055】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−5,7−ジクロロ−8−アミノキノリン(TDMQ−5):
アルゴンガス保護下、化合物5(622mg、2mmol)の1,2−ジクロロエタン溶液(30mL)にN,N−ジメチルエチレンジアミン(352mg、4mmol)を加えて、反応混合物を室温で1時間撹拌し、反応系にNaBH(OAc)
3(848mg、4mmol)を加えて、12時間反応させ続けた。反応系に100mLのジクロロメタンと飽和NaHCO
3水溶液(40mL)をそれぞれ加えて、有機相を分離した後、水相に2mLのアンモニア水を加えて、次にジクロロメタンで3回抽出した。合併した有機相を減圧濃縮させた。粗製物を5mLのジクロロメタンに溶解して、6N HCl(2mL)を加え、室温で撹拌して4時間反応させた。反応系に50mLの水を加えてアンモニア水でアルカリ性になるまで中和した。ジクロロメタンで3回抽出した。合併後の有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソプロパノール/25%アンモニア水、8:2:0.5)で分離して精製し、淡黄色固体化合物TDMQ−5 488mgを得て、収率は78%であった。
【0058】
核磁気共鳴水素スペクトル:
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.35(d,J=8.8Hz,1H),7.49(d,J=8.8Hz,1H),7.43(s,1H),5.38(brs,2H),4.10(s,2H),2.75(t,J=6.0Hz,2H),2.55(brs,1H),2.48(t,J=6.0Hz,2H),2.22(s,6H).
【0059】
マススペクトル :ESI +−MS:m/z(relative intensity)313.1(MH +,100),314.1(18),315.1(65),316.1(11),317.1(11),318.1(2).Minor peaks due to fragmentation in the mass spectrometer were detected at m/z 268.0{M'=[M-(CH 3) 2N] +,9},224.9{M"=[M-(CH 3) 2N−(CH
2) 2−NH] +,15},190.0(M"-Cl,5),155.0(M"-2Cl,3).Isotopic patterns are consistent.HRMS(ESI +)for C 14H 19N 4Cl 2:Calcd,313.0987;Found,313.0987.
【0060】
油水分配係数:Calculated logP=2.42(ChemDraw Pro、v.14.0)。
【0061】
実施例2:化合物TDMQ−9の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0063】
2−メチル−6−フルオロ−8−ニトロキノリン(6):
化合物1の製造方法を参照して合成した化合物6は、収率73%の淡黄色固体であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.00(d,J=8.4Hz,1H),7.70(dd,J=8.0,2.8Hz,1H),7.55(dd,J=8.0,2.8Hz,1H),7.40(d,J=8.4Hz,1H),2.69(s,3H)。
【0064】
2−メチル−6−フルオロ−8−アミノキノリン(7):
化合物3の製造方法を参照して合成した化合物7は、収率92%の淡黄色固体であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ7.87(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H),6.95(dd,J=10.8,2.8Hz,1H),6.63(dd,J=10.8,2.8Hz,1H),5.13(brs,2H),2.69(s,3H)。
【0065】
2−メチル−6−フルオロ−8−(N−Boc)アミノキノリン(8):
化合物7(1.76g、10mmol)のジオキサン溶液(20mL)に二炭酸ジ−t−ブチル(3.27g、15mmol)を加えて、12時間還流反応させた。溶媒を減圧除去した後、粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1:20)で分離して精製し、淡黄色固体化合物8 2.58gを得て、収率は89%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ9.08(s,1H),8.21(d,J=10.4Hz,1H),7.94(d,J=8.4Hz,1H),7.31(d,J=8.4Hz,1H),6.97(dd,J=8.8,2.8Hz,1H),2.72(s,3H),1.59(s,9H)。
【0066】
2−アルデヒド−6−フルオロ−8−(N−Boc)アミノキノリン(9):
化合物5の合成方法を参照して合成化合物9は、淡黄色固体で、収率が50%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ10.23(s,H),9.04(s,1H),8.36(d,J=10.8Hz,1H),8.23(d,J=8.4Hz,1H),8.07(d,J=8.4Hz,1H),7.11(dd,J=8.4,2.4Hz,1H),1.62(s,9H)。
【0067】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−6−フルオロ−8−(N−Boc)アミノキノリン(10):
アルゴンガス保護下、化合物9(580mg、2mmol)の1,2−ジクロロエタン溶液(30mL)にN,N−ジメチルエチレンジアミン(352mg、4mmol)を加えて、反応混合物を室温下で1時間撹拌し、反応系にNaBH(OAc)
