(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述の下地材検出具は、雄ねじなどの金属の存在を検出することはできるものの、検出した金属の位置を鉛筆などでマーキングし、更にインパクトドライバーなどの工具に持ち替えて雄ねじを取り外すといった作業が必要と成るので、作業の手間が大きい。また、マーキング時などに位置がずれて雄ねじを取り外す作業の際に再度雄ねじの位置を探りながら作業をしなければならない不具合も生じやすい。
【0006】
そこで、本発明は視認できない位置に隠された金属を探知するとともに当該金属の位置をマーキングすることができ、作業手間の軽減及び探知精度を向上させることができるマーキング治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一のマーキング治具は、把持部と、前記把持部の一端から突出して固定され、少なくともその先端が金属を探知可能な磁石製である探知部と、内孔を有する筒状に形成されており、当該内孔に前記探知部が挿通され、前記探知部の突出方向に摺動可能であり、且つ、その先端にインクが保持される着色部と、外力が加わらない状態において前記着色部の先端が前記探知部の先端よりも前記把持部側に位置するように当該着色部を保持する弾性保持部と、を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の
第二のマーキング治具は、把持部と、前記把持部の一端から突出して固定され、内孔を有する筒状に形成されており、先端にインクが保持される着色部と、前記内孔に挿入され、先端が前記内孔から出入可能に前記着色部の突出方向に摺動可能であり、少なくともその先端が金属を探知可能な磁石製である探知部と、外力が加わらない状態において前記探知部の先端が前記着色部の先端よりも突出するように保持する弾性保持部と、を備えることを特徴としている。
【0010】
本発明の
第三のマーキング治具は、前記着色部の先端が前記弾性保持部に抗して前記探
知部の先端よりも突出した状態に前記着色部を係止する係止手段を備えることを特徴としている。
【0011】
本発明の板材取り外し方法は、下地材に雄ねじによって固定された板材の表面に前記雄ねじを隠す化粧材が設けられた面構造から前記板材を取り外す板材取り外し方法であって、第一から
第三のいずれかのマーキング治具を前記探知部の先端が前記着色部の先端よりも突出した状態で、当該探知部の先端を前記面構造の表面に接近させて、当該表面上を移動させ、当該探知部の磁力により前記雄ねじが配置された位置を探知する探知工程と、前記探知部の先端が前記面構造の前記雄ねじが配置された位置の化粧材に当接した状態で、前記着色部の先端を前記化粧材に押し付けるマーキング工程と、前記マーキング工程で着色された化粧材にドライバーを押し当てて、前記雄ねじを取り外すねじ緩め外し工程と、前記雄ねじを取り外した状態の前記面構造から前記板材を取り外す工程と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第一及び
第二のマーキング治具によると、探知部の先端が着色部の先端よりも突出した状態で、金属が隠された位置を探知することができるので、探知する際に着色部の先端が金属を隠しているクロスなどの不必要な箇所を着色することが無く、金属が隠された位置のみを着色することができる。そして、金属の位置を検知した場合には、弾性保持部を変形させて着色部の先端が探知部の先端と面一になるように操作すれば、内側に金属が隠されている位置を正確に着色することができるので、金属が隠された位置を精度よくマーキングすることができる。本発明のマーキング治具は金属探知及びマーキングのみの機能であるので、例えばマーキング治具にドライバーの機能を持たせた場合にくらべて治具を軽くすることができ、金属を探知する際の作業者の負担を軽減することができ、また、金属に引き寄せられる磁力を敏感に感じ取ることができ、探知精度を向上させることができる。
【0013】
本発明の
第三のマーキング治具によると、係止手段により着色部の先端が弾性保持部に抗して探知部の先端よりも突出した状態に係止することができるので、例えば着色部の先端をスタンプ台に押し付けたい場合などに探知部にインクを付着させることなく着色部のみをスタンプ台に押し付けることができる。