3(848mg、4mmol)を加えて、12時間反応させ続けた。反応系に100mLのジクロロメタンと飽和NaHCO
3水溶液(40mL)をそれぞれ加えて、有機相を分離した後、水相に2mLのアンモニア水を加えて、次にジクロロメタンで3回抽出した。合併後の有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソプロパノール/25%アンモニア水、8:2:0.5)で分離して精製し、淡黄色固体化合物10 660mgを得て、収率は91%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ9.07(s,1H),8.25(d,J=10.0Hz,1H),8.02(d,J=8.8Hz,1H),7.49(d,J=8.8Hz,1H),7.0(dd,J=8.8,2.8Hz,1H),4.11(s,2H),2.76(t,J=6.0Hz,2H
2),2.49(t,J=6.0Hz,2H),2.24(s,6H),1.60(s,9H)。
【0068】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−6−フルオロ−8−アミノキノリン(TDMQ−9):
化合物10(725mg、2mmol)を溶解したジクロロメタン溶液(10mL)に5mLのトリフルオロ酢酸を滴下して、室温で4時間撹拌した。過剰なトリフルオロ酢酸を減圧除去した後、反応系に水50mLを加えて、アンモニア水でアルカリ性になるまで中和した。ジクロロメタンで3回抽出した。合併後の有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソプロパノール/25%アンモニア水、8:2:0.5)で分離して精製し、淡黄色固体化合物TDMQ−9 451mgを得て、収率は86%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ7.93(d,J=8.4Hz,1H),7.39(d,J=8.4Hz,1H),6.71(dd,J=10.4,2.8Hz,1H),6.64(dd,J=10.4,2.8Hz,1H),5.20(brs,2H),4.07(s,2H),2.85(brs,1H),2.78(t,J=6.0Hz,2H),2.49(t,J=6.0Hz,2H),2.23(s,6H)。
【0069】
実施例3:化合物TDMQ−10の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0071】
2−メチル−5、6−ジクロロ−8−ニトロキノリン(11):
化合物1の製造方法を参照して合成した化合物11は、淡黄色固体で、収率が54%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.51(d,J=8.8Hz,1H),8.03(s,1H),8.16(d,J=8.8Hz,1H),2.79(s,3H)。
【0072】
2−メチル−5、6−ジクロロ−8−アミンキノリン(12):
化合物3の製造方法を参照して合成した化合物12は、淡黄色固体で、収率が86%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ10.25(s,H),8.91(s,1H),8.34(d,J=8.8Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),6.93(s,1H),2.71(s,3H)。
【0073】
2−メチル−5、6−ジクロロ−8−(N−Boc)アミノキノリン(13)
化合物8の製造方法を参照して合成した化合物13は、白色固体で、収率が84%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.98(s,1H),8.50(s,1H),8.40(d,J=8.4Hz,1H),7.42(d,J=8.4Hz,1H),2.75(s,3H),1.59(s,9H)。
【0074】
2−アルデヒド−5、6−ジクロロ−8−(N−Boc)アミノキノリン(14):
化合物5の製造方法を参照して合成した化合物14は、淡黄色固体で、収率が56%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ10.25(s,1H),8.91(s,1H),8.69(d,J=8.4Hz,1H),8.65(s,1H),8.16(d,J=8.4Hz,1H),1.62(s,9H)。
【0075】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−5、6−ジクロロ−8−(N−Boc)アミノキノリン(15):
化合物10の製造方法を参照して合成した化合物15は、淡黄色固体で、収率が92%であった。
1H NMR(400 MHz,CDCl 3):δ8.97(s,1H),8.54(s,1H),8.48(d,J=8.8Hz,1H),7.60(d,J=8.8Hz,1H),4.14(s,2H),2.75(d,J=6.0Hz,2H),2.48(d,J=6.0Hz,2H),2.24(s,6H),1.59(s,9H)。
【0076】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−5、6−ジクロロ−8−アミノキノリン(TDQM−10):
化合物TDMQ−9の製造方法を参照して合成した化合物TDMQ−10は、淡黄色固体で、収率が92%であった。
【0079】
核磁気共鳴水素スペクトル:
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.41(d,J=8.8Hz,1H),7.54(d,J=8.8Hz,1H),6.94(s,1H),5.06(s,2H),4.10(s,2H),2.76(d,J=6.0Hz,2H),2.48(d,J=6.0Hz,2H),2.23(s,6H).