【0014】
本発明の板材取り外し方法によると、マーキング工程では、探知部の先端が面構造の雄ねじが設けられた位置の化粧材に当接した状態で、着色部の先端を化粧材に押し付ける。探知部の先端は雄ねじに引き付けられる磁石であるので、雄ねじが設けられた位置に精度よくマーキングすることができる。そして、ねじ緩め外し工程は、着色された化粧材にドライバーを押し当てて雄ねじを緩め外すものであるので、マーキング治具にドライバーの機能を持たせた場合にくらべて治具を軽くすることができ、金属を探知する際の作業者の負担を軽減することができ、また、金属に引き寄せられる磁力を敏感に感じ取ることができ、探知精度を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係るマーキング治具1及び板材取り外し方法の第一実施形態について、
図1から
図6を参照しつつ説明する。本実施形態におけるマーキング治具1は、
図4から
図6に示すように、下地材2に雄ねじ3で固定された板材4の表面に化粧材5を貼付又は塗布して形成されている面構造の雄ねじ3の位置を検知し、当該雄ねじ3が設けられた位置の化粧材5の表面に着色することで雄ねじ3の位置をマーキングする治具である。なお、本発明におけるマーキング治具1は雄ねじ3の位置を検知し、マーキングする用途に限られるものではなく、例えば鋼製下地材などのような、金属製の建築材料であり、且つ、外部に露出しない材料の位置を検知しマーキングする治具として用いることができる。
【0017】
マーキング治具1は、
図1及び
図2に示すように、作業者が把持する把持部6と、把持部6の一端から突出して固定される磁石製の探知部7aと、筒状で内孔に探知部7aが挿通され、その先端にインク10が保持される着色部8aと、着色部8aと把持部6の間に設けられる弾性保持部9とを備えている。
【0018】
把持部6は作業者が把持可能な円柱形状に形成されている。把持部6はその一端に探知部7aの基端が固定されている。探知部7aは円柱状の永久磁石である。探知部7aはその全体が永久磁石製であってもよいが、例えば基端部側が樹脂や永久磁石ではない金属で形成され、先端に磁石を固定して形成されるものであってもよい。探知部7aの径は、探知精度を高めるためには探知する雄ねじ3のねじ頭の径とほぼ等しい径であることが好ましい。
【0019】
着色部8aは、円筒状で、内孔の径が探知部7aの径に等しく、探知部7aが着色部8aの内孔に挿入されるように形成されている。着色部8aは探知部7aの突出方向に摺動可能である。着色部8aは例えば樹脂製であり、先端にインク10を保持可能なゴム又は発泡樹脂製の先端部81を有している。先端部81の材質はこれに限られるものではないが内部にインク10を保持することができる気泡や隙間が形成されていることが好ましい。
【0020】
弾性保持部9は、コイルスプリングであり、探知部7aが挿入されて着色部8aと把持部6の間に配置されている。弾性保持部9は一端が把持部6の一端に固定されており、他端が着色部8aの基端に固定されることで、着色部8aを支持している。弾性保持部9は、
図1(A)に示すように、外力が加わっておらず弾性保持部9が変形していない状態において、着色部8aの先端を探知部7aの先端よりも把持部6側に位置するように着色部8aを保持している。また、着色部8aを把持部6から離れる方向に摺動させると、
図1(B)に示すように、弾性保持部9が弾性変形する。着色部8aは探知部7aに対して摺動することで、当該着色部8aの先端が探知部7aの先端よりも突出した状態と着色部8aの先端が探知部7aの先端よりも把持部6側に位置する状態とに移行可能となっている。
【0021】
着色部8aの内孔には、
図2(A)(B)に示すように、径方向に突出及び退入可能な係止爪11が形成されており、
図2(B)に示すように、探知部7aの外周に形成された係止穴12が係止爪11を受け入れることで、弾性保持部9の弾性力に抗して、着色部8aの先端が探知部7aの先端よりも突出した状態に着色部8aを係止することができる。本発明の係止手段は本実施形態においては係止爪11及び係止穴12がこれに相当する。なお、後述する第二実施形態及び
図7から