【0080】
マススペクトル :ESI +−MS:m/z ESI +−MS:m/z(relative intensity)313.1(MH +,100),314.1(18),315.1(65),316.1(11),317.1(11),318.1(2).Minor peaks due to fragmentation in the mass spectrometer were detected at m/z 268.0{M'=[M-(CH 3) 2N] +,10},224.9{M"=[M-(CH 3) 2N−(CH
2) 2−NH] +,18},190.0(M"-Cl,6),155.0(M"-2Cl,3).Isotopic patterns are consistent.HRMS(ESI +)for C 14H 19N 4Cl 2:Calcd,313.0987;Found,313.0990.
【0081】
油水分配係数:Calculated logP=2.42(ChemDraw Pro、v.14.0)。
【0082】
実施例4:化合物TDMQ−12の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0084】
2−メチル−6−クロロ−8−ニトロキノリン(16):
化合物1の製造方法を参照して合成した化合物16は、淡黄色固体で、収率が54%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.04(d,J=8.4Hz,1H),7.94(d,J=2.1Hz,1H),7.92(d,J=2.2Hz,1H),7.44(d,J=8.4Hz,1H),2.76(s,3H)。
【0085】
2−メチル−6−クロロ−8−アミンキノリン(17):
化合物3の製造方法を参照して合成した化合物17は、淡黄色固体で、収率が81%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ7.84(d,J=8.4Hz,1H),7.24(d,J=8.4Hz,1H),7.06(d,J=2.0Hz,1H),6.83(d,J=2.0Hz,1H),5.05(brs,2H),2.68(s,3H)。
【0086】
2−メチル−6−クロロ−8−(N−アセチル)アミノキノリン(18):
化合物8の製造方法を参照して合成した化合物18は、淡黄色固体で、収率が81%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ9.79(s,1H),8.75(s,1H),7.94(d,J=8.0Hz,1H),7.43(s,1H),7.34(d,J=8.0Hz,1H,),2.73(s,3H),2.36(s,3H)。
【0087】
2−アルデヒド−6−クロロ−8−(N−アセチル)アミノキノリン(19):
化合物5の製造方法を参照して合成した化合物19は、淡黄色固体で、収率が45%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ10.23(s,1H),9.71(s,1H),8.90(s,1H),8.24(d,J=8.0Hz,1H),8.10(d,J=8.0Hz,1H),7.57(s,1H),2.42(s,3H)。
【0088】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−6−クロロ−8−アミノキノリン(TDMQ−12):
化合物TDMQ−5の製造方法を参照して合成した化合物TDMQ−12は、淡黄色固体で、収率が91%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ7.89(d,J=8.4Hz,1H),7.39(d,J=8.4Hz,1H),7.07(d,J=2.0Hz,1H),6.83(d,J=2.0Hz,1H),5.14(brs,2H),4.06(s,2H),2.81(brs,1H),2.77(t,J=6.0Hz,2H),2.48(t,J=6.0Hz,2H),2.22(s,6H)。
【0089】
実施例5:化合物TDMQ−13の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0091】
2−メチル−7−クロロ−8−ニトロキノリン(20):
化合物1の製造方法を参照して合成した化合物20は、淡黄色固体で、収率が80%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.08(d,J=8.5Hz,1H),7.83(d,J=8.8Hz,1H),7.52(d,J=8.8Hz,1H),7.40(d,J=8.5Hz,1H),2.74(s,3H)。
【0092】
2−メチル−7−クロロ−8−アミンキノリン(21):
化合物3の製造方法を参照して合成した化合物21は、淡黄色固体で、収率が86%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ7.84(d,J=8.0Hz,1H),7.24(d,J=8.0Hz,1H),7.06(s,1H),6.83(s,1H),5.05(brs,2H),2.68(s,3H)。
【0093】
2−メチル−7−クロロ−8−(N−アセチル)アミンキノリン(22):
化合物8の製造方法を参照して合成した化合物22は、淡黄色固体で、収率が42%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.04(d,J=8.4Hz,1H),7.79(d,J=8.8Hz,1H),7.57(d,J=8.8Hz,1H),7.32(d,J=8.4Hz,1H),2.688(s,3H),2.298(s,6H)。