図10に示すように係止手段は係止腕16及び係止溝15から構成されるものであってもよい。この場合把持部6の外周面には係止溝15が形成されており、着色部8aの外周面に揺動可能に固定された係止腕16の先端が係止溝15に係止されることにより、弾性保持部9の弾性力に抗して把持部6と着色部8aとを離れた状態に係止することができる。
【0022】
次に、以上のように形成されるマーキング治具1を用いて、雄ねじ3の位置を探知し当該位置をマーキングすることにより、面構造から板材4を取り外す板材取り外し方法について説明する。面構造は、下地材2と、下地材2に張り渡される板材4と、板材4を下地材2に固定する雄ねじ3と、板材4の表面に設けられる化粧材5と、を備える。下地材2は鋼製下地材である。また、板材4は例えば石膏ボードである。雄ねじ3は高磁性を有する金属製である。また、化粧材5は、例えば合成樹脂などを材料として板材4に貼付されるクロスであってもよく、また漆喰や珪藻土のように板材4に塗布される材料であってもよい。化粧材5は少なくとも板材4の表面に露出する雄ねじ3のねじ頭を隠すことのできる構成であればどのような材料であってもよい。
【0023】
板材取り外し方法は、インク補充工程、探知工程、マーキング工程、ねじ緩め外し工程、板材取り外し工程とを備える。インク補充工程は、
図3に示すように、マーキング治具1の着色部8aの先端にインク10を補充する工程である。マーキング治具1は、まず着色部8aの先端が探知部7aの先端よりも突出するように弾性保持部9を弾性変形させて、係止爪11を係止穴12に挿入することで係止し、着色部8aの先端が探知部7aの先端よりも突出した状態を保持する。そして、スタンプ台13に着色部8aの先端部81を押し付けてスタンプ台13のインク10を着色部8aの先端部81に補充する。
【0024】
そして、探知工程では、
図4に示すように、マーキング治具1を探知部7aの先端が着色部8aの先端よりも突出した状態に保持する。具体的にはマーキング治具1は、係止部の係止を解除すると、弾性保持部9はその弾性力によって、探知部7aの先端が着色部8aの先端よりも突出するように着色部8aを保持する。なお、係止部の係止の解除は図示しないが、着色部8aの内孔から突出する係止爪11を退入させる操作片が着色部8aに設けられていてもよい。
【0025】
そして、探知部7aの先端を板材4の表面に設けられた化粧材5の表面に接近させて、当該表面上を移動させ、当該探知部7aの磁力により雄ねじ3が配置された位置を探知する。作業者は把持部6を把持しつつ、探知部7aが引き寄せられる位置、すなわち、雄ねじ3が隠されている位置を探り、当該位置の化粧材5の表面に探知部7aを当接させる。
【0026】
次に、マーキング工程では、
図5に示すように、探知部7aの先端が雄ねじ3が隠された位置の化粧材5に当接した状態で、着色部8aを弾性保持部9の弾性力に抗して摺動させて、着色部8aの先端を化粧材5に押し付ける。これによって着色部8aが保持するインク10が化粧材5に付着する。
【0027】
その後、ねじ緩め外し工程では、
図6に示すように、マーキング工程で着色された化粧材5にインパクトドライバーなどの工具14を押し当てて、雄ねじ3緩めて取り外す。そして、その後、図示しないが、雄ねじ3を取り外した状態の板材4を下地材2から取り外す。
【0028】
以上のように、本実施形態のマーキング治具1及び板材取り外し方法によると、探知部7aの先端は雄ねじ3に引き付けられる磁石であるので、雄ねじ3が設けられた位置に精度よくマーキングすることができる。そして、ねじ緩め外し工程は、着色された化粧材5にドライバーを押し当てて雄ねじ3を緩め外すものであるので、マーキング治具1にドライバーの機能を持たせる必要がなく、治具を軽くすることができ、金属を探知する際の作業者の負担を軽減することができ、また、金属に引き寄せられる磁力を敏感に感じ取ることができ、探知精度を向上させることができる。
【0029】
〔第二実施形態〕
次に、本発明に係るマーキング治具1及び板材取り外し方法の第二実施形態について、
図7から
図10を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。マーキング治具1は、