【0094】
2−アルデヒド−7−クロロ−8−(N−アセチル)アミンキノリン(23):
化合物5の製造方法を参照して合成した化合物23は、淡黄色固体で、収率が64%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ10.13(s,1H),8.39(d,J=8.8Hz,1H),8.10(d,J=8.8Hz,1H),7.96(d,J=8.8Hz,1H),7.81(d,J=8.8Hz,1H),2.330(s,6H)。
【0095】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−7−クロロ−8−(N−アセチル)アミノキノリン(24):
化合物10の製造方法を参照して合成した化合物24は、淡黄色固体で、収率が94%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.08(d,J=8.4Hz,1H),7.62(d,J=8.8Hz,1H),7.54(d,J=8.8Hz,1H),7.43(d,J=8.4Hz,1H),4.11(s,2H),2.79(t,J=6.0Hz,2H),2.50(t,J=6.0Hz,2H),2.239(s,6H)。
【0096】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−7−クロロ−8−アミノキノリン(TDMQ−13):
化合物TDMQ−5の製造方法を参照して合成した化合物TDMQ−13は、淡黄色固体で、収率が97%であった。TDMQ−13:
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ7.99(d,J=8.4Hz,1H),7.39(d,J= 8.4Hz,1H),7.34(d,J=8.7Hz,1H),7.05(d,J=8.7Hz,1H),5.35(brs,2H),4.09(s,2H),2.76(t,J=6.0Hz,2H),2.48(t,J=6.0Hz,2H),2.46(brs,1H),2.23(s,6H)。
【0097】
実施例6:化合物TDMQ−16の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0099】
2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−ニトロキノリン(25):
化合物5の製造方法を参照して合成した化合物25は、淡黄色固体で、収率が59%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.28(s,1H),8.22(d,J=8.4Hz,1H),8.12(s,1H),7.54(d,J=8.4Hz,1H),2.81(s,3H)。
【0100】
2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−アミンキノリン(26):
化合物3の製造方法を参照して合成した化合物26は、淡黄色固体で、収率が74%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.02(d,J=8.4Hz,1H),7.39(s,1H),7.33(d,J=8.4Hz,1H),7.01(s,1H),5.15(brs,2H),2.74(s,3H)。
【0101】
2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−(N−アセチル)アミンキノリン(27):
化合物8の製造方法を参照して合成した化合物27は、淡黄色固体で、収率が78%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ9.85(s,1H),8.97(s,1H),8.12(d,J=8.4Hz,1H),7.76(s,1H),7.42(d,J=8.4Hz,1H),2.79(s,3H),2.38(s,3H)。
【0102】
2−アルデヒド−6−トリフルオロメチル−8−(N−アセチル)アミンキノリン(28):
化合物5の製造方法を参照して合成した化合物21は、淡黄色固体で、収率が50%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ10.28(s,1H),9.77(s,1H),9.12(s,1H),8.45(d,J=8.0Hz,1H),8.18(d,J=8.0Hz,1H),7.90(s,1H),2.43(s,3H)。
【0103】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−6−トリフルオロメチル−8−(N−アセチル)アミノキノリン(29):
化合物10の製造方法を参照して合成した化合物29は、淡黄色固体で、収率が96%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ9.92(s,1H),9.00(s,1H),8.20(d,J=8.0Hz,1H),7.79(s,1H),7.61(d,J=8.0Hz,1H),4.17(s,2H),2.77(t,J=6.0Hz,2H),2.50(t,J= 6.0Hz,2H),2.36(s,3H),2.24(s,6H)。
【0104】
2−(N,N−ジメチルエチレンジアミン)メチル−6−トリフルオロメチル−8−アミノキノリン(TDMQ−16):
化合物TDMQ−5の製造方法を参照して合成した化合物TDMQ−16は、淡黄色固体で、収率が99%であった。TDMQ−16:
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.07(d,J=8.4Hz,1H),7.48(d,J=8.4Hz,1H),7.39(s,1H),7.01(s,1H),5.23(brs,2H),4.11(s,2H),2.77(t,J=6.0Hz,2H),2.55(brs,1H),2.48(t,J=6.0Hz,2H),2.23(s,6H)。
【0105】
実施例7:化合物TDMQ−19の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0107】
2−(N,N−ジメチルプロパンジアミン)メチル−5、7−ジクロロ−8−アミノキノリン(TDMQ−19):
化合物TDMQ−5の製造方法を参照して合成した化合物TDMQ−19は、淡黄色固体で、収率が87%であった。
1H NMR(400MHz,D 2O):δ8.49(d,J=8.8Hz,1H),7.58(s,1H),7.49(d,J=8.8Hz,1H),4.58(s,2H),3.25(t,J=8.0Hz,2H),3.19(t,J=8.0Hz,2H),2.82(s,6H),2.23−2.15(m,2H)。
【0108】
実施例8:化合物TDMQ−20の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0110】
2−ビニル−5、7−ジクロロ−8−ニトロキノリン(30):
化合物2(102.8mg、0.4mmol)をDMA(2mL)に溶解した後、それぞれFeCl
3(6.4mg、0.04mmol)とTBHP(0.8mmol、70%aqueous solution)を加えて、140℃で撹拌して4時間反応させた。反応系を室温に冷却させた後、水で希釈して、ジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/石油エーテル、1:10)で分離して精製し、白色固体化合物30 35.6mgを得て、収率は33%(回収原料41%)であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δ8.52(d,J=8.8Hz,1H),7.73(d,J=8.8Hz,1H),7.65(s,1H),6.97(dd,J=17.6,10.8Hz,1H),6.46(d,J=17.6Hz,1H),5.79(d,J=10.8Hz,1H)。
【0111】
2−(2'−(N,N−ジメチルエチレンジアミン))エチル−5、7−ジクロロ−8−ニトロキノリン(31):
化合物30(1.08g、4mmol)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(352mg、4mmol)、酢酸(4mmol)をメタノール15mLに溶解して12時間還流反応させた。有機溶剤を減圧除去した後、粗製物をジクロロメタン30mLに溶解した。有機相を10%NaOH水溶液で洗浄した後、K
2CO
3で乾燥させた。K
2CO
3を濾過した後に、有機相を減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソプロパノール/25%アンモニア水、8:2:0.5)で分離して精製し、淡黄色固体化合物31 1.07gを得て、収率は75%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.46(d,J=8.8Hz,1H),7.66(s,1H),7.54(d,J=8.8Hz,1H),3.22(t,J=6.0Hz,2H),3.12(t,J=6.0Hz,2H),2.74(t,J=6.4Hz,2H),2.43(t,J=6.4Hz,2H),2.23(s,6H)。
【0112】
2−(2'−(N,N−ジメチルエチレンジアミン))エチル−5、7−ジクロロ−8−アミノキノリン(TDMQ−20):
化合物3の製造方法を参照して合成した化合物TDMQ−20は、淡黄色固体で、収率が90%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.33(d,J=8.8Hz,1H),7.43(s,1H),7.37(d,J=8.8Hz,1H),5.40(brs,2H),3.19−3.12(m,4H),2.77(t,J=6.0Hz,2H),2.44(t,J=6.0Hz,2H),2.22(s,6H)。
【0113】
実施例9:化合物TDMQ−22の製造
合成経路、具体的なステップは以下のとおりである。
【0115】
2−ビニル−6−トリフルオロメチル−8−ニトロキノリン(32):
化合物25(1.0g、3.9mmol)をDMA(5mL)に溶解した後、それぞれFeCl
3(19.0mg、0.117mmol)とK
2S
2O
8(1.05g、7.8mmol)をそれぞれ加えて、110℃で撹拌して15分間反応させた。反応系を室温に冷却させた後、水で希釈して、ジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/ノルマルヘキサン、1:5)で分離して精製し、褐色固体化合物32 470.7mgを得て、収率は45%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δppm:8.30−8.28(m,2H),8.15(s,1H),7.76(d,J=8.4Hz,1H),7.02(dd,J=17.6Hz,10.8Hz,1H),6.52(d,J=17.6Hz,1H),5.82(d,J=10.8Hz,1H).