図7に示すように、作業者が把持する把持部6と、把持部6の一端から突出して固定され、先端にインク10が保持される着色部8bと、筒状で内孔に着色部8bが挿通され、少なくともその先端が金属を探知可能な磁石製である探知部7bと、探知部7bと把持部6の間に設けられる弾性保持部9と、を備えている。
【0030】
把持部6は第一実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。着色部8bは円柱形状でインク10を保持可能なゴム又は発泡樹脂製の先端部81を有している。そして、探知部7bは、円筒形状の永久磁石であり、内孔の径が着色部8bの径と略等しく形成されており、着色部8bを挿入可能な形状である。
【0031】
弾性保持部9は、コイルスプリングであり、着色部8bが挿入されて探知部7bと把持部6の間に配置されている。弾性保持部9は一端が把持部6の一端に固定されており、他端が探知部7bの基端に固定されることで、探知部7bを支持している。弾性保持部9は、外力が加わっておらず弾性保持部9が変形していない状態において、探知部7bの先端を着色部8bの先端よりも突出させるように探知部7bを保持している。探知部7bを把持部6に接近する方向に摺動させると、弾性保持部9が弾性変形する。探知部7bは着色部8bに対して摺動することで、当該探知部7bの先端が着色部8bの先端よりも突出した状態と着色部8bの先端が探知部7bの先端よりも把持部6側に位置する状態とに移行可能となっている。
【0032】
把持部6の外周面には係止溝15が形成されており、探知部7bの外周面に揺動可能に固定された係止腕16の先端が係止溝15に係止されることにより、弾性保持部9の弾性力に抗して把持部6と探知部7bとが接近した状態に係止することができる。これによって、着色部8bの先端が探知部7bの先端よりも突出した状態に保持することができる。本発明の係止手段は本実施形態においては係止腕16及び係止溝15がこれに相当する。なお、第一実施形態及び
図2から
図5に示すように係止手段は内孔に設けられた係止爪11及び係止穴12から構成されるものであってもよい。この場合、探知部7bの内孔に設けられた係止爪11が探知部7bの外周に形成された係止穴12に係止されることで、弾性保持部9の弾性力に抗して、着色部8bの先端が探知部7bの先端よりも突出した状態に着色部8bを係止することができる。
【0033】
次に、以上のように形成されるマーキング治具1を用いて、雄ねじ3の位置を探知し当該位置をマーキングすることにより、面構造から板材4を取り外す板材取り外し方法について説明する。第一実施形態と同様の構成は説明を省略する。板材4の取り外し方法は、インク補充工程、探知工程、マーキング工程、ねじ緩め外し工程、板材取り外し工程とを備える。インク補充工程は、
図8に示すように、着色部8bの先端が探知部7bの先端よりも突出するように探知部7bを把持部6に接近させ弾性保持部9を弾性変形させて、係止腕16の先端を係止溝15に挿入することで係止し、着色部8bの先端が探知部7bの先端よりも突出した状態を保持し、スタンプ台13に着色部8bの先端部81を押し付けてインク10を着色部8bの先端部81に補充する。
【0034】
その後、探知工程では、
図9に示すように係止腕16の先端を係止溝15から離脱させて係止部の係止を解除し、弾性保持部9の弾性力によって、探知部7bの先端が着色部8bの先端よりも突出するように探知部7bを保持する。そして、探知部7bの先端を板材4の表面に設けられた化粧材5の表面に接近させて、当該表面上を移動させ、当該探知部7bの磁力により雄ねじ3が配置された位置を探知する。
【0035】
そして、マーキング工程では、
図10に示すように、探知部の先端が雄ねじ3が隠された位置の化粧材5に当接した状態で、把持部6を弾性保持部9の弾性力に抗して化粧材5側に押すことで、把持部6の一端から突出する着色部8bの先端を化粧材5に押し付けて、着色部8bが保持するインク10を化粧材5に付着させる。
【0036】
その後、マーキング工程で着色された化粧材5の位置にインパクトドライバーなどの工具14を押し当てて、雄ねじ3緩めて取り外し、板材4を下地材2から取り外す。
【0037】
〔第三実施形態〕
次に、本発明に係るマーキング治具1及び板材取り外し方法の第三実施形態について、
図12から