【0116】
2−(2'−(N,N−ジメチルエチレンジアミン))エチル−6−トリフルオロメチル−8−ニトロキノリン(33):
化合物32(388.9g、1.45mmol)をジオキサン5mLに溶解した後、K
2CO
3(240.5g、1.74mmol)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(255.6mg、2.9mmol)を加えて上記混合液に1滴ずつ滴下して、室温で撹拌して1時間反応させた。反応用水で希釈して、ジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソプロパノール/25%アンモニア水、50:1:1)で分離して精製し、黄色固体化合物33 416mgを得て、収率は80%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3)δppm:δ8.29(s,1H),8.24(d,J=8.8Hz,1H),8.16(s,1H),7.56(d,J=8.4Hz,1H),3.26(t,J=6.4Hz,2H),3.16(t,J=6.4Hz,2H),2.77(t,J=6.4Hz,2H),2.44(t,J=6.4Hz,2H),2.22(s,6H).
【0117】
2−(2'−(N,N−ジメチルエチレンジアミン))エチル−6−トリフルオロメチル−8−アミノキノリン(TDMQ−22):
化合物33(142.5mg、0.4mmol)をエタノール5mLに溶解した後、SnCl
2.2H
2O(270.8mg、1.2mmol)を加えた。室温で濃塩酸1mLを1滴ずつ滴下した。反応系を50℃に昇温して撹拌して1時間撹拌させた。反応系に水を加えて希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過し、減圧濃縮させた。粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/イソプロパノール/25%アンモニア水、50:1:1)で分離して精製し、淡黄色固体化合物TDMQ−22 96.6mgを得て、収率は74%であった。
1H NMR(400MHz,CDCl 3):δ8.04(d,J=8.4Hz,1H),7.38(s,1H),7.35(d,J=8.4Hz,1H),7.01(s,1H),5.24(brs,2H),3.21−3.11(m,4H),2.78(t,J=6.0Hz,2H),2.45(t,J=6.0Hz,2H),2.21(s,6H).
【0118】
実施例10:本発明の誘導体による金属銅イオンの特異的キレート試験:
【0119】
一般式(I)の化合物と金属イオンの親和定数の計算
【0120】
銅イオンとの親和定数の計算
下記各種溶液を調製した。(A)被測定配位子[L]:化合物TDMQ−nを20mM Tris−HCl/150mM NaCl、pH7.4の緩衝系に溶解して、初期濃度を300μMにした。(B)競合配位子[Lc]:結合定数が既知の配位子(EDTA、EDDA、EGTA、CDTAなど)を20mM Tris−HCl/150mM NaCl、pH7.4の緩衝系に溶解して、濃度を300μMにした。(C)銅イオン溶液[Cu]:塩化第二銅を脱イオン水に溶解して、初期濃度を15mMにした。紫外線−可視光比色セルに、溶液(A)100μL、溶液(B)100μL、(20mM Tris−HCl/150mM NaCl、pH7.4)の緩衝溶液1800mL及び溶液(C)2μLを順次加えて、このようにして、測定するときの比色セルにおける被測定配位子[L]、競合配位子(LC)及び銅イオン[Cu]の濃度はいずれも15μMであることが分かった。室温下で波長250nm−600nmにおいてスペクトル走査を行ったスペクトルを記録して、
図1に示されるように、競合性キレート配位子のスペクトル図を得た。
【0121】
以上の条件下、2μLの銅イオン溶液(C)を2μLの脱イオン水に変更して、スペクトル走査によるスペクトルを記録して、被測定化合物スペクトル図を得て、溶液(B)100μLを(20mM Tris−HCl/150mM NaCl、pH7.4)緩衝溶液100μLに変更して、スペクトル走査によるスペクトルを記録して、被測定化合物と銅イオンキレート錯体[Cu2+−L]のスペクトル図を得た。以上の実験では、研究したすべての配位子及びキレート物はビール−ランバート法則を満たす。以上の条件下、形成された錯体は下記平衡方程式を満たす。
【0124】
紫外線−可視光吸収スペクトルにより383nmでの競合キレート錯体(Amix)の吸収スペクトル値、銅イオンのない場合の被測定化合物(AL)の吸収スペクトル値、競合配位子のない場合の被測定化合物と銅イオンキレート物(ACu―L)の吸収スペクトル値を記録した。銅イオンと被測定化合物Lのキレート比率は下記式x=(AL―Amix)/(AL―ACu―L)により計算され、実験は3回繰り返した。
【0125】
また、亜鉛イオンとの親和定数の計算
被測定化合物と亜鉛イオン(1/1)からなる錯体が極めて低い親和力を示す場合、同一反応条件での溶液には、下記平衡は存在する。
【0127】
紫外線−可視光滴定実験により、銅イオン滴定実験と比較した結果、TDMQs化合物は亜鉛イオンに対して大幅に低下した親和性を示した。実験において、亜鉛イオン溶液を濃度10〜20mMとなるまで滴下して、溶液に配位に参加する自由配位子Lがなくなると、形成されたL−Zn錯体(化学量論比L/Zn=1/1)は平衡を取った。このため、親和定数Kapp[Zn‐L]は被測定配位子L溶液に亜鉛イオン溶液を平衡になるまで滴下することにより計算できる。
【0129】
表1.異なる配位子化合物の、pH7.4での銅イオン、亜鉛イオンとの結合定数
【0131】
表1の結果から明らかなように、本発明の前記誘導体の銅、亜鉛イオンに対する配位能力をテストし、その錯化定数を計算した結果、本発明に係る誘導体は、銅イオンに対する錯化定数LogK
Cu2+が10〜16程度であり、亜鉛イオンに対する結合定数LogK
Zn2+が4程度であった。たとえば、TDMQ−19は、亜鉛イオンに対する錯化定数が0に近く、亜鉛イオンをほぼ錯化せず、銅イオンに対する錯化定数が10.2であり、両向の間に10桁の差異があり、TDMQ20は、銅、亜鉛イオンに対する錯化定数がそれぞれ16.5と4.2であり、12桁の差異がある。以上から分かるように、本発明の前記誘導体は、銅イオンを特異的にキレートする能力を有し、神経変性疾患を治療する薬物や銅イオン障害に関連する疾患を治療する薬物の開発製造に用いられ得る。
【0132】
実施例11:被測定化合物配位子による、アミロイドポリペプチドAβが銅イオン及び還元性試薬の条件で過酸化水素の生成を誘導することについての影響の定量的分析
【0133】
蛍光定量法を用いて過酸化水素の発生を測定し、実験用の過酸化水素キットはエンツォライフサイエンス株式会社(キット番号:ENZ−51004Lot No.10231415)製である。使用される蛍光分光計は、エジンバラ・インスツルメンツ製の型番FLSP9220であり、励起と放射帯域幅2nm、励起波長λex=540nm、放射波長λem=584nm、収集範囲550−700nmであった。実験ごとに3回繰り返した。母液として塩化第二銅水溶液10μM、アミロイドポリペプチドAβ1‐16水溶液10μM、化合物TDMQ−5塩酸塩水溶液10μM、化合物TDMQ−10塩酸塩水溶液10μM及び20μM、アスコルビン酸ナトリウム水溶液100μM、pH7.4の0.1M Hepes緩衝溶液を調製した。
【0134】
具体的な実験操作プロセスは以下のとおりである。Hepes緩衝溶液50μL、塩化第二銅水溶液10μL、アミロイドポリペプチドAβ1‐16水溶液10μLをそれぞれ取り、十分に混合して30分間インキュベーションし、Cu2+−Aβ1‐16錯体を形成した。次に化合物TDMQ溶液(添加体積10L又は20L、1当量又は2当量の銅イオンに相当)を添加して、添加終了後、混合して30分間インキュベーションし、次に、アスコルビン酸ナトリウム水溶液10μLを加えて、水を全体積が100Lになるまで加え、続いて、30分間インキュベーションした。銅イオン、Aβ1‐16、化合物TDMQ、アスコルビン酸ナトリウム、緩衝溶液の最終濃度はそれぞれ1μM、1μM、1μM又は2μM、10μM、50mMであった。次に、過酸化水素キットを用いて、蛍光分光計において(励起波長λex=540nm、放射波長λem=550〜700nm)を検出して、発生した過酸化水素の量を計算した。反応混合物を遮光下30分間インキュベーションした後に測定した。対照実験は、同一条件において以下のように測定した。Cu2+−Aβ1‐16錯体±アスコルビン酸ナトリウム、塩化第二銅±アスコルビン酸ナトリウム、アミロイドポリペプチドAβ 1−16だけ、銅イオンだけ。結果は
図2に示される。
【0135】
アミロイドポリペプチドAβが銅イオン及び還元性試薬の条件において過酸化水素の生成を誘導する試験を行った結果、本発明による誘導体は、アミロイドを特異的に結合でき、強い抗酸化ストレス能力を示した。