図15を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態のマーキング治具1は、化粧材5によって隠れた雄ねじ3の位置を検知し、当該雄ねじ3が設けられた位置の化粧材5の表面に雄ねじ3の位置を示すマーキングを行う治具である。
【0038】
マーキング治具1は、
図12に示すように、作業者が把持する把持部6と、前記把持部の一端から突出して固定される筒状の着色部8cと、着色部8cの内孔に挿入され、先端が前記内孔から出入可能な探知部7cと、探知部7cの先端が着色部8cの先端よりも突出するように保持する弾性保持部9と、を備えている。
【0039】
把持部6は第一実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。着色部8cは軸方向の基端が把持部に固定された円筒形状に形成されており、先端がインク10を保持可能なゴム又は発泡樹脂製の先端部81を有している。着色部8cは内孔に第一実施形態と同様の係止爪11が形成されている。探知部7cは着色部8cの内孔に挿入可能な円柱形状の永久磁石である。探知部7cの外周には第一実施形態と同様の係止穴12が形成されている。
【0040】
弾性保持部9は、例えばコイルスプリングであり、着色部8cの内孔に挿入されており、内孔の内部で把持部6と探知部7cとの間に配置されている。
図12(A)に示すように、弾性保持部9に外力が加わっておらず変形していない状態においては、探知部7cの先端が着色部8cの内孔から突出するように探知部7cは保持されている。また、探知部7cの先端を弾性保持部9の弾性力に抗して着色部8c内に挿入すると、
図12(B)に示すように、弾性保持部9が弾性変形し、着色部8aの内孔に形成された係止爪11が探知部7cの外周に形成された係止穴12に挿入されて、探知部7cの先端が着色部8cの内孔に退入した状態に係止される。
【0041】
次に、以上のように形成されるマーキング治具1を用いた板材取り外し方法について説明する。板材4を取り外す面構造は第一実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。板材取り外し方法は、インク補充工程、探知工程、マーキング工程、ねじ緩め外し工程、板材取り外し工程とを備える。インク補充工程は、
図13に示すように、まず着色部8cの先端が探知部7cの先端よりも突出するように弾性保持部9を弾性変形させて、係止爪11を係止穴12に挿入することで係止し、着色部8cの先端が探知部7cの先端よりも突出した状態を保持する。そして、スタンプ台13に着色部8cの先端部81を押し付けてスタンプ台13のインク10を着色部8cの先端部81に補充する。
【0042】
そして、探知工程では、
図14に示すように、係止爪11と係止穴12との係止を解除し、弾性保持部9がその弾性力によって、探知部7cの先端が着色部8cの内孔から突出するように探知部7cを保持する。そして、探知部7cの先端を板材4の表面に設けられた化粧材5の表面上を移動させ、当該探知部7cの磁力により雄ねじ3が配置された位置を探知する。そして、マーキング工程では、
図15に示すように、探知部7cの先端が雄ねじ3が隠された位置の化粧材5に当接した状態で、把持部6を化粧材5側に押し付けて、探知部7cの先端を着色部cの内孔の内部に退入させて着色部8cの先端を化粧材5に押し付ける。これによって着色部8cが保持するインク10が化粧材5に付着する。
【0043】
その後、第一実施形態と同様のねじ緩め外し工程により雄ねじ3緩め外し、板材4を下地材2から取り外す。
【0044】
なお、第一実施形態から第三実施形態のマーキング治具1は着色部8a,8b,8cの先端部81をスタンプ台13に押し付けることでインク10を補充する構成であるが、このような構成に限られるものではなく、例えば、
図11に示すように、把持部6の他端から着色部8bの先端部81に至る貫通孔17を形成し、当該貫通孔17内にインク10を補充するとともに、当該インク10が着色部8bの先端部81に形成されている細孔を通って滲み出るように構成していてもよい。このように構成すればスタンプ台13に押し付けて補充する場合に比べてインク10の補充が必要となる回数を大きく減らすことができる。
【0045】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。